JP2948075B2 - 液晶表示パネルおよびその製造方法 - Google Patents

液晶表示パネルおよびその製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、液晶表示パネルおよ
びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】走査電極と信号電極をマトリクス状に配
列しその電極間に液晶を充填して多数の画素を形成し画
像を表示する液晶表示パネルはよく知られている。従来
よく用いられている液晶は、ツイスティッドネマティッ
ク型(TN型)液晶であった。TN型液晶を用いる場合
は電極上にポリイミドからなる薄膜を形成し、ラビング
して液晶配向膜として用いるのが普通であった。しかし
ながらこのようなTN液晶セルは視野角が狭いという問
題があった。
【0003】近年、視野角拡大を目的とする提案が都
甲、小林らにより提案されている(SID93 ダイジ
ェスト第622頁〜625頁)。この方式では、一対の
電極上にポリイミド配向膜を形成後ラビングしないで一
定の空隙を保ちながらカイラルネマティック液晶を注入
して液晶セルを作製する。カイラルネマティック液晶の
カイラルピッチはセル厚の4倍に設定されており、液晶
が自発的にセル内で90度程度捻れるようになってい
る。ここでセルの両面に配置した偏光板を平行または直
交にして電圧印加することにより光のスイッチが可能と
なる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この都
甲らによるラビングしない液晶表示セルは、液晶を等方
相でセルに注入しなければならず、液晶セル全体を等方
相温度以上に加熱する設備が必要になるという欠点なら
びに注入時に加熱・冷却を行うために注入工程の時間が
増加するという欠点があり現実的ではなかった。このラ
ビングしない液晶セルについて従来からTN液晶表示パ
ネルを作製する際に用いられている液晶をネマティック
相で注入する方法を用いた場合は、注入時の液晶の流れ
により液晶が部分的に配向するため、肉眼で見て均一性
に乏しいという欠点があった。またこのように流れで配
向した液晶セルは等方相で数時間保っても、その不均一
性は完全に解消されることはなかった。
【0005】この発明は、このような従来技術の欠点を
改善するためになされたものであり、ラビングしない液
晶表示セルの配向の不均一の少ない液晶表示パネルおよ
びその製造方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決する手段】この発明の液晶表示パネルは、
対向面に電極を設けた一対の基板と、この一対の基板に
挟持されたカイラルネマティック相を有する液晶と、前
記一対の基板の少なくとも一方の対向面に形成されたエ
ラストマーである有機高分子膜とを備えている。この発
明の液晶表示パネルに用いる液晶は、正の誘電異方性を
有するカイラルネマティック相を有しており、液晶分子
の分子長軸方向が微視的には一様な方向に配向した領域
が複数存在し、その各々の領域間では液晶分子長軸方向
が異なって存在し、かつ各々の領域内の一対の基板間で
は液晶分子は捻れ配向状態を呈し、基板界面近傍と液晶
層中に複数のディスクリネーションラインを有してい
る。
【0007】この発明の液晶表示パネルの製造方法は、
対向面に電極を設けた一対の基板のうち少なくとも一方
の基板の対向面に、エラストマーである有機高分子膜を
塗布し、一対の基板間にカイラルネマティック相を有す
る液晶を挟み込んだ後、液晶をネマティック相−等方相
転移点(NI点)以上に加熱し、その後室温に冷却する
ことを特徴とする。
【0008】
【作用】この発明の液晶表示パネルは、液晶と接する一
対の基板の対向面にエラストマーである有機高分子膜を
形成したものである。このような液晶表示パネルは、液
晶を2枚の電極間に室温で挟み込んだときに生じる流れ
による配向乱れを、加熱によりなくすことが可能であ
る。
【0009】流れによる配向乱れは、液晶が配向膜表面
に流れの方向に沿って吸着し配向膜に変形を与えている
ことにより生じていると考えられる。従来の構成では配
向膜の表面が変形しているため液晶セルを液晶のネマテ
ィック相−等方相転移点(NI点)以上に加熱しても、
この配向乱れは残存する。しかし、この発明の液晶表示
パネルにおいて配向膜として用いるエラストマーである
有機高分子膜は、弾性率が低く分子鎖がある程度自由に
