JP2937119B2 - 単結晶引き上げ用種結晶保持具及び種結晶 - Google Patents

単結晶引き上げ用種結晶保持具及び種結晶

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は単結晶引き上げ用種
結晶保持具及び種結晶に関し、より詳細にはチョクラル
スキー法(以下、CZ法と記す)等により、シリコン等
の単結晶を引き上げる際に用いられる単結晶引き上げ用
種結晶保持具及び種結晶に関する。
【0002】
【従来の技術】現在、LSI(大規模集積回路)等の回
路素子形成用基板の製造に使用されているシリコン単結
晶の大部分は、CZ法により引き上げられている。図5
は、このCZ法に用いられる単結晶引き上げ装置を模式
的に示した断面図であり、図中11は坩堝を示してい
る。
【0003】この坩堝11は、有底円筒形状の石英製坩
堝11aと、この石英製坩堝11aの外側に嵌合され
た、同じく有底円筒形状の黒鉛製坩堝11bとから構成
されており、坩堝11は、図中の矢印方向に所定の速度
で回転する支持軸19に支持されている。この坩堝11
の外側には、抵抗加熱式のヒータ12、ヒータ12の外
側には保温筒18が同心円状に配置されており、坩堝1
1内には、このヒータ12により溶融させた結晶用原料
の溶融液13が充填されるようになっている。また、坩
堝11の中心軸上には引き上げ棒あるいはワイヤー等か
らなる引き上げ軸14が吊設されており、この引き上げ
軸14の先に単結晶引き上げ用種結晶保持具25(以
下、単に種結晶保持具と記す)を介して単結晶引き上げ
用種結晶26(以下、単に種結晶とも記す)が取り付け
られるようになっている。また、これら部材は、圧力の
制御が可能な水冷式のチャンバ20内に納められてい
る。
【0004】上記した単結晶引き上げ装置により単結晶
17を引き上げる方法を、図5及び図6に基づいて説明
する。図6(a)〜(d)は、単結晶を引き上げる各工
程のうちの、一部の工程における種結晶26の近傍を模
式的に示した部分拡大正面図である。
【0005】図6には示していないが、まずヒータ12
により結晶用原料を溶融させ、チャンバ20内を減圧し
た後、しばらく放置して溶融液13中のガスを十分に放
出させ、その後、不活性ガスを導入してチャンバ20内
を減圧の不活性ガス雰囲気とする。
【0006】次に、支持軸19と同一軸心で逆方向に所
定の速度で引き上げ軸14を回転させながら、引き上げ
軸14の先に取り付けられた種結晶26を降下させ、種
結晶26の下端部26aを溶融液13に着液させる。
(シーディング工程)(図6(a))。
【0007】この際、種結晶26の下端部26aは、急
激に温度が上昇するため熱応力による転位が導入され
る。そこで、種結晶26の先端に結晶を成長させる際、
結晶の成長界面の形状を下に凸にし、かつ所定径になる
まで結晶を細く絞ってネック17aを形成し、該転位を
排除する(ネッキング工程)(図6(b))。
【0008】次に、単結晶17の引き上げ速度を落して
単結晶17を所定の径まで成長させ、ショルダー17b
を形成する(ショルダー形成工程す)(図6(c))。
【0009】次に、一定の速度で単結晶17を引き上げ
ることにより、一定の径、所定長さのメインボディ17
cを形成する(メインボディ形成工程)(図6
(d))。
【0010】さらに、図6には示していないが、最後に
その直径を徐々に絞って単結晶17全体の温度を徐々に
降下させ、終端コーン形成後に単結晶17を溶融液13
から切り離す。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】上記した引き上げ方法
においては、直径が約6インチ、重量が80kg程度の
単結晶17を引き上げるため、直径が約12mmの種結
晶26を用いるのが一般的であった。その際、単結晶1
7を安全に支持するためには、ネック17aの径が大き
い方がよく、他方転位を効率的に排除するためにはネッ
ク17aの径はできるだけ小さい方がよい。これら両者
の要求を満たすネック17aの直径として、3mm程度
が選択されていた。しかしながら、近年の半導体デバイ
スの高集積化、低コスト化及び生産性の効率化に対応し
て、ウエハも大口径化が要求されてきており、最近で
は、例えば直径約12インチ(300mm)、重量が3
00kg程度の単結晶17の製造が望まれている。この
場合、従来のネック17aの直径(通常3mm程度)で
は、ネック17aが引き上げられる大重量の単結晶17
