JP2940906B2 - 多孔性成形型の製造方法及び多孔性成形型 - Google Patents

多孔性成形型の製造方法及び多孔性成形型

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、プラスチック成形体を
製造するための中空成形型や射出成形型、繊維質成形層
体を製造するためのプレス型に用いられる多孔性成形型
の製造方法及び多孔性成形型であって、特に、電鋳処理
により形成される複数の通気孔を規則的に配置すること
を可能にした多孔性成形型の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】まず、この種の多孔性成形型の構造とそ
の使用例を図7で説明する。図7において、この多孔性
成形型50は微小な径である多数の通気孔50aを有し
ており、真空ポンプ51、ヒータ52、クランプ53が
配設された真空成形機54内のシボ模様等に形成された
成形面を上側にして装備されている。この多孔性成形型
50を用いて自動車内装部品であるドアトリム外皮、ク
ラッシュパッド外皮等を真空成形する場合には、まず、
ヒータ52によりシート材55を加熱、軟化させ、この
シート材55を成形型50の上方にクランプ53で固定
する。そして、真空ポンプ51を作動させることにより
通気孔50aを通してシート材55と成形型50の間の
空気を吸引し、シート材55と成形型50の間を真空状
態にした後、シート材55を成形型50に引きつけて成
形型50の成形面に密着させ、シート材55を成形型
と同一形状に成形するものである。
【0003】ところで、シボ模様等の緻蜜な反転性を得
ようとすると、成形型の通気孔は小さいものが多数開口
していることが望ましく、この小さな通気孔を多数、機
械加工又は放電加工で成形することは、現実的でない。
そこで、従来は、次に述べるような製造方法により多孔
性成形型を製造している。
【0004】まず、特開昭61−163290号公報に
記載されるように、模型の凹凸模様の表面に銀鏡処理に
より導電層を形成して、その導電表面全体に凹凸模様
を出現させる。そして、この導電層の表面全体にポリス
チレン等の粒子が積層された層を配置して、浮き上がり
防止体でこの層を導電層に密着する。その後、模型をニ
ッケルメッキ液の電鋳槽中に浸漬し、電鋳処理を施して
導電層の表面部に各粒子の間隔を埋めるようにニッケル
を析出・積層させて電鋳殻を成形する。次いで、模型を
電鋳槽から取り出し、この電鋳殻を模型から剥離すると
ともに、この電鋳殻を溶剤中に浸漬して粒子を電鋳殻か
ら溶出除去することにより、多数の通気孔を有する電鋳
体(多孔性成形型)を製造するものである。
【0005】また、特開昭64−17888号公報に記
載されているように、模型の表面に導電層を形成し、こ
の導電層上に所定肉厚を有する溶剤層を形成する。そし
て、この溶剤層の所望の位置に複数のポリスチレン等の
粒子を配置して、溶剤層を蒸発させて導電層上に複数の
粒子を溶融して所定の配置状態で溶着する。その後、模
型を電鋳槽のニッケル、銅等を含有する電解液中に浸漬
し、電鋳処理を施して導電層の表面部に各粒子の間隔を
埋めるようにニッケル、銅等の金属を析出・積層させて
電鋳殻を成形する。次いで、模型を電鋳槽から取り出
し、この電鋳殻を模型から剥離するとともに、この電鋳
殻を溶剤中に浸漬して粒子を電鋳殻から溶出除去するこ
とにより、多数の通気孔を有する電鋳体(多孔性成形
型)を製造するものである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来技
術の多孔性成形型の製造方法においては、模型の導電槽
上の所望の位置に複数のポリスチレン等の粒子を配置し
ているが、多数の粒子通気孔の微小な径を確保するた
め、微小なものが用いられているのが通常であるので、
その配置が困難で複数の粒子が接触したり、粒子の相互
間の間隔が狭くなって近接する部分が発生し、これらの
部分には電鋳処理による金属析出ができなくなり、有効
な多孔性成形型を製造することが困難であるという問題
