JPH08184820A - 機能膜付き基板の製造方法 - Google Patents

機能膜付き基板の製造方法

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JPH08184820A
JPH08184820A JP32878294A JP32878294A JPH08184820A JP H08184820 A JPH08184820 A JP H08184820A JP 32878294 A JP32878294 A JP 32878294A JP 32878294 A JP32878294 A JP 32878294A JP H08184820 A JPH08184820 A JP H08184820A
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 液晶表示素子の製造工程において、カラーフ
ィルタ2のパターンを透光性基板1上に形成した後、こ
の各カラーフィルタ2を覆うように遮光膜3の材料であ
る上記特定の波長の光に感光して硬化する黒色インク層
11を配置し、この黒色インク層11をフォトマスク2
0を介して正面側から露光し、カラーフィルター2をフ
ォトマスクとして背面側から露光し、その後現像し、遮
光膜3のパターンをカラーフィルタ2の間やカラーフィ
ルタ2の形成領域周縁部に形成する。 【効果】 カラーフィルタ2との間に隙間を生じさせる
ことなく遮光膜3を形成でき、かつ、遮光膜3の膜表面
3aは、重合或いは架橋の度合の高い平滑な面となる。
よって、遮光膜3とこの上に設けられるトップコート膜
等との密着性が向上し、シール剥がれが発生せず、液晶
表示素子の耐衝撃性や耐高温高湿性が向上する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えば液晶表示素子、
プリント基板、薄膜磁気ヘッド、太陽電池などの各種用
途の、複合機能膜を備えた機能膜付き基板の製造方法に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】図11に、従来の液晶表示素子のシール
領域の概略断面構成を示す。尚、ここでは一例としてS
TN(Super Twisted Nematic)型カラー液晶表示素子を
挙げる。
【0003】図に示すように、液晶表示素子は、ソーダ
ライムガラスなどからなる一対の透光性基板51・51
を有しており、これら両透光性基板51・51は、スペ
ーサやカップリング剤を含んだシール剤57を介して基
板周縁部で貼り合わされて接着固定されている。図にお
いて下側に示す透光性基板51が、コモン基板を構成
し、この透光性基板51のもう一方の透光性基板51と
の対向面には、カラーフィルタ52及び遮光膜61が形
成されると共に、その上を覆うようにトップコート膜
(又は保護膜)54が形成され、さらにその上にITO
(Indium Tin Oxide) 電極55、配向膜56が順に形成
されている。一方、上側に示す透光性基板51が、セグ
メント基板を構成し、この透光性基板51のもう一方の
透光性基板51との対向面には、ITO電極55、絶縁
膜59、配向膜56が順に形成されている。そして、こ
れら両透光性基板51・51の間隙には、液晶材料58
が封入され、各透光性基板51・51の外面には、それ
ぞれ位相差板付き偏光板60・60が貼り付けられてい
る。
【0004】このような液晶表示素子を製造するにあた
り、透光性基板51上にカラーフィルタ52と遮光膜6
1とからなる複合機能膜を形成する工程には、従来か
ら、特開昭62−247331号、特開平3−20
9203号、特開平5−241013号、特開平5
−241014号、特開平5−341113号、特
開平5−341114号等の各公報に開示されている、
背面露光あるいは裏面露光を利用したセルフアライメン
ト方式(自己整合方式)が用いられている。
【0005】図12に、液晶表示素子の製造工程におい
て、セルフアライメント背面露光方式により、カラーフ
ィルタ52と遮光膜61とからなる複合機能膜を透光性
基板51上に形成する概略プロセスを示す。
【0006】まず、プロセス(以下、プロセスは単にP
と略記する)101にて、図13(a)に示すように、
透光性基板51上に紫外線を吸収又は遮光するカラーフ
ィルタ52をパターン化形成する。透光性基板51上に
は、必要に応じてアンダーコート膜であるSiO2 膜が
コーティングされている。この場合、カラーフィルタ5
2が、感光性樹脂利用顔料分散法や印刷法などで形成さ
れているときは必要ないが、カラーフィルタ52を電着
法にて形成する場合には、カラーフィルタ52の下に電
着用の電極を形成することが必要である。
【0007】次に、このカラーフィルタ52のパターン
が形成された透光性基板51上に、図13(b)に示す
ように、遮光膜となる感光性樹脂組成物を含む感光性樹
脂材料、例えば感光性黒色インクをスクリーン印刷法に
より配置し(P102)、プリベークを行ない、黒色イ
ンク層53を形成する。ここで選択される感光性樹脂材
料としては、含まれる感光性樹脂組成物が上記カラーフ
ィルタ52において遮光又は吸収する紫外線で感光する
ものであり、上記の感光性黒色インク以外に、感光性樹
脂層が仮支持体に設けられた黒色の感光性着色転写フィ
ルムを用いることもできる。この場合は、透光性基板5
1上に感光性着色転写フィルムを密着させて薄層にす
る、所謂、ドライラミネーション技術により加圧加熱転
写して、透光性基板51上にフィルム層を形成する。
【0008】次に、図13(c)に示すように、透光性
基板51の背面側から高圧水銀灯により黒色インク層5
3を背面露光する(P103)。この背面露光では、カ
ラーフィルタ52を、高圧水銀灯の光を吸収又は遮光す
るフォトマスクとして作用させ、カラーフィルタ52上
に配置されている黒色インク層53が感光しない程度に
背面露光し、透光性基板51に接する側から光硬化させ
る。これにより、黒色インク層53は、透光性基板51
から離れた側ほど未硬化状態となる。図13の(c)
(d)(e)においては、黒色インク層53における硬化
度合を3段階に別けて示し、充分硬化している硬化部分
をクロスハッチング、半分硬化している半硬化部分をハ
ッチング、未硬化部分を白抜きにて示す。
【0009】次に、図13(d)に示すように、黒色イ
ンク層53における未硬化部分を現像により除去し、さ
らに、洗浄して乾燥させる(P104・P105)。こ
の現像により、黒色インク層53の表面53aは、半分
硬化した半硬化表面となる。
【0010】その後、図13(e)に示すように、光照
射または焼成によりポストベークを行なう(P10
6)。このようにして黒色インク層53をパターン化す
ることで、遮光膜61が形成される。
【0011】確かに、このようなセルフアライメント背
面露光方式では、正面露光のみで露光した場合と比較し
て、カラーフィルタ52をフォトマスクとして使用し
て、カラーフィルタ52と遮光膜61との間に隙間を生
じさせることなく膜形成でき、高精度な遮光膜61を、
簡単な工程にて経済的に作製することができる。これに
対し、正面露光のみで露光すると、カラーフィルタと遮
光膜との間を隙間なく埋めようとすると、フォトリソグ
ラフィー等を用いることが必要で工程が極めて複雑化す
る。
【0012】また、このように背面露光することで、先
に形成しているカラーフィルタ52に、たとえピンホー
ル等の欠けが存在していたとしても、この欠け部分を遮
光膜61の材料である黒色インクを用いて、修復するこ
ともできる。
【0013】一方、特開平5−80503号公報に
は、上記のドライラミネーション技術に係り、感光性着
色転写フィルムの感光性樹脂層を仮支持体から永久支持
体(上記の場合は透光性基板)へと転写する際に、微小
