JP2935515B2 - 1―アザビシクロ[m,n,0]アルカン誘導体及びその塩並びにこれらの製法 - Google Patents

1―アザビシクロ[m,n,0]アルカン誘導体及びその塩並びにこれらの製法

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JP2935515B2 JP1314312A JP31431289A JP2935515B2 JP 2935515 B2 JP2935515 B2 JP 2935515B2 JP 1314312 A JP1314312 A JP 1314312A JP 31431289 A JP31431289 A JP 31431289A JP 2935515 B2 JP2935515 B2 JP 2935515B2
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    • C07D487/04Ortho-condensed systems

Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は1−アザビシクロ[m,n,0]アルカン誘導体
及びその塩並びにこれらの製法に係る。
1−アザビシクロ[m,n,0]アルカン誘導体の内に
は、それ自体アルカロイドの基本骨格の部分構造に含ま
れるものがある。又、1−アザビシクロ[m,n,0]アル
カン誘導体は、本発明者等が開発した薬理活性物質であ
る2−オキソピロリジン化合物(特開昭61−254587)、
有機白金錯体(特開昭61−229893)及びセファロスポリ
ン誘導体(特開昭62−16487)の部分構造を形成するも
のであり、従って各種の医薬品や農薬等の合成原料とし
ても用いることができる。
(従来の技術) 既知の(m+2)位−置換−1−アザビシクロ[m,n,
0]アルカン誘導体であって(m≧n)、(m+2)位
以外の環上に置換基を有する誘導体の数は極めて少な
い。又、(m+2)位−置換−1−アザビシクロ[m,n,
0]アルカン誘導体を合成する方法としては下記の諸方
法が知られているが、各種の化合物を容易に合成可能な
らしめる汎用性の高い一般的な製法は見当たらないのが
実状である。
即ち、5位−置換−1−アザビシクロ[3,3,0]オク
タン誘導体を合成する場合には、先ずγ−ブチロラクト
ンとKOCNとを反応させてγ−(N−2−ピロリジノニ
ル)酪酸となす。次いで、これをソーダライムの存在下
に加熱して1−アザビシクロ[3,3,0]−4−オクテン
となした後に過塩素酸と反応させて1−アザビシクロ
[3,3,0]オクタ−Δ1(5)ニウム パークロレートに変
換する。その後にシアン化カリウム、シアノ酢酸又は置
換マロン酸誘導体等の求該試薬を作用させ、導入された
官能基を必要に応じて化学的に変換することにより合成
されている[宮野等“Synthesis"第701頁(1978年)、
宮野等“Heterocycles"第16巻、第755頁(1981年)、特
開昭59−112988、同59−167591及び同61−22084]。
尚、上記合成法における中間原料であるγ−(N−2−
ピロリジノニル)酪酸の合成法としては2−ピロリドン
に金属ナトリウムを作用させた後にγ−ブチロラクトン
を添加する方法も報告されている[宮野等“J.Heterocy
clic Chem."第19巻、第1465頁(1982年)。
6位置換−1−アザビシクロ[4,3,0]ノナン誘導体
を合成する場合には、先ず2−ピペリドンに金属ナトリ
ウムを作用させた後にγ−ブチロラクトンと反応させて
γ−(N−2−ピペリジノニル)酪酸となす。これを、
上記の5位−置換−1−アザビシクロ[3,3,0]オクタ
ン誘導体の場合と同様に、ソーダライムの存在下に加熱
した後に過塩素酸と反応させて1−アザビシクロ[4,3,
0]ノナ−Δ1(6)−ニウム パークロレートに変換す
る。その後にシアン化カリウム、シアノ酢酸又は置換マ
ロン酸誘導体等の求核試薬を作用させ、導入された官能
基を必要に応じて化学的に変換することにより所望の化
合物に誘導する[宮野等“J.Heterocyclic Chem."第19
巻、第1465頁(1982年)]。
6位−置換−1−アザビシクロ[4,4,0]デカン誘導
体を合成する場合には、先ず2−ピペリドンに水素化カ
リウムを作用させた後に5−ブロモ吉草酸エチルと反応
させてγ−(N−2−ピペリジノニル)吉草酸エチルと
なす。これを、上記の5位−置換−1−アザビシクロ
[3,3,0]オクタン誘導体の場合と同様に、ソーダライ
ムの存在下に加熱した後に四弗化硼素酸と反応させて1
−アザビシクロ[4,4,0]デカ−Δ1(6)−ニウム テト
ラフルオロボレートに変換する。その後に、シアン化カ
リウム、シアノ酢酸又は置換マロン酸誘導体等の求核試
薬を作用させ、導入された官能基を必要に応じて化学的
に変換することにより所望の化合物に誘導する[Roger
W.Alder等“J.chem.Soc.Chem.Commun."第940頁(1982
年)]。
更に、本発明者等の出願に係る特願昭63−138405及び
同63−138406明細書には、5−ニトロメチル−1−アザ
ビシクロ[3,3,0]オクタン、5−シアノ−1−アザビ
シクロ[3,3,0]オクタン及び5−アミノメチル−1−
アザビシクロ[3,3,0]オクタン並びにこれらの製法が
開示されている。
(発明が解決しようとする課題及び発明の目的) 上記従来法における反応工程の第1工程であって、γ
−ブチロラクトンとKOCNとを反応させてγ−(N−2−
ピロリジノニル)酪酸を合成する工程は、所要反応温度
が高い点(約200℃)及び収率が比較的低い点(約40
%)に課題を有している。一方、2−ピロリドン又は2
−ピペリドンに金属ナトリウム又は水素化カリウムを作
用させた後に、γ−ブチロラクトン又は5−ブロモ吉草
酸エチルを添加して反応させる場合には、爆発等の異常
反応が生じる可能性がある点に課題を有している。
上記従来法における反応工程の第2工程であって、γ
−(N−2−ピロリジノニル)酪酸、γ−(N−2−ピ
