JP2940618B2 - 一体型の可撓性シールを組込んだ試料収集容器用ボール及びソケット蓋 - Google Patents
一体型の可撓性シールを組込んだ試料収集容器用ボール及びソケット蓋Info
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Description
関する。特に、本発明は生物学上の又は生物学上以外の
試料のための試料容器に用いるボール及びソケット蓋に
関する。
液体や固体又は半固体のような、医学的な試料は、臨床
場面において様々な目的のために日常的に収集され分析
されている。特に、血液や尿その他のような生物学的な
液体は、有底管の形状の試料収集容器に典型的に収集さ
れる。そのような管は、一般的には細長い円筒形の部材
の形態で、一端は開いており、他端は一体的な半球形の
部分で永久的に閉じられていて、試料を収集及び保存す
る内面を管は形成している。生物学的な試料を管内に吸
込み及び/又は収集したあとで、試料を入れた管は分析
のために典型的には臨床試験研究施設に搬送される。例
えば血液試料は、通常の化学試験、ホルモン、免疫学的
検定法又は特別な化学的試験を受ける。そのような試験
を行うため、通常、試料を収集した第1の管から試験及
び分析を行う1又は複数の第2の管へと試料は移され、
しばしば2以上の異なる領域で同時に試験される。移送
や分析及び貯蔵の間に汚染や蒸発及びこぼれるのを最小
にするため、管の開口部を蓋で閉じておくことが重要で
ある。
典型的には、弾性キャップ、取外し可能なゴムストッ
パ、又はプラスチックフィルムにより移送及び分析の
間、シールされる。そのような蓋は管の開口部をシール
する手段を提供するものの、臨床環境でしばしば要求さ
れるように汚染を生じさせずに且つ片手だけでは、効率
的に取外したり保管したり交換したりすることはできな
い。さらに、生物学的な試料を試験するために分析試験
機器を使用するときには、試験機器のプローブを容器中
に挿入できるように、開口した容器中に試料を維持する
ことが典型的には必要となる。こうした必要性のため、
手動の又は自動的なアクセスのために容易に且つ繰返し
て開いたり閉じたりできる蓋を備えることが望ましい。
ール及びソケットのタイプの蓋である。様々な容器用の
数多くのボール及びソケットのタイプの蓋が知られてい
るが、十分なシールが不可欠となる試料収集容器で用い
るのに完全に効果的なものはない。例えば、Van Ness
への米国特許第2,032,776 号は、容器に通じる開口を有
する弾性円板の上の曲ったボス内に乗るボアを有するバ
ルブボールを備えたディスペンス容器のための蓋を記載
している。しかし、弾性円板は例えばステンレス鋼から
なる分離した要素として構成されており、ボス/ソケッ
トと一体的であるのと対称的であり、それゆえに、不十
分なシールのポテンシャルを生じる。さらにまた、弾性
円板はボールの回転動作とともに十分に可撓することが
できず、それゆえ十分なシールを提供しない。
たりでき、十分なシールを効果的に提供できる試料収集
容器用の蓋を提供することが求められる。本発明の目的
は、試料収集容器のための容易に製造できる蓋を提供す
ることである。本発明のさらなる目的は、容易に且つ繰
返して開閉できる蓋を提供することである。本発明のさ
らに別の目的は、十分なシールを維持しつつ繰返して開
閉できる試料収集容器用の蓋を提供することである。
成するため、本発明は試料収集容器の開口部を環境から
シールするための蓋を提供する。蓋は、通路が貫設され
た概略球形のボールを備える。ボールは開いた位置と閉
じた位置との間を回転動作でき、通路はボールが開いた
位置にあるときには収集容器の開口部と整列され、ボー
ルが閉じた位置にあるときには収集容器の開口部と整列
されない。蓋は、開いた位置と閉じた位置との間のボー
ルの回転動作に適応するための収集容器の開口部に取付
け可能なソケットをさらに備える。ソケットはボールの
ための周辺座部を提供する一体的な可撓性シールを備え
る。好ましい実施形態では、シールは圧縮性である。さ
らに、シールはボールの外面部に接触するためのリップ
を備えてもよい。好ましくは、リップはシールからボー
ルの外面部に実質的に垂直な方向に延びる。
成するのが好ましい。より好ましくはエラストマー材料
は熱可塑性プラスチックエラストマーであり、最も好ま
しくはポリエチレンである。
いられるボール及びソケット蓋として説明する。本発明
の目的のために、試料収集容器の語は、例えば血液の収
