JP2728265B2 - 塗膜付き被測定物の板厚測定装置 - Google Patents

塗膜付き被測定物の板厚測定装置

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JP2728265B2
JP2728265B2 JP63185051A JP18505188A JP2728265B2 JP 2728265 B2 JP2728265 B2 JP 2728265B2 JP 63185051 A JP63185051 A JP 63185051A JP 18505188 A JP18505188 A JP 18505188A JP 2728265 B2 JP2728265 B2 JP 2728265B2
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二郎 横山
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修 高橋
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、塗装が施された鋼板等の真の板厚を塗膜上
から測定できるようにした塗膜付き被測定物の板厚測定
装置に関するものである。 [従来の技術] 塗装が施された鋼板等の被測定物の板厚を測定する場
合、塗膜を剥がした後に適当な板厚測定装置で測定する
のが一般的な方法である。しかしながら、塗膜の除去お
よび再塗装は非常に手間のかかる作業であるために、被
測定物を塗膜付きのままで測定できる板厚測定装置が従
来から色々と考えられており、その代表的なものは第6
図に示す通りである。 第6図に示す板厚測定装置は、超音波パルスの反射を
利用したものであり、塗膜付き被測定物1に密着させた
超音波探触子2と、超音波探触子2からの信号により板
厚を測定する板厚測定器3とからなっている。この装置
に用いられる超音波探触子2はいわゆる分割形と呼ばれ
るものであり、円筒形のケース4内に互いに並設された
超音波パルスの送信部材5と受信部材6を有している。
送信部材5と受信部材6との間には、送信部材5からの
超音波パルスが受信部材に直接伝播しないように、音響
仕切板7が設けられており、これはケース4の開口面ま
で延びている。また、ケース4内には、遅延材8が充填
されている。このような超音波探触子2は、その端面を
塗膜付き被測定物1の表面に密着させて用いられる。
今、送信部材5から超音波パルスが発せられると、該パ
ルスは、塗膜9と被測定物10との境界面、および被測定
物10の底面にて反射され、これらの反射波受信部材6に
より受信され、その受信信号が板厚測定器3に送られ
る。そして、この境界面反射波および底面反射波の信号
を利用して板厚測定器3内でこれらの受信時間の差によ
り板厚を算出しようとするものである(例えば、特開昭
61−228307号公報参照)。 一方、別の方法として、第7図に示される底面反射波
の多重反射波を利用する、いわゆるB1−B2方式が考えら
れている。 [発明が解決しようとする課題] しかしながら、境界面および底面の反射波を利用する
方式は、音響仕切板7が塗膜付き被測定物1の表面に接
する超音波探触子2では、境界面反射波の受信レベルが
低いために、測定誤差が生じやすいという問題点があっ
た。すなわち、境界面反射波による信号を取り出すため
には、大幅な増幅が必要とされ、同時に測定誤差の原因
となる雑音(例えば、表面反射波、境界面反射波の塗膜
9内での多重反射波等)をも拾い易くなるものである。
特に、塗膜が薄い場合には、表面反射波と混在し、境界
面反射波による信号を選択して確実に取り出すことが難
しく、また、大幅な増幅による誤差の増加を招き、被測
定物10の真の板厚を正確に求めることは困難であった。 他方、B1−B2方式は、第7図に示すように、最初に被
測定物10の底面で反射された第1底面反射波と、この第
1底面反射波の一部が塗膜9と被測定物10の境界面を透
過せずに反射され、再び被測定物10の底面で反射された
第2底面反射波との受信部材6における受信時間の差を
測定することにより板厚を求める方式である。この場合
には、前述のような境界面反射波の取り出しに伴う問題
は生じないが、第8図に示されるように、塗膜付き被測
