JP2936651B2 - スポット溶接性に優れた亜鉛系めっき複層鋼板 - Google Patents

スポット溶接性に優れた亜鉛系めっき複層鋼板

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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、亜鉛系めっき複層鋼板、特に自動車車体、
家電製品、建材および産業機器等に用いられる鋼板とし
て有名な電着塗装性とともにスポット溶接性に優れた亜
鉛系めっき複層鋼板に関する。
(従来の技術) 亜鉛系めっき鋼板は、優れた耐食性を有するため、近
年自動車車体用を中心として大量に使用されており、そ
の種類も多岐にわたっている。近年になり、合金めっき
鋼板、有機樹脂被覆鋼板等が開発され実用化されてい
る。しかし、合金めっき鋼板においては付着量が20〜45
g/m2であるため耐食性が不十分であり、厚目付化も検討
しているが、厚目付け化するとスポット溶液性が劣化す
る。一方、有機樹脂被覆鋼板は、アーク溶接・スポット
溶接時に有機樹脂(約1μm)が熱分解してしまうた
め、溶接箇所の耐食性が劣化してしまう。また、通常の
亜鉛めっき鋼板は、目付量が30g/m2でもスポット溶液性
が不十分であることが知られている。
最近の金属材料は自動車車体用鋼板に代表されるよう
にスポット溶接によって組み立てられることが多く、し
たがってスポット溶接性の改善は不可避的事項である。
亜鉛系めっき鋼板のスポット溶接性が劣る理由として
は、次の2点が考えられている。
第一に、スポット溶接に際して電極と接触する鋼板表
面の亜鉛層が溶接中の発熱により溶解するため、電極先
端も部分的に溶解したり、合金層を形成してしまい連続
打点溶接による電極損傷が通常の冷延鋼板に比べて激し
くなり、その結果、電極−板間の電流通路が変化し通電
特性を損なうことになる。
第二に、亜鉛めっき層の融点は420℃と低く、そのた
め通電初期に溶融してしまい、その結果、電極−板間あ
るいは板−板間で通電面積が拡がって、電流密度が低下
しナゲットが生成しにくくなる。この現象は溶融合金化
亜鉛めっき鋼板あるいは電気亜鉛めっき鋼板にもいえる
が、これらの鋼板のめっき層の融点は約850℃であるた
め、亜鉛めっき鋼板よりもスポット溶接性は優れてい
る。しかし、冷延鋼板よりも連続打点数は少なくかつ、
耐食性向上の観点よりめっき層の厚目付化が進めばさら
に亜鉛系めっき鋼板のスポット溶接性は劣化する。
従来にあっても、亜鉛めっき鋼板のスポット溶接性の
改善手法としては、いくつか提案されている。
例えば、溶接学会抵抗溶接研究委員会資料;RW−173−
80“表面処理鋼板のスポット溶接性”において、鋼板の
表面に酸化物の存在があれば、電極間電圧が高くなり溶
接性が向上することが示されている。すなわち、酸化物
が非常に高い抵抗値を持つことから、酸化物の存在する
箇所で発熱が促進されナゲットが形成しやすくなるとい
うのである。
また、特開昭59−104463号には、溶融亜鉛めっき鋼板
の表面に、加熱により不活性皮膜を生成させ電極と亜鉛
系めっきの直接的接触を避け、電極の溶損を防止して寿
命延長を図る方法が開示されている。
一方、特開昭60−63394号および特開昭63−186883号
には、亜鉛系めっき鋼板表面にAl2O3等の酸化物皮膜を
形成せしめ、あるいはさらに塗油せしめ、酸化物の高電
気抵抗・高融点を利用し、溶接性を向上させるとともに
電極とめっき層との接触をさけ電極の長寿命化をめざす
ことが開示されている。
しかしながら、このような方法では、未だ工業的規模
では満足できるようなスポット溶接性が得られていな
い。
今日、防錆鋼板として亜鉛系めっき鋼板が有望視され
ているが、付着量の厚目付化志向に伴い、特にスポット
溶接性の劣化が危惧されている。
(発明が解決しようとする課題) 本発明者らは、主に自動車に使用する防錆鋼板である
亜鉛系めっき鋼板の必要性能の中で、スポット溶接性の
重要性に着目し、主としてその改善を図り、併せて耐食
性・電着塗装性・化成処理性・加工性等の性能も満足す