集及び分析のための第1の及び第2の試料管のような、
生物学的な又は生物学的以外の試料を収集し、移送し、
分析し、又は貯蔵するのに有用ないかなるタイプの容器
をも示すのに用いられる。本発明は収集容器に用いるボ
ール及びソケット蓋の形態をとり、十分なシールを提供
することができ、外部の環境と容器の内容物との間で汚
染物が移るのを防止し又は最小にすることができる。図
1及び図2の実施形態を特に参照すると、蓋10がそれ
ぞれ開いた位置と閉じた位置とで血液収集管100の上
に位置決めされて示されている。蓋10は収集管100
の開口部110で収集管100に相互係合するようにな
っている。収集管100は当業者に知られているいかな
るタイプの収集管でもよく、ガラスやより好ましくは適
当なプラスチックのようないかなる公知の材料でできて
いてもよい。好ましくは、収集管100は上げ底式の管
であって、その上部には開口部110が備えられ、反対
側には開口した底部120が備えられて、開口部110
と底部120との間には円錐状の底部130が配設され
ている。円錐状の底部130によって収集管100は少
ない体積の液体を保持するための上部チャンバ115を
備える。かかる構造のため、臨床分析機器から手動の移
送ピペットや自動の試料プローブを用いたとき、上部チ
ャンバ115中に含まれる液体へのアクセスが容易にな
る。円錐状の底部130を有することで、収集管に含ま
れる試料にアクセスするのにこのようなピペットやプロ
ーブを収集管100の全長にわたって挿入することを必
要とせずに、標準的なホルダーや分析機器とともに収集
管100を用いることができる。
ケット40の底部から垂下する円筒状の突出部47とを
備えている。円筒状の突出部47は収集管100の開口
部110に相互嵌合するようになっており、それにより
蓋10を収集管100に取付けるための手段を提供して
いる。円筒状の突出部47はいかなるやり方で収集管1
00に相互嵌合するものでもよく、例えば、スナップ嵌
め、ネジ係合その他がある。好ましくは、図16に最良
に示すように、円筒状の突出部47はその外側表面に間
隔を隔てて設けられた複数の環状のリブ48を備え、収
集管100の内面と開口部110で摩擦係合している。
さらに好ましくは、環状のリブ48は、収集管100の
内面に設けられた環状のリング118と開口部110で
摩擦係合している。図16に示すように、このように環
状のリブ48と環状のリング118とを相互嵌合するこ
とで、複数の位置で蓋10を収集管100内に摩擦固定
でき、その一方収集管100に含まれる液体が円筒部分
47と収集管100の開口部110との間を通るのを防
止するための液密シールが提供される。このようにし
て、蓋10は収集管100に液密式にしっかり固定及び
取付けられ、所望なら収集管100から容易に取外すこ
とができる。
の突出部47はさらに例えば、部品供給ボール内での組
立中の蓋10の整列及び向き合わせのための1又は複数
の突起部49を備える。図3及び図4に示すように、蓋
10はソケット40内に嵌合した概略球形のボール20
を有する。ボール20はそれを貫通する通路21を備え
る。通路21は円筒状のボアの形態が好ましく、ボール
20の第1の開口部23からボール20の対向する第2
の開口部24へとボール20を貫通している。通路21
は、以下により詳細に説明するように、外部の環境と収
集管100の上部チャンバ115との間のアクセスを可
能にするためのボール20を通り抜ける開口を提供す
る。通路21の内径は、これを通してプローブをアクセ
スしたり、液体の流れを可能にするほどに十分大きくす
べきである。しかし、蓋10の全体の外径は大き過ぎて
はならない。例えば、蓋10又はソケット40の外径が
標準的な収集管の外径に比べて著しく大きいとすると、
蓋10を組付けた収集管100を在来の試験機器に適切
に適合させ又は機能させることができない。特に、試料
の試験に先だって在来式のカバーを収集容器から取外さ
ねばならない試験環境において、蓋10は特に有用であ
る。そのような機器で有用なように収集管は代表的に標
準サイズと同じである。本発明の蓋10は分析中に蓋1
0全体を収集管100から取外す必要なしに用いるとよ
いので、蓋10を取外さずに標準サイズの試験機器の大
きさに嵌合できることが望ましい。従って、標準の機器
で適切に機能するように、蓋10又はソケット40の外
径は約19.05mmより小さいことが好ましい。このよ
うな外径に対し、通路21の内径は約10.5mmが望ま