ペリジノニル)酪酸又はγ−(N−2−ピペリジノニ
ル)吉草酸エチルをソーダライムの存在下に加熱して、
1−アザビシクロ[3,3,0]−4−オクテン、1−アザ
ビシクロ[4,3,0]−5−ノネン又は1−アザビシクロ
[4,4,0]−5−デセンを合成する工程も所要反応温度
が高い点(200−300℃)及び生成するこれらの化合物自
体が安定性の低い点に課題がある。
尚、既述の特願昭63−138405及び同63−138406明細書
には、5−ニトロメチル−1−アザビシクロ[3,3,0]
オクタン、5−シアノ−1−アザビシクロ[3,3,0]オ
クタン及び5−アミノメチル−1−アザビシクロ[3,3,
0]オクタンの製法が開示されているが、その他の1−
アザビシクロ[m,n,0]アルカン誘導体の合成法につい
ては示されていない。
従って、本発明の第1の目的は、既述のように各種の
医薬品、農薬等の合成原料として有用な1−アザビシク
ロ[m,n,0]アルカン誘導体及びその塩を提供すること
にある。
本発明の副次的な、但し極めて重要な目的は、従来公
知の1−アザビシクロ[m,n,0]アルカン誘導体とは物
理化学的性質(分配係数、塩基性、分子屈折率、分子の
立体配座等)において異なった新規な1−アザビシクロ
[m,n,0]アルカン誘導体及びその塩を提供し、斯くて
これらの新規な誘導体や塩を原料とすることにより、本
発明者等が開発した既述の薬理活性物質である2−オキ
ソピロリジン化合物(特開昭61−254587)、有機白金錯
体(特開昭61−229893)及びセファロスポリン誘導体
(特開昭62−16487)等における薬理的性質の改善(活
性向上、低毒性化等)又は新たな薬理作用の発見等の可
能性をもたらすことにある。
本発明の第2の目的は、種々の1−アザビシクロ[m,
n,0]アルカン誘導体の合成に適用し得る汎用性を有し
ており、反応操作が容易であり、爆発等の危険性がな
く、高価な試薬を必要とせず、従って工業的規模での生
産に好適な1−アザビシクロ[m,n,0]アルカン誘導体
の合成法を提供することにある。
(課題を解決し、目的を達成する手段及び作用) 本発明によれば、上記の第1の目的及びその副次的目
的は、一般式 [式中、は1−2m個の炭化水素基にて置換されている
ことのできるCmのアルキレン鎖を意味し、は1−2n個
の炭化水素基にて置換されていることのできるCnのアル
キレン鎖を意味し、m及びnは3−5の整数(m≧n)
を意味し、Aはシアノ基;アルコールにてエステル化さ
れたカルボン酸基;アンモニア又は、第1級或は第2級
アミンにてアミド化されたカルボン酸基;アシル基;又
は−C(A1)(A2)(A3)基を意味し、A1、A2、A3の内
の少なくとも1つはニトロ基;水酸基;アルコールにて
エーテル化され、又はカルボン酸にてエステル化された
水酸基;無置換、モノ又はジ置換アミノ基;アシル化さ
れたアミノ基;又はハロゲン原子を意味し、A1、A2、A3
の内で他のものは水素又は炭化水素基を意味する] にて示される1−アザビシクロ[m,n,0]アルカン誘導
体及びその塩により達成される。
即ち、上記の一般式(I)にて示される化合物、例え
ば5−シアノ−4,6−ジメチル−1−アザビシクロ[3,
3,0]オクタンの分配係数は、無置換体である5−シア
ノ−1−アザビシクロ[3,3,0]オクタンと比較する場
合に、1.32(計算値)上昇し、この構造を分子内に有す
る薬物を投与する場合には、その生体内での分布が変化
し、その結果薬理作用の増強、新規な薬効の発現等が期
待できる。従って、上記の一般式(I)にて示される化
合物及びその塩は各種医薬品及び農薬等を合成する場合
の中間原料として極めて有用なのである。
一般式(I)にて示される化合物の内で、その構造上
不斉炭素原子を包含している場合には、立体異性体が存
在し得るが、これらの立体異性体も本発明による化合物
に包含されるものであることに留意され度い。
一般式(I)にて示される化合物において、炭化水素
基とはアルキル基、アリール基であることができ、直鎖
状アルキル基としては炭素数1−10のもの、例えばメチ
ル、エチル、n−プロピル、n−ブチル、n−ペンチ
ル、n−ヘキシル、n−デシル基等を例示することがで
き、枝鎖状アルキル基としてはi−プロピル、i−ブチ
ル、sec−ブチル、tert−ブチル、i−ペンチル基等を
例示することができ、環状アルキル基としては炭素数3
又はそれ以上のもの、例えばシクロプロピル、シクロブ
チル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチ
ル基等を例示することができ、アリール基としてはフェ
ニル、トリル、キシリル、メシル基等を例示することが
できる。
アルコールとしてはメチルアルコール、エチルアルコ
ール、n−プロピルアルコール、n−ブチルアルコー
ル、n−ペンチルアルコール、n−ヘキシルアルコー
ル、i−プロピルアルコール、i−ブチルアルコール、
sec−ブチルアルコール、i−ペンチルアルコール、シ
クロプロピルアルコール、シクロブチルアルコール、シ
クロペンチルアルコール、シクロヘキシルアルコール等
の脂肪族アルコールを例示することができる。
第1級アミンとしてはメチルアミン、エチルアミン、
n−プロピルアミン、n−ブチルアミン、n−ペンチル
アミン、n−ヘキシルアミン、n−デシルアミン、i−
プロピルアミン、i−ブチルアミン、sec−ブチルアミ
ン、tert−ブチルアミン、i−ペンチルアミン、シクロ
プロピルアミン、シクロブチルアミン、シクロペンチル
アミン、シクロヘキシルアミン等の脂肪族アミン、アニ
リン等の芳香族アミン、ピリジニルアミン等の複素環式
アミンを例示することができる。
第2級アミンとしてはジメチルアミン、ジエチルアミ
ン、ジ−n−プロピルアミン、モルフォリン、ピペラジ
ン、ピペリジン、ピロリジン等の脂肪族アミン、フェニ
ルベンジルアミン、メトキシフェニルベンジルアミン等
の芳香族アミンを例示することができる。
アシル基としてはアセチル、プロピオニル、ブチリ
ル、i−ブチリル、バレリル、i−バレリル、ピバロイ
ル基等の脂肪族アシル基、ベンゾイル、シンナモイル基
