JP2938309B2 - 耐火断熱積層炉壁材料 - Google Patents
耐火断熱積層炉壁材料Info
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Description
【０００１】
【産業上の利用分野】本発明は、溶解炉、築熱炉等の炉
壁を構築する耐火断熱積層炉壁材料、特にガラス溶解炉
用耐火断熱積層炉壁材料に関する。
壁を構築する耐火断熱積層炉壁材料、特にガラス溶解炉
用耐火断熱積層炉壁材料に関する。
【０００２】
【従来の技術】従来、溶解炉、特にガラス用溶解炉を構
築する炉壁材料として粘土質耐火物、高珪酸質耐火物、
あるいは不定形耐火物等が使用されてきた。しかしなが
ら、前記耐火物からなる炉体構造では炉内の高熱が外部
に放散し省エネルギ−効果が悪いため、前記耐火物の外
側に伝熱性の小さい断熱材を積層する築炉方法が採用さ
れるようになった。この築炉方法において個別の煉瓦を
積層する方法は、断熱煉瓦層を構築しその上に耐火煉瓦
層を形成するため築炉に時間がかかり作業能率が悪いば
かりでなく、耐火煉瓦層と断熱煉瓦層との間に空隙が生
じ、そこにガラス素地や耐火煉瓦中に存在するアルカリ
を主体とする蒸発物質が拡散移行して沈積し、煉瓦と蒸
発物質とが反応して耐火煉瓦の性能を著しく阻害する等
の欠点を有していた。そのため、耐火煉瓦と断熱煉瓦と
を積層した複合体を構築する築炉方法が提案され、例え
ば特公昭５６−３２２７１号公報には、高珪酸質の耐火
煉瓦と断熱煉瓦とを接合して一体化した複合煉瓦が、ま
た、特開昭６１−１００３５号公報には、内貼煉瓦の外
側に連続気泡を有する断熱煉瓦を接合したフロ−ト槽用
の複合煉瓦がそれぞれ提案されている。
築する炉壁材料として粘土質耐火物、高珪酸質耐火物、
あるいは不定形耐火物等が使用されてきた。しかしなが
ら、前記耐火物からなる炉体構造では炉内の高熱が外部
に放散し省エネルギ−効果が悪いため、前記耐火物の外
側に伝熱性の小さい断熱材を積層する築炉方法が採用さ
れるようになった。この築炉方法において個別の煉瓦を
積層する方法は、断熱煉瓦層を構築しその上に耐火煉瓦
層を形成するため築炉に時間がかかり作業能率が悪いば
かりでなく、耐火煉瓦層と断熱煉瓦層との間に空隙が生
じ、そこにガラス素地や耐火煉瓦中に存在するアルカリ
を主体とする蒸発物質が拡散移行して沈積し、煉瓦と蒸
発物質とが反応して耐火煉瓦の性能を著しく阻害する等
の欠点を有していた。そのため、耐火煉瓦と断熱煉瓦と
を積層した複合体を構築する築炉方法が提案され、例え
ば特公昭５６−３２２７１号公報には、高珪酸質の耐火
煉瓦と断熱煉瓦とを接合して一体化した複合煉瓦が、ま
た、特開昭６１−１００３５号公報には、内貼煉瓦の外
側に連続気泡を有する断熱煉瓦を接合したフロ−ト槽用
の複合煉瓦がそれぞれ提案されている。
【０００３】このように築炉方法に改良がなされる一方
で、作業性、経済性等から炉壁材料は次第に大型化し、
実用的には幅３００〜６００ｍｍ×長さ４５０〜９００
ｍｍ×厚さ１００〜３００ｍｍと、その重量が数十ｋｇ
〜数百ｋｇにも達する炉壁材料が用いられるようになっ
た。確かに、上記に示す複合煉瓦は、連通気泡や独立気
泡を有する断熱煉瓦が用いられるところから軽量化が図
られてはいるが、断熱層も密度が１ｇ／ｃｍ3以上の粘
土を原料としているため軽量化効果は少なく、その作業
は専らクレーンやホイスト等の機械的手段に頼らざるを
得なかった。そのため築炉の作業中に事故が多く発生す
るばかりでなく、作業時間も多くを要し作業性の良い炉
壁材料とはいえなかった。
で、作業性、経済性等から炉壁材料は次第に大型化し、
実用的には幅３００〜６００ｍｍ×長さ４５０〜９００
ｍｍ×厚さ１００〜３００ｍｍと、その重量が数十ｋｇ
〜数百ｋｇにも達する炉壁材料が用いられるようになっ
た。確かに、上記に示す複合煉瓦は、連通気泡や独立気
泡を有する断熱煉瓦が用いられるところから軽量化が図
られてはいるが、断熱層も密度が１ｇ／ｃｍ3以上の粘
土を原料としているため軽量化効果は少なく、その作業