があった。
【0007】また、電鋳処理において、金属析出は、通
常、均一にして析出しないので、上記の如く、複数の粒
子が接触したり、近接したりするという、各粒子間の間
隔が不均衡となると、金属が粒子の上部を完全に塞いだ
り、殆ど金属を析出させなったりする部位が発生し、
有効な多孔性成形型を製造することが困難であるという
問題があった。
【0008】更に、模型の表面上に溶剤層を形成して、
その上にポリスチレン等の粒子を溶融させて配置する場
合には、その溶融程度によって通気孔の径にばらつきが
発生し、有効な多孔性成形型を製造することが困難であ
るという問題があった。
【0009】本発明は、このような問題を解決するため
になされたもので、規則的に通気孔を配置し、且つ均一
な通気孔径とすることにより、均一な流体の通過を可能
とすることのできる多孔性成形型の製造方法を提供する
ことを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記問題を解決するた
め、本発明の多孔性成形型の製造方法及び多孔性成形型
では、請求項1の製造方法においては、格子状部材の各
交差点部に不導性球状体を接着して組立体を形成する第
1工程と、模型の表面上に通電性塗料を塗布し、この通
電性塗料上に前記第1工程で形成された組立体を取り付
る第2工程と、前記第2工程で模型上に取り付けられた
組立体上に電鋳層を形成する第3工程とを含み、前記第
1工程から第3工程を施して、前記模型上に1の電鋳層
からなる型、又は、前記第1工程から第3工程を施した
後、前記第3工程の電鋳層から露出する組立体上に、更
に不導性球状体又は前記第1工程で形成された別の組立
体を取り付ける取付工程と前記第3工程とが繰り返され
る第4工程を施して、前記模型上に複数の電鋳層からな
る型、のいずれかを成形するとともに、 前記型を前記模
型から離座させ、残存する前記格子状部材及び前記不導
性球状体を除去して、前記型の内部に格子状連通孔とこ
の格子状連通孔の各交差点部を通って前記型を貫通し、
且つ前記型の表面に所定間隔を保って開口する複数の通
気孔を形成させるものである。
【0011】請求項2の製造方法においては、請求項1
のものに、前記第4工程が、前記第3工程の電鋳層から
露出する組立体の各交差点部上に、不導性球状体を取り
付ける取付工程と前記第3工程とからなり前記取付工
程、前記第3工程のみ順に施すもの、又は、前記取付工
程、前記第3工程の順に繰り返し施すもの、のいずれか
行うものである。
【0012】請求項3の製造方法においては、請求項1
のものに、前記第4工程が、前記第3工程の電鋳層から
露出する組立体の各交差点部上に、各交差点部を一致さ
せて前記第1工程で形成された別の組立体を取り付ける
取付工程と前記第3工程とからなり、 前記取付工程、前
記第3工程のみ順に施すもの、又は、前記取付工程、前
記第3工程の順に繰り返し施すもの、のいずれかを行う
ものである。
【0013】請求項4の製造方法においては、請求項1
乃至請求項3それぞれのものに、格子状部材の各交差点
部に不導性球状体を接着して組立体を形成する第1工程
が、前記格子状部材の各交差点部に対応する複数の配置
溝孔を有する部材の各配置溝孔内に前記不導性球状体を
嵌め込んだ後、前記格子状部材を、前記各配置溝孔内の
各不導性球状体にこの各交差点部が対応するように配置
して前記不導性球状体に付着することにより行われるも
のである。
【0014】請求項5の製造方法においては、請求項1
乃至請求項4それぞれのものに、前記格子状部材が、1
方向に並列して複数配置された縦線形部と当該縦線形部
に直交する方向に並列して複数配置された横線形部とで
構成され、この各縦線形部の相互間、及び各横線形部の
相互間の間隔を変動することにより、前記複数の通気孔
の相互の間隔を変更させるものである。
【0015】請求項6の型においては、型を貫通する複
数の通気孔を有する多孔性成形型において、前記複数の
各通気孔が、前記型内に形成された1又は複数の格子状
連通孔の各交差点部を通って貫通して、前記型の表面に
