JP2941435B2 - 長期間精油を徐放する銘木単板貼り木質床材 - Google Patents

長期間精油を徐放する銘木単板貼り木質床材

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、住居の床面に施工され
る銘木単板貼り床材に関し、特に一般床材とは異なり、
その表面から精油成分が長期間にわたり徐々に発散する
特性を有する銘木単板貼り床材に関する。
【0002】
【従来技術】最近、樹木抽出成分の利用技術の進歩と共
これを住宅に使用される建材類に利用しようとする
提案が散見されるようになった。これらの提案の代表例
としては、特開昭59−192782号及び特開昭60
−154003号等の発明を挙げることができる。しか
しながら、前者の発明においては、精油を積層体の中間
層に位置せしめて徐放性を付与する旨記載されているも
のの該精油を長期間にわたり徐放せしめるための技術的
内容は殆ど開示されていない。又、後者の発明において
は化粧材に使用される塗料、接着剤等にヒノキ系香料を
添加するとあるのみであって、徐放性付与についての具
体的記載は皆無である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】樹木抽出成分、とりわ
け精油を化粧板内に含有せしめ、これを徐放させるよう
に構成するという願望は、居住空間を健康に良い森林浴
的な森林疑似空間に変革したいという多くの人々の願い
に基づいている。本発明者らは多年、かかる社会的ニー
ズの充足に取り組んできたものの、部屋の大きさによっ
てその空間体積が異なること、部屋の換気条件が建物に
より異なること等により、単位面積当たりの精油添加量
の決定が非常に困難であった。又、精油に対する徐放性
の付与方法も多岐に分かれ、総合的な把握が困難であっ
た。
【0004】しかしながら、本発明者らは樹木から抽出
された精油自体の性質と共に環境科学としての住宅換気
の問題、精油に対する徐放性付与のための精油包接試験
等の検討の中から使用する精油の量及び徐放に適した
使用の態様について新たな知見を見出し本発明に到達し
た。
【0005】従って、本発明の目的は、長期間にわたり
精油を徐放することのできる銘木単板貼り木質床材を提
供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の上記の目的は、
台板合板に上塗り塗装が施された銘木単板が積層接着さ
てなると共に、内部層に、芯微粒子に精油を含有せし
めた二重構造エマルジョンを含有する木質床材であっ
て、前記精油が床材表面から、1日につき0.0005
g/m〜0.005g/mの割合で徐放されるよう
に、該精油2g/mないし10g/mの割合で前
記木質床材の内部層に含有されてなることを特徴とす
長期間精油を徐放する銘木単板貼り木質床材によっ
て達成された。
【0007】本発明で使用する精油は、フィトンチッド
と称される抗菌性、防虫性、防カビ性成分を揮発する公
知のものの中から適宜選択して用いることができるが、
通常はテルペン類を用いる。
【0008】実際の森林内に漂うテルペン類の量は、谷
田貝光博士(農林水産省・森林総合研究所・生物活性物
質研究室長)の測定によれば0.3PPbないし3.5
PPb程度であり(第37回日本木材学会大会要旨集・
1987「森林が発散する微量成分」に記載)森林疑似
空間を住空間に適用する場合には、部屋の換気回数を考
慮に入れて、常時、0.5PPbないし5PPbのテル
ペン類が住空間に漂うように設計することが好ましい。
【0009】この設計は、本発明において床板の内部に
添加する精油量を2g/m2 ないし10g/m2 に限定
すると共に、徐放量を1日当たり0.0005g/m2
〜0.005g/m2 に制御することにより実現され、
これによって常時空間に漂うテルペン類の量を0.5な
いし5PPbとすることができるのみならず、少なくと
も1年以上、時には10年余りの長期にわたり精油が徐
放するようにすることができる。
【0010】例えば6畳間を例にとれば、1日につき
0.0005g/m2 の放散量とは、6畳間1部屋につ
き0.00486g(6畳間の床面積は約9.72
2 )であり、0.005g/m2 の放散量とは6畳間
1部屋について0.0486gである。しかして、現在
の平均的住宅の換気回数は1時間に2回、1日当たり4
8回とされているから、上記数値を48で除した0.0
001g〜0.001gが単位時間当たりの放散量であ
り、この量は、液体又は固体の状態の精油の量である。
【0011】従って、すべての物質は、その1モルが気
化した場合に22.4リットルの体積を占めることから
換算すれば、22400cm3 ×(0.0001〜0.