定物1の底面に腐食部11が存在する場合には、条件によ
っては、受信部材6から出力される信号に腐食部11の反
射波による信号f1、その多重反射波f2、および底面反射
波信号B1が混在し、これらを区別することができず、被
測定物10の板厚を正確に測定することが不可能となる。 したがって、本発明は、これらの問題点を解決するた
めになされたもので、混在する反射波から境界面反射波
を正確に取り出し、この正確な境界面反射波と底面反射
波とから、塗膜を含まない被測定物の真の板厚を正確に
測定することのできる板厚測定装置を提供することを目
的としている。 [課題を解決するための手段] 上記目的を達成するために、本発明は、超音波パルス
発生器と、この超音波パルス発生器で発生した超音波パ
ルスを塗膜付き被測定物に送信する送信部材と、送信さ
れた超音波パルスの反射波を受信する受信部材とを有す
る超音波探触子からなる塗膜付き被測定物の板厚測定装
置において、前記送信される超音波パルスの反射波のう
ち、前記送信部材において受信され、最初に入力される
信号を表面反射波の信号として出力するとともに、前記
受信部材から入力される信号から境界面反射波の信号を
前記表面反射波の信号を基準として選別し、さらに、前
記受信部材から入力される信号から底面反射波の信号を
選別して順次出力回路と、前記境界面反射波の信号によ
り計時を開始し、前記底面反射波の信号により計時を終
了する回路と、計時された時間を被測定物の板厚に変換
する回路と、前記板厚を数値表示する表示部と、を備え
るものである。 [作用] 送信される超音波パルスの反射波のうち、送信部材に
おいて受信され、最初に入力される信号を表面反射波の
信号として出力するとともに、前記受信部材から入力さ
れる信号から境界面反射波の信号を前記表面反射波の信
号を基準として選別し、さらに、前記受信部材から入力
される信号から底面反射波の信号を選別して順次出力す
る回路を備えているので、境界面反射波を表面反射波か
ら確実に分離して、正確に取り出すことができ、境界面
反射波信号と底面反射波信号とにより被測定物の板厚を
正確に求めることができる。 [実施例] 以下、この発明の好適な実施例を図に示された塗膜付
き被測定物の板厚測定装置について説明する。なお、図
中、同一または相当部分には同一符号が付されている。 第1図において、板厚測定装置は、分割形の超音波探
触子15と、この超音波探触子15に接続された板厚測定器
20とからなっている。 超音波探触子15は、一端に開口端部が形成された円筒
状のケース4と、その内部で他端側に並設された超音波
の送信部材5および受信部材6と、送信部材5と受信部
材6との間に設置された音響仕切板16とから主に構成さ
れている。また、遅延材18がケース4内に充填され、更
に、ダンパ17が送、受信部材の背面側に取り付けられて
いる。音響仕切板16は第6,7,8図に示す従来のものに比
して短く、その自由端とケース4の開口面との間に一定
の距離が置かれている。したがって、測定時には、塗膜
付き被測定物1の表面にグリセリン等の接触媒質を塗布
し、該超音波探触子15を密着させる。 塗膜付き被測定物1の表面での表面反射波は送信部材
5に伝播され、塗膜9と被測定物10との間の境界面での
境界面反射波は、高レベルで受信部材6に伝播されるよ
うに設定される。 他方、板厚測定器20において、符号21は超音波パルス
発生器であり、超音波探触子15の送信部材5から一定の
周期で超音波パルスを送信することができる。送信部材
5から発せられた超音波パルスの一部は、まず、塗膜付
き被測定物1の表面にて反射され、送信部材5において
受信される。また、受信部材6は板厚測定器20の信号セ
レクタ22に接続されている。信号セレクタ22は一定レベ
ルの反射波入力により開閉する測定ゲート回路であり、
受信される境界面反射波および底面反射波を選別して、
後続の境界面反射波アンプ26および底面反射波アンプ30
に送るために順次ゲートが開くように設定されている。 表面反射波が送信部材5において受信されると、その
受信信号Sは、表面反射波アンプ23および波形整形回路
24を経て、信号a(第2図(a))として比較回路25に
入力される。波形整形回路24は、人為的に設定した一定
