JP2944004B2 - 超音波ボルト軸力測定装置 - Google Patents

超音波ボルト軸力測定装置

Info

Publication number
JP2944004B2
JP2944004B2 JP3126672A JP12667291A JP2944004B2 JP 2944004 B2 JP2944004 B2 JP 2944004B2 JP 3126672 A JP3126672 A JP 3126672A JP 12667291 A JP12667291 A JP 12667291A JP 2944004 B2 JP2944004 B2 JP 2944004B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
bolt
echo
axial force
ultrasonic
measurement
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP3126672A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH04329329A (ja
Inventor
健 畑田
佐藤  賢一
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Construction Machinery Co Ltd
Original Assignee
Hitachi Construction Machinery Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi Construction Machinery Co Ltd filed Critical Hitachi Construction Machinery Co Ltd
Priority to JP3126672A priority Critical patent/JP2944004B2/ja
Publication of JPH04329329A publication Critical patent/JPH04329329A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2944004B2 publication Critical patent/JP2944004B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Force Measurement Appropriate To Specific Purposes (AREA)
  • Investigating Or Analyzing Materials By The Use Of Ultrasonic Waves (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、超音波ボルト軸力測
定装置に関し、詳しくは、ボルト締付作業において、部
材と部材とを締結したボルトが適正な軸力となっている
か否かを正確に測定することができるような超音波ボル
ト軸力測定装置に関する。
【0002】
【従来の技術】超音波を用いて計測を行う超音波測定装
置では、超音波のエコーを検出して欠陥の有無、欠陥ま
での距離(あるいは位置)、板厚の測定などが行われ、
このような超音波測定の特徴を利用してボルトの軸力測
定(トルクの測定)が行われている。後者は、超音波の
伝播時間がボルトの軸力に応じて変化することを利用す
るものであって、例えば、超音波探触子(以下プロー
ブ)から得られるエコー受信信号をディスプレイの画面
上に表示し、底面エコーの位置が僅かに変化するのを読
取ることなどによる。
【0003】この種の超音波を用いたボルト軸力測定に
おいては、計測すべきエコー(通常、ボルトの先端側か
ら得られる底面エコー)を確実に捕らえるために、次の
ような方法を用いている。 (1) 測定ボルトに対応して別途入力したボルトの長さの
情報から適正な時間位置を算出して、そこにゲートをか
けて底面エコーE3 (第5図参照)に対応する受信エコ
ー信号を抽出し、それにスレッシュホールドTHをか
け、スレッシュホールドTHを越えた信号の最大ピーク
位置を測定してボルトの底部までの時間計測を行う方
法。これは、第4図の(a),(b)にそのAスコープ
像をボルト1との関係で示すようにゲートGを底面エコ
ーの受信信号の時間位置を跨ぐように底面エコーの発生
する範囲に設定するものである。なお、E1 は、ボルト
21の先端部側に当たる底面からのエコー受信信号であ
る。Ef は、欠陥エコーの受信信号、E2 は、ネジ部の
エコー受信信号である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、このような方
法でボルトの軸力を測定する時の底面エコーを採取する
時には以下の問題が生じる。 (1) ボルトの底面エコーは、図5(a)に示すように底
面エコーE3 の他に遅れエコーEdが多数E3 に隣接し
て現れる。しかも一般的にEdの方がE3 より高いピー
