JP2933991B2 - カラーフィルター - Google Patents

カラーフィルター

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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、カラーフィルターに関し、とくにカラー液
晶表示装置に使用されるカラーフィルターに関する。
[従来の技術] 液晶表示装置は、透明電極を設けたガラス等の透明な
基板を1ないし10μm程度の間隔を設けてその間に液晶
物質を封入し、電極間に印加した電圧によって液晶を一
定の方向に配向させて透明部分と不透明部分を形成して
画像を表示している。カラー液晶表示装置ではいずれか
の透明電極基板上に光の三原色に対応する赤(R)、緑
(G)、青(B)の三色のカラーフィルターを設けてお
り、、透明電極への印加電圧の調整によって液晶の光の
透過を制御してR、G、Bの3色のフィルターを透過す
る光量を制御して3原色の加色による発色によってカラ
ー表示を行っている。
カラー液晶表示装置では、透明基板、着色層、保護
膜、透明導電膜という順に積層されている。保護膜は着
色層を保護するとともに、透明導電膜の基材としての役
割を果たしている。そして、透明で、その後のカラーフ
ィルターの製造工程での熱処理温度に耐える材料であれ
ば多くの材料を用いることができるがとくに熱硬化性の
ウレタン樹脂、アクリル樹脂、ポリイミド樹脂あるいは
光硬化性のアクリル樹脂、ポリイミド樹脂などが使われ
ている。
[発明が解決しようとする課題] カラー液晶表示装置の保護膜として熱硬化性樹脂を使
用した場合には、保護膜がカラーフィルターの全面に形
成されるので、保護膜を所定の領域に限定することが困
難である。
保護膜がカラーフィルター全面に形成されている場合
には、カラーフィルターと対向電極を接着剤によっては
り合わせる際に対向電極との接着を保護膜を介して行う
こととなるために充分な接着強度が得られないことがお
こる。また、カラーフィルターと対向電極とをはり合わ
せた後の表示品質を検査した際にその品質に問題があっ
て不良品と判断された場合、カラーフィルターを再利用
するために液晶のシール剤を剥離し、更にタブを剥離す
る際に、着色層の外周部に保護膜を有するとシール剤あ
るいはタブと共にカラーフィルターに形成された透明電
極もともに剥離してしまい、カラーフィルターの再利用
ができないという問題もある。
そこで、保護膜を形成する部分を特定の部分に限るた
めに、硬化すべき部分をマスクによって限定することが
容易な光硬化性の樹脂を用いることも行われている。と
ころが、光硬化性樹脂として従来から使用されている感
光性ポリイミド樹脂は、吸湿性が高く、また電極の形成
等の際に使用するアルカリ性の溶液に対する耐食性に欠
けると共に、高価であり実用上好ましくない。また従来
の感光性アクリル樹脂は、耐熱性に乏しく更に保護膜上
に比較的厚い透明導電性膜を形成した際に、カラーフィ
ルター上にクラックやしわが発生するという問題があ
る。
また、カラー液晶表示装置のカラーフィルターとして
利用するためには、着色層のR、G、Bの位置に対応す
る部分の液晶を駆動する透明電極を着色層の保護膜上に
設けている。カラーテレビの表示装置のように透明基板
上に形成した薄膜トランジスタ(TFT)の対極として作
用する透明電極を保護膜上に形成するアクティブ方式の
液晶の駆動においては透明電極の平坦性の問題は特に重
要ではないが、パソコンのカラーディスプレーに使用さ
れているSTN方式による液晶の駆動方法の場合には、透
明電極の平坦性が大きな問題となっている。
さらに、保護膜を着色層上に限定する場合にも着色層
の周囲の壁面および壁面と隣接した透明基板上に保護膜
を形成して着色層を保護するが、着色層の周辺部の透明
基板と保護膜との接着強度が大きくない場合には保護層
が透明基板から剥がれたり、透明電極の成膜工程や液晶
表示装置の組立工程において使用する薬剤等が透明基板
と保護層との間を浸透して着色層に悪影響を及ぼすこと
が起こる。
この発明は、上記したような着色層外周部の組立時に
問題となる箇所には保護膜を有しないカラーフィルター
を提供することを第1の目的とし、保護膜上にクラック
やしわ等が発生しない強固な保護膜を形成することを目
的とするものである。
また、同時に凹凸の小さい平坦な透明電極が形成され
るような保護膜を得ることを第2の目的とするものであ
る。
さらに、透明基板と保護膜との接着強度を大きくして
保護膜の周囲からの剥離や透明基板と保護膜との間を薬
剤等が浸透することを防止することを第3の目的とする
