JP2945236B2 - 光ファイバーコネクタとその製造方法 - Google Patents
光ファイバーコネクタとその製造方法Info
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、光ファイバーコネクタ
とその製造方法に関する。
とその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】光ファイバー相互の導光路の接続に用い
られる光ファイバーコネクタとしては、たとえばピン嵌
合型光ファイバーコネクタがある。ピン嵌合型光ファイ
バーコネクタでは、その端面同士を接続する際に、位置
決め用の嵌合ガイドピンが用いられ、接続力は定荷量の
板バネによって、加えられている。
られる光ファイバーコネクタとしては、たとえばピン嵌
合型光ファイバーコネクタがある。ピン嵌合型光ファイ
バーコネクタでは、その端面同士を接続する際に、位置
決め用の嵌合ガイドピンが用いられ、接続力は定荷量の
板バネによって、加えられている。
【0003】このような光ファイバーコネクタの製造方
法について、図11,12に基づき、簡単に説明する。
この従来例では、多芯光ファイバーコネクタの製造方法
を例として説明する。図11に示すように、光ファイバ
ーテープ1の先端部分の被覆を剥ぎ、4本の光ファイバ
ー2を露出させる。光コネクタ本体3には、光ファイバ
ー2を挿入するための孔4と光ファイバーコネクタ同士
を芯合わせして接続するためのガイドピン孔5が設けて
ある。
法について、図11,12に基づき、簡単に説明する。
この従来例では、多芯光ファイバーコネクタの製造方法
を例として説明する。図11に示すように、光ファイバ
ーテープ1の先端部分の被覆を剥ぎ、4本の光ファイバ
ー2を露出させる。光コネクタ本体3には、光ファイバ
ー2を挿入するための孔4と光ファイバーコネクタ同士
を芯合わせして接続するためのガイドピン孔5が設けて
ある。
【0004】光ファイバーテープ1先端の各光ファイバ
ー2をコネクタ本体3の孔4内に通し、光ファイバーの
先端を、図12に示すように、コネクタ本体の接合側端
面6から突出させた後、両者を固定するために、接着剤
7を塗布して乾燥させる。
ー2をコネクタ本体3の孔4内に通し、光ファイバーの
先端を、図12に示すように、コネクタ本体の接合側端
面6から突出させた後、両者を固定するために、接着剤
7を塗布して乾燥させる。
【0005】これらの作業に引き続き、光コネクタ本体
3の接続端面6を光ファイバー2の端面と共に、研削お
よび研磨を行う。
3の接続端面6を光ファイバー2の端面と共に、研削お
よび研磨を行う。
【0006】このようにして得られた光ファイバーコネ
クタ相互を接続する際に、光ファイバー同士の間に空気
層を生じる場合は、光の接続損失の増大につながるだけ
ではなく、光ファイバーと空気の屈折率の差により、光
が発振側に反射され、光信号の乱れを引き起こす。この
空気層を埋めるために、光ファイバーコネクタの接続端
面6には、光ファイバーの屈折率と同等の屈折率を有す
るオイル等のマッチング剤を充填する方法がとられてい
る。
クタ相互を接続する際に、光ファイバー同士の間に空気
層を生じる場合は、光の接続損失の増大につながるだけ
ではなく、光ファイバーと空気の屈折率の差により、光
が発振側に反射され、光信号の乱れを引き起こす。この
空気層を埋めるために、光ファイバーコネクタの接続端
面6には、光ファイバーの屈折率と同等の屈折率を有す
るオイル等のマッチング剤を充填する方法がとられてい
る。
【0007】また、光ファイバーコネクタの接続に際し
て、マッチング剤を用いずに、接続させる手段として、
単芯光コネクタでは、コネクタの接続端面に凸球面加工
を施す凸球面研磨方法が知られている。この凸球面研磨
方法により得られた光ファイバーコネクタ相互を接続す
れば、光ファイバーの端面相互が、いわゆる物理的接触
(Physical Contact)接続状態(以
下、PC接続という)となる。
て、マッチング剤を用いずに、接続させる手段として、
単芯光コネクタでは、コネクタの接続端面に凸球面加工
を施す凸球面研磨方法が知られている。この凸球面研磨
方法により得られた光ファイバーコネクタ相互を接続す
れば、光ファイバーの端面相互が、いわゆる物理的接触
(Physical Contact)接続状態(以
下、PC接続という)となる。
【0008】また、一列に並んだ多芯光ファイバーコネ
クタにおいては、単芯光コネクタの凸球面と同じ考えか
ら、図13に示すように、接続端面6aを円筒側面状に
研磨し、多芯光コネクタ相互のPC接続を得ることが提
案されている。
クタにおいては、単芯光コネクタの凸球面と同じ考えか
ら、図13に示すように、接続端面6aを円筒側面状に
研磨し、多芯光コネクタ相互のPC接続を得ることが提
案されている。
【0009】また、前述した凸球面研磨方法のほかに、
遊離砥粒による研磨方法が提案されている。光ファイバ
ー(石英ガラス)に比べ、コネクタ本体(樹脂)の材質
が柔らかい性質を利用し、光コネクタ端面の研磨におい
ては、遊離砥粒の研磨方法を採用することで、光ファイ
バーより、材質の柔らかいコネクタ本体部分を大きく研
磨し、その結果、光コネクタ本体の端面より、光ファイ
バーの端面を突き出させ、多心光ファイバーコネクタの
PC接続を得ようとしている。
遊離砥粒による研磨方法が提案されている。光ファイバ
ー(石英ガラス)に比べ、コネクタ本体(樹脂)の材質
が柔らかい性質を利用し、光コネクタ端面の研磨におい
ては、遊離砥粒の研磨方法を採用することで、光ファイ
バーより、材質の柔らかいコネクタ本体部分を大きく研
磨し、その結果、光コネクタ本体の端面より、光ファイ
バーの端面を突き出させ、多心光ファイバーコネクタの
PC接続を得ようとしている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】ところが、前述した各
方法では、以下に示す課題を有している。 (1)オイル等のマッチング剤を使用する方法では、接
続作業が煩雑となるほか、マッチング剤の蒸発などによ
る接続の長期的信頼性が問題となる。 (2)凸球面や円筒側面状に研磨加工される光ファイバ
ーコネクタは、光ファイバーが同心状に配置される多芯
光ファイバーコネクタ、または光ファイバーが複数列に
