JP2941493B2 - 流体圧縮機 - Google Patents

流体圧縮機

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JP2941493B2
JP2941493B2 JP15210791A JP15210791A JP2941493B2 JP 2941493 B2 JP2941493 B2 JP 2941493B2 JP 15210791 A JP15210791 A JP 15210791A JP 15210791 A JP15210791 A JP 15210791A JP 2941493 B2 JP2941493 B2 JP 2941493B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、たとえば冷凍サイクル
装置に用いられ、冷媒ガスを圧縮する流体圧縮機に関す
る。
【0002】
【従来の技術】冷凍サイクル装置に使用する冷媒ガス用
の密閉型圧縮機として、比較的簡単な構成によりシ―ル
性を向上させて効率の良い圧縮ができるとともに、部品
の製造および組立が容易な流体圧縮機がある。
【0003】これは、たとえば図8に示すようになって
いる。圧縮機本体1は、軸方向を水平方向に向けた両端
が閉塞される密閉ケ―ス2と、この密閉ケース2内に収
容される電動要素3および圧縮要素4とからなる。
【0004】上記圧縮要素4は、中空筒体からなるシリ
ンダ5を有しており、このシリンダ5外周面に上記電動
要素3を構成するロ―タ6が同軸的に嵌着されている。
上記密閉ケース2内周面にはステータ7が嵌着され、上
記ロータ6とともに電動要素3が構成される。
【0005】上記シリンダ5の一端開口部には、密閉ケ
―ス2の内面に固定された軸受具である主軸受8が気密
を保持し、かつ緩く嵌め込まれる。上記シリンダ5の他
端開口部には、密閉ケ―ス2の内面に固定された軸受具
である副軸受9が気密を保持し、かつ緩く嵌め込まれ
る。
【0006】すなわち、上記シリンダ5の両端開口部
は、これら主,副軸受8,9によって気密的に閉塞さ
れ、かつシリンダ5自体回転自在に枢支されることにな
る。上記シリンダ5の中空部には、円柱形状の回転体と
してのロータピストン10が軸方向に沿って収容され
る。
【0007】このロータピストン10の中心軸Aは、上
記シリンダ5の中心軸Bに対して距離eだけ偏心して配
置されており、ロータピストン10の外周面の一部はシ
リンダ5の内周面に、軸方向に沿って接触している。
【0008】上記主軸受8には枢支孔8aが設けられ、
ロータピストン10の一方の軸部10aを回転自在に枢
支している。上記副軸受9には枢支孔9aが設けられ、
ロータピストン10の他方の軸部10bを回転自在に枢
支している。
【0009】また、ロータピストン10の一端部には回
転力伝達機構であるオルダム機構11が設けられる。こ
のオルダム機構11は、上記シリンダ5とロータピスト
ン10とを連結し、シリンダ5が回転駆動されたとき、
その回転力をロータピストン10に伝達して相対回転を
なす。
【0010】一方、上記ロータピストン10の外周面に
は、螺旋状の溝Mが形成されている。この螺旋状の溝M
のピッチは、ロータピストン10の主軸受8枢支側から
副軸受9枢支側に亘って徐々に小さく形成されている。
【0011】上記溝Mには、厚さが上記溝Mの幅とほぼ
一致する螺旋状のブレードDが嵌め込まれている。この
ブレードDの各部分は、溝Mに対してロータピストン1
0の径方向に沿って進退自在であり、かつその外周面は
シリンダ5の内周面に密着した状態でスライド可能であ
る。
【0012】上記シリンダ5内周面とロータピストン1
0周面との間の空間は、上記ブレードDによって複数の
作動室S…に仕切られている。この作動室Sの容積は、
上記溝Mのピッチの設定の関係から、ロータピストン1
0の一端側から他端側に行くにしたがって徐々に小さく
なる。
【0013】上記主軸受8には、枢支孔8aと平行に、
軸方向に貫通して吸込孔12が設けられている。この吸
込孔12の一端開口部は、上記密閉ケース2に接続され
る冷凍サイクルの吸込チューブ13と連通する。他端開
口部は、上記シリンダ5内に開口する。
【0014】一方、上記副軸受9側の密閉ケース2に
は、冷凍サイクル機器に連通する吐出チューブ14が接
続される。密閉ケース2の内底部には、潤滑油を集溜す