動くことができ、そのため液晶注入時の流れに対しても
弾性変形し、流れによる液晶配向乱れを生じにくい。
【0010】さらに、液晶をネマティック相−等方相転
移点(NI点)以上に加熱し等方性液体とすることで、
液晶性物質はランダムにブラウン運動するようになる。
このとき電極間に液晶を挟み込んだときに液晶の流れに
より生じたわずかな配向膜分子鎖の変形は解消され、分
子鎖の配列はランダムになる。そのため、本発明の液晶
表示パネルは流れによる配向乱れを原因とする肉眼で観
測できる不均一さが生じなくなる。
【0011】
【実施例】この発明の液晶表示パネルの一実施例の断面
図を図1に示す。液晶1と接する面に透明電極2を有す
る基板3間に液晶1を挟み込んで液晶表示パネルを作製
してある。この液晶表示パネルは、基板3の液晶1と接
しない面には偏光板4を備えている。この実施例の液晶
表示パネルは従来からあるものと同様に、偏光板4およ
び液晶1さらにもう一つの偏光板4を通る光の透過率
が、液晶1へかける電界の大きさにより変化するもので
ある。2つの偏光板4の配置方法は平行または垂直が最
も好ましい。液晶表示パネルは基板3の透明電極2上に
エラストマーである有機高分子膜5をもっている。
【0012】液晶1は、ネマティック液晶にカイラル剤
を少量添加したカイラルネマティック液晶を用いる。ネ
マティック液晶およびカイラル剤はツイスティッドネマ
ティック(TN)液晶表示パネルやスーパーツイスティ
ッドネマティック(STN)液晶表示パネルに用いられ
ている公知のものをそのまま用いることができる。カイ
ラル剤は、たとえばBDH社製CB15、C15、メル
ク社製CN、R811、S811、R1011、S10
11、チッソ社製CM−19、CM、CM−20、CM
−21、CM−22などを用いることができる。用いる
液晶1の(液晶層厚/ピッチ)は0.1〜0.75程度
が好ましく、0.25が液晶表示パネルの色付きが少な
く最適である。
【0013】基板3としては可視光で透明であればよ
い。すなわち基板3としては、ガラス、アクリル樹脂、
ポリカーボネート樹脂、ポリエーテルスルホン、ポリア
リレート等公知の透明物質を用いることができる。この
基板3の厚みは特に規定しないが、1.1mm〜500
μm程度が一般的である。この基板3上に蒸着・スパッ
タ・CVD等の手段で酸化スズやITO(インジウムス
ズオキシド)による透明電極2を形成する。さらにこの
表面にエラストマーである有機高分子膜5を作製する。
【0014】エラストマーである有機高分子膜5はどの
ようなタイプでも構わないが、加熱により配向均一化を
はかりやすいことから、熱可塑性が好ましい。ここでエ
ラストマーとは、伸びが100%以上のもので外力を除
くと原型にほぼ回復するものをいう。さらにエラストマ
ーである有機高分子膜5は、ポリスチレン、ポリオレフ
ィン、ポリウレタン、ポリエステル、ポリ塩化ビニルか
ら選ばれる少なくとも1種類を含むものが最適である。
【0015】また、エラストマーである有機高分子5
は、使用温度範囲でエラストマーとしての性質を保って
いる必要がある。使用温度範囲は液晶表示パネルの用途
により異なるが、一般には0℃〜60℃程度である。エ
ラストマーである有機高分子膜5は、透明電極2を有す
る基板3上に溶液状態で塗布された後溶媒を除去するこ
とにより作製される。塗布方法としてはスピンコート法
や印刷法、ディップ法など公知の方法を用いることがで
きる。基板3上に製膜したエラストマーである有機高分
子膜5は、溶媒を除去するために加熱する必要がある。
加熱温度は溶媒によって異なるが、溶媒としてN−メチ
ルピロリドンを用いた場合は100℃のホットプレート
上で1分間加熱する程度で十分である。エラストマーで
ある有機高分子膜5の膜厚は特に限定しない。しかしな
がら、膜厚は20nm以上200nm以下にするのが最
適である。膜厚が20nm未満だと膜が全面を均一に覆
うことができなくなり、200nmより厚い場合は膜に
よる電圧降下が大きくなり、液晶表示パネルとしての表
示品位が低下する。
【0016】エラストマーである有機高分子膜5は、基
板3上の透明電極2を有する面に作製される。電極2と
配向膜となる高分子膜5の間に上下基板のショート防止
のため絶縁層が形成されてあっても構わない。絶縁層は
どのような材料であっても構わないが、たとえば酸化珪
素、酸化チタンが絶縁性と透明性で優れている。エラス
トマーである有機高分子膜5は、一軸配向性を有しては
ならない。エラストマーである有機高分子膜5が一軸配
