JP2732139B2 - 超音波ボルト軸力測定装置 - Google Patents

超音波ボルト軸力測定装置

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JP2732139B2
JP2732139B2 JP390290A JP390290A JP2732139B2 JP 2732139 B2 JP2732139 B2 JP 2732139B2 JP 390290 A JP390290 A JP 390290A JP 390290 A JP390290 A JP 390290A JP 2732139 B2 JP2732139 B2 JP 2732139B2
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嘉昭 鈴木
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] この発明は、超音波ボルト軸力測定装置に関し、詳し
くは、ボルト締付け作業において、部材と部材とを締結
したボルトが適正な軸力となっているか否かをその作業
とともに誤りなく測定することができるような超音波ボ
ルト軸力測定装置に関する。
[従来の技術] 超音波を用いて計測を行う超音波測定装置では、超音
波のエコーを検出して欠陥の有無、欠陥までの距離(或
は位置)、板厚等の測定が行われる。また、このような
超音波測定の特徴を利用してボルトの軸力測定(トルク
の測定)も行われている。それは、超音波の伝播時間が
ボルトの軸力に応じて変化することを利用するものであ
って、例えば、超音波探触子(以下プローブ)から得ら
れる受信エコー信号をディスプレイの画面上に表示し、
その位置が僅かに変化するのを読取ることなどで行われ
る。そして、このようなボルトの軸力の測定は、実際に
ボルトを使用して組立てや保守を行う作業現場で部材等
の締結作業をするときに行われることが多い。
この種の超音波を用いたボルト軸力測定においては、
計測すべきエコー(通常、ボルトの先端側から得られる
底面エコー)を確実に捕らえるために、次のような方法
を用いている。
(1)測定ボルトに対応して別途入力したボルトの長さ
の情報から適正な時間位置を算出して、そこにゲートを
かけて底面エコーE3(第4図参照)に対応する受信エコ
ー信号を抽出し、それにスレッシュホールドをかけ、ス
レッシュホールドを越えた信号のピーク位置を測定して
ボルトの底部までの時間計測を行う方法。
これは、第4図の(a),(b)にそのAスコープ像
をボルト21との関係で示すようにゲートGを底面エコー
の受信信号の時間位置を跨ぐように比較的幅広く設定す
るものである。なお、E1は、ボルトの首部分の受信エコ
ー信号であって、E2は、その軸のねじが切られた端部か
らの受信エコー信号、そして、E3は、ボルト21の先端部
側に当たる底面からの受信エコー信号である。
(2)測定ボルトに対応して別途入力したボルトの長さ
の情報から疑似エコーが発生し易い時間位置を算出し
て、その位置をマスクしてスレッシュホールドを越えた
信号のピーク位置を測定してボルトの底部までの時間計
測を行う方法。
これは、第4図の(b)にそのAスコープ像を示すよ
うに、マスクMが首部分の受信エコー信号E1と、その軸
のねじが切られた端部からの受信エコー信号E2を無効に
するようにかけられ、底面エコーの受信信号E3の時間位
置の受信エコー信号を有効にするように設定するもので
ある。
[解決しようとする課題] しかし、このような方法にあっては、次のような欠点
がある。
前記の(1)の方法は、雑多に発生するボルト内部の
エコーの中から目的のエコーを抽出して測定する機能は
優れているが、ボルトに軸力が印加されて目的のエコー
の時間的位置が変化した場合、受信エコー信号E3がゲー
トGから外れてしまう場合がある。また、ゲートGをさ
らに広くすると他の不必要な信号が多く入り込み誤検出
することが多くなる。
前記(2)の方法では、目的のエコー位置が変化して
も測定はできるが、超音波入射のカップリング不良など
で、受信エコー信号の振幅が変化した場合に、目的のエ
コーと異なるエコーを測定してしまう欠点がある。ま
た、ボルト内部、特に、マスクMを越えたボルト先端部
側に疵などが発生して新たなエコーが出現した場合、そ
の疵のエコーがスレッシュホールドを超過すると、その
エコーを受信エコー信号E3として測定してしまう欠点が
