JP3202376B2 - 金属を骨格とした陶磁器質焼結体 - Google Patents
金属を骨格とした陶磁器質焼結体Info
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- JP3202376B2 JP3202376B2 JP34800992A JP34800992A JP3202376B2 JP 3202376 B2 JP3202376 B2 JP 3202376B2 JP 34800992 A JP34800992 A JP 34800992A JP 34800992 A JP34800992 A JP 34800992A JP 3202376 B2 JP3202376 B2 JP 3202376B2
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- ceramic
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- ceramic sintered
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- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C04—CEMENTS; CONCRETE; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES
- C04B—LIME, MAGNESIA; SLAG; CEMENTS; COMPOSITIONS THEREOF, e.g. MORTARS, CONCRETE OR LIKE BUILDING MATERIALS; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES; TREATMENT OF NATURAL STONE
- C04B35/00—Shaped ceramic products characterised by their composition; Ceramics compositions; Processing powders of inorganic compounds preparatory to the manufacturing of ceramic products
- C04B35/71—Ceramic products containing macroscopic reinforcing agents
- C04B35/74—Ceramic products containing macroscopic reinforcing agents containing shaped metallic materials
- C04B35/76—Fibres, filaments, whiskers, platelets, or the like
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- Engineering & Computer Science (AREA)
- Ceramic Engineering (AREA)
- Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
- Manufacturing & Machinery (AREA)
- Materials Engineering (AREA)
- Structural Engineering (AREA)
- Organic Chemistry (AREA)
- Compositions Of Oxide Ceramics (AREA)
- Manufacturing Of Tubular Articles Or Embedded Moulded Articles (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は金属を骨格とした陶磁
器質焼結体に関するものである。さらに詳しくは、この
発明は、建築構造材料あるいは下水道管などの土木材料
等として、高い破壊強度が必要な材料分野に利用される
陶磁器質焼結体に関するものである。
器質焼結体に関するものである。さらに詳しくは、この
発明は、建築構造材料あるいは下水道管などの土木材料
等として、高い破壊強度が必要な材料分野に利用される
陶磁器質焼結体に関するものである。
【0002】
【従来の技術とその課題】鉄筋で補強された窯業系材料