は専らクレーンやホイスト等の機械的手段に頼らざるを
得なかった。そのため築炉の作業中に事故が多く発生す
るばかりでなく、作業時間も多くを要し作業性の良い炉
壁材料とはいえなかった。
【０００４】その上、従来の複合煉瓦で構築されたガラ
ス溶解炉は、耐火煉瓦もまた断熱煉瓦も不透明なため炉
の操業中、仮令ガラス素地が耐火層を浸食し断熱層に達
したとしても外部から察知することができず、最悪の場
合炉壁からガラス素地が漏れ大きな事故が発生してもお
かしくない状態での操業であった。
ス溶解炉は、耐火煉瓦もまた断熱煉瓦も不透明なため炉
の操業中、仮令ガラス素地が耐火層を浸食し断熱層に達
したとしても外部から察知することができず、最悪の場
合炉壁からガラス素地が漏れ大きな事故が発生してもお
かしくない状態での操業であった。
【０００５】
【発明が解決しようとする課題】本発明者は、上記従来
の炉壁材料の有する問題点を解決すべく鋭意研究した結
果、耐火物と二酸化珪素質多孔性発泡体とを組合せるこ
とにより上記欠点のない溶解炉等の炉壁材料が得られる
ことを発見し、本願発明を完成したものである。
の炉壁材料の有する問題点を解決すべく鋭意研究した結
果、耐火物と二酸化珪素質多孔性発泡体とを組合せるこ
とにより上記欠点のない溶解炉等の炉壁材料が得られる
ことを発見し、本願発明を完成したものである。
【０００６】本発明は、軽量で作業性のよい耐火断熱積
層炉壁材料を提供することをその目的とする。
層炉壁材料を提供することをその目的とする。
【０００７】また、本発明は、外部から浸食状態を観察
できる安全性の高い耐火断熱積層炉壁材料を提供するこ
とをその目的とする。
できる安全性の高い耐火断熱積層炉壁材料を提供するこ
とをその目的とする。
【０００８】さらに、本発明は、ガラス溶解炉用材料と
して有用な耐火断熱積層炉壁材料を提供することをその
目的とする。
して有用な耐火断熱積層炉壁材料を提供することをその
目的とする。
【０００９】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成する本発
明は、耐火物と二酸化珪素質多孔性発泡体とを接合して
なる耐火断熱積層炉壁材料に係る。
明は、耐火物と二酸化珪素質多孔性発泡体とを接合して
なる耐火断熱積層炉壁材料に係る。
【００１０】上記二酸化珪素質多孔性発泡体は、本出願
人の出願に系る例えば特えば特開平１−３０８０８８４
６号公報に記載されているように二酸化珪素粉末、好ま
しくは９０％以上の二酸化珪素からなり水酸基を含有す
るシリカ粉末をアンモニア雰囲気中で加熱反応させたの
ち所望形状に成形し焼成するか、またはシリカ粉末を成
形して焼成したのち、アンモニア雰囲気中で加熱反応さ
せたアンモニア化多孔質体を１５００〜１８００℃の温
度に加熱して粉末を融着させるとともに、シリカからガ
スを離脱させることにより製造される。得られた多孔性
発泡体は独立気泡を有する白色発泡体である。該発泡体
の独立気泡の割合を高めると、３次元的格子溝造のネッ
トワークが形成され強度が顕著に高くなるが、大型耐火
煉瓦を支特するには少なくとも見掛け密度が０．３ｇ／
ｃｍ3以上、好ましくは０．４ｇ／ｃｍ3以上である必要
がある。地方、断熱材料としての効果を奏するには見掛
け密度を１ｇ／ｃｍ3以下にコントロールするのがよ
い。前記見掛け密度は多孔性発泡体の調製においてアン
モニア化反応条件を選択することにより容易に達成でき
る。
人の出願に系る例えば特えば特開平１−３０８０８８４
６号公報に記載されているように二酸化珪素粉末、好ま
しくは９０％以上の二酸化珪素からなり水酸基を含有す
るシリカ粉末をアンモニア雰囲気中で加熱反応させたの
ち所望形状に成形し焼成するか、またはシリカ粉末を成
形して焼成したのち、アンモニア雰囲気中で加熱反応さ
せたアンモニア化多孔質体を１５００〜１８００℃の温
度に加熱して粉末を融着させるとともに、シリカからガ
スを離脱させることにより製造される。得られた多孔性
発泡体は独立気泡を有する白色発泡体である。該発泡体
の独立気泡の割合を高めると、３次元的格子溝造のネッ
