JP2937628B2 - 冷陰極管の点灯装置 - Google Patents

冷陰極管の点灯装置

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JP2937628B2
JP2937628B2 JP15330592A JP15330592A JP2937628B2 JP 2937628 B2 JP2937628 B2 JP 2937628B2 JP 15330592 A JP15330592 A JP 15330592A JP 15330592 A JP15330592 A JP 15330592A JP 2937628 B2 JP2937628 B2 JP 2937628B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、その動作が周囲温度に
依存することなく且つ加熱する必要のない冷陰極を有す
る電子管、例えば冷陰極整流器、ネオン管、光電管等の
冷陰極管の点灯装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】斯かる冷陰極管の点灯には一般にインバ
ータが用いられており、この種の従来の点灯装置として
は、図3に示す電圧制御方式または図4に示す電流制御
方式のものが採用されている。図3の装置は、直流電源
電圧(Vin)が、ベース電圧決定用抵抗(R1)を介
して一対のトランジスタ(Q1),(Q2)の各ベース
とトランス(T)の中点にそれぞれ印加されると、一対
のトランジスタ(Q1),(Q2)が、トランス(T)
のインダクタンスと2個のコンデンサ(C1),(C
2)の容量分とで決定される共振周波数により交互にオ
ン・オフされる。このトランジスタ(Q1),(Q2)
の発振によりトランス(T)の二次側に発生する電圧
が、電流制限用としても機能するコンデンサ(C2)を
介して冷陰極管(CCFT)に印加され、冷陰極管(C
CFT)が点灯保持される。また、トランス(T)の二
次側電圧が一次側の帰還巻線により検出されて一対のト
ランジスタ(Q1),(Q2)のベース電圧にフィード
バックされ、二次側電圧の変化に対し一次側電圧をトラ
ンス(T)により制御して二次側電圧を一定電圧に保持
するようにしている。従って、この冷陰極管(CCF
T)に印加されるトランス(T)の二次側電圧は、冷陰
極管(CCFT)に流れる負荷電流により決定される冷
陰極管(CCFT)の輝度のパラメータの依存性が低
く、主に直流電源電圧(Vin)とトランス(T)の巻
数比により決定されて直流電源電圧(Vin)の変動に
応じて変化するので、冷陰極管(CCFT)の明るさの
効率の点で若干劣る。
【0003】一方、図4において、図3と同一若しくは
同等のものには同一の符号を付してあり、直流電源電圧
(Vin)が、各ベース電圧決定用抵抗(R2),(R
3)を介して一対のトランジスタ(Q1),(Q2)の
各ベースに印加されるとともにトランス(T)の中点に
印加されると、図3の場合と同様に、一対のトランジス
タ(Q1),(Q2)が、トランス(T)のインダクタ
ンスと2個のコンデンサ(C1),(C2)の容量分と
で決定される共振周波数により交互にオン・オフされ、
このトランジスタ(Q1),(Q2)の発振によりトラ
ンス(T)の二次側に発生する電圧が、コンデンサ(C
2)を介して冷陰極管(CCFT)に印加され、冷陰極
管(CCFT)が点灯保持される。そして、冷陰極管
(CCFT)に流れる負荷電流を、抵抗(R4)に発生
する電圧降下(Vout)により検出して直流電源電圧
(Vin)にフィードバックし、直流電源電圧(Vi
n)を適当な値に制御する。従って、トランス(T)の
二次側電圧は、一次側電圧の変動に拘わらず冷陰極管
(CCFT)に流れる負荷電流により決定される冷陰極
管(CCFT)の輝度のパラメータに依存する割合が高
くなり、冷陰極管(CCFT)の明るさの効率の点で図
3の装置よりも優れている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】然し乍ら、前述の何れ
の装置も以下のような問題がある。即ち、この冷陰極管
(CCFT)は、点灯前において内部抵抗値が無限大で
あるために、管径、長さ、極板面積等により決定される
点灯開始電圧よりも大きな電圧を印加しないと点灯しな
い。そこで、トランス(T)の二次側の最大発生電圧で