クになることもあり、誤ってEdを採取して軸力を測定
すると誤った軸力が算出される。 (2) 図6の(a)は、底面エコーE3 を拡大した図であ
る。ボルト底面から反射して受信したエコーは、実際は
同図(b)に示すようなRF波形(交流波形)である。
そのRF波形を検波してフィルタを通してなめらかにし
て(6図(a)(破線は検波した後でフィルタを通す前
の波形))見易くしている。なお、図中、WT はゲート
幅であり、Qはスレッシュホールドを越えた時点を示
す。ここで、図6(a)では、波形のほぼ中央当りがピ
ーク位置となっている。しかし、研究の結果、使用する
プローブの種類,プローブの当て方(プローブとボルト
頭部の接触具合)等によっては、図6(c),(d)に
示すようにピーク位置が変わってくることが判明した。
さらに、測定するボルトの構造や形状によってはボルト
が無負荷の状態と軸力がかかった状態とで波形のピーク
位置が変わることも分かった。現場でプローブの当て方
を指導したり、測定の仕方を制限することは作業効率を
下げ、また、実際上難しい。さらに、測定ボルトの種類
を限定することは測定装置としての性能,機能を下げる
ことになる。しかも、このままでは、軸力測定時にボル
トに軸力がかかることにより生じる伝播時間の変化を正
しく測定することができす、誤った軸力を算出してしま
う危険性が高い。この発明の目的は、このような従来技
術の問題点を解決するものであって、軸力測定を正確に
行える超音波ボルト軸力測定装置を提供することにあ
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】このような目的を達成す
るためのこの発明の超音波ボルト軸力測定装置の特徴
は、底面エコーをRF波あるいはこれを整流した状態で
取出し、この底面エコーに対してスレッシュホールドを
設定し、これを越えた時点を基準にして測定に使用した
超音波探触子の共振周波数の半波長の整数倍(“0”も
含む)の時間位置に半波長の幅に相当するゲート幅のゲ
ートを設定してこのゲート内で最大ピーク位置を検出
し、この最大ピーク位置までの時間値を底面エコーの時
間値とし、スレッシュホールドのレベルがボルトが締付
状態にないときに採取される底面エコーとノイズをと分
離する範囲でかつボルトが締付完了状態にあるときに採
取される底面エコーとノイズをと分離する範囲にある。
【0006】
【作用】前記の(1) の問題点は、底面エコーが発生する
範囲においてボルトから底面エコーを採取し、採取した
底面エコーを検出する所定のスレッシュホールドを越え
たエコーレベルの位置を基準にここから送信超音波の時
間幅Wgに相当する位置までにおける最大ピーク位置P
を検出することにより達成できる。これについては、特
願平2−104757号ですでに出願済みである。な
お、Qは、スレッシュホールドを越えた時点であり、W
gは、ゲート幅である。しかし、特願平2−10475
7号の技術では、使用するプローブの種類,プローブの
当て方(プローブとボルト頭部の接触具合)等によっ
て、あるいはボルトが無負荷の状態と軸力がかかった状
態とによって最大ピークの位置が変化する先の(2) の問
題は十分に解決できない。このピークの変化を分析する
と、図6の(a)に点線で示すように、包絡線検波をし
た場合には、信号の半波長対応であることが分かる。こ
の点に着目して包絡線検波を止めて、直接RF波形ある
いはこれを整流して図2(a)の波形EB を測定対象波
形として選択し、同図(b)に示すような半波長の幅W
のゲートを設定すれば、その範囲内でピーク値を検出す
れば、他のピークが変動しようともそれに無関係にピー
クを検出できる。
【0007】ここで問題になるのが、2図(b)のそれ
ぞれの半波長の波形のピーク自体が種々の条件で変動す
ることにより、測定目標とする半波長の位置に半波長幅
のゲートを軸力測定期間中、常に固定できるかという点
である。この点については、後述するが、同じボルトを
測定した場合には、最初の底面エコー受信信号の半波長
の波形は、ボルト締付け前とボルト締付け後とにおいて
連続的に増加あるいは減少し、かつ、これはノイズと分
離できるレベルにあるという特徴がある。したがって、
締付け前及び後において最初の底面エコーの波形をノイ
ズから切分けられる範囲でスレッシュホールドを設定す
れば、スレッシュホールドで検出される波形は同じであ
り、変化しない。そこで、これを基準に目標(ターゲッ
ト)とする半波長の波形位置にゲートを固定的に設定で
き、そのピーク値の変化を測定できる。これにより正確
な軸力測定が可能になる。なお、この場合に、半波長単
位で波形を採取するために図2の(a)の下側に図5の
(c)に示す送信波Taを対応させているが、送信波T
aは、ダンピングをきかせ、1サイクル程度のパルス状
の単波形であることが必要である。もちろん、ターゲッ
トとなる半波長の波形は、底面エコー受信信号の最初の
波形であってもよいし、遅れエコー受信信号Edの中の
1つであってもよい。これらそれぞれの半波長の波形