並んで配置される多芯光ファイバーコネクタに対し、P
C接続を得ることができない。 (3)光ファイバーと光コネクタ本体の材質硬度の違い
を利用した遊離砥粒による研磨方式では、得られたファ
イバーの突き出し量に限界があるほか、均一にファイバ
ーの突き出し量が得られないおそれがある。したがっ
て、複数の光ファイバーすべてのPC接続が保証できな
い。この理由について、以下に詳細に説明する。
方法では、以下に示す課題を有している。 (1)オイル等のマッチング剤を使用する方法では、接
続作業が煩雑となるほか、マッチング剤の蒸発などによ
る接続の長期的信頼性が問題となる。 (2)凸球面や円筒側面状に研磨加工される光ファイバ
ーコネクタは、光ファイバーが同心状に配置される多芯
光ファイバーコネクタ、または光ファイバーが複数列に
並んで配置される多芯光ファイバーコネクタに対し、P
C接続を得ることができない。 (3)光ファイバーと光コネクタ本体の材質硬度の違い
を利用した遊離砥粒による研磨方式では、得られたファ
イバーの突き出し量に限界があるほか、均一にファイバ
ーの突き出し量が得られないおそれがある。したがっ
て、複数の光ファイバーすべてのPC接続が保証できな
い。この理由について、以下に詳細に説明する。
【0011】図14には、光ファイバー(石英ガラス)
より光コネクタ(樹脂)の材質が柔らかい性質を利用し
て、遊離砥粒の研磨方式による研磨された4芯の光ファ
イバーコネクタの接続端面から、各光ファイバーの突き
出しの様子を示す。図14中、横軸が、光ファイバーコ
ネクタの端面における各光ファイバー端面を含む一方向
距離であり、縦軸が凹凸量である。4芯の光ファイバー
の端面位置2a,2b,2c,2dが、揃っていないこ
とが分かる。
より光コネクタ(樹脂)の材質が柔らかい性質を利用し
て、遊離砥粒の研磨方式による研磨された4芯の光ファ
イバーコネクタの接続端面から、各光ファイバーの突き
出しの様子を示す。図14中、横軸が、光ファイバーコ
ネクタの端面における各光ファイバー端面を含む一方向
距離であり、縦軸が凹凸量である。4芯の光ファイバー
の端面位置2a,2b,2c,2dが、揃っていないこ
とが分かる。
【0012】下記の数式(1)には、光ファイバーコネ
クタ相互の接続力Fによって、突き出した光ファイバー
(1芯)に生じる最大歪εの計算式を示し、その値は約
0.018である。これによって、光ファイバーの端面
が1μm程度突き出した場合に、その圧縮弾性変位量η
は下記の数式(2)により、僅か0.018μmしか得
られないことが分かる。
クタ相互の接続力Fによって、突き出した光ファイバー
(1芯)に生じる最大歪εの計算式を示し、その値は約
0.018である。これによって、光ファイバーの端面
が1μm程度突き出した場合に、その圧縮弾性変位量η
は下記の数式(2)により、僅か0.018μmしか得
られないことが分かる。
【0013】
【数1】 ε=σY /E … 数式(1) =130/7140 =0.018 ただし、応力σY は130Kg/mm2 であり、ヤング
率Eは7140Kg/mm2 である。
率Eは7140Kg/mm2 である。
【0014】
【数2】η=1・ε … 数式(2) =0.018μm ただし、突き出し量を1μmとする。
【0015】上記数式(1),(2)の結果から、多芯
の光ファイバー突き出し量の不揃いが、0.018μm
以上になると、確実にPC接続を得ることが困難である
ことが分かる。現状では、図14に示すように、ファイ
バーの不揃いが0.1μm以上となっており、機械精度
などの要素を考えると、遊離砥粒方式などのように、物
理的にワークの除去を行なう方法では、ファイバーの不
揃いを0.018μm以下に抑えることは技術的に極め
て困難である。
の光ファイバー突き出し量の不揃いが、0.018μm
以上になると、確実にPC接続を得ることが困難である
ことが分かる。現状では、図14に示すように、ファイ
バーの不揃いが0.1μm以上となっており、機械精度
などの要素を考えると、遊離砥粒方式などのように、物
理的にワークの除去を行なう方法では、ファイバーの不
揃いを0.018μm以下に抑えることは技術的に極め
て困難である。
【0016】また、繰り返し接続にあたって、ファイバ
ー損傷の問題もある。そのほか、研磨時間が長く生産性
が極めて低いという課題も有する。
ー損傷の問題もある。そのほか、研磨時間が長く生産性
が極めて低いという課題も有する。
【0017】本発明は、このような実情に鑑みてなさ
れ、特に多芯の光ファイバーコネクタにおいて、接続作
業が容易であり、確実なPC接続を可能とし、接続損失
が少なく、しかも製造が容易な光ファイバーコネクタの
構造およびその製造方法を提供することを目的とする。
れ、特に多芯の光ファイバーコネクタにおいて、接続作
業が容易であり、確実なPC接続を可能とし、接続損失
が少なく、しかも製造が容易な光ファイバーコネクタの
構造およびその製造方法を提供することを目的とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の光ファイバーコネクタは、光コネクタ本体
の端面を、接続すべき他の光コネクタ本体の端面に直接
圧接される平坦状の第1端面と、接続すべき他の光コネ
クタ本体の端面に対して接触しないように第1端面から
後退した第2端面とから構成し、複数の光ファイバーの
端面が、第1端面に露出すると共に第1端面における微
小凹凸の基準面から所定バラツキの範囲内においてそれ
ぞれ所定量の凹みをなすように形成されており、第1端
面の面積が、光ファイバーコネクタ相互の圧接力によ
り、複数の光ファイバー端面の所定量の凹み以上に、光
ファイバーの軸方向に沿って、圧縮弾性変形するように
決定されていることを特徴とする。
に、本発明の光ファイバーコネクタは、光コネクタ本体
の端面を、接続すべき他の光コネクタ本体の端面に直接
圧接される平坦状の第1端面と、接続すべき他の光コネ
クタ本体の端面に対して接触しないように第1端面から
後退した第2端面とから構成し、複数の光ファイバーの
端面が、第1端面に露出すると共に第1端面における微
小凹凸の基準面から所定バラツキの範囲内においてそれ
ぞれ所定量の凹みをなすように形成されており、第1端
面の面積が、光ファイバーコネクタ相互の圧接力によ
り、複数の光ファイバー端面の所定量の凹み以上に、光