しい。他の実施形態においては、蓋10は、収集管10
0に結合したときに、貯蔵ラックやカルーセル等のよう
な様々な試験機器内で収集管100を支持できるのに十
分な直径でもよい。
により詳細に説明するように、軸30によりボール20
はソケット40内で開いた位置と閉じた位置との間で軸
線のまわりに回転動作することができる。軸30は、図
6及び図8に最良に示すように、ボール20の対向した
表面に設けられた対をなす対向した突起部31aと31
bで構成されるのが好ましい。対向した突起部31aと
31bは、円筒形の突起でもよいし、又は代りに、以下
に詳細に説明するような、ソケット40のテーパーの付
いた表面52aと52bに対応する斜面の付いた表面3
2aと32bを備えていてもよい。また代りに、軸30
はボール30の対向した表面に設けられた対をなす対向
する陥凹部として形成して、これら対向する陥凹部がソ
ケット40内の対向した突起部に係合してもよい。
0内に嵌合して蓋10を形成する。ソケット40は、ソ
ケットの上部にて周囲の開口を構成する外部の環境に開
いた第1の開口部43と、ソケットの底部にて収集管1
00の内部に開いた第2の開口部44とを備える。ソケ
ット40の第1の開口部43には、収集管100の内容
物を注ぐのに便利なように注ぎ面を縁どってもよい。ソ
ケット40は略球形の外形にするとよい。代りに、ソケ
ット40の外面に対向する平坦な側面部46aと46b
を備えてもよい。このように対向する平坦な側面部46
aと46bを設けると、蓋10の製造が簡単になり、組
立の際に蓋10を特定の基準点に対して整列するための
手段となり、また、貯蔵ラックやカルーセル等のような
機器で使用する際に複数の蓋10を整列するための手段
となる。
係合するためのボールを受入れる内面部41をさらに備
える。ボール20は、ボール20の外面とソケット40
の第1の開口部43の周囲とが接触するようにソケット
40内に取付けられ、ボール20とソケット40の第1
の開口部43との係合を確立する。さらに、図9に詳細
を示すように、ソケット40は環状のボール座部45の
ようなシールをさらに備える。ボール座部45は内面部
41の下部でソケット40と一体的で、まわりに周辺リ
ングを形成し、蓋10が組立てられたときにボール20
の座部を提供する。ボール座部45は、以下に説明する
ように、ボール20とソケット40との間のシールを提
供する。ボール座部45は可撓性の部材で、エラストマ
ー材料で構成するのが好ましい。ボール座部45を可撓
性部材として提供することで、ボール20とソケット4
0との間の一体的なシールはボール20とソケット40
との間の接触の損失なしに容易に可撓でき、それにより
ボール20とソケット40との間のシール係合を維持す
る。さらに、本発明の1の実施形態について以下により
詳細に説明するように、そのようなボール座部45の可
撓は、ボール20がソケット40内で偏心軸のまわりに
回転するのを許容する。ボール座部45は圧縮性の性質
でもよく、それによりボールの動作中にボール座部45
とボール20との間のシールに影響せずに圧縮された形
状に変形できる。
一体的であるために、ソケット40とボール座部45と
の間の完全なシールが確立される。例えば、従来技術で
述べた米国特許第2,032,776 号では、バルブボールのた
めの座部として円板が提供され、この円板はバルブボー
ルを包含するボス又はソケットからは分離している。そ
のような分離した円板はボール座部とソケットとの間の
完全なシールを提供できない。それは円板がソケットの
周辺リングとして一体的に形成されておらず、別個の分
離した部材としてソケットの壁面に取付けられているか
らである。本発明は、ソケットの一体部分としてボール
座部を組込むことにより、ボール座部とソケットとの間
のシールが破れる可能性に打勝ち、それにより、ボール
座部とソケットとの間の生物学的な試料を含む容器の蓋
に特に重要なシールが破れる可能性を防止する。
45はリップ45aを備えてもよく、リップはボール座
部45からボール20の中心に実質的に向いて、ボール
の球形の外面部の接線に実質的に垂直な方向に延びる。
リップ45aは上部チャンバ115の内容物について十
分なシールを提供し、ボール20の球形の外面部に対し
て拭取り動作を提供し、それにより、ボール20の表面
上のいかなる試料がボール座部45のリップ45aを越
えて通るのを止め、そのような試料を上部チャンバ11
5へと強制的に戻し向ける。ボール20とソケット40
との間の追加的なシールを提供するために、追加的なシ
ールを蓋10に組込んでもよい。本発明の他の実施形態
では、図15に示すように、円筒状の突出部47の内面
に垂直な排水チャネル47aを設けてもよい。チャネル
47aは、以下により詳しく述べるように、円筒状の突
出部47の内壁面に残った血液のような液体をソケット
40の開口端44及び蓋10に導く。
内に嵌合し、ソケット内で回転動作する。内面部41は
概略球形の中空の開口で、ボール20の形状に合致して
いる。内面部41はボール20の軸30を受入れるため
の軸支持部50を備える。軸支持部50は直径上の対向
する側にある陥凹部51aと51bを備えるのがよい。
この対向する陥凹部51aと51bはボール20の対向
する突起部31aと31bと相互嵌合する。さらに、対
向する陥凹部51aと51bはボール20の斜面の付い
た表面部32aと32bとに係合するために、テーパー
の付いた表面部52aと52bとをそれぞれ備えるとよ
い。このようなテーパーの付いた表面部52a及び52
bと斜面の付いた表面部32a及び32bとは必要では
ないが、蓋10を製造するための射出成形技術を簡単に
するのに特に有用である。上述のようにボール20がソ
ケット40内に嵌合した状態で、ボール20はソケット
40内で軸30を中心に回転動作できる。ボール20が
軸30として作用する対向する陥凹部を備える上述した
他の実施形態では、軸支持部50はそのようなボール2
0の対向する陥凹部に相互嵌合するような対向する突起
部を備える。
1bはその一方の又は双方の壁面に平坦な縁部53をさ
らに備えるとよい。平坦な縁部53は、ボール20をソ
ケット40内で回転動作させている間、ボール20の対
向する突起部31a及び31bに摩擦係合する。平坦な
縁部53は、以下により詳しく説明するように、ボール
20がソケット40内で完全に開いた位置又は閉じた位
置にまで回転したかどうかを確認する確実なフィードバ
ックを操作者に与えることができる。ボール20の外面
に延びるタブ22のような外部からアクセス可能な回転
手段を備えることにより、ボール20を軸30を中心と
して手動で回転動作させることができる。タブ22は操
作者の手指でボール20をソケット40内で回転動作さ
せるための突起部を与える。タブ22には、収集管10
0の内容物を注ぐのに便利な注ぎ面をその表面に縁どる
とよい。本発明の他の実施形態では、図12及び図13
に示すように、ボール20をソケット40内で回転させ
る手段はフラップ22aの形態でもよい。フラップ22
aに沿って凸溝26が備えられ、操作者の手指に対して
フラップ22aに摩擦グリップを与える。ソケット40
内のボール20を開いた位置と閉じた位置との間で回転
させる間、フラップ22aはソケット40の外表面に乗
上げる。
と、ボール20の第1の開口部23がソケット40の第
1の開口部43と整列し、同様にボール20の第2の開
口部がソケット40の第2の開口部44と整列する。こ
のように、外部の環境と収集管100の上部チャンバ1
15との間でボール20を貫通する通路21を通じて通
路が確立する。かくして、ボール20を軸30のまわり
に回転させると、第1の開口部23及び43並びに第2
の開口部24及び44との整列によって通路21が収集
管100の内部と整列しているときの開いた位置(図
1、図5及び図6に示す)と、第1の開口部23及び4
3並びに第2の開口部24及び44の整列解除によって
通路21が収集管100と整列解除によるときの閉じた
位置(図2、図7及び図8に示す)との間でボール20
が動作する。
対向する液体と接触する表面29を構成するように、ソ
ケット40内に構成され位置決めされる。蓋10が閉じ
位置にあるとき、環境と接触する表面27は外部環境に
さらされ、一方、液体と接触する表面29は収集管10
0の内部すなわち上部チャンバ115にさらされる。蓋
10が開いた位置にあるとき、環境と接触する表面27
と液体と接触する表面29とは、内面部41を形成す
る、ソケット40の球形の中空の開口内に位置決めされ
る。好ましい実施形態では、環境と接触する表面27は
ボール20がいつ閉じ位置にあるかを確認するための手
段を備える。このような確認のための手段は、開いた位
置と閉じた位置とを区別するための表示を備えるとよ
い。例えば、環境と接触する表面27上にマーキング又
は印字を備え、又はボールが閉じた位置にあることを示
すカラーコードを備えるとよい。
るかを確認する手段は、ボール20が閉じた位置に回転
したときに環境と接触する表面27と係合するようにソ
ケット40の内表面41にストップを示す要素を組込ん
でもよい。例えば、ソケット40の内表面41にソケッ
ト40の第1の開口部43に近接させてディンプル42
を配置してもよい。ディンプル42はソケット40の内
面部41から突出する小さな突起部を備えるのがよい。
以下により詳しく説明するように、ディンプル42によ
れば、ボール20の環境と接触する表面27がディンプ
ル42を乗越えたときに、ボール20が完全に閉じた位
置に回転したことを示す、音と触感による“クリックス
トップ”のフィードバックが操作者に得られる。代り
に、ディンプル42は、図17に示すように、ソケット
40の内表面41の所定長さに沿って突起部42aを備
えてもよい。このような突起部42aによれば、以下に
述べるように、操作者はボール20が開いた位置と閉じ
た位置との両方に完全に回転したことを示す音と触感に
よる“クリックストップ”のフィードバックが得られ
る。
する突起部31a及び31bにより構成され、ソケット
40の軸支持部50は対向する陥凹部51a及び51b
により構成される。蓋10を組立てたとき、軸30は軸
支持部50に受入れられ、すなわち、対向する突起部3
1a及び31bが対向する陥凹部51a及び51b内に
支持される。本発明の好ましい実施形態では、ボール2
0はソケット内で非対称なやり方で回転する。ボール2
0のソケット40内での回転を非対称にするために、軸
30と軸支持部50とは平行で互いに偏心している。本
発明の好ましい実施形態では、軸30と軸支持部50と
の偏心した性質は、軸30をボール20の真の中心軸線
に対してずらすことによって達成される。図10に示す
ように、真の中心軸線Xは、球形のボール20とソケッ
ト40の内面部41により形成される球形の中空の開口
とによって形成される蓋10の実際の共通の中心軸線を
示している。真の中心軸線Xはボール20の通路21を
概略垂直に横切っている。この好ましい実施形態では、
ソケット40の対向する陥凹部51a及び51bにより
形成される軸支持部50は軸線Xと一列に整列してい
る。ボール20の対向する突起部31a及び31bによ
り形成される軸30は、所定の偏心軸線X’に沿ってい
て、この軸線も通路21を概略垂直に横切ってはいる
が、真の中心軸線Xからは偏心して配置される。別言す
れば、対向する突起部31a及び31bはボール20の
真の中心軸線X上に正確に整列しているわけではなく、
かかる軸線からわずかにオフセットしていて、これによ
り軸30を真の中心軸線Xからわずかに偏心させてい
る。ボール20の対向する突起部31a及び31bをソ
ケット40の対向する陥凹部51a及び51bに嵌合さ
せることで軸30と軸支持部50とを整列させると、ボ
ール20はソケット40の内面部41に対してわずかに
オフセットした状態でソケット40内にボール20が位
置決めされる。軸30の偏心した性質により、ボール2
0はソケット40内で開いた位置と閉じた位置との間を
非対称に回転する。要するに、ボール20が軸30を中
心に回転すると、軸30が偏心軸線X’と整列している
ために、対向する突起部31a及び31bが対向する陥
凹部51a及び51bに対してカムのように係合する。
このような軸30の偏心配置により、特にボール20が
閉じた位置にあるときにボール20はボール座部45に
着座した位置に押しつけられてボール座部45において
液密シールを提供し、以下により詳しく説明するよう
に、外部の環境と収集管100の内部との間での汚染物
の移り防止を助ける。ボール座部45の可撓性の性質
は、ボール20がボール座部45に着座した位置に促さ
れるようにし、ボール20からの押圧力がボール座部上
に働くときにボール座部45が可撓することによる両者
の間の十分なシールを確立する。
持部50との偏心した性質は、軸支持部50が真の中心
軸線Xに対してオフセットしていることによる。図11
に示すように、ソケット40の対向する陥凹部51a及
び51bにより形成される軸支持部50は、所定の偏心
軸線Y’に沿っていて、この軸線はボール20の通路を
概略垂直に横切っているが、真の中心軸線Xに対して偏
心し又はオフセットしている。別言すれば、対向する陥
凹部51a及び51bは真の中心軸線X上に正確に整列
しているわけではなく、かかる軸線からわずかにオフセ
ットしていて、従って、軸支持部50を真の中心軸線X
からわずかに偏心させている。この実施形態では、前記
した好ましい実施形態と同様に軸支持部50の偏心した
性質が開いた位置と閉じた位置との間におけるソケット
40内のボール20の非対称な回転を与えるので、軸3
0は真の中心軸線Xと一列に整列してもよい。
方を真の中心軸線Xからオフセットさせてもよい。しか
し、そのような実施形態では、軸30と軸支持部50と
を互いに一列に整列してはならず、開いた位置と閉じた
位置との間でソケット40内のボール20に非対称な回
転を与えるように互いに偏心させなければならない。図
5及び図6は本発明の蓋10の開いた状態を正面及び側
面からみた断面図を示しており、図7及び図8は閉じた
状態を正面及び側面からみた断面図を示している。図6
に示すように、軸30と軸支持部50とは互いに偏心し
ているので、蓋が開いた位置にあるときにボール20の
対向する突起部31a及び31bがソケット40の対向
する陥凹部51a及び51bの中でオフセットした位置
にあるため、ボール20はソケット40内でわずかにオ
フセットして配置されている。この開いた位置ではボー
ル20はソケット40のボール座部45上に液密シール
状態で乗っており、ボール20には長手方向に最小の力
が働いている。しかし、ボール座部45の可撓性の性質
により、ボール座部45はボール20の外面部と接触し
続けて、両者の間の十分なシールを維持する。このた
め、収集管100の内容物の血液又は他の液体がボール
座部45を通って漏れるのを防止する液密シールを維持
しつつ、ボール20は軸30のまわりに容易に回転する
ことができる。
位置にあるときに、環境と接触する表面27と液体と接
触する表面29とは、内面部41を形成するソケット4
0の球形の中空の開口内に位置する。図5に示すよう
に、ボール20はソケット内でオフセットした位置にあ
ることから、蓋10が開いた位置にあるときには、ボー
ル20の液体と接触する表面29とソケット40の内面
部との間にはギャップ乃至環状の隙間39が形成され
る。この環状の隙間39はボール20がソケット40内
で回転するのを容易にしつつ、血液や他の試料が液体に
接触する表面29と内面部41とに接触することによる
汚染を防止する。さらに、環境と接触する表面27は好
ましくはボール20の全体的な球形から窪んでおり、蓋
10が閉じた位置にあるときに、環境と接触する表面2
7とソケット40の内面部41との間には環状の隙間3
7が設けられ、両者は非接触の状態に維持される。この
非接触の関係により環境と接触する表面27と内面部4
1との間で汚染が生じるのを防止する。
はソケット40内でボール20が回転動作するのを防止
するロック機構を備えてもよい。例えば、クリップ、ス
トランド、バンドその他により、搬送及び貯蔵中にボー
ル20を閉じた位置に固定したり、使用中に開いた位置
に固定する。そのようなロック機構は、好ましくは、図
14に示すようなクリップ60である。クリップ60は
互いに等間隔に間隔を隔てられた3つのアーム62を備
える。アーム62は蓋10にかぶさって、ボール20の
タブ22が2つの隣合うアーム62の間の間隔に係合す
る。このクリップ60は蓋10を所定の位置にロックす
る効果的で簡単な機構を提供する。使用の際には、ソケ
ット40内にボール20が取付けられた蓋10が収集管
100の開口部110に係合させておく。クリップ60
を蓋10から取外してボール20がソケット40内で回
転できるようにする。ソケット40内のボール20を軸
30のまわりに回転させることで、蓋10を開いたり閉
じたりできる。例えば、図2、図7及び図8に示すよう
に蓋10を閉じた位置にしたときには、環境と接触する
表面27はソケット40の第1の開口部43に配置され
外部にさらされて、一方、ボール20の液体と接触する
表面29は収集管100の上部チャンバ115にさらさ
れるように配置される。ボール20の外面はボール座部
45のリップ45aにシールした係合状態で接触し、収
集管100に含まれた液体がボール座部45を通ってボ
ール20とソケット40との間を流れるのが防止され
る。操作者の手指をボール20のタブ22に係合させて
タブ22を環境と接触する表面27の方向に押圧力を加
えると、この押圧力は軸30を中心としてボール20に
力を加え、それによりボール20はソケット40内で軸
30を中心に回転する。この回転動作のときには液体と
接触する表面29はボール座部45のリップ45aと係
合していて、さらに続けてボール20を回転動作させる
とボール座部45のリップ45aと液体と接触する表面
29との間で掻き取り動作が得られる。従って、液体と