は、それぞれ締付け軸力に応じた変化をするからであ
る。よって、先の構成のように、所定のスレッシュホー
ルドを越えたエコーレベルの位置からプローブの共振周
波数の半波長の幅に相当する範囲において最大ピーク位
置を検出するようにすれば、その位置は、底面エコーの
RF波形の1つの山のピークとなり、プローブの接触具
合、軸力の印加の有無により底面エコー受信信号のピー
ク位置が変わっても、ターゲットとなる波形のピーク位
置を検出することができる。
【0008】
【実施例】図1は、この発明を適用した超音波ボルト軸
力測定装置のブロック図であり、図2(a),(b)
は、ボルトを測定したとき得られる底面エコーの波形と
検出されるピークとの関係の説明図、図3(a),
(b),(c),(d),(e),(f)は、測定状態
において超音波測定装置の表示画面に得られるボルト底
面エコーの説明図、そして図4は、その軸力測定処理の
流れ図である。図1において、20は、超音波ボルト軸
力測定装置であり、プローブ4が接続された超音波送受
信部6を有している。プローブ4は、図示するように、
締付け締結する部材2,3に挿入された被測定ボルト
(以下ボルト)1の頭部に当接される。超音波送受信部
6は、プローブ4に送信パルス信号を送出し、これから
超音波エコーの受信信号を受ける。これは、いわゆるパ
ルサ・レシーバ(レシーバは増幅器、整流回路を含む)
を内蔵するエコー受信信号検出部であって、受信したエ
コー信号を増幅又は減衰して整流し、図2(a)に示す
底面エコー受信信号を含むアナログ波形出力(Aスコー
プ像の信号)を発生する。これがA/D変換回路7に送
出される。A/D変換回路7は、図2(a)の波形信号
を含めてAスコープ像の信号をデジタル値に変換して、
測定データ処理装置16に送出する。
【0009】測定データ処理装置16は、マイクロプロ
セッサ(以下CPU)9及び、キーボード(又は操作パ
ネル、以下キーボード)10、インタフェース12、画
像メモリ13、メインメモリ14、そして、LCD(液
晶)ディスプレイ15等を備えていて、これらがバス1
1により相互に接続されている。また、前記A/D変換
回路7、そして、超音波送受信部6もインタフェース1
2を介してバス11に接続され、CPU9により制御さ
れる。CPU9は、A/D変換回路7から得られる図2
(a)の波形信号の含むAスコープ像の信号のサンプリ
ングデジタル値をサンプリングの都度、メモリ14の測
定データ領域14fに順次記憶する。所定のサンプリン
グが終了した時点で、このデータに対してメモリ14に
格納された種々の処理プログラムに従って後述する処理
を実行し、その結果を画像メモリ13に記憶して測定結
果をディスプレイ15に表示する処理をする。
【0010】ここで、メインメモリ14には、底面エコ
ー位置検出・時間算出プログラム14aと、軸力算出処
理プログラム14b、軸力判定処理プログラム14c、
そして、測定データ表示処理プログラム14d等が格納
され、底面エコーデータ領域14eには、測定データ領
域14fの測定データのうちから図5(a)のゲートG
の範囲に対応する底面エコーのデータが測定データから
抽出されて転送される。図5(a),(b)に図示する
ように、直接反射波による底面エコーE3 のほかに遅れ
エコーEdが隣接してその後に発生している。測定処理
がマイクロプロセッサ9により開始されると、測定デー
タ領域14fには、図5(a)のエコー受信信号の信号
データがマイクロプロセッサ9の処理により採取されて
記憶されている。このような測定データの採取が終了す
ると、マイクロプロセッサ9は、底面エコー位置検出・
時間算出プログラム14aを起動して、まず、設定され
たボルト寸法とA/D変換回路7のサンプリング周期と
の関係で決定されるゲート位置データ(ゲートGの位置
と幅Wgとを示すデータ)を参照して測定データ領域1
4fのうちから底面エコーが含まれるゲートGの位置に
あるデータを底面エコーデータ領域14eに転送して記
憶する。
【0011】次に、そこから図2(b)に示すスレッシ
ュホールドTHを越える位置の時間にして一番手前の最
初のデータの検出を行い、そのデータ位置Q1 を検出す
る。このデータ位置Q1 から図5(c)に示す送信パル
スにより発生するプローブ4の共振周波数の波長λに対
してλ/2に相当するその半波長幅W(図5(c)の送
信超音波Taの幅の約半分の幅)の範囲で最大ピークP
を検出する。ここで、スレッシュホールドTHは、ボル
ト締付け前と後のそれぞれにおいて最初の底面エコーの
半波波形Sをノイズ、例えば、その手前の波形Nから切
分けられる範囲のレベルで設定される。図3は、最初の
底面エコーとボルト締付力との関係の説明図であって、
(a),(b),(c)は、あるボルトをボルト締付け
前からその途中、そしてボルト締付け後の状態で底面エ
コーを採取し、超音波測定装置の画面に表示したもので
ある。(a)が締付け前であり、(b)が締付け途中、
そして(c)が締付け終了である。この図にみるよう
に、最初の底面エコーのうちの半波波形Sは、ボルト締
付けに応じて連続的に増加し、しかも、ノイズNとは区