ある。なお、ボルトの欠陥の中には、ボルトが締付けら
れたときにその軸力が発生した状態で欠陥として現れる
ものも多い。
そこで、現場でボルト軸力を測定しながらボルト締付
け作業を行った場合に、その測定値が誤りである確率が
多くなる。しかも、それが誤りか否かを判断するには熟
練を要し、一般のボルト締付け作業をする人がボルト締
付け状態で誤りであるか否かを確認して軸力測定を行う
ことは難しく、ボルト締付けミスを起こし易い。
この発明の目的は、このような従来技術の問題点を解
決するものであって、現場のボルト締付け作業での軸力
測定誤りを低減でき、ボルト締付けミスをほとんどなく
すことができる超音波ボルト軸力測定装置を提供するこ
とになる。
[課題を解決するための手段] このような目的を達成するための第1の発明の超音波
ボルト軸力測定装置の特徴は、ボルト締付け前のボルト
の先端側から得られる底面エコーまでの時間値とボルト
締付け状態における底面エコーまでの時間値との変化量
を算出してこの変化量に基づきボルトの軸力を算出する
とともに、変化量に対応してゲートを移動させるもので
あって、ゲート幅が通常のボルト締付け状態におけるあ
る測定時点と次の測定時点との間で底面エコーが移動す
る移動量より大きく設定されているものである。
そして、その第2の発明は、ボルト締付け前のボルト
の先端側から得られる底面エコーまでの時間値とボルト
締付け状態における底面エコーまでの時間値との変化量
を算出してこの変化量に基づきボルトの軸力を算出する
とともに、変化量に基づいて次の測定時点の底面エコー
の採取位置にゲートを移動させ、かつ、ゲート幅が次の
測定時点において前記底面エコーを採取する範囲に設定
されているものである。
[作用] このように、軸力を加えることにより発生する底面エ
コーまでの時間値の変化量を測定し、この変化量に応じ
て次の測定時点の底面エコーを採取する位置にゲート位
置を移動するようにすれば、ゲート幅を従来より狭くし
ても次の測定時点で底面エコーを確実に抽出することが
できる。したがって、ノイズや欠陥エコー等に影響され
ずに底面エコーのみを正確に採取することができ、誤り
のほとんどない軸力測定が可能となる。
その結果、現場で素人が軸力測定を行いながらボルト
締付け作業をしても誤りなく、適正なボルト締付け作業
を行うことができ、ボルト締付け作業におけるボルト締
付けミスが低減できる。
[実施例] 以下、この発明の一実施例を図面を参照して詳細に説
明する。
第1図は、この発明を適用した超音波ボルト軸力測定
装置のブロック図であり、第2図は、ボルトを測定した
ときのAスコープ像とゲート位置との関係を示す説明
図、第3図は、その軸力測定処理の流れ図である。
第1図において、20は、超音波ボルト軸力測定であ
り、プローブ4が接続された超音波探傷部6を有してい
る。プローブ4は、図示するように、締付け締結する部
材2,3に挿入された被測定ボルト(以下ボルト)1の頭
部に当接される。
超音波探傷部6は、プローブ4に送信パルス信号を送
出し、これから超音波エコーの受信信号(受信エコー信
号)を受ける。これは、いわゆるパルサ・レシーバ(レ
シーバは増幅器、検波回路を含む)を内蔵する測定部で
あって、受信したエコー信号を増幅又は減衰して検波
し、第2図に示すようなAスコープ像の信号を生成し
て、それをピーク検出・路程測定部7へと送出する。
ピーク検出・路程測定部7は、超音波探傷部6とプロ
ーブ4によって得られた受信エコー信号の波形に対し
て、設定されたゲート部分で受信エコー信号の波形を抽
出してそのピーク値を検出し、検出したピークまでの時
間を計測してその時間値(路程に相当)を測定データ処
理装置16に送出する。なお、この場合の時間計測のデー
タ(時間値)は、ピーク検出・路程測定部7内部に設け
られた時間計測回路8のカウンタからデジタル値の形で
得られ、それがそのまま出力される。
ピーク検出・路程測定部7により設定されるゲート
は、ボルト1の先端側からの底面受信エコー信号E3を抽
出するために設けられるものであって、その底面エコー
採取位置に対応して設定され、かつ、測定に応じて順次
移動する。この移動の制御は、測定データ処理装置16に
よりボルト締付け状態に応じて行われる。
測定データ処理装置16は、マイクロプロセッサ(以下
CPU)9及び、キーボード(又は操作パネル、以下キー
ボード)10、インタフェース12、画像メモリ13、メイン
メモリ14、そして、LCD(液晶)ディスプレイ15等を備
