JP2933772B2 - ２シリンダ形ロータリ圧縮機 - Google Patents
２シリンダ形ロータリ圧縮機Info
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Description
【０００１】
【産業上の利用分野】本発明は、２シリンダ形ロータリ
圧縮機に係り、例えば冷蔵庫や空気調和機用の冷凍サイ
クルに使用され、特に、低騒音で、信頼性の高い２シリ
ンダ形ロータリ圧縮機に関するものである。
圧縮機に係り、例えば冷蔵庫や空気調和機用の冷凍サイ
クルに使用され、特に、低騒音で、信頼性の高い２シリ
ンダ形ロータリ圧縮機に関するものである。
【０００２】
【従来の技術】一般的な２シリンダ形ロータリ圧縮機
は、例えば特開平２−２３０９９４号公報記載の多気筒
回転圧縮機の中で示されるものが知られている。この従
来の２シリンダ形ロータリ圧縮機について図６を参照し
て説明する。図６は、従来の２シリンダ形ロータリ圧縮
機の縦断面図である。図６に示す２シリンダ形ロータリ
圧縮機は、密閉容器１内に電動機部と圧縮機構部とが収
納されている。電動機部は、密閉容器１内に焼嵌め等で
固定されたステータ２と、クランク軸３Ａに固定された
ロータ４とで構成されている。圧縮機構部は、密閉容器
１内に溶接等で固定された第１シリンダ６Ａを主体にし
て２組の圧縮要素（以下ポンプ部という）が設置されて
いる。
は、例えば特開平２−２３０９９４号公報記載の多気筒
回転圧縮機の中で示されるものが知られている。この従
来の２シリンダ形ロータリ圧縮機について図６を参照し
て説明する。図６は、従来の２シリンダ形ロータリ圧縮
機の縦断面図である。図６に示す２シリンダ形ロータリ
圧縮機は、密閉容器１内に電動機部と圧縮機構部とが収
納されている。電動機部は、密閉容器１内に焼嵌め等で
固定されたステータ２と、クランク軸３Ａに固定された
ロータ４とで構成されている。圧縮機構部は、密閉容器
１内に溶接等で固定された第１シリンダ６Ａを主体にし
て２組の圧縮要素（以下ポンプ部という）が設置されて
いる。
【０００３】そのうち、第１のポンプ部は、クランク軸
３Ａを支持する主軸受５Ａ、第１シリンダ６Ａ、仕切板
７Ａ、クランク軸３Ａの偏心部３ａに嵌入されたローラ
１０ａ、ローラ１０ａの回転に追従して往復動するベー
ン（図示せず）からなっている。また、第２ポンプ部
は、前記仕切板７Ａ、第２シリンダ８Ａ、クランク軸３
Ａを支持する副軸受９Ａ、クランク軸３Ａの偏心部３ｂ
に嵌入されたローラ１０ｂ、ローラ１０ｂの回転に追従
して往復動するベーン（図示せず）からなっている。
３Ａを支持する主軸受５Ａ、第１シリンダ６Ａ、仕切板
７Ａ、クランク軸３Ａの偏心部３ａに嵌入されたローラ
１０ａ、ローラ１０ａの回転に追従して往復動するベー
ン（図示せず）からなっている。また、第２ポンプ部
は、前記仕切板７Ａ、第２シリンダ８Ａ、クランク軸３
Ａを支持する副軸受９Ａ、クランク軸３Ａの偏心部３ｂ
に嵌入されたローラ１０ｂ、ローラ１０ｂの回転に追従
して往復動するベーン（図示せず）からなっている。
【０００４】第１シリンダ６Ａ内の圧縮されたガスは、
第１吐出カバー１２ａによって形成された第１吐出サイ
レンサ１３ａに放出されたのち密閉容器１内に放出され
る。また、第２シリンダ８Ａ内の圧縮されたガスは、第
１シリンダ６Ａ内のガスと同様、第２吐出カバー１２ｂ
により形成された第２吐出サイレンサ１３ｂを介して密
閉容器１内に放出される。前記の第１吐出カバー１２
ａ、主軸受５Ａ、第１シリンダ６Ａ、仕切板７Ａ、第２
シリンダ８Ａ、副軸受９Ａ、第２吐出カバー１２ｂの各
要素は、取付けボルト（図示せず）によって固定されて
いる。
第１吐出カバー１２ａによって形成された第１吐出サイ
レンサ１３ａに放出されたのち密閉容器１内に放出され
る。また、第２シリンダ８Ａ内の圧縮されたガスは、第
１シリンダ６Ａ内のガスと同様、第２吐出カバー１２ｂ