る油溜り部15が形成されていて、上記副軸受9の一部
は油溜り部15の潤滑油面よりも下方になるよう延出さ
れる。すなわち、副軸受9の一部は潤滑油に浸漬した状
態にあり、この端面に給油通路16の一端開口部が開口
する。
【0015】上記給油通路16は、一端開口部から垂直
方向に向かって設けられるとともに、上記ロータピスト
ン10の軸心に沿うよう屈曲形成される。そして、この
他端開口部は上記螺旋状の溝部Mの所定位置底部に開口
している。
【0016】上記シリンダ5のオルダム機構11近傍に
は、油止め取付用孔17が設けられ、ここに油止め18
が挿着される。この油止め18は、円筒状であって、中
空部が吐出孔19として形成される。シリンダ5内部側
に突出する部分は鍔部となっていて、シリンダ5内周面
に掛止している。
【0017】上記ロータピストン10の外周面で、かつ
上記油止め18の鍔部と対向する部位は、鍔部直径より
も大きな直径で、鍔部厚さよりも深い寸法の凹部20が
設けられ、鍔部がロータピストン10外周面に接触する
のを避けられる。
【0018】このようにして構成される流体圧縮機の動
作について説明すると、電動要素3に通電してシリンダ
5を回転駆動する。この回転はオルダム機構11を介し
てロータピストン10に伝達され、外周面一部がシリン
ダ5内周面に接触した状態で回転駆動されるとともに、
ブレードDも一体に回転する。
【0019】上記ブレードDは、外周面がシリンダ5内
周面に接触した状態で回転するため、ロータピストン1
0周面とシリンダ5内周面との接触部に近づくにしたが
って上記溝Mに押込まれ、また、接触部から離れるにし
たがって溝Mから飛出す方向に移動する。
【0020】一方、吸込チューブ13から吸込孔12に
冷媒ガスが導かれ、この開口端からシリンダ5内に放出
される。さらに、シリンダ5内周面とロータピストン1
0周面およびブレードDの巻き間の作動室Sに閉込めら
れたまま、ロータピストン10の回転にともなって他側
端へ順次移送されるとともに圧縮される。
【0021】圧縮された冷媒ガスは、所定の圧力まで上
昇したところで、吐出孔18から密閉ケース2の内部空
間内に吐出され、充満する。高圧の冷媒ガスは、吐出チ
ューブ14から外部の冷凍サイクル機器に導かれる。
【0022】上記密閉ケース2内に高圧の冷媒ガスが充
満するところから、この圧力が油溜り部15の潤滑油油
面に作用し、潤滑油の一部は給油通路16に吸い上げら
れる。そして、ロータピストン10の回転に伴う遠心力
を受けて、開口端から螺旋状の溝M内に給出される。
【0023】潤滑油は、溝MとブレードD、ブレードD
とシリンダ5、シリンダ5と主軸受8および副軸受9、
ロータピストン10の両軸部10a,10bと主軸受8
および副軸受9の枢支孔8a,9a、オルダムリング機
構11等の各摺接部分に給油され、これらの潤滑の良好
化を図っている。
【0024】また、上記シリンダ5に油止め18を設
け、この鍔部をシリンダ5内部に突出させることによっ
て、上記吐出孔19から潤滑油が直ちに流出するのを阻
止できる。したがって、より多くの潤滑油がシリンダ5
内に止まって、各摺動部分に給油されることになる。な
お、流体圧縮機における油止め構造は、本出願人が先に
出願した、特願昭63−328929号に詳しい。
【0025】
【発明が解決しようとする課題】このようにして作動す
る流体圧縮機であるが、以下に述べるような問題があ
る。すなわち、一般的な上記オルダム機構11は、ロー
タピストン10の一方の軸部10bに連接する矩形状の
ピストンオルダム部を設け、上記シリンダ5内周面に突
設したオルダムピンにオルダムリングを摺動自在に係合
し、このオルダムリングに設けられる横長矩形状のオル
ダム孔に上記ピストンオルダム部を横方向に摺動自在に
係合する構造である。
【0026】そして、オルダムピンがオルダムリング
に、ピストンオルダム部がオルダム孔に、互いにX−Y
方向に摺動し、その摺動部分が往復動する。そのため、
潤滑油が摺動部分に浸透し難い欠点があり、油膜が形成
でき難い。
【0027】特に、上記オルダム孔は横長矩形状である
ところから、これと上記ピストンオルダム部との摺動面
に対する給油が困難で、上記欠点が顕著に現れ、油切れ
による早期の摩耗が生じる恐れがある。
【0028】また、上記油止めを備えたことによって給
油特性が改善されたとは言え、鍔部厚みは上記オルダム
