JP2947383B2 - 磁気記録媒体 - Google Patents
磁気記録媒体Info
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Description
む磁性層を用いた塗布型の磁気記録媒体に関するもので
ある。
なる塗布型の磁気記録媒体は、技術改革の激しい市場に
おいて、数十年という長い間使用され続けている。そし
てこの間、数多くのフォーマットが提案され使用されて
いるが、その流れは近年特に媒体の高記録密度を指向し
ており、更には、良好な画質、音質、エラーレートを実
現するために、高出力、高S/N、高C/N等の諸性能
をも目指している。
保磁力Hcが大きく、粒径のより小さな磁性粉が開発さ
れてきた。また、磁性粉も酸化鉄から金属単体、合金等
のメタルへと変遷し、メタルの場合は磁性層も塗布型で
なく金属薄膜を蒸着したものとすることも提案されてい
る。
性層中にバインダ樹脂を含むという構造上の特徴から、
上記金属薄膜を蒸着した磁性層に比較して、耐久性、出
力安定性等の面において抜群の信頼を得ている。そして
現時点においても、高い磁気特性と信頼性を有する塗布
型のメタルテープが金属系磁気記録媒体の主流をなして
おり、多くのフォーマットにおいて用いられている。
とスレーブテープとを接触させて転写させ、高速ダビン
グによってソフトテープを作成する接触転写式高速ダビ
ングを行う場合、マザーテープとしては、スレーブテー
プの数倍の保磁力Hcを有することが必要であるとされ
ており、塗布型メタルテープをスレーブテープとした
時、それに対応するマザーテープは、従来の塗布型メタ
ルテープでは保磁力Hcが不足するという問題があり、
そのため、8mmビデオ、M−II等のメタルテープを媒
体としたフオーマットにおいては接触転写式高速ダビン
グ方式によるソフトテープの供給が困難であった。
記マザーテープとしても使用することのできるメタルテ
ープを実現するには、磁性粉の飽和磁化量σs及び保磁
力Hcを更に大きくする必要がある。しかし、現行広く
用いられているメタル磁性粉においては、飽和磁化量σ
sを大きくすると磁性粉の化学的安定性を損う問題があ
り、保磁力Hcについては、製造条件、添加物等の検討
が種々試みられているが、現行よりも向上させることは
できていない。
問題点を解決するためになされたものであり、その目的
は、上記マザーテープとして十分に使用可能な高い磁気
特性を有する塗布型の磁気記録媒体を提供することにあ
る。
発明は、支持体上に、磁性粉及びバインダ樹脂を含む磁
性層を塗布してなる塗布型の磁気記録媒体に関するもの
である。そして、この磁気記録媒体の前記磁性粉はFeX
NY(但し、0.05≦Y/(X+Y)≦0.15であ
る。)で表わされる窒素含有鉄磁性粉であり、かつ、こ
の磁性粉の保磁力Hcは1500Oe以上、5000O
e以下、飽和磁化量σsは160emu/g以上、210em
u/g以下、針状比は5以上、15以下、長軸長は0.
05μm以上、0.15μm以下である。
Y(但し、0.05≦Y/(X+Y)≦0.15である。)
を用いているため、飽和磁化量σs及び保磁力Hcを上
記範囲に迄向上することができ、しかも化学的に安定し
ている。
説明する。図1は本発明に基づく磁気記録媒体の一例を
示す部分断面図である。この磁気記録媒体1は、フィル
ム状の支持体2の片面に磁性粉及びバインダ樹脂を含有
する磁性層3を形成している。また、支持体2と磁性層
3との間には所望により磁気ヘッドとの接触性を改善す
るためのアンダーコート層4を設けることができ、更に
支持体2の裏面には遮光性或いはテープ走行性を改善す
るためのバックコート層5を設けることができる。
通りFeXNYで表わされる窒素含有鉄磁性粉である(但
し、O.O5≦ Y/(X+Y) ≦O.15である)。この磁
性粉を製造するには、例えば針状α−FeOOHを出発
原料とし、高温下で水素による還元を行い、その後、ア
ンモニアガス量を制御しながら窒化することによって、
所望のX及びYを有するものとすることができる。
場合は、保磁力Hc及び飽和磁化量σsが高い値を示
し、磁気特性も良好となるが、磁性粉の酸化安定性が極
めて悪くなるため取扱いが困難であり実用的でない。ま
た、Y/(X+Y)が0.15を超える場合は、飽和磁化量
σsが160emu/g以上とならないため磁気特性が向上
しない。
比を5〜15とし、長軸長を0.05〜0.15μmと
すれば、この磁性粉は僅かな酸素との接触によって急激
に酸化されることがないため化学的安定性が良好な上、
本発明の範囲を含む保磁力Hc500〜6000Oe、
飽和磁化量σs100〜220emu/gの磁性粉を形成す
ることができる。
録媒体としたときに磁性粉は良好な配向性を示し、更に
飽和磁束密度Bm及び残留磁束密度Brも高くなるため、
高記録密度及び高出力を達成することができる。一方、
長軸長が上記範囲にあれば、高密度記録再生時のS/
N、C/Nが高くなり、高波長領域におけるノイズも低
下させることができる。
〜5000Oe、かつ飽和磁化量σsは160〜210e
mu/gでなければならない。この保磁力Hcが1500
Oe未満又は飽和磁化量σsが160emu/g未満では、
高記録密度、高出力の磁気記録媒体を得ることができ
ず、一方、保磁力Hcが5000Oeを超えるか又は飽
和磁化量σsが210emu/gを超えた場合は再現性及び
化学安定性が悪い。
樹脂の例としては、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸
ビニル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル−ビニルアル
コール共重合体、ポリビニルブチラール、塩化ビニリデ
ン−アクリロニトリル共重合体、アクリロニトリル−ア
クリル酸−2−ヒドロキシメチルメタクリレート共重合
体等のビニル系樹脂、トリレンジイソシアネート、ジフ
ェニルメタンジイソシアネート等のポリイソシアネート
とポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール等
のポリオールから形成されるポリウレタン系樹脂或いは
ウレタンプレポリマー、ビスフェノール類とグリシジル
エーテル類から形成されるエポキシ樹脂、アクリロニト
リル−ブタジエン共重合体等のゴム系樹脂、ニトロセル
ロース、アセチルセルロース等の繊維素系樹脂が挙げら
れる。これらの結合剤は2種類以上を併用してもよい。
等の潤滑剤、カーボン等の帯電防止剤、アルミナ粉末等
の研磨剤等を添加することができ、また粘度調整に用い
る溶剤としてはトルエン、メチルエチルケトン等の公知
の有機溶剤を用いることができる。
テルを主成分とするフィルムが好ましく、ポリエステル
の中でもポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナ
フタレート等が好適である。
には、上記磁性粉、バインダ樹脂及び添加剤をニーダ、
ロールミル、ピンミル、サンドミル等の分散装置によっ
て分散し、調製された磁性塗料をロールコータ、押出し
コータ等によって支持体2の片面又は両面に塗布する。
そして、磁性塗料が完全に乾燥しないうちに電磁石等を
用いて磁性塗料中に含まれる磁性粉を配向する。次い
で、ドライヤによって乾燥し、また金属ロールによって
磁性層の表面平滑化を行い、最後にスリットして磁気記
録媒体を完成する。
例を更に詳細に説明する。実施例1〜6、比較例1〜9 下記表1に示した特性を有する各磁性粉を使用し、以下
の組成の磁性塗料をサンドミルにより混合分散して調製
した。なお、比較例8のY/(X+Y)が0.03の磁性粉は
極めて酸化されやすいため、不活性ガス中で十分注意し
ながら塗料化を行った。磁性塗料組成物 磁性粉 100重量部 バインダ樹脂 ポリビニルブチラール 10 〃 ポリウレタン樹脂(ポリエステルポリオールと、 MDIとの反応物) 11 〃 研磨剤 α−アルミナ 2 〃 帯電防止剤 カーボン微粉末 2 〃 潤滑剤 パルミチン酸 2 〃 硬化剤 ポリイソシアネート 2 〃 溶剤 シクロヘキサノン 100 〃 メチルエチルケトン 100 〃
し、カレンダ処理、スリッティングを施して1/2イン
チ幅のテープとした。こうして得られた各磁気テープの
特性を同じく表1に示した。
較例(1〜7,9)の磁気テープについて、信号周波数
変化に対する再生出力を測定し図2に示した。なお、こ
の再生出力の測定は次のように行った。すなわち、放送
局用VTR(D3フォーマット:松下電産製、AJ−D
350)を用い、このVTRを改造して、正弦波の信号
を外部からヘッドアンプに直接入力できるようにし、上
記各磁気テープへの信号記録を行った。そして、約5〜
50MHzの帯域の再生出力を測定し、図2のグラフと
した(比較例1の最大出力の値を0dBとした)。
磁気テープは比較例のものに比べて特に高波長域(40
MHz付近)の出力が高かった。
IIフォーマット用マザーテープとして用い、ダビング
後、比較例1をリファレンス(0dB)として、スレー
ブテープの電磁変換特性である「Y(輝度信号)−S/
N」及び「C(色信号)−S/N」を測定した。この結
果を下記表2に示す。
レーブテープの電磁変換特性は非常に優秀であるため、
本実施例の磁気テープはマザーテープとして十分に使用
できることが分った。
用いて、搬送波周波数35MHz、ノイズ周波数30M
HzにおけるC/Nを測定した。なお、デッキはD3フ
ォーマットのPAL用を使用し、比較例1をリファレン
ス(0dB)とした。この結果を下記表3に示す。
ずれもC/Nが高い(すなわちノイズが小さい)ことが
明らかである。なお、実施例2の磁気テープは、図2に
おける再生出力が他の実施例と比較して低めであった
が、磁性粉の長軸長が小さい(すなわち結晶径が小さ
い)ため、ノイズを大幅に低減できたものである。
用いて、周波数35MHzにおける、当初の再生出力と
温度60℃、湿度90%の条件下に1週間保存した後の
再生出力とを測定した。この結果を下記表4及び図3に
示す。ここにおいて表4は、比較例1の保存前の再生出
力をリファレンス(0dB)として表わしたものであ
り、また図3は、各磁気テープの保存前の再生出力を0
dBとして表わしたものである。
較例1の磁気テープは、前記保存後の出力低下は少ない
ものの当初の再生出力が小さく、また比較例8のもの
は、当初の再生出力は大きいものの保存後の出力が大き
く低下する。これに対して各実施例の磁気テープは、当
初の再生出力は高く、また保存後の低下もそれほど大き
くない。
体は、前記磁性粉がFeXNY(但し、0.05≦Y/(X+
Y)≦0.15である。)で表わされる窒素含有鉄磁性
粉であるため、この磁性粉の化学的安定性を保ちながら
保磁力Hc及び飽和磁化量σsを向上することができ
る。また、本発明に係る磁性粉の保磁力Hcは1500
〜5000Oe、飽和磁化量σsは160〜210emu/
gであるため、高記録密度、高出力の磁気記録媒体を得
ることができる。
15であるので、磁気記録媒体としたときに磁性粉は良
好な配向性を示す。また飽和磁束密度Bm及び残留磁束
密度Brも高くなるため、高記録密度及び高出力を達成
することができる。更に、長軸長が0.05〜0.15
μmであるため、高密度記録再生時のS/N、C/Nが
高くなり、高波長領域におけるノイズも低下させること
ができる。
断面図
る信号周波数−再生出力線図
る高温高湿試験前後の再生出力を表わすグラフ
ダーコート層、5…バックコート層。
Claims (1)
- 【請求項1】支持体上に、磁性粉及びバインダ樹脂を含
む磁性層を塗布してなる塗布型の磁気記録媒体におい
て、この磁気記録媒体は、前記磁性粉がFeXNY(但
し、0.05≦Y/(X+Y)≦0.15である。)で表わ
される窒素含有鉄磁性粉であり、かつ、この磁性粉の保
磁力Hcが1500Oe以上、5000Oe以下、飽和
磁化量σsが160emu/g以上、210emu/g以下、
針状比が5以上、15以下、長軸長が0.05μm以
上、0.15μm以下であることを特徴とする磁気記録
媒体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6023593A JP2947383B2 (ja) | 1993-03-19 | 1993-03-19 | 磁気記録媒体 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6023593A JP2947383B2 (ja) | 1993-03-19 | 1993-03-19 | 磁気記録媒体 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06274856A JPH06274856A (ja) | 1994-09-30 |
JP2947383B2 true JP2947383B2 (ja) | 1999-09-13 |
Family
ID=13136313
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP6023593A Expired - Lifetime JP2947383B2 (ja) | 1993-03-19 | 1993-03-19 | 磁気記録媒体 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2947383B2 (ja) |
-
1993
- 1993-03-19 JP JP6023593A patent/JP2947383B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH06274856A (ja) | 1994-09-30 |
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