の重さに耐えられずに破損し、単結晶17が落下してし
まうという問題があった。
【0012】単結晶の落下等の事故の発生を防ぎ、安全
に引き上げを行うためには、シリコン強度(約16kg
f/mm2 )から算出して、ネックの直径を約6mm以
上とする必要がある。そのため、最近ではより径の大き
いネックを形成する方法やネックを形成せずに単結晶を
引き上げる方法等、大重量の単結晶を引き上げるため種
々の方法が検討されている。しかし、単結晶が重くなる
と、種結晶自体及び種結晶の先端に成長するネック等が
引き上げる単結晶の重さに耐えられても、種結晶を保持
する黒鉛製の種結晶保持具が単結晶の重さに耐えられな
いという問題が生ずる。
【0013】上記問題を解決するために最近では、炭素
繊維クロスにより強化された種結晶保持具が使用されつ
つある。
【0014】図7(a)は炭素繊維クロス強化黒鉛製の
種結晶保持具を模式的に示した斜視図であり、(b)は
その断面図である。
【0015】この種結晶保持具35は、大口径の空洞3
51aを有する上部351、小口径の空洞353aを有
する下部353、及びこれら上部351と下部353と
を接続する中間部352により構成され、中間部352
の空洞352aの内壁面352bは傾斜面となってい
る。また、上部351の内壁面にはネジ溝351bが形
成され、引き上げ軸14の先端部を螺着することができ
るようになっている。上部351は、引き上げ軸14の
先端と結合できる構成であればよく、ネジ溝351bが
形成されていない場合もある。
【0016】また、この種結晶保持具35に種結晶36
が保持されるが、この種結晶36は種結晶保持具35に
形成された空洞351a、352a、353aに合致す
る外形となっている。
【0017】上記したように、種結晶保持具35は炭素
繊維クロスにより強化された黒鉛により構成されてお
り、以下の方法により製造される。すなわち、まず炭素
繊維クロスに樹脂を含浸させた後これらを積層し、炭素
繊維クロスを含有する樹脂製の積層体を形成する。次
に、不活性雰囲気中で前記積層体を高温で加熱すること
により炭化(黒鉛化)する。この段階でピッチ等への前
記積層体の浸漬と炭化工程とを複数回繰り返す場合もあ
る。次に、炭素繊維クロス強化黒鉛を種結晶保持具35
の形状に切り出して空洞351a、352a、353a
を形成した後、研磨等の加工処理を施すことにより種結
晶保持具35の製造を終了する。
【0018】上記工程を経て製造された種結晶保持具3
5は、強化用の炭素繊維クロスが水平方向に積層されて
いるため、垂直方向あるいは積層方向と直交する水平方
向の力に対しては強いが、積層方向に引張りの応力が作
用すると弱い。従って、中間部352の内壁面352b
の傾斜角度(θ)や種結晶保持具35の形状等が適正に
設定されていない場合、大重量の単結晶17を引き上げ
ようとすると、種結晶36を介した内壁面352bへ作
用する応力により、炭素繊維層間に破断が発生してしま
うという課題があった。
【0019】本発明は上記課題に鑑みなされたものであ
り、大重量の単結晶を引き上げる際にも破断が発生しな
い形状を有する炭素繊維クロス強化黒鉛製の種結晶保持
具、及び該種結晶保持具に保持される種結晶を提供する
ことを目的としている。
【0020】
【課題を解決するための手段及びその効果】上記目的を
達成するために本発明に係る単結晶引き上げ用種結晶保
持具(1)は、大口径の空洞を有する上部、小口径の空
洞を有する下部、及びこれら上部と下部とを接続する中
間部により構成された炭素繊維クロス強化黒鉛製の単結
晶引き上げ用種結晶保持具において、前記中間部内壁面
の水平面に対する角度をθ、前記中間部及び前記下部の
垂直断面積をS、炭素繊維クロス強化黒鉛の層間引張強
度をσ、引き上げる単結晶の荷重をWとすると、これら
が下記の数1式を満たすようにθ、S、σの各値が設定
されていることを特徴としている。
【0021】
【数1】πσS/(sinθ・cosθ)>W 種結晶保持具の形状に関係するパラメータθ、S、σが
上記数1式を満たすように設定されているので、その重
量がWの単結晶を引き上げる際に、前記種結晶保持具に
破断が発生することはない。従って、Wを300kg以
上に設定し、前記θ、S、σが上記数1式を満たすよう
に種結晶保持具の材質及び形状を設定すれば、300k
g以上の大重量の単結晶を引き上げることができる。
【0022】また、本発明に係る単結晶引き上げ用種結
晶保持具(2)は、上記単結晶引き上げ用種結晶保持具