ある開放電圧を前記点灯開始電圧よりも大きくなるよう
設定する必要があるために、大型のトランス(T)や各
構成部品として耐圧定格値の高いものを用いなければな
らず、装置全体が大型化する問題がある。
【0005】また、冷陰極管(CCFT)に流れる負荷
電流は、所定の輝度を得られる値に予め固定的に設定さ
れているため、冷陰極管(CCFT)の点灯時には、定
常点灯状態における電力と冷陰極管(CCFT)の点灯
前の大きな内部抵抗値による約1000mWの電力とを
加算した電力がトランス(T)の二次側において消費さ
れる欠点がある。
【0006】そこで本発明は、小型のトランスおよび耐
圧定格値の小さい回路部品を用い、且つトランスの二次
側の消費電力を大幅に低減しながらも冷陰極管を確実に
点灯できるとともに、定常点灯状態では所定の輝度を保
持できる冷陰極管の点灯装置を提供することを技術的課
題とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに、本発明の冷陰極管の点灯装置は、直流電源を交流
電力に変換して、冷陰極管へ供給するインバータと、こ
の冷陰極管に流れる負荷電流を検出する負荷電流設定素
子と、この検出された負荷電流を上記直流電源側にフィ
ードバックする帰還回路を備え、上記インバータの一次
側電圧を上記負荷電流が上記負荷電流設定素子により設
定された値になるよう制御する冷陰極管の点灯装置にお
いて、スイッチング素子が設けられ、このスイッチング
素子がオン状態の場合には上記帰還回路に接続されると
ともに、負荷電流値を冷陰極管の点灯状態を保持する最
小の電流値に設定する負荷電流設定変更回路と、上記ス
イッチング素子を冷陰極管の点灯開始から一定時間のみ
オン状態とするための制御信号を入力する信号入力端子
を備えたことによって特徴付けられている。
【0008】
【作用】点灯時において、信号入力端子に例えばハイレ
ベルの制御信号が入力されて負荷電流設定変更回路の
イッチング素子がオン状態になると共に直流電源電圧が
インバータに供給される。そして、帰還回路に負荷電流
設定変更回路が接続され、例えば負荷電流設定用素子に
発生する電圧から負荷電流設定変更回路の発生電圧を減
算した値の電圧が帰還電圧として直流電源電圧にフィー
ドバックされる。これにより、冷陰極管の負荷電流
冷陰極管の点灯状態を保持し続けられる最小電流値に設
定される。この負荷電流設定変更回路は、冷陰極管の点
灯開始から一定時間のみスイッチング素子をオン状態と
する制御信号によって制御されるものであり、冷陰極管
の調光状態とは無関係に作動する。
【0009】そして、直流電源電圧の印加時から冷陰極
管が点灯して安定状態となるのに要する一定時間の経過
後に、信号入力端子の信号がローレベルとなってスイッ
チング素子がオフ状態となり、それにより最小負荷電流
の設定が解除され、負荷電流設定用素子に発生する電圧
が帰還電圧として直流電源電圧にフィードバックされ、
冷陰極管の負荷電流が所定の輝度を得られる値に制御さ
れる。
【0010】従って、点灯時のインバータのトランスの
二次側の消費電力が負荷電流が小さくことにより格段に
低減され、大幅な省電力化を図れる。また、点灯時のみ
負荷電流を小さく設定したので、負荷が軽くなって冷陰
極管の点灯に必要な最小限の小さな点灯開始電圧および
短い時間で安定な点灯状態となり、冷陰極管が確実に点
灯した後に信号入力端子の制御信号をローレベルにして
所定の輝度を得られる本来の負荷電流に切り換えるの
で、支障なく点灯状態を保持でき、冷陰極管が一旦点灯
すれば高電圧を必要としないので、点灯開始電圧を低く
できることにより小型のトランスおよび耐圧定格値の低
い回路部品を用いることができ、装置全体を格段に小型
化できる。
【0011】
【実施例】以下、本発明の好適な一実施例について図面
を参照しながら詳述する。先ず、本発明の着眼点につい
て説明すると、冷陰極管は、点灯前において内部抵抗値
が無限大であるが、一旦点灯すると内部抵抗値が極端に
小さくなり、また、両極間電圧も負荷電流の大小により
大きく変化して見掛け上の点灯開始電圧も前述の負荷電
流の大小により左右される性質を有しており、この性質
を利用して、点灯時のみ冷陰極管を点灯を保持し続けら
れる最小の負荷電流を流し、点灯後に安定状態になった
時点で負荷電流を所定の輝度を得られる値になるよう制
御しようとするものである。
【0012】図1は本発明の一実施例の電気回路図を示
し、同図において図3および図4と同一若しくは同等の
ものには同一の符号を付してある。そして、直流電源電
圧(Vin)が、各ベース電圧決定用抵抗(R2),
(R3)を介して一対のトランジスタ(Q1),(Q
2)の各ベースに印加されるとともにトランス(T)の
中点に印加されると、図3の場合と同様に、一対のトラ
ンジスタ(Q1),(Q2)が、トランス(T)のイン
ダクタンスと2個のコンデンサ(C1),(C2)の容
量分とで決定される共振周波数により交互にオン・オフ
され、このトランジスタ(Q1),(Q2)の発振によ
りトランス(T)の二次側に発生する電圧が、コンデン
サ(C2)を介して冷陰極管(CCFT)に印加され、
冷陰極管(CCFT)が点灯保持される点は、図4の電
流制御方式の装置と同様であり、以下に、相違する構成
について説明する。
【0013】点灯時において、信号入力端子(S)の制
御信号がハイレベルになると共に直流電源電圧(Vi
n)が印加される。ハイレベルの制御信号により抵抗
(R9),(R8)を通じフォトカプラ(PC)の発光
ダイオードに電流が流れてフォトトランジスタがオンす
る。それにより、負荷電流検出用抵抗(R5)に電圧降
下により発生した電圧から2個の抵抗(R6),(R
7)に電圧降下によりそれぞれ発生する電圧を減算した
値の電圧が帰還電圧(Vout)として直流電源電圧
(Vin)にフィードバックされ、冷陰極管(CCF
T)の負荷電流が制御される。この時の負荷電流が冷陰
極管(CCFT)が点灯を保持し続けられる最小電流値
になるように、抵抗(R5),(R6),(R7)およ
びコンデンサ(C3)の各定数が設定されているのであ
るが、この最小負荷電流の設定については後述する。
【0014】そして、直流電源電圧の印加時から冷陰極
管(CCFT)が点灯して安定状態になるのに要する例
えば3秒等の所定時間の経過後に、信号入力端子(S)
の制御信号がローレベルとなってフォトカプラ(PC)
がオフ状態なり、それにより前述の最小負荷電流の設定
が解除される。従って、負荷電流検出用抵抗(R5)に
発生する電圧と、整流用ダイオード(D)を介し抵抗
(R6)とコンデンサ(C3)で発生する電位とが同一
になるので、負荷電流検出用抵抗(R5)に発生する電
圧が帰還電圧(Vout)として直流電源電圧(Vi
n)にフィードバックされ、冷陰極管(CCFT)の負
荷電流が所定の輝度を得られる値になるよう制御され
る。
【0015】次に、前述の最小負荷電流について説明す
る。いま、管電流(負荷電流)、管電圧および抵抗値の
関係が、2mA−420V−210KΩ、3mA−40
0V−133KΩ、4mA−380V−95KΩ、5m
A−370V−74KΩ、6mA−360V−60KΩ
となるような仕様の冷陰極管(CCFT)があるとする
と、上記の関係から冷陰極管(CCFT)を点灯し続け
ることのできる最小負荷電流を求めることができる。い
ま、最小負荷電流が2mAで、所定の輝度を得るための
負荷電流が6mAであるとすると、ハイレベル信号によ
るフォトカプラ(PC)のオン時に負荷電流が2mAと
なり、ローレベル信号によるフォトカプラ(PC)のオ
フ時に負荷電流が6mAになるよう各抵抗(R5)〜
(R7)およびコンデンサ(C3)の定数を設定し、2
mAの負荷電流で点灯し、点灯後に6mAの負荷電流で
定常点灯させる。従って、点灯時のトランス(T9)の
二次側の消費電力は、点灯前の冷陰極管(CCFT)の
大きな内部抵抗値による電力消費を1000mWとする
と、(420V×2mA)+1000mW=1840m
Wとなり、点灯後に360V×6mA=2160mWと
なる。これに対し従来装置では、負荷電流は常に所定の
輝度を得るための6mAに設定されているので、点灯時
に(360V×6mA)+1000mW=3160mW
の電力をトランス(T9)の二次側で消費していたこと
になり、大幅な省電力化を図れる。
【0016】また、図2に実線で示すI1およびV1は
それぞれ前述のように点灯時のみ小さく設定した負荷電
流およびその時の管電圧の特性曲線で、同図に1点鎖線
で示すI2およびV2それぞれ大きく設定した負荷電流
およびその時の管電圧の特性曲線はである。前述のよう
に点灯時のみ負荷電流を小さく設定すれば、負荷が軽く
なって管電圧が冷陰極管(CCFT)自体の点灯開始電
圧(Vs)に達した時点で負荷電流が安定化し、冷陰極
管(CCFT)の点灯に必要な最小限の点灯開始電圧
(Vs)および時間(t1)で安定な点灯状態となる。
これに対し負荷電流を大きく設定した場合には、負荷が
大きくなるために、負荷電流が安定化するのに点灯開始
電圧(Vs)よりも大きな電圧値の管電圧と長い時間
(t2)とを必要とする。例えば、負荷電流を5mAに
設定した場合に点灯させるのに必要な管電圧が1000
Vである冷陰極管(CCFT)において、点灯時のみ負
荷電流を2mAに設定した場合には、管電圧即ちトラン
ス(T)の二次側電圧が600Vで確実に点灯させるこ
とができた。そして、冷陰極管(CCFT)が確実に点
灯した後に信号入力端子(S)の制御信号をローレベル
にして所定の輝度を得られる本来の負荷電流に切り換え
るので、例えばフォトカプラ(PC)にボリューム等を
並列接続することにより輝度の調整即ち調光することも
できる。また、冷陰極管(CCFT)が一旦点灯した後
は高電圧を必要としないので、点灯開始電圧を低くでき
ることにより小型のトランス(T)および耐圧定格値の
低い回路部品を用いることができ、装置全体を格段に小
型化できる。
【0017】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の冷陰極管
の点灯装置によれば、スイッチング素子を設け、このス
イッチング素子がオン状態の場合には帰還回路に接続す
るとともに、負荷電流値を冷陰極管の点灯状態を保持す
る最小の電流値に設定する負荷電流設定変更回路と、上
記スイッチング素子を冷陰極管の点灯開始から一定時間
のみオン状態とするための制御信号を入力する信号入力
端子を備えた構成としたので、点灯時のインバータの二
次側の消費電力が、最小負荷電流に設定したことにより
格段に低減され、大幅な省電力化を図ることができる。
また、従来のように大型のトランスや耐圧定格値の高い
構成部品を用いる必要がなく、小型化、低価格化を実現
することができる。
【0018】また、点灯時のみ負荷電流を小さく設定し
たので、負荷が軽くなって冷陰極管の点灯に必要な最小
限の小さな点灯開始電圧および短い時間で安定な点灯状
態となり、冷陰極管が一旦点灯すれば高電圧を必要とし
ないので、点灯開始電圧を低くできることにより小型の
トランスおよび耐圧定格値の低い回路部品を用いること
ができ、装置全体を格段に小型化できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の電気回路図である。
【図2】負荷電流と管電圧との関係を示す特性図であ
る。
【図3】電圧制御方式の従来装置の電気回路である。
【図4】電流制御方式の従来装置の電気回路図である。
【符号の説明】
CCFT 冷陰極管 R5 負荷電流検出用傾向(負荷電流設定用素子) PC フォトカプラ(スイッチング素子) T インバータのトランス R6,R7 負荷電流設定変更用抵抗 Vin 直流電源電圧 Vout 帰還電圧 S 信号入力端子

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 直流電源を交流電力に変換して、冷陰極
    管へ供給するインバータと、この冷陰極管に流れる負荷
    電流を検出する負荷電流設定素子と、この検出された負
    荷電流を上記直流電源側にフィードバックする帰還回路
    を備え、上記インバータの一次側電圧を上記負荷電流が
    上記負荷電流設定素子により設定された値になるよう制
    御する冷陰極管の点灯装置において、スイッチング素子
    が設けられ、このスイッチング素子がオン状態の場合に
    は上記帰還回路に接続されるとともに、負荷電流値を冷
    陰極管の点灯状態を保持する最小の電流値に設定する負
    荷電流設定変更回路と、上記スイッチング素子を冷陰極
    管の点灯開始から一定時間のみオン状態とするための制
    御信号を入力する信号入力端子を備えたことを特徴とす
    る冷陰極管の点灯装置。
JP15330592A 1992-06-12 1992-06-12 冷陰極管の点灯装置 Expired - Lifetime JP2937628B2 (ja)

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