JP2941749B2 - ウエハ研磨廃液の処理方法及び回収された研磨剤を主成分とする焼結体 - Google Patents
ウエハ研磨廃液の処理方法及び回収された研磨剤を主成分とする焼結体Info
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- Y02W—CLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO WASTEWATER TREATMENT OR WASTE MANAGEMENT
- Y02W30/00—Technologies for solid waste management
- Y02W30/20—Waste processing or separation
Landscapes
- Grinding-Machine Dressing And Accessory Apparatuses (AREA)
- Polishing Bodies And Polishing Tools (AREA)
- Separation Of Solids By Using Liquids Or Pneumatic Power (AREA)
- Compositions Of Oxide Ceramics (AREA)
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ウエハ研磨廃液の
処理方法、特にウエハ研磨廃液から使用済み研磨剤を回
収する方法、及び回収された研磨剤を主成分とする焼結
体に関するものである。
処理方法、特にウエハ研磨廃液から使用済み研磨剤を回
収する方法、及び回収された研磨剤を主成分とする焼結
体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般にウエハ研磨後の廃液には、どろど
ろの固形分として研磨剤由来のジルコン(ZrSi
O4 )及びアルミナ(Al2 O3 )と、研磨機由来の鉄
(Fe)、ウエハ由来の珪素(Si)が含まれている。
この廃液の処理としては、従来、大型の沈降槽をいくつ
も用いて固液分離し、上澄み液は濾過後再使用し、固形
分は廃棄処分していた。しかし、このような処理では、
有効資源の無駄であるばかりでなく、環境保全上も問題
であった。
ろの固形分として研磨剤由来のジルコン(ZrSi
O4 )及びアルミナ(Al2 O3 )と、研磨機由来の鉄
(Fe)、ウエハ由来の珪素(Si)が含まれている。
この廃液の処理としては、従来、大型の沈降槽をいくつ
も用いて固液分離し、上澄み液は濾過後再使用し、固形
分は廃棄処分していた。しかし、このような処理では、
有効資源の無駄であるばかりでなく、環境保全上も問題
であった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記のごと
き問題点を解決したもので、ウエハ研磨後の廃液を処理
して研磨剤を高純度で効率的に回収する方法と、回収さ
れた研磨剤を主成分とする焼結体を提供することを目的
としている。
き問題点を解決したもので、ウエハ研磨後の廃液を処理
して研磨剤を高純度で効率的に回収する方法と、回収さ
れた研磨剤を主成分とする焼結体を提供することを目的
としている。
【0004】
【課題を解決するための手段】前記課題を達成した本発
明に係るウエハ研磨廃液の処理方法は、ウエハ研磨廃液
から磁力で鉄分を除去し、真空式ドラムフィルターで固
液分離し、濾液を研磨工程に循環再使用するとともに、
固形分を水に分散させたのち、サイクロンにより珪素を
除去し、固形分を再度水に分散させたのち、真空式ドラ
ムフィルターで固液分離し、得られた固形分を乾燥し
て、研磨剤を回収することを特徴としている。
明に係るウエハ研磨廃液の処理方法は、ウエハ研磨廃液
から磁力で鉄分を除去し、真空式ドラムフィルターで固
液分離し、濾液を研磨工程に循環再使用するとともに、
固形分を水に分散させたのち、サイクロンにより珪素を
除去し、固形分を再度水に分散させたのち、真空式ドラ
ムフィルターで固液分離し、得られた固形分を乾燥し
て、研磨剤を回収することを特徴としている。
【0005】この回収された研磨剤は、ジルコン(Zr
SiO4 )約55〜60%(以下重量%で示す)、アル
ミナ(Al2 O3 )約40〜45%からなり、そのまま
