JPH11322463A - 耐火性強化軽量セラミックスおよびその製造方法 - Google Patents

耐火性強化軽量セラミックスおよびその製造方法

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JPH11322463A
JPH11322463A JP15858198A JP15858198A JPH11322463A JP H11322463 A JPH11322463 A JP H11322463A JP 15858198 A JP15858198 A JP 15858198A JP 15858198 A JP15858198 A JP 15858198A JP H11322463 A JPH11322463 A JP H11322463A
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ceramic
fire
ceramics
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foamed
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JP15858198A
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Katsukuni Imai
克州 今井
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C04CEMENTS; CONCRETE; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES
    • C04BLIME, MAGNESIA; SLAG; CEMENTS; COMPOSITIONS THEREOF, e.g. MORTARS, CONCRETE OR LIKE BUILDING MATERIALS; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES; TREATMENT OF NATURAL STONE
    • C04B38/00Porous mortars, concrete, artificial stone or ceramic ware; Preparation thereof
    • C04B38/02Porous mortars, concrete, artificial stone or ceramic ware; Preparation thereof by adding chemical blowing agents

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 大型なものを製作でき、直接、火に触れた場
合、或いは作製中における温度降下時にもクラックが生
じることがなく、耐火性および強度に優れた耐火性強化
軽量セラミックスおよびその製造方法を提供する。 【解決手段】 本発明の耐火性強化軽量セラミックス1
は、主材となる長石に、耐火性骨材としてペタライト、
ムライトおよびコーディエライトを混合すると共に発泡
剤を添加して焼成したものである。また、本発明の耐火
性強化軽量セラミックスは、発泡セラミックスが陶磁器
素地からなる補強材と複合され強化されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、軽量でかつ耐火性
および強度に優れ、建築用内外装材、断熱材、遮音材、
或いは構築用セラミックパネルとして幅広い用途に好適
に使用できる耐火性強化軽量セラミックスおよびその製
造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、特に建築分野において、軽量
で、かつ防水性および耐候性等耐久性に優れた素材が嘱
望されている。そして、その一方向性として、防水性お
よび耐候性に優れたセラミックスの特性を生かし、セラ
ミックス原料混合物に発泡剤を添加して加熱発泡させ軽
量セラミックスを得る試みが種々なされている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、この種の軽量
セラミックスは、セラミックスの持つ脆弱性から、強度
的に大型のものを得ることが困難で、また、直接、火に
触れるとクラックが生じ易く、さらに、その作製に際し