る亜鉛めっき鋼板を開発すべく、鋭意検討を重ねた。
前述したように、スポット溶接性を改善するには、2
つの方法が考えられる。すなわち、電極の損傷防止、
電極板間、あるいは板−板間におけるめっき層溶融に
よる電流密度低下防止である。
そこで、本発明者らは、これらの2点を同時に満足す
る方法としてめっき鋼板表面に酸化物を塗布せしめる方
法に着目した。この方法によれば、電極とめっき層の直
接接触をさけ電極損傷を防止すると同時に酸化物の高電
気抵抗・高融点を利用して電極−板間、板−板間の通電
面積の拡がりを防止できる。しかしながら、その後の研
究の結果によれば、酸化物を塗布するだけでは、確かに
スポット溶接性は改善できるが、高絶縁皮膜となるため
自動車車体製造時の電着塗装時に不具合が生じる。特
に、今日のように電着塗装が大幅に採用されている現状
からは、互いに相反する性質であるスポット溶接性と電
着塗装性とを同時に満足する亜鉛めっき鋼板が求められ
ている。
かくして、本発明の目的は、電着塗装性を確保しつつ
従来の亜鉛系めっき鋼板のスポット溶接性を向上させた
亜鉛系めっき複数鋼板を提供することである。
(課題を解決するための手段) 一般に亜鉛系めっき鋼板を連続スポット溶接すると、
連続打点を始めた20打点目でFe−Zn合金のポーラス層が
早くも形成されており、この層が打点数を増加させるに
従い周囲へ拡大する。これにつれて通電初期の電極と板
との接触径は拡大し、初期電流密度が低下することによ
りナゲット形成が困難になる。これに対し裸鋼板は2000
打点後でも通電初期に電極と板が接触する径は、亜鉛系
めっき鋼板の200打点の連続打点後に比べても小さく溶
接性はかなり良好なることがわかる。また、電極先端に
形成されるCu−Zn合金層であるが、ビッカース硬さ360
〜430の硬くて脆いγ−(Cu−Zn)層が存在し、この層
が連続打点時の衝撃により割れ、合金層の剥離を引き起
こす。この電極先端の割れ剥離により電極先端が平坦に
なり電極−板間の通電面積が拡がるためナゲットが形成
されにくくなるのである。
Cu−Znの合金化を妨げる方法として、1つは、Cuおよ
びZnと合金化しても溶融点を下げない元素でめっき層表
面を被覆することが考えられる。すなわち、亜鉛系めっ
き層表面にMnやNiを表面層とした2層めっき鋼板は連続
打点性が向上するが、耐食性あるいは加工性とのバラン
スが困難である。また、酸化物を塗布する方法もスポッ
ト溶接性を改善できるが、電着塗装性に問題があった。
そこで発明者等が鋭意研究した結果、金属を亜鉛系め
っき鋼板の表面に被覆し、かつ酸化物を被覆させること
により、電着塗装性を確保しつつスポット溶接性の優れ
た亜鉛系めっき複層鋼板が得られることを知り、本発明
を完成した。
よって、本発明は、亜鉛系めっき鋼板のめっき皮膜表
面上に電着塗装性を向上させるための金属と溶接性を向
上させるための金属酸化物とが混在する被覆層を有し、
電着塗装性向上のための金属の表面露出率が10〜90%で
あり、かつ金属酸化物が10〜500mg/m2であることを特徴
とする電着塗装性とスポット溶接性に優れた亜鉛系めっ
き複層鋼板である。
(作用) 本発明は、亜鉛めっき皮膜を被覆する金属(以下亜鉛
めっき皮膜と区別して「被覆金属」ともいう)により電
着塗装性を確保しつつ、酸化物被覆により電極損傷軽減
および発熱密度確保を達成し、スポット溶接性を飛躍的
に改善したものである。
ここに、上記亜鉛系めっき鋼板は、本発明において特
に制限されず、慣用のものであってもよく、溶融亜鉛め
っき鋼板、溶融亜鉛合金めっき鋼板、電気亜鉛めっき鋼
板、電気亜鉛合金めっき鋼板(例:Fe−Zn、Ni−Zn)、
亜鉛溶射鋼板、亜鉛蒸着鋼板、合金化溶融亜鉛めっき鋼
板等、亜鉛を含有する表面被覆層を備えた鋼板一般を指
称するものである。したがって、その他の元素、例え
ば、Cr、Mn、Ni、Sn、Pb、Al、Mo、Co、Ti等が1種ある
いは2種以上含有されていても亜鉛が少なくとも含まれ
ていれば、上記亜鉛系めっき鋼板に包含される。
なお、亜鉛系めっき鋼板は厚目付けをするとスポット
