JP2938214B2 - 血小板凝集阻害作用を持つ新規なモノクローナル抗体、およびその断片 - Google Patents

血小板凝集阻害作用を持つ新規なモノクローナル抗体、およびその断片

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はヒト血小板凝集を強力に
阻害する活性がある新規なモノクローナル抗体、及びそ
の断片に関する。更に詳しくは、本発明は血小板膜糖蛋
白質(グリコプロテイン)IIb/IIIa(以下GP
IIb/IIIaという)に対する特異性、親和性に優
れ、かつヒトの血小板凝集を強力に阻害し、機能的なフ
ィブリノーゲン受容体としてのGPIIb/IIIa複
合体の精製や抗原量の測定により有利に用いることが出
来るばかりでなく、巨核芽細胞の分化のマーカー分子と
して新規な血小板増殖因子の探索の手段として用いた
り、更には体内診断薬として血小板血栓の部位やGPI
Ib/IIIaを表面に発現するようになったある種の
癌細胞の部位を探索したり、或は血小板凝集を伴った疾
患やGPIIb/IIIaを表面に発現するようになっ
たある種の癌細胞を含む癌の治療薬としても利用できる
可能性を持つ新規なモノクローナル抗体、及びその断片
に関する。
【0002】
【従来の技術】血小板は血液中に存在する無核細胞であ
る。流血中の血小板は、傷害された血管内皮細胞に接触
すると、そこで粘着、凝集反応を起こす。この反応は生
理的な止血機序にとって重要な意味を持っている。この
反応に、血小板表面に存在する膜蛋白質群が重要な役割
を果たしていることが知られている。中でもとりわけ重
要なのがGPIIb/IIIaと呼ばれる膜蛋白質複合
体である。GPIIb/IIIaは血小板活性化に伴っ
てCa2+濃度依存的にコンフォーメーション変化を起
こし、フィブリノーゲン受容体として機能し、血小板を
架橋する。GPIIb/IIIaはRGD(アルギニン
−グリシン−アスパラギン酸)配列を持った蛋白質分子
群に対する受容体群(インテグリン・ファミリー)の一
員である。その他の膜蛋白質群についても、各々血小板
機能に深く関与した物質であることが近年次々と明らか
になってきている。例えば、トロンビン凝集にはGPI
b/IX及びGPVが重要な役割を果たしている。ま
た、PADGEM/GMP140のように血小板活性化
にともなってその表面上に表れる分子も発見されてい
る。
【0003】一方で生理的な止血機序に関わっているの
みでなく、数々の血栓性疾患に血小板は深く関与してい
ることが知られている。血栓性疾患に於て、血栓の位置
を感度高く、また精度良く知ることは治療戦略を立てる
上で重要なことであり、これまでにフィブリノーゲンを
放射性標識したり、血小板を放射性標識して血栓部位を
探索する試みが数多く行われてきた。しかしながら、こ
れらの技術は未だその特異性、精度に於いて不十分なも
のであり、改善が期待されている。また他方では、ティ
ッシュー・プラスミノーゲン・アクチベーター(t−P
A)やscu−PA等の新しい血栓溶解剤を用いた心筋
梗塞の治療に於ける再開通後再閉塞や、狭心症治療に於
けるPTCA後再狭窄といった問題に於いて明らかにな
ってきたように、一つの機序に基づいた治療のみでは現
在の段階では完全な治療は困難で、血栓性疾患の治療に
於いても、血小板機能を抑えることが重要な課題になり
つつある(これらの点についてはたとえばN.Eng
l.J.Med.第322巻第1号第33頁(1990
年)に詳しく記述されている。)。血小板機能を抑える
上では、フィブリノーゲン受容体として血小板凝集の最
終段階で機能するGPIIb/IIIaの位置づけはた
いへん重要である。
【0004】GPIIb/IIIaの血小板活性化に伴
う分子の変化を調べる為の探り針(probe)とし
て、或は巨核芽細胞の分化のマーカー分子として、また
はGPIIb/IIIa欠損性疾患である血小板無力症
等の病因を探る手段として、等種々の目的でこれまでに
GPIIb/IIIaに対するいくつかの抗体が得られ
てきた。例えばAP2[J.Clin.Invest.
第71巻第385頁(1983年)],LJP5[J.