向性をもった場合は、一様な方向に液晶分子長軸が配向
した領域が複数存在しなくなるため好ましくない。した
がって、作製されたエラストマーである有機高分子膜5
は、ラビング処理等の配向処理を行う必要はない。エラ
ストマーである有機高分子膜5と透明電極2を有する2
枚の基板3を、それぞれの基板3上の配向膜となる高分
子膜5が相対するように適切な間隔を保持してその間隙
に液晶1を挟み込む。この挟み込む方法としては、真空
注入法や液晶滴下法などの公知の方法を用いることがで
きる。2枚の基板3の間隔を一定に保つために、通常、
ガラスあるいは合成樹脂の球状粒子を基板3間に配置す
るのが一般的である。また液晶1を挟み込む前または挟
み込むのと同時に2枚の基板3を接着剤を用いて貼り合
わせるのが好ましい。接着剤としてはエポキシ樹脂がよ
く用いられる。
【0017】さらに、このようにして基板3間に液晶1
を挟み込んだ後、液晶のNI点以上にこの液晶1を挟持
した基板3を保持する。保持する時間は特に限定しない
が、熱風乾燥器を用いる場合は2時間程度で十分であ
る。液晶表示パネルをあまり長い時間高温で保持する
と、液晶が一部分解する可能性があるので好ましくな
い。さて、このようにして作製した液晶表示パネルの基
板3の表面に、偏光板4をその偏光軸が互いに直交する
ように張り付ける。下側基板3より光を入射し、上側基
板3上方より観察する。図2はこの実施例の液晶表示パ
ネルを駆動させた時のオフ電圧での画素内の微視的な配
向状態を表した斜視図である。図2の6は液晶分子の分
子長軸(ダイレクター)を表す。基板界面でのダイレク
ター6が異なる領域(ドメイン)7、8、9、10が複
数存在し、各ドメイン間ではダイレクター6の方向が異
なるために発生するディスクリネーションライン11が
見られた。通常の液晶表示パネルでは基板上の配向膜に
ラビングを施すために、画素内では液晶のダイレクター
6の方向が同一である1つのドメインしか見られない。
この実施例の場合ではエラストマーである有機高分子膜
5にラビング処理を施していないために、液晶分子は非
晶質状態となって配向し、複数のドメインが発生したも
のと考えられる。各ドメイン内では液晶分子は上下基板
間でd/pの設定値に応じて捻れた配向状態と呈してい
る。この実施例の場合、d/pを0.25に設定してい
るので、液晶分子は上下の基板間で90゜捻れて配向し
ている。この場合、入射光は液晶層の複屈折効果により
90゜偏光方向を変えて出射すると考えられる。
【0018】つぎに、オン電圧を印加した場合、各ドメ
イン内の液晶分子は捻れ配向状態からスプレイ配向状態
になるために、液晶層中(バルク)にも変形に伴うディ
スクリネーションラインが発生する。ドメイン内では液
晶分子はダイレクターが電界方向と平行になるように配
向し、入射光はほぼ直線偏光状態で液晶層を伝播し、出
射側偏光板にてカットされ暗状態が得られる。しかし、
ディスクリネーションは完全には消失しない。
【0019】また、エラストマーである有機高分子膜5
を有する液晶表示パネルは、液晶配向性が良好であり、
液晶注入による流れ方向の液晶1の配向不均一は全く見
られなかった。なお、以上の説明では液晶材料として液
晶層厚を液晶ピッチで割った値が0.25である場合の
液晶表示パネルを例にとって説明したが、液晶層厚/液
晶ピッチはこれに限定されるものではない。
【0020】また、以上の説明では透過型液晶表示パネ
ルを例にとって説明したが、一方の基板上に反射層をも
つ反射型液晶表示パネルなどにも適用することができ
る。以下に具体的な実施例を述べる。 (実施例1)ITOを用いた面積2cm2 の円形電極を
有するガラス基板上の電極を有する表面上に、ポリウレ
タンエラストマー(商品名パラプレン22S、日本ポリ
ウレタン製)のN−メチルピロリドン溶液を塗布して乾
燥し、膜厚70nmの膜を作製した。このパラプレン2
2Sで50μmのフィルムを作製し、室温で伸びを測定
したところ、200%以上あり張力を除くとほぼ元の長
さに戻った。
【0021】さらに、このパラプレン22S膜を形成し
た基板2枚を、配向膜が相対するように組み合わせた。
基板の間隔を5.0μmに保ち基板の周囲をエポキシ樹
脂で一箇所を除きシールした後、真空注入法によりNI
点64℃のネマティック液晶(商品名LIXON660
4、チッソ石油化学製)を基板間に封入して液晶表示パ
ネルを作製した。ここで注入した液晶は、カイラル剤
(商品名R811、E.メルク社製)を液晶のピッチが