接触する表面29に付着しているすべての血液や他の液
体はその表面からボール座部45により掻き落され、リ
ップ45aを越えて通るのを防止される。さらに円筒状
の突出部47の内面のチャネル47aにより、そのよう
な血液や他の汚染物はボール座部45から開口部44に
導かれ、上部チャンバ115に戻る。
させるには、タブ22をソケット40の第1の開口部4
3を完全に越えるようにして、タブ22が第1の開口部
43の縁に位置される。この回転中には、ボール20の
対向する突起部31a及び31bはソケット40の対向
する陥凹部51a及び51bと係合しており、軸30が
偏心した性質であるために、ボール20をソケット40
内でわずかに上方向に持上げる。このように上方向に持
上がるため、ボール20はボール座部45からわずかに
持上がる。ボール座部45は可撓性であるので、ボール
座部45はボールの上方向への移動に追従し、ボール座
部45とボール20との接触関係は維持され、液密シー
ルを維持する。ソケット40内でボール20を完全に回
転させると、軸30が偏心しているために、液体と接触
する表面29はソケット40内に回転し、ソケット40
の内面部41とは非接触の関係になり、環状の隙間39
によって分離される。同様に、環境と接触する表面27
はボール20の全体の球形に対して窪んでいるために、
環境と接触する表面27がソケット40内で回転したと
き、ソケット40の内面部41とは非接触の関係にな
り、環状の隙間37で分離される。
口部43を越えて動かすことでソケット40内のボール
20を完全に回転させると、蓋10は開いた開いた位置
に回転する。環境と接触する表面27はボール20の形
成する全体の球形に対して窪んでいるので、表面27は
そのような回転中にもソケット40の内面部41とは接
触しない。しかし、ボール20を完全に開いた位置に回
転させると、ボール20の全体の球形と環境と接触する
表面27との移行部である環境と接触する表面27の縁
部は、ディンプル42の突起部42aを乗越えて、操作
者に音と触感による“クリックストップ”のフィードバ
ックを与えて、ボール20がソケット40内で完全に回
転したことを示す。この開いた位置では、ボール20の
第1の開口部23はソケット40の第1の開口部43と
整列して、同様に、ボール20の第2の開口部24はソ
ケット40の第2の開口部44と整列して、ボール20
を貫通する通路21は外部の環境と収集管100の上部
チャンバ115とを通じさせる。この配置によってプロ
ーブを挿入したり、上部チャンバ115の内容液を通路
21を通して注ぐ通路が確立する。
ときと逆向きすなわちボール20の通路21に向けてタ
ブ22を押圧することで、蓋10を閉じた位置に戻すこ
とができる。そのような押圧力は蓋10を開いたときと
同様に、軸30のまわりにボール20に力を伝え、ソケ
ット40内のボール20は軸30のまわりを蓋10を開
いたときと逆向きに回転する。この回転動作により液体
と接触する表面29はボール座部45に向って戻され、
表面29は収集管100の上部チャンバ115にされさ
れる本来の位置になる。この回転に際しては、ボール2
0の対向する突起部31a及び31bとソケット40の
対向する陥凹部51a及び51bがカムのように係合し
ているために、ボール20の外面の液体と接触する表面
29は下方向に押し下げられて、ボール座部45を撓ま
せてボール座部45においてボール20とソケット40
との間の液密シールを確保する。
境と接触する表面27は元の位置であるソケット40の
第1の開口部43の周囲に戻り、表面27は外部の環境
にさらされる。環境と接触する表面27はボールの全体
的な球形に対して窪んでいるので、そのように回転させ
るときにもソケット40の内面部41に接触することは
ない。しかし、環境と接触する表面27が元の位置に戻
ると、ボール20の全体の球形と環境と接触する表面2
7との間の移行部である環境と接触する表面27の縁部
はディンプル42を乗越えるときに接触する。この接触
は操作者に音と触感による“クリックストップ”のフィ
ードバックを与えて、ソケット40内のボール20が完
全に閉じた位置に回転したことを示す。さらに、ソケッ
ト40内のボール20が完全に回転して閉じた位置にな
り、ボール20の環境と接触する表面27がディンプル
42を乗越えると、ソケット40の対向する陥凹部51
a及び51bの平坦な縁部53は、ボール20の対向す
る突起部31a及び31bと摩擦係合する。この係合に
よりボール20にはソケット40の下に向けてさらなる