ものである。
[課題を解決するための手段] 本発明者らは上記した問題点を解決する手段を研究し
た結果、アクリレート基の一部をエポキシ基とした光重
合性アクリレートオリゴマーに一つの分子内に複数の官
能基を有する多官能光重合性アクリレートモノマーを添
加した感光性アクリル樹脂を用いることにより、樹脂の
橋かけ度を高めて剛直で硬度が大きい膜質とすることが
でき保護膜上に厚い透明電極を形成してもクラックやし
わが発生しないことを見いだしたものである。同時にこ
のような組成の樹脂を保護膜とすると透明基板上に形成
した着色層の隣接するR、G、B間に形成される凹部お
よびR、G、Bの部分に高さの違いが生じていても、保
護膜の表面の凹凸がきわめて少ない平坦性の良好な保護
膜が得られるとともに、透明基板と保護膜との接着強度
を透明基板を処理しなくても大きくすることができるこ
とを見いだしたものである。
本発明の目的に使用可能な上記の光重合性アクリレー
トオリゴマーとしては、分子量1000〜2000程度のものが
好ましく、ポリエステルアクリレートまたは、フェノー
ルノボラックエポキシアクリレート、o−クレゾールノ
ボラックエポキシアクリレート等のエポキシアクリレー
トあるいは、ポリウレタンアクリレート、ポリエーテル
アクリレート、オリゴマアクリレート、アルキドアクリ
レート、ポリオールアクリレート、メラミンアクリレー
ト等のオリゴマーのアクリレート基の一部をエポキシ基
としたものをあげることができる。オリゴマー中のエポ
キシ基とアクリレート基の割合は樹脂が紫外線で硬化す
る条件としてエポキシ基をオリゴマー中10重量部〜40重
量部とすることが好ましい。
エポキシアクリレートをグリシジルエーテルとアクリ
ル酸の反応によって製造する場合にはこの前駆体のエポ
キシ基を残留するようにすることによって製造すること
ができる。以下にこのようなオリゴマーの一例を示す。
多官能光重合性アクリレートモノマーとしては、1,4
ブタンジオールジアクリレート、ジエチレングリコール
ジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレー
ト、ペンタエリスリトールトリアクリレート、トリメチ
ロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトー
ルアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリ
レート等が挙げられる。
本発明の保護膜の形成方法は透明基板上に設けた着色
層上に、光重合性アクリレートオリゴマー、多官能光重
合性アクリレートモノマーに光重合開始剤を添加した感
光性樹脂をスピンナー法、ロール法、スプレイ法、スク
リーン印刷法などの任意の塗布方法によって塗布した後
に所定のパターンの描かれたマスクを載置して紫外線を
照射して必要な箇所を硬化し、紫外線未照射部分の未硬
化の感光性樹脂を溶解する溶剤で溶解除去することによ
って所定の領域のみに、橋かけ度を高めた剛直で硬度が
大きい膜質とした樹脂の保護膜を形成したものである。
得られた保護膜は充分な強度を有しているために保護膜
上に厚い透明電極を形成してもクラックやしわが発生せ
ず、凹凸の少ない平坦性の高い膜である。更に光感光性
を有しているために光マスクを用いることにより所定の
領域にのみ保護膜を形成することを可能としたものであ
る。
[作用] 本発明のカラーフィルターは、着色膜の表面に形成す
る保護膜としてアクリレート基の一部をエポキシ基とし
た光重合性アクリレートオリゴマーに多官能光重合性ア
クリレートモノマーを添加した感光性樹脂を用いたもの
であるので、保護膜上に厚い透明電極を形成しても、ク
ラックやしわが発生せず、同時に凹凸の少ない平坦性の
優れた膜が得られる。さらにフォトマスク等を配置して
上記樹脂の塗布面に紫外線照射し、紫外線未照射部分の
樹脂を溶解除去することにより、所定の領域にのみ保護
膜が形成された透明基板との接着強度が大きな保護膜を
有するカラーフィルターが得られる。
[実施例] 図面を示して本発明のカラーフィルターを説明する
と、第1図に断面を示すように透明基板1に光の三原色
に対応した着色層2を形成している。
透明基板は硼珪酸ガラス等のガラスやポリカーボネー
ト、ポリエチレンテレフタレート等の合成樹脂を用いる
ことができる。また着色層は染料、顔料等の色材を印刷
法やフォトリソグラフィー法で形成したものである。
着色層2の表面に保護膜3をスピンコーター、ロール
コーター、スプレイ、印刷などの方法により設けたもの
であるが、とくに保護膜として光重合性アクリレートオ