20μmになるように添加したものを用いた。この液晶
パネルを熱風乾燥器中120℃で1時間保持した後室温
に冷却した。
【0022】この液晶パネルを、偏光軸が直交するよう
に配置した2枚の偏光板間に挟持した。さらに、この液
晶表示パネルに5V、60Hzの矩形波を印加したとこ
ろ、電極部分は光が透過せず、それ以外の部分は光が透
過する状態となった。また、ポリウレタンエラストマー
である有機高分子膜を有する液晶表示パネルは、液晶配
向性が良好であり、液晶注入による流れ方向の液晶の配
向不均一は全く見られなかった。 (実施例2)ITOを用いた面積2cm2 の円形電極を
有するガラス基板上の電極を有する表面上に、ポリスチ
レンエラストマー(商品名カリフレックスTR、シェル
化学製)のトルエン溶液を塗布して乾燥し、膜厚70n
mの膜を作製した。このカリフレックスTRで50μm
のフィルムを作製し、室温で伸びを測定したところ、2
00%以上あり張力を除くとほぼ元の長さに戻った。
【0023】さらに、このカリフレックスTR膜を形成
した基板2枚を、配向膜が相対するように組み合わせ
た。基板の間隔を5.0μmに保ち基板の周囲をエポキ
シ樹脂で一箇所を除きシールした後、真空注入法により
NI点64℃のネマティック液晶(商品名LIXON6
604、チッソ石油化学製)を基板間に封入して液晶表
示パネルを作製した。ここで注入した液晶は、カイラル
剤(商品名R811、E.メルク社製)を液晶のピッチ
が20μmになるように添加したものを用いた。この液
晶パネルを熱風乾燥器中120℃で1時間保持した後室
温に冷却した。
【0024】この液晶パネルを、偏光軸が直交するよう
に配置した2枚の偏光板間に挟持した。さらに、この液
晶表示パネルに5V、60Hzの矩形波を印加したとこ
ろ、電極部分は光が透過せず、それ以外の部分は光が透
過する状態となった。また、ポリスチレンエラストマー
である有機高分子膜を有する液晶表示パネルは、液晶配
向性が良好であり、液晶注入による流れ方向の液晶の配
向不均一は全く見られなかった。 (実施例3)ITOを用いた面積2cm2 の円形電極を
有するガラス基板上の電極を有する表面上に、ポリウレ
タンエラストマー(商品名エラストランE1080、日
本エラストラン製)のN−メチルピロリドン溶液を塗布
して乾燥し、膜厚70nmの膜を作製した。このエラス
トランE1080で50μmのフィルムを作製し、室温
で伸びを測定したところ、400%以上あり張力を除く
とほぼ元の長さに戻った。
【0025】さらに、このエラストランE1080膜を
形成した基板2枚を、配向膜が相対するように組み合わ
せた。基板の間隔を5.0μmに保ち基板の周囲をエポ
キシ樹脂で一箇所を除きシールした後、真空注入法によ
りNI点64℃のネマティック液晶(商品名LIXON
6604、チッソ石油化学製)を基板間に封入して液晶
表示パネルを作製した。ここで注入した液晶は、カイラ
ル剤(商品名R811、E.メルク社製)を液晶のピッ
チが20μmになるように添加したものを用いた。この
液晶パネルを熱風乾燥器中120℃で1時間保持した後
室温に冷却した。
【0026】この液晶パネルを、偏光軸が直交するよう
に配置した2枚の偏光板間に挟持した。さらに、この液
晶表示パネルに5V、60Hzの矩形波を印加したとこ
ろ、電極部分は光が透過せず、それ以外の部分は光が透
過する状態となった。また、ポリウレタンエラストマー
である有機高分子膜を有する液晶表示パネルは、液晶配
向性が良好であり、液晶注入による流れ方向の液晶の配
向不均一は全く見られなかった。 (比較例1)ITOを用いた面積2cm2 の円形電極を
有するガラス基板上の電極を有する表面上に、ポリイミ
ドワニス(商品名LQ−S100、日立化成製)のN−
メチルピロリドン溶液を塗布し、ホットプレートを用い
て溶媒をとばした後250℃で1時間硬化し、膜厚70
nmの膜を作製した。このポリイミドで50μmの厚さ
の膜を作製し、伸びを測定したところ、伸びは5%以下
であった。
【0027】さらに、このポリイミド膜を形成した基板
2枚を、配向膜が相対するように組み合わせた。基板の
間隔を5.0μmに保ち基板の周囲をエポキシ樹脂で一
箇所を除きシールした後、真空注入法によりNI点64
℃のネマティック液晶(商品名LIXON6604、チ
ッソ石油化学製)を基板間に封入して液晶表示パネルを
作製した。ここで注入した液晶は、カイラル剤(商品名
R811、E.メルク社製)を液晶のピッチが20μm
になるように添加したものを用いた。この液晶パネルは