等の芳香族アシル基を例示することができる。
モノ置換アミノ基としてはメチルアミノ、エチルアミ
ノ、n−プロピルアミノ、n−ブチルアミノ、n−ペン
チルアミノ、n−ヘキシルアミノ、n−デシルアミノ、
i−プロピルアミノ、i−ブチルアミノ、sec−ブチル
アミノ、tert−ブチルアミノ、i−ペンチルアミノ、シ
クロプロピルアミノ、シクロブチルアミノ、シクロペン
チルアミノ、シクロヘキシルアミノ基等の脂肪族アミノ
基、アニリノ基等の芳香族アミノ基、ピリジニルアミノ
基等の複素環式アミノ基等を例示することができる。
ジ置換アミノ基としてはジメチルアミノ、ジエチルア
ミノ、ジ−n−プロピルアミノ、モルフォリノ、ピペラ
ジノ、ピペリジノ、ピロリジノ等の脂肪族アミノ基、フ
ェニルベンジルアミノ、メトキシフェニルベンジルアミ
ノ基等の芳香族アミノ基を例示することができる。
ハロゲン原子としては塩素、臭素及び沃素を挙げるこ
とができる。
一般式(I)にて示される化合物の塩とは、当然のこ
とながら非毒性塩があり塩酸塩、臭化水素酸塩、沃化水
素酸塩、過塩素酸塩等のハロゲン化水素酸塩、硫酸塩、
硝酸塩、燐酸塩等の鉱酸塩、酢酸塩、プロピオン酸塩、
グルコール酸塩、マレイン酸塩、フマル酸塩、酒石酸
塩、コハク酸塩、乳酸塩、安息香酸塩、珪皮酸塩等の有
機カルボン酸塩、メタンスルホン酸塩等のアルキルスル
ホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、p−トルエンスルホ
ン酸塩等のアリールスルホン酸塩、シクロヘキシルスル
ホン酸塩等の環状アルキルスルホン酸塩等を例示するこ
とができる。
上記の一般式(I)にて示される化合物の内で一般式 [式中、及びは前記の意味を有し、Bはシアノ基又
は−C(B1)(B2)(B3)基を意味し、B1、B2及びB3
内の少なくとも1つはニトロ基を意味し、B1、B2及びB3
の内で他のものは水素又は炭化水素基を意味する] にて示される1−アザビシクロ[m,n,0]アルカン誘導
体及びその塩は、一般式 [式中、及びは前記の意味を有し、Y1及びY2はハロ
ゲン原子又は基R1−SO3−を意味し、R1は炭化水素基を
意味する] にて示されるα,ω−ジ置換アルカノンと、アンモニア
と、一般式 (式中、R2及びR3は同一又は異なり、それぞれ水素原子
又は炭化水素基を意味し、R4は水酸基又はアミノ基を意
味する) にて示されるシアン化合物又は一般式 (式中、R5、R6、R7及びR8の内の少なくとも1つはニト
ロ基を意味し、R5、R6、R7及びR8の内で他のものは水素
原子又は炭化水素基を意味する) にて示される化合物と反応させ、得られた化合物を必要
に応じて塩に変ずることにより製造することができる。
このようにして得られた一般式(V)にて示される化
合物は、常法に従って化学的に官能基を変換させ、必要
に応じて塩に変ずることにより、既述の一般式(I)に
て示される化合物又はその塩になすことができるので、
これにより従来技術における課題が解決されると共に、
本発明の第2の目的が達成される。
上記一般式(V)にて示される化合物の製法におい
て、原料化合物であって式(II)にて示されるα,ω−
ジ置換アルカノンは従来技術文献に開示されている方法
又はこれらの公知方法を応用することにより容易に合成
することができる。例えば1,7−ジ置換−4−ヘプタノ
ン誘導体は、H.Hart等の方法[“J.Am.Chem.Soc."第78
巻、第112頁(1956年)]に従ってγ−ブチロラクトン
誘導体から出発して合成するか、L.Yu.Brezhnev等の総
説[“Khim.Geterotsikl.Soedin."第1155頁(1986
年)、“Chem.Abstr."第107巻、115506q]に記載されて
いる方法に従って1,6−ジオキサスピロ[4,4]ノナン誘
導体を合成し、次いで上記のH.Hart等の方法[“J.Am.C
hem.Soc."第78巻、第112頁(1956年)]に従ってハロゲ
ン化水素を作用させることにより容易に合成することが
できる。1,8−ジ置換−4−オクタノン誘導体は、H.Ste
tter等の方法[“Chem.Ber."第91巻、第2543頁(1958
年)]に従って容易に合成することができる。1,9−ジ
置換−5−ノナノン誘導体も又該H.Stetter等の方法["
Chem.Ber."第91巻、第2543頁(1958年)]に従って容易
に合成することができ、或は上記のH.Hart等の方法
[“J.Am.Chem.Soc."第78巻、第112頁(1956年)]を応
用して、即ちγ−ブチロラクトン誘導体の代わりにδ−
バレロラクトン誘導体を用いることにより容易に合成す
ることができる。
尚、他方の原料化合物であって式(III)にて示され
る化合物の内でシアンヒドリン誘導体(R4は水酸基を意
味する)はCox等の方法[“Org.Syn."Coll.II、第7頁
(1966年)]に従って容易に合成することができ、更
に、アミノニトリル誘導体(R4はアミノ基を意味する)
はR.A.Jacobsonの方法[“J.Am.Chem.Soc."第68巻、第2
628頁(1946年)]、特開昭54−79232及び同61−87658
公報に記載の方法に従って容易に合成することができ
る。又、同様に原料化合物であって式(IV)にて示され
る化合物としてはニトロメタン、ニトロエタン等のニト
ロアルカン誘導体を例示することができる。
上記の一般式(V)にて示される化合物の合成反応は
式(II)の化合物1当量に対して、式(III)又は(I
V)の化合物1−100当量とアンモニア3−50当量とを添
加し、溶媒の存在下又は不在下において且つ20−100℃
の温度条件下に撹拌すれば、5−100時間で完了する。
後処理方法としては、下記の2種類の方法を採用するこ
とができる。これらの内の第1方法は、得られた反応混
合物中に不溶物が析出している場合には濾過し、濾液を
減圧濃縮し、更に減圧蒸留又はクロマトグラフィーによ
り精製することにより式(V)にて示される1−アザビ
シクロ[m,n,0]アルカン誘導体を単離する方法であ
る。この第1方法において、先に得られた濾液に酸を添