は鉄筋コンクリート、A.L.Cなど、広く建築や土木
分野において使用されているが、いずれもセメント質材
料に限られている。また、ガラス材料の分野では、板ガ
ラスの内部に金網を入れて一体化成形した「網入りガラ
ス」が知られており、破損し易いガラス材料を金属で補
強したものとして広く使用されている。この板ガラス
は、セラミックスとしては熱膨張率が高く、金属に近い
材料であること、および線径の細い金網を使用し、ガラ
スの凝固温度である600〜700℃からの冷却過程に
おいて、熱膨張率の差により内部に発生する潜在応力が
比較的小さいことがこのような製品を可能としている。
は鉄筋コンクリート、A.L.Cなど、広く建築や土木
分野において使用されているが、いずれもセメント質材
料に限られている。また、ガラス材料の分野では、板ガ
ラスの内部に金網を入れて一体化成形した「網入りガラ
ス」が知られており、破損し易いガラス材料を金属で補
強したものとして広く使用されている。この板ガラス
は、セラミックスとしては熱膨張率が高く、金属に近い
材料であること、および線径の細い金網を使用し、ガラ
スの凝固温度である600〜700℃からの冷却過程に
おいて、熱膨張率の差により内部に発生する潜在応力が
比較的小さいことがこのような製品を可能としている。
【0003】このように、セメント質材料および板ガラ
スについては、鉄筋や金属網で補強したものが知られて
いるが、いずれも極めて限られた材料分野での応用であ
って、「脆くてこわれ易い」欠点を有する陶磁器質材料
については、いまだ金属材料による補強は実用的に完成
されていないのが実情である。このような状況におい
て、この発明の発明者によって、「金属複合セラミック
ス焼結体」が提案されているが、この焼結体は繊維状ま
たは切片状の金属を分散させて補強したものであって、
部分的な補強効果は発揮されるが、製品としての骨格を
有さないため、構造材料として信頼度が低く、使用分野
が制約されていた。
スについては、鉄筋や金属網で補強したものが知られて
いるが、いずれも極めて限られた材料分野での応用であ
って、「脆くてこわれ易い」欠点を有する陶磁器質材料
については、いまだ金属材料による補強は実用的に完成
されていないのが実情である。このような状況におい
て、この発明の発明者によって、「金属複合セラミック
ス焼結体」が提案されているが、この焼結体は繊維状ま
たは切片状の金属を分散させて補強したものであって、
部分的な補強効果は発揮されるが、製品としての骨格を
有さないため、構造材料として信頼度が低く、使用分野
が制約されていた。
【0004】このため、陶磁器質焼結体に、骨格となる
金属材料を一体化した製品の実現が求められていたが、
このことは、以下の理由によって極めて困難な課題であ
ると考えられていた。 (1)金属は一般にセラミックスの約2倍に近い熱膨張
率を持ち、焼結時に内部に封入されると金属の膨張によ
り組織が破壊される。 (2)鉄筋など金属は500℃を越えると急激に表面か
ら酸化して酸化層を形成して容積をさらに拡大すると共
に、長時間の高温度加熱により酸化層が広がり、鉄筋が
段々と細くなって補強効果が著しく低下する。
金属材料を一体化した製品の実現が求められていたが、
このことは、以下の理由によって極めて困難な課題であ
ると考えられていた。 (1)金属は一般にセラミックスの約2倍に近い熱膨張
率を持ち、焼結時に内部に封入されると金属の膨張によ
り組織が破壊される。 (2)鉄筋など金属は500℃を越えると急激に表面か
ら酸化して酸化層を形成して容積をさらに拡大すると共
に、長時間の高温度加熱により酸化層が広がり、鉄筋が
段々と細くなって補強効果が著しく低下する。
【0005】従って、金属を骨格として一体化焼結した
陶磁器質材料は従来技術によっては実現不可能であっ
た。この発明は、以上の通りの事情に鑑みてなされたも
のであり、従来技術の限界を克服し、製品強度として最
も信頼度の高い金属材料を骨格として、焼結体内部へ、
安定状態でこれを埋設した金属を骨格とする陶磁器質焼
結体を提供することを目的としている。
陶磁器質材料は従来技術によっては実現不可能であっ
た。この発明は、以上の通りの事情に鑑みてなされたも
のであり、従来技術の限界を克服し、製品強度として最
も信頼度の高い金属材料を骨格として、焼結体内部へ、
安定状態でこれを埋設した金属を骨格とする陶磁器質焼
結体を提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】(CaO+MgO+Al