機構11の摺動部分とはかなり離間した距離にあり、オ
ルダム機構11に対する給油に限れば、さらに充分な給
油量が望まれている。
【0029】本発明はこのような事情によりなされたも
のであり、その目的とするところは、オルダム機構に対
する充分な給油量を確保して、潤滑特性の向上を図り、
長期に亘る使用でも摩耗の阻止を図れる流体圧縮機を提
供することにある。
【0030】
【課題を解決するための手段および作用】上記目的を達
成するため第1の発明は、作動空間で圧縮した作動流体
をシリンダ外部へ導出案内する吐出孔および上記シリン
ダ内部に突出しシリンダの回転にともなってこの内周面
に押し付けられる潤滑油の液面を規制する突起部を備え
た油止めを具備し、上記油止めにおける突起部のシリン
ダ内部突出寸法hは、 h > d/2 − (H/2−e) の式を満足するよう設定したことを特徴とする流体圧縮
機である。 ただし、 d:シリンダ内径 H:オルダム機構のピストンオルダム部とオルダムリン
グとの平行な摺接面相互間隔 e:回転体中心軸のシリンダ中心軸に対する偏心量
【0031】したがって、シリンダ内の少なくとも吐出
端側においては、油止めの突起部端面まで潤滑油が溜
り、上記オルダム機構のピストンオルダム部とオルダム
リングとの摺接面相互間隔、すなわちオルダム機構の全
ての摺動部分よりも高い油面となって、全ての摺動部分
への給油をカバーする。
【0032】また、第2の発明は、シリンダを枢支する
一方の軸受具に設けられ圧縮された作動流体をシリンダ
外部に吐出案内する吐出路を具備し、上記吐出路は、オ
ルダム機構のピストンオルダム部とオルダムリングとの
摺接面と、シリンダの中心軸との間に対向して開口する
ことを特徴とする流体圧縮機である。
【0033】したがって、シリンダ内の少なくとも吐出
路側においては、吐出路開口まで潤滑油が溜り、上記オ
ルダム機構のピストンオルダム部とオルダムリングとの
摺接面、すなわちオルダム機構の全ての摺動部分よりも
高い油面となって、全ての摺動部分への給油をカバーす
る。
【0034】第3の発明は、オルダム機構を具備し、こ
のオルダム機構は、その両側面に互いに直交する方向に
溝部を有するオルダムリングと、このオルダムリングの
一方の溝部に摺動自在に掛合する突条部を有し上記シリ
ンダに係止されるオルダム受けと、上記オルダムリング
の他方の溝部に摺動自在に掛合する上記回転体端部に設
けられるピストンオルダム部とからなり、上記ピストン
オルダム部は、上記回転体の軸心に平行で、かつ回転体
の外周面に亘って形成される互いに平行な一対の摺接面
であることを特徴とする流体圧縮機である。
【0035】したがって、上記オルダム機構において、
ピストンオルダム部にかかる面圧が下がり、摩耗し難く
なる。そして、給油し易くなり、潤滑面が長くなって、
良好な潤滑特性が得られる。
【0036】
【実施例】以下、本発明の一実施例を図面にもとづいて
説明するに、後述する構造を除いて、他の構成は先に図
8で説明したものと全く同一でよいので、同番号を付し
て新たな説明は省略する。
【0037】図1に示すように、シリンダ5の吐出端側
に設けられる新たな油止め18Aは、その中心軸に沿っ
て吐出孔19が設けられるとともにシリンダ5内に突出
する突起部21の高さ寸法hは、 h > d/2 − (H/2−e) の式を満足するよう設定しなければならない。当然、従
来の油止め18における鍔部の高さ寸法よりも高くな
る。
【0038】dはシリンダ5の内径であり、Hは新たな
オルダム機構11Aのピストンオルダム部21とオルダ
ムリング22との平行な摺接面相互間隔であり、eはロ
ータピストン中心軸Aのシリンダ中心軸Bに対する偏心
量である。
【0039】上記オルダム機構11Aは、図3に示すよ
うになっている。これは、ロータピストン10の軸部1
0bに連接されるピストンオルダム部21と、オルダム
リング22およびオルダム受け23とから構成される。
上記ピストンオルダム部21は、従来のものと同様、縦
横a,a寸法の断面矩形状の加工部であって、互いに対
向する面は正確な平行度が保持される。
【0040】上記オルダムリング22は、ある程度の板
厚のある円板であり、その直径は上記ロータピストン1
0の外径と略等しい。この中央部には断面コ字状の掛合
切欠部22aが設けられていて、その縦方向はa寸法に
形成され、横方向の一端部は開放している。一側面に