加した後に減圧濃縮し、析出する結晶を再結晶により精
製すれば、式(V)にて示される1−アザビシクロ[m,
n,0]アルカン誘導体の塩が得られる。尚、先に単離さ
れた1−アザビシクロ[m,n,0]アルカン誘導体を溶媒
にて溶解させ、酸を添加した後に減圧濃縮し、析出する
結晶を再結晶により精製することによっても、式(V)
にて示される1−アザビシクロ[m,n,0]アルカン誘導
体の塩を得ることができる。一方、第2方法は、反応混
合物にアルカリ溶液を添加して塩基性となし、有機溶媒
にて抽出し、乾燥後に減圧濃縮し、得られた残渣を減圧
蒸留又はクロマトグラフィーにより精製することにより
式(V)にて示される1−アザビシクロ[m,n,0]アル
カン誘導体を単離する方法である。この化合物の塩は第
1方法に関して述べた方法と同様にして得ることができ
る。
上記の反応操作において、アンモニアは、反応の開始
時に必要量の全量を反応溶媒に溶解して添加すること
も、反応系内のアンモニア量が0.5−5当量に維持され
るように反応混合物中に注加し、或はアンモニアガスと
して吹き込むようにすることも、反応をアンモニアガス
雰囲気下で行うことも、更にはこれらを併用することも
できる。
反応溶媒としてはメタノール、エタノール、n−プロ
パノール、i−プロパノール等のアルコール類、n−ヘ
キサン、シクロヘキサン、n−ペンタン、ベンゼン、ト
ルエン、キシレン等の炭化水素系溶媒、エチルエーテ
ル、テトラヒドロフラン等のエーテル系溶媒を例示する
ことができる。
塩を形成させる場合の酸としては塩酸、臭化水素酸、
沃化水素酸、過塩素酸等のハロゲン化水素酸、硫酸、硝
酸、燐酸等の鉱酸、酢酸、プロピオン酸、グルコール
酸、マレイン酸、フマル酸、酒石酸、コハク酸、乳酸、
安息香酸、珪皮酸等の有機カルボン酸、メタンスルホン
酸等のアルキルスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−
トルエンスルホン酸等のアリールスルホン酸、シクロヘ
キシルスルホン酸等の環状アルキルスルホン酸等を例示
することができる。
アルカリ溶液としては水酸化ナトリウム、水酸化カリ
ウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリ
ウム等の塩基性物質の水溶液を用いることができる。
一方、抽出溶媒としては塩化メチレン、クロロホル
ム、エチルエーテル、酢酸エチル等の有機溶媒を用いる
ことができる。
尚、上記の反応において、その構造上不斉炭素原子が
存在するために立体異性体が生成する場合にもカラムク
ロマトグラフィー、減圧蒸留、再結晶等の操作を行うこ
とにより、異性体相互の分離を容易に行うことができ
る。
(実施例) 次に、製造例により本発明を更に詳細に且つ具体的に
説明する。
製造例1 6−ニトロメチル−1−アザビシクロ[4,3,0]ノナン
塩酸塩 1,8−ジブロモ−4−オクタノン(500mg,1.75mmol)
にニトロメタン(10.7g,175mmol)を添加し、アンモニ
アガス雰囲気下に20℃の温度条件で48時間撹拌した。反
応混合物を塩化水素飽和エチルエーテル中に注加し、溶
媒を減圧留去させ、残渣に塩化メチレンを添加し、析出
した塩化アンモニウムを濾別し、濾液を減圧濃縮した。
得られた結晶を、クロロホルムとエチルエーテルとの混
合溶媒より再結晶させることにより表題化合物(塩)を
得た(200mg,収率62.1%)。
MSスペクトル(EI/DI)m/Z: 184(M+),122(ベースピーク).1 H−NMRスペクトル(DMSO−d6)δppm: 1.9−2.2, 3.2−3.4及び 5.27 (1H,d,J=12.2Hz,CH2NO2), 5.52 (1H,d,J=12.2Hz,CH2NO2), 11.9 (1H,brs,N+H). IRスペクトル cm-1: 1550,1380(NO2). 製造例2 5−シアノ−2,8−ジメチル−1−アザビシクロ[3,3,
0]オクタン 1,7−ジクロロ−1,7−ジメチル−4−ヘプタノン(25
0mg,1.18mmol)と、2−アミノ−2−メチルプロパンニ
トリル(310mg,3.69mmol)と、液体アンモニア(500mg,
29.4mmol)とを封管内に装填して50−60℃で5時間加熱
撹拌した。反応混合物を冷却した後に析出した結晶を濾
去し、濾液を減圧濃縮し、得られた粗生成物をアルミナ
カラムクロマトグラフィー(メルク社製No.1097;展開溶
媒:n−ヘキサン/酢酸エチル=50/1)にて分離精製する
ことにより表題化合物を得た(81.6mg,収率42.1%)。
MSスペクトル(EI/DI)m/Z: 164(M+),138(M+−CN),124(ベースピーク).1 H−NMRスペクトル(CDCl3)δppm: 1.18 (6H,d,J=6.4Hz,2 x Me), IRスペクトル cm-1: 2938(C−H),2220(CN). 製造例3 5−シアノ−4,6−ジメチル−1−アザビシクロ[3,3,
0]オクタン 1,7−ジクロロ−3,5−ジメチル−4−ヘプタノン(20
2mg,0.957mmol)と、アセトシアンヒドリン(253mg,2.9
7mmol)と、液体アンモニア(400mg,23.5mmol)とを封
管内に装填して50−60℃で5時間加熱撹拌した。反応混
合物を冷却した後に析出した結晶を濾去し、濾液を減圧
濃縮し、得られた粗生成物をアルミナカラムクロマトグ
ラフィー(メルク社製No.1097:展開溶媒:n−ヘキサン/
酢酸エチル=50/1)にて分離精製することにより表題化
合物を得た(82.3mg,収率50.1%)。
MSスペクトル(EI/DI)m/Z: 164(M+),149(M+−Me),136(ベースピーク).1 H−NMRスペクトル(CDCl3)δppm: 1.25 (6H,d,J=6.3Hz,2 x Me), IRスペクトル cm-1: 2938(C−H),2220(CN). 製造例4 6−シアノ−1−アザビシクロ[4,3,0]ノナン 1,8−ジブロモ−4−オクタノン(500mg,1.75mmol)
に2−アミノ−2−メチルプロパンニトリル(460mg,5.