相互に所定間隔を保って開口しているものである。
【0016】
【作用】このように本発明の多孔性成形型の製造方法に
よれば、格子状部材の各交差点部に不導性球状体を接着
して組立体を独立して形成して、模型の通電性塗料上
立体を付着した後、電鋳処理を行うようにしているの
で、組立体を模型に付着するだけという、極めて簡単な
作業で複数の通気孔を規則的に配置することができるの
で、不導性球状体の粒子の相互間の間隔が狭くなって近
接する部分が発生し、これらの部分に電鋳処理による金
属析出しなくなったり、又は、金属が不導性球状体の上
部を完全に塞いだりすることを防止できる。
【0017】また、複数の配置溝孔を有する部材の各配
置溝孔内に前記不導性球状体を嵌め込んだ後、格子状部
材を、各配置溝孔内の各不導性球状体にこの各交差点部
が対応するように配置して前記不導性球状体に付着する
ようにしているので、短時間で、且つ極めて簡単な作業
で格子状部材の各交差点部への不導性球状体の付着・配
置ができる。
【0018】更に、格子状部材の各線形部の相互の間隔
を変動することにより、複数の不導性球状体の相互間
隔、しいては、複数の通気孔の相互の間隔を変更させて
規則的に配置することができる。
【0019】本発明の多孔性成形型によれば、複数の各
通気孔が、各格子状連通孔の各交差点部通って型を貫
通して、この表面に相互に所定間隔を保って開口してい
るので、自動車内装部材を成形するためのシート材を全
体に亘ってぼぼ同一の吸引力で吸引することが可能とな
る。
【0020】
【実施例】以下、本発明の一実施例である多孔性成形型
の製造方法について、図面を参照して説明する。
【0021】図1(a)及び図1(b)は本実施例にお
ける多孔性成形型の製造方法で製造された多孔性成形型
1の構成を示す図であって、以下に説明する。図1
(a)及び図1(b)において、1は多孔性成形型であ
って、電鋳処理によりニッケル、銅等の金属を析出させ
て成形した、例えば、第1電鋳層2、第2電鋳層3及び
第3電鋳層4(この層の数は任意である。)とが積層さ
れた板状体で、その中央部から突出する(Z軸方向に突
出する)凸板部5を有する断面凹凸形状に成形されてい
る。また、多孔性成形型1は、この第1電鋳層2内に凸
板部5が突出する方向(Z軸方向)に直交する2方向
(XとY軸方向)に広がる格子状連通孔6と、この第1
電鋳層2−第2電鋳層3及び第3電鋳層4に亘って貫通
する微小な径の複数の通気孔7とが形成されている。こ
の格子状連通孔6は、X軸方向に延びてY軸方向に複数
並列して設けられた縦連通孔部10と、Y軸方向に延び
てX軸方向に複数並列して設けられた横連通孔部11と
を有し、この縦連通孔部10の相互間と、横連通孔部1
1の相互間とのそれぞれの間隔であるA及びBが、後述
説明する多孔性成形型1の製造方法における各電鋳層2
〜4の電鋳処理のニッケル、銅等の析出を効果的に行う
ために、1.3mm〜3.0mmの範囲内にされてい
る。
【0022】複数の通気孔7は、球を押し付けて連続さ
せた連珠状であり、凸板部5が突出する方向(Z軸方
向)に延び、且つ格子状連通孔6の縦連通孔部10と横
連通孔部11との各交差点部12のいずれかを通って、
多孔性成形型1を貫通している。また、多数の通気孔7
は、相互に後述説明する多孔性成形型の製造方法にお
ける各電鋳層2〜4の電鋳処理のニッケル、銅等の析出
を効果的に行うために、0.8mm〜3.0mmの範囲
内の間隔(各通気孔7の外周間の距離)を保って多孔成
形型1の表面1A及び裏面1Bに開口し、表面1Aの転
写性を損なうことなく吸引可能とされているとともに、
その直径が1.0mm〜2.0mmの範囲内とされてい
る。
【0023】次に、上述した多孔性成形型1の製造方法
について、図2乃至図5を参照して説明する。
【0024】(1)まず、図2(a)乃至図2(e)に
示すように、多孔性成形型1の各通気孔7及び各連通孔
10、11を構成する不導性球状体20と格子状繊維部
材25とを接着した組立体30を、以下の手順で形成す
る。(第1工程)