Clin.Invest.第76巻第1950頁(19
85年)],PAC−1[J.Biol.Chem.第
260巻第20号第11107頁(1985年)],G
i4[Thromb.Res.第38巻第547頁(1
985年)]等である。いくつかの抗体については、血
栓の部位探索の体内診断薬、或は抗血小板剤としての利
用が考えられ、研究が進められてきた。
【0005】こうした動きの中で、本発明の抗体と類似
する抗体として、コラー等(Colleret a
l.)は複数の抗GPIIb/IIIaモノクローナル
抗体を発展させた。このうち10E5と名付けられた抗
体及びその断片は文献[J.Clin.Inves
t.,第72巻第325頁(1983年)]によって公
知であり、7E3と名付けられた抗体及びその断片は、
特許公報[特開昭62−30728号及び特開昭62−
29995号]によって公知である。これら2つの抗体
はマウス骨髄腫細胞X63−Ag8.653BALB/
cと予め血小板によって免疫処置されたマウスからの脾
細胞との融合によって形成されたハイブリドーマによっ
て産生されるモノクローナル抗体で、10E5は正常血
小板とは容易に反応するがイヌ血小板とは反応せずAD
Pによって誘発されるフィブリノーゲンの血小板との相
互作用を阻止することを特徴とするIgG2aクラスの
モノクローナル抗体であり、7E3は正常ヒト血小板及
びイヌ血小板と容易に反応し、ADPによって誘発され
るフィブリノーゲンの血小板との相互作用を完全に阻止
することを特徴とするIgGクラスのモノクローナル
抗体である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】10E5はそのサブク
ラスがIgG2aである。マウスIgG2aは、IgG
とは異なり、補体系を活性化する。生体内で補体系を
活性化することは、治療薬として抗体を用いようとする
時、血小板減少など、本来期待すべき作用とは異なる副
作用を惹起せしめる可能性が高く、不利にはたらくこと
がある。また7E3はイヌ血小板と反応性であるが、こ
のことは霊長類の血小板とのみ反応するタイプの抗体に
比較して、その特異性に於いて劣ると考えられる。また
7E3は血小板に対する親和性に於いても若干ではある
が10E5に劣っている(7E3ではKd値が3.4n
M、それに対して10E5ではKd値が1.2nM
J.Clin.Invest.第76巻第101頁(1
985年))。
【0007】またこれらを含む従来のモノクローナル抗
体は、抗原に対する親和性、或は特異性に劣り、動物に
投与した際に血小板減少をもたらしたり、血管内皮細胞
に結合して血管内皮傷害の恐れがあるなど、治療薬、或
は体内診断薬の材料として考えるとき、或は巨核芽球系
細胞の分化マーカーその他の目的に用いるとき、未だ不
十分であり、その改善が強く望まれていた。すなわち、
GPIIb/IIIaに対するモノクローナル抗体とし
て10E5及び7E3モノクローナル抗体等に優る性質
を有し、しかも治療薬としてはヒト試験に先立ち生体内
試験が行ない得るようにサル等の試験動物血小板とも反
応する抗体の提供が強く望まれていた。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、これらの
問題点を克服するため、予め血小板及びその可溶化膜画
分によって免疫されたマウスからの脾細胞とP3X63
Ag8/U1マウス骨髄腫細胞との融合によってハイブ
リドーマを形成し、下記性質を持つことを特徴とするモ
ノクローナル抗体の取得を試み、成功した。本発明のモ
ノクローナル抗体は、ヒト血小板と反応性であり、高い
親和性を持ち(非活性化血小板上で解離定数 Kd=
0.83±0.15nM)、かつ、ヒト血管内皮細胞と
実質上非反応性である。また、サル血小板と反応性であ
り、イヌ、ウサギ、ラット、マウスの血小板とは非反応
性である。また、ヒト及びサルのアデノシン二燐酸(A
DP)、ウマ腱コラーゲン、トロンビン、アラキドン
酸、エピネフリンによる血小板凝集反応をin vit
roで阻害する。本発明のモノクローナル抗体はヒト血
小板上の抗原決定因子を認識し、その抗原決定因子はG
PIIb/IIIaであることを特徴としている。
【0009】しかし、ヒト血小板膜をドデシル硫酸ナト
リウム(SDS)で可溶化、変性し、電気泳動を行っ
て、ニトロセルロース膜上に転写して調製したGPII
およびIIIaには非反応性である。更に、ヒト血小
板上に活性化時にのみ発現されるフィブリノーゲン受容
体と反応性であり、ヒト血小板の活性化時にフィブリノ
ーゲンとの相互作用を阻害する。そして、GPIIb/
IIIaのフィブリノーゲン結合部位、或いはその近傍
を抗原決定部位として認識する。本発明のモノクローナ