ウエハ研磨工程で研磨剤として再利用できる程度の純度
を保持している。特にこれにマイカ、セリサイト(絹雲
母)、陶石、長石等を適宜加えて、任意の形状に成形、
焼結した焼結体は、砥石、ベアリング等、特に耐熱性に
すぐれたセラミック材として広い用途が期待できる。多
孔質焼結体にする場合には、発泡剤として炭酸カルシウ
ムを使用することもできる。
SiO4 )約55〜60%(以下重量%で示す)、アル
ミナ(Al2 O3 )約40〜45%からなり、そのまま
ウエハ研磨工程で研磨剤として再利用できる程度の純度
を保持している。特にこれにマイカ、セリサイト(絹雲
母)、陶石、長石等を適宜加えて、任意の形状に成形、
焼結した焼結体は、砥石、ベアリング等、特に耐熱性に
すぐれたセラミック材として広い用途が期待できる。多
孔質焼結体にする場合には、発泡剤として炭酸カルシウ
ムを使用することもできる。
【0006】
【発明の実施の形態】次に、図面にしたがって、本発明
に係るウエハ研磨廃液の処理方法を詳述する。図1にお
いて、ウエハ研磨後の廃液(研磨廃液)は、通常、水
と、研磨液と、研磨剤由来のジルコン及びアルミナと、
研磨機由来の鉄分と、ウエハ由来の珪素と、その他微量
成分とを含むどろどろの液体である。本発明では、この
研磨廃液を3500〜10000ガウス程度の磁力を有
する永久磁石を用いた一次除鉄機1に通し鉄分を除去す
る。一次除鉄機で鉄分は約98%程度まで除去される
が、望ましくはさらに略同じ磁力を有する二次除鉄機2
にかけることにより、最終的に鉄分は99%以上まで除
去される。除鉄は遅くとも3日以内に行わないと、鉄分
が水酸化鉄になって磁石による除鉄は困難となる。した
がって、従来技術のような沈降槽による分離では磁石に
よる除鉄は困難である。
に係るウエハ研磨廃液の処理方法を詳述する。図1にお
いて、ウエハ研磨後の廃液(研磨廃液)は、通常、水
と、研磨液と、研磨剤由来のジルコン及びアルミナと、
研磨機由来の鉄分と、ウエハ由来の珪素と、その他微量
成分とを含むどろどろの液体である。本発明では、この
研磨廃液を3500〜10000ガウス程度の磁力を有
する永久磁石を用いた一次除鉄機1に通し鉄分を除去す
る。一次除鉄機で鉄分は約98%程度まで除去される
が、望ましくはさらに略同じ磁力を有する二次除鉄機2
にかけることにより、最終的に鉄分は99%以上まで除
去される。除鉄は遅くとも3日以内に行わないと、鉄分
が水酸化鉄になって磁石による除鉄は困難となる。した
がって、従来技術のような沈降槽による分離では磁石に
よる除鉄は困難である。
【0007】除鉄後の研磨液はいったん貯槽3に貯め、
ポンプ4で汲み上げ、真空式ドラムフィルター5で固液
分離する。真空式ドラムフィルター5の濾材の平均気孔
径は、表1に示すように廃液濃度によっても濾過率が異
なるので一概に特定できないが、環境基準からいえば濾
液中の固形分の含量が200ppmをこえると廃棄でき
ないし、本発明におけるように濾液を研磨工程に循環し
て再使用する場合には、50ppmが上限となる。この
点から、表1に示すように、例えば気孔径5μmの濾材
では、廃液中の固形分濃度が廃液原液の約1/3(約
2.3%)以上、望ましくは廃液原液濃度(約4.7
%)以上であり、気孔径10μmの濾材では、廃液原液
濃度の約2倍(約14%)以上が相当である。気孔径が
10μmをこえると、廃液原液をさらに濃縮しても固形
分が多量に濾液に混入し、実用は困難である。この濾液
は、本発明による早期除鉄のため、そのままウエハ研磨
工程の研磨液として循環再使用できる。
ポンプ4で汲み上げ、真空式ドラムフィルター5で固液
分離する。真空式ドラムフィルター5の濾材の平均気孔
径は、表1に示すように廃液濃度によっても濾過率が異
なるので一概に特定できないが、環境基準からいえば濾
液中の固形分の含量が200ppmをこえると廃棄でき
ないし、本発明におけるように濾液を研磨工程に循環し
て再使用する場合には、50ppmが上限となる。この
点から、表1に示すように、例えば気孔径5μmの濾材
では、廃液中の固形分濃度が廃液原液の約1/3(約
2.3%)以上、望ましくは廃液原液濃度(約4.7
%)以上であり、気孔径10μmの濾材では、廃液原液
濃度の約2倍(約14%)以上が相当である。気孔径が
10μmをこえると、廃液原液をさらに濃縮しても固形
分が多量に濾液に混入し、実用は困難である。この濾液