48mmol)を添加し、アンモニアガス雰囲気下に20℃の温
度条件で24時間撹拌した。氷冷下に0.1N NaOHを添加
し、塩化メチレンにて抽出した。抽出液を無水硫酸ナト
リウムにて乾燥させた後に減圧濃縮して得られた粗生成
物をアルミナカラムクロマトグラフィー(メルク社製N
o.1079;展開溶媒:n−ヘキサン/酢酸エチル=10/1)に
て分離精製することにより表題化合物を得た(150mg,収
率57.1%)。
MSスペクトル(EI/DI)m/Z: 150(M+),122(ベースピーク).1 H−NMRスペクトル(CDCl3)δppm: IRスペクトル cm-1: 2938(C−H),2214(CN). 製造例5 6−シアノ−1−アザビシクロ[4,4,0]デカン 1,9−ジクロロノナン−5−オン(300mg,1.42mmol)
と、2−アミノ−2−メチルプロパンニトリル(380mg,
4.5mmol)と、液体アンモニア(500mg,29.4mmol)とを
封管内に装填して50−60℃で5時間加熱撹拌した。反応
混合物を冷却した後に析出した結晶を濾去し、濾液を減
圧濃縮し、得られた粗生成物をアルミナカラムクロマト
グラフィー(メルク社製No.1097;展開溶媒:n−ヘキサン
/酢酸エチル=50/1)にて分離精製することにより表題
化合物を得た(131mg,収率56.0%)。
MSスペクトル(EI/DI)m/Z: 164(M+),138(ベースピーク).1 H−NMRスペクトル(CDCl3)δppm: IRスペクトル cm-1: 2938(C−H),2214(CN). 製造例6−10 上記の製造例1−5と同様な方法により下記の化合物
を製造した。
a)5−ニトロメチル−2,8−ジメチル−1−アザビシ
クロ[3,3,0]オクタン 収率:40.1%. MSスペクトル(EI/DI)m/Z: 198(M+),138(ベースピーク).1 H−NMRスペクトル(CDCl3)δppm: 1.19 (6H,d,J=6.4Hz,2 x Me), 4.27 (2H,s,CH2NO2). IRスペクトル cm-1: 2940(C−H),1550,1370(NO2). b)5−ニトロメチル−3,7−ジメチル−1−アザビシ
クロ[3,3,0]オクタン 収率:52.9%. MSスペクトル(EI/DI)m/Z: 198(M+),138(ベースピーク).1 H−NMRスペクトル(CDCl3)δppm: 1.10 (6H,d,J=6.3Hz,2 x Me), 4.27 (2H,s,CH2NO2). IRスペクトル cm-1: 2930(C−H),1550,1370(NO2). c)5−ニトロメチル−4,6−ジメチル−1−アザビシ
クロ[3,3,0]オクタン 収率:50.1%. MSスペクトル(EI/DI)m/Z: 198(M+),138(ベースピーク).1 H−NMRスペクトル(CDCl3)δppm: 1.25 (6H,d,J=6.3Hz,2 x Me), 4.30 (2H,s,CH2NO2). IRスペクトル cm-1: 2930(C−H),1550,1370(NO2). d)5−(1−ニトロエチル)−1−アザビシクロ[3,
3,0]オクタン 収率:66.0%. MSスペクトル(EI/DI)m/Z: 184(M+),110(ベースピーク).1 H−NMRスペクトル(CDCl3)δppm: 1.50 (3H,d,J=6.8Hz,Me), 4.51 (1H,q,J=6.8Hz,CHNO2). IRスペクトル cm-1: 2930(C−H),1550,1370(NO2). e)7−シアノ−1−アザビシクロ[5,3,0]デカン 収率:41.1%. MSスペクトル(EI/DI)m/Z: 164(M+),138(ベースピーク).1 H−NMRスペクトル(CDCl3)δppm: IRスペクトル cm-1: 2950(C−H),2110(CN). 製造例11 5−アミノメチル−4,6−ジメチル−1−アザビシクロ
[3,3,0]オクタン 水素化リチウムアルミニウム(69.2mg,1.82mmol)を
無水エチルエーテル1.83ml中に懸濁させ、アルゴン気流
下に加熱還流させながら、5−シアノ−4,6−ジメチル
−1−アザビシクロ[3,3,0]オクタン(100mg,0.610mm
ol,製造例3)の無水エチルエーテル0.73ml溶液を15分
間で滴下した。その後、3時間加熱還流させ、次いで冷
却させ、0℃で反応混合物に15%水酸化ナトリウム水溶
液48.7mgを徐々に添加し、暫時撹拌した後に析出した結
晶を濾取し、該結晶をエチルエーテルにて充分に洗浄
し、濾液を減圧濃縮し、粗生成物をアルミナカラムクロ
マトグラフィー(メルク社製No.1097;展開溶媒:n−ヘキ
サン/酢酸エチル=50/1)にて分離精製することにより
表題化合物を得た(85.0mg,収率82.8%)。
MSスペクトル(EI/DI)m/Z: 168(M+),138(ベースピーク).1 H−NMRスペクトル(CDCl3)δppm: 1.04 (6H,d,J=6.8Hz,2 x Me), 2.51 (2H,s,CH2 NH2), IRスペクトル cm-1: 3375,3300,(NH),2950,2860(C−H). 製造例12 5−メトキシカルボニル−2,8−ジメチル−1−アザビ
シクロ[3,3,0]オクタン 5−シアノ−2,8−ジメチル−1−アザビシクロ[3,
3,0]オクタン(164mg,1.00mmol,製造例2)を無水メタ
ノール5.00ml中に溶解させ、アルゴン気流下に−20℃迄