ル抗体はIgGであり、そのサブクラスはIgGアイ
ソタイプである。更に本発明抗体は、サルに静脈内単回
投与した実験において、血小板減少を引き起こさず、A
DP、ウマ腱コラーゲンによる血小板凝集反応をex
vivoで阻害する点で、抗血小板剤としての有用性も
高いものである。また、本発明抗体の蛋白質分解酵素に
よる消化断片例えばF(ab′)、Fab′も同様の
活性を持つことを明らかにし、より応用の可能性を広げ
たものである。
【0010】このような性質を有するモノクローナル抗
体、及び断片は従来全く知られておらず、新規なモノク
ローナル抗体、及び断片である。本発明のモノクローナ
ル抗体は、IgGであるという点で上記10E5とは
明確に異なり、イヌ血小板に反応しない、という点で上
記7E3とも明確に異なる。IgGであるということ
は重要な意味を持つ。マウスIgG2aは補体系を活性
化させるので、治療薬としての利用を考えたとき不利で
ある。また、霊長類以外の血小板、例えばイヌ血小板と
本抗体が反応しないということは、本抗体が進化の過程
で保存されていない、霊長類に於いて特異的な特別な抗
原決定基を認識していると考えられ、その特異性の高さ
を裏付けるものと考えられる。本抗体は更にその血小板
への高い親和性、また血管内皮細胞とは反応しないとい
う特異性を大きな特徴としており、新規であるというば
かりではなく産業上有用な抗体である。
【0011】本発明のモノクローナル抗体、或は断片と
しては上記性質をすべて兼ね備えたものであればいずれ
も包括されるが、特にヒト血小板及びその可溶化膜画分
で感作して上述のように作製したモノクローナル抗体C
4G1及びその断片F(ab’)Fab’、Fabが
挙げられる。モノクローナル抗体C4G1はマウスハイ
ブリドーマC4G1、或はハイブリドーマC4G1を限
界希釈法等の方法で更にクローニングして選ばれるとこ
ろの、例えば抗体生産性が高いC4G1細胞の変種を培
地またはマウスの腹水中で培養することにより生産され
る。その断片F(ab’)、Fab’、Fabはモノ
クローナル抗体C4G1を、蛋白質分解酵素、好ましく
はトリプシン、パパイン、ペプシンからなる群より選ば
れた酵素を用いて消化し、適切な精製を行うことによっ
て得られる。或はC4G1遺伝子の一部を発現ベクター
に組み込み、大腸菌に導入して生産させることによって
も得ることが出来る。マウスハイブリドーマC4G1は
健常人血小板及びその可溶化膜画分で感作したBalb
/c系マウスの脾細胞とマウスの骨髄腫細胞P3X63
Ag8/U1(P3U1)とを常法、例えばケーラーと
ミルスタイン(Kueller and Milste
in)の細胞融合法により融合して得ることが出来る
(後記実施例参照)。(尚、マウスハイブリドーマC4
G1は工業技術院微生物工業枝術研究所に寄託され、受
託番号 微工研菌寄第11852号を与えられた。)
【0012】上記ハイブリドーマを培養する培地として
は、ダルベッコ氏変法イーグル氏最少必須培地(Dal
becco’s modified minimum
essential medium;以下DMEMと略
称する)にウシ胎仔血清、L−グルタミン、グルコー
ス、ピルビン酸ナトリウム、2−メルカプトエタノール
及び抗生物質(例えばペニシリンG、ストレプトマイシ
ン、ゲンタマイシン等)を含有せしめた培地等が使われ
る。この発明のハイブリドーマの培養は通常、培地中で
37℃にて5%二酸化炭素、95%空気の気相で2〜4
日間、或は2,6,10,14−テトラメチルペンタデ
カン(商品名プリスタン、アルドリッチ社製)で前処置
されたBa1b/c系マウスの腹腔内にて10〜20日
間程度で行われ、精製可能な量の抗体が産生される。こ
のように製造されたモノクローナル抗体は培養上清或は
腹水から蛋白質の単離精製の常法により分離精製するこ
とが出来る。そのような方法としては例えば、遠心分
離、透析、硫酸アンモニウムによる塩析、DEAE−セ
ルロース、ハイドロキシルアパタイト、プロテイン−A
アガロース等によるカラムクロマトグラフィー等が挙げ
られる。このように分離精製された抗体につき、常法に
より、ペプシン、パパイン等の蛋白質分解酵素によって
消化を行い、引続き蛋白質の単離精製の常法によって単
離精製を行って活性ある断片、例えばF(ab’)
Fab’、Fab、Fvを得ることができる。
【0013】
【実施例】以下実施例を掲記し、本発明を詳細に説明す
る。 実施例 1 ハイブリドーマC4G1の調製 a)血小板の調製 本発明のモノクローナル抗体は血小板の単離から始めて
次のように作られる。血液を正常のヒトのドナーから得
て、0.1Mクエン酸塩緩衝溶液で9:1(v/v)の
比で凝血防止した。このクエン酸塩含有血液を160×