は、本発明による早期除鉄のため、そのままウエハ研磨
工程の研磨液として循環再使用できる。
【0008】
【表1】
【0009】ドラム表面に付着した固形分はスクレバー
(図示せず)で掻き落とす。固形分は分散槽6内で約2
0リットルの水注入、撹拌、上澄み液除去による洗浄を
2〜3回繰り返して、最終的に粘度を下げるために固形
分の10〜20倍の水を加えて希釈する。
(図示せず)で掻き落とす。固形分は分散槽6内で約2
0リットルの水注入、撹拌、上澄み液除去による洗浄を
2〜3回繰り返して、最終的に粘度を下げるために固形
分の10〜20倍の水を加えて希釈する。
【0010】希釈された分散液は、ポンプ7を介して一
次サイクロン8に、さらに貯槽9、ポンプ10を介して
二次サイクロン11に供給される。一次サイクロン8と
二次サイクロン11は、同一仕様であっても異なった仕
様であってもよい。これにより、粒度分布が、レーザ式
の粒径測定で平均粒径10μm程度であるジルコン/ア
ルミナ系混合物と、平均粒径が1μm以下である珪素と
を比重により分級する。分級された珪素は水とともに抜
き取られ排水処理機12へと送られる。
次サイクロン8に、さらに貯槽9、ポンプ10を介して
二次サイクロン11に供給される。一次サイクロン8と
二次サイクロン11は、同一仕様であっても異なった仕
様であってもよい。これにより、粒度分布が、レーザ式
の粒径測定で平均粒径10μm程度であるジルコン/ア
ルミナ系混合物と、平均粒径が1μm以下である珪素と
を比重により分級する。分級された珪素は水とともに抜
き取られ排水処理機12へと送られる。
【0011】二次サイクロン11から得られるジルコン
とアルミナを含む固形分は、いったん貯槽13を経由し
て分散槽14で再度約10〜20リットルの水で希釈、
分散される。この懸濁液は前述と略同一仕様の真空式ド
ラムフィルター15で固液分離され、濾液は排水処理機
12へと送出される。
とアルミナを含む固形分は、いったん貯槽13を経由し
て分散槽14で再度約10〜20リットルの水で希釈、
分散される。この懸濁液は前述と略同一仕様の真空式ド
ラムフィルター15で固液分離され、濾液は排水処理機
12へと送出される。
【0012】得られた水分約8〜12%の固形分は、一
次乾燥機16で100℃以下、望ましくは80℃で約2
時間程度乾燥する。次いで二次乾燥機17で100℃を
超える温度、望ましくは110℃程度約2時間乾燥す
る。乾燥効率にもよるが、100℃以上、1回で乾燥す
ることもできる。乾燥粉末の水分は1%以下、その成分
は、ジルコン約55〜60%、アルミナ約40〜45
%、微量成分として鉄、珪素等が含まれている。得られ
た研磨剤粉末は、ウエハ研磨剤としてそのまま再利用で
きる程度の純度を有する。したがって、種々のセラミッ
ク焼結体の原料として使用できるが、各種の砥材、砥
粒、砥石としての利用がもっとも実用的である。
次乾燥機16で100℃以下、望ましくは80℃で約2
時間程度乾燥する。次いで二次乾燥機17で100℃を
超える温度、望ましくは110℃程度約2時間乾燥す
る。乾燥効率にもよるが、100℃以上、1回で乾燥す
ることもできる。乾燥粉末の水分は1%以下、その成分
は、ジルコン約55〜60%、アルミナ約40〜45
%、微量成分として鉄、珪素等が含まれている。得られ
た研磨剤粉末は、ウエハ研磨剤としてそのまま再利用で
きる程度の純度を有する。したがって、種々のセラミッ
ク焼結体の原料として使用できるが、各種の砥材、砥
粒、砥石としての利用がもっとも実用的である。
【0013】この回収されたジルコン/アルミナ系研磨
剤は、一般に広く用いられているジルコニア(Zi
O2 )/アルミナ系の砥材に比べると耐熱性においてす
ぐれている。
剤は、一般に広く用いられているジルコニア(Zi
O2 )/アルミナ系の砥材に比べると耐熱性においてす
ぐれている。
【0014】本発明において、廃液から回収された研磨
剤は、そのまま各種セラミック焼結体の原料として使用
することもできるが、必要に応じてマイカ、セリサイ
ト、陶石、長石、炭酸カルシウムなどを加えて、常法、
あるいは図2に示すように、粉砕、成形、焼結、研磨加
工して、任意の形状の焼結体、特に砥石を得るのが望ま
しい。図2において、廃液からの回収研磨剤70〜99
%に、望ましくはマイカ、セリサイト、陶石、長石、炭