により形成された第２吐出サイレンサ１３ｂを介して密
閉容器１内に放出される。前記の第１吐出カバー１２
ａ、主軸受５Ａ、第１シリンダ６Ａ、仕切板７Ａ、第２
シリンダ８Ａ、副軸受９Ａ、第２吐出カバー１２ｂの各
要素は、取付けボルト（図示せず）によって固定されて
いる。
【０００５】このように構成された２シリンダ形ロータ
リ圧縮機においては、第１シリンダ６Ａおよび第２シリ
ンダ８Ａから放出される吐出ガス音が、それぞれ第１吐
出サイレンサ１３ａおよび第２吐出サイレンサ１３ｂに
より減音され、圧縮機の低騒音化が図られていた。
リ圧縮機においては、第１シリンダ６Ａおよび第２シリ
ンダ８Ａから放出される吐出ガス音が、それぞれ第１吐
出サイレンサ１３ａおよび第２吐出サイレンサ１３ｂに
より減音され、圧縮機の低騒音化が図られていた。
【０００６】
【発明が解決しようとする課題】上記従来技術の２シリ
ンダ形ロータリ圧縮機では、第１吐出サイレンサ１３ａ
を形成する第１吐出カバー１２ａを設けていたので、そ
の第１吐出カバー１２ａと電動機部のステータ２の巻線
部分とが接触して短絡することのないようにするために
は、ロータ４をポンプ部から離してクランク軸３Ａの先
端側に固着させ、ステータ２を遠ざける必要があった。
そのため、軸系の固有振動数が低くなり、さらに、クラ
ンク軸３Ａの先端部の振れ回り量が増大して、軸振動に
よる騒音増大と軸受部における信頼性の低下を招いてい
た。
ンダ形ロータリ圧縮機では、第１吐出サイレンサ１３ａ
を形成する第１吐出カバー１２ａを設けていたので、そ
の第１吐出カバー１２ａと電動機部のステータ２の巻線
部分とが接触して短絡することのないようにするために
は、ロータ４をポンプ部から離してクランク軸３Ａの先
端側に固着させ、ステータ２を遠ざける必要があった。
そのため、軸系の固有振動数が低くなり、さらに、クラ
ンク軸３Ａの先端部の振れ回り量が増大して、軸振動に
よる騒音増大と軸受部における信頼性の低下を招いてい
た。
【０００７】本発明は、上記従来技術の問題点を解決す
るためになされたもので、運転時の軸振動による騒音を
低減するとともに、クランク軸先端の振れ回りを低減し
信頼性の高い２シリンダ形ロータリ圧縮機を提供するこ
とを、その目的とするものである。
るためになされたもので、運転時の軸振動による騒音を
低減するとともに、クランク軸先端の振れ回りを低減し
信頼性の高い２シリンダ形ロータリ圧縮機を提供するこ
とを、その目的とするものである。
【０００８】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明に係る２シリンダ形ロータリ圧縮機の構成
は、密閉容器内に、電動機部と、２個の圧縮要素からな
る圧縮機構部とを備え、前記電動機の回転力をクランク
軸によって圧縮機構部に伝達し、２個の圧縮要素で交互
に冷媒ガスを圧縮するものであって、前記圧縮機構部
は、前記電動機側から、主軸受、第１シリンダ、仕切
板、第２シリンダ、副軸受の各要素を重ね合わせて構成
した２シリンダ形ロータリ圧縮機において、前記主軸受
の電動機側に密着させた平板と、前記主軸受の電動機側
に設けられ、第１シリンダ内で圧縮されたガスの吐出部
に連通し前記平板によって覆われた主軸受側ガス通路
と、前記副軸受の反電動機側に設けられ、第２シリンダ
内で圧縮されたガスの吐出部に連通するサイレンサと、
前記主軸受側ガス通路と前記副軸受側のサイレンサとを
結ぶ連通路とを備え、前記副軸受側のサイレンサが、２
個の圧縮要素に対して共用のサイレンサを構成したもの
である。
に、本発明に係る２シリンダ形ロータリ圧縮機の構成
は、密閉容器内に、電動機部と、２個の圧縮要素からな
る圧縮機構部とを備え、前記電動機の回転力をクランク
軸によって圧縮機構部に伝達し、２個の圧縮要素で交互
に冷媒ガスを圧縮するものであって、前記圧縮機構部
は、前記電動機側から、主軸受、第１シリンダ、仕切