(1)において、前記中間部内壁面の水平面に対する角
度(θ)が20〜85°の範囲内で設定されていること
を特徴としている。
【0023】上記単結晶引き上げ用種結晶保持具(2)
によれば、前記中間部内壁面の水平面に対する角度
(θ)がより適切な範囲内で設定されているので、種結
晶に剪断荷重がかかったり、種結晶が前記種結晶保持具
に食い込んだりすることもなく、より確実に大重量の単
結晶を引き上げることができ、前記種結晶保持具を何度
も単結晶の引き上げに用いることができる。
【0024】また、本発明に係る単結晶引き上げ用種結
晶は、種結晶保持具(1)又は(2)の内壁面形状に沿
った外形を有することを特徴としている。
【0025】上記単結晶引き上げ用種結晶は、上記種結
晶保持具(1)又は(2)の内壁面に適切に嵌合するの
で、種結晶保持具及び種結晶に破断を発生させず、確実
に大重量の単結晶を引き上げることができる。
【0026】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る単結晶引き上
げ用種結晶保持具及び種結晶の実施の形態を図面に基づ
いて説明する。なお、従来と同一機能を有する構成部分
には同一の符号を付すこととする。
【0027】実施の形態に係る種結晶保持具及び種結晶
が装備された単結晶引き上げ装置は特に限定されるもの
ではなく、CZ法に用いられる単結晶引き上げ装置(図
5)であってもよく、溶融層法に用いられる単結晶引き
上げ装置であってもよい。また、実施の形態に係る種結
晶保持具及び種結晶は12インチ以上の大口径、大重量
の単結晶の引き上げに用いることを前提としている。
【0028】図1は、実施の形態に係る種結晶保持具を
模式的に示した断面図である。
【0029】この炭素繊維クロス強化黒鉛製の種結晶保
持具15は、大口径の空洞151aを有する上部15
1、小口径の空洞153aを有する下部153、及びこ
れら上部151と下部153とを接続する中間部152
により構成され、中間部152の空洞152aを構成す
る内壁面152bは傾斜面となっている。内壁面152
bの水平面とのなす角度(θ)の値については後述す
る。また、上部151の内壁面にはネジ溝151bが形
成され、引き上げ軸14の先端部を螺着することができ
るようになっている。上部151には必ずしもネジ溝1
51bが形成されていなくてもよく、引き上げ軸14の
先端と結合が可能な構成であればよい。この種結晶保持
具15は、大口径で、大重量の単結晶を引き上げる際に
も、前記単結晶を保持することができるような形状とな
っているが、以下、種結晶保持具15の形状等について
図2を用いて説明する。
【0030】図2(a)は、実施の形態に係る種結晶保
持具の下部右半面を模式的に示した部分拡大断面図であ
り、(b)は(a)図におけるA−A線断面図である。
【0031】「従来の技術」の項において説明したよう
に、炭素繊維クロス強化黒鉛製の種結晶保持具15は、
炭素繊維クロスが水平方向に積層されており、積層方向
以外に作用する応力に対しては高強度である。従って、
積層方向にかかる引張り応力に対して炭素繊維クロス強
化黒鉛が耐えることができれば、破断は発生しない。そ
こで、種結晶16を介して種結晶保持具15にかかる応
力について考察する。
【0032】図1及び図2に示した形状の種結晶保持具
15では、種結晶16を介した単結晶17(図6)の重
力は、中間部152の内壁面152bにかかることにな
る。そこで前提条件として、内壁面152bにかかる単
結晶17の重力(厳密には単結晶17と種結晶16との
合計の重力)が軸対象となり、かつ単結晶17の重力を
内壁面152b全体で均等に保持することとする。ま
た、単結晶17の重力が中間部152の内壁面152b
にかかっても繊維層間で破断が発生しない荷重を種結晶
保持具15の耐荷重とする。
【0033】単結晶17に作用する重力により種結晶1
6を介して内壁面152bに内圧(p・dα)が生じる
が、この内圧に起因して繊維層間の引張り応力(以下、
層間引張り応力と記す)が破断面155(破断が発生す
るときに形成される面に対して水平方向)(図2(b)
においては破断面155の上下方向)に作用し、前記層
間引張り応力が所定値よりも大きくなると繊維層間で剥
離が発生して破断に至るというメカニズムが想定され
る。
【0034】そこでまず、その層間引張り応力について
検討を行う。図2(b)中、断面部分における微小角度
dαの担う荷重をwとし、単結晶の重力をWとすると、