酸カルシウムの少なくとも1種を1〜30%加えて、ボ
ールミル18で混合粉砕し、粒径約5μm以下にする。
これに接着剤として、アラビアゴムあるいはカルボキシ
メチルセルロース(CMC)等を水溶液で10%以下、
望ましくは7〜8%添加する。次いで一次成形機19に
より約200〜300kg/cm2 で圧搾成形し、二次
成形機20により1000〜3000kg/cm2 程度
で成形する。成形形状は、棒状、角板、丸板など任意の
形状で得ることができる。成形体は、焼結炉21で、常
圧または高圧下、温度1500〜1800℃、望ましく
は1650〜1700℃程度で焼結する。加圧焼結の場
合は、加圧と加熱を同時に行うヒップ型成型機を用いる
ことができる。また成形には、流体加圧を行うアイソス
タチックプレスなども好適である。焼結成形体は、研磨
機22により研磨仕上げする。用途としては、丸棒砥
石、板状砥石のほか、ベアリング、高温耐熱材、加工
品、タイル等にも供することができる。
剤は、そのまま各種セラミック焼結体の原料として使用
することもできるが、必要に応じてマイカ、セリサイ
ト、陶石、長石、炭酸カルシウムなどを加えて、常法、
あるいは図2に示すように、粉砕、成形、焼結、研磨加
工して、任意の形状の焼結体、特に砥石を得るのが望ま
しい。図2において、廃液からの回収研磨剤70〜99
%に、望ましくはマイカ、セリサイト、陶石、長石、炭
酸カルシウムの少なくとも1種を1〜30%加えて、ボ
ールミル18で混合粉砕し、粒径約5μm以下にする。
これに接着剤として、アラビアゴムあるいはカルボキシ
メチルセルロース(CMC)等を水溶液で10%以下、
望ましくは7〜8%添加する。次いで一次成形機19に
より約200〜300kg/cm2 で圧搾成形し、二次
成形機20により1000〜3000kg/cm2 程度
で成形する。成形形状は、棒状、角板、丸板など任意の
形状で得ることができる。成形体は、焼結炉21で、常
圧または高圧下、温度1500〜1800℃、望ましく
は1650〜1700℃程度で焼結する。加圧焼結の場
合は、加圧と加熱を同時に行うヒップ型成型機を用いる
ことができる。また成形には、流体加圧を行うアイソス
タチックプレスなども好適である。焼結成形体は、研磨
機22により研磨仕上げする。用途としては、丸棒砥
石、板状砥石のほか、ベアリング、高温耐熱材、加工
品、タイル等にも供することができる。
【0015】
【実施例1】ウエハ研磨後の廃液200リットルを、一
次除鉄機として商品名マグクリーン(カネテック株式会
社製)を用い、約3500ガウスで除鉄、鉄分1.5k
gが除去された。次いで二次除鉄機(同前出)を用いて
再度除鉄、鉄分0.5kgが除去された。鉄分の除去率
は99.3%であった。次いで真空式ドラムフィルター
として、商品名PCセパレータ(カネボウ株式会社製)
を用い、除鉄液を固液分離した。真空度は600〜64
0mmHg、濾材には平均気孔径5.0μmのものを使
用した。濾液はそのままウエハ研磨工程に循環した。ド
ラム上に付着した固形分はスクレバーで掻きとった。固
形分は約13.8kg、含水率は12%で、色は灰色、
平均粒径9.13μmであった。分散槽でこれに水20
リットルを加えて3度洗浄し、同量の水に分散させた。
分散液を一次及び二次サイクロン、商品名スーパークリ
ーン(村田工業株式会社製)にかけて分級し、約0.1
kgの珪素を水とともに排水処理機へ送出した。固形分
を再度水20リットルにて分散し、前述と同じPCセバ
レータで固液分離し、濾液は排水処理機に送出した。得
られた固形部は、約13.6kg、水分は12%で、色
は灰色、平均粒径は11.84μmあった。一次乾燥で
80℃、2時間乾燥、さらに二次乾燥で、110℃、2
時間乾燥した。水分は1%となった。
次除鉄機として商品名マグクリーン(カネテック株式会
社製)を用い、約3500ガウスで除鉄、鉄分1.5k
gが除去された。次いで二次除鉄機(同前出)を用いて
再度除鉄、鉄分0.5kgが除去された。鉄分の除去率
は99.3%であった。次いで真空式ドラムフィルター
として、商品名PCセパレータ(カネボウ株式会社製)
を用い、除鉄液を固液分離した。真空度は600〜64
0mmHg、濾材には平均気孔径5.0μmのものを使
用した。濾液はそのままウエハ研磨工程に循環した。ド
ラム上に付着した固形分はスクレバーで掻きとった。固
