JP2943981B2 - 半導体ウェーハ用研磨パッドおよび研磨方法 - Google Patents

半導体ウェーハ用研磨パッドおよび研磨方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、一般に集積回路製
造中に実施される化学機械式研磨(CMP)操作に関
し、詳細には集積回路を含む半導体ウェーハおよび半導
体チップの研磨に関する。本発明は、より詳細には研磨
の制御を改善することの可能な研磨パッド構造および研
磨パッド操作に関する。
【0002】
【従来の技術】半導体デバイスの集積化における急速な
進歩により、活性領域を接続するための配線パターンま
たは相互接続としてますます小さなものが要求されてい
る。その結果、これらの工程で使用される半導体ウェー
ハの平面度または平坦度に対する許容差が、ますます小
さくなってきている。半導体ウェーハの表面を平坦にす
る通常の一方法は、研磨装置を用いて半導体ウェーハを
研磨するものである。
【0003】このような研磨装置は、研磨パッドと接触
する回転式ウェーハ・キャリヤ・アセンブリを有する。
研磨パッドが、回転盤上に取り付けられ、回転盤が外部
駆動力によって駆動される。研磨装置は、化学機械式研
磨(CMP)用の研磨スラリを散布しながら、薄い各半
導体ウェーハの表面と研磨パッドの間で研磨動作または
ラビング動作を引き起こす。平坦化の際のCMPでは、
ウェーハ表面を攻撃する研磨粒子のスラリまたは反応性
溶液、あるいはその両方を飽和させた回転パッドにウェ
ーハ表面を接触させることが必要である。これは、ウェ
ーハと研磨パッドの間に力を加えながら行われる。
【0004】一般に、CMPでは基板表面を均一に研磨
せず、材料剥離が不均一に進む。例えば酸化物研磨の間
に、ウェーハ端部がウェーハの中心よりも遅く研磨され
るのが普通である。従って、基板全体にわたって均一な
表面が得られるよう、半導体ウェーハまたは半導体チッ
プあるいはその両方などの基板表面からの材料剥離を制
御する方法および装置が必要とされている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、交互
に圧縮性を有する複数のリングを含む研磨パッドを用い
て、ウェーハを研磨する方法および装置を提供するもの
である。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、異なるパッド
材料の少なくとも二つの領域を含む平坦な上面を備え、
それらの領域が、パッドを横切る方向に非放射パターン
状に延びている、半導体ウェーハを研磨するための研磨
パッドを開示するものである。
【0007】本発明は、交互に圧縮性を有する同心の複
数のリングを含む、半導体ウェーハを研磨するための研
磨パッドを開示するものである。
【0008】本発明は、交互に圧縮性を有する同心の複
数のリングを備える研磨パッドを準備するステップと、
半導体ウェーハを研磨するステップとを含む、半導体ウ
ェーハを研磨する方法を開示するものである。
【0009】
【作用】本発明の利点は、研磨の際に単一パッドの使用
が可能なことである。
【0010】本発明の利点は、安価であり、均一性が改
良されることである。
【0011】
【発明の実施の形態】現在、酸化物表面を研磨する場合
には、様々な問題を防止するため積層されたパッドの組
合せを使用しなければならない。図1に、ウェーハ表面
103と接触している積層パッド面100を示す。積層
パッドの使用は非常にコストが高くつき、外側端部の酸
化物の厚さ制御に問題が生じる。積層パッドは、軟質/
スポンジ状のパッド・ベース102(ポリウレタン含浸
ポリエステル・フェルト・パッドであるSUBATM4パ
ッドなど)と、多孔性のハードトップ・パッド101
(ポリウレタン・パッドであるIC1000TMパッドな
ど)とから構成される。ただし、軟質/スポンジ状パッ
ドのみでは、圧縮性が高く、チップ内の均一性が不十分
で、構造の局所的ディッシングを発生するため、使用で
きない。また、硬質ウレタン・パッドのみでは、パッド
が非圧縮性であり、ウェーハとパッド表面との間に吸引
シールを生じるため、使用できない。従って研磨具はこ
のシールを離すことができず、取り外しの際に障害が生
ずる。この取り外しの際の障害は、研磨具をパッドから
引き離すことができず、その結果ウェーハが破壊を受け
る場合に生じる。硬質ポリウレタン・パッドのみを単独
で使用することができないもう一つの理由は、スラリが
ウェーハ表面の下側に均一に入り込むことができず、こ
のためウェーハの中心が研磨が不十分になることであ
る。ウェーハ表面の下側でスラリが不足すると、チップ
内でまたは局所的に不均一性が生じ、またウェーハ全体
にわたりまたは全体的に不均一となる。ウェーハ表面全
体にわたる酸化物の厚さが不均一であると、オーバエッ
チングやアンダエッチング、金属および窒化物の残留、