2 O 3 )/SiO 2 の比が0.6〜1.5とされた化学成
分が、溶融されてガラス質として産出されたものを主原
料として20〜95重量%含み、成形助剤としての金属
塩または水硬性セメント類の1種以上が、原料に3〜2
0重量%配合された陶磁器組成物の焼結体である陶磁器
質焼結体に、線状、棒状、または金網状の金属材料が、
所定の骨格配置で埋設一体化されていることを特徴とす
る金属を骨格とした陶磁器質焼結体を提供する。また、
この発明は、埋設一体化される金属材料の表面層に、金
属材料の1%以上の厚さとされた有機質糊の塗膜が形成
されていることを一態様としている。
2 O 3 )/SiO 2 の比が0.6〜1.5とされた化学成
分が、溶融されてガラス質として産出されたものを主原
料として20〜95重量%含み、成形助剤としての金属
塩または水硬性セメント類の1種以上が、原料に3〜2
0重量%配合された陶磁器組成物の焼結体である陶磁器
質焼結体に、線状、棒状、または金網状の金属材料が、
所定の骨格配置で埋設一体化されていることを特徴とす
る金属を骨格とした陶磁器質焼結体を提供する。また、
この発明は、埋設一体化される金属材料の表面層に、金
属材料の1%以上の厚さとされた有機質糊の塗膜が形成
されていることを一態様としている。
【0007】すなわち、この発明における前記組成物
は、昇温とともに、80×10-7/℃以上の熱膨張率を
保ちながら、ほぼ直線的に膨張し続け、1000℃以上
の焼結温度においても焼結による収縮は0.5%を超え
ることはなく、収縮の少ない組成物である。一般の陶磁
器組成物は、昇温過程において、石英は、変態により大
きく膨張し、570〜600℃を超えると、熱膨張率は
80×10-7/℃以上になるが、一方で、600℃以下
では、粘土成分の収縮などにより熱膨張率は50〜60
×10-7/℃程度の低いレベルにとどまり、1000℃
以上の焼結温度において5〜10%という大きな焼結収
縮を示す。
は、昇温とともに、80×10-7/℃以上の熱膨張率を
保ちながら、ほぼ直線的に膨張し続け、1000℃以上
の焼結温度においても焼結による収縮は0.5%を超え
ることはなく、収縮の少ない組成物である。一般の陶磁
器組成物は、昇温過程において、石英は、変態により大
きく膨張し、570〜600℃を超えると、熱膨張率は
80×10-7/℃以上になるが、一方で、600℃以下
では、粘土成分の収縮などにより熱膨張率は50〜60
×10-7/℃程度の低いレベルにとどまり、1000℃
以上の焼結温度において5〜10%という大きな焼結収
縮を示す。
【0008】このため、一般の陶磁器組成物の場合に
は、たとえば図1(A)に示したように、膨張、収縮に
ともない大きな変曲点を示し、たとえば120〜150
×10-7/℃の熱膨張率により直線的に膨張する金属材
料(図1(B))との膨張相似性を持ち得ないため、焼
結において、金属材料の膨張による破壊から逃れられな
い。
は、たとえば図1(A)に示したように、膨張、収縮に
ともない大きな変曲点を示し、たとえば120〜150
×10-7/℃の熱膨張率により直線的に膨張する金属材
料(図1(B))との膨張相似性を持ち得ないため、焼
結において、金属材料の膨張による破壊から逃れられな
い。
【0009】だが、この発明においては、陶磁器組成物
は、図1(C)に示したように、金属材料と膨張相似性
を維持して直線的に膨張する。このため、金属材料と焼
結体としての一体化が可能となる。このようなこの発明
における陶磁器組成物は、前述の通り、(CaO+Mg
O+Al2O3)/SiO2の比が0.6〜1.5とされ
た化学成分が、溶融されてガラス質として産出されたも
のを主原料として20〜95重量%含み、成形助剤とし
ての金属塩または水硬性セメント類の1種以上が、原料
に3〜20重量%配合された組成物である。必要に応じ
てさらに非収縮性原料を配合することもできる。この陶
磁器組成物は、0.5%以内の収縮で焼結される。ガラ
ス質水滓は、過熱過程において850〜950℃で発熱
反応を起こしながら結晶化し、わずかに膨張を示して反
応焼結する特性を有する。このガラス質を主原料として
20重量%以上含有する組成物は、1000℃以上の焼
結温度において、焼結収縮率が0.5%以下の範囲に調
整される。配合割合が大きくなるほど、焼結体は膨張性
を示すが、この発明では、焼結体製品の寸法安定性の点
から、ガラス質の配合割合は20〜95重量%としてい
る。
は、図1(C)に示したように、金属材料と膨張相似性
を維持して直線的に膨張する。このため、金属材料と焼