wとWとの関係は下記の数2式により表すことができ
る。
【0035】
【数2】w=W・(dα/2π) 荷重wと内圧pとの関係は、図2(a)中に示したよう
に、下記の数3式で表される。
【0036】
【数3】p=w・sinθ・cosθ 内圧pのうち、層間引張り方向(破断面155に対して
垂直方向)に作用する力p1 は、図2(b)に示したよ
うに、下記の数4式で表される。
【0037】
【数4】p1 =p・sinα ここで、数2式及び数3式を数4式に代入すると、下記
の数5式が導き出される。
【0038】
【数5】p1 =(W/2π)・sinθ・cosθ・s
inαdα 層間引張り応力の総力P1 は、図2(b)中における破
断面155より上部領域でのすべての角度におけるp1
の総和で表されるので、上記数5式中のαにつき、0<
α<πの角度領域で積分を行えばよい。すなわち、層間
引張り応力の総力P1 は下記の数6式で表される。
【0039】
【数6】
【0040】層間引張り応力の総力P1 を受けるのは、
中間部152及び下部153の破断面155であり、そ
の垂直断面積をSとし、炭素繊維クロス強化黒鉛の層間
引張り強度(単位面積当り)をσとすると、種結晶保持
具15の層間引張り強度tは、下記の数7式で表され
る。このとき、図2(a)に示した垂直断面積はS/2
となる。また、垂直断面積Sは図2(a)に示した記号
を用いると、下記の数8式で表すことができる。
【0041】
【数7】t=σS
【0042】
【数8】 S/2=(R+d)l+R(R/2+d)tanθ 種結晶保持具15が層間剥離を起こさずに種結晶16
(単結晶17)を保持できる条件は、層間引張り強度t
が層間引張りの総力P1 より大きいことであるので、数
6式及び数7式より下記の数9式が導き出される。下記
の数9式を整理すると下記の数1式となる。
【0043】
【数9】(W/π)・sinθ・cosθ<σS
【0044】
【数1】πσS/(sinθ・cosθ)>W 単結晶17の重力がWである場合、上記数1式を満たす
ように種結晶保持具15中のθ、S、σの各値を設定す
れば、単結晶17の引き上げにおいて種結晶保持具15
に破断が生ずることはない。従って、数1式中の左辺の
値は耐荷重ということになる。
【0045】炭素繊維クロス強化黒鉛の層間引張り強度
σは、通常、0.03kgf/mm2 程度であるので、
中間部152及び下部153の垂直断面積Sを1000
mm2 とすると、内壁面152bの水平面に対する角度
θと、耐荷重との関係は図3に示したグラフで表され
る。
【0046】図3に示したグラフによれば、内壁面15
2bの水平面に対する角度θが0°に近づくか、又は9
0°に近づくに従って耐荷重が大きくなり、45°に近
づくに従って小さくなっている。
【0047】従って、単純に考えれば内壁面152bの
水平面に対する角度θを0°に近い値とするか、又は9
0°に近い値にすればよい。しかし、前記角度θを0〜
20°の範囲に設定した場合、種結晶保持具15は十分
に耐荷重が大きくなるが、種結晶16の屈曲部、すなわ
ち種結晶16が種結晶保持具15の中間部152と下部
153との境界に当接している部分に局部的に剪断荷重
がかかり、種結晶16の方が破断し易くなるため好まし
くない。また、従来からの経験によれば、内壁面152
bの水平面に対する角度θを85°以上にすると種結晶
16が種結晶保持具15に食い込んで脱離が困難となる
ため、種結晶保持具15を再使用することができなくな
り好ましくない。
【0048】また図4は、内壁面152bの水平面に対
する角度θが45〜85°の範囲において、中間部15
2及び下部153の垂直断面積Sを500、1000、
1500、2000mm2 と変化させた場合の耐荷重と
角度θとの関係を示したグラフである。また、点線は耐
荷重が300kgf及び500kgfのレベルを示して
いる。図4に示したグラフより明らかなように、内壁面
152bの水平面に対する角度θが45°以上の場合、
中間部152及び下部153の垂直断面積S、及び角度
θが大きくなるに従って耐荷重が大きくなっており、垂
直断面積Sが1000mm2 の場合、角度θが約72°
以上で、垂直断面積Sが1500mm2の場合、角度θ
が約57°以上で、それぞれ耐荷重が300kg以上と
なり、大口径、大重力の単結晶17を引き上げることが
できる。また、安全を考えて耐荷重を500kgfに設
定すると、垂直断面積Sが1000mm2 の場合、角度
θが約80°以上で、垂直断面積Sが1500mm2