001)/150=0.0149cm3 〜0.149c
3 (ただし、上式の150は、モノテルペンに若干の
セスキテルペンが混合放散される状況から推定した精油
1モルのg数)となる。従って、0.0149cm3
0.149cm3 の値を6畳間の空間体積23,32
8,000cm3 で除すれば、0.6PPbないし6P
Pbとなり、森林疑似空間と言える状況が創出される。
【0012】尚、上記説明は6畳間を例として行った
が、8畳間、10畳間或いはそれ以上の広さの部屋につ
いても同様に適用して、同等の結果を得ることができ
る。又、精油の添加量は、m2 当たり2g以下であると
放散期間が短時間に過ぎ、10g以上であると積層強度
に欠陥が生じる。
【0013】精油に含有される成分の殆どは、モノテル
ペン及びセスキテルペン等の混合物であり、室温下でも
容易に揮散する。従ってこれに徐放性を付与して揮散を
抑制するために、本発明においては、特に、精油を含浸
した芯微粒子の表面にシード重合法により表皮樹脂層を
形成せしめた二重構造エマルジョンを使用する。この
合には表皮厚さの厚薄調整が容易であり、それにより
自由に徐放性を制御することができる上、経済的にも一
マイクロカプセルよりも安価なので好都合である。
【0014】又、銘木単板の表面に塗装される塗料樹脂
を変更したり、塗装膜厚を調節することにより徐放性を
制御することも可能である。更に、台板合板の上に積層
される銘木単板の厚さを厚くしたり薄くしたりすること
によっても、徐放性の制御が可能である。又、銘木単板
の厚さが極厚で、内部の精油が表面に透過し難い場合に
は上塗り塗料中にも若干の精油を含有させたり、内部精
油の透過経路を作ることにより所望の徐放性を得ること
ができる。尚、上記方法のうち2つ以上の方法を結合さ
せることができることは言うまでもない。
【0015】
【発明の効果】本発明の木質床材は二重構造エマルジョ
ンの芯微粒子に精油を含浸させて使用するので、長期間
精油を徐放することができ、長期にわたり、住空間の抗
菌性、防虫性、防カビ性を維持することができる。
た、二重構造エマルジョンの表皮厚さを変えることによ
り、木質床材の性能を容易に調整することができる。
【0016】
【実施例】以下、実施例によって本発明を更に詳述する
が、本発明はこれによって限定されるものではない。
【0017】
【実施例1】厚さ12mmのラワン合板表面に0.3m
m厚さのナラ単板を接着積層するに際し、合成ゴム系接
着剤配合物120部に対し、ヒノキ油含有二重構造エマ
ルジョン(精油含有量・25重量%:山陽国策パルプ
(株)製)を30部添加し、その混合物を120g/m
2 の割合で合板面に塗布した後ナラ単板を接着し、該ナ
ラ板材の表面にアミノアルキッド樹脂系塗料を10g/
2 の割合で塗装し乾燥して、精油徐放性木質床材を得
た。
【0018】次に、得られた木質床材を11.4cm×
11.4cm大の正方形に裁断し、得られた試験片を8
畳間空間体積の1/1000の体積を持つ36cm
(縦)×36cm(横)×24cm(高さ)=0.03
1104(体積)のアルミ板製密封箱の底部に置き、2
4時間後に箱の小孔にテナックス管を挿入した後ミニポ
ンプにより内部の空気を5リットル採取し、マスフラグ
メントスペクトル法により採取空気中の総テルペン量を
測定したところ、2.5マイクログラムが検出された。
これを箱内部の空気総量に換算すると、2.5μg×3
1.1/5=15.5μgである。この数値はm2 当た
りでは、約0.0012g/m2 ・日の放散となるか
ら、添加精油の量6gをこの値で除すれば、約5000
日間という長期にわたり徐放するものと推定される。
【0019】
【実施例2】実施例1で使用した試験片と同大の、1
1.4cm×11.4cmの正方形のアルミ板2片を用
意し、実施例1に記載したヒノキ油含有二重構造エマル
ジョンを一方の片に、含油粒子表面の精油を含有しない
表皮樹脂層の無い単層構造のエマルジョンを他方の片
に、それぞれ0.5gづつ塗布し、室温下で24時間風
乾した後、前記のアルミ板製密封箱内に置き、24時間
後に箱の小孔にテナックス管を挿入した後内部の空気を
5リットルづつ採取して採取空気中の総テルペン量を測
定したところ、二重構造エマルジョンを塗布した片で
9.9μg単層構造エマルジョンを塗布した片で23.