は、縦方向に溝部22bが設けられる。この溝部22b
は、上記掛合切欠部22aの上下部両側に亘って設けら
れることになる。
【0041】上記オルダム受け23は、シリンダ5の内
径部に嵌合固定される直径の円板であって、その中央部
には縦方向をb寸法としたガイド口23aが開口し、横
方向の一端部は開放している。上記b寸法は上記a寸法
よりも大である。一側面には、縦方向に突条部23bが
設けられる。すなわち、この突条部23bは上記ガイド
口の23a上下部両側に亘って設けられることになる。
【0042】図示するように、オルダム受け23の突条
部23bは、オルダムリング22の溝部22aに摺動自
在に掛合する。この状態で、オルダム受け23のガイド
口23aとオルダムリング22の掛合切欠部22bは、
ピストンオルダム部21に介挿される。
【0043】特に、オルダムリング22の掛合切欠部2
2bの平行な上下面は、ピストンオルダム部21の平行
な上下面に摺動自在に掛合する。したがって、上記H
は、互いに摺接するオルダムリング22の掛合切欠部2
2bの上下面と、ピストンオルダム部21の上下面との
間隔寸法aに等しい。
【0044】なお、突起部21の高さ寸法が高くなった
ことにより、油止め18Aの安定性を考慮して、突起部
21はテーパ状に形成することが望ましく、また突起部
21に対向するロータピストン10周面部位はこれまで
よりも深い凹部20aを設けなければならない。
【0045】しかして、シリンダ5およびロータピスト
ン10の相対回転にともない、ここでは図示しない給油
通路を介してシリンダ5内に導かれた潤滑油がシリンダ
5内周面に押し付けられる。
【0046】この潤滑油は、油止め18Aに設けられる
吐出孔19から、圧縮される冷媒ガスとともにシリンダ
5外部に吐出される。ただし、上記突起部21がシリン
ダ5内部に高く突出しているところから、少なくとも吐
出端側においては、突起部21端面まで潤滑油が溜ま
り、この端面以上溜まった潤滑油が吐出孔19を介して
シリンダ5外部に案内される。
【0047】上述したように、上記突起部21の高さ寸
法hが、d/2 − (H/2−e)以上となるよう設
定されているところから、上記オルダム機構11Aのピ
ストンオルダム部21とオルダムリング22の掛合切欠
部22bとの、互いに摺接する平行な二面のうちのいず
れか一方の面は、常に潤滑油の油面下にある。
【0048】このため、ロータピストン10と一体のピ
ストンオルダム部21の回転にともなって、潤滑油は常
にオルダム機構11A全体的に接して冷却し、かつ充分
な潤滑がなされる。オルダム機構11Aの摺動部分には
油膜が確実に形成され、摩耗が生じることがない。
【0049】図2に示すような構造であってもよい。こ
れは、先に説明したような油止め18Aを不要として、
吐出路である吐出孔22を副軸受9に設けたものであ
る。この吐出孔22の直径φda は、上記油止め18A
の吐出孔21の直径と略同一でよい。
【0050】上記吐出孔22は、一端開口部からロータ
ピストン10およびシリンダ5の中心軸A,Bと平行に
延出され、かつ所定位置で上方に屈曲形成されて、他端
部が副軸受9のフランジ部上端に開口している。
【0051】ここで、上記吐出孔22の中心軸A,Bと
対向する一端開口部から、これらと平行に延出されてい
る部分は、その中心軸Cがシリンダ5の中心軸Bとrだ
け離間するよう設定される。なお説明すれば、吐出孔2
2開口のシリンダ中心軸Bからの距離rは、
【0052】r−d/2 < H/2−e 式が満足さ
れる位置に設けることとする。上記dは吐出孔22の直
径、Hは上記オルダム機構11Aのピストンオルダム部
21とオルダムリング22との平行な摺接面相互間隔、
eはロータピストン中心軸Aのシリンダ中心軸Bに対す
る偏心量である。
【0053】上記オルダム機構11Aは、先に説明した
通りの構成でよく(寸法的な相違はあるが)、上記H
は、互いに摺接するピストンオルダム部21の上下面と
オルダムリング22の掛合切欠部22bの上下面との間
隔寸法aと等しい。
【0054】上記吐出孔22の開口位置は、オルダム機
構11Aのピストンオルダム部21とオルダムリング2
2の掛合切欠部22bとの摺接面よりシリンダ5の中心
軸Bに偏った位置に開口することになる。
【0055】圧縮作用にともなって、シリンダ5内の圧
縮された冷媒ガスが、吐出孔22からシリンダ5外部へ