レベルを越えた出力のみを取り出す回路である。一方、
塗膜9を通過した超音波パルスの一部は、塗膜9と被測
定物10との境界面で反射される。この境界面反射波を受
信した受信部材6からの信号S′は、信号セレクタ22に
より境界面反射波アンプ26と波形整形回路27に送られ、
そして、信号b(第2図(b))として比較回路25に入
力される。なお、符号28はオートゲインコントロール
で、境界面反射波の信号波形を十分な大きさに増幅する
までループさせるように機能する。比較回路25において
は、時間的に遅れて入ってきた信号を出力する(第2図
(c))。すなわち、この比較回路25においては、時間
的に先に入った信号を基準として遅れて入ってきた信号
を出力するものである。 塗膜9が薄い場合には、表面反射波受信信号と境界面
反射波受信信号との時間的間隔が極めて短くなるが、そ
のような場合にも、表面反射波を送信部材5において受
信し、両者を比較回路25に通すことによって、遅れて入
る境界面反射波による信号を確実に出力することができ
る。この出力信号はフリップフロップ回路29に入力され
る。 被測定物10の底面からの底面反射波もまた受信部材6
により受信され、その信号Bは、信号セレクタ22から底
面反射波アンプ30を通り、オートゲインコントロール31
で十分に増幅されてから、波形整形回路32を経て、信号
d(第2図(d))としてフリップフロップ回路29に入
る。フリップフロップ回路29からの信号eの波形は第2
図(e)の通りである。また、時計パルス発生器33から
は一定周期の時計パルスf(第2図(f))が発生さ
れ、フリップフロップ回路29の出力信号eと時計パルス
発生器33からの出力信号fとがパルス・ゲート回路34に
入力される。 パルス・ゲート回路34では、入力信号の共通部分が出
力され、第2図(g)から理解されるように、境界面反
射波の受信時間と底面反射波の受信時間の差、すなわち
被測定物10における超音波パルスの伝播時間の2倍に相
当する値を表す信号gが出力される。更に、この信号g
は計数回路35に送られ、デイジタル化され、マイコン36
において、被測定物10での超音波の伝播速度等のデータ
とともに演算処理され、かくして、測定表示部37に被測
定物10の真の板厚が表示される。 なお、塗装が施されていない被測定物であっても、例
えば、第1図の板厚測定器20において、境界面反射波ア
ンプ26への入力経路を遮断するとともに、表面反射波ア
ンプ23と波形整形回路24の出力をフリップフロップ回路
29に直接接続する構成に変更すれば、その板厚を自動測
定することができる。 この実施例では、表面反射波の受信信号が、送信部材
5から単独で表面反射波アンプ23に入力されので、受信
部材6からの信号と明確に区別され、受信部材6からの
信号は境界面反射波信号と底面反射波信号とに信号セレ
クタ22により分岐されることになる。 更に、表面反射波の受信時間は、遅延材8の既知の厚
さから算出することができるので、0点調整回路から表
面反射波信号に相当する信号を適当なタイミングで表面
反射波アンプ23に入力することができる。 また、板厚測定器20の回路構成は、前述の他にも色々
と変更が可能であり、例えば、上記実施例では、表面反
射波信号と境界面反射波を比較回路25を通し、時間的に
遅れのある信号を境界面反射波信号として取り出すよう
な構成を採っているが、表面反射波の入力によって境界
面反射波を取り出すためのゲートを開くような回路も適
用可能である。 第3図はその回路構成をブロック図で示たもので、第
4図は各回路中の各信号の波形を示すものである。この
回路では、表面反射波の波形整形回路24の後にゲートパ
ルス発生回路45が接続され、比較回路25に代わって境界
面反射波を取り出すための境界面反射波セレクタ46が取
り付けられている。信号セレクタ22では、ゲートパルス
(第4図(G1))によりゲートを開いて各信号を分岐す
る。なお、表面反射波による信号は送信部材5から直接
表面反射波アンプ23および波形整形回路24を通り(第4
図(a))、ゲートパルス発生回路45にてゲートパルス
(第5図(G2))を発生させる。これによって、境界面
反射波セレクタ46において、境界面反射波アンプ26を通
って送られる信号(第5図(b)、表面反射波による信