結体としての一体化が可能となる。このようなこの発明
における陶磁器組成物は、前述の通り、(CaO+Mg
O+Al2O3)/SiO2の比が0.6〜1.5とされ
た化学成分が、溶融されてガラス質として産出されたも
のを主原料として20〜95重量%含み、成形助剤とし
ての金属塩または水硬性セメント類の1種以上が、原料
に3〜20重量%配合された組成物である。必要に応じ
てさらに非収縮性原料を配合することもできる。この陶
磁器組成物は、0.5%以内の収縮で焼結される。ガラ
ス質水滓は、過熱過程において850〜950℃で発熱
反応を起こしながら結晶化し、わずかに膨張を示して反
応焼結する特性を有する。このガラス質を主原料として
20重量%以上含有する組成物は、1000℃以上の焼
結温度において、焼結収縮率が0.5%以下の範囲に調
整される。配合割合が大きくなるほど、焼結体は膨張性
を示すが、この発明では、焼結体製品の寸法安定性の点
から、ガラス質の配合割合は20〜95重量%としてい
る。
【0010】成形助剤として珪酸ソーダ、珪酸カリなど
の金属塩を用いる場合には、3〜10重量%が適当であ
り、3重量%未満では充分な成形強度が得られず、10
重量%を超えると、経済性の面で問題となる。ポルトラ
ンドセメント、高炉セメントなどの水硬性セメント類を
使用する場合には、10〜20重量%の範囲で調整す
る。これらの成形助剤は、単独もしくは混合して使用さ
れる。また、陶磁器組成物は、目的とする製品に要求さ
れる物性や製品の大きさなどにより、あらかじめ高温度
で焼成し、収縮しないものとした陶磁器や煉瓦等を粉砕
したシャモット類や、フライアッシュ、あるいは軽量化
の目的でパーライト等を配合することもできる。
の金属塩を用いる場合には、3〜10重量%が適当であ
り、3重量%未満では充分な成形強度が得られず、10
重量%を超えると、経済性の面で問題となる。ポルトラ
ンドセメント、高炉セメントなどの水硬性セメント類を
使用する場合には、10〜20重量%の範囲で調整す
る。これらの成形助剤は、単独もしくは混合して使用さ
れる。また、陶磁器組成物は、目的とする製品に要求さ
れる物性や製品の大きさなどにより、あらかじめ高温度
で焼成し、収縮しないものとした陶磁器や煉瓦等を粉砕
したシャモット類や、フライアッシュ、あるいは軽量化
の目的でパーライト等を配合することもできる。
【0011】さらにまた、この発明において焼結体内部
に埋設される金属材料としては、鉄筋としての鉄線、そ
の他の丸棒もしくは角棒、金網等が使用される。この場
合、金属材料は、鉄材に限られることはなく、熱膨張性
が鉄材に近似した各種の金属材料が使用されることは言
うまでもない。これらの金属材料は、一般的に上記の陶
磁器組成物と比べて熱膨張の程度が大きいが、この差を
吸収するために、金属材料表面に澱粉、ポリビニルアル
コール、C.M.Cなどの有機質糊の塗膜を付与してお
くことが有効である。この有機質糊は、陶磁器組成物内
部の酸素の少ない状態では容易に焼失することはなく、
約350℃から炭化が始まり、1200℃においても、
炭素としてたとえば鉄筋の表面層に残留する。そして、
この炭素が残留する限り、鉄筋等の金属材料の酸化は容
易に進行することはなく、たとえば鉄筋を焼成完了後に
切開して表面状態を観察すると、滲炭層のような光沢の
ある表面が観察される。有機質糊層の厚さは、実験結果
から、鉄筋等の金属材料の直径の0.5%で良いが、表
面層に残る残留炭素量および金属材料の長手方向の収縮
にともなう応力の吸収を考慮すると、有機質糊層の厚さ
は、金属材料の直径の1.0%以上とするのが望まし
い。有機質糊層の厚さが0.05mm以上必要な場合
は、木炭粉、紙粉などを混合するのが有効である。
に埋設される金属材料としては、鉄筋としての鉄線、そ
の他の丸棒もしくは角棒、金網等が使用される。この場
合、金属材料は、鉄材に限られることはなく、熱膨張性
が鉄材に近似した各種の金属材料が使用されることは言
うまでもない。これらの金属材料は、一般的に上記の陶
磁器組成物と比べて熱膨張の程度が大きいが、この差を
吸収するために、金属材料表面に澱粉、ポリビニルアル
コール、C.M.Cなどの有機質糊の塗膜を付与してお
くことが有効である。この有機質糊は、陶磁器組成物内
部の酸素の少ない状態では容易に焼失することはなく、
約350℃から炭化が始まり、1200℃においても、
炭素としてたとえば鉄筋の表面層に残留する。そして、
この炭素が残留する限り、鉄筋等の金属材料の酸化は容