なゴミ・気泡・永久支持体段差等に起因する転写不良が
ないように転写可能で、かつ仮支持体と申し分のない剥
離性を示し、同時に空気中の露光を可能とする感光性着
色転写フィルムの構成、及びその転写方法が開示されて
いる。つまり、これにおいては、仮支持体上に、アルカ
リ可溶な熱可塑性樹脂層、中間層、感光性樹脂層をこの
順に設けることで、熱可塑性樹脂層と仮支持体との間の
接着力が最も小さい感光性着色転写フィルムを構成し、
この感光性着色転写フィルムを永久支持体へ加熱加圧密
着させた後、熱可塑性樹脂層と仮支持体との境界面で剥
離し、感光性樹脂層に熱可塑性樹脂層と中間層を介して
パターン露光し、現像して永久支持体上に画像を形成す
るといったものである。
【0014】また、特開平4−323618号公報に
は、ガラス基板上にブラックマトリクス(遮光膜)と色
置部とを形成し、酸化セリウム粒子水溶液をウレタンパ
ッドでポリッシングし、その表面を5%濃度の水酸化ナ
トリウム槽で温浴処理してエポキシである保護膜(又は
トップコート膜)と、色置部との付着力の向上を図る技
術が開示されている。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記し
たセルフアライメント背面露光方式は、上記した数々の
利点は備えているものの、液晶表示素子を構成した場
合、遮光膜61等を覆うように設けられたトップコート
膜(又は保護膜)54と遮光膜61との密着性が低く、
トップコート膜(又は保護膜)54と遮光膜61との境
界でシール剥がれが生じ易く、その結果、液晶表示素子
の信頼性が低下するといった問題点を有している。
【0016】つまり、このような手法では、カラーフィ
ルタ52上に載っている部分の黒色インク層53までが
露光され硬化する、いわゆる露光かぶりが起こらないよ
うに、背面露光時の光量を低く抑える必要があり、その
ため、黒色インク層53における表面側までを硬化する
ことができず、前述の図13(d)に示したように、黒
色インク層53は、透光性基板51から離れた側ほど未
硬化状態となる。そして、表面側が未硬化状態のまま現
像するので、現像により露出された黒色インク層53の
表面53a(同図(e)においては遮光膜61の表面6
1a)は、光重合開始剤や反応性モノマーなどの低分子
が流出し、バインダーなどの高分子が残留し易くなり、
その結果、重合或いは架橋の度合が低くなり、荒れた膜
表面となってしまう。このように荒れた膜表面では、保
護膜54との間に高い密着性を得ることは困難となり、
剥がれ易くなってしまう。
【0017】また、上記の如く背面露光のみで黒色イン
ク層53を露光して現像すると、その膜厚は必ず始めに
配置した黒色インク層53の膜厚よりも減少することに
なる。そのため、従来の方法では、所望の膜厚を得るに
は、露光具合を制御するしかなく、ランプ強度、露光時
間、光硬化剤量などの細かな調整が必要であった。
【0018】さらに、露光かぶりを起こさないように光
量調整すると、カラーフィルタ53の表面と同じ高さの
部分は未硬化或いは半硬化状態となり、現像の際に除か
れてしまい、その結果、図13(e)に示すように、カ
ラーフィルタ53よりも遮光膜61の膜厚は薄くなり、
遮光性が低下すると共に、カラーフィルタ53との間に
段差が発生したりして、液晶表示素子の表示品位が低下
するといった問題点も有している。
【0019】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに、本発明の請求項1記載の機能膜付き基板の製造方
法は、相異なる機能を有する少なくとも2種類の機能膜
の各パターンが同一面内に連続して形成されてなる複合
機能膜を有する機能膜付き基板の製造方法において、特
定の波長の光を吸収又は遮光する第1機能膜のパターン
を透光性基板上に形成した後、この第1機能膜のパター
ンを覆うように、第2機能膜の材料である上記特定の波
長の光に感光して硬化する感光性樹脂組成物を含む感光
性樹脂材料を配置し、この感光性樹脂材料を背面側から
露光する一方、少なくとも第1機能膜のパターン位置を
除いた領域を正面側から露光し、その後現像することで
上記複合機能膜を形成することを特徴としている。
【0020】本発明の請求項2記載の機能膜付き基板の
製造方法は、上記請求項1記載の機能膜付き基板の製造
方法において、第2機能膜のをパターンを形成すべく、
感光性樹脂材料を第1機能膜が形成されている透光性基
板上に配置する際、その膜厚が第1機能膜の膜厚とほぼ
等しくなるように配置することを特徴としている。
【0021】本発明の請求項3記載の機能膜付き基板の
製造方法は、上記請求項1記載の機能膜付き基板の製造
方法において、正面側からの露光を、透光性基板と離れ
て配され、かつ、第1機能膜のパターン幅と同等以上の
パターン幅を有する遮光部が形成されているフォトマス
クを介して行うことを特徴としている。
【0022】以下、本発明について詳細に説明する。
【0023】上記した透光性基板としては、特定の波長
の光を透過する基板であれば特に限定されない。例え
ば、ソーダライムガラス、低アルカリガラス(中性ホウ
ケイ酸ガラス)、無アルカリガラス、石英ガラス、透明
セラミック板、プラスチック板又はプラスチックフィル
ム等が好ましく利用される。但し、アルカリ溶出量の大
きい基板は、アンダーコート膜としてSiO2 膜を成膜
する必要があり、SiO2 膜は、蒸着法、スパッタ法、
CVD(Chemical vapor deposition )法またはCLD
(Chemical liquid deposition)法等で成膜できる。
【0024】上記した特定の波長の光としては、紫外
光、可視光、赤外光、及びこれらの混合など何れでもよ
く、光源、場合によってはフィルタによって限定され
る。背面露光或いは正面露光に用いる光源の種類として
は、紫外光と可視光を含む高圧水銀灯(g線=436n
m、h線=405nm及びi線=365nmを含む)、
可視光を含むキセノンランプ(e線=546nm)が用
いられ、その他、正面露光には、紫外光のArレーザ
(351.1nm)、可視光のHe−Cdレーザ(44
2nm)などを用いることができる。光源のピーク波長
は、使用する感光性樹脂材料の感光波長域と互いに重な
るようにしておくことが必要である。そして具体的にH
e−Cdレーザ又はArレーザが選択できるレーザによ
る直接露光装置としては、伯東株式会社製のレーザビー
ム直接描画装置LBDDシリーズがある。
【0025】上記した特定の波長の光を吸収又は遮光す
る第1機能膜としては、少なくとも特定の波長の光を充
分に吸収又は遮光する膜であればよい。このような第1
機能膜としては、例えば、カラーフィルタ、ダミーカラ
ーフィルタ、膜厚段差調整膜、フォトレジスト膜、透明
導電膜、半導体膜、絶縁膜、吸収フィルタ、金属導電
膜、金属反射膜、多層反射膜、メタルマスク、ミラーな
どがある。上記のダミーカラーフィルタは、本来表示点
灯すべき画素に形成するカラーフィルタの他に、場合に
よっては表示領域内の表示の均一性のために、点灯する
画素周縁部に設けられたものである。カラーフィルタの
形成方法としては、パターン電極付電着法、パターン電
極無し電着法、感光性樹脂利用顔料分散法、エッチング
利用顔料分散法、顔料分散フィルム転写法、印刷法、染
色法、多層干渉膜法、蒸着法、偏光板法などで何れでも
よい。
【0026】上記した感光性樹脂材料から形成される第
2機能膜としては、可視光遮光膜、着色膜、透明膜また
は白色系拡散反射膜などがある。
【0027】上記した機能膜付き基板上に形成される上
記の第1機能膜及び第2機能膜以外のものとしては、ア
ルカリ溶出防止のアンダーコート膜、透光性基板がプラ
スチックやフィルム基板の場合に適用するガスバリア
膜、透明導電膜、金属導電膜、トップコート膜、絶縁
