JP2752674B2 - センサ - Google Patents

センサ

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JP2752674B2
JP2752674B2 JP63313316A JP31331688A JP2752674B2 JP 2752674 B2 JP2752674 B2 JP 2752674B2 JP 63313316 A JP63313316 A JP 63313316A JP 31331688 A JP31331688 A JP 31331688A JP 2752674 B2 JP2752674 B2 JP 2752674B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、弱い磁場や低温を検出することができるセ
ンサに関するものである。
[従来の技術] 近年超伝導の利用について種々検討されているが、こ
れに伴って低い温度の測定や磁場の測定を行うことが必
要とされるようになった。
現在低い温度を測定できるセンサとしては、熱電対を
利用したものがある。
磁気センサとしては、ホール効果を利用したものが多
く用いられているが、ホール効果を利用した磁気センサ
の測定範囲はキロガウスのオーダーである。
また弱い磁場を検出するセンサとしては、ジョセフソ
ン効果の磁場による干渉性を利用して磁場を高感度で測
定する超伝導量子干渉計[スクイド(SQUID)とよばれ
る。]が知られている。これによれば、1ガウス以下、
10-4ガウス程度までの小さな磁束密度を測定することが
できる。
[発明が解決しようとする課題] 従来の熱電対を利用した温度センサは、低温を測定す
ることができるが、磁場に感じるため磁場の影響を受け
る領域では使用できないという問題があった。
また従来の磁気センサは全て方向性を有するため、測
定に繁雑さが伴うという問題があった。
更にホール効果を利用した磁気センサは弱い磁場を測
定できないという問題があり、弱い磁場の測定が可能な
スクイドは、その構造が複雑で製造が面倒であるため著
しく高価になるという問題があった。
本発明の目的は、磁場の影響を受ける領域でも使用で
きる温度センサ、及び弱い磁場の測定が可能な簡単な構
成の磁気センサを提供することにある。
[課題を解決するための手段] 磁気を検出する本発明のセンサは、酸化物超伝導体と
常伝導体の金属とを接合して該超伝導体と金属との間に
温度変化による抵抗値変化が金属的な挙動を示す接合部
を形成し、該接合部を磁気感知部としたものである。
ここで「金属的な挙動」とは、金属が有する抵抗の温
度特性に類似した特性を示すということであり、第2図
の曲線aのように温度の低下に伴って抵抗が減少する特
性を示すということである。金属の場合には、温度の上
昇に伴って格子振動が増加して電子の散乱が増加し、抵
抗が大きくなることが分っているが、超伝導体の場合に
は未だ理論的な解明がなされていないため、本明細書で
は、「金属の特性を有する」とは言わずに「金属的な挙
動を示す」と言うことにする。
次に温度を検出する本発明のセンサは、酸化物超伝導
体と常伝導体の金属とを接合して該超伝導体と金属との
間に温度変化に伴う抵抗値変化が半導体的な挙動を示す
接合部を形成し、該接合部を温度感知部としたものであ
る。
ここで「半導体的な挙動を示す」とは、抵抗の温度特
性が半導体の特性と類似の特性を示すとの意味であり、
第2図の曲線bのように、温度の低下に伴って抵抗値が
増加する特性を示すことを意味する。
上記の磁気センサにおいて、接合部を複数個設けるこ
ともできる。このように接合部を複数個設けると、磁界
分布を測定することができる。
また本発明のセンサは温度と磁気との双方を検出する
ように構成することもできる。この場合には、酸化物超
