JP2941448B2 - アルミニウム陽極酸化皮膜の着色方法 - Google Patents

アルミニウム陽極酸化皮膜の着色方法

Info

Publication number
JP2941448B2
JP2941448B2 JP2930791A JP2930791A JP2941448B2 JP 2941448 B2 JP2941448 B2 JP 2941448B2 JP 2930791 A JP2930791 A JP 2930791A JP 2930791 A JP2930791 A JP 2930791A JP 2941448 B2 JP2941448 B2 JP 2941448B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
salt
oxide film
anodic oxide
sulfide
film
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2930791A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH04246194A (ja
Inventor
征司郎 伊藤
慎一 石田
清二 萩野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
NIPPON ARUMI KK
Original Assignee
NIPPON ARUMI KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by NIPPON ARUMI KK filed Critical NIPPON ARUMI KK
Priority to JP2930791A priority Critical patent/JP2941448B2/ja
Publication of JPH04246194A publication Critical patent/JPH04246194A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2941448B2 publication Critical patent/JP2941448B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、アルミニウム又はその
合金の陽極酸化皮膜を着色する方法であって、硫化物に
基づく多様な色調を容易にコントロールして得ることの
できる方法に関するものである。得られた着色皮膜は、
例えばサッシ、ビルの外装パネル、ドア、フェンス、バ
ルコニー等のエクステリア製品に好適に用いられる。
【0002】
【従来の技術】近来の消費生活、需要嗜好の多様化に伴
なって、アルミニウム又はその合金からなる製品につい
ても種々の色に着色することが要求されるようになって
いる。この着色は、アルミニウム又はその合金の陽極酸
化皮膜(以下、アルミニウム陽極酸化皮膜と称する)を
電解処理して皮膜表面の孔中に着色析出物を生成させる
ことにより行なわれるのが一般的である。
【0003】特公昭58−30397号公報には、アル
ミニウム陽極酸化皮膜を、皮膜表面の孔中に硫化物を析
出させることにより着色する方法が示されている。この
方法は、分解して硫黄を放出する物質と第一錫塩とを主
成分として含む電解浴中にて、アルミニウム陽極酸化皮
膜を電解処理することを特徴とする。
【0004】
【発明が解決しようとする問題点】しかし上記方法で
は、錫が析出と同時に硫化物に変化するため、硫化物が
電気抵抗となって電流が流れ難くなり、錫が円滑には析
出しなくなる。このため淡い色調であって淡黄色〜黄金
色しか得られない。即ち上記方法では、硫化物に基づく
色調として濃いものを得ることができず、しかも錫の析
出が困難となるために色調を容易にコントロールするこ
とができない。
【0005】本発明は、硫化物に基づく多様な色調を容
易にコントロールして得ることのできるアルミニウム陽
極酸化皮膜の着色方法を提供することを目的とする。
【0006】
【問題点を解決するための手段】本発明のアルミニウム
陽極酸化皮膜の着色方法は、アルミニウム陽極酸化皮膜
を、Ni塩、Co塩、Sn塩、Fe塩、Cu塩、Zn
塩、Cd塩、Ag塩、Mn塩の内の1種又は複数種の塩
を含む電解浴中で電解処理して上記皮膜表面の孔中に電
解浴中の金属塩に基づく析出物を生成させ、次いで硫黄
含有化合物を含む水溶液中で交流電解して上記析出物を
硫化物に変化させることを特徴とするものである。
【0007】更に本発明では、アルミニウム陽極酸化皮
膜として、再陽極酸化処理により皮膜表面の孔が縦断面
ボトル形となっているものを用いるのが好ましい。
【0008】アルミニウム陽極酸化皮膜の形成には、通
常の陽極酸化法が採用される。即ち、例えば硫酸、リン
酸、クロム酸等の無機酸、またはシュウ酸、スルホサリ
チル酸、マロン酸等の有機酸、又は水酸化ナトリウム、
リン酸三ナトリウム等のアルカリ性の水溶液の電解浴中
で、直流、交流、パルス、PR波、又は交直重畳法によ
る電解によって形成される。
【0009】再陽極酸化処理は、リン酸、ピロリン酸、
硫酸、又はこれらの混酸の電解浴中で、上記の陽極酸化
処理と同様に電解することによって行なう。
【0010】Ni塩、Co塩、Sn塩、Fe塩、Cu
塩、Zn塩、Cd塩、Ag塩、Mn塩の内の1種又は複
数種の塩を含む電解浴中での電解処理は、浴中にて対極
に例えばカーボンを用いて、交流又は直流の電圧を印加
して行なう。なお浴中には、ホウ酸、硫酸等の添加剤を
加える場合もある。
【0011】硫黄含有化合物を含む水溶液中での電解処
理は、交流電圧又は正逆交互のパルスを印加して行な
う。硫黄含有化合物としては、例えば硫酸、亜硫酸、過
硫酸アンモニウム、チオ硫酸アンモニウム、硫化アンモ
ニウム等を用いる。
【0012】交流電解処理後は通常の封孔処理を行な
う。
【0013】
【作用】通常の陽極酸化法により得られるアルミニウム
陽極酸化皮膜は、模式断面図である図1に示すような多
孔質のものである。図において、1はアルミニウム陽極
酸化皮膜、2は孔、4はアルミニウム又はその合金であ