冷却させ、塩化水素ガスを30分間導入して塩化水素を飽
和させた。反応溶液を20℃において1時間撹拌した後に
氷水中に注加し、0−5℃において15%水酸化ナトリウ
ム水溶液を添加して溶液を塩基性ならしめた。得られた
反応混合物を塩化メチレンにて抽出し、抽出液を硫酸マ
グネシウムにて乾燥させ、減圧濃縮し、粗生成物をアル
ミナカラムクロマトグラフィー(メルク社製No.1097;展
開溶媒:n−ヘキサン/酢酸エチル=50/1)にて分離精製
することにより表題化合物を得た(138mg,収率70.0
%)。
MSスペクトル(EI/DI)m/Z: 197(M+),138(ベースピーク).1 H−NMRスペクトル(CDCl3)δppm: 1.04 (6H,d,J=6.8Hz,2 x Me), 3.65 (3H,s,OMe). IRスペクトル cm-1: 2975(C−H),1730(COOMe). 製造例13 5−ヒドロキシメチル−2,8−ジメチル−1−アザビシ
クロ[3,3,0]オクタン 水素化リチウムアルミニウム(38.0mg,1.00mmol)を
無水エチルエーテル5.00ml中に懸濁させ、アルゴン気流
下に0℃において、5−メトキシカルボニル−2,8−ジ
メチル−1−アザビシクロ[3,3,0]オクタン(197mg,
1.00mmol,製造例12)の無水エチルエーテル2.50ml溶液
を15分間で滴下した。その後、3時間加熱還流させ、次
いで冷却させ、0℃で反応混合物に15%水酸化ナトリウ
ム水溶液を徐々に添加して過剰の水素化リチウムアルミ
ニウムを分解させた後に析出した結晶を濾取し、該結晶
をエチルエーテルにて充分に洗浄し、濾液を減圧濃縮
し、粗生成物をアルミナカラムクロマトグラフィー(メ
ルク社製No.1097;展開溶媒:n−ヘキサン/酢酸エチル=
50/1)にて分離精製することにより表題化合物を得た
(127mg,収率75.0%)。
MSスペクトル(EI/DI)m/Z: 169(M+),138(ベースピーク).1 H−NMRスペクトル(CDCl3)δppm: 1.08 (6H,d,J=6.8Hz,2 x Me), 3.28 (2H,s,CH2 OH), 6.50 (1H,brs,OH). IRスペクトル cm-1: 3360(OH),2975(C−H). 製造例14 5−メトキシメチル−2,8−ジメチル−1−アザビシク
ロ[3,3,0]オクタン 5−ヒドロキシメチル−2,8−ジメチル−1−アザビ
シクロ[3,3,0]オクタン(169mg,1.00mmol,製造例13)
をトルエン5.00ml中に溶解させ、メタンスルフォニルク
ロリド(229mg,2.00mmol)のトルエン(5.00ml)溶液を
0−5℃において添加した後に、20℃において12時間撹
拌した。メタノール(48.0mg,1.50mmol)のジオキサン
(5.00ml)溶液に0℃において水素化ナトリウム(40.8
mg,1.70mmol)を添加し、1時間加熱還流して得たナト
リウムメトキシド溶液に、0℃において上述のジオキサ
ン溶液を滴下して2時間加熱還流した。反応溶液を氷水
中に注加し、0−5℃において15%水酸化ナトリウム水
溶液を添加して溶液を塩基性ならしめた。得られた反応
混合物につきを塩化メチレンにて抽出し、抽出液を硫酸
マグネシウムにて乾燥させ、減圧濃縮し、粗生成物をア
ルミナカラムクロマトグラフィー(メルク社製No.1097;
展開溶媒:n−ヘキサン/酢酸エチル=50/1)にて分離精
製することにより表題化合物を得た(100mg,収率54.9
%)。
MSスペクトル(EI/DI)m/Z: 183(M+),138(ベースピーク).1 H−NMRスペクトル(CDCl3)δppm: 1.08 (6H,d,J=6.8Hz,2 x Me), 3.25 (3H,s,OCH3), 3.50 (2H,s,CH2 O). IRスペクトル cm-1: 2975(C−H). 製造例15 5−アセトキシメチル−2,8,−ジメチル−1−アザビシ
クロ[3,3,0]オクタン アセチルクロリド(78.5mg,1.00mmol)をトルエン5.0
0ml中に溶解させ、0℃において、5−ヒドロキシメチ
ル−2,8−ジメチル−1−アザビシクロ[3,3,0]オクタ
ン(169mg,1.00mmol,製造例13)を徐々に添加し、次い
で20℃において12時間撹拌した。反応溶液を氷水中に注
加し、0−5℃において10%水酸化ナトリウム水溶液を
添加して溶液を塩基性ならしめた。得られた反応混合物
につき塩化メチレンにて抽出し、抽出液を硫酸マグネシ
ウムにて乾燥させ、減圧濃縮し、粗生成物をアルミナカ
ラムクロマトグラフィー(メルク社製No.1097;展開溶
媒:n−ヘキサン/酢酸エチル=50/1)にて分離精製する
ことにより表題化合物を得た(171mg,収率81.1%)。
MSスペクトル(EI/DI)m/Z: 211(M+),138(ベースピーク).1 H−NMRスペクトル(CDCl3)δppm: 1.08 (6H,d,J=6.8Hz,2 x Me), 2.05 (3H,s,Me) 3.75 (2H,s,CH2 O). IRスペクトル cm-1: 2975(C−H),1735(COO−). 製造例16 5−アセタミドメチル−4,6−ジメチル−1−アザビ
シクロ[3,3,0]オクタン 5−アミノメチル−4,6−ジメチル−1−アザビシク
ロ[3,3,0]オクタン(168mg,1.00mmol,製造例11)をト