易に進行することはなく、たとえば鉄筋を焼成完了後に
切開して表面状態を観察すると、滲炭層のような光沢の
ある表面が観察される。有機質糊層の厚さは、実験結果
から、鉄筋等の金属材料の直径の0.5%で良いが、表
面層に残る残留炭素量および金属材料の長手方向の収縮
にともなう応力の吸収を考慮すると、有機質糊層の厚さ
は、金属材料の直径の1.0%以上とするのが望まし
い。有機質糊層の厚さが0.05mm以上必要な場合
は、木炭粉、紙粉などを混合するのが有効である。
【0012】有機質糊が燃焼を開始し、炭化して容積が
減少し始める約350℃までの鉄筋と陶磁器組成物との
熱膨張率の差は、わずかに0.1%以内であり、陶磁器
組成物に及ぼす鉄筋の膨張応力を充分弾性吸収すること
ができることが確認されている。以下、実施例を示し、
さらに詳しくこの発明について説明する。
減少し始める約350℃までの鉄筋と陶磁器組成物との
熱膨張率の差は、わずかに0.1%以内であり、陶磁器
組成物に及ぼす鉄筋の膨張応力を充分弾性吸収すること
ができることが確認されている。以下、実施例を示し、
さらに詳しくこの発明について説明する。
【0013】
【実施例】以下の条件で、サイズ300mm×600m
m×20mmの陶磁器質成形体の内部に直径5mmの鉄
筋を埋設成形し、ローラーハースキルンを用いて昇温速
度20℃/分で1200℃まで昇温させ、約20分間保
持した後、30℃/分の冷却速度で冷却し、焼結製品を
得た。 (1)鉄筋の表面処理 澱粉と木炭粉を1:1の重量比に混合し、10〜12倍
の水を加え、加温して糊を調製した後、鉄筋表面に膜厚
約0.2mm程度に塗布し、乾燥した。 (2)鉄筋の配列と結着 図2に示したように、陶磁器質成形体(1)のほぼ中心
部に鉄筋(2)を埋設した。鉄筋(2)の交差部分は、
1.0mm径の針金でルーズに結着した。 (3)陶磁器組成物の配合 次の表1の通りの配合比(重量比)とした。
m×20mmの陶磁器質成形体の内部に直径5mmの鉄
筋を埋設成形し、ローラーハースキルンを用いて昇温速
度20℃/分で1200℃まで昇温させ、約20分間保
持した後、30℃/分の冷却速度で冷却し、焼結製品を
得た。 (1)鉄筋の表面処理 澱粉と木炭粉を1:1の重量比に混合し、10〜12倍
の水を加え、加温して糊を調製した後、鉄筋表面に膜厚
約0.2mm程度に塗布し、乾燥した。 (2)鉄筋の配列と結着 図2に示したように、陶磁器質成形体(1)のほぼ中心
部に鉄筋(2)を埋設した。鉄筋(2)の交差部分は、
1.0mm径の針金でルーズに結着した。 (3)陶磁器組成物の配合 次の表1の通りの配合比(重量比)とした。
【0014】
【表1】
【0015】(4)成形方法 NO.1、NO.2は粉末加圧成形方法で150kg/cm
2 の圧力で成形し、NO.3は水分30〜50%を加えて
セメントモルタルとして混練し、金型間へ振動充填成形
し、60℃の水蒸気雰囲気中で24時間養生硬化させ
た。 (5)焼結後の製品の外観および内部切開になる鉄筋周
辺の亀裂観察 以下の結果が観察された。
2 の圧力で成形し、NO.3は水分30〜50%を加えて
セメントモルタルとして混練し、金型間へ振動充填成形
し、60℃の水蒸気雰囲気中で24時間養生硬化させ
た。 (5)焼結後の製品の外観および内部切開になる鉄筋周
辺の亀裂観察 以下の結果が観察された。
【0016】 NO.1 外観及び内部に全く亀裂部分発生なし NO.2 外観及び内部に全く亀裂部分発生なし NO.3 外観及び内部に全く亀裂部分発生なし (6)焼結製品の物性 表2の物性値が確認された。
【0017】
【表2】
【0018】なお、上記表2の焼結収縮の欄の+は、膨
張を、−は、収縮を、それぞれ示している。また、曲げ
強度の欄には、スパン200mmで中央に荷重をかけな
がら表面を観察し、陶磁器組成物に亀裂が発見された時
点の強度値を示している。NO.1、NO.2、NO.3のいずれの
試料も、1000kg/cm2の荷重下において鉄筋と
陶磁器組成物が分離することはなかった。
張を、−は、収縮を、それぞれ示している。また、曲げ
強度の欄には、スパン200mmで中央に荷重をかけな
がら表面を観察し、陶磁器組成物に亀裂が発見された時
点の強度値を示している。NO.1、NO.2、NO.3のいずれの
試料も、1000kg/cm2の荷重下において鉄筋と
陶磁器組成物が分離することはなかった。
【0019】
【発明の効果】従来、常識では不可能とされていた鉄筋
等の金属骨格が埋設一体化された陶磁器質焼結体が提供
される。強度信頼性の高い鉄骨等の金属材料と耐候性の