形分は約13.8kg、含水率は12%で、色は灰色、
平均粒径9.13μmであった。分散槽でこれに水20
リットルを加えて3度洗浄し、同量の水に分散させた。
分散液を一次及び二次サイクロン、商品名スーパークリ
ーン(村田工業株式会社製)にかけて分級し、約0.1
kgの珪素を水とともに排水処理機へ送出した。固形分
を再度水20リットルにて分散し、前述と同じPCセバ
レータで固液分離し、濾液は排水処理機に送出した。得
られた固形部は、約13.6kg、水分は12%で、色
は灰色、平均粒径は11.84μmあった。一次乾燥で
80℃、2時間乾燥、さらに二次乾燥で、110℃、2
時間乾燥した。水分は1%となった。
【0016】(分析例1)実施例1で得られた回収研磨
剤を定性分析( 9F〜92U)、半定量分析(FP法によ
る推定定量分析)した。分析機器には蛍光X線分析装置
(島津製作所製SXF−1200)を用いた。試料はア
ルミリングを用いて全圧300トンで加圧成型し、蛍光
X線スペクトルを測定した。得られた蛍光X線スペクト
ルに基づく主な検出元素のFP法による推定定量分析結
果を表2に示す。含有量は、単純酸化物換算で示す。
剤を定性分析( 9F〜92U)、半定量分析(FP法によ
る推定定量分析)した。分析機器には蛍光X線分析装置
(島津製作所製SXF−1200)を用いた。試料はア
ルミリングを用いて全圧300トンで加圧成型し、蛍光
X線スペクトルを測定した。得られた蛍光X線スペクト
ルに基づく主な検出元素のFP法による推定定量分析結
果を表2に示す。含有量は、単純酸化物換算で示す。
【0017】
【表2】
【0018】(分析例2)未使用研磨剤(砥粒)、実施
例1に用いた研磨廃液原液、実施例1の除鉄後の固形
分、実施例1で得られた回収研磨剤につき、以下の方法
によりX線回折、粒度分布、顕微鏡観測をした。X線回
折の結果を図3〜図6に、粒度分布の測定結果を図7〜
図10に、また、顕微鏡観察結果を図11〜図14に示
す。
例1に用いた研磨廃液原液、実施例1の除鉄後の固形
分、実施例1で得られた回収研磨剤につき、以下の方法
によりX線回折、粒度分布、顕微鏡観測をした。X線回
折の結果を図3〜図6に、粒度分布の測定結果を図7〜
図10に、また、顕微鏡観察結果を図11〜図14に示
す。
【0019】 X線回折: (株)島津製作所製X線回折装置XD−1を用いた。測定
条件は下記のとおりである。 X線管球 タ−ゲット :Cu 管電圧 :35 (kV) 管電流 :15 (mA) スリット 発散スリット :1 (deg) 空気錯乱防止スリット:1 (deg) 検出スリット:0.30 (mm) 粒度分布の測定: 島津レ−ザ回折式粒度分布測定装置(SALD−200
0)を用い、以下のとおり測定した。 サンプリング マニュアル 屈折率 3.00〜0.201 測定回数 2 測定間隔(秒) 2 平均回数 64 測定吸光度範囲 (最大値)0.200,(最小値)0.010 顕微鏡観測: オリンパス株式会社製顕微鏡を用い、倍率は×2000
であった。
条件は下記のとおりである。 X線管球 タ−ゲット :Cu 管電圧 :35 (kV) 管電流 :15 (mA) スリット 発散スリット :1 (deg) 空気錯乱防止スリット:1 (deg) 検出スリット:0.30 (mm) 粒度分布の測定: 島津レ−ザ回折式粒度分布測定装置(SALD−200
0)を用い、以下のとおり測定した。 サンプリング マニュアル 屈折率 3.00〜0.201 測定回数 2 測定間隔(秒) 2 平均回数 64 測定吸光度範囲 (最大値)0.200,(最小値)0.010 顕微鏡観測: オリンパス株式会社製顕微鏡を用い、倍率は×2000
であった。
【0020】図6、図10及び図14に示す実施例1で
得られた回収研磨剤は、図3、図7及び図11に示す元
の未使用研磨剤(砥粒)と、ほとんど変わらないX線ピ
ークパターン、粒度分布、結晶を示しており、そのまま
ウエハ研磨剤として再使用しうる程度の純度であること
が明らかである。
得られた回収研磨剤は、図3、図7及び図11に示す元
の未使用研磨剤(砥粒)と、ほとんど変わらないX線ピ
ークパターン、粒度分布、結晶を示しており、そのまま
ウエハ研磨剤として再使用しうる程度の純度であること
が明らかである。
【0021】
【実施例2】実施例1で得られた研磨剤(砥粒)9kg
に対し、マイカセリサイト1kgをボールミルで混合粉
砕した。混合粉末の粒度は5μm以下であった。この混
合粉末にアラビアゴム1%の水溶液で原料の7%程度添
加し、常温、300kg/cm2 でプレスした。次いで
常温、2000kg/cm2 で二次プレスし、角棒状の
成型品を得た。成型品は、焼結炉で常圧、1680℃で
10時間焼結した。焼結体は研磨機で仕上げ、角棒状の
砥石を得た。
に対し、マイカセリサイト1kgをボールミルで混合粉
砕した。混合粉末の粒度は5μm以下であった。この混
合粉末にアラビアゴム1%の水溶液で原料の7%程度添
加し、常温、300kg/cm2 でプレスした。次いで
常温、2000kg/cm2 で二次プレスし、角棒状の
成型品を得た。成型品は、焼結炉で常圧、1680℃で
10時間焼結した。焼結体は研磨機で仕上げ、角棒状の
砥石を得た。
【0022】
【発明の効果】本発明のウエハ研磨廃液の処理方法及び
回収研磨剤を主成分とする焼結体によれば、下記の産業
上多大な利点があり、環境保全技術としてもすぐれてい
る。 (1)これまで廃液として捨てていたウエハ研磨後の廃
液は、すくなくともその溶液部分の略全量を再度研磨工
程の研磨液として高速循環し、有効に利用できる。 (2)これまで廃液とともに捨てていた固形分から、ウ
エハ由来の鉄及び珪素を除去した後、ジルコン及びアル
ミナを各種のセラミック焼結体として利用でき、資源の
有効活用がはかれる。 (3)特にジルコン含有砥材は、在来のジルコニア系砥
材に比べて耐熱性にすぐれ、発熱部分のある産業用砥石
として好適である。
回収研磨剤を主成分とする焼結体によれば、下記の産業
上多大な利点があり、環境保全技術としてもすぐれてい
る。 (1)これまで廃液として捨てていたウエハ研磨後の廃
液は、すくなくともその溶液部分の略全量を再度研磨工
程の研磨液として高速循環し、有効に利用できる。 (2)これまで廃液とともに捨てていた固形分から、ウ
エハ由来の鉄及び珪素を除去した後、ジルコン及びアル
ミナを各種のセラミック焼結体として利用でき、資源の
有効活用がはかれる。 (3)特にジルコン含有砥材は、在来のジルコニア系砥
材に比べて耐熱性にすぐれ、発熱部分のある産業用砥石
として好適である。
【図1】本発明に係るウエハ研磨廃液の処理方法の一例
を示す工程図である。
を示す工程図である。
【図2】本発明に係る回収された研磨剤を主成分とする
焼結体の製造方法の一例を示す工程図である。
焼結体の製造方法の一例を示す工程図である。
【図3】未使用研磨剤(砥粒)の分析例2によるX線回
折結果を示すチャートである。
折結果を示すチャートである。
【図4】実施例1に用いた研磨廃液原液の分析例2によ
るX線回折結果を示すチャートである。
るX線回折結果を示すチャートである。
【図5】実施例1の除鉄後固形分の分析例2によるX線
回折結果を示すチャートである。
回折結果を示すチャートである。
【図6】実施例1で得られた回収研磨剤の分析例2によ
るX線回折結果を示すチャートである。
るX線回折結果を示すチャートである。
【図7】未使用研磨剤(砥粒)の分析例2による粒度分
布を示すチャートである。
布を示すチャートである。
【図8】実施例1に用いた研磨廃液原液の分析例2によ
る粒度分布を示すチャートである。
る粒度分布を示すチャートである。
【図9】実施例1の除鉄後固形分の分析例2による粒度
分布を示すチャートである。
分布を示すチャートである。
【図10】実施例1で得られた回収研磨剤の分析例2に
よる粒度分布を示すチャートである。
よる粒度分布を示すチャートである。
【図11】未使用研磨剤(砥粒)の分析例2による顕微
鏡観察結果を示す写真である。
鏡観察結果を示す写真である。
【図12】実施例1に用いた研磨廃液原液の分析例2に
よる顕微鏡観察結果を示す写真である。
よる顕微鏡観察結果を示す写真である。
【図13】実施例1の除鉄後固形分の分析例2による顕
微鏡観察結果を示す写真である。
微鏡観察結果を示す写真である。
【図14】実施例1で得られた回収研磨剤の分析例2に
よる顕微鏡観察結果を示す写真である。
よる顕微鏡観察結果を示す写真である。
1 一次除鉄機 2 二次除鉄機 3 貯槽 4 ポンプ 5 真空式ドラムフィルター 6 分散槽 7 ポンプ 8 一次サイクロン 9 貯槽 10 ポンプ 11 二次サイクロン 12 排水処理機 13 貯槽 14 分散槽 15 真空式ドラムフィルター 16 一次乾燥機 17 二次乾燥機 18 ボールミル 19 一次成形機 20 二次成形機 21 焼結炉 22 研磨機