別できるスレッシュホールドの範囲がある。同図
(d),(e),(f)は、さらに他の種類のボルトを
ボルト締付け前からその途中、そしてボルト締付け後の
状態で底面エコーを採取し、画面表示したものである。
(d)が締付け前であり、(e)が締付け途中、そして
(f)が締付け終了である。先と同様なことが言える。
そこで、先のように設定したスレッシュホールドTHに
よりゲート幅Wの範囲で検出したピークPの位置を底面
エコーE3 の検出位置とすれば、最初の底面エコーの半
波波形Sが常時検出されるので、その位置は、ボルト締
付け状態で底面エコーの位置が変化したとしても固定さ
れたものとなる。したがって、その最大ピークPまでの
時間tを測定データ領域14eに記憶されたデータに基
づき、例えば、送信パルスあるいは表面エコーを基準と
して算出し、それを最大ピークPまでの時間tとして求
め、これを底面エコーE3 までの時間としてメモリ14
に記憶する。
【0012】ところで、ボルト1に軸力が印加される
と、ボルト1の各部で反射したエコー信号の伝播時間
は、発生軸力及び各部の寸法に関係し、これらに応じて
増加する。そこで、ボルトの底面エコーの伝播時間の増
加量を測定することによって、ボルト1に印加された軸
力を算出することができる。そこで、軸力の測定は、前
記のピークPまでの時間tをボルト締め付け前に測定
し、かつ、それと締め付け後時間tとの変化量を計算す
ることでなされる。すなわち、軸力測定を開始するに当
たって、マイクロプロセッサ9は、軸力算出処理プログ
ラム14bを起動し、これを実行して、ボルト1(これ
は、ボルト1に対応する基準ボルトを測定することでも
よい)のボルト締付け前の底面エコー伝播時間値ts
(図6(a)参照)を前記の時間tとして算出し、これ
をメモリ14に記憶する。そして、測定状態に入ったと
きに軸力算出処理プログラム14bが前記の底面エコー
位置検出・時間算出プログラム14aの処理終了後にこ
れに続いて起動されて実行され、マイクロプロセッサ9
は、底面エコー位置検出・時間算出プログラム14aの
処理により得られたボルト締付け状態における底面エコ
ー伝播時間値としてピークPまでの時間値tを得て、こ
れと先の前記底面エコー伝播時間値tsとによりΔt=
t−tsを算出し、締付け軸力Fを計算する。
【0013】つづいて行われる軸力の判定は、この後に
起動される軸力判定処理プログラム14cにより行わ
れ、その判定は、軸力算出処理プログラム14bの実行
により算出された軸力Fとあらかじめメモリ14の所定
のデータ記憶領域に記憶されている適正軸力としての締
付け基準となる軸力Fsとが比較されることで行われ
る。その結果、軸力Fが軸力Fs以上となっているとき
には、マイクロプロセッサ9は、締付け完了を示すフラ
グを所定の記憶領域に記憶する。そして、測定データ表
示処理プログラム14dが次に起動される。
【0014】マイクロプロセッサ9は、測定データ表示
処理プログラム14dの実行により底面エコーデータ領
域14eに記憶された軸力Fとそれが適正値か否かを示
すフラグを読出して、画像メモリ13に転送してボルト
の軸力、そしてそれが目標値に達したか否かをディスプ
レイ15に表示する処理をする。この表示処理の後に再
び測定状態に戻り、同様なボルト軸力測定が測定周期
(送信パルスがプローブ4に加えられるごと)あるいは
測定周期の整数倍の周期に対応して行われ、その後に行
われた軸力測定とそれが適正か否かが順次表示される。
【0015】次に、その全体的な測定動作について図4
の処理の流れ図に従って説明する。図4のステップに
おいて、ボルトの寸法(全長或は全長と径)をキーボー
ド10から入力する。次のステップにおいて、この入
力情報を受けて測定するボルト1の底面エコーの発生時
間位置にゲートが設定されるようにゲートデータが算出
され、算出されたゲートデータがメモリ14に記憶され
る。次のステップにおいては、ボルト締付け前の底面
エコーまでの時間値測定か否かをあらかじめ入力された
機能キー等により判定する。ボルト締付け前の底面エコ
ーまでの時間値測定のときには、ステップにて、部材
に挿入されていない状態(あるいはボルト締付け前)の
ボルト1に対して底面エコーE3 の時間値の測定を行
い、前述したごとく、図2(b)のピークPの検出を半
波長のゲート幅Wに亙って行い、このとき得られる時間
値tを締め付け前の時間位置tsとしてメモリに記憶す
る。また、ボルト締付け前の測定でないときには、その
待ちループに入る。なお、この場合、締め付け前の時間
位置tsは、後述するステップにおいて測定開始時点
の最初のピークPの時間位置tをそのまま適用してもよ
い。
【0016】次のステップではボルト締付け状態にお
ける軸力の測定か否かの判定に入る。この判定もキーボ
ード10から入力された機能キーに基づいて行われる。
他のキーが入力されてボルト軸力測定でないと判定され
たときには、入力キーに応じて待ちループとなるか、こ
こで、処理を終了するか、他の処理へと移る。なお、処
理をここで終了したり、他の処理へ移ったときには、次
にキーボード10からボルト締付け状態の測定に対応す
る機能キーが入力されたときに、この判定処理のステッ
プに戻る。ステップの判定の結果、ボルト締付け状
態における軸力測定であるときには測定データが採取さ
れた後に、ステップにおいて、底面エコー位置検出・
時間算出プログラム14aが起動され、前述したスレッ
シュホールドTHによるデータ検出位置(データ位置Q
1 )から半波長幅Wの範囲で図2(b)に示す底面エコ
ーE3 の位置のピークPが検出され、それまでの時間位
置tが算出される。次にステップで軸力算出処理プロ
グラム14bが起動されて締め付け前の時間位置tsと
現在の時間位置tとから変化量Δtが算出され、それに
より軸力Fとが算出される。
【0017】次のステップでは、軸力判定処理プログ
ラム14cが起動されて、算出された軸力Fが基準値F
s以下であるか否かの判定が行われ、そのそれぞれの結
果がメモリ14に記憶される。ステップでは、メモリ
14に記憶された測定結果が表示される処理が行われ、
ステップ(10)で測定処理が終了か否かの判定が終了キー
入力の有無によりなされる。そして、測定処理が終了し
ていないときには、ステップへと戻り、同様な測定が
繰り返される。
【0018】以上説明してきたが、実施例では、底面エ
コーのうち最初の半波長波形に半波長幅Wのゲートを設
定して検出しているが、これは、2番目以降の半波長波
形に対して行ってもよい。その場合には、スレッシュホ
ールドを越えた時点から(N−1)×λ/2後に半波長
幅Wのゲートを設定する。ただし、Nは、底面エコーの
うち最初の半波長波形から数えた波形の数である。な
お、スレッシュホールドの値は、測定するボルトの種類
や形状に応じてあらかじめテーブル化して記憶してお
き、それを利用することができる。
【0019】実施例では、底面エコーEのピークPの位
置やそれまでの時間値(路程)tの測定を画像処理装置
側で行っているが、これは、超音波送受信部に設けられ
たアナログ回路とカウンタ等により行うことでもよい。
この場合には、ゲートGの範囲の時間タイミングでスレ
ッシュホールドTHを基準値とするコンパレータにより
スレッシュホールドTHを越えるタイミング(Qの位
置)を検出し、そこから新たに送信超音波の半波長幅W
に相当するパルスをゲートパルスとして発生させて、こ
れによりエコー受信信号を抽出し、そのエコー受信信号
の最大ピーク(ピークPに対応)を検出してそこまでの
時間tをカウンタによりクロックをカウントすることで
計測すればよい。さらに、この発明は、Aスコープ像の
信号として整流前のRF信号を用いてもよい。
【0020】
【発明の効果】この発明によれば、採取した底面エコー
のうち所定のスレッシュホールドを越えたエコーレベル
の位置からプローブの共振周波数の半波長幅に相当する
範囲までにおいて最大ピーク位置を検出するようにして
いるので、プローブの接触具合、ボルトへの軸力の印加
の有無により底面エコーのピーク位置が変化しても、底
面エコーのある固定のピーク位置を検出できる。その結
果、軸力測定時に正確に底面エコーまでの時間測定がで
き、正確なボルト軸力測定を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、この発明を適用した超音波ボルト軸
力測定装置のブロック図である。
【図2】 図2(a),(b)は、ボルトを測定したと
き得られる底面エコーの波形と検出されるピークとの関
係の説明図である。
【図3】 図3(a),(b),(c),(d),
(e),(f)は、測定状態において超音波測定装置の
表示画面に得られるボルト底面エコーの説明図である。
【図4】 図4は、軸力測定処理の流れ図である。
【図5】 図5(a),(b)は、ボルトを測定したと
き得られる底面エコーの波形と検出されるピークとの関
係の説明図、図5(c)は、超音波送信波の波形の説明
図である。
【図6】 図6(a),(b),(c),(d)は、従
来の測定波形の説明図である。
【符号の説明】
1…被測定ボルト、2,3…締付け締結する部材、4…
超音波探触子(プローブ)、6…超音波探傷部、7…ピ
ーク検出・路程測定部、8a…A/D変換回路、8b…
時間計測回路、9…マイクロプロセッサ(CPU)、1
0…キーボード、11…バス、13…画像メモリ、14
…メインメモリ、14a…底面エコー位置検出・時間算
出プログラム、14b…軸力算出処理プログラム、14
c…ゲート位置更新処理プログラム、14c…軸力判定
処理プログラム、14d…測定データ表示処理プログラ
ム、14e…データ記憶領域、16…測定データ処理装
置。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭62−249057(JP,A) 特開 平2−304325(JP,A) 特開 昭59−56132(JP,A) 実開 昭61−36542(JP,U) 特公 平7−95006(JP,B2) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G01L 5/00