ファイバーの軸方向に沿って、圧縮弾性変形するように
決定されていることを特徴とする。
【0019】本発明の光ファイバーコネクタの製造方法
は、光コネクタ本体の端面に、接続すべき他の光コネク
タ本体の端面に直接圧接される平坦状の第1端面と、接
続すべき他の光コネクタ本体の端面に対して接触しない
ように第1端面から後退した第2端面とを形成する工程
と、この光コネクタ本体に対し、複数の光ファイバー
を、それぞれの端面が、第1端面から露出するように挿
入する工程と、第1端面及び複数の光ファイバーの端面
に対して、砥石を用いたメカノケミカル研磨を行い、複
数の光ファイバーの端面を、第1端面の微小凹凸の基準
面に対して、所定量凹ませる工程とを有し、第1端面の
面積を、光ファイバーコネクタ相互の圧接力により、複
数の光ファイバー端面の所定量の凹み以上に、光ファイ
バーの軸方向に沿って、圧縮弾性変形するように決定す
る、ことを特徴とする。
は、光コネクタ本体の端面に、接続すべき他の光コネク
タ本体の端面に直接圧接される平坦状の第1端面と、接
続すべき他の光コネクタ本体の端面に対して接触しない
ように第1端面から後退した第2端面とを形成する工程
と、この光コネクタ本体に対し、複数の光ファイバー
を、それぞれの端面が、第1端面から露出するように挿
入する工程と、第1端面及び複数の光ファイバーの端面
に対して、砥石を用いたメカノケミカル研磨を行い、複
数の光ファイバーの端面を、第1端面の微小凹凸の基準
面に対して、所定量凹ませる工程とを有し、第1端面の
面積を、光ファイバーコネクタ相互の圧接力により、複
数の光ファイバー端面の所定量の凹み以上に、光ファイ
バーの軸方向に沿って、圧縮弾性変形するように決定す
る、ことを特徴とする。
【0020】すなわち、本発明では、光ファイバーコネ
クタ相互を接続する際に、各芯の光ファイバー端面のP
C接続状態を得るために、接続すべき他のコネクタと接
触させる第1端面の面積を減らし、接続力によるコネク
タの圧縮変形量を確保することによって、確実に前記光
ファイバーコネクタのPC接続を得る仕組みを取り入れ
た。
クタ相互を接続する際に、各芯の光ファイバー端面のP
C接続状態を得るために、接続すべき他のコネクタと接
触させる第1端面の面積を減らし、接続力によるコネク
タの圧縮変形量を確保することによって、確実に前記光
ファイバーコネクタのPC接続を得る仕組みを取り入れ
た。
【0021】
【作用】特に、多芯光ファイバーコネクタのPC接続を
確実に得るためには、各々の光ファイバーの端面が同じ
平面に揃うことと、光ファイバーコネクタ相互の接続に
際して、光ファイバー端面同士の接触が必要である。
確実に得るためには、各々の光ファイバーの端面が同じ
平面に揃うことと、光ファイバーコネクタ相互の接続に
際して、光ファイバー端面同士の接触が必要である。
【0022】本発明では、第1端面が第2端面から突き
出した位置にありながら、各光ファイバーの端面が、ほ
ぼ揃っており、しかも第1端面の基準面より所定量凹ん
でいることから、光ファイバーコネクタ相互が接続され
る際に加えられる接続力によって、コネクタ本体の第1
端面が光ファイバーの軸方向に、光ファイバー端面の凹
み量以上に弾性圧縮変形しようとする。その結果、光フ
ァイバー端面同士の直接接続(PC接続)が得られる。
出した位置にありながら、各光ファイバーの端面が、ほ
ぼ揃っており、しかも第1端面の基準面より所定量凹ん
でいることから、光ファイバーコネクタ相互が接続され
る際に加えられる接続力によって、コネクタ本体の第1
端面が光ファイバーの軸方向に、光ファイバー端面の凹
み量以上に弾性圧縮変形しようとする。その結果、光フ
ァイバー端面同士の直接接続(PC接続)が得られる。
【0023】また、本発明の製造方法によれば、光コネ
クタ本体の第1端面及び複数の光ファイバーの端面に対
し、砥石を用いたメカノケミカル研磨を行なうことによ
り、第1端面の基準面に対して所定量凹み、各端面が揃
った光ファイバーの端面構造を容易に実現することがで
きる。したがって、製造工程を複雑にすることなく、本
発明に係る光ファイバーコネクタを、きわめて容易に製
造することができる。
クタ本体の第1端面及び複数の光ファイバーの端面に対
し、砥石を用いたメカノケミカル研磨を行なうことによ
り、第1端面の基準面に対して所定量凹み、各端面が揃
った光ファイバーの端面構造を容易に実現することがで
きる。したがって、製造工程を複雑にすることなく、本
発明に係る光ファイバーコネクタを、きわめて容易に製
造することができる。
【0024】
【実施例】以下、本発明を図面に示す実施例に基づき詳
細に説明する。図1は本発明の一実施例に係る光ファイ
バーコネクタの要部斜視図、図2は同実施例の光ファイ
バーコネクタの要部断面図、図3は同実施例の光ファイ
バーコネクタの接続状態を示す分解斜視図、図4は本発
明の一実施例で用いるメカノケミカル研磨により研磨さ
れる光ファイバーコネクタ端面の微細部分を誇張した斜
視図、図5,6は本発明の一実施例に係るメカノケミカ
ル研磨方法により研磨されたコネクタ端面の平坦度計測
値のグラフ、図7〜10は本発明の他の実施例に係る光
ファイバーコネクタの要部斜視図である。
細に説明する。図1は本発明の一実施例に係る光ファイ
バーコネクタの要部斜視図、図2は同実施例の光ファイ
バーコネクタの要部断面図、図3は同実施例の光ファイ
バーコネクタの接続状態を示す分解斜視図、図4は本発
明の一実施例で用いるメカノケミカル研磨により研磨さ
れる光ファイバーコネクタ端面の微細部分を誇張した斜
視図、図5,6は本発明の一実施例に係るメカノケミカ
ル研磨方法により研磨されたコネクタ端面の平坦度計測
値のグラフ、図7〜10は本発明の他の実施例に係る光
ファイバーコネクタの要部斜視図である。
【0025】実施例1 本発明の第1実施例では、一列に並んだ4芯の光ファイ
バーを有する光ファイバーコネクタを例にして説明す
る。図1〜3に示すように、本実施例に係る光ファイバ
ーコネクタ10は、光コネクタ本体11を有し、その端
面に、接続すべき他の光ファイバーコネクタ12の端面
に直接圧接される第1端面14と、接続すべき他の光フ
ァイバーコネクタ12の端面に対して接触しない第2端
面16とを有する。本実施例では、第1端面14は、正
面側からみて、半径Rの円形状であり、第1端面14の