板、第２シリンダ、副軸受の各要素を重ね合わせて構成
した２シリンダ形ロータリ圧縮機において、前記主軸受
の電動機側に密着させた平板と、前記主軸受の電動機側
に設けられ、第１シリンダ内で圧縮されたガスの吐出部
に連通し前記平板によって覆われた主軸受側ガス通路
と、前記副軸受の反電動機側に設けられ、第２シリンダ
内で圧縮されたガスの吐出部に連通するサイレンサと、
前記主軸受側ガス通路と前記副軸受側のサイレンサとを
結ぶ連通路とを備え、前記副軸受側のサイレンサが、２
個の圧縮要素に対して共用のサイレンサを構成したもの
である。
【０００９】より詳しくは、主軸受側のガス通路は、吐
出部の弁まわり領域と、副軸受側のサイレンサに通じる
連通路とを結ぶ限られた範囲の円弧状の溝とを含むもの
である。すなわち、主軸受の電動機側に設けられた弁部
と通じる円弧状の溝は、クランク軸まわり３６０度の間
つながったガス通路としないように設定されている。
出部の弁まわり領域と、副軸受側のサイレンサに通じる
連通路とを結ぶ限られた範囲の円弧状の溝とを含むもの
である。すなわち、主軸受の電動機側に設けられた弁部
と通じる円弧状の溝は、クランク軸まわり３６０度の間
つながったガス通路としないように設定されている。
【００１０】
【作用】本発明では、主軸受に電動機側から平板を密着
させる手段により、主軸受内に第１シリンダ内で圧縮し
たガスを副軸受側に設けたサイレンサまで導くガス通路
の一部を形成しているので、電動機部は、主軸受に密着
させる平板の板厚寸法分をポンプ部から遠ざけるだけで
十分であり、電動機のロータをポンプ部の近傍に設置す
ることが可能になり、軸系の固有振動数を高くすること
ができ、軸振動による騒音を低減することができる。ま
た、クランク軸先端の振れ回りが低減されるので、軸受
部での片当りを防止でき、軸受部における信頼性を向上
できる。
させる手段により、主軸受内に第１シリンダ内で圧縮し
たガスを副軸受側に設けたサイレンサまで導くガス通路
の一部を形成しているので、電動機部は、主軸受に密着
させる平板の板厚寸法分をポンプ部から遠ざけるだけで
十分であり、電動機のロータをポンプ部の近傍に設置す
ることが可能になり、軸系の固有振動数を高くすること
ができ、軸振動による騒音を低減することができる。ま
た、クランク軸先端の振れ回りが低減されるので、軸受
部での片当りを防止でき、軸受部における信頼性を向上
できる。
【００１１】また、主軸受の電動機側に形成されて冷媒
ガスの通路となる円弧状の溝が、クランク軸まわり３６
０度の間つながっていない構造とすることにより、前記
溝内での共鳴音の発生を防止できる。これは、前記円弧
状の溝がクランク軸まわり全周で連通しているときは、
溝の円周長さの波長に相当する共鳴周波数が、吐出ガス
音の主成分である１ｋＨｚ近傍の周波数と一致して、該
周波数の消音効果が無くなるという現象があり、本発明
の構成により、こうした現象を防止できる。
ガスの通路となる円弧状の溝が、クランク軸まわり３６
０度の間つながっていない構造とすることにより、前記
溝内での共鳴音の発生を防止できる。これは、前記円弧
状の溝がクランク軸まわり全周で連通しているときは、
溝の円周長さの波長に相当する共鳴周波数が、吐出ガス
音の主成分である１ｋＨｚ近傍の周波数と一致して、該
周波数の消音効果が無くなるという現象があり、本発明
の構成により、こうした現象を防止できる。
【００１２】
【実施例】次に、本発明の一実施例を図１ないし図４を
参照して説明する。図１は、本発明の一実施例に係る２
シリンダ形ロータリ圧縮機の縦断面図、図２は、図１の
Ａ−Ａ矢視断面図、図３は、図１のＢ−Ｂ矢視断面図、
図４は、図１の圧縮機構部の主要部品を分解して示した
斜視図である。まず、図１により、本実施例における２
シリンダ形ロータリ圧縮機の構成を示す。図中、先の図
６と同一符号のものは、従来技術と同等部品を示してい
る。