高いセラミックスの特徴を生かした建築用構造材料とし
ての新しい素材が提供される。
等の金属骨格が埋設一体化された陶磁器質焼結体が提供
される。強度信頼性の高い鉄骨等の金属材料と耐候性の
高いセラミックスの特徴を生かした建築用構造材料とし
ての新しい素材が提供される。
【図1】この発明における鉄筋および陶磁器組成物の熱
膨張性を、従来の陶磁器組成物と比較して示した温度相
関図である。
膨張性を、従来の陶磁器組成物と比較して示した温度相
関図である。
【図2】実施例としてのこの発明の金属を骨格とした陶
磁器質焼結体を示した平断面図および正断面図である。
磁器質焼結体を示した平断面図および正断面図である。
1 陶磁器質成形体 2 鉄筋
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C04B 35/74 - 35/76 C04B 33/36
Claims (2)
- 【請求項1】 (CaO+MgO+Al 2 O 3 )/SiO
2 の比が0.6〜1.5とされた化学成分が、溶融され
てガラス質として産出されたものを主原料として20〜
95重量%含み、成形助剤としての金属塩または水硬性
セメント類の1種以上が、原料に3〜20重量%配合さ
れた陶磁器組成物の焼結体である陶磁器質焼結体に、線
状、棒状、または金網状の金属材料が、所定の骨格配置
で埋設一体化されていることを特徴とする金属を骨格と
した陶磁器質焼結体。 - 【請求項2】 埋設一体化される金属材料の表面層に、
金属材料の1%以上の厚さとされた有機質糊の塗膜が形
成されている請求項1記載の金属を骨格とした陶磁器質
焼結体。
Priority Applications (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP34800992A JP3202376B2 (ja) | 1992-12-28 | 1992-12-28 | 金属を骨格とした陶磁器質焼結体 |
PCT/JP1993/000185 WO1994014728A1 (en) | 1992-12-28 | 1993-02-12 | Ceramic sintered body having metallic skeleton |
CN 93103459 CN1088898A (zh) | 1992-12-28 | 1993-03-01 | 以金属作骨架的陶瓷质烧结制品 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP34800992A JP3202376B2 (ja) | 1992-12-28 | 1992-12-28 | 金属を骨格とした陶磁器質焼結体 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06191957A JPH06191957A (ja) | 1994-07-12 |
JP3202376B2 true JP3202376B2 (ja) | 2001-08-27 |
Family
ID=18394125
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP34800992A Expired - Fee Related JP3202376B2 (ja) | 1992-12-28 | 1992-12-28 | 金属を骨格とした陶磁器質焼結体 |
Country Status (3)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3202376B2 (ja) |
CN (1) | CN1088898A (ja) |
WO (1) | WO1994014728A1 (ja) |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN103474312B (zh) * | 2013-09-09 | 2016-08-10 | 电子科技大学 | 一种行波管夹持杆及其制备方法 |
CN106045472B (zh) * | 2016-05-27 | 2018-10-30 | 江西萍乡龙发实业股份有限公司 | 一种复合材料生态陶瓷透水砖的制备方法 |
CN106321626A (zh) * | 2016-10-17 | 2017-01-11 | 北京动力机械研究所 | 一种作动器用耐高温关节轴承 |
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