膜、拡散反射膜、配向膜又は接着剤などの薄膜や厚膜、
LSI、TCP、ヒータ、センサ、太陽電池などの部品
などがある。
【0028】上記した第2機能膜の材料となる感光性樹
脂材料としては、光硬化型で、露光と現像によりパター
ン化できるものであればよい。感光性樹脂材料に含まれ
る感光性樹脂組成物としては、光重合型、光架橋型、光
二量化型、光変性型など何れでもよいが、重合と橋かけ
により感光層を厚くできる光重合型が好ましい。また、
その形態も液状物質、フィルム状などの何れでもよい。
光重合型感光性樹脂組成物は、一般に、光重合開始剤、
反応性モノマーまたはバインダーを基本構成要素として
含む。バインダーの種類としては、アクリル樹脂系やア
クリル/エポキシ樹脂系などがある。感光性樹脂材料に
含まれる感光性樹脂組成物以外のものとしては、各種色
の有機顔料や染料などがある。感光性樹脂組成物は、光
硬化の際、周辺に酸素が存在すると表面が硬化しなくな
るため、感光性樹脂組成物の上に重ねて酸素遮断膜を配
置するのがよい。尚、最近は酸素遮断膜がなくてもよい
ものもある。
【0029】上記した正面露光と背面露光とは、いずれ
が先に行なわれてもよく、同時工程であってもよい。ま
た、正面露光する位置と背面露光する位置が必ずしも一
致しなくてもよく、その露光位置関係は各種タイプがあ
る。つまり、特定の波長の光を吸収又は遮光する第1機
能膜のパターン間やそれら周縁部に感光性樹脂を含む第
2機能膜を露光する場合、たとえば、(1)パターン間
も周縁部も共に正面露光と背面露光とを行なう、(2)
パターン間および周縁部の一部は背面露光だけで、周縁
部のみ正面露光と背面露光を行なうなど。また、正面露
光は、フォトマスクを介して、高圧水銀灯、キセノンラ
ンプなどで光照射してもよいし、フォトマスクを用いず
に直接レーザ光でパターン化露光してもよい。
【0030】正面露光において使用される透光性基板と
分離して配置したフォトマスクとしては、遮光部が金属
薄膜であるハードマスク、或いは遮光部がハロゲン化銀
乳剤膜であるエマルジョンマスクの何れでもよいが、パ
ターニング特性のよいハードマスクが好ましい。
【0031】ここで、フォトマスクの遮光部のパターン
は、露光を必要としない領域をマスクするパターンが最
低限必要であり、パターンの位置の位置精度を考慮し
て、第1機能膜のパターン幅と同等以上の幅のパターン
を有するマスクを設けてもよい。また、フォトマスクに
形成される遮光部のパターン幅をできるだけ広く設計し
て、正面露光の際にオーバー露光して表面領域の感光す
る線幅を広げてもよい。
【0032】上記した背面露光は、透光性基板上に既に
形成されている第1機能膜を、第2機能膜を形成する際
のフォトマスクとして少なくとも利用する。さらに、第
2機能膜を形成しない領域(例えば、多数枚取りガラス
基板の周縁部、ガラス基板のアライメントマークの位
置、液晶パネルの端子領域)を設けるために、この第1
機能膜によるフォトマスク以外に、投光性基板と分離し
て配置する黒色反射防止処理金属の穴空きパターンマス
クや上記したハードマスク等のガラスマスクのフォトマ
スクの利用か、印刷法にて、予め第2機能膜を形成しな
い領域に感光性樹脂材料を配置しないようにしてもよ
い。
【0033】上記した第1機能膜の膜厚とほぼ等しくな
るように、第2機能膜の材料である感光性樹脂材料を載
置する場合、感光性樹脂材料がフィルムタイプであれ
ば、第2機能膜の形成に使用したのと同じ膜厚のフィル
ムを使用すればよい。また、液状物質の場合は、薄く印
刷するために、グラビアオフセット印刷、スピンナー印
刷、ロールコータ法等がよい。
【0034】本発明の機能膜付き基板の製造方法は、カ
ラーフィルタ、チャネル保護膜方式逆スタガ構造のTF
T基板、プリント基板、プリンタ、センサ、薄膜磁気ヘ
ッド、リニアアレイ、太陽電池などの各種用途に利用で
きる。
【0035】
【作用】請求項1記載の機能膜付き基板の製造方法にお
いては、第1機能膜のパターンを覆うように配置され
た、第2機能膜の材料である感光性樹脂組成物を含む感
光性樹脂材料を露光する際、上記感光性樹脂組成物が第
1機能膜が吸収又は遮光する波長の光に感光して硬化す
ることを利用した、従来から行なわれている第1機能膜
をフォトマスクとして用いる背面露光に加えて、少なく
とも第1機能膜のパターン位置を除いた部分を、正面露
光するようになっている。したがって、背面露光により
複雑なフォトリゾグラフィ等の工程を用いずとも、第1
機能膜との間に隙間を形成することなく高精度な第2機
能膜を形成できると共に、正面露光により、第1機能膜
のパターン位置を除いた領域の感光性樹脂材料を充分に
硬化させることができる。
【0036】その結果、未硬化の感光性樹脂材料を現像
して除去した際に露出される第2機能膜の膜表面が、従
来の背面露光のみの場合ように、光重合開始剤や反応性
モノマーなどの低分子が流出し、バインダー等の高分子
が残留するといったことにはならず、重合度合或いは架
橋度合の高い、平滑な面とすることができ、重合度合或
いは架橋度合の高い平滑な面を有する複合機能膜が得ら
れる。
【0037】そして、例えばこの機能膜付き基板を用い
て透光性基板上に第1機能膜としてのカラーフィルタと
第2機能膜としての遮光膜とからなる複合機能膜を形成
して作製される液晶表示素子では、第2機能膜としての
遮光膜と、この上に設けられるトップコート膜や保護膜
との密着性が向上するので、一対の基板を基板周縁部で
貼り合わせるシール剤が、トップコート膜や保護膜と遮
光膜との境界面で剥がれるようなことがなく、これによ
って耐衝撃性や耐高温高湿性が向上し、信頼性が向上す
る。
【0038】また、従来の背面露光のみの場合、形成さ
れた第2機能膜の膜厚は、始めに配置した感光性樹脂材
料層の膜厚よりも必ず薄くなり、所望の膜厚を得るに
は、ランプ強度、露光時間、光硬化剤量などの細かな調
整を必要とした。しかも、従来の背面露光のみの場合、
露光かぶりを起こさないように光量調整すると、感光性
樹脂材料の第1機能膜の表面と同じ高さの部分は未硬化
或いは半硬化状態となり、現像の際に除去されて第2機
能膜の膜厚は第1機能膜の膜厚より薄くなる。そのた
め、例えば第2機能膜が液晶表示素子の遮光膜の場合
は、遮光性が低下したり、複合機能膜を構成するカラー
フィルタと遮光膜との間に段差が発生して、液晶表示素
子の表示品位が低下していた。しかしながら、本発明の
ように正面露光を組み入れることで、表面側が硬化され
現像により除去されないので、このような細かな調整を
必要とすることなく、感光性樹脂材料層の配置時に膜厚
を調整するだけで、簡単に第2機能膜の膜厚を所望の厚
みに設定することができると共に、例えば請求項2記載
の製造方法のように、その膜厚が第1機能膜の膜厚とほ
ぼ等しくなるように感光性樹脂材料を配置することで、
充分な厚みを有し、かつ、第1機能膜の膜表面と第2機
能膜の膜表面との間に膜厚段差の少ない平坦な複合機能
膜を形成できる。
【0039】この結果、例えばこの機能膜付き基板を用
いて透光性基板上に第1機能膜としてのカラーフィルタ
と第2機能膜としての遮光膜とからなる複合機能膜を形
成して作製される液晶表示素子では、遮光膜の遮光性が
向上し、かつ、カラーフィルタと遮光膜との間の段差が
ほぼなくなるので、トップコート膜や保護膜を介した場
合でも良好な表示を実現でき、表示品位が向上し、ま
た、遮光膜を形成する工程に、細かな条件調整等を必要
とすることなく、工程を簡単化できる。
【0040】請求項3記載の機能膜付き基板の製造方法
によれば、正面側からの露光を、透光性基板と離れて配
され、第1機能膜のパターン幅と同等以上のパターン幅
を有する遮光部が形成されているフォトマスクを介して
行うようになっているので、上記請求項1の方法による
作用に加え、たとえフォトマスクが、第1機能膜のパタ