ルエン5.00ml中に溶解させ、アセチルクロリド(75.8m
g,1.00mmol)のトルエン(2.50ml)溶液を0℃において
滴下した。反応溶液を20℃において12時間撹拌した後に
氷水中に注加し、0−5℃において10%水酸化ナトリウ
ム水溶液を添加して溶液を塩基性ならしめた。得られた
反応混合物につき塩化メチレンにて抽出し、抽出液を硫
酸マグネシウムにて乾燥させ、減圧濃縮し、粗生成物を
アルミナカラムクロマトグラフィー(メルク社製No.109
7;展開溶媒:n−ヘキサン/酢酸エチル=50/1)にて分離
精製することにより表題化合物を得た(164mg,収率78.1
%)。
MSスペクトル(EI/DI)m/Z: 210(M+),138(ベースピーク).1 H−NMRスペクトル(CDCl3)δppm: 1.04 (6H,d,J=6.8Hz,2 x Me), 2.00 (3H,s,Me), 3.18 (2H,d,J=6.0Hz,CH2 NHAc), 6.50 (1H,br,NH). IRスペクトル cm-1: 2975(C−H),1670(CONH). 製造例17 5−カルバモイル−2,8−ジメチル−1−アザビシクロ
[3,3,0]オクタン 5−メトキシカルボニル−2,8−ジメチル−1−アザ
ビシクロ[3,3,0]オクタン(197mg,1.00mmol,製造例1
2)をメエタノール5.00ml中に溶解させ、アンモニアガ
ス雰囲気下に20℃において24時間撹拌し、反応溶液を減
圧濃縮することにより表題化合物を得た(180mg,収率9
8.9%)。
MSスペクトル(EI/DI)m/Z: 182(M+),138(ベースピーク).1 H−NMRスペクトル(CDCl3)δppm: 1.08 (6H,d,J=6.8Hz,2 x Me), 7.32 (2H,brs,NH2). IRスペクトル cm-1: 2975(C−H),1630(CONH2). 製造例18 5−アセチル−2,8−ジメチル−1−アザビシクロ[3,
3,0]オクタン 5−メトキシカルボニル−2,8−ジメチル−1−アザ
ビシクロ[3,3,0]オクタン(197mg,1.00mmol,製造例1
2)を無水エチルエーテル5.00ml中に溶解させ、アルゴ
ン雰囲気下に0℃においてメチルマグネシウムヨジド
(2mol/lエチルエーテル溶液,0.500ml,1.00mmol)を添
加して0℃において6時間撹拌し、次いで12時間加熱還
流させた。反応溶液を1.0N HCl中に注加し、50℃におい
て2時間撹拌した。冷却後に10%水酸化ナトリウム水溶
液を添加して溶液を塩基性ならしめた。得られた反応混
合物につき塩化メチレンにて抽出し、抽出液を硫酸マグ
ネシウムにて乾燥させ、減圧濃縮し、粗生成物をアルミ
ナカラムクロマトグラフィー(メルク社製No.1097;展開
溶媒:n−ヘキサン/酢酸エチル=50/1)にて分離精製す
ることにより表題化合物を得た(120mg,収率66.3%)。
MSスペクトル(EI/DI)m/Z: 181(M+),138(ベースピーク).1 H−NMRスペクトル(CDCl3)δppm: 1.04 (6H,d,J=6.8Hz,2 x Me), 2.12 (3H,s,Me), IRスペクトル cm-1: 2975(C−H),1720(C=0). 製造例19 5−クロロメチル−2,8−ジメチル−1−アザビシクロ
[3,3,0]オクタン塩酸塩 5−ヒドロキシメチル−2,8−ジメチル−1−アザビ
シクロ[3,3,0]オクタン(169mg,1.00mmol,製造例13)
をトルエン5.00ml中に溶解させ、5−10℃においてチオ
ニルクロリド(1190mg,10.0mmol)を添加した後に70−8
0℃において1時間撹拌した。次いで反応混合物からト
ルエン及び過剰のチオニルクロリドを減圧留去させ、得
られた残留物につき塩化メチレン/エチルエーテルから
再結晶させることにより表題化合物を得た(180mg,収率
80.4%)。
MSスペクトル(EI/DI)m/Z: 187(M+),138(ベースピーク).1 H−NMRスペクトル(CDCl3)δppm: 1.04 (6H,d,J=6.8Hz,2 x Me), 4.05 (2H,s,CH2Cl). (発明の効果) 1−アザビシクロ[m,n,0]アルカン誘導体は各種の
医薬品及び農薬合成用の中間体として極めて有用である
が、この種の誘導体であって(m+2)位以外の環上に
置換基を有する公知の誘導体の数は極めて少なく、又こ
れらの公知化合物を普遍的に且つ容易に合成可能にする
汎用法も見当たらないのが実状である。
そこで開発されたのが本発明であり、本発明方法によ
れば式(II)にて示されるα,ω−ジ置換アルカノン
と、アンモニアと、式(III)にて示されるシアン化合
物又は式(IV)にて示される化合物とを反応させて式
(V)にて示される1−アザビシクロ[m,n,0]アルカ
ン誘導体又はその塩に導き、必要であれば常法に従い官
能基を化学的に置換することにより式(I)にて示され
る1−アザビシクロ[m,n,0]アルカン誘導体又はその
塩に変ずるものである。
従って、本発明方法は各種の種々の1−アザビシクロ
[m,n,0]アルカン誘導体又はその塩を合成するための
汎用法を提供する。尚、本発明方法を実施する場合の反
応操作は容易であり、爆発等の危険性はないので安全性
が高く、又高価な試薬を必要としないので、本発明方法
は工業的規模で実施する上において極めて有利である。
更に、本発明による各種の化合物を中間体として用い