伝導体に常伝導体からなる第1の金属及び第2の金属を
接合して、超伝導体と第1の金属との間に温度変化に伴
う抵抗値変化が金属的な挙動を示す第1の接合部を、ま
た超伝導体と第2の金属との間に温度変化を伴う抵抗値
変化が半導体的挙動を示す第2の接合部をそれぞれ形成
する。そして第1の接合部を磁気感知部とし、第2の接
合部を温度感知部として、磁気及び温度を検出する。尚
第1の金属及び第2の金属は同種の金属でもよく、また
異種の金属でもよい。
上記の各接合部は超音波ボンディング法またはスポッ
ト溶接法により形成することができる。
超音波ボンディング法により金属的な挙動を示す接合
部を形成する場合、金属としては、金、銀、白金または
これらの合金を用いるのが適当であり、半導体的な挙動
を示す接合部を形成する場合には、金属として錫、亜
鉛、アルミニウムまたは銅等の卑金属を用いるのが適当
である。
スポット溶接法により接合部を形成する場合、金属と
して金、銀、白金またはこれらの合金を用いるのが適当
であり、この場合金属的な挙動を示す接合部を得るため
には、溶接後熱処理を施す。
上記酸化物超伝導体としては、例えばYBa2Cu
3O7−δ、Bi2Sr2Ca2Cu3Oy、(Bi1-xPbx)2Sr2Ca2Cu3O
y′、またはTl2Ba2Ca2Cu3Oy″等のセラミックスまた
は薄膜を用いることができる。
上記の構成において、第1の接合部及び第2の接合部
はそれぞれ複数個ずつ設けてもよい。
[作 用] 酸化物超伝導体に常伝導体の金属を接合して温度によ
る抵抗値変化が金属的な挙動を示す接合部を形成する
と、超伝導体が超伝導性を示す温度領域で該接合部の抵
抗値が磁気の影響を敏感に受け、特に微弱な磁場に対し
て高感度で変化することが明らかになった。またこの接
合部の特性はほとんど指向性を持たないことが明らかに
なった。
従って酸化物超伝導体と常伝導体の金属との間に温度
による抵抗値変化が金属的な挙動を示す接合部を形成す
ると、該接合部を酸化物超伝導体の臨界温度以下に保つ
ことにより、指向性をほとんど持たない高感度の磁気セ
ンサを得ることができる。
また酸化物超伝導体と常伝導体の金属とを接合して該
超伝導体と金属との間に温度変化に伴う抵抗値変化が半
導体的な挙動を示す接合部を形成すると、臨界温度以下
の領域及び臨界温度を超える領域においてそれぞれ接合
部の抵抗が磁気の影響を受けることなく、温度により変
化することが明らかになった。
この接合部の特性を利用することにより、磁場の影響
を受けずに低い温度を精度良く検出することができる。
また1つの超伝導体に第1及び第2の金属を接合して
金属的な挙動を示す第1の接合部と半導体的な挙動を示
す第2の接合部とを形成すると、これらの接合部の特性
を利用して磁気と温度との双方を検出するハイブリッド
センサを得ることができる。
[実施例] 以下添附図面を参照して本発明の実施例を説明する。
本発明のセンサは、第1図に示すように、酸化物超伝
導体1に常伝導体の金属2を接合して、超伝導体1と金
属2との接合部3を形成し、該接合部3を磁気感知部ま
たは温度感知部とするものである。この例では金属2と
して線材を用い該金属2と超伝導体1との間に接合部を
形成している。
超伝導体1と金属2との接合部3の抵抗の温度による
変化が金属的な挙動を示す場合には、該接合部3の抵抗
が超伝導体1の臨界温度以下の領域で磁気に感応して変
化するため、接合部3の温度を臨界温度以下に保つこと
により該接合部3を磁気感知部として用いることができ
る。
また接合部3の抵抗の温度による塩化が半導体的な挙
動を示す場合には、超伝導体1の臨界温度以下の領域及
び臨界温度を超える領域でそれぞれ該接合部の抵抗が磁
気に感応することなく、温度にのみ感応して変化する特
性を示す。従ってこの接合部3を温度感知部として用い
ることができる。
実施例では、上記超伝導体1と金属2との接合部3
を、超音波ボンディング法及びスポット溶接法により形
成した。以下これらの方法により接合部3を形成した実
施例を説明する。
(a)超音波ボンディング法 この方法は、公知の超音波溶接装置または同装置と同
様の原理の装置を用いて行うことができる。実施例で
は、半導体ICの電極にワイヤを接合するために使用され
ている超音波ワイヤボンディング装置を用いた。
第3図は本発明の実施例で用いた装置の構成を概略的
に示したもので、この装置は、アンビル10と、アンビル
に固定されたステム11と、ホーン12に固定されてステム
11に対向配置されたチップ13とを備えている。ホーン12
は図示しない超音波発振器に結合され、該超音波発振器
からホーン12を通してチップ13に超音波が与えられるよ
うになっている。チップ13は図示しない加圧装置により
ステム11側に加圧されるようになっている。
この装置を用いて酸化物超伝導体1と常伝導体の金属
2との接合部を形成するには、先ずステム11の上に板状
の酸化物超伝導体1を配置し、酸化物超伝導体1の接合
部形成面(この例では上面)1aにチップ13を対向させ
る。
次いでチップ13の先端と酸化物超伝導体1との間に金
属2を挟み込み、図示しない加圧装置によりチップ13を
加圧して、金属2を酸化物超伝導体1側に加圧する。こ
の状態でホーン12及びチップ13を通して金属2と酸化物
超伝導体1との接触部に超音波を与える。
金属2と酸化物超伝導体1との接触部に超音波を与え
ると、酸化物超伝導体1の表面がクリーニングされると
ともに、金属2と酸化物超伝導体1との接触部で発熱が
生じ、金属2が酸化物超伝導体1に接合される。
実施例では、酸化物超伝導体1として臨界温度Tcが93
KのYBa2Cu3O7−δを用い、金属2として直径50μmの
銀線を用いた。超音波発振器としては、発振周波数60KH
z、出力22Wのものを用いた。そしてチップ13に加える加
圧力を200Kg/cm2とし、60KHzの超音波を450msecの間加
えて金属2と酸化物超伝導体1との間に接合部を形成し
た。
上記のようにして金属2と酸化物超伝導体1との間に
形成した接合部3の温度による抵抗値変化は、金属的挙
動を示す。この接合部の抵抗値を更に小さくしたい場合
には、更に酸素雰囲気の炉に入れて熱処理を行うのがよ
い。YBCOの場合には熱処理温度が950℃を超えると溶融
するため、熱処理温度は400℃ないし950℃の範囲の温度
に設定する必要がある。
上記の例では、金属2として銀線を用いたが、金、白
金またはこれらの合金を用いても同様に金属的な挙動を
示す接合部を得ることができる。
尚金属2として、錫,亜鉛、アルミニウムまたは銅等
の卑金属を用いた場合には、接合部の温度による抵抗値
変化が半導体的な挙動を示すことが分っている。これは
錫、亜鉛、アルミニウムまたは銅等の卑金属が酸化物超
伝導体中の酸素と反応することによるものと思われる。
第8図(a)ないし(c)を参照すると、酸化物超伝
導体1に錫(Sn)を蒸着した場合と、金(Au)を蒸着し
た場合とについて、ESCA(Electron spectroscopy of c
hemical analysis)による酸素の分析結果が示してあ
る。ESCAは物体表面にX線を照射して、出てくる電子の
エネルギーを分析するもので、そのスペクトルにより元
素の結合状態を調べるものである。第8図に示した例で
は、試料表面をエッチングしながら、深さ方向のESCAス
ペクトルを調べた。
第8図(a)及び(b)はそれぞれ錫の蒸着試料及び
金の蒸着試料の分析結果を示し、第8図(c)は超伝導
体の分析結果を示している。第8図(a)ないし(c)
において横軸は元素の結合エネルギーを示し、縦軸はES
CAの信号強度を示し、パラメータにエッチング時間[mi
n]をとっている。縦軸のO[min]の位置にある曲線は
表面の状態を示し、下方に位置する曲線ほど内層の状態
を示している。
金の場合には、酸化物超伝導体と同じように、530エ
レクトロンボルト及び532.5エレクトロンボルト付近に
2つのピークを有しており、これらのピークは2種類の
酸素状態の存在を示している。このことから、金を酸化
物超伝導体に接合した場合には金と超伝導体とが反応せ
ず、酸素が抜けないことを示している。これに対し、錫
の場合には、532.5エレクトロンボルトのピークが存在
せず、530エレクトロンボルトのピークのみが存在す
る。これは1つの状態の酸素が抜けていることを示して
おり、錫と酸化物超伝導体が反応していることを示して
いる。従って金等の金属では金属的挙動を示し、錫等の
卑金属では半導体的な挙動を示す。
(b)スポット溶接法 この方法は、公知のスポット溶接装置または同装置と
同様の原理の装置を用いて実施することができる。
第4図は本発明の実施例で用いた装置の構成を概略的
に示したものである。この例では台板15の上に板状の酸
化物超伝導体1を配置し、この酸化超伝導体の接合部形
成面(この例では上面)1aに棒状に形成された1対の課
電用接触子16,17を平行に配置して対向させる。課電用
接触子16,17は、酸化物超伝導体1の接合部形成面1aと
平行な方向に所定の間隔dを隔てて配置し、接合部形成
面1aと直角な方向に移動し得るようにしておく。
また課電用接触子16,17は配線18,19を通してスポット
溶接用電源装置20に接続し、該電源装置から接触子16,1
7間に第5図に示すようなパルス状の電圧を印加し得る
ようにする。
接合部を形成するに当っては、先ず課電用接触子16,1
7の先端と酸化物超伝導体1との間に、銀、金、白金ま
たはこれらの合金等からなる金属2を挟み込み、図示し
ない加圧装置により課電用接触子16,17を酸化物超伝導
体1側に加圧する。この状態で電源装置20から課電用接
触子16,17間にパルス状の電圧を印加し、電源装置20→
接触子16→金属2→酸化物超伝導体1→金属2→接触子
17→電源装置20の経路及び(または)電源装置20→接触
子16→金属2→接触子17→電源装置20の経路で電流を流
す。これにより金属2と酸化物超伝導体1との接触部付
近に発熱を生じさせ、金属2を酸化物超伝導体1に接合
する。
実施例では、酸化物超伝導体1として臨界温度Tcが93
[K]のYBa2Cu3O7−δを用い、金属2として直径50μ
mの銀線を用いた。課電用接触子16,17としては銅クロ
ム合金からなるものを用い、両接触子間の距離dは0.25
mmとした。そして70Kg/cm2の加圧力で接触子16,17を酸
化物超伝導体1側に加圧しつつ、溶接電源装置20から接
触子16,17間に波高値が1V、パルス幅t(第5図参照)
が30msecのパルス電圧を印加したところ、金属2と酸化
物超伝導体1との間に接合部を形成することができた。
接合部の面積は2×10-4cm2であった。
このようにして得られた接合部3の温度による抵抗値
変化は、半導体的な挙動を示すので、これを温度感知部
として用いることができる。
磁気センサを得るためには、接合部3の温度による抵
抗値変化が金属的な挙動を示すようにする必要があり、
そのためには、接合部3を酸素雰囲気中で、熱処理する
必要がある。実施例では超伝導体1に金属2を接合した
サンプルを酸素雰囲気の熱処理炉に入れ、1時間熱処理
した。400℃,500℃及び600℃で熱処理を行ったものにつ
いて接合部の特性を調べたところ、500℃の温度で熱処
理を行ったサンプルの接合部及び600℃の温度で熱処理
を行ったサンプルの接合部が金属的挙動を示すことが明
らかになった。
上記のように、超音波ボンディング法により超伝導体
と金、銀、白金またはこれらの合金とを接合することに
より、金属的挙動を示す接合部を得ることができ、同じ
く超音波ボンディング法により、酸化物超伝導体と錫、
亜鉛、アルミニウムまたは銅等の卑金属とを接合するこ
とにより、半導体的な挙動を示す接合部を得ることがで
きる。
またスポット溶接法により超伝導体と金属とを接合す
ることにより、半導体的挙動を示す接合部を得ることが
でき、これを酸素雰囲気中で500℃ないし600℃で熱処理
することにより金属的挙動を示す接合部を得ることがで
きる。
上記接合部の特性を利用して磁気センサまたは温度セ
ンサを構成する場合、磁場または温度の変化に伴う接合
部の抵抗値の変化を電気信号として取出すことになる
が、この場合、接合部を通して一定の電流を流したとき
の接合部の両端の電圧降下を測定するようにしてもよ
く、接合部に定電圧を印加した状態で接合部を通して流
れる電流を測定するようにしてもよい。また接合部に印
加した電圧と該電圧により接合部を通して流れる電流と
から、抵抗値を演算するようにしてもよい。
上記の原理を用いて実際にセンサを構成する際には、
給電及び測定を容易にするために1つの酸化物超伝導体
に複数の接合部を形成することが好ましい。第6図
(A)及び(B)は接合部の設け方の例を示したもの
で、第6図(A)の例では、酸化物超伝導体1に3本の
金属線2Aないし2Cを接合して接合部3Aないし3Cを形成し
ている。この場合、接合部3Aないし3Cはそれぞれの相互
間に存在する超伝導体を介して横方向に直列に接続され
ている。このような構成のセンサにより磁気または温度
を検出する場合には、金属線2Aと2Cとの間に電流計4を
介して定電流源5を接続し、金属線2Aと2Bとの間に電圧
計6を接続する。そして定電流源5から接合部3A,3B及
び3Cを通して電流を流し、電圧計6により直列に接続さ
れた接合部3Bと3Cの間に電圧を測定する。このようなセ
ンサの構成方法を3端子法と呼ぶことにする。この方法
による場合には、第7図に示すように、長めの金属線2A
の中間部を酸化物超伝導体1に接合して接合部3Aを形成
し、この金属線2Aの一端及び他端をそれぞれ端子8a1及
び8a2に接続する。また金属線2B及び2Cの一端を酸化物
超伝導体1に接合して接合部3B及び3Cを形成し、これら
の金属線2B及び2Cの他端をそれぞれ端子8b及び8cに接続
する。そして端子8a1,8c間に電流計4を介して定電流源
5を接続し、端子8a2,8b間に電圧計6を接続する。
また第6図(B)に示した例では、酸化物超伝導体1
に金属線2Aと2Bとを接合して接合部3A及び3Bを形成し、
金属線2A,2B間に、電流計4を介して定電流源5を接続
するとともに電圧計6を接続する。このようなセンサの
構成方法を2端子法と呼ぶことにする。この場合も、各
端子から2本の金属線を引出す構造とするために、長め
の金属線2A及び2Bの中間部を酸化物超伝導体1に接合し
て接合部3A及び3Bを形成し、これらの金属線2A及び2Bの
それぞれの両端を外部端子8a1,8a2及び8b1,8b2に接続す
る。そして端子8a1,8b1間に電流計4を介して定電流源
5を接続し、端子8a2,8b2間に電圧計6を接続する。
酸化物超伝導体1として、臨界温度Tcが93KのYBa2Cu3
O7−δを用い、金属線2Aないし2Cとして直径50μmの
銀線を用いて、超音波ボンディング法により金属線2A〜
2Cと超伝導体1とを接合して接合部3A〜3Cを形成し、そ
の後酸素雰囲気中で500℃の温度で1時間熱処理を行っ
て、各接合部が金属的な挙動を示す第7図に示す構造の
3端子法のセンサを製作した。
このようにして製作したセンサについて、第6図
(A)及び第7図に示すように定電流源5、電流計4及
び電圧計6を接続し、センサを第11図(A)に示すよう
に、電磁石の磁極NS間に、磁場に対して直角に配置し
て、センサ近傍の磁束密度の大きさを種々変化させて電
流値を変えたときの電圧値の変化を測定した。周囲温度
は77K(一定)とした。その結果は第9図に示す通りで
ある。同図の各曲線に付記した数値は磁束密度[ガウ
ス]を示している。尚磁束密度はホール素子を用いたガ
ウスメータにより測定した。
この第9図の曲線から20mA,40mA及び60mAの各電流を
流した場合について磁束密度に対する抵抗値の変化を求
めたところ、第10図のような結果が得られた。この結果
から、磁束密度に対して接合部の抵抗値が変化し、特に
10ガウス以下の弱い磁束密度に対して高感度で抵抗値が
変化することが分る。
尚第10図の結果ではデータに若干のばらつきが見られ
るが、これはガウスメータによる測定誤差に基くものと
思われる。
尚上記の磁気センサを動作させるには、センサの温度
を酸化物超伝導体の臨界温度以下の一定の温度に保つこ
とが必要である。
次に電流値を40mA(一定)とし、センサの電極面を、
第11図(B)に示すように磁場に対して水平にした場
合、及び同図(C)に示すように45度傾けて配置した場
合の磁束密度に対する抵抗値変化を測定した。その結果
を、第10図の40mAのデータとともに図示すると、第12図
のようになる。この結果から、本発明の磁気センサは磁
場とセンサとの間の位置関係の影響をほとんど受けず、
指向性をほとんど持たないことが明らかになった。
次に酸化物超伝導体1として臨界温度Tcが93[K]の
YBa2Cu3O7−δを用い、金属線2Aないし2Cとして直径50
μmの銀線を用いて、スポット溶接法により金属線2A〜
2Cと超伝導体1とを接合して接合部3A〜3Cを形成し、捏
処理を行わずに各接合部が半導体的な挙動を示す第7図
に示す構造の3端子法のセンサを製作した。
このセンサについて、通電電流を10mA(一定)として
接合部の抵抗の温度に対する変化を測定したところ、第
13図の結果が得られた。接合部の抵抗値は、室温から温
度を下げていくに従って徐々に上昇し、93[K]で落込
んだ後再び上昇する。抵抗値の落込みが生じる温度は超
伝導体物質により決まるもので、本発明の温度センサに
固有の値(この例では超伝導体の臨界温度Tcに一致して
いる。)であり、温度の基準値として用いることができ
る。
またこの温度センサは、磁気の影響を受けないという
特徴がある。第14図は温度80[K]及び40[K]におい
てそれぞれセンサに対して垂直に(第11図(A)の状態
で)0〜300ガウスの磁場を与えたときの接合部の抵抗
値変化を示したものであり、接合部の抵抗値は磁場によ
っては変化しなかった。この結果から、本発明の温度セ
ンサでは磁場が温度の測定結果に影響を与えないことが
明らかになった。
尚接合部の抵抗値が磁場により変化せずに温度によっ
てのみ変化する上記の特性は、臨界温度を超える領域で
も見られる。
本発明のセンサは、常伝導体の金属と酸化物超伝導体
との接合部の特性を利用するものであるため、酸化物超
伝導体の部分が測定値に影響を与えない超伝導領域(臨
界温度以下の温度領域)で使用するのが好ましい。しか
し、本発明の温度センサは、第13図に見られるように、
臨界温度を超える領域でも接合部の抵抗値が温度によっ
て変化するので、この領域でも温度センサとして用いる
ことができる。
上記の例では、スポット溶接法により接合部を形成す
ることにより温度センサを得ているが、超伝導体に接合
する金属として錫、亜鉛、アルミニウムまたは銅等の卑
金属を用いて超音波ボンディング法により接合部を形成
することによっても温度センサを得ることができる。
以上磁気センサ及び温度センサの実施例について説明
したが、同一の酸化物超伝導体1の上に金属的挙動を示
す1組の(3端子法または2端子法のセンサを構成する
のに必要な数の)接合部と1組の半導体適な挙動を示す
接合部との双方を形成することにより、磁気の検出と温
度の検出との双方を行うことができるハイブリッドセン
サを得ることができる。この場合、超音波ボンディング
法により酸化物超伝導体に金、銀、白金またはこれらの
合金を接合することにより金属的挙動を示す接合部を形
成し、同じ酸化物超伝導体に超音波ボンディング法によ
り錫、亜鉛、アルミニウムまたは銅等の卑金属を接合し
て半導体的な挙動を示す接合部を形成することにより、
同じ接合方法を用いて温度と磁気とを検出し得るハイブ
リッドセンサを製作することができる。
また酸化物超伝導体に金、銀、白金またはこれらの合
金を超音波ボンディング法により接合して磁気センサ用
の接合部を形成する工程と、同じ酸化物超伝導体に常伝
導体の金属(特に限定されない)をスポット溶接法によ
り接合して温度センサ用接合部を形成する工程とを任意
の順序で行うことによってもハイブリッドセンサを得る
ことができる。
上記の実施例では、酸化物超伝導体としてYBa2Cu3O
7−δを用いたが、Bi2Sr2Ca2Cu3Oy、(Bi1-xPbx)2Sr2
Ca2Cu3Oy′、またはTl2Ba2Ca2Cu3Oy″を用いることが
できる。また、板状のものを用いたが、薄膜の酸化物超
伝導体を用いることもできる。薄膜の酸化物超伝導体を
用いると、現在使われている半導体の製造技術を利用し
て簡単に製造することができる。
また磁気センサ用の接合部を複数組設けることによ
り、磁束密度の分布を測定するセンサを得ることもでき
る。
磁気センサの場合には、その接合部の温度を臨界温度
以下のある一定の温度に保つ手段が必要であるが、上記
のようなハイブリッドな構成をとると、温度センサによ
り磁気センサの周囲の温度を検出できるため、磁気セン
サの周囲の温度を一定に管理する上で有利である。
[発明の効果] 以上のように、本発明によれば、酸化物超伝導体に常
伝導体の金属を接合するという簡単な構成で、磁気セン
サまたは温度センサを構成できる利点がある。
特に磁気センサの接合部の抵抗は弱い磁束密度に対し
て大幅に変化するため、弱い磁場の測定を高感度で行う
ことができる特長がある。またこの磁気センサは指向性
をほとんど持たないという特長がある。
更に本発明の温度センサは、磁場の影響を受けずに温
度を精度良く検出することができる利点がある。
また本発明によれば、1つの超伝導体に第1及び第2
の金属を接合して金属的な挙動を示す第1の接合部と半
導体的な挙動を示す第2の接合部とを形成することによ
り、磁気と温度との双方を検出するハイブリッドセンサ
を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明のセンサを構成する接合部の構成を示す
構成図、第2図は接合部の金属的な挙動と半導体的な挙
動とを説明する線図、第3図は超音波ボンディング法を
実施する装置の構成図、第4図はスポット溶接法を実施
する装置の構成図、第5図はスポット溶接法を行う際に
接触子に印加する電圧波形を示す波形図、第6図
(A),(B)は本発明のセンサの異なる構成例を示す
構成図、第7図は第6図(A)のセンサの概略構成を示
す上面図、第8図(a)ないし(c)は錫と金と酸化物
超導電体とについて酸素の結合状態を分析した結果を示
す線図、第9図は本発明に係わる磁気センサの接合部の
電流対電圧特性を種々の磁束密度について示した線図、
第10図は同センサの接合部の抵抗の磁束密度に対する特
性を種々の電流値についてプロットした特性図、第11図
(A)ないし(C)はセンサへの磁界のかけかたの異な
る例を示した説明図、第12図は同センサの磁界に対する
姿勢を種々異ならせた場合について、接合部の抵抗の磁
束密度に対する特性をプロットした特性図、第13図は本
発明に係わる温度センサの接合部の抵抗の温度に対する
変化の一例を示した特性図、第14図は同センサの接合部
の抵抗の磁束密度に対する特性を示した線図である。 1……酸化物超伝導体、2,2A〜2C……金属、3,3A〜3C…