【0025】図2(a)及び図2(b)に示すよう
に、金属、樹脂及びグラスファイト等の平板部材15を
用意し、この平板部材15に複数の配置溝孔16を形成
する。この各複数の配置溝孔16は、一方向(Y軸方
向)に間隔Aを有して複数並列する軸線Y1、Y2、Y
3、・・・と、他方向(X軸方向)に間隔Bを有して複
数並列する軸線X1、X2、X3、・・・とが交差する
交差点部17のそれぞれに形成されている。この各配置
溝孔16は、その径Dが不導性球状体20の直径D1よ
り多少小さくなっていると共に、その深さHが不導性球
状体20の直径D1より浅い深さにされている。この不
導性球状体20は、溶剤で溶かすことのできるスチレン
樹脂やアクリル樹脂製であり、その直径D1が1.0m
m〜2.0mmの大きさのものが用いられている。
【0026】そして、図2(c)に示すように、平板
部材15の各配置溝孔16内に不導性球状体20を嵌め
込むと共に、図2(d)に示すように、この不導性球状
体20上に接着剤が塗布されたグラスファイバー等の導
電性のある可燃性の格子状繊維部材25を貼り付ける。
この格子状繊維部材25は、図2(d)及び図2(e)
に示すように、1方向(X軸方向)に並列して複数配置
された縦繊維部26(線形部)と、この縦繊維部26
に直交する方向(Y軸方向)に並列して複数配置された
横繊維部27(線形部)とで構成されており、各繊維
部26、27の太さが0.3mm〜2.0mmの範囲内
であり、各縦繊維部26、26の相互間の間隔A、及び
横繊維部27、27の相互間の間隔がBが1.3mm〜
3.0mmの範囲内とされており、この各縦繊維部26
を平板部材15の軸線X1、X2、X3、・・・上に、
及び各横繊維部27を平板15の軸線Y1、Y2、Y
、・・・上に位置させると共に、格子状繊維部材25
の縦繊維部26と横繊維部27との交差点部28を、平
板部材15の各配置溝孔16内に嵌め込まれた不導性球
状体20上にそれぞれ貼り付けることにより、不導性球
状体20と格子状繊維部材25とを接着した組立体30
を形成する。そして、接着後に組立体30を平板部材1
5から取り外す。
【0027】(2)また、図3(a)に示すように、エ
ポキシ樹脂、ポリエステル樹脂等により成形品と同一の
凸形状の模型35(多孔性成形型1の逆形状)を製作
し、この模型35の表面35A(凸形状側)の全面に通
電性塗料36を塗布して乾燥させる。この通電性塗料3
6には、銅又は銀を含んだエポキシ系塗料や、銀鏡反応
による薄膜銀層等が用いられる。そして、この通電性塗
料36を乾燥させた後、図3(b)及び図3(c)に示
すように、乾燥した通電性塗料36の全面に亘って、接
着剤が塗布された組立体30を、この不導性球状体20
側から貼り付ける。(第2工程)
【0028】(3)次に、通電性塗料36と、不導性球
状体20及び格子状繊維部材25からなる組立体30と
が配置された模型35を、図4に示すように、電鋳槽4
0の電解液41中に漬け込み、電解液41のニッケル、
銅等の金属電極42をプラス電極に接続し、通電性塗料
36をマイナス電極に接続して通電して電鋳処理を施
す。これにより、通電性塗料36上にはニッケル、銅等
の金属が析出し、第1電鋳層2が形成されるが、格子繊
維部材25及び複数の不導性球状体20に金属が析出せ
ず、格子状連通孔6と通気孔7の元が形成されるので、
第1電鋳層2は格子状繊維部材25が露出する程度の厚
みにめられる。(第3工程)
【0029】(4)ところで、格子状繊維部材25の露
出が第1電鋳層2の所望の厚みより大きい場合には、図
5(a)に示すように、模型35を電解液41の中から
取り出し、格子状繊維部材25の各交差点部28上に更
に、接着剤等で不導性球状体20を付着させ(取付工
程)、電解液41に入れて、再度、電鋳処理を施す(第
3工程)。この繰り返しによって、所望厚さの第1電鋳
層2から第3電鋳層4が得られる。(第4工程)
【0030】(5)また、この第1電鋳層2上に、図5
(b)に示すように、更に、第2電鋳層3を形成して格
子状連通孔6及び複数の通気孔7を形成する場合には、