リゴマーに多官能光重合性アクリレートモノマーを添加
した感光性樹脂を用いたものである。
アクリレート基の一部をエポキシ基とした光重合性ア
クリレートオリゴマーとしては、ポリエステルアクリレ
ートまたは、フェノールノボラックエポキシアクリレー
ト、o−クレゾールノボラックエポキシアクリレート等
のエポキシアクリレートあるいは、ポリウレタンアクリ
レート、ポリエーテルアクリレート、オリゴマアクリレ
ート、アルキドアクリレート、ポリオールアクリレー
ト、メラミンアクリレート等をあげることができ、多官
能光重合性アクリレートモノマーとしてはモノマーとし
ては、1,4−ブタンジオールジアクリレート、ジエチレ
ングリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコール
ジアクリレート、ペンタエリスリエトールトリアクリレ
ート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ペン
タエリスリトールアクリレート、ジペンタエリスリトー
ルヘキサアクリレート等があげられる。
また、光重合性アクリレートモノマーあるいはオリゴ
マーにカルボキシル基等の酸性基をもたせるとアルカリ
水溶液によって現像することが可能となるので、有機溶
剤による現像に比べて取り扱いおよび廃液処理が容易で
あり、経済性および安全性の面で好ましい。
さらに光重合性樹脂中に開始剤としてベンゾフェノン
あるいは、イルガキュアー184、イルガキュアー907、イ
ルガキュアー651(いずれもチバガイギー社商品名)、
ダロキュアー(メルク社商品名)などを固形分比1〜3
%程度添加してもよい。
とくに好適な光重合性アクリレートオリゴマーと多官
能性光重合性モノマーの配合比(重量%)は 配合比例1 アクリレート基の約30%をエポキシ基としたフェノール
ノボラックエポキシアクリレート …60% トリメチロールプロパントリアクリレート …17% ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート …20% イルガキュアー184 … 3% 配合比例2 アクリレート基の約30%をエポキシ基としたO−クレゾ
ールノボラックエポキシアクリレート …60% ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート …38% イルガキュアー184 … 2% 配合比例3 アクリレート基の約30%をエポキシ基としたポリウレタ
ンアクリレート …50% ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート …48% イルガキュアー651 … 2% 配合比例4 アクリレート基の約30%をエポキシ基としたメラミンア
クリレート …70% トリメチロールプロパントリアクリレート …27% イルガキュアー184 … 2% 等をあげることができる。
着色層上に光硬化性樹脂の配合物を塗布した後に、第
2図に断面を示すように、所定のパターンを描いたフォ
トマスク4を光感光性樹脂層から一定の距離のところに
配置して紫外線を照射して樹脂を硬化させた。紫外線照
射の後に塩化メチレン、ジクロロエタン、テトラクロロ
エタン、メチルエチルケトン等の有機溶剤、あるいは水
酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ水溶液に
よって現像して着色層外周部の未硬化保護膜を溶解して
除去して第3図に断面を示すように、着色層部2の表面
にのみ光硬化性樹脂の保護膜3を形成したカラーフィル
ターを作成することができた。
このようにして作成したカラーフィルターの保護膜上
に透明導電性膜からなる表示用のパターンを形成した電
極を設けた。
着色層の隣接するR、G、B部分の間に形成される凹
部に対応した部分および着色層の厚みの異なる部分の上
部の保護膜上には下部の凹凸を反映している。第4図
(A)は、着色層を形成したカラーフィルターの断面図
を示すが、着色層のR、G、Bの部分の間には空間5が
あり、またR、G、Bには高さに段差6が生じている。
このような着色層上に保護膜を形成すると従来の保護膜
の材料では同図(B)のように下部の凹凸等に応じて表
面の凹凸が大きく平坦性が好ましくはない。ところが、
本発明の保護膜では同図(C)のように下部の凹凸が大
きくても保護膜の表面には大きな凹凸は生ぜずきわめて
平坦性が良好となる。その結果保護膜上に成膜される透
明電極の平坦性も良好となる。
また、本発明の感光性樹脂による保護膜では多官能性
光重合性モノマーが架橋剤として作用する結果、樹脂の