2μgが検出された。これを箱内部空気総量に換算する
と、それぞれ、61.5μg及び144.3μgであ
り、この数値はm2 当たりでは、それぞれ0.0048
g/m2 ・日及び0.0111g/m2 ・日であった。
この結果から、精油の包接化により放散が制御されるこ
とが実証された。
【0020】
【実施例3】実施例1に記載の方法と同様にして精油徐
放性木質床材を製造するに当たり、積層接着した0.3
mm厚さのナラ単板の表面に塗装するアミノアルキッド
樹脂系塗料の塗布量のみを、50g/m2 と変更して製
造した木質床材の場合には、実施例1と同様にして行っ
た試験の結果、5リットルの採取空気中に6.3μgの
テルペンが検出された。これを箱内部の空気総量に換算
すると、39.19μgであり、m2 当たりでは0.0
030g/m2 ・日となることから、塗料の塗布厚さに
よって徐放性を制御することができることが実証され
た。
【0021】
【実施例4】実施例1と同様にして精油徐放性床材を製
造するに当たり、台板合板表面に積層接着するナラ単板
の厚さを3mmのものに変更して使用した他は実施例1
と同様にして木質床材を製造した。得られた木質床板に
ついて、実施例1と同様の試験を行ったところ、5リッ
トルの採取空気中から、総テルペン量として0.8μg
が検出された。この量は、箱内部の空気総量に換算する
と、4.98μgであり、m2 当たりでは0.0003
8g/m2 ・日に過ぎなかった。この結果から、台板合
板表面に積層する単板の厚みを変えることにより精油の
徐放性を制御することができることが実証された。
【0022】
【実施例5】表面塗料中にも塗料重量に対し0.2%の
ヒノキ精油を混合し、10g/m2 の割合でナラ単板の
表面に塗装した他は実施例4の場合と全く同様にして製
造した木質床板は、実施例4と同じ試験の結果、箱内部
空気総量に換算して15.0μgの総テルペン類が検出
された。これはm2 当たりに換算すると0.0011g
/m2 ・日の放散量であり、薄い単板積層のものと同等
の徐放性を示した。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】台板合板に上塗り塗装が施された銘木単板
    が積層接着されてなると共に、内部層に、芯微粒子に精
    油を含有せしめた二重構造エマルジョンを含有する木質
    床材であって、前記精油が床材表面から、1日につき
    0.0005g/m〜0.005g/mの割合で徐
    放されるように、該精油2g/mないし10g/m
    の割合で前記木質床材の内部層に含有されてなること
    を特徴とする長期間精油を徐放する銘木単板貼り木質
    床材。
  2. 【請求項2】上塗り塗装された塗料層中に精油が含有
    されている請求項1に記載された、長期間精油を徐放
    する銘木単板貼り木質床材。
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