ても、焼成後、温度が降下する過程でクラックが生じ易
いなど問題が多く、一般的普及に至っていないのが現状
である。
【0004】また、発泡セラミックスを作製する場合、
型枠内に発泡セラミックス原料を充填して焼成するが、
発泡剤によって膨張する関係上、型枠内面との間で焼着
が生じ易く、これを防止するために、型枠内面にアルミ
ナ粉末を充分に塗布したり、或いはアルミナ含有シート
を敷設したりする必要があり、大量生産に不向きな一面
を有している。
【0005】本発明は上記課題を解決するものであり、
即ち、本発明の第1の課題は、大型なものを製作でき、
直接、火に触れた場合、或いは作製中における温度降下
時にもクラックが生じることがなく、耐火性および強度
に優れた耐火性強化軽量セラミックスおよびその製造方
法を提供することにある。
【0006】また、本発明の第2の課題は、大型なもの
を製作でき、型枠内面との間で焼着を生じることがな
く、耐火性および強度に優れた耐熱性強化軽量セラミッ
クスの製造方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記第1の課題を解決す
るものは、主材となる長石に、耐火性骨材としてペタラ
イト、ムライト、さらにはコーディエライトと電融アル
ミナのうち少なくとも一種を混合すると共に発泡剤を添
加して焼成したことを特徴とする耐火性強化軽量セラミ
ックスである。そして、前記耐火性骨材として、さらに
炭化珪素が混合されていることが好ましい。また、骨材
としてさらにタルクが混合されていることが好ましい。
【0008】また、上記第1の課題を解決するものは、
主材となる長石に、耐火性骨材として炭化珪素に加え、
ペタライト、ムライト、コーディエライトのうち2種類
以下を適宜選択して混合すると共に発泡剤を添加して焼
成したことを特徴とする耐火性強化軽量セラミックスで
ある。そして、前記耐火性骨材として、さらに電融アル
ミナが混合されていてもよい。また、骨材としてさらに
タルクが混合されていることが好ましい。
【0009】さらに、上記第1の課題を解決するもの
は、主材となる長石に前記請求項1ないし4のいずれか
に記載した耐火性骨材を混合すると共に発泡剤を添加し
て攪拌し発泡セラミックス原料混合物を作製する工程
と、焼着防止を施した型枠内に前記発泡セラミックス原
料混合物を充填する工程と、前記発泡セラミックス原料
混合物を焼成する工程とを有することを特徴とする耐火
性強化軽量セラミックスの製造方法である。
【0010】さらに、上記第1の課題を解決するもの
は、主材となる長石に各種骨材を混合すると共に発泡剤
を添加して焼成した発泡セラミックス内部に、陶磁器素
地からなる補強材を配設したことを特徴とする耐火性強
化軽量セラミックスである。
【0011】さらに、上記第1の課題を解決するもの
は、主材となる長石と各種骨材を混合すると共に発泡剤
を添加して攪拌し発泡セラミックス原料混合物を作製す
る工程と、焼着防止を施した型枠内に陶磁器素地原料を
被包するようにして前記発泡セラミックス原料混合物を
充填する工程と、前記陶磁器素地原料および前記発泡セ
ラミックス原料混合物を焼成する工程とを有することを
特徴とする耐火性強化軽量セラミックスの製造方法であ
る。そして、前記陶磁器素地原料にも、前記請求項1な
いし4のいずれかに記載した耐火性骨材を混合してもよ
い。
【0012】さらに、上記第1の課題を解決するもの
は、主材となる長石と各種骨材とを混合すると共に発泡
剤を添加して焼成した発泡セラミックスの外面に、陶磁
器素地からなる補強面を配設したことを特徴とする耐火
性強化軽量セラミックスである。
【0013】また、上記第2の課題を解決するものは、
主材となる長石に各種骨材を混合すると共に発泡剤を添
加して攪拌し発泡セラミックス原料混合物を作製する工
程と、型枠内面に陶磁器素地原料を敷設した後、前記発
泡セラミックス原料混合物を充填する工程と、前記陶磁
器素地原料および前記発泡セラミックス原料混合物を焼
成する工程とを有することを特徴とする耐火性強化軽量
セラミックスの製造方法である。そして、前記陶磁器素
地原料にも、前記請求項1ないし4のいずれかに記載し
た耐火性骨材を混合してもよい。
【0014】本発明の耐火性強化軽量セラミックスは、
耐火性骨材として、ペタライト、ムライトおよびコーデ
ィエライトさらには炭化珪素が混合されているため、直
接、火に触れた場合、或いは作製中における温度降下時
にもクラックが生じることがなく、また強度があるため