ーンに対して大きくずれたとしても、第1機能膜の上に
配置された感光性樹脂材料が光重合されて両面が僅かに
重なる部分が発生するようなことはなく、第1機能膜の
上に第2機能膜が重ねて形成された部分のない平坦な複
合機能膜を形成できる。これは特に、露光面積が小さい
場合や、パターン幅が比較的広い場合に有効である。
尚、第1機能膜に隣接する部分の感光性樹脂材料は、背
面露光のみにて硬化され、少々荒れた膜表面となるが、
シール領域さえかかっていなければこれが原因となって
液晶表示素子を作製した際にシール剥がれ等が発生する
ようなことはない。
【0041】
【実施例】
〔実施例1〕本発明の一実施例について、図1ないし図
5に基づいて説明すれば、以下の通りである。本実施例
においては、本発明の機能膜付き基板の製造方法を、位
相差板方式STN(Super Twisted Nematic)型カラー液
晶表示素子の製造工程において、透光性基板上にカラー
フィルタ(第1機能膜)と遮光膜(第2機能膜)とから
なる複合機能膜を設ける工程に採用した場合を例示す
る。
【0042】図2に、本発明に係る機能膜付き基板の製
造方法で作製された機能膜付き基板を有する液晶表示素
子のシール領域の概略断面構成を示す。液晶表示素子
は、ソーダライムガラスなどからなる一対の透光性基板
(以下、単に基板と略記する)1・1を有しており、両
透光性基板1・1の外面にはそれぞれ位相差板付き偏光
板10・10が貼り付けられると共に、基板間には液晶
材料8を挟装されている。図において下側に示す透光性
基板1が、コモン基板を構成しており、透光性基板1の
もう一方の透光性基板1との対向面には、図示しないア
ンダーコート膜、カラーフィルタ2及び遮光膜3が形成
されると共に、それらの上を覆うようにトップーコート
膜(又は保護膜)4が形成され、さらにその上にコモン
電極であるITO(Indium Tin Oxide) 電極5、配向膜
6が順に形成されている。一方、上側に示す透光性基板
1が、セグメント基板を構成しており、透光性基板1の
もう一方の透光性基板1との対向面には、図示しないア
ンダーコート膜、セグメント電極であるITOパターン
電極5、絶縁膜9、配向膜6が順に形成されている。こ
れら両透光性基板1・1は、スペーサとカップリング剤
とが混入されたシール剤7で周辺部が貼り合わされて接
着固定されており、シール剤7が塗布されているシール
部領域の断面構成は、コモン側から、透光性基板1、遮
光膜3、トップコート膜4、シール剤7、透光性基板1
となっている。
【0043】そして、上記遮光膜3におけるトップコー
ト膜4側の表面3aは、後述のように正面から露光する
工程を採用して形成することで、重合密度或いは架橋密
度の高い平滑な表面となっており、その結果、この液晶
表示素子は、シール剥がれを生じない、高信頼性のもの
となっている。
【0044】まず、図3を用いてこのような構成の液晶
表示素子の製造工程の概略を説明する。一対の透光性基
板1・1の各表面を研磨して、各々一方面にアンダーコ
ート膜として、SiO2 膜を形成し(P1)、このうち
一方の透光性基板1のアンダーコート膜形成面に、膜厚
1.5μmのカラーフィルタ2を形成し(P2)、続け
て、膜厚1.5μmの遮光膜3をカラーフィルタ2の
間、及び基板周縁部等、所定領域を除いて形成する(P
3)。次いで、カラーフィルタ2と遮光膜3とを覆うよ
うに基板全面に、アクリル系樹脂からなるトップコート
膜(又は保護膜)4を形成し(P4)、さらにその上に
コモン電極となるITOパターン電極5、配向膜6であ
るポリイミド膜を順に形成する(P5・P6)。その
後、ポリイミド膜にラビング処理を施し(P7)、コモ
ン基板を完成させる。
【0045】一方、もう一方の透光性基板1のアンダー
コート膜形成面には、セグメント電極となるITOパタ
ーン電極5を形成し(P10)、その上に絶縁膜9であ
る珪素−チタンの混合酸化物を形成する(P11)。さ
らに、その上に配向膜6であるポリイミド膜を形成して
(P12)、コモン基板と同様にポリイミド膜にラビン
グ処理を施し(P13)、セグメント基板を完成させ
る。
【0046】このようにして、コモン基板及びセグメン
ト基板が完成されると、各透光性基板1・1における電
極形成面の表示領域周縁部に、シール剤7である二液型
エポキシ樹脂を、注入口を除いて加熱加圧して形成し
(P8・P14)、コモン側及びセグメント側の透光性
基板1・1を貼り合わせる(P15)。尚、この場合、
コモン側或いはセグメント側の何れか一方に、シール剤
7を形成するようにしてもよい。
【0047】その後、セル内に注入口から液晶材料8を
充填し、注入口を封止し(P16)、両透光性基板1・
1の外面に、位相差板付き偏光板10・10を貼着する
(P17)。このようにして、液晶表示素子が完成され
る。
【0048】次に、本発明の機能膜付き基板の製造方法
を用いてコモン側の透光性基板1上にカラーフィルタ2
と遮光膜3とからなる複合機能膜を形成する、図3の工
程図におけるP2・P3を、図1及び図4を用いて詳説
する。
【0049】まず、図1(a)に示すように、図示しな
いアンダーコート膜が形成された透光性基板1の上に電
着法により、膜厚約1.5μmの赤・緑・青色のカラー
フィルタ2をストライプ状に形成する(P21)。ここ
では、始めに透光性基板1上に図示しない各色対応の電
着用ITO電極をストライプ状にパターン化形成し、赤
色対応のITO電極上に、赤色フィルタを電着法で形成
し、次いで緑色カラーフィルタ、青色カラーフィルタを
同様に形成する。各色のカラーフィルタ2のパターン幅
は、75μm幅で、各色のパターン間隙は、25μm幅
である(尚、ここで用いた電着法によるカラーフィルタ
の形成技術は、文献「液晶パネル用カラーフィルタ作製
技術」(株式会社トリケップス、1991.12.1
8、p113−p127)を参照のこと)。
【0050】次に、図1(b)に示すように、このカラ
ーフィルタ2の形成された透光性基板1上にネガタイプ
の感光性樹脂材料である感光性黒色インク・カラーモザ
イクCK(富士ハントエレクトロニクステクノロジー社
製)を、膜厚1.5μmでスピンナー法で塗布する(P
22)。その後、100℃5分プリベークし(P2
3)、黒色インク層11を形成する。
【0051】次に、図1(c)に示すように、この黒色
インク層11を、カラーフィルタ2のパターン幅75μ
mより少し幅の広い85μm幅のクロム膜パターン(遮
光部)20aを有するフォトマスク20を介して、図示
しない超高圧水銀灯を用いて正面露光する(P24)。
このときの露光条件は、i線とh線で200mj/cm
2 である。この正面露光により、各カラーフィルタ2・
2間の黒色インク層11が、カラーフィルタ2の隣接領
域を除いて光硬化される。図においては、硬化部分をク
ロスハッチングにて示し、未硬化部分を白抜きにて示
す。
【0052】次に、図1(d)に示すように、黒色イン
ク層11を、透光性基板1の背面より、正面露光の場合
と同様の超高圧水銀灯を用いて露光する(P25)。こ
こでの光照射量は、露光かぶりが発生する虞れのない、
正面露光の場合よりも小さな50mj/cm2 である。
この背面露光により、カラーフィルタ2が形成されてい
ない領域の黒色インク層11が、透光性基板1側から順
に硬化される。そしてこのとき、正面露光ではフォトマ
スク20によりマスクされていた、各カラーフィルタ2
の間にあるカラーフィルタ2の隣接領域も新たに光硬化
される。この隣接領域の黒色インク層11の表面側は、
未硬化状態または半硬化状態となり、図中、この部分を
ハッチングにて示す。
【0053】こうして露光が終了すると、図1(e)に
示すように、現像液としてカラーモザイク現像液CD
(富士ハントエレクトロニクステクノロジー社製)を使
用して黒色インク層11を現像する(P26)。この現