参照して説明する。図１は、本発明の一実施例に係る２
シリンダ形ロータリ圧縮機の縦断面図、図２は、図１の
Ａ−Ａ矢視断面図、図３は、図１のＢ−Ｂ矢視断面図、
図４は、図１の圧縮機構部の主要部品を分解して示した
斜視図である。まず、図１により、本実施例における２
シリンダ形ロータリ圧縮機の構成を示す。図中、先の図
６と同一符号のものは、従来技術と同等部品を示してい
る。
【００１３】図１に示す２シリンダ形ロータリ圧縮機
は、密閉容器１内に、電動機部と、この電動機にクラン
ク軸３で直結された２個のポンプ部からなる圧縮機構部
とが収納されている。電動機部は、密閉容器１に焼嵌め
などで固定されたステータ２と、クランク軸３を嵌着し
たロータ４とで構成されている。圧縮機構部は、２シリ
ンダの圧縮要素（以下ポンプ部という）を有しており、
第１のポンプ部は、クランク軸３を支持する主軸受５、
第１シリンダ６、仕切板７によって構成され、第２のポ
ンプ部は、前記仕切板７、第２シリンダ８、クランク軸
を支持する副軸受９によって構成されている。そして、
前記主軸受５は、溶接等で密閉容器１に固着されてい
る。
は、密閉容器１内に、電動機部と、この電動機にクラン
ク軸３で直結された２個のポンプ部からなる圧縮機構部
とが収納されている。電動機部は、密閉容器１に焼嵌め
などで固定されたステータ２と、クランク軸３を嵌着し
たロータ４とで構成されている。圧縮機構部は、２シリ
ンダの圧縮要素（以下ポンプ部という）を有しており、
第１のポンプ部は、クランク軸３を支持する主軸受５、
第１シリンダ６、仕切板７によって構成され、第２のポ
ンプ部は、前記仕切板７、第２シリンダ８、クランク軸
を支持する副軸受９によって構成されている。そして、
前記主軸受５は、溶接等で密閉容器１に固着されてい
る。
【００１４】クランク軸３は、互いに１８０°位相を異
にする２個の偏心部３ａ，３ｂを有し、これらの偏心部
３ａ，３ｂに嵌入された２個のローリングピストンに係
るローラ１０ａ，１０ｂが、クランク軸３の回転にとも
なってそれぞれ第１シリンダ６，第２シリンダ８内を偏
心回動するようになっている。これらローラ１０ａ，１
０ｂの回転に追従してベーン１１ａ，１１ｂが各シリン
ダ６，８内を往復し、冷媒ガスを交互に圧縮する構成に
なっている。
にする２個の偏心部３ａ，３ｂを有し、これらの偏心部
３ａ，３ｂに嵌入された２個のローリングピストンに係
るローラ１０ａ，１０ｂが、クランク軸３の回転にとも
なってそれぞれ第１シリンダ６，第２シリンダ８内を偏
心回動するようになっている。これらローラ１０ａ，１
０ｂの回転に追従してベーン１１ａ，１１ｂが各シリン
ダ６，８内を往復し、冷媒ガスを交互に圧縮する構成に
なっている。
【００１５】本実施例の構成における特徴部を説明す
る。図において、５ｄは、主軸受５の電動機側に設けら
れた、第１シリンダ６内で圧縮されたガスの吐出口、５
ｅは、吐出口５ｄの弁まわり領域に係る吐出路、９ｄ
は、副軸受９の反電動機側に設けられた、第２シリンダ
８内で圧縮されたガスの吐出口、１４は、吐出口５ｄ部
を開閉する吐出弁のバルブ押え、１５は、吐出路５ｅと
通じる円弧状の溝、１６は、主軸受５の電動機側に密着
させる平板、１７は、前記主軸受側の溝１５と副軸受９
側のサイレンサ２０とを結ぶ第一の連通路、１８は、サ
イレンサ２０と電動機側密閉容器内空間とを結ぶ第二の
連通路、１９は、副軸受９のカバー、２０は、副軸受９
の反電動機側に設けられたサイレンサ、２１は、吐出口
９ｄ部を開閉する吐出弁のバルブ押えである。平板１６
は、主軸受５の電動機側に密着させることによって、主
軸受５側の吐出路５ｅおよび溝１５を覆ってガス通路を
形成する。
る。図において、５ｄは、主軸受５の電動機側に設けら
れた、第１シリンダ６内で圧縮されたガスの吐出口、５
ｅは、吐出口５ｄの弁まわり領域に係る吐出路、９ｄ
は、副軸受９の反電動機側に設けられた、第２シリンダ