第1電鋳層2の成形が完了した模型35上に、上記
(2)記載の手順で作成された格子状繊維部材25と不
導性球状体20とからなる組立体30を、この不導性球
状体20側から第1電鋳層2内に存在する格子状繊維部
材25の各交差点部28に一致するように付着した後
(取付工程)、上記(4)に示したと同様な手順で、電
鋳処理することにより第2電鋳層3を形成する(第3工
程)。この繰り返しによって、第3電鋳層4、・・・
・、第N電鋳層(複数の電鋳層)の成形が得られる。
(第4工程)
【0031】(6)以上のようにして、模型35上に第
1電鋳層2又は第2電鋳層3、第3電鋳層4、・・・
・、第N電鋳層(複数の電鋳層)からなる積層体である
型が成形されると、この模型35を電解液41から取り
出し、型を模型35から離座させると共に、この型内に
残存する格子状繊維部材25と複数の不導性球状体20
とを、図示しないオーブン等で燃焼させ、又は溶剤等で
抽出して除去すると、図1(a)及び図1(b)に示す
如き、互いに所定間隔に保たれた複数の通気孔7と格子
状連通孔6とが形成された多孔性成形型1、又は図6
(a)及び図6(b)に示す如く、第1電鋳層2の内部
に格子状連通孔6と複数の通気孔7と共に、第2電鋳層
3と第3電鋳層4の内部に、第1電鋳層2の格子状連通
孔6に対して凸部5が突出する方向に直列的に配置され
る格子状連通孔6が形成された多孔性成形型45が製作
される。この多孔性成形型45は、図6(a)及び図6
(b)に示すように、各電鋳層2〜4内のそれぞれに格
子状連通孔6(複数の格子状連通孔6)が形成されたも
ので、この格子状連通孔6は、凸部5が突出する方向
(Z軸方向)に直交する2方向(XとY軸方向)に、縦
連通孔部10と横連通孔部11とが複数設けられてお
り、この縦連通孔部10と横連通孔部11との各交差点
部28のそれぞれに複数の各通気孔7が通っているもの
である。
【0032】尚、本実施例においては、組立体30をこ
の不導性球状体20側から模型35の通電性塗料36上
に接着するようにしているが、これに限定されるのでな
く、格子状繊維部材25側から模型35の通電性塗料3
6上に接着するようにしたものであってもよい。
【0033】また、本実施例においては、模型35の通
電性塗料の全面に亘って組立体30を貼り合わて、模
型35を電鋳槽40で電鋳処理を施して第1電鋳層2を
成形した後、更にこの組立体30上に複数の不導性球状
体20を重ねて取り付けて第2電鋳層3及び第3電鋳層
4を成形する多孔性成形型の製造方法及び多孔性成形型
(図1に示すもの)、又は組立体30上に複数の組立体
30を重ねて取り付けて第2電鋳層3及び第3電鋳層4
を成形する多孔性成形型の製造方法及び多孔性成形型
(図6に示すもの)について説明したが、これに限定さ
れるものでなく、第1電鋳層2が成形された組立体30
上に、不導性球状体20を取り付けた上に、更に組立体
30を取り付けて第2電鋳層3及び第3電鋳層4を成形
したものや、第1電鋳層2が形成された組立体30上
に、組立体30を取り付けた上に、更に不導性球状体2
0を取り付けて第2電鋳層3及び第3電鋳層4を形成し
たものであってもよい。即ち、第1電鋳層2が形成され
た組立体30上に、任意に不導性球状体20と組立体3
0とを組合せ積載して、第1〜第3電鋳層2〜4内に種
々の形状を有する通気孔7と格子状連通孔6とを形成す
るようにしたものであってもよい。
【0034】
【発明の効果】このように本発明の多孔性成形型の製造
法によれば、格子状部材の各交差点部に不導性球状体
を接着して組立体を独立して形成して、模型の通電性塗
料上にこの組立体、この上に必要に応じて不導性球状体
又は組立体を付着した後、電鋳処理を行うようにしてい
るので、組立体を模型に付着するだけという、極めて簡
単な作業で複数の通気孔を規則的に配置することができ
るので、不導性球状体の粒子の相互間の間隔が狭くなっ
て近接する部分が発生し、これらの部分に電鋳処理によ
る金属析出しなくなったり、又は、金属が不導性球状体
の上部を完全に塞いだりすることを防止でき、均一な通