押圧力が働き、ボール20はボール座部45にさらに押
圧される。この下方向の力により、操作者にはさらなる
音と触感による“クリックストップ”のフィードバック
が得られ、ボール20が完全に閉じた位置になったこと
がわかり、さらにボール20とソケット40のボール座
部45との間の液密シールが確実に維持される。
用途に適したあらゆる公知の材料で作ることができる。
好ましくはボール20とソケット40の双方を熱可塑性
材料で構成することがよい。更に好ましくは、ソケット
40とボール座部45とはエラストマー状の材料から構
成し、ボール20はもっと硬質の材料で構成するのがよ
い。最良なのは、ソケット40をポリエチレン又は熱可
塑性エラストマー(TPE)のいずれかから選択される
材料で作り、ボール20はポリスチレン又はポリプロピ
レンのいずれかから選択される材料で作る。このような
材料によれば、蓋10を組立てるときに、ソケット40
の第1の開口部43を通してボール20を押込むことが
できる。ボール20とソケット40は様々な方法で製造
することができる。好ましくは、ボール20とソケット
40とは射出成形のような成形工程で別個に製造され、
その後で蓋10を形成するように組立てる。代りに、ボ
ール20とソケット40とを“デュアルショット”又は
“ツーショット”の成形工程を用いて製造してもよく、
これによれば、ボール20が初めに成形され、ソケット
40はその後でボール20をかぶさるように成形され
る。様々な別の成形法や製造法を利用することもでき
る。
多くの改良を提供する。特に、本発明の蓋は収集容器に
含まれた液体試料がはね上がるのを最小にする。さら
に、収集容器の内部にアクセスするのに蓋を取外す必要
がない。しかも、必要ならば収集容器から蓋を取外すこ
ともできる。蓋は収集容器にしっかりと取付けられる
が、蓋から取外すことなく容器に対して独立して回転さ
せることもできる。このような一体型の蓋を用いれば、
容器の開閉を片手で簡単にできるので、収集容器を開い
たままで放置することが少なくなり、汚染の危険が少な
く技術者が容易に用いることができる。前述した実施形
態に様々な改変を施せることは当業者には明らかであ
る。従って、特に述べた好ましい実施形態は例示を意図
するもので限定を意図しない。発明の真の範囲は、添付
した請求の範囲に示される。
斜視図であって、開いた状態を示している。
斜視図であって、閉じた状態を示している。
ある。
−5線による横断面図である。
−6線による横断面図である。
−7線による横断面図である。
−8線による横断面図である。
横断面図である。
偏心軸を示している。
横断面図である。
視図であって、閉じた状態を示している。
図であって、開いた状態を示している。
る。
って、円筒状の突出部47の切欠部分を示している。
拡大して示す横断面図である。
を示す横断面図である。
Claims (7)
- 【請求項1】 試料収集容器の開口部を環境からシール
するための蓋であって、 貫通する通路が備えられた概略球形のボールを備え、前
記ボールは開いた位置と閉じた位置との間を回転動作す
ることができ、前記通路は前記ボールが前記開いた位置
にあるときに前記収集容器の前記開口部と整列され、前
記ボールが前記閉じた位置にあるときに前記収集容器の
前記開口部と整列されず、 前記開いた位置と前記閉じた位置との間の前記ボールの
前記回転動作に適応するための前記収集容器の前記開口
部に取付け可能なソケットを備え、前記ソケットは前記
ボールのための周辺座部を提供する一体的な可撓性シー
ルを備えていることを特徴とする蓋。 - 【請求項2】 前記シールは圧縮可能であることを特徴
とする請求項1に記載の蓋。 - 【請求項3】 前記シールは前記ボールの外面部に接触
するためのリップを備えていることを特徴とする請求項
1に記載の蓋。 - 【請求項4】 前記リップは前記シールから前記ボール
の前記外面部に対して実質的に垂直な方向に延びている
ことを特徴とする請求項3に記載の蓋。 - 【請求項5】 前記ソケットと前記シールとはエラスト
マー材料でできていることを特徴とする請求項1に記載
の蓋。 - 【請求項6】 前記エラストマー材料は熱可塑性プラス
チックエラストマーであることを特徴とする請求項5に
記載の蓋。 - 【請求項7】 前記エラストマー材料はポリエチレンで
あることを特徴とする請求項5に記載の蓋。
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