えていて、これらがバス11により相互に接続されてい
る。また、前記ピーク検出・路程測定部7、そして、超
音波探傷部6もインタフェース12を介してバス11に接続
され、CPU9により制御される。
CPU9は、ピーク検出・路程測定部7(その時間計測回
路8)から底面エコー発生までの時間値の測定データを
受けて、メインメモリ14にそのデータを一旦記憶し、こ
のデータに対してメモリに格納された種々の処理プログ
ラムに従って後述する処理を実行し、その結果を画像メ
モリ13に記憶して測定結果をディスプレイ15に表示する
処理をする。
ここで、メインメモリ14には、底面位置ゲート設定プ
ログラム14aと、軸力算出処理プログラム14b、ゲート位
置更新処理プログラム14c、軸力判定処理プログラム14
d、そして、測定データ表示処理プログラム14e等が格納
され、データ記憶領域14fには測定対象となるボルトに
ついてボルト締付け前の時間測定値(路程)等のデータ
が記憶される。
第2図は、超音波探傷部6において、プローブ4によ
り受信されたエコーに対応して得られる受信エコー信号
の一例を示すものであって、この図にみるように、受信
信号がボルト1の首部の受信エコー信号E1、ねじ部端部
からの受信エコー信号E2、底面受信エコー信号E3、そし
て、ボルト1の内部で多重反射して発生する遅れ受信エ
コー信号Edなどが受信され、これらに加えて、ボルト1
の内部に欠陥Kfがあるときには、その位置に対応して欠
陥の受信エコー信号Efが受信される。
また、ボルト1が締付けられ、その軸力が増加すると
底面に対する超音波伝播時間が増加するため、図の位置
から底面受信エコー信号E3の位置は、点線で示すように
順次後ろへと後退していく。
図において、Gは、ゲートであって、底面エコーE3
抽出する最初のゲートGの位置は、ボルトの全長(又は
その径を含む寸法)に応じて底面位置ゲート設定プログ
ラム14aにより算出されて決定されるが、以後のゲート
の位置は底面エコーの移動量(増加した伝播時間の量)
或はそのときどきの軸力に応じて決定される。なお、ボ
ルト1の全長(又はその径を含む寸法)は、キーボード
10から入力される。なお、径があらかじめ設定されてい
るときには、単に全長だけでよい。
したがって、ゲートGは、次の2つの方式のいずれか
一方が採用されて移動される。
締付け前を基準とした底面エコーの移動量に対応して
追従して移動する方式。この場合には、ゲート幅は、通
常のボルト締付け状態においてある測定時点と次の測定
時点との間で底面エコーが移動する移動量より大きな範
囲になるように選択され、かつ、従来のゲート幅より小
さく選択される。
測定された現在軸力又は底面エコーの移動量(締付け
前を基準とした測定時点の底面エコーの移動量或はある
測定時点と次の測定時点との間の底面エコー移動量)か
ら次のゲート位置を算出して、ゲートを設定する方式。
この場合には、さらにゲート幅を小さくでき、底面エコ
ーが抽出できる幅まで狭めることができる。
さて、最初のゲートの位置は、あらかじめ入力したボ
ルトの全長の寸法をもとに次の式による。
GS=L*2/V0 …… ただし、GSはゲート位置(ゲート幅の中央位置)、L
は、入力したボル全長の寸法V0はボルト材料のそのとき
の音速(そのときの温度に応じて入力或は内部で算出し
たもの)である。なお、ゲートGの幅は、最初は、第2
図に示すように、締付け作業前の底面エコーと締付け作
業が開始されたときの底面エコー(締付け前より後方へ
移動している)とが抽出できる幅に選択されている。
ところで、ボルト1に軸力が印加されると、ボルト1
の各部で反射したエコー信号の伝播時間は、発生軸力及
び各部の寸法に関係し、これらに応じて増加する。そこ
で、ボルトの底面エコーの伝播時間の増加量を測定する
ことによって、ボルト1に印加された軸力を算出し、算
出した現在のボルト軸力をもとに次の測定時点でエコー
の伝播時間の変化量を知ることができる。
具体的には、式によってボルト軸力を算出して次の
測定時点でのボルト軸力を予測し、式によって次のエ
コーの発生位置を知ることにより、次のゲート設定位置
を決定することができる。
ただし、F:ボルト軸力、Δt:ボルト底面エコー伝播時
間の変化量(締付け前と締付け後との伝搬時間の差)、
δ:ボルトのコンプライアンスで次の式により、K:材
料定数。
ただし、L:ボルト全長、A:ボルトの有効断面積、E:ヤ
ング率。