８内で圧縮されたガスの吐出口、１４は、吐出口５ｄ部
を開閉する吐出弁のバルブ押え、１５は、吐出路５ｅと
通じる円弧状の溝、１６は、主軸受５の電動機側に密着
させる平板、１７は、前記主軸受側の溝１５と副軸受９
側のサイレンサ２０とを結ぶ第一の連通路、１８は、サ
イレンサ２０と電動機側密閉容器内空間とを結ぶ第二の
連通路、１９は、副軸受９のカバー、２０は、副軸受９
の反電動機側に設けられたサイレンサ、２１は、吐出口
９ｄ部を開閉する吐出弁のバルブ押えである。平板１６
は、主軸受５の電動機側に密着させることによって、主
軸受５側の吐出路５ｅおよび溝１５を覆ってガス通路を
形成する。
【００１６】上記のポンプ部のうち、第１のポンプ部で
圧縮された冷媒ガスは、主軸受５と平板１６が密着され
て形成されたガス通路内に吐出口５ｄを通過して放出さ
れる。この冷媒ガスは、図１中に矢印で示すように主軸
受側から副軸受側まで第一の連通路１７（図中の破線部
分）を通って、副軸受９とカバー１９で形成される共用
のサイレンサ２０内に導かれ、消音されたのち、第二の
連通路１８を通って電動機側に吐出される。また、第２
のポンプ部で圧縮された冷媒ガスは、副軸受９の吐出口
９ｄから共用のサイレンサ２０に放出され、消音された
のち、第二の連通路１８を通過して密閉容器１内に放出
される。
圧縮された冷媒ガスは、主軸受５と平板１６が密着され
て形成されたガス通路内に吐出口５ｄを通過して放出さ
れる。この冷媒ガスは、図１中に矢印で示すように主軸
受側から副軸受側まで第一の連通路１７（図中の破線部
分）を通って、副軸受９とカバー１９で形成される共用
のサイレンサ２０内に導かれ、消音されたのち、第二の
連通路１８を通って電動機側に吐出される。また、第２
のポンプ部で圧縮された冷媒ガスは、副軸受９の吐出口
９ｄから共用のサイレンサ２０に放出され、消音された
のち、第二の連通路１８を通過して密閉容器１内に放出
される。
【００１７】上記のサイレンサ構造を図２ないし図３を
用いてより詳細に説明する。図２は、図１のＡ−Ａ矢視
断面図であり、図２によって主軸受側の冷媒ガス通路を
説明する。溝１５は、円弧状の形状をしており、主軸受
５の電動機側に設けてある。１４は、吐出バルブ（図示
せず）のバルブ押えであり、破線で示す吐出口５ｄから
第１のポンプ部で圧縮された冷媒ガスが吐出され、前記
吐出路５ｅ，溝１５内を流れたのち、第一の連通路１７
から副軸受側のサイレンサ２０に向かう。ここで上記第
一の連通路１７の構成について図４を参照して説明す
る。
用いてより詳細に説明する。図２は、図１のＡ−Ａ矢視
断面図であり、図２によって主軸受側の冷媒ガス通路を
説明する。溝１５は、円弧状の形状をしており、主軸受
５の電動機側に設けてある。１４は、吐出バルブ（図示
せず）のバルブ押えであり、破線で示す吐出口５ｄから
第１のポンプ部で圧縮された冷媒ガスが吐出され、前記
吐出路５ｅ，溝１５内を流れたのち、第一の連通路１７
から副軸受側のサイレンサ２０に向かう。ここで上記第
一の連通路１７の構成について図４を参照して説明す
る。
【００１８】図４は、図１の圧縮機構部の主要部品の斜
視図である。図中、図１と同一符号のものは、同一部品
を示すものであり、その説明を省略する。圧縮機構部
は、主軸受５、第１シリンダ６、仕切板７、第２シリン
ダ８、副軸受９が重ね合わされて構成されるので、それ
ぞれの部品に設けられた貫通穴５ａ，６ａ，７ａ，８
ａ，９ａが連通し、第一の連通路１７が形成される。図
１において、副軸受９とカバー１９の密着によって共用
のサイレンサ２０が形成されるが、その共用サイレンサ
を図３を用いて説明する。
視図である。図中、図１と同一符号のものは、同一部品
を示すものであり、その説明を省略する。圧縮機構部
は、主軸受５、第１シリンダ６、仕切板７、第２シリン
ダ８、副軸受９が重ね合わされて構成されるので、それ
ぞれの部品に設けられた貫通穴５ａ，６ａ，７ａ，８