さらに電気的性能の全体的な低下を招く可能性がある。
【0012】積層パッドによって生ずる実際のメカニズ
ムは、軟質/スポンジ状パッドおよび多孔性硬質ポリウ
レタン・パッドが、スラリ貯蔵部として働くことであ
る。ウェーハがパッド中に押し下げられると、図1の従
来技術に示されるように、軟質/スポンジ状パッドは硬
質ポリウレタン・パッドの下で圧縮し、ウェーハ表面と
硬質ポリウレタン・パッドの研磨表面との間にスラリを
押し込む。上記の従来技術の例における問題点は、パッ
ドの縁部がその中心部よりも圧縮され、リード縁部の厚
さにばらつきが生じることである。これらのばらつき
は、ウェーハの外側15〜20mmの所で不十分な均一
性を生み出し、そのため単一パッドについて述べたのと
同様の障害メカニズムが生じる。当業界では、単一パッ
ドによって生じるばらつきや、積層パッドによって生じ
る厚い前縁部との共存を強いられている。新しいタイプ
のパッドの改良に際しては、ウェーハ表面の下側でスラ
リが均一に覆うよう、かつウェーハのリード側前縁部に
厚い酸化物ができないようにしなければならない。ま
た、この改良においては、積層パッドのリード縁部の問
題、あるいは単一パッドの局所的不均一性を解消しなけ
ればならない。
【0013】本発明は、酸化物表面を研磨する際のこれ
らの問題に対処しようとするものである。本発明は、成
形時における吸引シールの発生を防止しつつ、単一パッ
ドまたは積層パッドを使用し、ウェーハ表面下側に充分
なスラリを供給することを開示するものである。そのア
イディアは、硬質の非圧縮性パッドと軟質/スポンジ状
パッドとからなる複合パッドを使用するものである。圧
縮性パッドの一例としてはIC1000TMが挙げられ、
軟質/スポンジ状パッドの一例としては、SUBATM
が挙げられる。硬質パッドを使用することにより、ウェ
ーハ表面は全体的にも局所的にもその均一性が優れたも
のとなり、また軟質/スポンジ状パッドは、スラリを捕
捉しウェーハの下側に送り込む。全体的均一性とは、ウ
ェーハ表面全体にわたる酸化物の厚さの分布であり、局
所的均一性とはチップ・ボックス内で酸化物の厚さの分
布である。このように交互に圧縮性をもたせることによ
り、研磨表面とスラリの間にパッドが交互に入ることに
なる。また、半導体ウェーハを研磨するために回転する
とき、パッドの各部分を横切って急激な遷移はほとんど
みられない。
【0014】図2および図3は、本発明を開示するもの
である。パッド20は、交互に硬質の非圧縮性パッドH
と軟質/スポンジ状パッドSの、同心リングからなる。
硬質領域および軟質領域は、パッドを横切る方向に非放
射パターン状に延びている。図3は、平らな表面を有す
る研磨パッド20の横断面図である。硬質部Hの幅はF
であり、軟質部Sの幅はEである。研磨パッド20の厚
さはGで示されている。例えば、直径61cm(24イ
ンチ)のパッドを使用する場合、パッドの厚さGは約
1.3〜1.4mm(0.05〜0.055インチ)で
あり、硬質部の幅Fは約19.1mm(3/4イン
チ)、軟質/スポンジ状部分の幅Eは3.2〜6.4m
m(1/8〜1/4インチ)の範囲である。
【0015】図4は、本発明の代替実施形態を示すもの
である。研磨パッド30は、その幾何学的中心からずれ
た位置に、交互に圧縮性を有する同心の複数のリングを
有する。これら交互に配置された同心のリングは、その
中心が、パッドの幾何学的な中心点Aではなく点Bに一
致している。交互に配置されたリングの動作領域10
は、ウェーハ表面上にいかなる痕跡も残さないよう、完
全に同心のリングのみが使用されるように設計されてい
る。交互に配置されたリングの動作領域の外側にあるパ
ッドの領域は、IC1000TMなどの硬質材料で構成さ
れる。Cで表される、中心からはずれた距離は、例えば
38〜100mm(1.5〜4インチ)の範囲である。
【0016】交互に圧縮性を有する複合パッドを用いる
ことによって、ウェーハ表面全体の下側に、ムラなく均
一にスラリを供給することができ、また同時に、吸引シ
ールの形成を防止する多孔性表面を得ることができる。
単一のパッドの使用も可能であるため、リード縁部の厚
さのばらつきが完全になくなる。全体の均一性は、現在
の積層パッド構成を用いた場合よりも2倍から3倍向上
する。従ってこのアイディアは、製品仕様を満たし、局
所的および全体的な不均一性の問題を解決するものであ
る。
【0017】
【発明の効果】本発明の複合パッドは、一時に1個の半
導体ウェーハを研磨し、または複数の半導体ウェーハを
同時に研磨するために使用することができる。
【0018】本発明の他の利点は、基板全体にわたって
より均一な表面を得るため、基板の異なる部分からの材
料が異なる速度で剥離できることである。
【0019】本発明の他の利点は、軟質リングが軟質/
スポンジ状材料で出来ていて、スラリが軟質リング領域