場合、角度θが約73°以上で、それぞれ耐荷重が50
0kg以上となる。
【0049】上記構成の種結晶保持具15に種結晶16
が装着されるが、この種結晶16は種結晶保持具15の
内壁面形状に沿った外形となっており、種結晶16より
成長するネック17a(図6)が大重力の単結晶17の
荷重に耐えられるものであれば、大重力の単結晶17を
引き上げることができる。そのため、種結晶下部16a
の直径(2r)は、通常、14mm以上に設定されてい
る。また、この種結晶16を用い、ネック17aを形成
しない方法によっても単結晶17を引き上げることがで
きる。
【0050】
【実施例及び比較例】以下、実施例に係る単結晶引き上
げ用種結晶保持具及び種結晶を説明する。また、比較例
として、耐荷重の小さい単結晶引き上げ用種結晶保持具
及び種結晶についても説明する。
【0051】本実施例及び比較例においては、下記の表
1に示す形状の種結晶保持具15を用い、種結晶保持具
15の内壁面形状に沿った外形の種結晶16をこの種結
晶保持具15に装着した。次に、引張り試験機に種結晶
保持具15を固定した後、種結晶16を500kgfの
力で垂直方向に引張り、種結晶保持具15及び/又は種
結晶16に破断が発生するか否かを観察した。下記の表
1に種結晶保持具15の寸法、及び引張り試験の結果を
示す。なお、引張り試験に用いたサンプルはそれぞれで
10個である。
【0052】
【表1】
【0053】上記表1に示した結果より明らかなよう
に、実施例1〜5の場合には、種結晶保持具15の各寸
法を上記数1式の左辺に代入すると、計算上耐荷重が5
00kgf以上となるが、実際の引張り試験でも耐荷重
が500kgf以上あることがいずれの場合にも実証さ
れた。
【0054】また、比較例1〜2の場合、計算上は耐荷
重が500kgf未満となり、実際の引張り試験でも全
ての場合に種結晶保持具15及び種結晶16に破損が発
生した。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る種結晶保持具を模式
的に示した断面図である。
【図2】(a)は、実施の形態に係る種結晶保持具の下
部右半面を模式的に示した部分拡大断面図であり、
(b)は(a)図におけるA−A線断面図である。
【図3】種結晶保持具の層間引張り強度σを0.03k
gf/mm2 、中間部及び下部の垂直断面積Sを100
0mm2 とした場合の、内壁面の水平面に対する角度θ
と耐荷重との関係を示したグラフである。
【図4】内壁面の水平面に対する角度θが45〜85°
の範囲において、中間部及び下部の垂直断面積Sを変化
させた場合の耐荷重と角度θとの関係を示したグラフで
ある。
【図5】従来のCZ法に用いられる単結晶引き上げ装置
を模式的に示した断面図である。
【図6】(a)〜(d)は、単結晶を引き上げる各工程
のうちの、一部の工程における種結晶の近傍を模式的に
示した部分拡大正面図である。
【図7】(a)は従来の炭素繊維クロス強化黒鉛製の種
結晶保持具を模式的に示した斜視図であり、(b)はそ
の断面図である。
【符号の説明】
15 種結晶保持具 151 上部 152 中間部 153 下部 152b 内壁面 16 種結晶

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 大口径の空洞を有する上部、小口径の空
    洞を有する下部、及びこれら上部と下部とを接続する中
    間部により構成された炭素繊維クロス強化黒鉛製の単結
    晶引き上げ用種結晶保持具において、前記中間部内壁面
    の水平面に対する角度をθ、前記中間部及び前記下部の
    垂直断面積をS、炭素繊維クロス強化黒鉛の層間引張強
    度をσ、引き上げる単結晶の荷重をWとすると、これら
    が下記の数1式を満たすようにθ、S、σの各値が設定
    されていることを特徴とする単結晶引き上げ用種結晶保
    持具。 【数1】πσS/(sinθ・cosθ)>W
  2. 【請求項2】 前記中間部内壁面の水平面に対する角度
    (θ)が20〜85°の範囲内で設定されていることを
    特徴とする請求項1記載の単結晶引き上げ用種結晶保持
    具。
  3. 【請求項3】 請求項1又は請求項2記載の単結晶引き
    上げ用種結晶保持具の内壁面形状に沿った外形を有する
    ことを特徴とする単結晶引き上げ用種結晶。
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