端面の大きさを示す直径2Rおよび突出高さhは、後述
するような手法で決定される。
バーを有する光ファイバーコネクタを例にして説明す
る。図1〜3に示すように、本実施例に係る光ファイバ
ーコネクタ10は、光コネクタ本体11を有し、その端
面に、接続すべき他の光ファイバーコネクタ12の端面
に直接圧接される第1端面14と、接続すべき他の光フ
ァイバーコネクタ12の端面に対して接触しない第2端
面16とを有する。本実施例では、第1端面14は、正
面側からみて、半径Rの円形状であり、第1端面14の
端面の大きさを示す直径2Rおよび突出高さhは、後述
するような手法で決定される。
【0026】本実施例では、第2端面16に対して、ガ
イドピン孔18,18が形成してある。ガイドピン孔1
8,18には、図3に示すガイドピン20の一端が嵌合
する。ガイドピン20の他端は、本実施例に係る光ファ
イバーコネクタ10に対して接続されるその他の光ファ
イバーコネクタ12のガイドピン孔に嵌合され、両者の
芯合わせが行なわれる。両者とも本実施例に係るコネク
タであれば、さらに好ましい。
イドピン孔18,18が形成してある。ガイドピン孔1
8,18には、図3に示すガイドピン20の一端が嵌合
する。ガイドピン20の他端は、本実施例に係る光ファ
イバーコネクタ10に対して接続されるその他の光ファ
イバーコネクタ12のガイドピン孔に嵌合され、両者の
芯合わせが行なわれる。両者とも本実施例に係るコネク
タであれば、さらに好ましい。
【0027】本実施例に係る光ファイバーコネクタ10
には、図3に示すように、光ファイバーテープ22の端
部が接続される。光ファイバーテープ22には、4本の
光ファイバー24が内蔵してあり、これら光ファイバー
24の端部は、図1,2に示すように、第1端面14に
対して露出している。ただし、図2に示すように、各光
ファイバー24の端面24aは、第1端面14の基準面
に対して所定量δだけ凹んでいる。所定量δは、後述す
る第1端面の圧縮弾性変形量に応じて決定され、特に限
定されないが、たとえば0.05〜0.5μm、好まし
くは0.2μm程度である。なお、第1端面14の基準
面については、後述するが、マクロ的にみれば、第1端
面14のことである。
には、図3に示すように、光ファイバーテープ22の端
部が接続される。光ファイバーテープ22には、4本の
光ファイバー24が内蔵してあり、これら光ファイバー
24の端部は、図1,2に示すように、第1端面14に
対して露出している。ただし、図2に示すように、各光
ファイバー24の端面24aは、第1端面14の基準面
に対して所定量δだけ凹んでいる。所定量δは、後述す
る第1端面の圧縮弾性変形量に応じて決定され、特に限
定されないが、たとえば0.05〜0.5μm、好まし
くは0.2μm程度である。なお、第1端面14の基準
面については、後述するが、マクロ的にみれば、第1端
面14のことである。
【0028】図3に示すように、本実施例の光ファイバ
ーコネクタ10は、その他の光ファイバーコネクタ12
に対し、たとえばクランプスプリング13などの連結手
段により接続される。その他の光ファイバーコネクタ1
2も、本実施例の光ファイバーコネクタ10と同様な構
造であることが好ましい。クランプスプリング13を用
いた両光ファイバーコネクタ10,12の接続により、
本実施例の光ファイバーコネクタ10の第1端面14
は、クランプスプリング13によるスプリング力に基づ
く接続力で、他の光ファイバーコネクタ12の端面に圧
接する。
ーコネクタ10は、その他の光ファイバーコネクタ12
に対し、たとえばクランプスプリング13などの連結手
段により接続される。その他の光ファイバーコネクタ1
2も、本実施例の光ファイバーコネクタ10と同様な構
造であることが好ましい。クランプスプリング13を用
いた両光ファイバーコネクタ10,12の接続により、
本実施例の光ファイバーコネクタ10の第1端面14
は、クランプスプリング13によるスプリング力に基づ
く接続力で、他の光ファイバーコネクタ12の端面に圧
接する。
【0029】次に、本実施例における第1端面14の面
積と、突出高さhと、光ファイバー端面24aの凹み量
δとの関係について説明する。クランプスプリング13
による接続力をFとし、その値を1Kgfとし、第1端
面14の半径をRとし、その値を0.5mmとし、各光フ
ァイバーの半径をrとし、その値を0.0625mmとす
れば、第1端面14に作用する軸方向応力σは、以下の
数式(3)で表わすことができる。第1端面の平坦度は
十分によいので、完全な平面として考える。
積と、突出高さhと、光ファイバー端面24aの凹み量
δとの関係について説明する。クランプスプリング13
による接続力をFとし、その値を1Kgfとし、第1端
面14の半径をRとし、その値を0.5mmとし、各光フ
ァイバーの半径をrとし、その値を0.0625mmとす
れば、第1端面14に作用する軸方向応力σは、以下の
数式(3)で表わすことができる。第1端面の平坦度は
十分によいので、完全な平面として考える。
【0030】
【数3】 σ=F/π・(R2 −4r2 ) … 数式(3) =1.358Kg/mm2
【0031】また、この第1端面14の軸方向歪εは、
下記の数式(4)で表わすことができる。
下記の数式(4)で表わすことができる。
【数4】ε=σ/E … 数式(4) =0.00068 ただし、数式(4)中、Eは、コネクタ本体11のヤン
グ率であり、コネクタ本体11がエポキシ樹脂で構成さ
れていると仮定し、その値を1993Kg/mm2 とし
た。
グ率であり、コネクタ本体11がエポキシ樹脂で構成さ
れていると仮定し、その値を1993Kg/mm2 とし
た。
【0032】したがって、第1端面14の軸方向圧縮変
形量λは、下記の数式(5)で表わせる。
形量λは、下記の数式(5)で表わせる。
【数5】λ=h・ε … 数式(5) =0.34μm ただし、数式(5)では、突出高さhを500μmとし
て計算した。
て計算した。
【0033】本実施例では、この理論上の第1端面14
の軸方向圧縮変形量λが、光ファイバー端面24aの凹
み量δよりも大きくなるように、第1端面14の面積π
・(R2 −4r2 )および突出高さhが決定される。た
だし、接触面積の決定に際しては、ファイバー端面の微