Claims (4)
- 【請求項1】 ウエハ研磨廃液から磁力で鉄分を除去
し、真空式ドラムフィルターで固液分離し、濾液を研磨
工程に循環再使用するとともに、固形分を水に分散させ
たのち、サイクロンにより珪素を除去し、固形分を再度
水に分散させたのち、真空式ドラムフィルターで固液分
離し、得られた固形分を乾燥して研磨剤を回収すること
を特徴とするウエハ研磨廃液の処理方法。 - 【請求項2】 真空式ドラムフィルターの濾材気孔径が
5μmにあっては廃液中の固形分濃度が約2.3%以上
であり、気孔径が10μmにあっては固形分濃度が1
4.0%以上であることを特徴とする請求項1記載のウ
エハ研磨廃液の処理方法。 - 【請求項3】 請求項1記載の方法によって回収された
研磨剤を主成分とするとことを特徴とする焼結体。 - 【請求項4】 請求項3記載の成分に加えて、マイカ、
セリサイト、陶石、長石、炭酸カルシウムからなる群か
ら選ばれた少なくとも1種の粉末を含むことを特徴とす
る回収研磨剤を主成分とする焼結体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP22123297A JP2941749B2 (ja) | 1997-08-04 | 1997-08-04 | ウエハ研磨廃液の処理方法及び回収された研磨剤を主成分とする焼結体 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP22123297A JP2941749B2 (ja) | 1997-08-04 | 1997-08-04 | ウエハ研磨廃液の処理方法及び回収された研磨剤を主成分とする焼結体 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH1147631A JPH1147631A (ja) | 1999-02-23 |
JP2941749B2 true JP2941749B2 (ja) | 1999-08-30 |
Family
ID=16763545
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP22123297A Expired - Fee Related JP2941749B2 (ja) | 1997-08-04 | 1997-08-04 | ウエハ研磨廃液の処理方法及び回収された研磨剤を主成分とする焼結体 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2941749B2 (ja) |
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KR100786644B1 (ko) * | 2007-06-15 | 2007-12-21 | 주식회사 유스테크코리아 | 반도체 웨이퍼 제조공정에서 발생하는 폐슬러리의 재생방법및 그 재생시스템 |
CN102229113B (zh) * | 2011-06-07 | 2013-08-28 | 王楚雯 | 蓝宝石粉回收方法 |
CN106902975B (zh) * | 2017-05-10 | 2018-11-27 | 昆明理工大学 | 一种高铝高硅型铝土矿的分步脱硅提质方法 |
CN110861008B (zh) * | 2018-05-31 | 2021-02-26 | 江苏赛扬精工科技有限责任公司 | 利用提取磨料制备砂轮的方法 |
CN111908893B (zh) * | 2020-08-06 | 2022-10-28 | 景德镇陶瓷大学 | 一种以抛光废料为原料的陶瓷薄板及其制备方法和制得的产品 |
-
1997
- 1997-08-04 JP JP22123297A patent/JP2941749B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Publication date |
---|---|
JPH1147631A (ja) | 1999-02-23 |
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