ることにより製造される医薬品又は農薬は、従来のもの
よりも薬理的性質において改善されたものとなる可能性
がある。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 松本 幸治 愛知県名古屋市東区東外堀町35番地 株 式会社三和化学研究所内 (72)発明者 岡 みつる 愛知県名古屋市東区東外堀町35番地 株 式会社三和化学研究所内 (72)発明者 馬場 邦尚 愛知県名古屋市東区東外堀町35番地 株 式会社三和化学研究所内 (72)発明者 澤井 喜一 愛知県名古屋市東区東外堀町35番地 株 式会社三和化学研究所内 (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C07D 455/02 C07D 487/04 C07D 471/04

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式 [式中、は1−2m個の炭化水素基にて置換されている
    ことのできるCmのアルキレン鎖を意味し、は1−2n個
    の炭化水素基にて置換されていることのできるCnのアル
    キレン鎖を意味し、m及びnは3−5の整数(m≧n)
    を意味し、Aはシアノ基;アルコールにてエステル化さ
    れたカルボン酸基;アンモニア又は、第1級或は第2級
    アミンにてアミド化されたカルボン酸基;アシル基;又
    は−C(A1)(A2)(A3)基を意味し、A1、A2、A3の内
    の少なくとも1つはニトロ基;水酸基;アルコールにて
    エーテル化され、又はカルボン酸にてエステル化された
    水酸基;無置換、モノ又はジ置換アミノ基;アシル化さ
    れたアミノ基;又はハロゲン原子を意味し、A1、A2、A3
    の内で他のものは水素又は炭化水素基を意味する] にて示される1−アザビシクロ[m,n,0]アルカン誘導
    体及びその塩。
  2. 【請求項2】化合物 a)5−ニトロメチル−2,8−ジメチル−1−アザビシ
    クロ[3,3,0]オクタン、 b)5−ニトロメチル−3,7−ジメチル−1−アザビシ
    クロ[3,3,0]オクタン、 c)5−ニトロメチル−4,6−ジメチル−1−アザビシ
    クロ[3,3,0]オクタン、 d)5−(1−ニトロメチル)−1−アザビシクロ[3,
    3,0]オクタン、 e)6−ニトロメチル−1−アザビシクロ[4,3,0]ノ
    ナン、 f)5−ヒドロキシメチル−2,8−ジメチル−1−アザ
    ビシクロ[3,3,0]オクタン、 g)5−メトキシメチル−2,8−ジメチル−1−アザビ
    シクロ[3,3,0]オクタン、 h)5−アセトキシメチル−2,8−ジメチル−1−アザ
    ビシクロ[3,3,0]オクタン、 i)5−アミノメチル−4,6−ジメチル−1−アザビシ
    クロ[3,3,0]オクタン、 j)5−アセタミドメチル−4,6−ジメチル−1−アザ
    ビシクロ[3,3,0]オクタン、 k)5−クロロメチル−2,8−ジメチル−1−アザビシ
    クロ[3,3,0]オクタン、 l)5−シアノ−2,8−ジメチル−1−アザビシクロ
    [3,3,0]オクタン、 m)5−シアノ−3,7−ジメチル−1−アザビシクロ
    [3,3,0]オクタン、 n)5−シアノ−4,6−ジメチル−1−アザビシクロ
    [3,3,0]オクタン、 o)5−メトキシカルボニル−2,8−ジメチル−1−ア
    ザビシクロ[3,3,0]オクタン、 p)5−カルバモイル−2,8−ジメチル−1−アザビシ
    クロ[3,3,0]オクタン及び q)5−アセチル−2,8−ジメチル−1−アザビシクロ
    [3,3,0]オクタン 並びにこれらの塩から選択されたものである、請求項
    (1)に記載の1−アザビシクロ[m,n,0]アルカン誘
    導体及びその塩。
  3. 【請求項3】一般式 [式中、は1−2m個の炭化水素基にて置換されている
    ことのできるCmのアルキレン鎖を意味し、は1−2n個
    の炭化水素基にて置換されていることのできるCnのアル
    キレン鎖を意味し、m及びnは3−5の整数(m≧n)
    を意味し、Y1及びY2はハロゲン原子又は基R1−SO3−を
    意味し、R1は炭化水素基を意味する] にて示されるα,ω−ジ置換アルカノンと、アンモニア
    と、一般式 (式中、R2及びR3は同一又は異なり、それぞれ水素原子
    又は炭化水素基を意味し、R4は水酸基又はアミノ基を意
    味する) にて示されるシアン化合物又は一般式 (式中、R5、R6、R7及びR8の内の少なくとも1つはニト
    ロ基を意味し、R5、R6、R7及びR8の内で他のものは水素
    原子又は炭化水素基を意味する) にて示される化合物と反応させ、得られた化合物を必要
    に応じて塩に変ずることを特徴とする、一般式 [式中及びは前記の意味を有し、Bはシアノ基又は
    −C(B1)(B2)(B3)基を意味し、B1、B2及びB3の内
    の少なくとも1つはニトロ基を意味し、B1、B2及びB3
    内で他のものは水素又は炭化水素基を意味する] にて示される1−アザビシクロ[m,n,0]アルカン誘導
    体及びその塩の製法。
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