少変形も考慮する必要がある。
の軸方向圧縮変形量λが、光ファイバー端面24aの凹
み量δよりも大きくなるように、第1端面14の面積π
・(R2 −4r2 )および突出高さhが決定される。た
だし、接触面積の決定に際しては、ファイバー端面の微
少変形も考慮する必要がある。
【0034】上記の数式(3)〜(5)による計算結果
では、λが0.34μmとなったので、凹み量δは、
0.34μm以下、好ましくは0.2μm程度が良い。
δが0.2μm程度となる第1端面14の構造は、後述
するメカノケミカル研磨方法により、きわめて容易に実
現できる。
では、λが0.34μmとなったので、凹み量δは、
0.34μm以下、好ましくは0.2μm程度が良い。
δが0.2μm程度となる第1端面14の構造は、後述
するメカノケミカル研磨方法により、きわめて容易に実
現できる。
【0035】本実施例によれば、第1端面14が第2端
面16から突き出した位置にありながら、各光ファイバ
ー24の端面が、ほぼ揃っており、しかも第1端面14
の基準面より所定量δだけ凹んでいることから、光ファ
イバーコネクタ10,12相互が接続される際に加えら
れる接続力Fによって、コネクタ本体11の第1端面1
4が光ファイバー24の軸方向に、光ファイバー端面の
凹み量δ以上に弾性圧縮変形しようとする。その結果、
光ファイバーコネクタ10,12の接続時に、光ファイ
バー端面24a同士の直接接続(PC接続)が得られ
る。
面16から突き出した位置にありながら、各光ファイバ
ー24の端面が、ほぼ揃っており、しかも第1端面14
の基準面より所定量δだけ凹んでいることから、光ファ
イバーコネクタ10,12相互が接続される際に加えら
れる接続力Fによって、コネクタ本体11の第1端面1
4が光ファイバー24の軸方向に、光ファイバー端面の
凹み量δ以上に弾性圧縮変形しようとする。その結果、
光ファイバーコネクタ10,12の接続時に、光ファイ
バー端面24a同士の直接接続(PC接続)が得られ
る。
【0036】なお、光ファイバー24も圧縮変形しよう
とするが、光ファイバー24を構成する石英のヤング率
は、コネクタ本体11を構成するエポキシ樹脂などに比
較し、3倍以上に大きいので、光ファイバーの軸方向変
形量は、僅かである。
とするが、光ファイバー24を構成する石英のヤング率
は、コネクタ本体11を構成するエポキシ樹脂などに比
較し、3倍以上に大きいので、光ファイバーの軸方向変
形量は、僅かである。
【0037】次に、本発明の第1実施例に係る光ファイ
バーコネクタ10の製造方法について説明する。本実施
例では、まず、図1,2に示す光コネクタ本体11を準
備する。光コネクタ本体11の端面は、第1端面14と
第2端面16との多段構造になっている。第1端面14
の面積は、第2端面16の面積に比較して小さく、前述
したように、光ファイバー端面24aの凹み量δが、第
1端面14の軸方向圧縮量λよりも小さくなるように決
定される。このような第1端面14と第2端面16を有
する光コネクタ本体11は、たとえばエポキシ樹脂など
で構成される。第1端面14および第2端面16は、本
体11を射出成形などで成形する際に一体的に形成して
も良いが、後加工により形成することもできる。この光
コネクタ本体11には、光ファイバーを貫通させるため
の光ファイバー用孔と、ガイドピン孔18とが形成され
る。光ファイバーを貫通させるための光ファイバー用孔
は、第1端面14に形成され、ガイドピン孔18は第2
端面16に形成される。
バーコネクタ10の製造方法について説明する。本実施
例では、まず、図1,2に示す光コネクタ本体11を準
備する。光コネクタ本体11の端面は、第1端面14と
第2端面16との多段構造になっている。第1端面14
の面積は、第2端面16の面積に比較して小さく、前述
したように、光ファイバー端面24aの凹み量δが、第
1端面14の軸方向圧縮量λよりも小さくなるように決
定される。このような第1端面14と第2端面16を有
する光コネクタ本体11は、たとえばエポキシ樹脂など
で構成される。第1端面14および第2端面16は、本
体11を射出成形などで成形する際に一体的に形成して
も良いが、後加工により形成することもできる。この光
コネクタ本体11には、光ファイバーを貫通させるため
の光ファイバー用孔と、ガイドピン孔18とが形成され
る。光ファイバーを貫通させるための光ファイバー用孔
は、第1端面14に形成され、ガイドピン孔18は第2
端面16に形成される。
【0038】次に、図11,12に示す従来例と同様に
して、光ファイバー用孔内に、光ファイバー24を挿通
し、光ファイバー24の端面を光コネクタ本体11の第
1端面14から突き出させ、接着剤を用いて光ファイバ
ー24を光コネクタ本体11に接着固定し、その後、第
1端面14を光ファイバー24の端面と共に、粗削り
し、その後研磨する。荒削りに際しては、本実施例で
は、たとえば集中度が75〜125で3000番のダイ
ヤモンドメタル砥石を用いる。ダイヤモンドメタル砥石
の集中度とは、砥粒層1cm2 当りに含まれるダイヤモ
ンドの量を示し、集中度100とは、砥粒層1cm2 当
りに含まれるダイヤモンドのカラット数が4.4である
ことを示す。また、番とは、砥石の粒度を示し、300
0番の場合には、砥石の粒径が約2.5〜6μmである
ことを示す。
して、光ファイバー用孔内に、光ファイバー24を挿通
し、光ファイバー24の端面を光コネクタ本体11の第
1端面14から突き出させ、接着剤を用いて光ファイバ
ー24を光コネクタ本体11に接着固定し、その後、第
1端面14を光ファイバー24の端面と共に、粗削り
し、その後研磨する。荒削りに際しては、本実施例で
は、たとえば集中度が75〜125で3000番のダイ
ヤモンドメタル砥石を用いる。ダイヤモンドメタル砥石
の集中度とは、砥粒層1cm2 当りに含まれるダイヤモ
ンドの量を示し、集中度100とは、砥粒層1cm2 当
りに含まれるダイヤモンドのカラット数が4.4である
ことを示す。また、番とは、砥石の粒度を示し、300
0番の場合には、砥石の粒径が約2.5〜6μmである
ことを示す。
【0039】本実施例では、荒削り工程の後の研磨工程
において、メカノケミカル研磨を用いる。本実施例のメ
カノケミカル研磨では、たとえば8000番の酸化セリ
ウム(CeO2 )砥石を用いた。8000番とは、0.
1〜16μmの大きさの砥粒のことである。
において、メカノケミカル研磨を用いる。本実施例のメ
カノケミカル研磨では、たとえば8000番の酸化セリ
ウム(CeO2 )砥石を用いた。8000番とは、0.
1〜16μmの大きさの砥粒のことである。
【0040】第1端面14に対して、メカノケミカル効
果を強めた端面仕上げ加工を行った結果、図2に示すよ
うに、第1端面14より、ファイバー端面24aが所定
量δだけ均等に凹むような光ファイバーコネクタ10を
製作できた。
果を強めた端面仕上げ加工を行った結果、図2に示すよ
うに、第1端面14より、ファイバー端面24aが所定
量δだけ均等に凹むような光ファイバーコネクタ10を
製作できた。
【0041】メカノケミカル研磨の具体的条件は、特に
限定されないが、好ましい条件を以下に示す。たとえば
8000番の酸化セリウム(CeO2 )砥石を、200
〜600m/minの周速で回転させ、この砥石の回転
平面に対して、光ファイバーが取り付けられた光ファイ
バーコネクタ10の第1端面14を、2Kg/cm2 の
一定応力で押し付け、10〜30秒の時間の研磨を行な
う。研磨に際しては、研磨面のpHが、約7となるよう
に、研磨液を流すことが好ましい。
限定されないが、好ましい条件を以下に示す。たとえば
8000番の酸化セリウム(CeO2 )砥石を、200
〜600m/minの周速で回転させ、この砥石の回転
平面に対して、光ファイバーが取り付けられた光ファイ
バーコネクタ10の第1端面14を、2Kg/cm2 の
一定応力で押し付け、10〜30秒の時間の研磨を行な
う。研磨に際しては、研磨面のpHが、約7となるよう
に、研磨液を流すことが好ましい。
【0042】前記凹み量δは、研磨負荷や研磨環境のp
H値などのパラメータを変化させることで、制御するこ
とができる。このような酸化セリウム砥石のメカノケミ
カル作用によって、光ファイバー端面24aを高精度に
揃えることが可能になると同時に、その端面24aを、
コネクタの第1端面14より、所定量δだけ、正確に凹
ませることができる。
H値などのパラメータを変化させることで、制御するこ
とができる。このような酸化セリウム砥石のメカノケミ
カル作用によって、光ファイバー端面24aを高精度に
揃えることが可能になると同時に、その端面24aを、
コネクタの第1端面14より、所定量δだけ、正確に凹
ませることができる。
【0043】このようなメカノケミカル作用により、光
ファイバー端面24aを高精度に凹ませることができる
理由は、以下の推定が可能である。研磨のメカノケミカ
ル効果とは、研磨材および被研磨材の間に、機械的エネ
ルギーによって誘起される化学反応により、被研磨材の
表面層を除去することである。
ファイバー端面24aを高精度に凹ませることができる
理由は、以下の推定が可能である。研磨のメカノケミカ
ル効果とは、研磨材および被研磨材の間に、機械的エネ
ルギーによって誘起される化学反応により、被研磨材の
表面層を除去することである。
【0044】図4に、メカノケミカル研磨の過程におい
て、ある時点でのコネクタの第1端面の表面粗さ状態
と、光ファイバー端面24aの凹みとの誇張概念図を示
す。図4では、第1端面14における微小凸部のうち最
も高い点をa,b,c,d,e,f,gの順に示し、も
っとも低い点をpに示す。図4の端面14中の微小凸部
のうち、高い方から順にa,b,cの3点は、砥石の瞬
間回転平面とみなすことができる。この平面は、メカノ
ケミカル反応の基準面と考える(以下基準面と略す)こ
とができる。メカノケミカル反応によって、光ファイバ
ーの端面を基準面より、凹面状に凹ませることができ
る。凹む量δは、前述したように、研磨負荷や研磨環境
のpH値などのパラメータによって制御できる。研磨圧
力を0.02Kg/cm2 とし、pH値を7とした場合
に、基準面に対して、ファイバー端面24aは、約0.
2μm凹むことが実験により確かめられた。また、光フ
ァイバーの端面の凹みは、機械精度や砥石の平坦度精度
などのような物理的な研磨・研削作用に直接に影響を受
けないことも確認された。
て、ある時点でのコネクタの第1端面の表面粗さ状態
と、光ファイバー端面24aの凹みとの誇張概念図を示
す。図4では、第1端面14における微小凸部のうち最
も高い点をa,b,c,d,e,f,gの順に示し、も
っとも低い点をpに示す。図4の端面14中の微小凸部
のうち、高い方から順にa,b,cの3点は、砥石の瞬
間回転平面とみなすことができる。この平面は、メカノ
ケミカル反応の基準面と考える(以下基準面と略す)こ
とができる。メカノケミカル反応によって、光ファイバ
ーの端面を基準面より、凹面状に凹ませることができ
る。凹む量δは、前述したように、研磨負荷や研磨環境
のpH値などのパラメータによって制御できる。研磨圧
力を0.02Kg/cm2 とし、pH値を7とした場合
に、基準面に対して、ファイバー端面24aは、約0.
2μm凹むことが実験により確かめられた。また、光フ
ァイバーの端面の凹みは、機械精度や砥石の平坦度精度
などのような物理的な研磨・研削作用に直接に影響を受
けないことも確認された。
【0045】図5,6に、光ファイバー端面の凹み状態
を示す実験結果を示す。図5,6では、4本の光ファイ
バーの端面が露出する6.4×2.5mmの大きさのコネ
クタ端面を、以下に示す条件でメカノケミカル研磨を行
ない、その端面の平坦度を、調べた。図5,6中、横軸
は、4本の光ファイバー端面の列に沿った光ファイバー
コネクタ端面の測定位置を示し、図5ではmmを単位と
し、図6ではミクロンを単位とした。また、縦軸は、平
坦度であり、図5ではμmを単位とし、図6ではnmを
単位とした。
を示す実験結果を示す。図5,6では、4本の光ファイ
バーの端面が露出する6.4×2.5mmの大きさのコネ
クタ端面を、以下に示す条件でメカノケミカル研磨を行
ない、その端面の平坦度を、調べた。図5,6中、横軸
は、4本の光ファイバー端面の列に沿った光ファイバー
コネクタ端面の測定位置を示し、図5ではmmを単位と
し、図6ではミクロンを単位とした。また、縦軸は、平
坦度であり、図5ではμmを単位とし、図6ではnmを
単位とした。
【0046】図5,6に示す端面が得られたメカノケミ
カル研磨の条件を、以下に示す。8000番の酸化セリ
ウム(CeO2 )砥石を、400m/minの周速で回
転させ、この砥石の回転平面に対して、4本の光ファイ
バーが取り付けられた光ファイバーコネクタの端面を、
約3Kg/cm2 の一定応力で押し付け、30秒の研磨
を行なった。研磨に際しては、研磨面のpHが、約7と
なるように、研磨液を流した。
カル研磨の条件を、以下に示す。8000番の酸化セリ
ウム(CeO2 )砥石を、400m/minの周速で回
転させ、この砥石の回転平面に対して、4本の光ファイ
バーが取り付けられた光ファイバーコネクタの端面を、
約3Kg/cm2 の一定応力で押し付け、30秒の研磨
を行なった。研磨に際しては、研磨面のpHが、約7と
なるように、研磨液を流した。
【0047】6.4×2.5mmの大きさのコネクタ端面
の平坦度が0.5μmであっても、図5,6に示すよう
に、4本の光ファイバー端面の不揃いを、0.01μm
レベル以下に押えることができることが確認された。
の平坦度が0.5μmであっても、図5,6に示すよう
に、4本の光ファイバー端面の不揃いを、0.01μm
レベル以下に押えることができることが確認された。
【0048】なお、酸化セリウムを用いた遊離砥粒方式
による研磨では、物理的な研磨効果が支配的となり、メ
カノケミカルの反応があるものの、その効果が弱い為、
ファイバー端面が、コネクタ端面より、非連続な凸面と
なっている。
による研磨では、物理的な研磨効果が支配的となり、メ
カノケミカルの反応があるものの、その効果が弱い為、
ファイバー端面が、コネクタ端面より、非連続な凸面と
なっている。
【0049】PC接続を得るには、均一にコネクタのフ
ァイバ端面を揃わせると同時に、接続に際して、ファイ
バ端面同士の直接接触が要求されている。本発明では、
コネクタの接触端面の面積を減らし、接続力によって生
じるコネクタの圧縮弾性変形を利用してコネクタのPC
接続を得ることに成功した。
ァイバ端面を揃わせると同時に、接続に際して、ファイ
バ端面同士の直接接触が要求されている。本発明では、
コネクタの接触端面の面積を減らし、接続力によって生
じるコネクタの圧縮弾性変形を利用してコネクタのPC
接続を得ることに成功した。
【0050】また、本実施例では、接続端面の面積(第
1端面14の面積)が小さくなったために、接続端面の
平坦度精度が、容易に0.05μmのレベルに達するこ
とができ、接続の安定性も向上した。
1端面14の面積)が小さくなったために、接続端面の
平坦度精度が、容易に0.05μmのレベルに達するこ
とができ、接続の安定性も向上した。
【0051】実施例2 本発明では、コネクタ本体の第1端面および第2端面の
具体的形状は、実施例1に示す形状に限らず、図7〜1
0に示す形状にすることもできる。
具体的形状は、実施例1に示す形状に限らず、図7〜1
0に示す形状にすることもできる。
【0052】図7に示す実施例では、第2端面16aの
形状は第1実施例と同様な平面形状であるが、第1端面
14aの形状を長方形状にして、光ファイバーコネクタ
10aを構成している。
形状は第1実施例と同様な平面形状であるが、第1端面
14aの形状を長方形状にして、光ファイバーコネクタ
10aを構成している。
【0053】図8に示す実施例では、第2端面16bの
形状は第1実施例と同様な平面形状であるが、第1端面
14bの形状を楕円形状にして、光ファイバーコネクタ
10bを構成している。
形状は第1実施例と同様な平面形状であるが、第1端面
14bの形状を楕円形状にして、光ファイバーコネクタ
10bを構成している。
【0054】図9に示す実施例では、第1端面14cの
形状は第1実施例と同様な円形平面形状であるが、第2
端面16cを、第1端面14cから連続的に変化する円
錐曲面形状にして、光ファイバーコネクタ10cを構成
している。
形状は第1実施例と同様な円形平面形状であるが、第2
端面16cを、第1端面14cから連続的に変化する円
錐曲面形状にして、光ファイバーコネクタ10cを構成
している。
【0055】図10に示す実施例では、第2端面16d
の形状は第1実施例と同様な平面形状であるが、第1端
面14dを、各光ファイバー24毎に分離した円形状に
して、光ファイバーコネクタ10dを構成している。
の形状は第1実施例と同様な平面形状であるが、第1端
面14dを、各光ファイバー24毎に分離した円形状に
して、光ファイバーコネクタ10dを構成している。
【0056】実施例3 なお、本発明では、光ファイバーコネクタに装着される
光ファイバー24の本数は特に限定されない。また、光
ファイバーコネクタの端面に対する光ファイバー24の
配列位置関係も特に限定されず、1列のみならず、複数
列でも良い。
光ファイバー24の本数は特に限定されない。また、光
ファイバーコネクタの端面に対する光ファイバー24の
配列位置関係も特に限定されず、1列のみならず、複数
列でも良い。
【0057】また、光コネクタ本体および光ファイバー
の材質は、特に限定されず、光コネクタ本体のヤング率
が、光ファイバーのヤング率より小さければ、どのよう
な材質の光ファイバーおよび光コネクタ本体にも適用で
きる。
の材質は、特に限定されず、光コネクタ本体のヤング率
が、光ファイバーのヤング率より小さければ、どのよう
な材質の光ファイバーおよび光コネクタ本体にも適用で
きる。
【0058】
【発明の効果】以上説明してきたように、本発明によれ