気孔径として、均一な流体の通過を可能とすることがで
きる。この結果、成形時には、全ての通気孔によりシー
ト剤を全面に亘って略均一の吸引力で吸引がなされるこ
とになり、シート剤の成形型への密着が均一となって成
形品の成形型に対する均一な反転性を確保することが可
能となる。
【0035】また、複数の配置溝孔を有する部材の各配
置溝孔内に前記不導性球状体を嵌め込んだ後、格子状部
材を、各配置溝孔内の各不導性球状体にこの各交差点部
が対応するように配置して前記不導性球状体に付着する
ようにしているので、短時間で、且つ極めて簡単な作業
で格子状部材の各交差点部への不導性球状体の付着・配
置ができ、より正確に複数の通気孔を相互に所定間隔を
保つように形成することができる。
【0036】更に、格子状部材の各線形部の相互の間隔
を変動することにより、複数の不導性球状体の相互間
隔、しいては、複数の通気孔の相互の間隔を変更させて
規則的に配置することができるので、シート材の成形時
における種々の条件に対応して、多孔性成形型の複数の
通気孔の配置数又はその相互間の間隔を変更して製作す
ることが可能となる。
【0037】本発明の多孔性成形型によれば、複数の各
通気孔が、各格子状連通孔の各交差点部と通って型を貫
通して、この表面に相互に所定間隔を保って開口してい
るので、自動車内装部材を成形するためのシート材を全
体に亘ってぼぼ同一の吸引力で吸引することが可能とな
り、シート材の成形型への密着が均一となって成形品の
成形型に対する均一な反転性を確保することが可能とな
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例における多孔性成形型の製造
方法で製造された多孔性成形型の構成を示す図であっ
て、(a)は断面図、(b)は(a)のA−A断面図で
ある。
【図2】本発明の一実施例の多孔性成形型の製造方法に
おける組立体を形成する、第1工程を説明するための図
であって、(a)は配置溝孔が形成された平板部材の上
面図、(b)は配置溝孔が形成された平板部材の(a)
のB−B断面図、(c)は平板部材の配置溝孔内に不導
性球状体が嵌め込まれた状態を示す断面図、(d)は平
板部材の配置溝孔内に嵌め込まれた不導性球状体上に格
子状繊維部材が付着された状態を示す断面図、(e)は
平板部材の配置溝孔内に嵌め込まれた不導性球状体上に
格子状繊維部材が付着された状態を示す上面図である。
【図3】本発明の一実施例の多孔性成形型の製造方法に
おける組立体を模型に付着する、第2工程を説明するた
めの図であって、(a)は模型上に通電性塗料を塗布し
た状態を示す断面図、(b)は通電性塗料上に組立体が
付着された状態を示す断面図、(c)は通電性塗料上に
組立体が付着された状態を示す上面図である。
【図4】本発明の一実施例における多孔性成形型の製造
方法の模型を電鋳処理する、第3工程を説明するための
状態を示した断面図である。
【図5】本発明の一実施例における多孔性成形型の製造
方法を説明するための図であって、(a)は複数の電鋳
層を形成するための手順を示した断面拡大図、(b)は
複数の電鋳層の内部に格子状連通孔を形成するための手
順を示した断面拡大図である。
【図6】本発明の一実施例における多孔性成形型の変形
例を示した図であって、(a)は断面図、(b)は
(a)におけるC−C断面図である。
【図7】従来技術における多孔性成形型の構成と、その
使用態様を示した断面図である。
【符号の説明】
1、45 多孔性成形型 2〜4 第1乃至第3電鋳層 6 格子状連通孔 7 通気孔 10、11 格子状連通孔部 15 平板部材(部材) 16 配置溝孔 20 不導性球状体 25 格子状繊維部材(格子状部材) 26 縦繊維部(縦線形部) 27 横繊維部(横線形部) 12、17、28 交差点部 30 組立体 35 模型 36 通電性塗料