したがって、次に設定すべきゲートの位置Lnは、 ただし、Ln:計測した位置のボルト首下からの距離、F
aは、次の測定時点で予測される軸力である。
次の測定時点での軸力Faが算出できれば、この式か
ら次のゲート設定位置を算出できる。一方、現在軸力F
が分かっていれば、ボルトの径と長さとに対応して通常
の締付け作業における次の測定時点での軸力Faが算出で
きるので、第2図の点線に示す次の底面エコーE3の発生
位置と底面エコーE3を抽出するゲート幅Wとが設定でき
る。なお、この場合のゲート幅Wは、次の底面エコーE3
発生位置に対して前後に発生誤差を含んだ幅になるよう
に選択される。これが先に挙げたこの発明のの方式で
ある。
また、ゲート幅Wの通常のボルト締付け状態において
1つ前の測定時点と次の測定時点の底面エコー伝播時間
の差ΔT=Δtn−Δtn-1(ただし、nは測定を重ねた回
数)より大きく設定しておけば、単に、このΔT分だけ
ゲートを移動させるだけでも、ゲート位置がずれ量分だ
け移動するので常に底面エコーを抽出することができ
る。また、このΔTの移動は、締付け前の最初の位置を
基準とすれば、Δtに応じてゲート設定位置を決めるこ
とでもよい。これが先に挙げたこの発明のの方式であ
る。
そこで、以下いずれかの方式でゲート設定すれば、従
来のゲート幅より狭くでき、ノイズ等や底面の手前にあ
る欠陥等を含まずに底面エコーE3のみを抽出できる。そ
して、このゲート幅Wは、ボルトの径と全長とに対応し
て実験的に求めておくことであらかじめ設定することが
できる。
ところで、の方式を採用した場合では、次の底面エ
コーE3の発生位置を算出する基準となる次の測定時点の
軸力Faは、所定の関数に従って求められ、これを求める
ことでゲート位置を式によって求めることもできる
が、データ記憶領域14fにボルトの径と全長とに対応し
て現在軸力Fに対するものとしてゲート移動量(前記の
ΔTに対応)とゲート幅Wとをテーブル化して格納して
おいてもよい。この場合のゲート幅Wと移動量とは実験
的に求めることで容易に得られる。また、ゲート幅W
は、ボルト径と全長とにより決定される一定の固定値で
あっもよい。
そこで、まず、軸力測定を開始するに当たって、軸力
算出処理プログラム14bは、ボルト1(これは、ボルト
1に対応する基準ボルトを測定することでもよい)のボ
ルト締付け前の底面エコー伝播時間値Ts(第2図参照)
を測定し、これを時間計測回路8から受けてデータ記憶
領域14fに記憶する。
次に、測定状態に入ったときに、軸力算出処理プログ
ラム14bは、時間計測回路8のボルト締付け状態におけ
る底面エコー伝播時間値Ta(第2図参照)を受けたとき
に、データ記憶領域14fから前記の伝播時間値Tsを読出
して、ボルト底面エコー伝播時間差である変化量Δt
を、Δt=Ta−Tsにより演算して伝播時間の変化量を算
出する。次に、式、式に従って、軸力Fを算出し、
先のの方式では、これから次の測定時点の軸力Faを得
てデータ記憶領域14fに記憶する。
ゲート位置更新処理プログラム14cは、軸力算出処理
プログラム14bにより起動され、の方式では、軸力算
出処理プログラム14bにより算出された次の測定時点の
軸力Faをデータ記憶領域14fから読出してこれに基づき
前記式にしたがって、適正なゲート位置Lnを算出し、
ゲート幅Wのゲートを距離Lnに対応する位置に設定する
ゲート位置制御信号をピーク検出・路程測定部7に出力
する。その結果、ゲートGは、ゲート幅Wでその位置が
Lnに変更される。また、この場合、の方式では、ΔT
(=Δtn−tn-1)或は測定時点で得られるΔtに基づき
ΔT分だけゲート位置が更新される。
以後同様にして、測定の都度、次の測定に対して、現
在軸力Fの変化に応じてゲート幅Wを一定として更新す
るか、或はΔTづつ更新するか、その都度軸力に対応し
てゲート位置とゲート幅を選択するかにより、次の測定
時点で正確に底面エコーを抽出するために現在の測定終
了時点でゲートをあらかじめ移動設定していく。なお、
この場合、ゲートの移動量ΔL=Ln−Lを算出してΔL
によりゲートの位置補正をしてもよい。また、ゲートの
位置とゲート幅とが現在の軸力Fに対応するものとして
テーブル化されていれば、それを参照して設定してもよ
い。
このように、ゲート位置を底面エコー発生位置に追従
させて適切な位置に移動させるようにすれば、ゲート幅
に多くの余裕を採る必要はなく、ゲート幅を必要最小限
度の幅とすることができる。したがって、ノイズや隣接
