JP2933681B2 - 磁界の測定方法 - Google Patents

磁界の測定方法

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JP2933681B2 JP2150401A JP15040190A JP2933681B2 JP 2933681 B2 JP2933681 B2 JP 2933681B2 JP 2150401 A JP2150401 A JP 2150401A JP 15040190 A JP15040190 A JP 15040190A JP 2933681 B2 JP2933681 B2 JP 2933681B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、弱い磁界を検出する方法に関するものであ
る。
[従来の技術] 磁界の測定は、物質の磁気的性質の測定において最も
基本的な測定の1つであり、非常に重要である。
従来、磁界を測定する方法としては、半導体のホール
効果を利用したホール素子や、半導体や磁性体等の磁気
抵抗効果を利用した磁気抵抗素子をセンサとして用いる
方法が知られているが、これらの素子を用いた場合の測
定範囲は数ガウス〜数十キロガウスのオーダーである。
弱い磁界を測定する方法としては、パーマロイ等の磁
心に検出巻線を巻回したフラックスゲートをセンサとし
て用いて、該フラックスゲートに被測定磁界が印加され
たときに生じる検出巻線の出力の変化から磁界を測定す
る方法が知られている。
また核磁気共鳴(NMR)を利用した磁界センサや、電
子スピン共鳴(ESR)を利用したセンサを用いる方法、
或いはジョセフソン効果の磁界による干渉性を利用して
磁界を高感度で測定する超伝導量子干渉計[スクイド
(SQUID)と呼ばれる。]を用いる方法も知られてい
る。スクイドを用いれば、10-9ガウス程度までの小さな
磁束密度を測定することができる。
[発明が解決しようとする課題] ホール効果を利用した磁気センサは弱い磁界を測定す
ることが困難であるという問題があった。
また弱い磁界の測定が可能なフラックスゲート、NM
R、ESR、或いはスクイドは、その構造が複雑な製造が面
倒であるため著しく高価になるだけでなく、取り扱いが
面倒であるという問題があった。
本発明の目的は、簡単な構造のセンサを用いて弱い磁
界の測定を行うことができる磁界の検出方法を提案する
ことにある。
[課題を解決するための手段] 本発明の測定方法は、超伝導体と常伝導体金属との接
合部に電流を流した状態で該接合部に磁界を作用させた
場合に、該接合部の抵抗値が磁界の強さに応じて変化す
る現象を利用して、磁界の強さまたは方向を検出するも
のである。
本発明の測定方法においては、超伝導体からなる基体
に常伝導体の金属からなる共通電極と電流電極と電圧電
極とを接合し、少なくとも共通電極を設けた面を平坦な
磁気感知面としたセンサを用い、該共通電極と電流電極
とを通して定電流を流す手段と、定電流を流した状態で
共通電極と電圧電極との間に生じる電圧を磁気検知電圧
として検出する電圧検出手段とを設ける。そしてセンサ
の温度を超伝導体の臨界温度以下に保った状態で、被測
定磁界中でセンサの姿勢を変化させて磁気検知電圧の最
大値と最小値とを求め、磁気検知電圧の最大値と最小値
との差から被測定磁界の強さを求める。
上記センサの姿勢を変化させて磁気検知電圧の最小値
と最大値とを求める過程は、例えば次の手順でセンサを
回転させることにより行うことができる。即ち、センサ
の回転中心軸を予め定めておき、先ず被測定磁界中でセ
ンサを任意の第1の軸線の回りに回転させて磁気検知電
圧が最大になる位置を求める。次いでこの磁気検知電圧
が最大になる位置におけるセンサの磁気感知面と直交す
る第2の軸線の回りにセンサを回転させて磁気検知電圧
の最小値と最大値とを求める。
また被測定磁界の方向を求める場合には、被測定磁界
中でセンサの姿勢を変化させて磁気検知電圧が最小にな
る位置を検知電圧最小位置として求めれば、該検知電圧
最小位置での磁気感知面に直角な方向が被測定磁界の方
向となる。
この場合、センサを次の手順で回転させることにより
検知電圧最小位置を求めることができる。即ちセンサの
回転中心軸を予め定めておき、先ず被測定磁界中でセン
サを第1の軸線の回りに回転させて磁気検知電圧が最大
になる位置を基準位置として求める。次いでこの基準位
置におけるセンサの磁気感知面と直交する第2の軸線の
回りにセンサを回転させ、磁気検知電圧が最小になる位
置を検知電圧最小位置とする。
また被測定磁界の方向は次の方法によっても求めるこ
とができる。
センサの回転中心軸を予め定めておき、先ず被測定磁
界中でセンサを第1の軸線の回りに回転させて磁気検知
電圧が最大になる位置を基準位置として求める。次いで
この基準位置におけるセンサの磁気感知面と直交する第
2の軸線の回りにセンサを回転させて磁気検知電圧が最
大になる位置を検知電圧最大位置として求め、基準位置
におけるセンサの磁気感知面に沿う第1の平面と検知電
圧最大位置におけるセンサの磁気感知面に沿う第2の平
面との交線に沿う方向を磁界の方向とする。
上記金属は、超伝導体の特性を完全に損なわずに超伝
導体に接合できる金属であればよく、例えば金、銀、白
金及びこれらの合金からなる金属群の中から選択するこ
とができる。
上記超伝導体としては、臨界電流密度が大きく、マイ
スナー効果が十分大きいもの、例えばYBa2Cu3O7−δ
Bi2Sr2Ca2Cu3Oy、(Bi1-XPbx)2Sr2Ca2Cu3Oy′、また
はTl2Ba2Ca2Cu3Oy″のセラミックスまたは薄膜を用い
ることができる。
[作 用] 本発明者は、超伝導体と常伝導体の金属との接合部に
磁界を与えると、該接合部の抵抗が磁界に応じて変化す
ることを確認した。これは、超伝導体と常伝導体金属と
の接合部の界面の厚みが薄い領域(磁界侵入長程度の厚
みの領域)に磁力線が侵入すると、該接合部を通して流
れている電流が臨界電流以下であっても局部的に超伝導
性が失われ、接合部付近の超伝導体に抵抗が現れること
によると思われる。
上記センサの磁気感知面に対して垂直に磁界が与えら
れると、マイナス効果により磁界は磁気感知面の周囲の
基体端部に集中する。このとき磁気感知面は磁力線が反
発され、共通電極と超伝導体との接合部は磁界の影響を
受けない。この状態での共通電極の接合部の抵抗は常伝
導体の金属の抵抗に基づいて生じる抵抗のみである。磁
界が印加された場合の共通電極の接合部の抵抗変化を高
感度で検出するためには、この接合部の抵抗をできるだ
け低くしておくことが好ましい。
共通電極と電流電極とを通して定電流を流した状態で
共通電極と電圧電極との間の電圧を磁気検知電圧として
検出すると、該磁気検知電圧はセンサの磁気感知面が磁
界の方向と直交する方向にあるときに最小になり、該磁
気感知面が磁界の方向と平行になったときに最大にな
る。
従ってセンサの姿勢を変化させて、磁気検知電圧の最
大値と最小値とを求め、該磁気検知電圧の最大値と最小
値との差をとることにより被測定磁界の強さを求めるこ
とができる。
また磁気検知電圧が最小になる位置を検知電圧最小位
置として求め、該検知電圧最小位置での磁気感知面に直
角な方向を被測定磁界の方向として検出することができ
る。
更にセンサの回転中心軸を予め定めておいて、被測定
磁界中でセンサを任意の第1の軸線の回りに回転させて
磁気検知電圧が最大になる位置を基準位置とすると、こ
の基準位置では磁気感知面が磁界の方向に沿った状態に
なっている。しかしこの状態では、磁力線が磁気感知面
と同一平面上にあることが分かるだけで、未だ磁界の方
向は分からない。次に基準位置におけるセンサの磁気感
知面と直交する第2の軸線の回りにセンサを回転させ
て、磁気検知電圧が最小になる位置を求めると、この位
置が検知電圧最小位置となり、この位置における磁気感
知面と直交する方向が磁界の方向に一致する。
また上記第2の軸線の回りにセンサを回転させて、磁
気検知電圧が最大になる位置を検知電圧最大位置として
求めると、磁力線はこの検知電圧最大位置における磁気
感知面と同一の平面上にもあることになる。従って上記
基準位置におけるセンサの磁気感知面に沿う平面を第1
の平面とし、検知電圧最大位置におけるセンサの磁気感
知面に沿う平面を第2の平面としてこれら第1及び第2
の平面の交線を求めると、該交線に沿う方向が磁界の方
向に一致する。
[実施例] 以下添附図面を参照して本発明の実施例を説明する。
第1図は本発明で用いるセンサの構成例を示したもの
で、同図において1は酸化物超伝導体または金属系超伝
導体からなる基体、q1は基体1に常伝導体の金属を接合
して形成した共通電極、q2及びq3はそれぞれ同じく基体
1に常伝導体の金属を接合することにより形成した電流
電極及び電圧電極である。この実施例では、基体1が矩
形板状に形成されていて、電極q1ないしq3は基体1の1
つの主面上に一直線上に並べた状態で設けられ、電流電
極q2と電圧電極q3とは所定の間隔を隔てて配置されてい
る。本明細書では共通電極q1が存在する面を磁気感知面
1aと呼ぶ。
上記超伝導体の基体1と金属からなる電極q1ないしq3
との接合は、超音波ボンディング法またはスポット溶接
法により行うことができる。
超音波ボンディング法は、公知の超音波溶接装置また
は同装置と同様の原理の装置を用いて、基体1と電極q1
〜q3との接触部に超音波を与えることにより実施するこ
とができる。基体1と電極q1ないしq3との接触部に超音
波を与えると、超伝導体からなる基体1の表面がクリー
ニングされるとともに、超音波のパワーの加圧力によ
り、各電極が基体1に接合される。実験では、半導体IC
の電極にワイヤを接合するために使用されている超音波
ワイヤボンディング装置を用いて、酸化物超伝導体から
なる基体1と常伝導体の金属からなる電極q1〜q3との間
に良好な接合部を形成することができた。
またスポット溶接法も、公知のスポット溶接装置を用
いて実施することができる。スポット溶接法による場合
には、基体1に電極q1〜q3を接触させて各電極を基体1
に対して加圧し、各電極と基体とを通してパルス状の電
流を流す。これにより各電極と基体との接触部で発熱さ
せて各電極を基体1に接合することができる。
本実施例の共通電極q1は所定の長さの銀線L1の中点を
基体1に接合することにより形成し、該銀線L1の両端を
それぞれ定電流電源用端子a及び電圧検出手段用端子b
に接続した。
また他の電極q2及びq3はそれぞれ所定の長さの銀線L2
及びL3の一端を基体1に接合することにより形成し、こ
れらの銀線L2及びL3の他端をそれぞれ定電流電源用端子
a′及び電圧検出手段用端子b′に接続した。
実施例では電極q1ないしq3を構成する金属として銀線
を用いたが、金、白金またはこれらの合金等の他の常伝
導体金属を用いることもできる。電極q1ないしq3を構成
する金属としては抵抗が小さい貴金属を用いるのが好ま
しいが、本発明で用いる常伝導体の金属は超伝導体と接
合した際に超伝導体の特性を完全に損なわないものであ
ればよく、貴金属以外の他の金属を用いてもよい。
本発明の磁界測定方法では、上記のようなセンサ2を
用い、このセンサの共通電極q1と電流電極q2との間に定
電流源3(共通電極と電流電極とを通して定電流を流す
手段)を、また共通電極q1と電圧電極q3との間に電圧計
4(電圧検出手段)をそれぞれ接続する。定電流源3を
通して共通電極q1と電流電極q2との間に流す電流は、基
体1を構成する超伝導体の臨界電流値よりも所定値だけ
小さく設定しておく。
第2図に示すように、センサ2の磁気感知面1aに垂直
な方向の磁界Hを与えると、マイスナー効果により磁力
線が基体1の磁気感知面1aから排除され、基体1の両端
側に磁力線が集中する。この状態では、共通電極q1及び
電流電極q2が磁界の影響を受けないため、共通電極q1及
び電流電極q2を通して電流を流しても基体1の超伝導性
は失われない。このときの共通電極q1と電圧電極4との
間の電圧は、共通電極q1を構成する常伝導体の金属の抵
抗による電圧降下だけである。
次にセンサの基体1を回転させて第3図に示すように
磁気感知面1aに沿う方向を磁界Hの方向に一致させる
と、磁力線が磁気感知面1aに接する状態になる。この状
態では磁界の強さに応じて電圧検出手段4により検出さ
れる電圧が変化する。
これは次の理由によるものと思われる。即ち、磁力線
が磁気感知面1aに接する状態になると、磁気感知面1aの
表面付近の極薄い層(磁場侵入長λ程度)から磁力線
が侵入する。電極q1,q2の接合部付近には定電流源3か
ら臨界電流に比較的近い大きさの電流が流れているた
め、磁気感知面の表面層に磁力線が侵入すると接合部付
近の超伝導性が局部的に失われ、超伝導性が失われた部
分の抵抗値が増大する。この状態では、共通電極q1の接
合部の抵抗値が増大した分だけ共通電極q1と電圧電極q3
との間の電圧が高くなり、電圧検出手段4により検出さ
れる電圧が高くなる。
上記の説明では、センサの磁気感知面1aが磁界に垂直
な場合と、磁界と平行な場合との極端な場合について述
べたが、後記する実験から明らかなように、実際には磁
気感知面1aと磁界Hとの間の角度θにより電圧検出手段
4による検出電圧が変化する。従ってこの検出電圧を磁
気検知電圧Eとして検出することにより磁界を検出する
ことができる。
定電流源3から共通電極q1と電流電極q2とを通して流
す電流Iは、基体1を構成する超伝導体の臨界電流と、
周囲温度(臨界温度以下)とを勘案して適値に設定す
る。周囲温度及び(または)電流Iの大きさにより磁界
の検出感度を調整することができる。
実施例では、先ずYBa2Cu3O7−δの仮焼粉を3[ton/
cm2]の加圧力でプレス成形して厚さ1.5[mm]、直径14
[mm]の円板状ペレットを製作した。このペレットを酸
素雰囲気の炉内に入れて第4図に示した温度過程を経て
焼成することにより、臨界温度が93[K]の酸化物超伝
導体を製造した。
この酸化物超伝導体のバルクを1.5×1.5×12mmの短冊
状にカットして基体1を形成し、この基体1の表面に直
径50μmの銀線を用いて、超音波ボンディング法により
電極q1〜q3を形成した。電極q1〜q3の面積は3.0×10-4
[cm2]であった。電極形成後、500℃で1時間熱処理を
行った。
上記の方法により製作したセンサ2を液体窒素により
冷却し、センサ2を種々の温度Tに保って、共通電極q1
と電流電極q2とを通して流した定電流I[mA]と共通電
極q1と電圧電極q3との間に得られる磁気検知電圧E[m
V]との関係を測定した。その結果を第5図に示した。
第5図においてパラメータT=11K〜100Kはセンサの温
度を示している。センサの温度が臨界温度(93K)より
も高い場合には、電流Iと磁気検知電圧Eとの関係が線
形になり、該センサの温度が臨界温度よりも低い場合に
は電流Iと電圧Eとの関係が非線形になる。磁界の測定
を行うためには、センサ2の温度を臨界温度以下として
電流I対電圧Eの特性を非線形とする必要がある。
次に電流Iを一定(=100mA)として、磁界Hの磁気
感知面1aに対する入射角θをパラメータとして磁気検知
電圧E[mV]と磁界H[Gauss]との関係を求めたとこ
ろ、第6図に示すような結果が得られた。
この結果から、入射角θが90度の場合には磁界Hを0
〜数Gaussの範囲で変化させても磁気検知電圧Eは全く
変化しない。入射角θを0度とすると比較的弱い磁界を
与えても磁気検知電圧Eが大きく変化する。入射角θを
45度とした場合には、磁気検知電圧が90度の場合と0度
の場合との中間の値をとる。
本発明の測定方法は、センサ2の上記の特性を利用し
て磁界の強さ(絶対値)と磁界の方向とを測定するもの
である。
磁界の強さを測定する場合には、センサ2の共通電極
q1と電流電極q2とに定電流源3を接続し、共通電極q1と
電圧電極q3との間に電圧検出手段4を接続する。そして
センサ2の温度は超伝導体の臨界温度以下に保つ。そし
て被測定磁界H中でセンサ2の姿勢を変化させて磁気検
知電圧Eの最大値と最小値とを求め、磁気検知電圧Eの
最大値と最小値との差を求める。この差の値は入射角θ
が90度の場合の被測定磁界の強さに相応している。この
差の値と磁界の強さとの関係を実験で求めておくことに
より、磁界の強さを検出することができる。
また被測定磁界中でセンサ2の姿勢を変化させて磁気
検知電圧が最小になる位置を検知電圧最小位置として求
めれば、該検知電圧最小位置での磁気感知面に直角な方
向を被測定磁界Hの方向として検出することができる。
上記磁気検知電圧の最小値と最大値とを求めるために
は、例えばセンサの姿勢を次の手順で変化させればよ
い。
先ずセンサ2の回転中心軸を定める。例えば第7図に
示すように、共通電極q1と電圧電極q3との間の中点を原
点Oとし、共通電極q1と電圧電極q3とを結ぶ直線A−
A′とセンサ2の磁気感知面1a上で直交し、かつ原点O
を通る直線B−B′をセンサ2の回転中心軸として定め
る。
先ずセンサ2の回転中心軸B−B′を任意の方向に設
定した第1の軸線の方向に向けて磁界H中でセンサ2を
回転させる。この例では、第8図に示すようにx,y,xの
直交座標系を用い、センサ2の原点Oを座標の原点と
し、図の紙面と直交するz軸を第1の軸線とする。この
第1の軸線とセンサ2の回転中心軸B−B′を一致させ
た状態で、センサ2を回転中心軸の回りに回転させて磁
気検知電圧Eが最大になる位置を基準位置として求め
る。第8図に実線で示したセンサ2は、この基準位置に
あり、この状態ではセンサ2の磁気感知面1aが磁界Hの
方向と平行している。しかしこの状態では、未だ磁力線
が磁気感知面1aと同一の平面上にあることが分かるだけ
であり、磁界の方向は分からない。
そこで次に基準位置におけるセンサの磁気感知面と直
交する直線C−C′を第2の軸線として定め、センサの
回転中心軸B−B′をこの第2の軸線C−C′の方向に
向けてセンサを回転させる。このセンサの回転の過程で
磁気検知電圧Eの最小値と最大値とを求める。このよう
にセンサを第2の軸線C−C′の回りに回転させた際に
磁気検知電圧Eが最大になる位置を検知電圧最大位置と
呼び、磁気検知電圧Eが最小になる位置を検知電圧最小
位置と呼ぶ。
検知電圧最大位置及び検知電圧最小位置における磁気
検知電圧の差から被測定磁界の強さを求めることができ
る。また検知電圧最小位置における磁気感知面1aと直交
する方向が磁界Hの方向となる。
更に、センサ2が第8図に実線で示した基準位置にあ
るときの磁気感知面1aに沿う(磁力線と平行な面)第1
の平面と、センサの回転中心軸を第2の軸線C−C′の
方向に向けた状態で求めた検知電圧最大位置におけるセ
ンサの磁気感知面1aに沿う(同じく磁力線と平行な)第
2の平面との交線を求めれば、この交線に沿う方向が磁
界Hの方向となる。
本発明の方法に用いるセンサの基体を構成する超伝導
材料としては臨界電流密度が高く、マイスナー効果が十
分大きいものを用いるのが好ましい。上記の実施例にお
いて、直流4端子法により求めた臨界電流密度は約200
[A/cm2]であった。
著しく臨界電流密度が低い超伝導体、例えば焼結状態
が悪くポーラスな(多孔性の)セラミックス超伝導体に
より基体1を構成した場合には、印加磁界に対する指向
性が悪くなり、磁気感知面1aに対して垂直に磁界を加え
た場合でも磁気感知面と平行に磁界を加えた場合と同程
度の感度が得られる。これは、超伝導体の臨界電流が小
さいために流れ得る遮蔽電流(完全反磁性を保つための
超伝導電流)が小さくなり、比較的小さな磁界から磁束
の侵入が起こるためであると考えられる。即ちポーラス
なセラミックス超伝導体を用いた場合には、マイスナー
効果が非常に弱いために、弱い磁界が与えられた場合で
も磁束が超伝導体内に侵入し、上記実施例で得られたよ
うな異方性が得られないことによると思われる。
上記の実施例では、基体1を構成する酸化物超伝導体
としてYBa2Cu3O7−δを用いたが、他の酸化物超伝導
体、例えばBi2Sr2Ca2Cu3Oy、(Bi1-XPbx)2Sr2Ca2Cu3O
y′、またはTl2Ba2Ca2Cu3Oy″等を用いることもでき
る。
上記の実施例では、電流電極q2と電圧電極q3とを離し
て設けたが、第9図に示したように、所定長さの銀線L2
3の中点を基体1に接合することにより共通電極q1と同
様な電極q23を設けて、この電極q23を電流電極及び電圧
電極として兼用するようにしてもよい。
上記の実施例では、全ての電極を磁気感知面に設けた
が、電流電極q2と電圧電極q3とを別個に設ける場合に
は、磁界の影響を拾う共通電極q1のみを磁気感知面に設
け、他の電極を他の面に設けるようにしてもよい。
第9図に示すように、共通電極q1と同様な電極q23を
設けて、この電極が電流電極と電圧電極とを兼ねるよう
にする場合には、センサの姿勢を変化させた場合に磁気
検知電圧の極大値が複数生じないようにするため、電極
q23を共通電極q34と同じ磁気感知面に設ける必要があ
る。この場合には、電極q1とq23との双方が磁気検知電
圧に影響を与えるため、感度を高めることができる。
上記の実施例では、超伝導体として酸化物超伝導体を
用いたが、金属系の超伝導体を用いることもできる。
また上記の実施例では、超伝導体のブロックによりセ
ンサの基体を構成したが、基体上に形成した薄膜状の超
伝導体をセンサの基体として用いることもできる。
上記の実施例では、センサを回転させる際に先ずz軸
の回りに回転させたが、センサを最初に回転させる際の
回転軸の方向は任意である。
本発明の測定方法は、弱い磁界の測定に適しており、
地磁気の計測、地磁気を測定して飛行物体(人工衛星や
飛行機等)の姿勢を検出する姿勢計、地磁気の計測等に
応用することができる。また工業分野においては、磁気
を利用した回転体の位置、角度の測定、変位の測定、鉄
片の探知、磁気探傷等に応用することもできる。
[発明の効果] 以上のように、本発明によれば、超伝導体のマイスナ
ー効果を利用して方向性を持たせるとともに、磁界の侵
入による接合部の抵抗値の変化を利用して磁界の大きさ
に応じた磁気検知電圧を得るようにした簡単な構成のセ
ンサを用いて、弱い磁界の方向と強さとを精度良く測定
することができる利点がある。
【図面の簡単な説明】
第1図ないし第9図は本発明の実施例を示したもので、
第1図は本発明のセンサの構成を示す構成図、第2図及
び第3図は本発明で用いるセンサの動作を説明する説明
図、第4図はセンサの熱処理を行う際の温度変化を示す
線図、第5図及び第6図はそれぞれは本発明で用いるセ
ンサの通電電流と磁気検知電圧との関係及び磁気検知電
圧と磁界との関係を示す線図、第7図は本発明で用いる
センサの回転軸の定め方の一例を説明するための斜視
図、第8図は磁界中でセンサを回転させる手順を説明す
る説明図、第9図は本発明で用いるセンサの変形例を示
した構成図である。 1……基体、2……センサ、3……定電流源、4……電
圧検出手段、q1……共通電極、q2……電流電極、q3……
電圧電極。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 四谷 正 大阪府大阪市西区江之子島2丁目1番53 号 大阪府立産業技術総合研究所内 (72)発明者 小川 倉一 大阪府大阪市西区江之子島2丁目1番53 号 大阪府立産業技術総合研究所内 (72)発明者 三宅 修治 大阪府大阪市淀川区田川2丁目1番11号 株式会社ダイヘン内 (72)発明者 青山 隆浩 大阪府大阪市淀川区田川2丁目1番11号 株式会社ダイヘン内 (56)参考文献 特開 平2−27279(JP,A) 特開 平2−159589(JP,A) 特開 平2−17475(JP,A) 特開 平1−173765(JP,A) 特開 平1−286978(JP,A) 特開 平1−291182(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G01R 33/00 - 33/18

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】超伝導体からなる基体に常伝導体の金属か
    らなる共通電極と電流電極と電圧電極とを接合し、少な
    くとも前記共通電極を設けた面を平坦な磁気感知面とし
    たセンサを用い、 前記共通電極と電流電極とを通して定電流を流す手段
    と、該定電流を流した状態で前記共通電極と電圧電極と
    の間に生じる電圧を磁気検知電圧として検出する電圧検
    出手段とを設け、 前記センサの温度を前記超伝導体の臨界温度以下に保
    ち、 被測定磁界中で前記センサの姿勢を変化させて前記磁気
    検知電圧の最大値と最小値とを求め、 前記磁気検知電圧の最大値と最小値との差から前記被測
    定磁界の強さを求めることを特徴とする磁界の測定方
    法。
  2. 【請求項2】超伝導体からなる基体に常伝導体の金属か
    らなる共通電極と電流電極と電圧電極とを接合し、少な
    くとも前記共通電極を設けた面を平坦な磁気感知面とし
    たセンサを用い、 前記共通電極と電流電極とを通して定電流を流す手段
    と、該定電流を流した状態で前記共通電極と電圧電極と
    の間に生じる電圧を磁気検知電圧として検出する電圧検
    出手段とを設け、 前記センサの温度を超伝導体の臨界温度以下に保ち、 前記センサの回転中心軸を定めておき、 被測定磁界中で前記センサを第1の軸線の回りに回転さ
    せて前記磁気検知電圧が最大になる位置を基準位置とし
    て求め、 次いで前記基準位置におけるセンサの磁気感知面と直交
    する第2の軸線の回りに前記センサを回転させて前記磁
    気検知電圧の最小値と最大値とを求め、 前記磁気検知電圧の最大値と最小値との差から前記被測
    定磁界の強さを求めることを特徴とする磁界の測定方
    法。
  3. 【請求項3】超伝導体からなる基体に常伝導体の金属か
    らなる共通電極と電流電極と電圧電極とを接合し、少な
    くとも前記共通電極を設けた面を平坦な磁気感知面とし
    たセンサを用い、 前記共通電極と電流電極とを通して定電流を流す手段
    と、該定電流を流した状態で前記共通電極と電圧電極と
    の間に生じる電圧を磁気検知電圧として検出する電圧検
    出手段とを設け、 前記センサの温度を超伝導体の臨界温度以下に保ち、 被測定磁界中で前記センサの姿勢を変化させて前記磁気
    検知電圧が最小になる位置を検知電圧最小位置として求
    め、該検知電圧最小位置での前記磁気感知面に直角な方
    向を被測定磁界の方向として検出することを特徴とする
    磁界の測定方法。
  4. 【請求項4】超伝導体からなる基体に常伝導体の金属か
    らなる共通電極と電流電極と電圧電極とを接合し、少な
    くとも前記共通電極を設けた面を平坦な磁気感知面とし
    たセンサを用い、 前記共通電極と電流電極とを通して定電流を流す手段
    と、該定電流を流した状態で前記共通電極と電圧電極と
    の間に生じる電圧を磁気検知電圧として検出する電圧検
    出手段とを設け、 前記センサの温度を超伝導体の臨界温度以下に保ち、 前記センサの回転中心軸を定めておき、 被測定磁界中で前記センサを第1の軸線の回りに回転さ
    せて前記磁気検知電圧が最大になる位置を基準位置とし
    て求め、 次いで前記基準位置におけるセンサの磁気感知面と直交
    する第2の軸線の回りに前記センサを回転させて前記磁
    気検知電圧が最小になる位置を検知電圧最小位置として
    求め、 前記検知電圧最小位置におけるセンサの磁気感知面と直
    交する方向を前記磁界の方向として検出することを特徴
    とする磁界の測定方法。
  5. 【請求項5】超伝導体からなる基体に常伝導体の金属か
    らなる共通電極と電流電極と電圧電極とを接合し、少な
    くとも前記共通電極を設けた面を平坦な磁気感知面とし
    たセンサを用い、 前記共通電極と電流電極とを通して定電流を流す手段
    と、該定電流を流した状態で前記共通電極と電圧電極と
    の間に生じる電圧を磁気検知電圧として検出する電圧検
    出手段とを設け、 前記センサの温度を超伝導体の臨界温度以下に保ち、 前記センサの回転中心軸を定めておき、 被測定磁界中で前記センサを第1の軸線の回りに回転さ
    せて前記磁気検知電圧が最大になる位置を基準位置とし
    て求め、 次いで前記基準位置におけるセンサの磁気感知面と交差
    する第2の軸線の回りに前記センサを回転させて前記磁
    気検知電圧が最大になる位置を検知電圧最大位置として
    求め、 前記基準位置におけるセンサの磁気感知面に沿う第1の
    平面と前記検知電圧最大位置におけるセンサの磁気感知
    面に沿う第2の平面との交線に沿う方向を前記磁界の方
    向として検出することを特徴とする磁界の測定方法。
  6. 【請求項6】前記金属は、金、銀、白金及びこれらの合
    金からなる金属群の中から選択されている請求項1ない
    し5のいずれか1つに記載の磁界の測定方法。
  7. 【請求項7】前記酸化物超伝導体はYBa2Cu3O7−δ、Bi
    2Sr2Ca2Cu3Oy、(Bi1-XPbx)2Sr2Ca2Cu3Oy′、またはT
    l2Ba2Ca2Cu3Oy″のセラミックスまたは薄膜からなって
    いる請求項1ないし6のいずれか1つに記載の磁界の測
    定方法。
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