橋かけ度が高まり、膜の硬度がオリゴマーのみの場合、
鉛筆硬度でHB〜2Hのものが4Hないし9Hまで向上した。そ
の結果耐熱性が250℃程度となり、更に保護膜上に0.2〜
0.4μm程度の厚い透明導電性膜を形成してもカラーフ
ィルターにクラックやしわは発生しなかった。
さらに、前記樹脂の塗布前に透明基板に塗布あるいは
前記樹脂中に添加するシランカップリング剤には、多く
の市販のシランカップリング剤を使用することにより接
着強度を大きくすることが可能であるが、とくにγ−
(2アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラ
ン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−グリ
シドキシプロピルトリメトキシシラン等を使用すること
が好ましい。
実施例1 赤色、緑色及び青色の顔料を、それぞれ第1表に示し
たような組成割合で感光性樹脂に分散さて、赤色、緑色
及び青色の着色感光性樹脂を作製する。
基板には、厚さ1.1mmのガラス基板(コーニング
(株)製7059材)を充分に洗浄して用いる。
その上に、赤色感光性樹脂を1.2μmの膜厚になるよ
うに塗布し、その後温度70℃で30分間オーブン中で乾燥
させ、水銀ランプを用いて露光し、水によるスプレー現
像を1分間行い、赤色画素を形成すべき領域に赤色のレ
リーフ画像を形成し、さらに150℃で30分間、加熱硬化
させた。
同様の工程を繰り返して、緑色画素を形成すべき領域
に緑色のレリーフ画素を形成し、青色画素を形成すべき
領域に青色のレリーフ画素を形成して着色層を形成し
た。
続いて光硬化性アクリレートオリゴマーとして、アク
リレート基の約30%をエポキシ基としたo−クレゾール
ノボラックエポキシアクリレート(分子量1500〜2000)
を50重量部、多官能重合性モノマーとして、ジペンタエ
リスリトールヘキサアクリレート、(日本化薬(株)製
DPHA)を50重量部混合し、さらに光重合開始剤としてイ
ルガキュアー(チバガイギー社(株)製)2重量部を混
合した配合物を、エチルセルソルブアセテート200重量
部中に溶解させ、その溶液10gを用いてスピンコーター
で前記着色層上に2.0μmの厚さに塗布した。塗布膜か
らフォトマスクを50μmの距離に配置してプロキシミテ
ィーアライナによって、2.0KWの超高圧水銀ランプによ
って着色層上のみに紫外線を10秒間照射した。続いて温
度25℃の1,1,2,2−テトラクロロエタンからなる現像液
中に1分間浸漬して、塗布膜の未硬化部分のみを除去し
た。
次に、形成された保護膜上にスパッタリング法によ
り、厚さ0.4μmのITO膜(酸化イソジウムと酸化錫の複
合膜)を被覆した。
透明電極層の平坦性を探針式膜厚計によって測定した
ところ、凹凸は0.01μm〜0.05μmと小さいものであ
り、平坦性は良好であった。
また、得られたカラーフィルターは250℃に加熱して
も異状は認められず充分な耐熱性を有していた。
実施例2 アクリレートオリゴマーのエポキシ基をアクリレート
基とした点以外は実施例1と同様組成の樹脂から形成し
た膜、実施例1の樹脂によって形成した膜、シランカッ
プリング剤としてγ−(2アミノエチル)アミノプロピ
ルトリメトキシシラン(東レ・シリコーン(株)製 SH
6020)の0.1%溶液をガラス基板に塗布した後、乾燥さ
せ続いて実施例1の樹脂を塗布して形成した膜、シラン
カップリング剤を添加した実施例1の樹脂から形成した
膜について、塗布膜の接着強度を基盤目試験(JIS規
格)により評価したところ第2表のようになった。各塗
布膜の基盤目試験は、透明基盤(コーニング(株)製70
59材)上に1.0ないし1.5μmの厚みに塗布して乾燥した
後、2.0KWの超高圧水銀ランプによって10秒間露光して
塗布膜を硬化させ、更に塗布膜を基板ごと沸騰水中に60
分間浸漬した後に行った。
また、本発明の保護膜およびシランカップリング剤に
よる処理による保護膜は、接着強度の面で優れた特性を
有し、透明性あるいは光の透過特性の面で特性の変化は
生じなかった。
比較例1 多官能光重合性モノマーを添加しないことを除いては
実施例と同様の方法で保護膜を形成した。
得られた保護膜の硬度は鉛筆硬度のHB〜2Hに相当する
ものであった。
続いて、保護膜上に実施例と同様の方法でITO膜を被
覆したが、0.15μmのITO膜でしわが発生した。また凹
凸は0.1μm〜0.5μmであり、耐熱温度は220℃であっ
た。
比較例2 保護膜の材料として熱硬化性アクリレート商品名 JS
S181(日本合成ゴム社製)を用いたこと、及び保護膜の