する欠陥等に影響されずに正確に底面エコーの受信エコ
ー信号のみを抽出することができ、正確な軸力測定がで
きる。
一方、軸力の判定については、軸力判定処理プログラ
ム14dにより行われ、このプログラムは、ゲート位置更
新処理プログラム14cにより起動される。この軸力判定
は、軸力算出処理プログラム14bにより算出された軸力
Fとあらかじめデータ記憶領域に記憶されている適正軸
力としての締付け基準となる軸力Fsとを比較してこれ以
上か否かを判定することによる。その結果、軸力Fが軸
力Fs以上となっているときには、締付け完了を示すフラ
グをデータ記憶領域14fに記憶する。そして、測定デー
タ表示処理プログラム14eを次に起動する。
測定データ表示処理プログラム14eは、データ記憶領
域14fに記憶された軸力Fとそれが適正値か否かを示す
フラグを読出して、画像メモリ13に転送してボルトの軸
力、そしてそれが目標値に達したか否かをディスプレイ
15に表示する処理をする。そして、この表示処理の後に
軸力算出処理プログラム14bを起動する。その結果、次
に同様なボルト軸力測定が測定周期(送信パルスがプロ
ーブ4に加えられるごと)或は測定周期の整数倍の周期
に対応して行われ、その後に軸力測定とそれが適正か否
か順次表示される。
次に、その全体的な測定動作について第3図の処理の
流れ図に従って説明する。
第3図のステップにおいて、ボルトの寸法(全長或
は全長と径)をキーボード10から入力する。次のステッ
プにおいて、この入力情報を受けて底面位置ゲート設
定プログラム14aが起動され、底面エコーの発生時間位
置にゲートが設定される。
次にステップにおいては、ボルト締付け前の底面エ
コーまでの時間値測定か否かをあらかじめ入力された機
能キー等により判定する。ボルト締付け前の底面エコー
までの時間値測定のときには、ステップにて、部材に
挿入されていない状態(或はボルト締付け前)のボルト
1に対して底面エコーE3の時間値の測定を行い、それを
メモリに記憶する。また、ボルト締付け前の測定でない
ときには、その待ちループに入る。
次のステップではボルト締付け状態における軸力の
測定か否かの判定に入る。この判定もキーボード10から
入力された機能キーに基づいて行われる。他のキーが入
力されてボルト軸力測定でないと判定されたときには、
入力キーに応じて待ちループとなるか、ここで、処理を
終了するか、他の処理へと移る。なお、処理をここで終
了したり、他の処理へ移ったときには、次にキーボード
10からボルト締付け状態の測定に対応する機能キーが入
力されたときに、この判定処理のステップから処理が
開始される。
ステップの判定の結果、ボルト締付け状態における
軸力測定であるときにはステップで軸力算出処理プロ
グラム14bが起動されて変化量Δtと軸力Fとが算出さ
れ、次に、ゲート位置更新処理プログラム14cが起動さ
れ、又はの方式に従ってゲート位置が適正な位置に
設定される。そして、次のステップでは、軸力判定処
理プログラム14dが起動されて、算出された軸力Fが基
準値Fs以下であるか否かの判定が行われ、そのそれぞれ
の結果がメモリに記憶される。
ステップでは、メモリに記憶された測定結果が表示
される処理が行われ、ステップで測定処理が終了か否
かの判定が終了キー入力の有無によりなされる。そし
て、測定処理が終了していないときには、ステップへ
と戻り、同様な測定が繰り返される。
以上説明したきたが、ピークの位置や底面エコーまで
の時間値(路程)の測定は、超音波探傷部6から得られ
る受信エコー信号そのものをA/D変換してサンプリング
し、離散値のデジタル値をメモリに記憶しておき、それ
をCPUによりデータ処理することでも得ることができ
る。この場合のゲートの設定は、演算処理にてデータ処
理を行うことで容易に設定できる。したがって、この発
明は、実施例に示すようなピーク検出・路程測定部7を
設けてゲート設定を行い、測定するものに限定されるも
のではない。
[発明の効果] このように、この発明にあっては、軸力を加えること
により発生する底面エコーまでの時間値の変化量を測定
し、この変化量に応じて次の測定時点の底面エコーを採
取する位置にゲート位置を移動するようにすれば、ゲー
ト幅を従来より狭くしても次の測定時点で底面エコーを
確実に抽出することができる。したがって、ノイズや欠
陥エコー等に影響されずに底面エコーのみを正確に採取
することができ、誤りのほとんどない軸力測定が可能と