トワークが形成され強度が顕著に高くなるが、大型耐火
煉瓦を支特するには少なくとも見掛け密度が０．３ｇ／
ｃｍ3以上、好ましくは０．４ｇ／ｃｍ3以上である必要
がある。地方、断熱材料としての効果を奏するには見掛
け密度を１ｇ／ｃｍ3以下にコントロールするのがよ
い。前記見掛け密度は多孔性発泡体の調製においてアン
モニア化反応条件を選択することにより容易に達成でき
る。
【００１１】本発明の耐火断熱積層炉壁材料を使用して
築炉したガラス溶解炉は、ガラス素地が耐火層を浸食し
発泡体層に到達すると炉壁材料が透明なガラスに変化
し、容易に外部から浸食状態を知ることができる。した
がって、本発明の炉壁材料で構築した溶解炉はその危険
管理を容易に行うことができ、ガラス素地の漏洩による
事故を未然に防止することができる。
築炉したガラス溶解炉は、ガラス素地が耐火層を浸食し
発泡体層に到達すると炉壁材料が透明なガラスに変化
し、容易に外部から浸食状態を知ることができる。した
がって、本発明の炉壁材料で構築した溶解炉はその危険
管理を容易に行うことができ、ガラス素地の漏洩による
事故を未然に防止することができる。
【００１２】本発明で使用する耐火物としては、従来か
ら用いられているシャモット質、ロウ石質、高アルミナ
質等の粘土質耐火物、シリカ（ＳｉＯ2）を約７０重量
％以上含有する高珪酸質耐火物または不定形耐火物であ
るアルミナ−シリカ−ジルコニア系キャスタブル耐火物
がよい。
ら用いられているシャモット質、ロウ石質、高アルミナ
質等の粘土質耐火物、シリカ（ＳｉＯ2）を約７０重量
％以上含有する高珪酸質耐火物または不定形耐火物であ
るアルミナ−シリカ−ジルコニア系キャスタブル耐火物
がよい。
【００１３】本発明の耐火断熱積層炉壁材料はガラス溶
解炉の溶解槽や清澄槽等の構築材料として好適である
が、その築炉に当っては、別個に積層して炉を形成する
こともできるが、作業性および耐火物の長期安定性から
耐火物と発泡体とを無機質接着剤を介して一体化した積
層構造体で築炉するのがよい。そして前記無機接着剤と
しては、アルミナセメント、珪石−珪酸ソ−ダ、シリカ
−アルミナ系セメント等の無機結合剤を、水、アルコ−
ル等に懸濁した接着剤等がよい。また、積層耐火炉壁材
料の各層の厚さは築炉する炉の種類、目的、使用条件等
を考慮して適宜選択する必要がある。
解炉の溶解槽や清澄槽等の構築材料として好適である
が、その築炉に当っては、別個に積層して炉を形成する
こともできるが、作業性および耐火物の長期安定性から
耐火物と発泡体とを無機質接着剤を介して一体化した積
層構造体で築炉するのがよい。そして前記無機接着剤と
しては、アルミナセメント、珪石−珪酸ソ−ダ、シリカ
−アルミナ系セメント等の無機結合剤を、水、アルコ−
ル等に懸濁した接着剤等がよい。また、積層耐火炉壁材
料の各層の厚さは築炉する炉の種類、目的、使用条件等
を考慮して適宜選択する必要がある。
【００１４】
【実施例】水酸基約３００ｐｐｍを含有する約９８％の
二酸化珪素粉末を１３００℃の温度で幅４００ｍｍ×長
さ６００ｍｍ×厚さ１００ｍｍの板状体に成形焼成し、
次いでこれにアンモニア雰囲気中で加熱反応させた後、
約１７００℃の温度に約１０分間加熱し溶融発泡させ、
気孔率６０％、見かけ比重０．６ｇ／ｃｍ3の二酸化珪
素質多孔性発泡体１を得た。この二酸化珪素質多孔性発
泡体の圧縮破壊応力は１００ｋｇ／ｃｍ3であり、ま
た、その重量は従来公知の耐火・断熱複合煉瓦の断熱層
（見掛け気孔率５１〜５３％、見掛け比重１．０７〜
１．１０）に比べ約４４％も軽減されている。該二酸化
珪素質多発泡体に無機接着剤２を塗布しその上に同形状
の珪石煉瓦３（見かけ比重１．８８、厚さ３５０ｍｍ）
を載置し大気中に放置して耐火断熱積層炉壁材料を得
る。この耐火断熱積層炉壁材料は、高い圧縮強度を有し
公知の耐火・断熱複合煉瓦とほとんど遜色がなく、しか
も高湿度にも優れているところから、ガラス溶解炉の炉
底煉瓦としても十分利用価値のあるものである。
二酸化珪素粉末を１３００℃の温度で幅４００ｍｍ×長
さ６００ｍｍ×厚さ１００ｍｍの板状体に成形焼成し、