にしみ通ることができるため、単一パッドを使用できる
ことである。従って、軟質/スポンジ状領域内のウェー
ハ表面の下側にスラリを定常的に供給することができ、
あるいはスラリを送り込むシステムが設けられることに
なる。また、硬質材料は研磨が行われる場所である。こ
のため本発明により、単一研磨パッド工程または積層パ
ッド研磨工程が可能となる。
【0020】本発明の他の利点は、ウェーハ表面と滑ら
かな研磨パッドとの間の凝集力によって吸着が生じる、
「ウェーハ固着」(wafer stickage)と
呼ばれる現象がなくなることである。吸着が生じると、
ウェーハを表面から引き離すことが非常に困難になる。
交互のリングにより、ウェーハが研磨表面から持ち上げ
られるような開放状態となる。従って、わずかな空気が
シールに入り込むため、ウェーハは貼り付かない。単一
パッドが使用できることにより、研磨操作が安価にな
る。
【0021】本発明の他の利点は、研磨の全体的均一性
および局所的均一性が共に達成されることである。
【0022】上述の実施形態は例示のために用いたもの
であり、剥離すべきフィルム、研磨前の厚さのプロフィ
ル、そして所望の最終的プロフィルに応じて、研磨パッ
ド、スラリ、研磨キャリヤ、およびテーブル・サイズの
様々な組合せが使用できることを理解されたい。
【0023】
【0024】
【図面の簡単な説明】
【図1】従来技術の積層されたパッド構成を示す図であ
る。
【図2】本発明を示す上面図である。
【図3】本発明を示す横断面図である。
【図4】本発明の代替実施の形態を示す図である。
【符号の説明】
10 リングの動作領域 20 研磨パッド 30 研磨パッド S 軟質/スポンジ状パッド H 硬質非圧縮性パッド E 軟質部Sの幅 F 硬質部Hの幅 G 研磨パッド20の厚さ A パッドの幾何学的中心点 B リングの同心点 C 点A−点B間の距離 100 積層パッド表面 101 多孔性ハードトップ・パッド 102 軟質/スポンジ状パッド・ベース 103 ウェーハ表面
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 スティーヴン・ジェームズ・メシヤ アメリカ合衆国05495 バーモント州ウ ィリストンノース・ブラウネル・ロード 54 (72)発明者 ダグラス・キース・スタートヴァント アメリカ合衆国05452 バーモント州エ セックス・ジャンクション ウエスト・ ストリート 60 (72)発明者 マシュー・トマス・ティールシュ アメリカ合衆国05452 バーモント州エ セックス・ジャンクション ブリックヤ ード・ロード 60 ユニット・ナンバー 4 (56)参考文献 特開 平9−22886(JP,A) 特開 昭52−149692(JP,A) 特開 平8−192353(JP,A) 特開 昭56−56382(JP,A) 実公 昭42−21117(JP,Y1) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B24B 37/00 B24D 13/14 H01L 21/304 622

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】半導体ウェーハを研磨するための研磨パッ
    ドであって、 圧縮性が異なる同心の複数のリングを交互に含む上面を
    備え、 前記圧縮性が異なる複数のリングが、それぞれポリウレ
    タン・リング及びポリウレタン含浸ポリエステル・フェ
    ルト・リングとを含むことを特徴とする、研磨パッド。
  2. 【請求項2】硬質リングの幅が19.1mm(3/4イ
    ンチ)、軟質リングの幅が3.2〜6.4mm(1/8
    〜1/4インチ)の範囲であることを特徴とする、請求
    項1に記載の研磨パッド。
  3. 【請求項3】前記複数のリングの幾何学的中心が、研磨
    パッドの中心からずれていることを特徴とする、請求項
    1に記載の研磨パッド。
  4. 【請求項4】前記幾何学的中心が、前記研磨パッドの中
    心から38〜100mm(1.5〜4インチ)の範囲で
    ずれていることを特徴とする、請求項3に記載の研磨パ
    ッド。
  5. 【請求項5】半導体ウェーハを研磨するための方法であ
    って、 圧縮性が異なる同心の複数のリングを交互に含む上面を
    備え、 前記圧縮性が異なる複数のリングが、それぞれポリウレ
    タン・リング及びポリウレタン含浸ポリエステル・フェ
    ルト・リングとを含む研磨パッドを準備するステップ
    と、 前記パッドの上面及び前記半導体ウェーハの間に常にス
    ラリを保持しながら前記ウェーハを研磨するステップと
    を含む、半導体ウェーハを研磨する方法。
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