なる。
その結果、現場で素人が軸力測定を行いながらボルト
締付け作業をしても誤りなく、適正なボルト締付け作業
を行うことができ、ボルト締付け作業におけるボルト締
付けミスが低減できる。
【図面の簡単な説明】 第1図は、この発明を適用した超音波ボルト軸力測定装
置のブロック図であり、第2図は、ボルトを測定したと
きのAスコープ像とゲート位置との関係を示す説明図、
第3図は、その軸力測定処理の流れ図、第4図は、ボル
トを測定したときの従来のAスコープ像とゲート位置と
の関係を示す説明図である。 1……被測定ボルト、2,3……締付け締結する部材、4
……超音波探触子(プローブ)、6……超音波探傷部、
7……ピーク検出・路程測定部、8a……A/D変換回路、8
b……時間計測回路、9……マイクロプロセッサ(CP
U)、10……キーボード、11……バス、13……画像メモ
リ、14……メインメモリ、14a……底面位置ゲート設定
プログラム、14b……軸力算出処理プログラム、14c……
ゲート位置更新処理プログラム、14d……軸力判定処理
プログラム、14e……測定データ表示処理プログラム、1
4f……データ記憶領域、16……測定データ処理装置。
フロントページの続き (72)発明者 鈴木 嘉昭 茨城県土浦市神立町650番地 日立建機 株式会社土浦工場内 (72)発明者 滝下 利男 茨城県土浦市神立町650番地 日立建機 株式会社土浦工場内 (72)発明者 浜崎 義一 福岡県粕屋郡新宮町大字上府1592 日立 建機株式会社九州支店内 (56)参考文献 特開 平2−304349(JP,A) 特開 平2−304325(JP,A)

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ボルト締付け前のボルトの先端側から得ら
    れる底面エコーまでの時間値とボルト締付け状態におけ
    る前記底面エコーまでの時間値との変化量を算出してこ
    の変化量に基づきボルトの軸力を算出するとともに、前
    記変化量に対応してゲートを移動させるものであって、
    前記ゲート幅は、通常のボルト締付け状態におけるある
    測定時点と次の測定時点との間で底面エコーが移動する
    移動量より大きく設定されていることを特徴とする超音
    波ボルト軸力測定装置。
  2. 【請求項2】ボルト締付け前のボルトの先端側から得ら
    れる底面エコーまでの時間値とボルト締付け状態におけ
    る前記底面エコーまでの時間値との変化量を算出してこ
    の変化量に基づきボルトの軸力を算出するとともに、前
    記変化量に基づいて次の測定時点の前記底面エコーの採
    取位置にゲートを移動させ、かつ、前記ゲート幅が前記
    次の測定時点において前記底面エコーを採取する範囲に
    設定されていることを特徴とする超音波ボルト軸力測定
    装置。
  3. 【請求項3】ボルト締付け前のボルトの先端側から得ら
    れる底面エコーまでの時間値とボルト締付け状態におけ
    る前記底面エコーまでの時間値との変化量を算出してこ
    の変化量に基づきボルトの軸力を算出するとともに、1
    つ前の測定時点と現在の測定時点との前記底面エコーま
    での前記時間値の変化量を得て、次の測定時点の前記底
    面エコーの採取位置を算出してその位置にゲートを移動
    させ、かつ、前記ゲート幅が前記底面エコーを採取する
    範囲に設定されていることを特徴とする超音波ボルト軸
    力測定装置。
  4. 【請求項4】算出した軸力に応じて次の底面エコーの採
    取位置を算出してそこにゲートが設定され、ゲート幅は
    前記底面エコーの採取位置に対して発生誤差を含んだ幅
    であることを特徴とする請求項2又は3記載の超音波ボ
    ルト軸力測定装置。
  5. 【請求項5】算出した軸力に応じて通常の締付け量とし
    て求められるゲート移動量と底面エコーを抽出する幅に
    対応するゲート幅とを得てゲートを設定することを特徴
    とする請求項2又は3記載の超音波ボルト軸力測定装
    置。
JP390290A 1990-01-11 1990-01-11 超音波ボルト軸力測定装置 Expired - Fee Related JP2732139B2 (ja)

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