号も含まれる。)から、境界面反射波の信号のみが確実
に取り出される(第4図(c))。その他の信号の流れ
や処理については第1図の場合と全く同様である。 表面反射波および境界面反射波を高い応答レベルで受
信するために、遅延材と一つの振動子とが一体的に形成
された垂直形探触子を用いることも可能である。更にま
た、第5図に示すように、塗膜付き被測定物1上に水を
張り、超音波探触子と塗膜との間に遅延材として水を介
在させるいわゆる水浸法を用いることで、従来一般に用
いられている分割形超音波探触子2(第6図参照)や、
遅延材を持たない垂直形超音波探触子51であっても、表
面反射波、境界面反射波および底面反射波を受信するこ
とができる。したがって、この水浸法に従って配置され
た超音波探触子に前述の板厚測定器20を接続するなら
ば、被測定物10の板厚を測定することができるが、被測
定物10の裏面腐食が予期されるような場合には、分割形
の探触子を用いることが好ましい。 [発明の効果] 以上のように、本発明によれば、表面反射波を送信部
材において受信し、境界面反射波を表面反射波の信号を
基準として選別するので、境界面反射波を他の反射波か
ら選別して確実に取り出すことができ、境界面反射波と
底面反射波の信号から、塗膜を含まない被測定物の真の
板厚を正確に測定することができる。なお、被測定物の
裏面に腐食部がある場合にも、表示される値は腐食部の
最も薄い板厚部であり、特に、石油タンクの底板の肉厚
検査等に有効である。
【図面の簡単な説明】 第1図は本発明の実施例を示す板厚測定装置の概略説明
図、第2図は第1図の板厚測定装置における各出力信号
の波形を示す波形説明図、第3図は本発明の他の実施例
を示す板厚測定装置の第1図と同様な概略説明図、第4
図は第3図の板厚測定装置における各出力信号の波形を
示す波形説明図、第5図は水浸法による板厚測定を示す
概略説明図、第6図は従来の板厚測定装置を示す概略説
明図、第7図および第8図は従来のB1−B2方式による板
厚測定を示す概略説明図である。 1……塗膜付き被測定物 2,15,50……超音波探触子 9……塗膜、10……被測定物 20……板厚測定器、21……超音波パルス発生器 22……信号セレクタ、25……比較回路 29……フリップフロップ回路 33……時計パルス発生器 34……パルス・ゲート回路 35……計数回路 37……測定値表示部 45……ゲートパルス発生回路 46……境界面反射波セレクタ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小田 敏 東京都多摩市和田1261―12―408 (72)発明者 三浦 修一 東京都江戸川区東葛西1―48―4 (72)発明者 高橋 修 千葉県浦安市富士見4―15―23 (56)参考文献 特開 昭61−228307(JP,A)

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 1.超音波パルス発生器と、この超音波パルス発生器で
    発生した超音波パルスを塗膜付き被測定物に送信する送
    信部材と、送信された超音波パルスの反射波を受信する
    受信部材とを有する超音波探触子からなる塗膜付き被測
    定物の板厚測定装置において、 前記送信された超音波パルスの反射波のうち、前記送信
    部材において受信され、最初に入力される信号を表面反
    射波の信号として出力するとともに、前記受信部材から
    入力される信号から境界面反射波の信号を前記表面反射
    波の信号を基準として選別し、さらに、前記受信部材か
    ら入力される信号から底面反射波の信号を選別して順次
    出力回路と、 前記境界面反射波の信号により計時を開始し、前記底面
    反射波の信号により計時を終了する回路と、計時された
    時間を被測定物の板厚に変換する回路と、 前記板厚を数値表示する表示部と、 を備える塗膜付き被測定物の板厚測定装置。
JP63185051A 1988-07-25 1988-07-25 塗膜付き被測定物の板厚測定装置 Expired - Lifetime JP2728265B2 (ja)

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