吐出され、これとともにシリンダ5内の潤滑油が吐出さ
れることは、従来のものと同様である。
【0056】ただし、上記吐出孔22の位置を、r−d
/2 < H/2−eの式が満足するよう設定したとこ
ろから、上記オルダム機構11Aのピストンオルダム部
21とオルダムリング22の掛合切欠部22bとの、平
行な摺接面のうちのいずれか一方の面は常に潤滑油の油
面下にある。
【0057】上記ロータピストン10とピストンオルダ
ム部21の回転にともなって、潤滑油は常にオルダム機
構11A全体的に接して冷却するとともに、充分な潤滑
がなされる。オルダム機構11Aの摺動部分には油膜が
確実に形成され、摩耗が生じることがない。
【0058】図4ないし図7に示すような、オルダム機
構11Bであってもよい。これは、シリンダ5内周面に
嵌着されるオルダム受け25と、オルダムリング26お
よびロータピストン10の一方の軸部10bに連設され
るピストンオルダム部27とから構成される。
【0059】上記オルダム受け25は、リング状であっ
て、図示しないねじ等を介してシリンダ5に固定され、
一体に回転するようになっている。この一側面にのみ、
180°相対向する位置に、かつ互いにリング幅に亘っ
て突条部28,28が一体に突設される。
【0060】上記オルダムリング26は、その一側面に
上記オルダム受け25の突条部28,28と摺動自在に
掛合する第1の掛合溝29,29が、互いにリング幅に
亘って設けられる。この内径寸法は、上記ロータピスト
ン10の軸部10bに干渉しないよう、この軸径よりも
大きく設定し、かつ外径寸法はロータピストン10の外
径寸法と略同一とする。
【0061】さらに、オルダムリング26の他端面に
は、上記第1の掛合溝29,29と直交する方向に、第
2の掛合溝30,30が設けられる。これら第2の掛合
溝30,30は、ロータピストン10に設けられる上記
ピストンオルダム部27に摺動自在に掛合する。
【0062】上記ピストンオルダム部27は、一対の平
行な摺接面からなり、これらの摺接面相互間隔は、軸部
10b直径と略同一もしくは僅かに大きく形成される。
そして、ロータピストン10を面取り加工したのと同
様、この外径全体に至る幅に設けられる。
【0063】このような部品から構成され、組み合わさ
れるオルダム機構11Bであるところから、シリンダ5
の回転力をロータピストン10に円滑に伝達することは
勿論である。
【0064】特に、ピストンオルダム部27を形成する
平行な摺接面を、ロータピストン10の外径全体に延長
して設けたから、図7に示すように、回転力Tを伝達す
るのに用いられる半径Rが大きくなる。それによって、
ピストンオルダム部27にかかる面圧Fが小さくなっ
て、摩耗し難くなる。
【0065】また、ロータピストン10の外周面がシリ
ンダ5の内周面に接するよう回転するところから、ピス
トンオルダム部27と第2の掛合溝30,30の摺接面
端部は、遠心力によってシリンダ5内周面に押し付けら
れた潤滑油と接し易くなり、潤滑時間を長く保持する。
【0066】一方、オルダムリング26の第1の掛合溝
29,29とオルダム受け25の突条部28,28との
摺接面端部は,シリンダ5の内周面に近くなって潤滑油
の供給を受けやすい。以上の理由から、新たなオルダム
機構11Bに対して、常に充分な量の潤滑油が供給さ
れ、長期の使用に亘っても摩耗の恐れが全くない。
【0067】また、本発明の圧縮機は、冷凍サイクル装
置に用いられることに限定されず、他の用途の圧縮機に
も適応することができる。そして、本発明の要旨を越え
ない範囲内で種々の変形実施が可能である。
【0068】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、油
止めのシリンダ内部に突出する突起部の高さ寸法を設定
したから、もしくは吐出路の開口位置を設定したから、
もしくくはピストンオルダム部の摺接面幅を長くしたか
ら、いずれもオルダム機構に対する充分な給油量を保証
でき、潤滑特性の向上を図り、長期の使用に亘っても摩
耗の発生を阻止できるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す、流体圧縮機要部の縦
断側面図。
【図2】他の実施例の、流体圧縮機要部の縦断側面図。
【図3】オルダム機構の分解した斜視部。
【図4】他の実施例の、オルダム機構の正面図。