大型なものの製作が可能である。また、本発明の耐火性
強化軽量セラミックスは、内部に陶磁器素地からなる補
強材を配設しているため、強度が著しく増大されて大型
なものが製作可能となる。さらに、本発明の耐火性強化
軽量セラミックスは、発泡セラミックスの外面に陶磁器
素地からなる補強面を配設しているため、強度が著しく
増大されて大型なものが製作可能となる。さらに、本発
明の耐火性強化軽量セラミックスの製造方法では、型枠
内面に陶磁器素地原料を敷設するため、焼成に際して、
発泡セラミックス原料物と型枠内面とが接触することな
く焼着が防止される。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明の耐火性強化軽量セ
ラミックスおよびその製造方法を各実施例を用いて順次
説明する。図1は本発明の耐火性強化軽量セラミックス
の一実施例の斜視図であり、図2は図1に示した耐火性
強化軽量セラミックスの縦断面図である。
【0016】この実施例の耐火性強化軽量セラミックス
1は、主材となる長石に、耐火性骨材としてペタライ
ト、ムライトおよびコーディエライトを混合すると共に
発泡剤を添加して焼成したものである。以下、各構成材
料について順次説明する。
【0017】本発明の耐火性強化軽量セラミックス1は
長石を主材とするものであり、長石は焼成により熔融し
て主成分を形成する。この長石としては粉砕し、さらに
ボールミルなどで粉末化したものを用いることが好まし
い。
【0018】ペタライトは、土鍋などの耐火性材料とし
て使用されるものであり、直火に接した場合の熱衝撃性
に極めて優れている。ムライトは、特に低温域(常温〜
500℃前後)における熱衝撃性に優れており、耐食性
を備えると共に機械的強度を増大させ、ガス気密性にも
優れている。コーディエライトは広い温度範囲(常温〜
800℃前後)にわたって極めて低い熱膨張率を有し、
急激な温度変化に対する熱衝撃性に優れている。
【0019】このように、図1および図2に示した耐火
性強化軽量セラミックス1は、耐火性材料として、上記
3種類が使用されており、広い温度範囲にわたって耐火
性が付与されているため、直接、火に触れた場合、或い
は作製中における温度降下時にもクラックが生じること
がなく、また強度があるため大型なものの製作が可能と
なる。
【0020】なお、コーディエライトに代えて電融アル
ミナを使用してもよく、或いは前記3種類の耐火性骨材
に加えて電融アルミナを使用してもよい。なお、この電
融アルミナは、焼結アルミナに比して高温における変形
が少なく耐熱性に優れ、強度、耐摩耗性および耐食性に
も優れた材料である。
【0021】さらに、上記骨材の他に、耐火性骨材とし
て炭化珪素を加えてもよい。炭化珪素は、高温域(80
0℃以上)における耐火性を強化すると共に強度を著し
く高め、さらに耐摩耗性、耐圧性、耐酸性に優れた材料
である。そして、この耐火性骨材として使用される炭化
珪素は、100メッシュ〜150メッシュ程度の粒径で
あることが好ましい。
【0022】このように、本発明の耐火性強化軽量セラ
ミックスは、複数の耐火性骨材を使用して発泡セラミッ
クスの脆弱性を克服したものであり、上記のように、耐
火性骨材の組み合わせとしては、(1)ペタライト、ムラ
イトおよびコーディエライト、(2)ペタライト、ムライ
トおよび電融アルミナ、(3)ペタライト、ムライト、コ
ーディエライトおよび電融アルミナ、(4)ペタライト、
ムライト、コーディエライトおよび炭化珪素、(5)ペタ
ライト、ムライト、電融アルミナおよび炭化珪素、(6)
ペタライト、ムライト、コーディエライト、電融アルミ
ナおよび炭化珪素であるが、これらの他に、(7)炭化珪
素およびペタライト、(8)炭化珪素およびムライト、(9)
炭化珪素およびコーディエライト、(10)炭化珪素、ペタ
ライトおよびムライト、(11)炭化珪素、ペタライトおよ
びコーディエライト、(12)炭化珪素、ムライトおよびコ
ーディエライト、または(7)ないし(12)に電融アルミナ
を加えたもの、さらに(9),(11),(12)においてコーディ
エライトを電融アルミナに代替したものなどが挙げられ
る。
【0023】また、本発明の耐火性強化軽量セラミック
スの他の骨材としては、タルクが用いられることが好ま
しく、このタルクは融剤として機能すると共に結合力を
高め強度を増大させる。その他の骨材としては、焼結ア
ルミナ或いは骨灰などが使用されてもよく、さらに曲げ
強度および圧縮強度を増大させるために、酸化鉄、酸化
チタン、アルミニウム、酸化錫などの金属性骨材を混合
してもよい。なお、発泡剤としては、窒化珪素または炭
化珪素が好適に使用できる。
【0024】つぎに、本発明の耐火性強化軽量セラミッ
クスの製造方法の一実施例について説明する。なお、こ
の実施例の耐火性強化軽量セラミックスの製造方法は、
主材となる長石に前述した耐火性骨材の組み合わせのう
ちいずれか(請求項1ないし4のいずれかに記載した耐
火性骨材の組み合わせ)を使用した耐火性強化軽量セラ
ミックスの製造方法であるが、その一例として、図1お
よび図2に示した耐火性強化軽量セラミックス1の製造
方法を説明する。
【0025】耐火性強化軽量セラミックス1は、主材と
なる長石に耐火性骨材として、ペタライト、ムライトお
よびコーディエライトを混合すると共に発泡剤を添加し
て攪拌し発泡セラミックス原料混合物を作製する工程
と、焼着防止を施した型枠内に前記発泡セラミックス原
料混合物を充填する工程と、前記発泡セラミックス原料
混合物を焼成する工程とを経て作製される。以下、各工
程について順次説明する。
【0026】発泡セラミックス原料混合物を作製する工
程では、主材となる長石粉末に、耐火性骨材であるペタ
ライト、ムライトおよびコーディエライトと、粘土、タ
ルクおよび発泡剤として窒化珪素または炭化珪素を混合
して攪拌した。
【0027】発泡セラミックス原料混合物の組成は特に
限定されないが、この実施例では、長石60.55重量
%、ペタライト10重量%、ムライト5重量%、コーデ
ィエライト10重量%、粘土10重量%、タルク4重量
%、発泡剤(炭化珪素)0.45重量%を調整使用し
た。さらに、所望に応じて、炭酸カルシウム、炭酸マグ
ネシウム、炭酸バリウム、炭酸ストロンチウム、塩化マ
グネシウム、石膏、アルミナ、炭化ケイ素、リン酸カル
シウム、ドロマイト、ケイ石、フライアッシュ、シラ
ス、フラックス、シャモット、脂肪酸塩、界面注性剤等
を配合してもよい。なお、発泡セラミックス原料混合物
の構成材料は、すべて粉体であることが好ましく、これ
により混練作業が不要となり製造が極めて容易となる。
【0028】型枠内に発泡セラミックス原料混合物を充
填する工程では、耐火物にて構成された型枠が好適に使
用されるが、この実施例では、厚さ20mmのアルミナ
板により構成された縦1000mm×横500mm×高
さ500mmの型枠を使用した。そして、焼着を防止す
るために、アルミナ粉末を型枠内面に塗布したり、アル
ミナ含有シートを配設する必要があるが、この実施例で
は、型枠の凹状内面にアルミナ含有シートを敷設して全
面被覆し焼着防止を施した。さらに、前述した発泡セラ
ミックス原料混合物を型枠内に充填するが、この実施例
では、型枠の高さ1/3程度まで発泡セラミックス原料
混合物を充填した。
【0029】発泡セラミックス原料混合物を焼成する工
程では、発泡セラミックス原料混合物を充填した型枠を
電気炉、シャトル炉、トンネル炉などの加熱炉に装入し
焼成する。焼成温度および焼成時間は、セラミックス原
料混合物の組成などにより異なるが、炉内温度が約11
00℃〜1300℃を保持するようにして数時間ないし
は数十時間行う。なお、この実施例では、1250℃で
8時間焼成した。
【0030】この焼成に伴って発泡セラミックス原料混
合物は、400℃程度で水分が除かれ、ついで800〜
1000℃で若干の収縮か生じ、そして1000℃を越
えると、急激に膨張して体積が3倍程度となる。さら
に、1250℃付近まで加熱し所要時間焼成した後、徐
々に冷却すると収縮し体積は2倍程度となる。
【0031】以上のような工程を経て作製された本発明
の耐火性強化軽量セラミックスは、特に耐火性および強
度に優れており、防音性、耐熱性、耐酸性、気密性およ
び液密性をも備えている。さらに、成形容易性を有し、
カッターなどの切断手段を用いて切断することができ、
所望の寸法に容易に裁断成形することができる。なお、
前述した工程の後、表面を研削研磨する工程を設けても
よく、さらに、表面がポーラス表面であることより、孔
内に粘土、ガラス粉或いはガラス繊維などを装填して平
滑面とし、釉薬などを塗布して再度750〜1100℃
で焼成してもよい。
【0032】つぎに、図3および図4に示した本発明の
耐火性強化軽量セラミックスについて説明する。なお、
図3は本発明の耐火性強化軽量セラミックスの他の実施
例の斜視図であり、図4は図3に示した耐火性強化軽量
セラミックスの縦断面図である。
【0033】この実施例の耐火性強化軽量セラミックス
10は、主材となる長石に各種骨材を混合すると共に発
泡剤を添加して焼成した発泡セラミックス11内部に、
陶磁器素地からなる補強材12a,12bを配設したも
のである。このような補強材12を発泡セラミックス1
1内部に設けることにより耐火性強化軽量セラミックス
の強度を高め、より大型の軽量セラミックスを作製する
ことができる。
【0034】長石と混合する各種骨材は、請求項1ない
し4に記載した耐火性骨材であることが好ましいがこれ
に限定されるものではなく、従来の軽量セラミックスで
用いられている骨材でもよい。なお、この実施例では、
耐火性強化軽量セラミックス1で使用した骨材を用い
た。また、発泡剤も耐火性強化軽量セラミックス1と同
様炭化珪素を使用した。
【0035】そして、この実施例の耐火性強化軽量セラ
ミックス10の主たる特徴は、図3および図4に示すよ
うに、発泡セラミックス11内部に、陶磁器素地からな
る補強材12a,12bを配設する点である。
【0036】補強材12a,12bを構成する陶磁器素
地としては、土器素地、陶器素地、せっ器素地、磁器素
地或いは粘土質を含まない鉱物や結晶を原料とするニュ
ーセラミックス(特殊磁器)などいずれでもよいが、好
ましくは強度性に優れ低廉な磁器素地である。なお、陶
磁器素地を形成する陶磁器素地原料中にも、請求項1な
いし4のいずれかに記載した耐火性骨材が混合されてい
ることが好ましい。なお、補強材を構成する材料として
は、鋼材などを使用して配筋してもよく、さらに金属板
を配設してもよい。
【0037】この実施例の補強材12は、図3および図
4に示すように発泡セラミックス11内部において、長
手方向に略平行に延在する2本の補強材12a,12b
からなっているが、補強材12の配設構造はこれに限定
されるものではなく、発泡セラミックス11内部に配さ
れていればよく、例えば発泡セラミックス内部に一以上
の板状体が配設されるもの、環状体が配設されるものな
ども広く本発明の範疇に包含される。
【0038】さらに、上記耐火性強化軽量セラミックス
10の製造方法について説明する。耐火性強化軽量セラ
ミックス10は、主材となる長石と各種骨材を混合する
と共に発泡剤を添加して攪拌し発泡セラミックス原料混
合物を作製する工程と、焼着防止を施した型枠内に陶磁
器素地原料を被包するようにして前記発泡セラミックス
原料混合物を充填する工程と、陶磁器素地原料および発
泡セラミックス原料混合物を焼成する工程とを経て作製
される。
【0039】なお、発泡セラミックス原料混合物を作製
する工程および陶磁器素地原料および発泡セラミックス
原料混合物を焼成する工程は、前述した耐火性強化軽量
セラミックス1の製造方法とほぼ同様であり説明を省略
する。
【0040】発泡セラミックス原料混合物を充填する工
程では、焼着防止を施した型枠内に陶磁器素地原料を被
包するようにして発泡セラミックス原料混合物を充填す
る。具体的には、焼着防止を施した型枠内に、まず、発
泡セラミックス原料混合物の一部を充填する。ついで、
所望とする補強材の配設状態を考慮して陶磁器素地原料
を充填する。さらに、発泡セラミックス原料混合物の残
部を陶磁器素地原料を被包するようにして上方より充填
する。この後、陶磁器素地原料および発泡セラミックス
原料混合物を共に焼成することにより図3および図4に
示した耐火性強化軽量セラミックス10を容易に作製で
きる。なお、この製造方法は、陶磁器素地および発泡セ
ラミックスを同時に焼成するものであるが、予め陶磁器
素地を焼成し、焼成した陶磁器素地を型枠内に充填する
発泡セラミックス原料混合物内に配設してもよい。ただ
し、同時に焼成する方が作製容易であり好ましい。
【0041】つぎに、図5に示した耐火性強化軽量セラ
ミックス20について説明する。なお、図5は本発明の
耐火性強化軽量セラミックスの他の実施例の斜視図であ
る。この実施例の耐火性強化軽量セラミックス20は、
主材となる長石と各種骨材とを混合すると共に発泡剤を
添加して焼成した発泡セラミックスの外面に、陶磁器素
地からなる補強面を配設したものである。
【0042】この耐火性強化軽量セラミックス20と前
述した耐火性強化軽量セラミックス10との相違は、陶
磁器素地からなる補強部が、発泡セラミックスの内部で
はなく、外面に配設されている点のみであり他は同じで
ある。同一部分については説明を省略する。
【0043】すなわち、この実施例の耐火性強化軽量セ
ラミックス20は、図5に示すように、発泡セラミック
ス21の両面にそれぞれ陶磁器素地からなる補強面22
a,22bが設けられており、これにより、耐火性強化
軽量セラミックス20の強度が著しく増大されている。
【0044】ただし、補強面21の配設構造はこれに限
定されるものではなく、発泡セラミックス21の外面に
配設されているものを広く包含するものであり、例えば
片面のみに陶磁器素地からなる補強面が設けられていて
もよく、補強面が全面ではなく部分的に配設されていて
もよく、或いは部分的に散在して設けられていてもよ
い。さらに、発泡セラミックスの外面に設けられた陶磁
器素地からなる補強面に加え、発泡セラミックスの内部
に配設された陶磁器素地からなる補強材をも備えるもの
であってもよく、さらに発泡セラミックスの外面に設け
られた陶磁器素地からなる補強面に釉薬を施して意匠性
を高めてもよい。
【0045】さらに、上記耐火性強化軽量セラミックス
20の製造方法について説明する。耐火性強化軽量セラ
ミックス20は、主材となる長石に各種骨材を混合する
と共に発泡剤を添加して攪拌し発泡セラミックス原料混
合物を作製する工程と、型枠内面に陶磁器素地原料を敷
設した後、発泡セラミックス原料混合物を充填する工程
と、陶磁器素地原料および発泡セラミックス原料混合物
を焼成する工程とを経て作製される。
【0046】なお、発泡セラミックス原料混合物を作製
する工程は、前述した耐火性強化軽量セラミックス10
の製造方法と同様であり、また、陶磁器素地原料および
発泡セラミックス原料混合物を焼成する工程は、前述し
た耐火性強化軽量セラミックス10の製造方法と同様で
あり説明を省略する。
【0047】この製造方法の特徴は、発泡セラミックス
原料混合物を充填する工程にあり、型枠内面に陶磁器素
地原料を敷設した後、発泡セラミックス原料混合物を充
填する点にある。すなわち、この製造方法では、型枠内
面にまず陶磁器素地原料を敷設するため、発泡セラミッ
クスの焼成に際して必要であった入念な焼着防止処理が
不要であり、また型枠に焼成物が焼着してしまうことが
ない。そして、陶磁器素地原料充填後に発泡セラミック
ス原料混合物を充填し、さらにその上方から陶磁器素地
原料を充填する。この状態で陶磁器素地原料および発泡
セラミックス原料混合物を共に焼成することにより図5
に示した両面に陶磁器素地からなる補強面22a,22
bを配した耐火性強化軽量セラミックス10が作製され
る。なお、片面のみに陶磁器素地からなる補強面を配す
る場合は、陶磁器素地原料を敷設した後、発泡セラミッ
クス原料混合物を充填するのみでよく、また、陶磁器素
地からなる補強面を散在して設ける場合は、部分的に陶
磁器素地原料を敷設すればよい。なお、陶磁器素地原料
と発泡セラミックス原料混合物は、同時に焼成しても長
石の熔融熔着作用により、陶磁器素地が発泡セラミック
スより容易に剥離してしまうことはない。
【0048】
【発明の効果】請求項1に記載した発明によれば、大型
のものを作製でき、直接、火に触れた場合、或いは作製
中における温度降下時にもクラックが生じることがな
く、耐火性および強度に優れた耐火性強化軽量セラミッ
クスが得られる。請求項2に記載した発明によれば、よ
り耐火性および強度に優れた耐火性強化軽量セラミック
スが得られる。請求項3に記載した発明によれば、大型
のものを作製でき、直接、火に触れた場合、或いは作製
中における温度降下時にもクラックが生じることがな
く、耐火性および強度に優れた耐火性強化軽量セラミッ
クスが得られる。請求項4に記載した発明によれば、よ
り耐熱性および強度に優れた耐火性強化軽量セラミック
スが得られる。請求項5に記載した発明によれば、結合
力を高めより強度に優れた耐火性強化軽量セラミックス
が得られる。請求項6に記載した発明によれば、請求項
1ないし5に記載した発明を容易に作製することができ
る。請求項7に記載した発明によれば、より強度に優れ
た耐火性強化軽量セラミックスが得られる。請求項8に
記載した発明によれば、請求項7に記載した発明を容易
に作製することができる。請求項9に記載した発明によ
れば、より強度に優れた耐火性強化軽量セラミックスが
得られる。請求項10に記載した発明によれば、焼成に
際して発泡セラミックス原料物と型枠内面が接触するこ
となく焼着が防止されると共に、耐火性および強度に優
れた大型の耐火性強化軽量セラミックスを作製すること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の耐火性強化軽量セラミックスの一実施
例の斜視図である。
【図2】図1に示した耐火性強化軽量セラミックスの縦
断面図である。
【図3】本発明の耐火性強化軽量セラミックスの他の実
施例の斜視図である。
【図4】図3に示した耐火性強化軽量セラミックスの縦
断面図である。
【図5】本発明の耐火性強化軽量セラミックスの他の実
施例の斜視図である。
【符号の説明】
1 耐火性強化軽量セラミックス 12 補強材 22 補強面

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 主材となる長石に、耐火性骨材としてペ
    タライト、ムライト、さらにはコーディエライトと電融
    アルミナのうち少なくとも一種を混合すると共に発泡剤
    を添加して焼成したことを特徴とする耐火性強化軽量セ
    ラミックス。
  2. 【請求項2】 前記耐火性骨材として、さらに炭化珪素
    を混合した請求項1に記載の耐火性強化軽量セラミック
    ス。
  3. 【請求項3】 主材となる長石に、耐火性骨材として炭
    化珪素に加え、ペタライト、ムライト、コーディエライ
    トのうち2種類以下を適宜選択して混合すると共に発泡
    剤を添加して焼成したことを特徴とする耐火性強化軽量
    セラミックス。
  4. 【請求項4】 前記耐火性骨材としてさらに電融アルミ
    ナを混合した請求項3に記載の耐火性強化軽量セラミッ
    クス。
  5. 【請求項5】 骨材としてさらにタルクを混合した請求
    項1ないし4のいずれかに記載の耐火性強化軽量セラミ
    ックス。
  6. 【請求項6】 主材となる長石と前記請求項1ないし4
    のいずれかに記載した耐火性骨材を混合すると共に発泡
    剤を添加して攪拌し発泡セラミックス原料混合物を作製
    する工程と、焼着防止を施した型枠内に前記発泡セラミ
    ックス原料混合物を充填する工程と、前記発泡セラミッ
    クス原料混合物を焼成する工程とを有することを特徴と
    する耐火性強化軽量セラミックスの製造方法。
  7. 【請求項7】 主材となる長石と各種骨材とを混合する
    と共に発泡剤を添加して焼成した発泡セラミックス内部
    に、陶磁器素地からなる補強材を配設したことを特徴と
    する耐火性強化軽量セラミックス。
  8. 【請求項8】 主材となる長石と各種骨材とを混合する
    と共に発泡剤を添加して攪拌し発泡セラミックス原料混
    合物を作製する工程と、焼着防止を施した型枠内に陶磁
    器素地原料を被包するようにして前記発泡セラミックス
    原料混合物を充填する工程と、前記陶磁器素地原料およ
    び前記発泡セラミックス原料混合物を焼成する工程とを
    有することを特徴とする耐火性強化軽量セラミックスの
    製造方法。
  9. 【請求項9】 主材となる長石と各種骨材とを混合する
    と共に発泡剤を添加して焼成した発泡セラミックスの外
    面に、陶磁器素地からなる補強面を配設したことを特徴
    とする耐火性強化軽量セラミックス。
  10. 【請求項10】 主材となる長石に各種骨材を混合する
    と共に発泡剤を添加して攪拌し発泡セラミックス原料混
    合物を作製する工程と、型枠内面に陶磁器素地原料を敷
    設した後、前記発泡セラミックス原料混合物を充填する
    工程と、前記陶磁器素地原料および前記発泡セラミック
    ス原料混合物を焼成する工程とを有することを特徴とす
    る耐火性強化軽量セラミックスの製造方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011148676A (ja) * 2009-12-22 2011-08-04 Lixil Corp 発泡軽量タイル用原料、発泡軽量タイル及びその製造方法
CN108178611A (zh) * 2016-12-08 2018-06-19 辽宁法库陶瓷工程技术研究中心 一种利用工业废渣制备异型发泡陶瓷的方法
CN114988859A (zh) * 2022-06-11 2022-09-02 广东欧文莱陶瓷有限公司 一种具有导热功能的陶瓷薄板

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