ａ，９ａが連通し、第一の連通路１７が形成される。図
１において、副軸受９とカバー１９の密着によって共用
のサイレンサ２０が形成されるが、その共用サイレンサ
を図３を用いて説明する。
【００１９】図３は、図１のＢ−Ｂ矢視断面図である。
本実施例では、共用のサイレンサ２０は、３つの室２０
ａ，２０ｂ，２０ｃで構成されており、第１のポンプ部
で圧縮された冷媒ガスは、第一の連通路１７から室２０
ｃに至り、室２０ｂ，２０ａを通過し、拡張形と共鳴形
の消音効果によって第二の連通路１８から密閉容器１内
に放出される際には、消音されている。また、バルブ押
え２１およびバルブ（図示せず）の下に設置された第２
ポンプ部の吐出口９ｄから吐出される冷媒ガスも室２０
ｃ，２０ｂ，２０ａを通過して消音されたのち第二の連
通路１８から放出される。２シリンダ形ロータリ圧縮機
では、第１のポンプ部と第２のポンプ部で圧縮されるガ
スは、交互に吐出される構造なので、副軸受側のサイレ
ンサは半分の容積の１シリンダタイプの圧縮機に用いる
サイレンサと同程度の容積であっても、十分に共用する
ことができる。
本実施例では、共用のサイレンサ２０は、３つの室２０
ａ，２０ｂ，２０ｃで構成されており、第１のポンプ部
で圧縮された冷媒ガスは、第一の連通路１７から室２０
ｃに至り、室２０ｂ，２０ａを通過し、拡張形と共鳴形
の消音効果によって第二の連通路１８から密閉容器１内
に放出される際には、消音されている。また、バルブ押
え２１およびバルブ（図示せず）の下に設置された第２
ポンプ部の吐出口９ｄから吐出される冷媒ガスも室２０
ｃ，２０ｂ，２０ａを通過して消音されたのち第二の連
通路１８から放出される。２シリンダ形ロータリ圧縮機
では、第１のポンプ部と第２のポンプ部で圧縮されるガ
スは、交互に吐出される構造なので、副軸受側のサイレ
ンサは半分の容積の１シリンダタイプの圧縮機に用いる
サイレンサと同程度の容積であっても、十分に共用する
ことができる。
【００２０】本実施例によれば、主軸受５に設けてある
吐出路５ｅおよび溝１５が、平板１６で密着されている
ため主軸受側ガス通路が形成されるとともに、電動機部
のステータの位置を圧縮機構部に近付けることができ、
クランク軸３に固着されるロータ４の固着位置も圧縮機
構部に近付けることができる。そのため、軸系の固有振
動数が高くなり、軸振動による騒音が増大することがな
い。さらに、クランク軸の先端部の振れ回り量が減少し
て、軸受部における信頼性が高くなった。また、クラン
ク軸３に固着されるロータ４の固着位置をポンプ部に近
付けることにより、密閉容器１の全長が短くなり、密閉
容器１の剛性が高くなり、高周波帯域の騒音が低減す
る。
吐出路５ｅおよび溝１５が、平板１６で密着されている
ため主軸受側ガス通路が形成されるとともに、電動機部
のステータの位置を圧縮機構部に近付けることができ、
クランク軸３に固着されるロータ４の固着位置も圧縮機
構部に近付けることができる。そのため、軸系の固有振
動数が高くなり、軸振動による騒音が増大することがな
い。さらに、クランク軸の先端部の振れ回り量が減少し
て、軸受部における信頼性が高くなった。また、クラン
ク軸３に固着されるロータ４の固着位置をポンプ部に近
付けることにより、密閉容器１の全長が短くなり、密閉
容器１の剛性が高くなり、高周波帯域の騒音が低減す
る。
【００２１】これらの効果を図５を用いて説明する。図
５は、図１の２シリンダ形ロータリ圧縮機における騒音
低減の効果を示す騒音スペクトル図である。図５は、横
軸に周波数（ｋＨｚ）、縦軸に音圧レベルをとって、従
来の２シリンダ形ロータリ圧縮機の音圧レベルは破線、
本発明の２シリンダ形ロータリ圧縮機のそれは実線で示
して騒音比較をしたものである。図４からわかるように
本発明では、軸振動音の３００Ｈｚ帯域、機械振動音の
４０００Ｈｚから６０００Ｈｚ帯域音が低減する。
５は、図１の２シリンダ形ロータリ圧縮機における騒音