gで10分間遠心分離することにより血小板濃厚血漿
(PRP)を調製した。更に250×gで15分間遠心
分離することにより血小板を濃縮し、タイロード−ヘペ
ス(Tyrode−HEPES)緩衝液に再懸濁して血
小板濃縮体を単離した。
【0014】このようにして調製した血小板濃縮体の一
部を用いて血小板膜画分を調製した。10 個/ml
に調製した血小板浮遊液1mlを5mlのグリセリン
(0−40%)勾配に載せ、スイングローターを使って
4℃、1500×gで30分間、更に引き続いて600
0×gで10分間遠心して、ペレットを得た。このペレ
ットに0.4mlの0.25Mスクロース−10mMト
リス−塩酸緩衝液を加えて充分ピペッティングしながら
浮遊させ、更にvortexミキサーで5分間充分撹拌
した。これを3mlのスクロースの上に重層し、スイン
グローターを使って4℃、63,500×gで60分間
遠心した。このとき遠心管内で見られた両液の間の白い
層を、パスツールピペットを用いて吸い上げ、タイロー
ド−ヘペス緩衝液を5ml加えて充分混和し4℃、10
5,000×gで45分間遠心した。このようにして得
られたペレットをそのまま−80℃で次の目的に用いる
まで保存した。これが血小板膜画分である。これに1%
Triton−X100−生理食塩水を少量加えて溶解
し、更に蛋白質濃度を10mg/mlに調製したものが
可溶化膜画分である。
【0015】b)免疫した脾細胞の調製 Balb/c系雌マウス(免疫開始時で6週齢)に、一
匹当り5×10個の血小板を0.5mlの燐酸緩衝生
理的食塩水(PBS)に懸濁させたものと、50μg/
250μlに調製した可溶化膜画分を同容量のフロイン
ド完全アジュバントと混合して乳濁化させたものを同時
に腹腔内投与した(初回免疫)。以後1〜2週間の間隔
で3回、別のドナーからの血小板及び初回免疫と同量の
可溶化膜画分を同容量のフロインド不完全アジュバント
と混合して乳濁化させたものでブースター投与を行っ
た。第4回免疫の6週間後、一匹当り5×10個の血
小板を0.5mlの燐酸緩衝生理的食塩水(PBS)に
懸濁させて、腹腔内投与した(最終免疫)。最終免疫の
3日後に脾臓細胞を3匹のマウスから採取し、DMEM
培地に懸濁させた。赤血球は0.17M塩化アンモニウ
ムで0℃にて10分間処理することにより破壊し、遠心
分離することにより除去した。
【0016】c)ハイブリドーマC4G1の調製 上記で調製した脾細胞(5×10個)をマウス骨髄腫
細胞 P3X63Ag8・U1(P3U1)(1×10
個)と、ケーラーとミルスタインの方法[Natur
e,第256巻第495頁(1975年)参照]により
融合した。即ち脾細胞とP3U1細胞をDMEMで数回
洗浄した後、両者を50mlプラスチック製遠心管に入
れ、充分混合した。次いで遠心分離して培地を除去し、
これに37℃に保温した50%(w/v)ポリエチレン
グリコール(シグマ社製、平均分子量3640)を含む
DMEM1mlを1分間を要して撹拌下徐々に加えた。
次に37℃に保温したDMEM10mlを滴下して細胞
融合反応を終了させた。
【0017】反応液を遠心分離し、上澄液を除去した
後、HAT培地[ヒポキサンチン(1×10−4M)、
アミノプテリン(4×10−7M)、チミジン(1.6
×10−5M)を添加した10%ウシ胎仔血清を含むD
MEM培地]を残さに加え、脾細胞濃度が5×10−5
細胞数/mlになるようにした。この懸濁液を96穴プ
ラスチック製プレートに、1穴当り200μl(脾細胞
1×10−5個)ずつ分注した。3〜4日毎に培地の半
量を吸引除去し、上記HAT培地を加えた。細胞融合の
7〜10日後約半数の穴の中に於てハイブリドーマの増
殖がみられた。下記d)及びe)の方法で培養上清中の
抗体活性を測定した。陽性のクローンは48穴プラスチ
ック製プレートに移し、更に24穴プラスチック製プレ
ートに移し、アミノプテリンをなくす以外は上述したも
のと同じ培地で培養した。クローンを拡張し、更に抗体
を産生する事を続けた細胞は、DMEM−10%DMS
O中に懸濁し液体窒素中にて冷凍した。単クローン性を
保証するために、このクローンは限界希釈法によって、
順次クローニングを行った。こうして得られたクローン
の1つをC4G1と名付けた。またハイブリドーマ・ク
ローンC4G1によって産生されるモノクローナル抗体
もC4G1と命名した。
【0018】d)抗血小板凝集活性の測定 PRP(血小板濃厚血漿)(3×10/ml)200
μlと検定されるべき培養上清或は腹水或は精製抗体標
品25μlを、シリコン・コートされた円筒型ガラスマ
イクロキュベット中で5分間37℃で保温したのち、A
DP、ウマ腱コラーゲン、アラキドン酸、エピネフリン
(シグマ社製)等の凝集惹起物質を添加し、37℃で1
0分間保温した。250μlのPPP(血小板欠乏血
漿)を対照として、8チャンネル血小板凝集測定装置
(HEMA−TRACER/二光バイオサイエンス社
製)にてその光透過度変化を測定した。血小板凝集活性
は光透過度の変化で表わし、血小板凝集阻害活性はDM
EM或は標品を溶解している緩衝液を添加したときの最
大凝集活性を対照として求めた。
【0019】e)エライザ(ELISA)法による抗体
活性の測定 96穴平底マイクロタイタープレートの各ウェル(穴)
に可溶化膜画分或は精製したGPIIb/IIIaを
0.05M炭酸ナトリウムに1μg/mlで溶解し、2
00μlずつ添加し、湿潤室中で一晩4℃に保存した。
そののち、溶液を捨て、1%BSAを含む10mMトリ
ス緩衝食塩水(TBS,pH8.0)を200μlずつ
添加し、37℃で1時間静置し、各ウェルの未吸着画分
をブロックした。その後、0.05%ツィーン20(T
ween 20,商品名)を含むTBS(TBS−Tw
een)溶液で3分間ずつ数回洗浄を行った。
【0020】C4G1培養上清或は腹水或は各種検体
を、0.1%BSAを含むTBS−Tween(BSA
−TBS−Tween)溶液で希釈し、200μlずつ
各ウェルに添加し、37℃で2時間反応を行った。先と
同様にTBS−Tween溶液で洗浄後、BSA−TB
S−Tween溶液で1μg/mlに希釈した西洋ワサ
ビペルオキシダーゼ標識抗マウス抗体(アマシャム社
製)を200μlずつ各ウェルに添加し、37℃で2時
間反応を行った。反応後、先と同様にTBS−Twee
n溶液で洗浄後、酵素基質として、0.006%過酸化
水素水、並びに0.1mg/mlの3,3’,5,5’
−テトラメチルベンチジンを含む0.1M酢酸−クエン
酸ナトリウム緩衝液(pH5.8)を200μlずつ添
加し、室温で15分間静置した。静置後、3M硫酸を5
0μlずつ加え反応を停止し、450nmの吸光度を測
定した。
【0021】実施例 2 モノクローナル抗体の産生と精製 a)モノクローナル抗体の産生 Balb/c系雌マウス、生後5〜6週齢に2,6,1
0,14−テトラメチルペンタデカン(プリスタン,商
品名、アルドリッチ社製)0.5mlを腹腔内注射した
後、7〜14日後に1×10個のハイブリドーマC4
G1を生理的食塩水0.5mlに懸濁して腹腔内に接種
した。10〜20日後に産生された腹水を屠殺開腹した
マウスより採取した。1匹のマウスより5〜10mlの
モノクローナル抗体含有腹水が得られた。
【0022】b)モノクローナル抗体の精製 この腹水につき遠心分離して不溶物除去後、等容量の飽
和硫酸アンモニウム溶液を加え、4℃で一晩撹拌した。
生じた沈澱を遠心分離し、少量の0.9%の塩化ナトリ
ウムを含む0.1M燐酸緩衝溶液(pH8)に溶解し、
一晩4℃にて100倍容の同緩衝液に対して透析を行
い、粗精製ガンマグロブリン画分を得た。この画分よ
り、MAPS−IIマウスモノクローナル抗体精製キッ
ト(商標、バイオラッドラボラトリーズ社製)を利用し
てIgGを精製した。即ち、ガンマグロブリン画分に同
容量のバインディングバッファーを加え、混合した後、
同じバインディングバッファーで充分平衡化したPro
tein A−Sepharose CL4B(ファル
マシア社製)を充填したカラム(ゲルベッドボリューム
20ml)にかけ、バインディングバッファー10カラ
ム容量で洗浄した。ついでキットに含まれる溶出バッフ
ァー約5カラム容量でIgGを溶出した。溶出したIg
Gは硫酸アンモニウムによる塩析にて濃縮し、0.9%
の塩化ナトリウムを含む0.01〜0.1Mの燐酸緩衝
液等に対して透析し、これを抗体C4G1の精製標品と
した。通常腹水1ml当りIgGとして7〜21mgの
抗体C4G1の精製標品が得られた。
【0023】c)モノクローナル抗体の酵素消化、フラ
グメントの調製 実施例2bにおいて精製した抗体C4G1精製標品につ
いて、その100mg(/20ml)を0.2M酢酸ナ
トリウム緩衝液(pH4.5)に透析し、同緩衝液に溶
解した1mgのペプシン(シグマ社製)を添加し、37
℃で17時間孵置し、反応液に1規定水酸化ナトリウム
溶液を滴下し、pHを8として反応を停止させた。生成
した不溶物を遠心分離で除いた後、遠心した上清液をP
rotein−A Sepharose CL4B(フ
ァルマシア社製)カラムに通し、未反応のIgG及びF
c断片を吸着させた後、Sephacryl S−20
0のカラムに添加し、0.15M塩化ナトリウムを含む
10mM燐酸ナトリウム緩衝液(pH7.4)を用いて
ゲル濾過し、F(ab’)断片を精製した。
【0024】Fab’は、このように調製したF(a
b’)を10mg/mlとなるように0.15MNa
Cl−10mM Tris−HCl緩衝液(pH8.
0)に透析、溶解し、終濃度が10mMとなるように2
−メルカプトエタノールを添加し、37℃で90分間反
応させた。反応後、反応液を氷水で冷却し、終濃度が1
2mMとなるようにヨードアセトアミドを添加し、氷冷
しながら遮光して45分間アルキル化反応を行った。反
応後、Sephacryl S−200のカラムに添加
し、0.15M塩化ナトリウムを含む10mM燐酸ナト
リウム緩衝液(pH7.4)を用いてゲル濾過し、Fa
b’断片を精製した。
【0025】実施例3 血小板凝集阻害活性 実施例2において精製した抗体C4G1,F(ab’)
断片及びFab’断片について実施例1d)に示した
方法と同様の方法によって血小板凝集阻害活性を測定し
たところ、5μg/ml以上の濃度でADP(20μ
M)、ウマ腱コラーゲン(200μg/ml)による凝
集を完全に阻害した。
【0026】実施例4 サブクラスの決定 実施例2において精製した抗体C4G1を用いて、アマ
シャム杜製マウスモノクローナル抗体タイピング用キッ
トにより抗体C4G1のIgGサブクラスを決定した。
本法はイムノブロット法によるものである。本法によっ
て、そのサブクラスをIgGと決定した。
【0027】実施例5 血小板との親和性 実施例2において精製された抗体C4G1及びF(a
b’)、Fab’各々について125Iで標識し、静
止血小板への結合を調べた。標識は、HunterとG
reenwoodの方法(chloramine T法
[Nature(London).,第194巻第49
5頁(1962年)参照])に若干変更を加えた方法
(chloramine T添加量を1/10に低減)
で行い、標識された抗体及びその断片F(ab’)
Fab’とフリーの125Iは、Sephadex G
25カラムで分離した。125Iの結合量は、400〜
1800cpm/fmoleであった。血小板は実施例
1a)において得られた血小板濃厚血漿(PRP)を更
に改良Tyrode緩衝液(0.13M NaCl−
0.0026M KCl−0.012M NaHCO
−0.0004M NaHPO−5.5mMglu
cose−1mM EDTA−2% bovine s
erum albumin,pH7.3)で3回、遠心
法で洗浄して抗体結合実験に供した。
【0028】血小板浮遊液(3×10/試験管)に一
定量の標識した抗体C4G1(100または200p
M)と種々の濃度の非標識の抗体C4G1を添加し、室
温で1時間反応させた。反応総液量は0.5mlとし、
抗体及び血小板の希釈はEDTA不添加の前記緩衝液を
用いた。反応の停止は2mlの氷冷した緩衝液を添加し
て行い、遠心分離後ペレット中の放射活性をγカウンタ
ーで測定した。非特異的抗体結合は20μg/ml(標
識抗体の700−4000倍量)の非標識抗体を添加し
て測定した。特異的結合は、結合した全放射活性から非
標識抗体添加時の放射活性を差し引いて求めた。解離定
数及び結合サイト数の算出はScatchardの方法
[Ann.N.Y.Acad.Sci.,第51巻第6
60頁(1949年)参照]に従った。
【0029】図1に抗体C4G1の静止血小板への特異
的結合を示す。特異的結合は添加した抗体C4G1の添
加量依存的に増加し、15nMで飽和した。また、図2
はScatchardplotの1例である。本例は5
例中の1例で、この図より解離定数(Kd)及び結合サ
イト数(Bmax)を求めると、解離定数0.74n
M、結合サイト数10,600であった。このようにし
て5名の健常血液提供者からの血小板の抗体C4G1に
対する解離定数と結合サイト数を算出し平均を求めた。
抗体C4G1の解離定数(5例の平均値;Mean±
S.E.)を表1に示した。参考のため10E5、7E
3の解離定数(J.Clin.Invest.第76巻
第101頁(1985年))を示す。また、結合サイト
数(5例の平均)は12,000±6,000(Mea
n±S.E.)であった。
【0030】 断片F(ab’)、Fab’の血小板に対する親和性
については、標識した抗体C4G1の結合に対する競合
で調べた。F(ab’)、Fab’ともに非標識の抗
体C4G1による阻害とほとんど変わらない結合阻害曲
線を描き(図3)、また、125I標識したF(a
b’)、Fab’の解離定数、結合サイト数について
も検討したが、本抗体C4G1は断片化(F(ab’)
、Fab’)してもその活性に大きな差はなかった。
【0031】実施例6 血管内皮細胞との結合性 抗体C4G1の血管内皮細胞に対する結合性を調べた。
血管内皮細胞は市販のENDOCELLTM(クラボウ
社)の3代継代目のものを用いた。サブコンフルエント
迄培養した細胞をEDTA処理ではがし、PBSで3
回、遠心法で洗浄し、2%FCS−PBS(−)0.1
%NaNに再浮遊して抗体結合実験に供した。血管内
皮細胞浮遊液(1×10/試験管)に種々の濃度の実
施例2において精製した抗体C4G1、及び、対比のた
め抗ProteinS抗体(IgG:血管内皮細胞とは
反応しない)と抗CD59抗体(IgG:血管内皮細胞
と反応する)を添加し、0℃で30分反応させた。抗体
及び血管内皮細胞の希釈には2%FCS−PBS(−)
0.1%NaNを用いた。同溶液で3回、遠心法
(1,400×g)によって洗浄を行なった後、FIT
C標識抗マウスIgG抗体(アマシャム社製:N103
1)を上記溶液で1/50の濃度に希釈した溶液を加
え、0℃で30分反応させた。再度3回洗浄し1×10
/mlの濃度に再浮遊させ解析まで氷冷保存した。
【0032】このように調製された血管内皮細胞をEP
ICS−Profile(コールター社)にて解析し
た。本解析では、細胞に結合した抗体及びその抗体に結
合した蛍光標識された抗体の量が蛍光強度として表わさ
れ、それぞれの蛍光強度に対する細胞数と対比される。
すなわち相対的な蛍光強度(対数値として多く表わされ
る)を横軸にとり、相対的な細胞数を縦軸にとるとき、
分布曲線のピークがより右に移動すればするほど、より
多くの抗体が細胞表面上に結合していることを反映して
いる。図4に抗体C4G1の血管内皮細胞への結合解析
のプロフィールの1例を示す。抗体C4G1の濃度を変
えて調べたが、200μg/mlと高い濃度でも抗体C
4G1は、血管内皮細胞と結合しないことが知られてい
る抗ProteinS抗体のプロフィールと一致したプ
ロフィールを示し血管内皮細胞と特異的に結合しないこ
とが示された。
【0033】実施例7 フィブリノーゲンの結合に対する影響 HunterとGreenwoodの方法に若干変更を
加えた方法(chloramine T添加量を1/1
0に低減)でヒトフィブリノーゲン(シグマ社製)を
125Iで標識し、標識されたフィブリノーゲン抗体と
フリーの125Iは、Sephadex G25カラム
で分離した。125Iの結合量は、0.02μCi/μ
gであった。ADP(10μM)で予め刺激した血小板
(3×10/試験管)すなわち活性化血小板に125
I−フィブリノーゲン(1μg)を、非放射性標識フィ
ブリノーゲン或は実施例2において精製した抗体C4G
1の存在下に添加し、室温で1時間反応させた。抗体C
4G1は50nMで125I−フィブリノーゲンの結合
をほぼ完全に阻害し、その阻害活性の強さは50%阻害
濃度でみるとき非標識フィブリノーゲンの100倍以上
であった。静止血小板に対しては、125I−フィブリ
ノーゲンの特異的結合は全くみられなかった。横軸に添
加蛋白質濃度をとり、縦軸に血小板に結合したフィブリ
ノーゲンの放射活性線を示した。
【0034】実施例8 サルに於ける(ex vivo)血小板凝集抑制効果 実施例2において精製したC4G1F(ab’)を生
理食塩水中1mg/mlの濃度になるように調製し、カ
ニクイザル(雄、3〜6kg)に、0.4mg/kg
(2匹)および1.0mg/kg(2匹)の用量で静脈
注射した。0(投与直前)、1、3、6、24、72時
間後に塩酸ケタミンを用いた麻酔下、採血を行った。プ
ラセボ・コントロールは実験に用いたのと同じサルを用
いて、投与3週間前に生理食塩水を投与してデータを得
た。
【0035】採血された血液はすぐにクエン酸と9:1
の比で混ぜ合わせて、凝固を防ぎ、150×gで10分
間遠心し、PRPを調製した。更に残さよりPPPを調
製した。このPRPとPPPを用いてADP20μMに
よる血小板凝集活性を実施例1dと同様の方法によって
測定した。0時間の値を100(%)として、血小板凝
集活性の時間的推移を調べた。この結果を、横軸に時間
をとり、縦軸に血小板凝集活性をとって、図6に示すよ
うに、1.0mg/kgの投与では24時間まで、0.
4mg/kgの投与でも(少なくとも)6時間まで完全
に血小板凝集は阻害された。PPPを用いて、PTTお
よび、ELISAによってC4G1F(ab’)の血
中濃度を測定した。
【0036】採血した血液の一部についてはEDTAを
用いて凝固を防ぎ、血小板数、白血球数、赤血球数、ヘ
マトクリット値等血液学的パラメターを調べた。0.4
mg/kg、1.0mg/kgのいずれの投与量でも、
血小板数をはじめとして、白血球数、赤血球数、ヘマト
クリット、PTTいずれのパラメターに於いても大きな
変動は認められなかった。このように、C4G1F(a
b’)はサルの血小板凝集を、血小板減少を伴わずに
強力に阻害することが示された。
【0037】
【発明の効果】このようにして得られた抗体、及びその
断片は、血小板に対するその強い親和性と、血小板にの
み反応し、血管内皮細胞には反応せず、GPIIb/I
IIaのフィブリノーゲン結合部位或はその近傍に反応
するという高い特異性故に、血小板含有部位(例えば血
小板血栓)の位置に関するきわめて正確な情報を提供で
きる。これまでに知られている活性化血小板特異的と呼
ばれている抗体の多くは実は血管内皮細胞上にもその抗
原決定基が存在する(例えばPADGEM/GP140
に対する抗体)。本抗体の抗原決定基は活性化血小板上
には存在するが、血管内皮細胞上には存在しない。従っ
て、その有用性は遥かに大きいと考えられる。
【0038】本発明の抗体或はその断片のヒト、或はサ
ル血小板凝集に対する阻止能力はきわめて強く、しかも
(サル)体内に投与したときその効果が長時間持続す
る。更に、その際に血小板数の変動(血小板減少)を引
き起こさないことから、血小板凝集が関与する疾患(血
栓性疾患、不安定狭心症、その他)の治療薬として使用
される。
【0039】本発明の抗体或はその断片は検出可能標
識、例えば放射性標識、蛍光団、或はNMRコントラス
ト剤を形成する常磁性イオンで以て標識を付け、人の患
者に於ける血小板血栓含有部位を検出するのに、患者へ
標識化抗体を投与しそして標識化された免疫複合体を検
出することを含む方法に於て、使用される。本発明の抗
体或はその断片はある種の癌細胞(GPIIb/III
aをその表面に発現するようになった細胞)の部位探索
診断薬、或はその治療薬としても使用される。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明における抗体C4G1の静止血小
板への特異的結合を示す。
【図2】図2は抗体C4G1の静止血小板への特異的結
合のSchatchard plotの1例を示す。
【図3】図3は抗体C4G1断片の血小板に対する親和
性の比較を示す。
【図4】図4は抗体C4G1の血管内皮細胞に対する結
合性の解析結果を示す。
【図5】図5はフィブリノーゲンの結合に対する抗体C
4G1の影響を示す。
【図6】図6はC4G1F(ab’)のサルでのex
vivo血小板凝集阻害効果の時間的推移を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI // A61K 31/00 607 G01N 33/53 V 635 33/577 B G01N 33/53 C12N 15/00 C 33/577 5/00 B (72)発明者 古市 喜義 埼玉県浦和市太田窪2−15−21 (56)参考文献 特開 昭62−30728(JP,A) 国際公開89/200(WO,A1) 国際公開90/4634(WO,A1) 国際公開89/11538(WO,A1) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C12P 21/08 C07K 16/28 C12N 5/18 - 5/20 C12N 15/06 A61K 39/395 BIOSIS(DIALOG) JICSTファイル(JOIS) MEDLINE(STN) WPI(DIALOG)

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記性質を持つことを特徴とするモノク
    ローナル抗体或いはモノクローナル抗体を蛋白質分解酵
    素で消化することにより得られうる断片。 (a)ヒト血小板と反応性であり、高い親和性を持ち、
    かつ、ヒト血管内皮細胞と実質上非反応性である。 (b)サル血小板と反応性である。 (c)ヒト及びサルの血小板凝集反応をin vitr
    oで阻害する。 (d)ヒト血小板上の抗原決定因子を認識し、その抗原
    決定因子は糖蛋白質IIb/IIIa(GPIIb/I
    IIa)である。 (e)ヒト血小板上に活性化時にのみ発現されるフィブ
    リノーゲン受容体と反応性であり、ヒト血小板の活性化
    時にフィブリノーケンとの相互作用を阻害する。 (f)IgG アイソタイプである。
  2. 【請求項2】 蛋白質分解酵素がトリプシン、パパイ
    ン、ペプシンからなる群から選ばれた酵素であることを
    特徴とする請求項1記載のモノクローナル抗体断片。
  3. 【請求項3】 F(ab′)2、Fab′、Fab、F
    vからなる群から選ばれた断片である請求項1記載のモ
    ノクローナル抗体断片。
  4. 【請求項4】 標識化した請求項1乃至3記載のモノク
    ローナル抗体或いはモノクローナル抗体断片。
  5. 【請求項5】 請求項1記載の抗体を産生することがで
    きるハイブリドーマ。
  6. 【請求項6】 ハイブリドーマが、ハイブリドーマC4
    G1(FERM P−11852)或いはその変種であ
    る請求項5記載のハイブリドーマ。
  7. 【請求項7】 請求項1乃至3記載のモノクローナル
    抗体或いはモノクローナル抗体断片を含むことを特徴と
    する血小板凝集阻害剤。
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