硬化を180℃で1時間加熱した点以外は実施例と同様の
方法で保護膜を形成した。
得られた保護膜の硬度は鉛筆硬度のHBないしは4Hに相
当した。
続いて、保護膜上に実施例と同様の方法でITO膜を被
覆したが、0.1μmのITO膜でしわが発生した。また凹凸
は0.2μm〜0.7μmであり、耐熱温度は200℃であっ
た。
比較例3 保護膜の材料として熱硬化性エポキシ樹脂、商品名
CZ−003(日産化学製)を用いたこと、及び保護膜の硬
化を180℃で1時間加熱とした点以外は実施例と同様の
方法で保護膜を形成した。
得られた保護膜の硬度は鉛筆硬度のHBないしは2Hに相
当した。
続いて、保護膜上に実施例と同様の方法でITO膜を被
覆したが0.1μmのITO膜でしわが発生した。また凹凸は
0.2μm〜0.7μmであり、耐熱温度は200℃以下であっ
た。
比較例4 保護膜の材料としてシリコーン樹脂、商品名 TDA1H
(触媒化成社製)を用いたこと、及び保護膜の硬化を18
0℃で1時間加熱とした点以外は実施例と同様の方法で
保護膜を形成した。
得られた保護膜の硬度は鉛筆硬度の3Hないしは9Hに相
当し、耐熱温度も250℃以上と良好であったが、保護膜
上に実施例と同様の方法でITO膜を被覆すると、0.2μm
以上のITO膜でクラックが発生し、また凹凸は0.2μm〜
0.7μmであった。
[発明の効果] 本発明のカラーフィルターは着色層外周部には保護膜
を有しないので、カラーフィルターと対向電極とをはり
あわせる際に充分な接着強度が得られる。また、カラー
フィルターを再利用するために、シール剤とタブを剥離
する際にシール剤、タブと共に保護膜が剥離することは
ない。
更に、保護膜の樹脂としてアクリレート基の一部をエ
ポキシ基とした光重合性アクリレートオリゴマーに多官
能光重合性モノマーを添加したものを用いているので、
樹脂の橋かけ度が高く、剛直で硬い膜質を得ることがで
き、保護膜上に厚い透明導電性膜を形成してもしわやク
ラックが発生せず、また凹凸が少なく平坦性に優れた保
護膜が得られるので、成膜した透明導電性膜はきわめて
平坦性に優れており、また透明基板との接着強度もきわ
めて大きな品質の優れたカラーフィルターを製造するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明のカラーフィルターに未硬化の樹脂を塗
布した状態を示す断面図、第2図はフォトマスクを配置
して紫外線の露光を説明する断面図、第3図は製作が完
了した本発明のカラーフィルターの断面図、第4図は保
護膜の凹凸を示す図。 透明基板……1、着色層……2、保護膜……3、フォト
マスク……4、空間……5、段差……6

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】透明基板上に形成した着色層上に保護膜を
    有するカラーフィルターにおいて、保護膜が、エポキシ
    アクリレートの前駆体のエポキシ基の一部を残留させた
    光重合性アクリレートオリゴマーと2官能以上の多官能
    光重合性アクリレートモノマーとの混合系であって、前
    記アクリレートオリゴマー中のエポキシ基を10重量部な
    いし40重量部含有する樹脂を前記着色層上に塗布し、紫
    外線硬化させて保護膜としたことを特徴とするカラーフ
    ィルター。
  2. 【請求項2】前記樹脂において、マスク等を介してカラ
    ーフィルターの所定内領域の樹脂のみ紫外線硬化させ、
    未硬化部の樹脂と相溶性を有する溶液にて前記未硬化樹
    脂を溶解除去し、所定内領域にのみ保護膜を形成したこ
    とを特徴とする請求項1記載のカラーフィルター。
  3. 【請求項3】前記光重合性アクリレートオリゴマーある
    いはモノマーは酸無水物を含有し、未硬化部分がアルカ
    リ水溶液にて溶解除去し、カラーフィルターの所定内領
    域にのみ保護膜を形成したことを特徴とする請求項1ま
    たは2のいずれかに記載のカラーフィルター。
  4. 【請求項4】透明基板上にシランカップリング剤を塗布
    の後に前記樹脂を塗布したことを特徴とする請求項1な
    いし3のいずれか1項に記載のカラーフィルター。
  5. 【請求項5】前記樹脂にシランカップリング剤を添加し
    たことを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に
    記載のカラーフィルター。
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