…接合部。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 四谷 任 大阪府大阪市西区江之子島2丁目1番53 号 大阪府立産業技術総合研究所内 (72)発明者 小川 倉一 大阪府大阪市西区江之子島2丁目1番53 号 大阪府立産業技術総合研究所内 (72)発明者 青山 隆浩 大阪府大阪市淀川区田川2丁目1番11号 株式会社ダイヘン内 (72)発明者 三宅 修治 大阪府大阪市淀川区田川2丁目1番11号 株式会社ダイヘン内

Claims (12)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】酸化物超伝導体と常伝導体の金属とを接合
    して該超伝導体と金属との間に温度による抵抗値変化が
    金属的な挙動を示す接合部を形成し、前記接合部を磁気
    感知部としたことを特徴とするセンサ。
  2. 【請求項2】前記接合部は超音波ボンディング法または
    スポット溶接法により形成されたものである請求項1に
    記載のセンサ。
  3. 【請求項3】前記接合部はスポット溶接法により形成さ
    れて熱処理が施されたものである請求項1に記載のセン
    サ。
  4. 【請求項4】前記金属は、金、銀、白金及びこれらの合
    金からなる金属群の中から選択されている請求項2また
    は3に記載のセンサ。
  5. 【請求項5】酸化物超伝導体と常伝導体の金属とを接合
    して該超伝導体と金属との間に温度による抵抗値変化が
    半導体的な挙動を示す接合部を形成し、前記接合部を温
    度感知部としたことを特徴とするセンサ。
  6. 【請求項6】前記接合部は超音波ボンディング法により
    形成されたものである請求項5に記載のセンサ。
  7. 【請求項7】前記金属は、錫、亜鉛、アルミニウム及び
    銅からなる金属群の中から選択されている請求項6に記
    載のセンサ。
  8. 【請求項8】前記接合部はスポット溶接法により形成さ
    れたものである請求項5に記載のセンサ。
  9. 【請求項9】酸化物超伝導体に常伝導体からなる第1の
    金属及び第2の金属を接合して前記超伝導体と第1の金
    属との間に温度による抵抗値変化が金属的な挙動を示す
    第1の接合部を、また前記超伝導体と第2の金属との間
    に温度による抵抗値変化が半導体的挙動を示す第2の接
    合部をそれぞれ形成し、前記第1の接合部及び第2の接
    合部をそれぞれ磁気感知部及び温度感知部としたことを
    特徴とするセンサ。
  10. 【請求項10】前記各接合部は超音波ボンディング法に
    より形成されたものであって、前記第1の金属は、金、
    銀、白金及びこれらの合金からなる金属群の中から選択
    され、前記第2の金属は、錫、亜鉛、アルミニウム及び
    銅からなる金属群の中から選択されている請求項9に記
    載のセンサ。
  11. 【請求項11】前記第1の接合部は超音波ボンディング
    法により形成された接合部であり、また前記第2の接合
    部はスポット溶接法により形成されたものであり、前記
    第1の金属は金、銀、白金及びこれらの合金からなる金
    属群の中から選択されていることを特徴とする請求項10
    に記載のセンサ。
  12. 【請求項12】前記酸化物超伝導体はYBa2Cu3O7−δ
    Bi2Sr2Ca2Cu3Oy、(Bi1-xPbx)2Sr2Ca2Cu3Oy′、また
    はTl2Ba2Ca2Cu3Oy″のセラミックスまたは薄膜からな
    っている請求項1ないし11のいずれか1つに記載のセン
    サ。
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