溶接性が劣化するといわれており、したがってそのよう
な厚目付けの場合に本発明の利益が特に発揮される。
このような亜鉛系めっき鋼板の表面をさらに被覆する
金属としては、その目的が電着塗装性の改善にあるか
ら、下層となる亜鉛系めっき皮膜より電着クレータ発生
臨界電圧が高い金属であればよく、その限りで特に制限
されないが、望ましくはFe、Al、Cr、Ni、Cuのうち選ば
れたる1種以上の金属等で、その形態は合金、単一金
属、あるいは混合体のいずれであってもよい。また、M
n、Pb、Sn、Ti、Zn、Mg、Cd、Ta、Nb、V、W、Sb、
P、B、S等の不純物を10wt%程度まで含んでいても問
題はなく、特に、Mn、Znにおいては40wt%以下でも問題
はない。
かかる被覆金属を設ける方法としては、めっき方法が
最も一般的であるが、それにも水溶液あるいは非水溶媒
溶融塩からの電気めっき法、無電解めっき法、PVD、CVD
法などが例示されるが、後述する酸化物との複合めっき
を行うには、電気めっき法が好ましい。
例えば、電気めっき法として、ピロリン酸浴、硫酸
浴、ワット浴、あるいはサージェント浴を基本としてめ
っきし、合金めっき系については合金元素をこれら浴に
塩化物、硝酸塩、硫酸塩、酢酸塩、炭酸塩、モリブデン
酸塩、ピロリン酸塩、次亜リン酸塩、有機金属塩あるい
は予め金属を酸で溶解した状態等で、目的組成となるよ
うにめっき浴中に添加する。析出金属の浴中イオン濃度
は一般に1〜2M/であれば十分である。いずれの場合
にあってもめっき電流密度はほぼ40〜150A/dm2程度であ
ればよい。
無電解めっき法としては、一般に市販されている還元
剤を含んだ浴や化学的に置換析出する浴を用い、浴温30
〜80℃の範囲で浸漬処理し、付着量を浸漬時間により調
整すればよい。
その他、被覆金属を設ける手段としては、溶射法、イ
オン・プレーティング、スパッタリングなどを挙げるこ
とができる。
被覆金属の金属面の表面露出率を10%以上、90%以下
としたのは、10%未満で電着塗装性の改善効果が少な
く、90%超では、スポット溶接性の改善効果が少ないた
めである。好ましくは、20〜80%である。
ここに、上記表面露出率は、下記式で定義されるよう
に酸化物によって覆われていない最表面層に存在する被
覆金属領域の割合をいう。
ただし、S0:鋼板単位面積 S1:被覆金属の最表層露出面積 この表面露出率の測定は、表面分析結果の画像解析法
によって行う。また、かかる表面露出率の調整は前処理
を含めた被覆金属めっき条件と酸化物被覆条件を適宜変
化させることにより調節することができる。また、下層
Zn系めっきの表面形態、活性度により変化させられる。
上記被覆金属と混在して設けられる。金属酸化物とし
ては、これも特に制限はないが、好ましくは、Al、Si、
Cr、Sb、Ti、Fe、Zn、Ni、Li、Zr、Mnなどの酸化物が例
示される。
かかる金属酸化物層は、適宜バインダーを使った塗布
法、PVD、CVD、静電塗装法などによって設ければよく、
それらの方法の操作法自体はすでに当業者にはよく知ら
れているところであり、本発明にあってもその点特に制
限されない。
例えば、塗装法によって金属酸化物を亜鉛めっき皮膜
上に設ける場合、クロメート、カップリング剤(シラン
カップリング剤やクロムカップリング剤)等であるバイ
ンダーとともに目的金属酸化物を固体酸化物、スラリ状
あるいはゾル状で溶媒(例:水、アルコール等の溶剤)
に混ぜ、めっき被膜上にロールコータ、浸漬後ロール絞
り、バーコーター、あるいはハケ塗りなどによって塗布
し、例えば100〜400℃で乾燥するのである。
また、これらの金属酸化物は上記被覆金属との混在状
態で設けるが、その混在の形態には各種の形態が考えら
れるが、要するに本発明の場面表面露出率を10〜90%か
つ、酸化物付着量が10〜500mg/m2に制限することができ
なければいずれの形態であっても特に制限はされない。
大別すれば次の2つに分けて考えることができる。
両者が順次亜鉛めっき皮膜上に設けられ混合状態で存
在している場合。