高温に保持しなかった。
【0028】この液晶パネルを、偏光軸が直交するよう
に配置した2枚の偏光板間に挟持した。さらに、この液
晶表示パネルに5V、60Hzの矩形波を印加したとこ
ろ、電極部分は光の透過せず、それ以外の部分は光が透
過する状態となった。しかし、電圧OFF時にもON時
にも注入時の液晶の流れに沿った筋が観測できた。その
ため電圧OFF時には筋に沿って色づき、電圧ON時も
均一な黒表示にはならなかった。 (比較例2)ITOを用いた面積2cm2 の円形電極を
有するガラス基板上の電極を有する表面上に、硬化物の
ガラス転移点266℃のポリイミドワニス(商品名LQ
−S100、日立化成製)のN−メチルピロリドン溶液
を塗布し、ホットプレートを用いて溶媒をとばした後2
50℃で1時間硬化し、膜厚70nmの膜を作製した。
【0029】さらに、このポリイミド膜を形成した基板
2枚を、配向膜が相対するように組み合わせた。基板の
間隔を5.0μmに保ち基板の周囲をエポキシ樹脂で一
箇所を除きシールした後、真空注入法によりNI点64
℃のネマティック液晶(商品名LIXON6604、チ
ッソ石油化学製)を基板間に封入して液晶表示パネルを
作製した。ここで注入した液晶は、カイラル剤(商品名
R811、E.メルク社製)を液晶のピッチが20μm
になるように添加したものを用いた。この液晶パネルを
熱風乾燥器中120℃で1時間保持した後室温に冷却し
た。
【0030】この液晶パネルを、偏光軸が直交するよう
に配置した2枚の偏光板間に挟持した。さらに、この液
晶表示パネルに5V、60Hzの矩形波を印加したとこ
ろ、電極部分は光が透過せず、それ以外の部分は光が透
過する状態となった。しかし、電圧OFF時にもON時
にも注入時の液晶の流れに沿った筋が観測できた。その
ため電圧ON時も均一な黒表示にはならなかった。
【0031】これらの実施例1〜3および比較例1,2
の液晶パネルの比較検討をするために液晶配向性を調べ
た。配向性は電圧無印加持の目視観察で配向欠陥が見ら
れるかどうかで判断した。その結果を表1に示した。
【0032】
【表1】
【0033】
【発明の効果】この発明の液晶表示パネルは、ラビング
処理を行わずに作製することが可能であり、液晶のNI
点以上で加熱することにより、液晶の配向不均一のない
液晶表示パネルを作製することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の液晶表示パネルの一実施例の断面図
である。
【図2】図1の液晶表示パネルの画素内の微視的な配向
状態を示した斜視図である。
【符号の説明】 1 液晶 2 透明電極 3 基板 4 偏光板 5 エラストマーである有機高分子膜 6 液晶分子の分子長軸 7 ドメイン 8 ドメイン 9 ドメイン 10 ドメイン 11 ディスクリネーションライン

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 対向面に電極を設けた一対の基板と、こ
    の一対の基板に挟持されたカイラルネマティック相を有
    する液晶と、前記一対の基板の少なくとも一方の対向面
    に形成されたエラストマーである有機高分子膜とを備え
    た液晶表示パネル。
  2. 【請求項2】 エラストマーである有機高分子膜が、熱
    可塑性であることを特徴とする請求項1記載の液晶表示
    パネル。
  3. 【請求項3】 エラストマーである有機高分子膜が、一
    軸配向性をもたないことを特徴とする請求項1記載の液
    晶表示パネル。
  4. 【請求項4】 前記カイラルネマティック相を有する液
    晶のd/pが0.25であることを特徴とする請求項1
    〜3記載の液晶表示パネル。
  5. 【請求項5】 対向面に電極を設けた一対の基板のうち
    少なくとも一方の基板の対向面に、エラストマーである
    有機高分子膜を塗布し、前記一対の基板間にカイラルネ
    マティック相を有する液晶を挟み込んだ後、前記液晶を
    ネマティック−等方相転移点(NI点)以上に加熱し、
    その後室温に冷却することを特徴とする液晶表示パネル
    の製造方法。
  6. 【請求項6】 前記カイラルネマティック相を有する液
    晶のd/pが0.25であることを特徴とする請求項5
    記載の液晶表示パネルの製造方法。
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