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ボルト締付前のボルトの先端側から得ら
    れる底面エコーまでの時間値とボルト締付完了状態にお
    ける前記底面エコーまでの時間値との変化量を測定して
    この変化量に基づきボルトの軸力を算出する超音波ボル
    ト軸力測定装置において、前記底面エコーをRF波ある
    いはこれを整流した状態のエコー受信信号として取出
    し、このエコー受信信号に対してスレッシュホールドを
    設定し、これを越えた時点を基準にして測定に使用した
    超音波探触子の共振周波数の半波長の整数倍(“0”も
    含む)の時間位置に前記半波長の幅に相当する幅のゲー
    トを設定してこのゲート内で最大ピーク位置を検出し、
    この最大ピーク位置までの時間値を前記底面エコーの時
    間値とするものであって、前記スレッシュホールドのレ
    ベルがボルトが締付状態にないときに採取される底面エ
    コーのエコー受信信号とノイズをと分離する範囲でかつ
    ボルトが締付完了状態にあるときに採取される底面エコ
    ーのエコー受信信号とノイズをと分離する範囲にあるこ
    とを特徴とする超音波ボルト軸力測定装置。
  2. 【請求項2】 ゲートは、スレッシュホールドを越えた
    時点から半波長の幅で設定されることを特徴とする請求
    項1記載の超音波ボルト軸力測定装置。
JP3126672A 1991-04-30 1991-04-30 超音波ボルト軸力測定装置 Expired - Fee Related JP2944004B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP3126672A JP2944004B2 (ja) 1991-04-30 1991-04-30 超音波ボルト軸力測定装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP3126672A JP2944004B2 (ja) 1991-04-30 1991-04-30 超音波ボルト軸力測定装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH04329329A JPH04329329A (ja) 1992-11-18
JP2944004B2 true JP2944004B2 (ja) 1999-08-30