両者を複合めっきで亜鉛皮膜上の設けている場合。
酸化物粒径としては10μm以下にすることが、安定に
製造できるために有利である。
第1図(a)ないし(o)に本発明による被覆金属層
と金属酸化物との上記およびの場合における混在の
形態をさらに詳細にいくつか略式で説明する。
第1図(a)ないし(c)、(h)、(l)および
(o)は、亜鉛めっき鋼板上に一種の被覆金属と酸化物
(一種以上)とが付着している場合である。金属酸化物
は第1図(a)および(b)のように亜鉛めっき皮膜に
直接付着する場合もあり、また第1図(c)のように被
覆金属の上に付着する場合もある。第1図(c)は第
一、第二の被覆金属で亜鉛めっき皮膜を完全に覆ってそ
の上に金属酸化物が付着している。
第1図(d)は、二種の被覆金属が亜鉛めっき皮膜上
に付着され、その上に金属酸化物が付着している場合を
示す。第1図(e)は第一の被覆金属が層状を成し亜鉛
めっき皮膜を覆い、その上に第二の被覆金属と金属酸化
物が付着している。
第1図(f)は第一の被覆金属が亜鉛めっき皮膜に直
接設けられているとともに、第二の被覆金属および金属
酸化物も一部直接亜鉛めっき皮膜上に付着している場合
を示す。
第1図(g)〜(n)は酸化物が被覆金属に複合化し
た例を示すもので、特に第1図(i)、(m)では亜鉛
系めっき皮膜にも酸化物が複合化している。第1図
(o)は被覆金属層表面に酸化物が機械的に押込められ
た場合を示す。
なお、第1図は説明のために模式的に皮膜構造を示す
ものであって、付着量が多い場合には層状に被覆層が見
られることになる。
被覆金属の付着量と被覆率のバランスをとるため、被
覆金属の凸状析出を行うことも可能である。また、被覆
金属を2層以上にしても何ら問題はない。
本発明の好適態様によれば、上記被覆金属は片面当た
り0.1g/m2以上とするのが好ましい。0.1g/m2未満では、
最表層露出率を10%以上とするのが困難なためである。
また、20g/m2超の付着量では性能的に飽和し、コスト
的にも不利となり、0.1〜20g/m2の範囲が好ましい。
金属酸化物を片面当り10mg/m2以上としたのは、それ
未満でスポット溶接性の改善効果があまり認められない
ためである。上限値は性能的に特に制限されるものでは
ないが、500mg/m2超で剥離が生じやすくなり、好ましく
は10〜500mg/m2である。
本発明のさらに好適な態様においては、被覆金属を片
面当たり0.1g/m2以上、被覆率10%以上とする。それぞ
れ0.1g/m2未満、10%未満では、電着塗装性の改善効果
が小さいためである。
ここに、被覆率は下記式で定義される。
ただし、A1:被覆金属による被覆面積 A0:亜鉛めっき皮膜単位面積 なお、上記被覆率は被覆金属の量に比例することか
ら、被覆金属の目付け量を変えることによって調整する
ことができる。
次に、本発明をその実施例によってさらに具体的に説
明する。
実施例 以下に本発明を実施例について具体的に説明する。
厚さ0.8mmの冷延鋼板を用い、通常による前処理を行
い、溶融めっき法、電気めっき法、ドライプロセス法、
めっき後熱処理法の一般的な手法を用い亜鉛系めっきを
行った。
その後、被覆金属をめっきしたが、その場合のめっき
法は、電子めっき法の場合、ピロリン酸浴、硫酸浴、ワ
ット浴、あるいはサージェント浴を基本としてめっき
し、合金めっき系については合金元素をこれら浴に塩化
物、硝酸塩、硫酸塩、酢酸塩、炭酸塩、モリブデン酸
塩、ピロリン酸塩、次亜リン酸塩、有機金属塩あるいは
予め金属を酸で溶解した状態等で、狙いの組成となるよ
うにめっき浴中に添加した。析出金属の浴中イオン濃度
は1〜2M/とした。
ただし、溶融塩浴からの電気めっきについては、塩化
物溶融塩を用いて、温度200±10℃で行った。
いずれの場合もめっき電流密度は40〜150A/dm2で行っ
た。
また、無電解めっきの場合一般に市販されている還元
剤を含んだ浴や化学的に置換析出する浴を用い、浴温30
〜80℃範囲で浸漬処理し、付着量を浸漬時間により調整
した。
ドライプロセス法としては、Zn、AlあるいはTi、さら