ば、光ファイバーコネクタのPC接続が可能となること
から、光コネクタの接続による光の損失と反射戻り光が
減少され、高品質な光コネクタが得られる。また、光フ
ァイバーの端面は、光コネクタ本体の端面の基準面に対
しては凹んでいるため、繰り返し接続などによる光ファ
イバー端面の損傷が防げられる。さらに、第1端面の面
積を小さくできることから、接続端面である第1端面の
平坦度精度が大幅に改善され、接続の安定性が向上す
る。さらにまた、光コネクタの端面加工も従来より能率
よく行うことができる。
ば、光ファイバーコネクタのPC接続が可能となること
から、光コネクタの接続による光の損失と反射戻り光が
減少され、高品質な光コネクタが得られる。また、光フ
ァイバーの端面は、光コネクタ本体の端面の基準面に対
しては凹んでいるため、繰り返し接続などによる光ファ
イバー端面の損傷が防げられる。さらに、第1端面の面
積を小さくできることから、接続端面である第1端面の
平坦度精度が大幅に改善され、接続の安定性が向上す
る。さらにまた、光コネクタの端面加工も従来より能率
よく行うことができる。
【図1】本発明の一実施例に係る光ファイバーコネクタ
の要部斜視図である。
の要部斜視図である。
【図2】同実施例の光ファイバーコネクタの要部断面図
である。
である。
【図3】同実施例の光ファイバーコネクタの接続状態を
示す分解斜視図である。
示す分解斜視図である。
【図4】本発明の一実施例で用いるメカノケミカル研磨
により研磨される光ファイバーコネクタ端面の微細部分
を誇張した斜視図である。
により研磨される光ファイバーコネクタ端面の微細部分
を誇張した斜視図である。
【図5】本発明の一実施例に係るメカノケミカル研磨方
法により研磨されたコネクタ端面の平坦度計測値のグラ
フである。
法により研磨されたコネクタ端面の平坦度計測値のグラ
フである。
【図6】本発明の一実施例に係るメカノケミカル研磨方
法により研磨されたコネクタ端面の平坦度計測値のグラ
フである。
法により研磨されたコネクタ端面の平坦度計測値のグラ
フである。
【図7】本発明の他の実施例に係る光ファイバーコネク
タの要部斜視図である。
タの要部斜視図である。
【図8】本発明の他の実施例に係る光ファイバーコネク
タの要部斜視図である。
タの要部斜視図である。
【図9】本発明の他の実施例に係る光ファイバーコネク
タの要部斜視図である。
タの要部斜視図である。
【図10】本発明の他の実施例に係る光ファイバーコネ
クタの要部斜視図である。
クタの要部斜視図である。
【図11】光ファイバーコネクタの製造過程を示す分解
概略図である。
概略図である。
【図12】光ファイバーコネクタの製造過程を示す組立
図である。
図である。
【図13】最近提案されている多芯光ファイバーコネク
タの要部斜視図である。
タの要部斜視図である。
【図14】従来例に係る光ファイバーコネクタ端面の平
坦度を示すグラフである。
坦度を示すグラフである。
10,10a,10b,10c,10d… 光ファイバ
ーコネクタ 11… 光コネクタ本体 12… 接続される他の光ファイバーコネクタ 13… クランプスプリング 14,14a,14b,14c,14d… 第1端面 16,16a,16b,16c,16d… 第2端面 18… ガイドピン孔 20… ガイドピン 24… 光ファイバー 24a… 光ファイバーの端面 δ… 所定量の凹み量
ーコネクタ 11… 光コネクタ本体 12… 接続される他の光ファイバーコネクタ 13… クランプスプリング 14,14a,14b,14c,14d… 第1端面 16,16a,16b,16c,16d… 第2端面 18… ガイドピン孔 20… ガイドピン 24… 光ファイバー 24a… 光ファイバーの端面 δ… 所定量の凹み量
Claims (3)
- 【請求項1】 複数の光ファイバーと、複数の光ファイ
バーの端面がそれぞれ露出するように内挿してある光コ
ネクタ本体とを有し、光コネクタ本体相互の端面を圧接
することにより、光ファイバー相互の導光路を接続する
光ファイバーコネクタであって、 前記光コネクタ本体の端面が、接続すべき他の光コネク
タ本体の端面に直接圧接される平坦状の第1端面と、接
続すべき他の光コネクタ本体の端面に対して接触しない
ように前記第1端面から後退した第2端面とから構成し
てあり、前記複数の光ファイバーの端面は、前記第1端面に露出
すると共に前記 第1端面における微小凹凸の基準面から
所定バラツキの範囲内においてそれぞれ所定量の凹みを
なすように形成されており、 前記第1端面の面積は、 光ファイバーコネクタ相互の圧
接力により、前記複数の光ファイバー端面の所定量の凹
み以上に、光ファイバーの軸方向に沿って、圧縮弾性変
形するように決定されている、 ことを特徴とする光ファイバーコネクタ。 - 【請求項2】 前記複数の光ファイバーのファイバー端
面が凹面状となっており、かつ前記ファイバー端面の周
縁部が前記第1端面の基準面上に実質的に位置すること
を特徴とする請求項1に記載の光ファイバーコネクタ。 - 【請求項3】 複数の光ファイバーと、複数の光ファイ
バーの端面がそれぞれ露出するように内挿してある光コ
ネクタ本体とを有し、光コネクタ本体相互の端面を圧接
することにより、光ファイバー相互の導光路を接続する
光ファイバーコネクタを製造する方法であって、前記 光コネクタ本体の端面に、接続すべき他の光コネク
タ本体の端面に直接圧接される平坦状の第1端面と、接
続すべき他の光コネクタ本体の端面に対して接触しない
ように前記第1端面から後退した第2端面とを形成する
工程と、前記 光コネクタ本体に対し、前記複数の光ファイバー
を、それぞれの端面が、前記第1端面から露出するよう
に挿入する工程と、 前記第1端面及び前記複数の光ファイバーの端面に対し
て、砥石を用いたメカノケミカル研磨を行い、前記複数
の光ファイバーの端面を、前記第1端面の微小凹凸の基
準面に対して、所定量凹ませる工程とを有し、前記第1端面の面積が、 光ファイバーコネクタ相互の圧
接力により、前記複数の光ファイバー端面の所定量の凹
み以上に、光ファイバーの軸方向に沿って、圧縮弾性変
形するように決定される、 ことを特徴とする光ファイバーコネクタの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP6889593A JP2945236B2 (ja) | 1993-03-26 | 1993-03-26 | 光ファイバーコネクタとその製造方法 |
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1993
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