Family

ID=14941009

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP3126672A Expired - Fee Related JP2944004B2 (ja) 1991-04-30 1991-04-30 超音波ボルト軸力測定装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2944004B2 (ja)

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
FR2750498B1 (fr) * 1996-07-01 1998-09-04 Freyssinet Int Stup Procede pour mesurer par ultrasons la tension residuelle d'une barre de precontrainte metallique
JP2010197273A (ja) * 2009-02-26 2010-09-09 Akita Univ 超音波を用いたボルトの締め付け状態評価システム
JP2020020763A (ja) * 2018-08-03 2020-02-06 本田技研工業株式会社 ボルト軸力測定装置及びボルト軸力測定プログラム
JP6973352B2 (ja) * 2018-10-29 2021-11-24 オムロン株式会社 底付き判定基準設定方法

Also Published As

Publication number Publication date
JPH04329329A (ja) 1992-11-18

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP0654666A1 (en) Method and apparatus for processing signals of ultrasonic flaw detector
JP2944004B2 (ja) 超音波ボルト軸力測定装置
US4817431A (en) Defect detection in cylindrical objects
US4492118A (en) Nondestructive testing of structural material by means of ultrasonics
JP2001343365A (ja) 金属薄板の厚み共振スペクトル測定方法及び金属薄板の電磁超音波計測方法
JP2732139B2 (ja) 超音波ボルト軸力測定装置
JPH042936A (ja) 超音波ボルト軸力測定装置
JP3525595B2 (ja) 圧延金属板の多チャンネル自動超音波探傷方法および装置
JPH095310A (ja) 超音波検査方法
JPH0658751A (ja) 超音波信号処理装置及び超音波厚み計
JP2571463B2 (ja) アークアレイ形探触子を用いる超音波測定装置の感度に対する測定値補正方法
JP2971216B2 (ja) グランドパッキンの接触状態測定装置
JPH03257361A (ja) 超音波探傷装置
JP2700919B2 (ja) 超音波ボルト締付け作業確認方式
JP2824847B2 (ja) 超音波ボルト欠陥検査装置
US20240077454A1 (en) Elastic wave radar detection device and method
JPH03118644A (ja) プログラム実行モニタ
JPS62263462A (ja) 超音波測定装置
JP2005233865A (ja) 構造部材の腐食判定方法および装置
JPH09304365A (ja) 被検査体傷判定方法及び装置
JP2740871B2 (ja) 超音波試験における横波音速測定方法および装置
JP2812688B2 (ja) コーティング付被測定物の厚さ測定方法
JP3670380B2 (ja) 薄肉管の内側からの肉厚測定装置
JPH09229788A (ja) ボルト軸力測定装置および測定方法
JPS63195564A (ja) 圧延材の組織異方性測定方法

Legal Events

Date Code Title Description
LAPS Cancellation because of no payment of annual fees