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭61−163290(JP,A) 特開 昭64−17888(JP,A) 特開 昭58−100689(JP,A) 特開 平6−25885(JP,A) 特開 平6−192881(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C25D 1/00 361 B29C 33/38 C25D 1/08

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 格子状部材の各交差点部に不導性球状体
    を接着して組立体を形成する第1工程と、 模型の表面上に通電性塗料を塗布し、この通電性塗料上
    に前記第1工程で形成された組立体を取り付る第2工程
    と、前記第2工程で模型上に取り付けられた 組立体上に電鋳
    層を形成する第3工程と を含み、前記第1工程から第3工程を施して、前記模型上に1の
    電鋳層からなる型、 又は、 前記第1工程から第3工程を施した後、前記第3工程の
    電鋳層から露出する組立体上に、更に不導性球状体又は
    前記第1工程で形成された別の組立体を取り付ける取付
    工程と前記第3工程とが繰り返される第4工程を施し
    て、前記模型上に複数の電鋳層からなる型、 のいずれかを成形するとともに、 前記 型を前記模型から離座させ、残存する前記格子状部
    材及び前記不導性球状体を除去して、前記型の内部に格
    子状連通孔とこの格子状連通孔の各交差点部を通って前
    記型を貫通し、且つ前記型の表面に所定間隔を保って開
    口する複数の通気孔を形成させる多孔性成形型の製造方
    法。
  2. 【請求項2】 前記第4工程が、前記第3工程の電鋳層
    から露出する組立体の各交差点部上に、不導性球状体を
    取り付ける取付工程と前記第3工程とからなり前記取付工程、前記第3工程のみ順に施すもの、又は、
    前記取付工程、前記第3工程の順に繰り返し施すもの、 のいずれかを行うものである ことを特徴とする請求項1
    記載の多孔性成形型の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記第4工程が、前記第3工程の電鋳層
    から露出する組立体の各交差点部上に、各交差点部を一
    致させて前記第1工程で形成された別の組立体を取り付
    ける取付工程と前記第3工程とからなり、 前記取付工程、前記第3工程のみ順に施すもの、又は、
    前記取付工程、前記第3工程の順に繰り返し施すもの、 のいずれかを行うものである ことを特徴とする請求項1
    記載の多孔性成形型の製造方法。
  4. 【請求項4】 格子状部材の各交差点部に不導性球状体
    を接着して組立体を形成する第1工程が、前記格子状部
    材の各交差点部に対応する複数の配置溝孔を有する部材
    の各配置溝孔内に前記不導性球状体を嵌め込んだ後、前
    記格子状部材を、前記各配置溝孔内の各不導性球状体に
    この各交差点部が対応するように配置して前記不導性球
    状体に付着することにより行われることを特徴とする請
    求項1乃至請求項3それぞれに記載の多孔性成形型の製
    造方法。
  5. 【請求項5】 前記格子状部材が、1方向に並列して複
    数配置された縦線形部と当該縦線形部に直交する方向に
    並列して複数配置された横線形部とで構成され、この各
    縦線形部の相互間、及び各横線形部の相互間の間隔を変
    動することにより、前記複数の通気孔の相互の間隔を変
    更させることを特徴とする請求項1乃至請求項4それぞ
    れに記載の多孔性成形型の製造方法。
  6. 【請求項6】 型を貫通する複数の通気孔を有する多孔
    性成形型において、 前記複数の各通気孔が、前記型内に形成された1又は
    の格子状連通孔の各交差点部を通って貫通して、前記
    型の表面に相互に所定間隔を保って開口していることを
    特徴とする多孔性成形型。
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