る母材、5はバリヤー層である。
【0014】再陽極酸化処理した場合には、皮膜1の孔
2の径L(図1)が拡大され、図2に示すような縦断面
ボトル形の孔2aが得られる。
【0015】そして先の電解処理即ちNi塩、Co塩、
Sn塩、Fe塩、Cu塩、Zn塩、Cd塩、Ag塩、M
n塩の内の1種又は複数種の塩を含む電解浴中での電解
処理により、図3に示すように、孔2a中に、浴中に含
まれた金属塩に基づく析出物3が生成する。この析出物
3は、(1)金属単体、(2)金属単体と金属の酸化物又は水
和物との混合物、(3)金属の酸化物又は水和物、のいず
れかの状態で得られる。この析出量は、電解処理する時
の電圧や時間を調節することによって比較的容易にコン
トロールされる。
【0016】そして後の電解処理即ち硫黄含有化合物を
含む水溶液中での交流電解処理により、図4に示すよう
に、析出物3は硫化物3aに変化する。この電解処理に
おいて、電圧が充分大きく、電解時間も充分長い時は、
析出物3の全てが硫化物となるが、そうでない時は析出
物3の一部だけが硫化物となる。即ち硫化物への変化の
割合は、電解処理する時の電圧や時間を調節することに
よって容易にコントロールされる。
【0017】ところで各金属硫化物の色調は次のように
なる。NiS(黒)、CoS(黒)、SnS(褐色)、
SnS2(黄)、FeS(黒)、Fe23(黒)、Cu2
S(黒)、CuS(黒)、ZnS(白)、CdS
(橙)、Ag2S(黒)、MnS(赤又は緑)。従って
後の電解処理において、析出物3の全てが硫化物となっ
た場合は、皮膜の色調は上記した色調となるが、析出物
3の一部だけが硫化物となった場合は、析出物3の色調
と硫化物の色調とが混ざった色調となる。そしてこれら
の色調は、先の電解処理において得られた析出物3の量
に応じて淡色〜濃色へと多様化したものとなる。例えば
Cd塩を用いた場合には、析出物3としてはCd単体と
Cd酸化物(又は水和物)との混合物が得られ、その色
調は淡黄色〜褐色となり、硫化物へ変化していくと、黄
金色〜橙色となる。また硫化物が黒色であるNi、C
o、Fe、Cu、Agを用いた場合には、析出物3の一
部が硫化物となった場合の色調は灰色となる。
【0018】即ち本発明によれば、析出物3の量に基づ
く淡色〜濃色という色調の変化に加え、硫化物への変化
の割合に基づく析出物3の色調と硫化物の色調とが混ざ
った色調〜硫化物の色調という色調の変化が得られ、得
られる色調は非常に多様化したものとなり、しかも析出
物3の量及び硫化物への変化の割合は容易にコントロー
ルされるので、多様な色調の中から所望の色調が容易に
得られる。そして金属硫化物は、化学的に非常に安定な
化合物であるので、金属硫化物により着色された皮膜は
長時間屋外に晒されても退色、変色することはない。従
って本発明により得られた着色皮膜は、例えばサッシ、
ビルの外装パネル、ドア、フェンス、バルコニー等のエ
クステリア製品に好適に用いられる。
【0019】なお上記においては、図2に示す再陽極酸
化皮膜を用いた場合について説明しているが、図1に示
す陽極酸化皮膜を用いた場合にも同様に、得られる色調
は非常に多様化したものとなり、しかも多様な色調の中
から所望の色調が容易に得られる。但し、再陽極酸化皮
膜を用いた場合には、孔中の析出物3と電解液との接触
面積が大きいために反応効率が良好となるので、硫化物
への変化が円滑に進行し、得られる色調はより鮮明で濃
色なものとなる。
【0020】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、淡色〜濃
色という色調の変化に加え、析出物の色調と硫化物の色
調とが混ざった色調〜硫化物の色調という色調の変化を
得ることができ、非常に多様な色調を得ることができ
る。しかも析出物の量及び硫化物への変化の割合は容易
にコントロールできるので、多様な色調の中から所望の
色調を容易に得ることができる。得られた色調は硫化物
に基づいているので、皮膜を長時間屋外に晒しても退
色、変色することはなく、安定している。
【0021】更に再陽極酸化処理により皮膜表面の孔が
縦断面ボトル形となったアルミニウム陽極酸化皮膜を用
いることにより、より鮮明で濃色な色調を得ることがで
きる。
【0022】
【実施例】アルミニウム押出形材(JIS呼称「A60
63S−T5」)を硫酸浴中で陽極酸化処理して、9μ
mの厚さの陽極酸化皮膜(以下、第1皮膜と称する)を
得た。また第1皮膜を、25℃、10重量%リン酸浴中
にて、16Vの直流電圧を10分間印加して再陽極酸化
処理して、皮膜表面の孔が縦断面ボトル形となった陽極
酸化皮膜(以下、第2皮膜と称する)も得た。そして第
1、第2皮膜のそれぞれについて、表1に示す種々の条
件にて先の電解処理を行ない、表2に示す種々の条件に
て後の電解処理を行なった。表中には得られた色調も示
している。また表1のA〜Hは得られた第1皮膜を示
し、表2では表1のA〜Hの第1皮膜を用いていること
を示している。
【0023】
【表1】
【0024】
【表2】
【0025】表2に示すように、硫化物に基づいた非常
に多様な色調が得られた。また第2皮膜を用いた方が、
色調はより鮮明で濃色となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】アルミニウム陽極酸化皮膜を示す模式断面図で
ある。
【図2】再陽極酸化処理したアルミニウム陽極酸化皮膜
を示す模式断面図である。
【図3】先の電解処理後のアルミニウム陽極酸化皮膜を
示す模式断面図である。
【図4】後の電解処理後のアルミニウム陽極酸化皮膜を
示す模式断面図である。
【符号の説明】
1 アルミニウム陽極酸化皮膜 2、2a 孔 3 析出物 3a 硫化物 4 母材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭60−116798(JP,A) 特開 昭54−150334(JP,A) 特開 平4−52297(JP,A) 特開 平4−6297(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C25D 11/22 306