にはそれらを主成分とする合金めっきについて、PVD、C
VDの手法を用い公知の条件で行った。次いで、金属酸化
物の付着は次のようにして行った。
クロメート液やシランカップリング剤、クロムカップ
リング剤をバインダーとし、これら液中に金属酸化物を
混ぜ、分散させた状態で、バーコーターにより狙い付着
量となるように塗布し、100〜400℃で加熱、焼付けを行
った。
得られたサンプルの評価として、スポット溶接性は、
電極としてダブルR型のCu−Cr合金を用い、これを2450
Nで圧下し、11KAの溶接電流で、連続打点を1打点/秒
で行い、100打点毎に、溶接電流の85%の電流値で溶接
し、そのナゲット径の3.5mmを確保できる打点数で行
い、次のように5段階評価を行った。
◎・・・8,000打点以上 ○・・・4,000 〃 △・・・2,000 〃 ×・・・1,000 〃 ××・・1,000打点未満 また、電着塗装性の評価として、電着電圧300V、28℃
で、電着膜厚20±1μmとなるようにし、175℃25分間
焼き付けた後の100cm2当りのクレーター個数で次の通り
5段階で評価した。
◎・・・0個 ○・・・3個以下 △・・・10個以下 ×・・・100個以下 ××・・100個超 なお、使用した電着液は、関西ペイント(株)製のエ
レクロン9450で1年間使用したものであった。
耐食性の評価に際しては、電着塗装を200Vの比較的マ
イルドな条件で電着し、(その後の条件は上記同様)、
クロスカットを行い、複合腐食試験に供し、穴あきまで
のサイクル数を調査した。上層被覆層の無い材料と比較
し、耐食性が向上したものを○、ほぼ同等のものを△、
劣化したものを×として評価している。
なお、腐食サイクルは以下の通りである。
試験結果は処理条件とともに第1表、第2表にまとめ
て示す。第1表が本発明例、第2表が比較例である。
実施例中のめっきサンプル片面めっきの場合は、溶接
時の膜面組合せは同一方向となるようにしている。ま
た、両面めっき材は、どちらの面も同一条件で作製して
いるが、異なる皮膜形態を有していても同様の効果があ
る。ただし、下層亜鉛めっきは全て両面めっきである。
また、表中の元素の前に記した数値は合金組成で重量
%で示してある。さらに、種類の後のカッコ内はめっき
手法を示しており、EL(電気めっき)、HD(溶融めっ
き)、DP(ドライプロセス)、NE(無電解めっき)、ま
た、めっき後熱処理したものは、記号の後にAを付して
ある。(例えばELA、HDA、etc.) 被覆酸化物として、CrOxと示しているものは、Cr3+
Cr6+の比率が明確でなく、また水酸化物状態のものも含
んでいる。
比較例No.1〜30は、本発明例No.1〜30に対応する下層
Zn系めっき材のみの材料であり、本発明例の耐食性評価
の基準であるため、耐食性評価欄は空である。
比較例No.31以降は、本発明の範囲外の上層被覆条件
のもので、溶接あるいは電着塗装性のどちらかが満足さ
れない結果となっているのがわかる。
(発明の効果) 本発明の亜鉛系めっき複層鋼板を使用することによ
り、スポット溶接性を大幅に向上でき、耐食性・電着塗
装性等のいずれかの特性にも優れた効果が得られ、今日
亜鉛系めっき鋼板として産業界で求められている。各特
性をいずれも満足することができ、よって本発明の実用
上の価値は大きい。
【図面の簡単な説明】
第1図(a)〜(o)は、本発明にかかるめっき鋼板の
表面状態の略式拡大説明図である。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】亜鉛系めっき鋼板のめっき皮膜表面上に電
    着塗装性を向上させるための金属と溶接性を向上させる
    ための金属酸化物とが混在する被覆層を有し、前記電着
    塗装性向上のための金属面の表面露出率が10〜90%であ
    り、かつ金属酸化物が10〜500mg/m2であることを特徴と
    する電着塗装性とともにスポット溶接性に優れた亜鉛系
    めっき複層鋼板。
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