低減の効果を示す騒音スペクトル図である。図５は、横
軸に周波数（ｋＨｚ）、縦軸に音圧レベルをとって、従
来の２シリンダ形ロータリ圧縮機の音圧レベルは破線、
本発明の２シリンダ形ロータリ圧縮機のそれは実線で示
して騒音比較をしたものである。図４からわかるように
本発明では、軸振動音の３００Ｈｚ帯域、機械振動音の
４０００Ｈｚから６０００Ｈｚ帯域音が低減する。
【００２２】また、主軸受の電動機側に設置された吐出
部と開通する円弧状の溝１５は、クランク軸３まわり全
周３６０度の間つながっていない構造の方が好ましい。
主軸受５に設けられた円弧状の溝１５が、回転軸まわり
全周で連通すると、溝１５の管路内に特定の定在波が立
ちやすくなり、管路内で共鳴し騒音が大きくなる傾向が
ある。例えば、冷媒Ｒ１２の吐出ガスの音速は、約１６
０ｍ／ｓ程度であり、円弧状の溝が連通しているときの
円周長さが１６ｃｍ程度になると共鳴周波数は、１ｋＨ
ｚになる。１ｋＨｚ近傍は、吐出ガスによる流体音が大
きい帯域であり、好ましくない。
部と開通する円弧状の溝１５は、クランク軸３まわり全
周３６０度の間つながっていない構造の方が好ましい。
主軸受５に設けられた円弧状の溝１５が、回転軸まわり
全周で連通すると、溝１５の管路内に特定の定在波が立
ちやすくなり、管路内で共鳴し騒音が大きくなる傾向が
ある。例えば、冷媒Ｒ１２の吐出ガスの音速は、約１６
０ｍ／ｓ程度であり、円弧状の溝が連通しているときの
円周長さが１６ｃｍ程度になると共鳴周波数は、１ｋＨ
ｚになる。１ｋＨｚ近傍は、吐出ガスによる流体音が大
きい帯域であり、好ましくない。
【００２３】なお、上述の実施例は、横形の２シリンダ
形ロータリ圧縮機について説明してきたが、縦形の２シ
リンダ形ロータリ圧縮機についても同様の効果が期待さ
れる。
形ロータリ圧縮機について説明してきたが、縦形の２シ
リンダ形ロータリ圧縮機についても同様の効果が期待さ
れる。
【００２４】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明によ
れば、運転時の軸振動による騒音を低減するとともに、
クランク軸先端の振れ回りを低減し信頼性の高い２シリ
ンダ形ロータリ圧縮機を提供することができる。
れば、運転時の軸振動による騒音を低減するとともに、
クランク軸先端の振れ回りを低減し信頼性の高い２シリ
ンダ形ロータリ圧縮機を提供することができる。
【図１】本発明の一実施例に係る２シリンダ形ロータリ
圧縮機の縦断面図である。
圧縮機の縦断面図である。
【図２】図１のＡ−Ａ矢視断面図である。
【図３】図１のＢ−Ｂ矢視断面図である。
【図４】図１の圧縮機構部の主要部品を分解して示した
斜視図である。
斜視図である。
【図５】図１の２シリンダ形ロータリ圧縮機における騒
音低減の効果を示す騒音スペクトル図である。
音低減の効果を示す騒音スペクトル図である。
【図６】従来の２シリンダ形ロータリ圧縮機の縦断面図
である。
である。
１ 密閉容器 ３ クランク軸 ５ 主軸受 ５ｄ 吐出口 ５ｅ 吐出路 ６ 第１シリンダ ７ 仕切板 ８ 第２シリンダ ９ 副軸受 １５ 溝 １６ 平板 １７ 第一の連通路 １８ 第二の連通路 ２０ サイレンサ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平２−294588（ＪＰ，Ａ) 特開 昭64−8390（ＪＰ，Ａ) 実開 昭63−86391（ＪＰ，Ｕ) (58)調査した分野(Int.Cl.6，ＤＢ名) F04C 23/00 - 29/10 331
Claims (2)
- 【請求項１】 密閉容器内に、電動機部と、２個の圧縮
要素からなる圧縮機構部とを備え、前記電動機の回転力
をクランク軸によって圧縮機構部に伝達し、２個の圧縮
要素で交互に冷媒ガスを圧縮するものであって、前記圧
縮機構部は、前記電動機側から、主軸受、第１シリン
ダ、仕切板、第２シリンダ、副軸受の各要素を重ね合わ
