JP2946994B2 - 木質パネル - Google Patents

木質パネル

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JP2946994B2
JP2946994B2 JP5072569A JP7256993A JP2946994B2 JP 2946994 B2 JP2946994 B2 JP 2946994B2 JP 5072569 A JP5072569 A JP 5072569A JP 7256993 A JP7256993 A JP 7256993A JP 2946994 B2 JP2946994 B2 JP 2946994B2
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立男 岩田
敏 鈴木
四郎 花尾
宏寿 高橋
和志 遠藤
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は木質パネルにかかわり、
特に、パネル強度と軽量化とが両立した木質パネルに関
する。
【0002】
【従来の技術】従来から、木材を解繊して得られる木質
繊維をバインダーと混練し、これをフォーミングし熱圧
成形して得られる木質パネルは、建材、家具、調度など
の分野で多用されている。このような従来の木質パネル
における木質繊維の結合状態の概略図を図6に示す。図
6において、従来の木質パネルは木質繊維1がバインダ
ー4で結合され、一体化成形されている。この木質パネ
ルにあっては、木質繊維1は、相互の交点の小部分での
みバインダー4によって結合されている。また、このバ
インダー4はフェノール樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹
脂などであって、この木質パネルのパネル密度は、0.
5g/cm3 以上とされている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記のような従来の木
質パネルは、パネルが重いので施工性がよくないばかり
でなく、吸音率もよくないという問題があった。パネル
を軽量化しようとして密度を低くすると、パネルの強度
が低下するため、外力が加わることのあるシステムキッ
チンの扉や箱もの家具などの内装材として使用できな
い。本発明は、上記の事情にかんがみてなされたもので
あり、その目的はパネル強度と軽量化とを両立させた木
質パネルを提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明においては、木質繊維が、発泡性ポリウレタ
ン樹脂とフェノール樹脂とを含む混合バインダーで一体
化成形されてなる木質パネルを構成する。あるいは、木
質繊維が、発泡性ポリウレタン樹脂とユリア樹脂とを含
む混合バインダーで一体化成形されてなる木質パネルを
構成することもできる。
【0005】本発明の木質パネルに使用される木質繊維
は、木材チップを常法によって解繊して得られるもので
あって、その繊維長は1〜30mm程度、繊維幅は0.
1〜2mm程度であるものが好ましい。
【0006】本発明に使用されるバインダーは、発泡性
バインダーとして発泡性ポリウレタン樹脂を含むもので
ある。このバインダーは、木質パネル中で木質繊維を相
互に結合するとともに、それ自体が部分的に発泡してい
る。このバインダーに含まれる発泡性ポリウレタン樹脂
、木質パネルの製造過程で発泡するものであって、発
泡剤なしで自己発泡するものである。
【0007】本発明の木質パネルに用いられるバインダ
ーは、上記の発泡性ポリウレタン樹脂の他に、非発泡性
のバインダーを含むものである。この非発泡性バインダ
ーの例としては、フェノール樹脂、またはユリア樹脂な
どを挙げることができる。非発泡性バインダーとして、
特に、木質パネルに耐水性が要求される場合には、フェ
ノール樹脂系のものを用いることが好ましく、低価格が
要求される場合にはユリア樹脂系のものを用いることが
好ましい。
【0008】木質繊維に対するバインダー(発泡性バイ
ンダーを含むバインダー)の割合は、木質繊維100重
量部に対して5〜40重量部とすることが好ましい。図
2に木質繊維100重量部に対するバインダー量と曲げ
強さとの関係を示す。図2は、木質パネルの密度が約
0.45g/cm3 のときのものであるが、密度が変化
しても同様の傾向の結果となる。木質繊維100重量部
に対しバインダーを5重量部以上添加すると強度が向上
する。木質繊維100重量部に対しバインダーを40重
量部以上添加してもさほど強度は向上しなくなる。
【0009】バインダー中の発泡性バインダーの割合
は、曲げ強さ(JISA−5908)の観点から10重
量%以上とすることが好ましい。図3に、バインダー中
の発泡性バインダーの割合と木質パネルの曲げ強さとの
関係を示す。図3のグラフから、発泡性バインダーの割
合を10重量%以上とすると強度が向上することがわか
る。
【0010】本発明の木質パネルを製造するに際して、
フォーミングは乾式フォーミングによることが好まし
い。湿式フォーミングでは脱水のためにフォーミング物
を強く圧縮する必要があり、その結果、製品密度が過大
となるからである。好ましくは、乾式フォーミングによ
って、まず、製品木質パネルの厚みの5〜30倍の厚み
のマットを形成し、次いでプリプレスによって、製品パ
ネルの厚みの2〜5倍のフォーミング物とする。これに
よって、木質パネルの密度を以下に述べる好適な程度に
調整することができる。次に熱圧成形機中でこのフォー
ミング物に熱圧を加えて木質パネルを成形する。その熱
圧条件は温度100〜200℃、圧力10〜20kgf
/cm2 、時間は製品パネルの厚み(mm)×5〜12
0秒とすることが好ましい。
【0011】本発明の木質パネルは、その密度が0.4
9g/cm3 以下となるように調整することが好まし
い。すなわち、0.49g/cm3 を越えると軽量化が
達成できず、施工性が低下する。木質パネルの密度は、
フォーミング時に単位面積当り堆積させる木質繊維量を
制御することによって容易に調整することができる。
【0012】本発明の木質パネルは、密度を0.29g
/cm3 以下にすると、良好な吸音性が得られ、吸音パ
ネルとして好適となる。図4に木質パネルの密度と垂直
入射吸音率との関係、図5に木質パネルの密度と曲げ強
さとの関係を示す。これらは、木質繊維100重量部に
対しバインダーを20重量部添加した木質パネルのデー
タである。木質パネルの密度を0.29g/cm3 以下
にすると垂直入射吸音率(JIS A−1405)が
0.5以上という優れた吸音性を示し、吸音パネルとし
て好適であることがわかる。本発明の木質パネルを吸音
パネルとして使用する場合、吸音性能は密度が低い程向
上するが、施工強度を維持するために密度を0.17g
/cm3 以上とすることが好ましい。密度が0.17g
/cm3 未満であると強度が不足し、施工時や運搬時に
破損する虞が大きくなる。また、本発明の木質パネル
は、密度を0.37g/cm3 以上にすると曲げ強度が
150kgf/cm2 以上という軽量高剛性部材にな
り、外力が加わることのある内装材に好適となる。
【0013】
【作用】次に、図面を用いて本発明の木質パネルの作用
を説明する。図1は、本発明の木質パネルにおける木質
繊維の結合状態の概略図を示すものである。図1におい
て、符号1は木質繊維であり、符号2は発泡性バインダ
ーを含むバインダーである。このバインダー2は木質繊
維1に結合するとともに、その内部に気泡3を含んでい
る。バインダー2は発泡しているので比重が小さい。従
って、少量(重量)を用いてもその体積は大となり、木
質繊維の全体を覆うように展着される。このため、木質
繊維1は広い結合面で結合され、かつバインダー自体は
微小気泡を含んでいるので柔軟化され、外力に対する緩
衝作用があり破壊され難い。その結果、結合された木質
繊維の集積である木質パネルの強度が向上すると考えら
れる。また、バインダーが発泡体であることによって音
響反射が低減され、吸音特性も改善される。特に木質パ
ネルが低密度の場合には吸音特性の改善効果が大きい。
【0014】
【実施例】次に本発明の実施例について説明する。 (実施例1)木質繊維としては、カナディアンフォレス
トプロダクツ社製のアンブリーチドメカニカルウッドフ
ァイバーを用いた。発泡性バインダーとしては、ウレタ
ン樹脂(住友バイエルウレタン社製の粗MDI)を用い
た。非発泡性バインダーとして、未濃縮タイプのユリア
樹脂を用いた。上記の木質繊維100重量部とウレタン
樹脂10重量部とユリア樹脂10重量部とを混練し、含
水率が10〜15%となるように乾燥した。この混練物
を厚さ150mmとなるように乾式フォーミングし、プ
リプレスを施し、厚さ40mmにした。次いでホットプ
レス中で、厚さ25mmとなるように、温度150℃、
圧力10kg/cm2 で15分間熱圧成形し、実施例1
の木質パネルを得た。得られた木質パネルは、密度が
0.25g/cm3 であり、曲げ強さは25kgf/c
2 であった。またこの木質パネルの垂直入射吸音率は
1000Hzにおいて0.7であった。上記の結果か
ら、実施例1の木質パネルが密度、曲げ強さ、垂直入射
吸音率において吸音パネルとして好適に使用できる特性
を有していることがわかる。
【0015】(実施例2) 実施例1と同じ木質繊維、発泡性バインダー、非発泡性
バインダーを用意し、木質繊維100重量部とウレタン
樹脂7重量部とユリア樹脂14重量部とを混練し、含水
率が10〜15%となるように乾燥した。この混練物を
厚さ570mmとなるように乾式フォーミングし、プリ
プレスを施し、厚さ40mmにした。次いでホットプレ
ス中で、厚さ20mmとなるように、温度150℃、圧
力10kg/cm2 で15分間熱圧成形し、実施例2の
木質パネルを得た。得られた木質パネルは、密度が0.
45g/cm3 であり、曲げ強さは217kgf/cm
2 であった。上記の結果から、実施例2の木質パネルが
密度、曲げ強度においてシステムキッチンの扉、箱もの
家具などの内装材などとして使用できる特性を有してい
ることがわかる。
【発明の効果】本発明の木質パネルは、木質繊維が、発
泡性ポリウレタン樹脂とフェノール樹脂とを含む混合バ
インダー、あるいは発泡性ポリウレタン樹脂とユリア樹
脂とを含む混合バインダーで一体化成形されてなるもの
であるので、軽量であり強度が高く、かつ施工性に優れ
ている。また、バインダーが発泡体であるので吸音性も
優れている。従って本発明の木質パネルは内装材などと
して有効に使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の木質パネルにおける木質繊維の結合
状態を示す概略図である。
【図2】 バインダーの重量割合と曲げ強さとの関係を
示すグラフである。
【図3】 バインダー中の発泡性バインダーの割合と木
質パネルの曲げ強さとの関係を示すグラフである。
【図4】 木質パネルの密度と吸音率との関係を示すグ
ラフである。
【図5】 木質パネルの密度と曲げ強さとの関係を示す
グラフである。
【図6】 従来の木質パネルにおける木質繊維の結合状
態を示す概略図である。
【符号の説明】
1…木質繊維、2…バインダー。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 高橋 宏寿 静岡県浜松市中沢町10番1号 ヤマハ株 式会社内 (72)発明者 遠藤 和志 静岡県浜松市中沢町10番1号 ヤマハ株 式会社内 (56)参考文献 特開 昭57−182420(JP,A) 実開 平4−126809(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B27N 3/00 - 3/04 B32B 5/18 - 5/20

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 木質繊維が、発泡性ポリウレタン樹脂と
    フェノール樹脂とを含む混合バインダーで一体化成形さ
    れてなる木質パネル。
  2. 【請求項2】 木質繊維が、発泡性ポリウレタン樹脂と
    ユリア樹脂とを含む混合バインダーで一体化成形されて
    なる木質パネル。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JPH03230906A (ja) * 1990-02-05 1991-10-14 Hokushin Kk 軽量mdfの製造方法

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