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】アルミニウム陽極酸化皮膜を、Ni塩、C
    o塩、Sn塩、Fe塩、Cu塩、Zn塩、Cd塩、Ag
    塩、Mn塩の内の1種又は複数種の塩を含む電解浴中で
    電解処理して上記皮膜表面の孔中に電解浴中の金属塩に
    基づく析出物を生成させ、次いで硫黄含有化合物を含む
    水溶液中で交流電解して上記析出物を硫化物に変化させ
    ることを特徴とするアルミニウム陽極酸化皮膜の着色方
    法。
  2. 【請求項2】アルミニウム陽極酸化皮膜として、再陽極
    酸化処理により皮膜表面の孔が縦断面ボトル形となって
    いるものを用いる請求項1記載のアルミニウム陽極酸化
    皮膜の着色方法。
JP2930791A 1991-01-29 1991-01-29 アルミニウム陽極酸化皮膜の着色方法 Expired - Fee Related JP2941448B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2930791A JP2941448B2 (ja) 1991-01-29 1991-01-29 アルミニウム陽極酸化皮膜の着色方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2930791A JP2941448B2 (ja) 1991-01-29 1991-01-29 アルミニウム陽極酸化皮膜の着色方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH04246194A JPH04246194A (ja) 1992-09-02
JP2941448B2 true JP2941448B2 (ja) 1999-08-25

Family

ID=12272563

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2930791A Expired - Fee Related JP2941448B2 (ja) 1991-01-29 1991-01-29 アルミニウム陽極酸化皮膜の着色方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2941448B2 (ja)

Also Published As

Publication number Publication date
JPH04246194A (ja) 1992-09-02

Similar Documents

Publication Publication Date Title
HU205973B (en) Process for electrolytic metal-colouring anodized aluminium surfaces
US4571287A (en) Electrolytically producing anodic oxidation coat on Al or Al alloy
US2987417A (en) Pigmenting aluminum oxide coating
US3717555A (en) Method of producing an electrolytic coating on aluminum and the product thereof
JP2941448B2 (ja) アルミニウム陽極酸化皮膜の着色方法
NO120098B (ja)
JPS60110895A (ja) アルミニウム及びアルミニウム合金の電解着色方法
JPH0747836B2 (ja) アルミニウム又はアルミニウム合金材の着色法
JPS644598B2 (ja)
JPS5948879B2 (ja) アルミニウムの電解着色法
JPH0665759B2 (ja) アルミニウムまたはアルミニウム合金の着色方法
JPS61110797A (ja) アルミニウム又はアルミニウム合金の表面処理方法
AT340219B (de) Verfahren zum erzeugen von kombinationsfarbungen auf einem werkstuck aus aluminium oder aluminiumlegierungen
CA1049949A (en) Process for the production of combination dyeing on workpieces of aluminum or aluminum alloys
JPH11269696A (ja) 電着塗装アルミ材の製造方法
KR870008059A (ko) 크롬합금의 전해 착색법
JP2000144493A (ja) アルミニウム電解着色材の褪色防止方法
JPS62263996A (ja) アルミニウム及びアルミニウム合金の染色皮膜
DE2364405B2 (de) Verfahren zur erzielung von kombinationsfaerbungen auf werkstuecken aus aluminium oder aluminiumlegierungen mit einer elektrolytisch eingefaerbten anodischen oxidschicht
JPH06240494A (ja) アルミニウム陽極酸化皮膜の着色方法
JPH0579757B2 (ja)
GB2127849A (en) Electrocoloring aluminum or alloy thereof in a yellow to orange color
JP3562123B2 (ja) アルミニウム材への無彩色系灰色着色方法
JPS63223199A (ja) アルミニウム材の電解着色法
JPH04365895A (ja) アルミニウムまたはアルミニウム合金の青色着色法

Legal Events

Date Code Title Description
LAPS Cancellation because of no payment of annual fees