像により、カラーフィルタ上の未硬化状態の黒色インク
層11と、カラーフィルタの隣接領域の黒色インク層1
1の表面領域にある少なくとも未硬化状態のものが除去
される。
【0054】その後、水洗・乾燥し(P27)、さら
に、220℃1時間焼成のポストベークを行なう(P2
8)。これにより、同図(f)に示すように、黒色イン
ク層11は、所望の形状にパターニングされ、遮光膜3
が形成される。
【0055】図5に、こうして形成された遮光膜3にお
けるトップコート膜(又は保護膜)4と接する表面3a
の状態を示す。これにおいては、露光により充分硬化さ
れて、重合度合或いは架橋度合の高い部分をクロスハッ
チングにて示し、露光による硬化が不十分で、重合度合
或いは架橋度合の低い部分をハッチングにて示してい
る。図からも分かるように、本実施例のコモン基板の場
合、その遮光膜3の表面3aは、カラーフィルタ2の周
囲を除いて、全て重合度合或いは架橋度合の高い平滑な
面となっている。
【0056】以上のように、本実施例の液晶表示素子の
製造工程では、カラーフィルタ2を覆うように配置され
た黒色インク層11を露光して遮光膜3を形成する場
合、従来から行なわれているカラーフィルタ2をマスク
として用いる背面露光に加えて、フォトマスク20を介
して正面露光するようになっている。したがって、複雑
な工程を経ずとも、背面露光によりカラーフィルタ2と
の間に隙間を作ることなく遮光膜3を形成できると共
に、この正面からの露光により、カラーフィルタ2のパ
ターン位置を除いた部分の黒色インク層11を充分に硬
化できる。これにより、カラーフィルタ2上の黒色イン
ク層11の未硬化部分を現像して除去する際に、遮光膜
3の膜表面3aから、光重合開始剤や反応性モノマーな
どの低分子が流出し、バインダー等の高分子が残留する
といったこともなく、膜表面3aを、重合度合或いは架
橋度合の高い、平滑な面とすることができる。そして、
このように、遮光膜3のトップコート膜4との境界面が
平滑面となることで、遮光膜3とトップコート膜4との
密着性が向上され、これにより、本実施例の液晶表示素
子は、上述した如くシール剥がれのない、耐衝撃性や耐
高温高湿性に優れた、高い信頼性を有している。
【0057】また、従来の背面からの露光のみの場合、
形成された遮光膜3の膜厚は、始めに配置した黒色イン
ク層11よりも必ず薄くなり、所望の膜厚を得るには、
ランプ強度、露光時間、光硬化剤量などの細かな調整を
必要とした。しかしながら、正面露光することで、表面
側が現像により除去されないので、カラーフィルタ2と
同じ厚さの膜厚で黒色インクを塗布することで、従来の
ようにランプ強度、露光時間、光硬化剤量などの細かな
調整を必要とすることなく、簡単にカラーフィルタ2と
同じ膜厚(1.5μm)を有する遮光膜3を形成するこ
とができる。この結果、このように遮光膜3が形成され
た液晶表示素子では、遮光膜3を形成する工程に、細か
な条件調整等が必要とされず、製造コストを低減でき
る。
【0058】また、従来の背面露光のみの場合、露光か
ぶりを起こさないように光量調整すると、カラーフィル
タ2の膜表面と同じ高さの部分は未硬化或いは半硬化状
態となり、現像の際に除かれ、その結果、遮光膜3の膜
厚はカラーフィルタ2のそれより薄くなり、遮光膜3の
遮光性が性が低下したり、カラーフィルタ2との間に段
差が発生したりして液晶表示素子の表示品位が低下して
いたが、このような問題も解決して、優れた遮光性を有
する遮光膜3となり、膜厚段差もなくなる。
【0059】また、正面露光する際に、透光性基板1の
上に、カラーフィルタ2のパターン幅75μmより少し
幅の広い85μm幅のクロム膜パターン20aを有する
フォトマスク20を介して正面露光したので、たとえ露
光時に、少々フォトマスクがずれたりしても、カラーフ
ィルタ2上に重ねて遮光膜3が形成されるようなことな
く、平坦な複合機能膜を形成できる。
【0060】このように、本実施例では、遮光膜3の遮
光性が向上し、また、カラーフィルタ2と遮光膜3との
間に段差の少ない平坦な複合機能膜を形成できること
で、トップコート膜4を介した構成でも、液晶表示素子
の表示品位が向上する。
【0061】また、本実施例では、黒色インク層11を
露光する場合、背面露光よりも正面露光の方が光照射量
を大きくし、正面側からマスクされていない部分の黒色
インク層11を充分に硬化させるようになっている。し
たがって、この部分は、充分に重合度合或いは架橋度合
が高くなり、その後の現像工程において変化を受けにく
くなる。尚、カラーフィルタ2に接する部分の黒色イン
ク層11は、露光かぶりを生じない程度の弱い光照射量
で、背面露光により硬化されるが、この部分は、カラー
フィルタ2に接する部分であり、図5に示すようにシー
ル領域Aとは異なるので、これにより、シール剥がれが
生じるようなことはない。
【0062】また、たとえカラーフィルタ2にピンホー
ル等の膜ぬけが合ったとしても、その部分は、黒色イン
クが充填されて背面露光により硬化されて穴埋めされる
ので、修復できる。
【0063】尚、本実施例では、シール剤7として二液
型エポキシ樹脂を用いたが、シール剤7としては、一液
型熱硬化性樹脂、二液型熱硬化性樹脂、光硬化性樹脂が
あり、その材料としては、エポキシ樹脂、フェノール樹
脂、アクリル樹脂などがある。
【0064】上記したトップコート膜4(又は保護膜)
としても、エポキシ系樹脂以外に、アクリル系樹脂、ポ
リイミド系樹脂、シリコーン系樹脂などの有機膜でもよ
いし、SiO2 やSi3 4 やSi−Ti酸化膜などの
無機膜でもよいし、これらの積層でもよい。
【0065】尚、本実施例においては、位相差板方式S
TN(Super Twisted Nematic)型カラー液晶表示素子の
製造工程に採用する例を示したが、本発明は何らこの実
施例に限定されるものでなく、液晶表示素子であれば、
2層方式STN型カラー液晶表示素子、SSFLC型カ
ラー液晶表示素子、反強誘電性液晶型カラー液晶表示素
子、TN型カラー液晶表示素子、2端子素子型カラー液
晶表示素子、又は3端子素子型カラー液晶表示素子など
の製造工程にも適用でき、その他、プリント基板、薄膜
磁気ヘッド、太陽電池などの各種用途にも適用できる。
【0066】〔比較例1〕ここで、上記の実施例1の比
較例を示す。
【0067】まず、コモン基板となる透光性基板上に実
施例1と同様に電着法により、ストライプ状に各色のカ
ラーフィルタを形成し、次に、このカラーフィルタの形
成された透光性基板上に、ネガタイプの感光性黒色イン
クとして、前記実施例1と同様のカラーモザイクCKを
使用し、スピンナー法で塗布し、100℃5分プリベー
クを行なって黒色インク層を形成する。その後、透光性
基板の背面より、超高圧水銀灯を使用して50mj/c
2 で露光し、カラーフィルタのない箇所にある黒色イ
ンク層を、透光性基板側から順に光硬化する。その後、
各色カラーフィルタ上にある未硬化状態の黒色インク層
と、各色カラーフィルタ間にある少なくとも未硬化状態
である黒色インク層とを、前記と同じ現像液CDで除去
する。その後、水洗、乾燥し、さらに、220℃1時間
焼成のポストベークを行ない、遮光膜を形成する。
【0068】図14に、上記コンモ基板の平面図を示
す。図においては、遮光膜61のトップコート膜(又は
保護膜)と接する表面61aの露光による硬化が不十分
で、重合度合或いは架橋度合の低い部分をハッチングに
て示しており、この図から明白なように、本比較例のコ
モン基板の場合、シール領域Bを含めて、遮光膜61の
表面61a全体が重合あるいは架橋の度合いが低く、荒
れていた。しかも、その膜厚は、約1.2μmであり、
カラーフィルタ52の1.5μmに比べて薄くなり、カ
ラーフィルタ52との間に膜厚段差を有すると共に、遮
光性も劣っていた。
【0069】そして、上記の実施例1にならい、位相差
板方式STN型カラー液晶表示素子を製造してみると、
この液晶表示素子は、遮光膜61とトップコート膜(又
は保護膜)との間にシール剥がれが発生し、信頼性に劣
っていた。
【0070】〔実施例2〕本発明の他の実施例を、図
2、図3及び図6に基づいて説明すれば、以下の通りで
ある。尚、説明の便宜上、前記の実施例1にて示した部
材と同一の機能を有する部材には、同一の符号を付記
し、その説明を省略する。
【0071】本実施例においても前記の実施例1と同様
に、本発明の機能膜付き基板の製造方法を、位相差板付
きSTN型カラー液晶表示素子の製造工程において、透
光性基板上にカラーフィルタ(第1機能膜)と遮光膜
(第2機能膜)との複合機能膜を設ける工程に採用した
場合を例示する。
【0072】本実施例の機能膜付き基板の製造方法で作
製された機能膜付き基板を有する液晶表示素子のシール
領域の概略断面も、前述の図2と同様の構成を有してい
る。そして、本実施例の場合、上記遮光膜3におけるト
ップコート膜4側の表面3aは、ポストベーク後に研磨
し、かつアルカリ処理を施すことで、実施例1の場合よ
りもさらに、平滑な表面となっている。
【0073】つまり、本実施例では、図6に示すよう
に、P21〜P28まで前記実施例と同様の工程を実施
し、ポストベークを行なった後に、酸化セリウム粒子水
溶液をウレタンパッドでポリッシングし(P29)、そ
の表面を5%濃度の水酸化ナトリウム槽で温浴処理して
アルカリ処理を施す(P30)。
【0074】これにより、エポキシ系樹脂であるトップ
コート4と、遮光膜3との付着力がさらに向上され、密
着性が増した。
【0075】そして、前記実施例1に示した図3の工程
図におけるP2・P3に、この図6に示すカラーフィル
タ2及び遮光膜3の形成工程を採り入れて液晶表示素子
を構成した結果、さらにシール剥がれを生じなくするこ
とができた(尚、研磨、アルカリ処理する技術の詳細
は、前述の公報を参照のこと)。
【0076】〔比較例2〕ここで、上記の実施例2の比
較例を示す。
【0077】上記の実施例2と同じ研磨工程とアルカリ
処理工程を、前記の比較例1における遮光膜の形成工程
に採り入れ、位相差板付きSTN型カラー液晶表示素子
を形成した。この液晶表示素子は、確かに比較例1と比
べては、シール剥がれが生じ難くなったが、やはり、シ
ール剥がれが発生する場合があった。
【0078】〔実施例3〕本発明の他の実施例を、図
2、図3、図7ないし図9に基づいて説明すれば、以下
の通りである。尚、説明の便宜上、前記実施例1・2に
て示した部材と同一の機能を有する部材には、同一の符
号を付記し、その説明を省略する。
【0079】本実施例においても前記の実施例1と同様
に、本発明の機能膜付き基板の製造方法を、位相差板付
きSTN型カラー液晶表示素子の製造工程において、透
光性基板上にカラーフィルタ(第1機能膜)と遮光膜
(第2機能膜)との複合機能膜を設ける工程に採用した
場合を例示する。
【0080】本実施例の機能膜付き基板の製造方法で作
製された機能膜付き基板を有する液晶表示素子のシール
領域の概略断面も、前述の図2と同様の構成を有してい
る。
【0081】ただ、前記の実施例1と異なるところは、
カラーフィルタ2を、上記のような電着法にて形成する
のではなく、各色の感光性着色転写フィルムを、透光性
基板1上に密着させラミネートするドライラミネーショ
ン技術により、加圧転写後、フォトグラフィー法で露
光、現像することで形成し、同様に黒色の感光性着色転
写フィルムを感光性樹脂材料として使用して、遮光膜3
を形成している点である。
【0082】感光性着色転写フィルムは、特にその構造
を図示してはいないが、ポリエチレンテレフタレートフ
ィルムの仮支持体上に、転写時の気泡を避けるためのア
クリル系の熱可塑性樹脂層、空気中からの酸素の拡散防
止と熱可塑性樹脂層と感光性樹脂層とが混じり合わない
ようにするためのバリア層として水溶性高分子系の中間
層、赤色または緑色または青色の顔料と、アクリレート
系のモノマー、アクリル樹脂系のバインダーを含む着色
層を形成、最上部はポリオレフィン系のカバーフィルム
からなる。
【0083】本実施例における、透光性基板1上にカラ
ーフィルタ2と遮光膜3とからなる複合機能膜を形成す
る工程を図7及び図8に基づいて説明する。
【0084】まず、図7(a)に示すように、アンダー
コート膜としてSiO2 膜をコートした透光性基板1上
に、シランカップリング剤(信越化学:KBM−60
3)1%水溶処理をおこなった後に、感光性着色転写フ
ィルムを、透光性基板上1に密着させラミネートする、
所謂ドライラミネーション技術により加圧転写し、その
後、フォトグラフィー法で露光・現像することで、カラ
ーフィルタ2をモザイク状に赤色、緑色、青色に、膜厚
約1.8μmで形成する(P41)。
【0085】ここでは、まず、赤色フィルムで、赤色カ
ラーフィルタと、液晶パネルの端子領域に存在する膜厚
段差調整膜を形成し、次に緑色フィルムにより、緑色カ
ラーフィルタを形成し、最後に青色フィルムにより青色
カラーフィルタを形成する。モザイクを形成する各色の
パターンサイズは、275μm長さ、75μm幅で、各
色のパターン間隙は、25μm幅である。
【0086】次に、図7(b)に示すように、このカラ
ーフィルタ2の形成された透光性基板1上に、同上と同
じ形態の黒色の感光性着色転写フィルムを使用し、カバ
ーフィルムを取り除いた後、図示しないラミネータによ
り加圧加熱して転写する(P42)。こうして、透光性
基板1上に黒色フィルム層25が形成されると、この黒
色フィルム層25における仮支持体を仮支持体と熱可塑
性樹脂層との界面で剥離して、仮支持体を除去する(P
43)。
【0087】次に、図7(c)に示すように、透光性基
板1上に形成されたカラーフィルタ2のパターンをフォ
トマスクとし、かつ、液晶パネルの端子領域32(図9
参照)や多数枚取り透光性基板1の周縁部に光が照射さ
れないようにマスクするためのフォトマスク22を介し
て、透光性基板1の背面側より図示しない超高圧水銀灯
を用いて、30mj/cm2 で背面露光する(P4
4)。これにより、各色カラーフィルタ2間にある黒色
フィルム層25が透光性基板1側から光硬化される。こ
のとき、カラーフィルタ2上の黒色フィルム層25は、
未硬化状態となり、一方、カラーフィルタ2間にある黒
色フィルム層25の表面領域は、未硬化状態または半硬
化状態となる。
【0088】その後、図7(d)に示すように、熱可塑
性樹脂層と中間層とを上に積層した黒色フィルム層25
の着色層を、カラーフィルタ2の形成領域や液晶パネル
の端子領域や多数枚取り透光性基板1の周縁部に光が照
射されないようなクロム膜パターン23aが形成された
フォトマスク23を介して、図示しない超高圧水銀灯を
用い、200mj/cm2 で正面露光し、シール領域部
を含むカラーフィルタ2形成領域周縁部に存在する黒色
フィルム層25を光硬化させる(P45)。この場合、
各カラーフィルタ2間に存在する黒色フィルム層25は
光照射させない。その後、上記黒色フィルム層25の表
面側に設けられている熱可塑性樹脂層と中間層を1%ト
リエタノールアミン水溶液で除去する(P46)。
【0089】次いで、図7(e)に示すように、1%炭
酸ナトリウム水溶液で黒色フィルム層25の残る黒色着
色層を現像する(P47)。これにより、カラーフィル
タ2上の未硬化状態の黒色着色層と、カラーフィルタ2
の隣接領域で黒色着色層の表面領域にある少なくとも未
硬化状態のものが除去される。その後、水洗、乾燥した
後(P48)、さらに、1000mj/cm2 両面から
の光照射と220℃1時間の焼成であるポストベークを
行なう(P49)。これにより、図7(f)に示すよう
に、感光性黒色転写フィルムを材料とした、膜厚約1.
8μm、正面露光領域が平滑な表面3aを有する遮光層
3が形成された。
【0090】図9に、こうして形成された遮光膜3にお
けるトップコート膜(又は保護膜)4と接する表面3a
の状態を示す。これにおいては、露光により充分硬化さ
れて、重合度合或いは架橋度合の高い部分をクロスハッ
チングにて示し、露光による硬化が不十分で、重合度合
或いは架橋度合の低い部分をハッチングにて示してい
る。図からも分かるように、本実施例のコモン基板の場
合、その遮光膜3の表面3aは、カラーフィルタ2とカ
ラーフィルタ2との間を除いた、シール領域部Aを含む
周縁部が全て重合度合或いは架橋度合の高い平滑な面と
なっている。
【0091】そして、前記実施例1に示した図3の工程
図におけるP2・P3に、この図8に示すカラーフィル
タ2及び遮光膜3の形成工程を採り入れて液晶表示素子
を構成した結果、シール剥がれは生じなくすることがで
きた(尚、上記ドライラミネーション技術の詳細は、前
述の公報・・を参照のこと)。
【0092】〔比較例3〕ここで、上記の実施例3の比
較例を示す。
【0093】まず、コモン基板となる透光性基板上に、
実施例3と同様にして、感光性着色転写フィルムを転写
法により、モザイク状に各色約1.8μmの赤、緑、青
色のカラーフィルタを形成する。このカラーフィルタの
形成された透光性基板上に、実施例3と同様にして、感
光性黒色フィルムを使用して転写形成し、仮支持体を除
去して、熱可塑性樹脂層、中間層、黒色着色層を透光性
基板上に積層形成する。その後、透光性基板の背面よ
り、超高圧水銀灯を用い30mj/cm2 光照射する。
この操作により、各色カラーフィルタ間にある感光性黒
色フィルムを透光性基板側から光硬化させる。この状態
では、カラーフィルタ上の感光性黒色フィルムは、未硬
化状態である。また、カラーフィルタ間にある黒色着色
層の表面領域は、未硬化状態または半硬化状態である。
現像以降、実施例3と同様に製造する。
【0094】図15に、上記コンモ基板の平面図を示
す。図においては、遮光膜61のトップコート膜(又は
保護膜)と接する表面61aの露光による硬化が不十分
で、重合度合或いは架橋度合の低い部分をハッチングに
て示しており、この図から明白なように、本比較例のコ
モン基板の場合、シール領域Bを含めて、現像により残
った着色層である遮光膜61の表面61a全体が重合あ
るいは架橋の度合いが低く、荒れていた。しかも、その
膜厚は、約1.2μmであり、カラーフィルタ52の
1.5μmに比べて薄くなり、カラーフィルタ52との
間に膜厚段差を有すると共に、遮光性も劣っていた。
【0095】そして、上記の実施例1にならい、位相差
板方式STN型カラー液晶表示素子を製造してみると、
この液晶表示素子は、遮光膜61とトップコート膜(又
は保護膜)との間にシール剥がれが発生し、信頼性に劣
っていた。
【0096】〔実施例4〕本発明の他の実施例を、図
2、図3及び図10に基づいて説明すれば、以下の通り
である。尚、説明の便宜上、前記の実施例1・2・3に
て示した部材と同一の機能を有する部材には、同一の符
号を付記し、その説明を省略する。
【0097】本実施例においても前記の実施例3と同様
に、本発明の機能膜付き基板の製造方法を、位相差板付
きSTN型カラー液晶表示素子の製造工程において、透
光性基板上にカラーフィルタ(第1機能膜)と遮光膜
(第2機能膜)との複合機能膜を設ける工程に採用した
場合を例示する。
【0098】本実施例の機能膜付き基板の製造方法で作
製された機能膜付き基板を有する液晶表示素子のシール
領域の概略断面も、前述の図2と同様の構成を有してい
る。そして、本実施例の場合、上記遮光膜3におけるト
ップコート膜4側の表面3aは、前記の実施例2と同様
にポストベーク後に研磨し、かつアルカリ処理を施すこ
とで、実施例3の場合よりもさらに、平滑な表面となっ
ている。
【0099】つまり、本実施例では、図10に示すよう
に、P41〜P29まで前記実施例3と同様の工程を実
施し、ポストベークを行なった後に、酸化セリウム粒子
水溶液をウレタンパッドでポリッシングし(P50)、
その表面を5%濃度の水酸化ナトリウム槽で温浴処理し
てアルカリ処理を施す(P51)。
【0100】これにより、前記の実施例2の場合と同様
に、エポキシ系樹脂であるトップコート(又は保護膜)
4と、遮光膜3との付着力がさらに向上され、密着性が
増した。
【0101】そして、前記実施例1に示した図3の工程
図におけるP2・P3に、この図10に示すカラーフィ
ルタ2及び遮光膜3の形成工程を採り入れて液晶表示素
子を構成した結果、さらにシール剥がれは生じなくする
ことができた。
【0102】〔比較例4〕ここで、上記の実施例4の比
較例を示す。
【0103】上記の実施例4と同じ研磨工程とアルカリ
処理工程を、前記の比較例3における遮光膜の形成工程
に採り入れ、位相差板付きSTN型カラー液晶表示素子
を形成した。この液晶表示素子は、確かに比較例3と比
べては、シール剥がれが生じ難くなったが、やはり、シ
ール剥がれが発生する場合があった。
【0104】最後に、上記実施例及びそれぞれの比較例
における、シール強度を比較した結果を表1に示す。
【0105】
【表1】
【0106】
【発明の効果】以上のように、本発明の請求項1記載の
機能膜付き基板の製造方法は、相異なる機能を有する少
なくとも2種類の機能膜の各パターンが同一面内に連続
して形成されてなる複合機能膜を有する機能膜付き基板
の製造方法において、特定の波長の光を吸収又は遮光す
る第1機能膜のパターンを透光性基板上に形成した後、
この第1機能膜のパターンを覆うように、第2機能膜の
材料である上記特定の波長の光に感光して硬化する感光
性樹脂組成物を含む感光性樹脂材料を配置し、この感光
性樹脂材料を背面側から露光する一方、少なくとも第1
機能膜のパターン位置を除いた領域を正面側から露光
し、その後現像することで上記複合機能膜を形成するも
のである。
【0107】本発明の請求項2記載の機能膜付き基板の
製造方法は、上記請求項1記載の機能膜付き基板の製造
方法において、第2機能膜のパターンを形成すべく、感
光性樹脂材料を透光性基板上に配置する際、その膜厚が
第1機能膜の膜厚とほぼ等しくなるように配置するもの
である。
【0108】これにより、背面露光により複雑なフォト
リゾグラフィ等の工程を用いずとも、第1機能膜との間
に隙間を形成することなく高精度な第2機能膜を形成で
きると共に、正面露光により、第1機能膜のパターン位
置を除いた領域の感光性樹脂材料を充分に硬化させるこ
とができる。
【0109】その結果、未硬化の感光性樹脂材料を現像
して除去した際に露出される第2機能膜の膜表面は、従
来の背面露光のみの場合ように、光重合開始剤や反応性
モノマーなどの低分子が流出し、バインダー等の高分子
が残留するといったことにはならず、重合度合或いは架
橋度合の高い、平滑な面とすることができ、重合度合或
いは架橋度合の高い平滑な面を有する複合機能膜が得ら
れるという効果を奏する。
【0110】そして、例えばこの機能膜付き基板を用い
て透光性基板上に第1機能膜としてのカラーフィルタと
第2機能膜としての遮光膜とからなる複合機能膜を形成
して作製される液晶表示素子では、第2機能膜としての
遮光膜と、この上に設けられるトップコート膜や保護膜
との密着性が向上するので、一対の基板を基板周縁部で
貼り合わせるシール剤が、トップコート膜や保護膜と遮
光膜との境界面で剥がれるようなことがなく、これによ
って耐衝撃性や耐高温高湿性が向上し、信頼性を向上で
きるという効果を奏する。
【0111】また、本発明のように正面露光を組み入れ
ることで、表面側が硬化され現像により除去されないの
で、細かな調整を必要とすることなく、感光性樹脂材料
層の配置時に膜厚を調整するだけで、簡単に第2機能膜
の膜厚を所望の厚みに設定することができると共に、例
えば請求項2記載の製造方法のように、その膜厚が第1
機能膜の膜厚とほぼ等しくなるように感光性樹脂材料を
配置することで、充分な厚みを有し、かつ、第1機能膜
の膜表面と第2機能膜の膜表面との間に膜厚段差の少な
い平坦な複合機能膜を形成できるという効果を奏する。
【0112】その結果、例えばこの機能膜付き基板を用
いて透光性基板上に第1機能膜としてのカラーフィルタ
と第2機能膜としての遮光膜とからなる複合機能膜を形
成して作製される液晶表示素子では、遮光膜の遮光性が
向上し、かつ、カラーフィルタと遮光膜との間の段差が
ほぼなくなるので、トップコート膜や保護膜を介した場
合でも良好な表示を実現でき、表示品位が向上し、ま
た、遮光膜を形成する工程に、細かな条件調整等を必要
とすることなく、工程を簡単化できるなどの効果を奏す
る。
【0113】本発明の請求項3記載の機能膜付き基板の
製造方法は、上記請求項1記載の機能膜付き基板の製造
方法において、正面側からの露光を、透光性基板と離れ
て配され、かつ、第1機能膜のパターン幅と同等以上の
パターン幅を有する遮光部が形成されているフォトマス
クを介して行うものである。
【0114】これにより、上記請求項1の方法による効
果に加え、たとえフォトマスクが、第1機能膜のパター
ンに対して大きくずれたとしても、第1機能膜の上に配
置された感光性樹脂材料が光重合されて両面が僅かに重
なる部分が発生するようなことはなく、第1機能膜の上
に第2機能膜が重ねて形成されるようなことはなく平坦
な複合機能膜を形成できるという効果を奏する。
【0115】その結果、例えばこの機能膜付き基板を用
いて透光性基板上に第1機能膜としてのカラーフィルタ
と第2機能膜としての遮光膜とからなる複合機能膜を形
成して作製される液晶表示素子では、平坦な複合機能膜
が得られることから、セルギャップの不良による色むら
や表示むらが無くなり、表示品位をさらに向上できると
いう効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の機能膜付き基板の製造工程
を示すものであり、同図(a)〜(f)は、液晶表示素
子のコモン基板となる透光性基板上に、カラーフィルタ
と遮光膜とからなる複合機能膜を形成する工程を示す断
面模式図である。
【図2】本発明の全ての実施例における、液晶表示素子
のシール領域の要部断面模式図である。
【図3】本発明の全ての実施例における、液晶表示素子
の概略の製造工程図である。
【図4】図1に示す各断面模式図に応じた、液晶表示素
子のコモン基板となる透光性基板上に、カラーフィルタ
と遮光膜とからなる複合機能膜を形成する工程図であ
る。
【図5】上記図1、図4に示す工程により製造された液
晶表示素子のコモン基板の平面図であり、遮光膜につい
ては、表面の重合度合或いは架橋度合が高い場合はクロ
スハッチングにて示し、表面の重合度合或いは架橋度合
が低い場合はハッチングにて示している。
【図6】本発明の他の機能膜付き基板の製造方法を示す
もので、液晶表示素子のコモン基板となる透光性基板上
に、カラーフィルタと遮光膜とからなる複合機能膜を形
成する工程図である。
【図7】本発明の他の実施例の機能膜付き基板の製造工
程を示すものであり、同図(a)〜(f)は、液晶表示
素子のコモン基板となる透光性基板上に、カラーフィル
タと遮光膜とからなる複合機能膜を形成する工程を示す
断面模式図である。
【図8】上記図7に示す各断面模式図に応じた、液晶表
示素子のコモン基板となる透光性基板上に、カラーフィ
ルタと遮光膜とからなる複合機能膜を形成する工程図で
ある。
【図9】上記図7、図8に示す工程により製造された液
晶表示素子のコモン基板の平面図であり、遮光膜につい
ては、表面の重合度合或いは架橋度合が高い場合はクロ
スハッチングにて示し、表面の重合度合或いは架橋度合
が低い場合はハッチングにて示している。
【図10】本発明の他の機能膜付き基板の製造方法を示
すもので、液晶表示素子のコモン基板となる透光性基板
上に、カラーフィルタと遮光膜とからなる複合機能膜を
形成する工程図である。
【図11】従来の製造工程を経てカラーフィルタと遮光
膜とからなる複合機能膜が形成されたコモン基板を有す
る液晶表示素子のシール領域の要部断面模式図である。
【図12】液晶表示素子のコモン基板となる透光性基板
上に、カラーフィルタと遮光膜とからなる複合機能膜を
形成する従来の工程図である。
【図13】同図(a)〜(e)は、液晶表示素子のコモ
ン基板となる透光性基板上に、カラーフィルタと遮光膜
とからなる複合機能膜を形成する従来の工程を示す断面
模式図である。
【図14】比較例1の工程により製造された液晶表示素
子のコモン基板の平面図であり、遮光膜については、表
面の重合度合或いは架橋度合が低い部分をハッチングに
て示している。
【図15】比較例3の工程により製造された液晶表示素
子のコモン基板の平面図であり、遮光膜については、表
面の重合度合或いは架橋度合が低い部分をハッチングに
て示している。
【符号の説明】 1 透光性基板 2 カラーフィルタ(第1機能膜) 3 遮光膜(第2機能膜) 4 トップコート膜 5 ITOパターン電極 6 配向膜 7 シール剤 8 液晶材料 9 絶縁層 11 黒色インク層(感光性樹脂材料) 20 フォトマスク 20a 遮光部パターン 25 黒色フィルム層(感光性樹脂材料)

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】相異なる機能を有する少なくとも2種類の
    機能膜の各パターンが同一面内に連続して形成されてな
    る複合機能膜を有する機能膜付き基板の製造方法におい
    て、 特定の波長の光を吸収又は遮光する第1機能膜のパター
    ンを透光性基板上に形成した後、この第1機能膜のパタ
    ーンを覆うように、第2機能膜の材料である上記特定の
    波長の光に感光して硬化する感光性樹脂組成物を含む感
    光性樹脂材料を配置し、この感光性樹脂材料を背面側か
    ら露光する一方、少なくとも第1機能膜のパターン位置
    を除いた領域を正面側から露光し、その後現像すること
    で上記複合機能膜を形成することを特徴とする機能膜付
    き基板の製造方法。
  2. 【請求項2】第2機能膜のパターンを形成すべく、感光
    性樹脂材料を第1機能膜が形成されている透光性基板上
    に配置する際、その膜厚が第1機能膜の膜厚とほぼ等し
    くなるように配置することを特徴とする請求項1記載の
    機能膜付き基板の製造方法。
  3. 【請求項3】正面側からの露光を、透光性基板と離れて
    配され、かつ、第1機能膜のパターン幅と同等以上のパ
    ターン幅を有する遮光部が形成されているフォトマスク
    を介して行うことを特徴とする請求項1記載の機能膜付
    き基板の製造方法。
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