次いでこれにアンモニア雰囲気中で加熱反応させた後、
約１７００℃の温度に約１０分間加熱し溶融発泡させ、
気孔率６０％、見かけ比重０．６ｇ／ｃｍ3の二酸化珪
素質多孔性発泡体１を得た。この二酸化珪素質多孔性発
泡体の圧縮破壊応力は１００ｋｇ／ｃｍ3であり、ま
た、その重量は従来公知の耐火・断熱複合煉瓦の断熱層
（見掛け気孔率５１〜５３％、見掛け比重１．０７〜
１．１０）に比べ約４４％も軽減されている。該二酸化
珪素質多発泡体に無機接着剤２を塗布しその上に同形状
の珪石煉瓦３（見かけ比重１．８８、厚さ３５０ｍｍ）
を載置し大気中に放置して耐火断熱積層炉壁材料を得
る。この耐火断熱積層炉壁材料は、高い圧縮強度を有し
公知の耐火・断熱複合煉瓦とほとんど遜色がなく、しか
も高湿度にも優れているところから、ガラス溶解炉の炉
底煉瓦としても十分利用価値のあるものである。
【００１５】
【発明の効果】本発明の耐火断熱積層炉壁材料は、従来
の炉壁材料に比べ著しく軽量化されており、しかも断熱
層が白色でガラス原料からなるため仮令ガラス素地の流
出があっても、外部からその流出状態が観察でき炉の危
険管理を容易に行なうことができる。
の炉壁材料に比べ著しく軽量化されており、しかも断熱
層が白色でガラス原料からなるため仮令ガラス素地の流
出があっても、外部からその流出状態が観察でき炉の危
険管理を容易に行なうことができる。
図１は本発明の耐火断熱積層材料の断面図である。
１ 二酸化珪素質多孔性発泡体層 ２ 接着剤層 ３ 耐火物層
Claims (3)
- 【請求項１】 二酸化珪素質多孔性発泡体と耐火物とを
接合してなる耐火断熱積層炉壁材料。 - 【請求項２】 二酸化珪素質多孔性発泡体の見かけ密度
が１ｇ／ｃｍ3以下であることを特徴とする請求項１記
載の耐火断熱積層炉壁材料。 - 【請求項３】 耐火断熱積層炉壁材料がガラス溶解炉用
であることを特徴とする請求項１記載の耐火断熱積層炉
壁材料。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP13095893A JP2938309B2 (ja) | 1993-05-10 | 1993-05-10 | 耐火断熱積層炉壁材料 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP13095893A JP2938309B2 (ja) | 1993-05-10 | 1993-05-10 | 耐火断熱積層炉壁材料 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH06323746A JPH06323746A (ja) | 1994-11-25 |
| JP2938309B2 true JP2938309B2 (ja) | 1999-08-23 |
Family
ID=15046614
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP13095893A Expired - Fee Related JP2938309B2 (ja) | 1993-05-10 | 1993-05-10 | 耐火断熱積層炉壁材料 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2938309B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2008249317A (ja) * | 2007-03-08 | 2008-10-16 | Nippon Steel Engineering Co Ltd | 廃棄物溶融炉の炉底構造 |
-
1993
- 1993-05-10 JP JP13095893A patent/JP2938309B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH06323746A (ja) | 1994-11-25 |
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