【図5】同実施例の、オルダム機構の分解した斜視図。
【図6】同実施例の、オルダムリングの斜視図。
【図7】同実施例の、オルダム機構の作用説明図。
【図8】従来例の、流体圧縮機の縦断側面図。
【符号の説明】
5…シリンダ、10…回転体(ロータピストン)、D…
ブレード、S…作動室、19…吐出孔、21…突起部、
18A…油止め、11A…オルダム機構、9…軸受具
(副軸受)、22…吐出路(吐出孔)、11B…オルダ
ム機構、26…オルダムリング、29…第1の掛止溝、
28…突条部、25…オルダム受け、30…第2の掛止
溝、27…ピストンオルダム部。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) F04C 18/30 - 18/352 F04C 29/02

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】その両端開口部が軸受具を介して回転自在
    に枢支されるシリンダと、このシリンダ内に配置されそ
    の両端軸部が上記軸受具にシリンダとは偏心して回転自
    在に枢支される回転体と、この回転体の外周面に突没自
    在に巻装されるブレードと、上記シリンダと回転体とを
    連結しこれらを相対的に回転して作動流体を吸込部から
    導入しシリンダと回転体およびブレードとがなす作動空
    間に取込み順次移送して圧縮するオルダム機構と、上記
    シリンダの吐出端側に設けられ上記作動空間で圧縮した
    作動流体をシリンダ外部へ導出案内する吐出孔および上
    記シリンダ内部に突出しシリンダの回転にともなってこ
    の内周面に押し付けられる潤滑油の液面を規制する突起
    部を備えた油止めとを具備した流体圧縮機において、上
    記油止めにおける突起部のシリンダ内部突出寸法hは、 h > d/2 − (H/2−e) の式を満足するよう設定したことを特徴とする流体圧縮
    機。 ただし、 d:シリンダ内径 H:オルダム機構のピストンオルダム部とオルダムリン
    グとの平行な摺接面相互間隔 e:回転体中心軸のシリンダ中心軸に対する偏心量
  2. 【請求項2】その両端開口部が軸受具を介して回転自在
    に枢支されるシリンダと、このシリンダ内に配置されそ
    の両端軸部が上記軸受具にシリンダとは偏心して回転自
    在に枢支される回転体と、この回転体の外周面に突没自
    在に巻装されるブレードと、上記シリンダと回転体とを
    連結しこれらを相対的に回転して作動流体を吸込部から
    導入しシリンダと回転体およびブレードとがなす作動空
    間に取込み順次移送して圧縮するオルダム機構と、一方
    の上記軸受具に設けられ圧縮された作動流体をシリンダ
    外部に吐出案内する吐出路とを具備した流体圧縮機にお
    いて、上記吐出路は、オルダム機構のピストンオルダム
    部とオルダムリングとの摺接面と、シリンダの中心軸と
    の間に対向して開口することを特徴とする流体圧縮機。
  3. 【請求項3】その両端開口部が軸受具を介して回転自在
    に枢支されるシリンダと、このシリンダ内に配置されそ
    の両端軸部が上記軸受具にシリンダとは偏心して回転自
    在に枢支される回転体と、この回転体の外周面に突没自
    在に巻装されるブレードと、上記シリンダと回転体とを
    連結しこれらを相対的に回転して作動流体を吸込部から
    導入しシリンダと回転体およびブレードとがなす作動空
    間に取込み順次移送して圧縮するオルダム機構とを具備
    した流体圧縮機において、上記オルダム機構は、その両
    側面に互いに直交する方向に溝部を有するオルダムリン
    グと、このオルダムリングの一方の溝部に摺動自在に掛
    合する突条部を有し上記シリンダに係止されるオルダム
    受けと、上記オルダムリングの他方の溝部に摺動自在に
    掛合する上記回転体端部に設けられるピストンオルダム
    部とから構成され、上記ピストンオルダム部は、上記回
    転体の軸心に平行で、かつ回転体の外周面に亘って形成
    される互いに平行な一対の摺接面からなることを特徴と
    する流体圧縮機。
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