JP2934850B2 - マンガン含有物から有価金属を分離する方法 - Google Patents

マンガン含有物から有価金属を分離する方法

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leaching
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暢了 六川
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Landscapes

  • Inorganic Compounds Of Heavy Metals (AREA)
  • Manufacture And Refinement Of Metals (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、マンガン団塊やコ
バルトクラフト等のマンガン含有物からそれに含まれる
有価金属を分離する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】マンガン団塊等のマンガン含有物から有
価金属を分離する方法としては、数多くの方法が提案さ
れており、その中でも、還元焙焼−アンモニア浸出法、
キュプリオン−アンモニア浸出法、塩化焙焼−水浸出
法、熔錬硫化−浸出法などが有効であるといわれている
が、それぞれ一長一短があり、卓越した分離方法は見い
だされていない。酸によるマンガン含有物から有価金属
を分離する方法については、硫酸及び塩酸による浸出法
が知られている。しかし、硫酸による浸出法では反応速
度が極端に遅く、還元剤または高温高圧を必要とし、塩
酸による浸出法では還元剤を必要とせず、高温で容易に
浸出されるが、高温での容器等の腐食が問題である。湿
式処理法によるマンガン含有物から有価金属を効率よく
分離するための新しい技術の開発が期待されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、湿式処理法
によりマンガン含有物から有価金属を効率よく、かつ経
済的に分離する方法を提供することをその課題とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者は、前記課題を
解決すべく鋭意研究を重ねた結果、塩酸をマンガン含有
物に加えて、常温常圧で養生後、海水で浸出するという
簡単な操作によって、マンガン含有物から有価金属が効
率よく分離されることを見いだし、本発明を完成するに
至った。すなわち、本発明によれば、マンガン含有物か
ら有価金属を分離する方法において、粒径150μm以
下の粉末状マンガン含有物に、濃度が少なくとも4モル
/dm3の塩酸を常温で添加し、ついで加熱することな
く少なくとも4時間で養生した後、該養生物に常温で海
水を加えることを特徴とするマンガン含有物から有価金
属を分離する方法が提供される。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明では被処理原料として用い
られるマンガン含有物には、海底鉱物資源であるマンガ
ン団塊や、マンガン団塊と同様にマンガン、ニッケル、
コバルト、銅などの有価金属を含み、組成がマンガン団
塊に類似しているコバルトクラフト等が包含される。本
発明によりマンガン含有物から有価金属を分離するに
は、先ず、マンガン含有物に塩酸を加え常温常圧のもと
で養生する。マンガン含有物は、粉末状で用いられる
が、その粒径は150μm以下、好ましくは70μm以
下が好ましい。また、マンガン含有物に加える塩酸はで
きるだけ高濃度であることが好ましく、塩酸濃度が高い
ほどその使用量も少量ですむ、本発明の場合、塩酸濃度
は4モル/dm3以上、好ましくは6〜12モル/dm3
の濃度の塩酸の使用が好ましく、塩酸の使用液量は少な
くとも被処理原料全体が浸る程度の量が必要である。マ
ンガン含有物の塩酸による養生温度は、常温で十分であ
る。また、養生時間は、塩酸濃度にもよるが、通常4時
間以上、好ましくは6〜10時間である。このような養
生処理により、マンガン含有物中の有価金属は、海水に
可溶性の化合物に置換される。次に、本発明では、塩酸
養生されたマンガン含有物に海水を添加し、その養生物
中の可溶性化合物を海水中に常温常圧で浸出させる。次
いで、固液分離法により不溶性マンガン含有物残渣と有
用金属を含む水溶液とに分離する。水溶液からの有価金
属の分離回収は、従来公知の溶媒抽出法や電解採取法等
により実施することができる。なお、マンガン含有物を
塩酸養生すると塩素ガスが発生するので、塩素ガスを回
収する装置が必要であり、塩素ガスは塩酸製造の原料と
して利用することも可能である。
【0006】
【実施例】次に本発明を実施例によりさらに詳細に説明
する。なお、以下の実験において用いたマンガン含有物
(マンガン団塊)の、4試料の主な成分の組成を表1に
示す。海水は、天然の海水とほぼ同じ塩濃度(35g/
dm3)になるように市販の粗塩を溶解した溶液を用い
た。
【0007】
【表1】
【0008】実施例1 ガラス容器に粒径が74μm以下に粉砕したマンガン団
塊(試料A)1gを入れて6モル/dm3の塩酸溶液3
cm3を添加し、25℃でそれぞれ所定時間養生し、養
生後、パルプ濃度が10g/dm3になるように海水を
加えて、25℃で1時間浸出したときの養生時間と各金
属元素の浸出率の関係を表2に示す。養生時間6時間
で、マンガン、ニッケル、コバルト及び銅の浸出率はい
ずれも98%以上となり、海水による浸出後の溶液のp
Hは1.0であった。
【0009】
【表2】
【0010】実施例2 種々のマンガン団塊を用いて実施例1と同様にして実験
を行い、養生時間24時間での各金属成分の浸出率の関
係を表3に示す。試料の違いによる浸出率の差はほとん
どなく、いずれの試料においてもマンガン、ニッケル、
コバルトおよび銅の浸出率はほぼ99%以上となり、浸
出液のpHは0.94〜1.05の範囲であった。
【0011】
【表3】
【0012】
【発明の効果】本発明による塩酸養生、海水浸出により
マンガン含有物から有価金属を分離する方法は、常温、
常圧下で行うことができるため、エネルギーコストが低
く、操作が容易であるなどの優れた長所を持っている。
また、海洋に無尽蔵に存在する海水を利用することによ
り、船舶等による洋上または離島でのマンガン含有物処
理において、真水の使用量が不要となり、経済的であ
る。さらに、湿式法により直接マンガン含有物から有価
金属を効率よく浸出分離することができるため、マンガ
ン含有物から有価金属を生産する生産コストの低減に貢
献することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C22B 47/00 C01G 45/00 C22B 3/04

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 マンガン含有物から有価金属を分離する
    方法において、粒径150μm以下の粉末状マンガン含
    有物に、濃度が少なくとも4モル/dm3の塩酸を常温
    で添加し、ついで加熱することなく少なくとも4時間養
    生した後、該養生物に常温で海水を加えることを特徴と
    するマンガン含有物から有価金属を分離する方法。
  2. 【請求項2】 マンガン含有物がマンガン団塊からなる
    請求項1の方法。
JP1734598A 1998-01-29 1998-01-29 マンガン含有物から有価金属を分離する方法 Expired - Lifetime JP2934850B2 (ja)

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