せて構成した２シリンダ形ロータリ圧縮機において、 前記主軸受の電動機側に密着させた平板と、 前記主軸受の電動機側に設けられ、第１シリンダ内で圧
縮されたガスの吐出部に連通し前記平板によって覆われ
た主軸受側ガス通路と、 前記副軸受の反電動機側に設けられ、第２シリンダ内で
圧縮されたガスの吐出部に連通するサイレンサと、 前記主軸受側ガス通路と前記副軸受側のサイレンサとを
結ぶ連通路とを備え、 前記副軸受側のサイレンサが、２個の圧縮要素に対して
共用のサイレンサを構成したことを特徴とする２シリン
ダ形ロータリ圧縮機。 - 【請求項２】 主軸受側のガス通路は、吐出部の弁まわ
り領域と、副軸受側のサイレンサに通じる連通路とを結
ぶ限られた範囲の円弧状の溝とを含むことを特徴とする
請求項１記載の２シリンダ形ロータリ圧縮機。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP33102791A JP2933772B2 (ja) | 1991-12-16 | 1991-12-16 | ２シリンダ形ロータリ圧縮機 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP33102791A JP2933772B2 (ja) | 1991-12-16 | 1991-12-16 | ２シリンダ形ロータリ圧縮機 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH05164075A JPH05164075A (ja) | 1993-06-29 |
| JP2933772B2 true JP2933772B2 (ja) | 1999-08-16 |
Family
ID=18239008
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP33102791A Expired - Fee Related JP2933772B2 (ja) | 1991-12-16 | 1991-12-16 | ２シリンダ形ロータリ圧縮機 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2933772B2 (ja) |
Families Citing this family (4)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP4715281B2 (ja) * | 2005-04-25 | 2011-07-06 | パナソニック株式会社 | 密閉型圧縮機 |
| CN102588284B (zh) * | 2012-03-31 | 2014-10-29 | 松下·万宝(广州)压缩机有限公司 | 一种旋转式压缩机 |
| CN108050072B (zh) * | 2017-12-05 | 2023-12-22 | 珠海格力节能环保制冷技术研究中心有限公司 | 一种压缩机消声组件、压缩机和空调器 |
| CN113339266A (zh) * | 2020-03-02 | 2021-09-03 | 瑞智精密股份有限公司 | 泵浦排气机构 |
-
1991
- 1991-12-16 JP JP33102791A patent/JP2933772B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH05164075A (ja) | 1993-06-29 |
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Legal Events
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|---|---|---|---|
| LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |