JP3093325B2 - 超伝導磁気センサ及びこのセンサを用いた磁界の測定方法 - Google Patents

超伝導磁気センサ及びこのセンサを用いた磁界の測定方法

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JP3093325B2
JP3093325B2 JP03144830A JP14483091A JP3093325B2 JP 3093325 B2 JP3093325 B2 JP 3093325B2 JP 03144830 A JP03144830 A JP 03144830A JP 14483091 A JP14483091 A JP 14483091A JP 3093325 B2 JP3093325 B2 JP 3093325B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、地磁気のような微小磁
界の3次元的な測定を行うのに適した磁界の測定方法に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】磁界は3次元的なベクトル量であり、磁
気応用の分野で3次元直交座標系を用いて磁界の測定を
行う場合には、被測定磁界の大きさ(絶対値)と、X方
向成分ないしZ方向成分のそれぞれの大きさと方向とを
特定することが必要である。
【0003】従来、磁界を測定する方法としては、半導
体のホール効果を利用したホール素子や、半導体や磁性
体等の磁気抵抗効果を利用した磁気抵抗素子をセンサと
して用いる方法が知られている。これらの素子を用いて
磁界を3次元的に測定する場合には、3個のセンサを互
いに直交させて配置し、該3個のセンサから得られる信
号に基いてX方向ないしZ方向の磁界成分を測定するよ
うにしている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ホール素子や磁気抵抗
素子等のセンサを用いた場合の測定範囲はせいぜい数ガ
ウス〜数十キロガウスのオーダーであり、微小磁界の測
定はできなかった。また従来のセンサを用いた方法では
空間分解能が悪いという問題があった。
【0005】弱い磁界を測定する方法としては、パーマ
ロイ等の磁心に検出巻線を巻回したフラックスゲートを
センサとして用いて、該フラックスゲートに被測定磁界
が印加されたときに生じる検出巻線の出力の変化から磁
界を測定する方法が知られている。
【0006】また核磁気共鳴(NMR)を利用した磁界
センサや、電子スピン共鳴(ESR)を利用したセンサ
を用いる方法、或いはジョセフソン効果の磁界による干
渉性を利用して磁界を高感度で測定する超伝導量子干渉
計[スクイド(SQUID)と呼ばれる。]を用いる方
法も知られている。スクイドを用いれば、10-9[Gaus
s] 程度までの小さな磁束密度を測定することができ
る。
【0007】しかしながらフラックスゲート、NMR、
ESR、或いはスクイドはその構造が複雑であるため、
集積化及び小形化が困難であるという問題があった。
【0008】本発明の目的は、小形化及び集積化が容易
で簡単な構造のセンサを用いて微小磁界の3次元的な測
定を行うことができるようにした磁界の測定方法を提案
することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明では、磁界の測定
手段として超伝導磁気センサを用いる。本発明で用いる
超伝導磁気センサにおいては、超伝導体からなる1つの
基体に互いに直角をなす3つの平坦な磁気感知面が形成
されて該3つの磁気感知面のそれぞれに常伝導体の金属
からなる共通電極と電流電極と電圧電極とが接合され、
該3つの磁気感 知面とそれぞれの磁気感知面に接合され
た共通電極と電流電極と電圧電極とにより3つの磁気検
知部が構成されている
【0010】ここで被測定磁界H中におかれた該センサ
の3つの磁気検知部をX方向磁気検知部、Y方向磁気検
知部及びZ方向磁気検知部として、該X方向磁気検知
部、Y方向磁気検知部及びZ方向磁気検知部のそれぞれ
の磁気感知面と直角な方向を3次元直交座標系のX軸、
Y軸及びZ軸の方向とする。
【0011】本明細書では磁界のベクトル量をHで表
し、その絶対値をHsで表すものとする。また磁界Hの
X成分ないしZ成分をそれぞれHxないしHzで表すも
のとする。
【0012】次にセンサの温度を超伝導体の臨界温度以
下に保ち、該3つの磁気検知部の共通電極と電流電極と
を通して定電流を流した状態で共通電極と電圧電極との
間に生じる電圧をそれぞれX方向磁気検知電圧Ex,Y
方向磁気検知電圧Ey及びZ方向磁気検知電圧Ezとす
る。
【0013】またセンサのX方向における磁界の大き
さ、Y方向における磁界の大きさ、及びZ方向における
磁界の大きさをそれぞれX方向磁界量Fx、Y方向面磁
界量Fy及びZ方向磁界量Fzとする。
【0014】本発明のセンサとしては、X方向磁気検知
電圧Ex、Y方向磁気検知電圧Ey及びZ方向磁気検知
電圧Ezがそれぞれ(Fy2 +Fz2 ),(Fx2 +F
2)及び(Fy2 +Fx2 )に比例する特性を有する
ものを用いる。
【0015】被測定磁界の大きさを測定する本発明の測
定方法では、センサの磁界Hに対するX方向磁気検知電
圧Exの特性、磁界Hに対するY方向磁気検知電圧Ey
の特性及び磁界Hに対するZ方向磁気検知電圧Ezの特
性を予め求めておく。そしてExと(Fy2 +Fz
2 ),Eyと(Fx2 +Fz2 )及びEzと(Fy2
Fx2 )のそれぞれの比例関係から磁界Hの大きさHs
=(Fx2 +Fy2 +Fz21/2 を求める。
【0016】更に被測定磁界の方向を測定する場合に
は、磁界HのX方向成分Hx、Y方向成分Hy及びZ方
向成分HzをそれぞれHx=±Fx,Hy=±Fy,H
z=±Fz)とし、X軸の方向、Y軸の方向及びZ軸の
方向からそれぞれセンサに交番磁界を与えたときに、X
方向磁気検知部ないしZ方向磁気検知部からそれぞれ検
出されるX方向磁気検知電圧ExないしZ方向磁気検知
電圧Ezを求めて、これらの検知電圧からそれぞれ交番
磁界の周波数に等しい周波数の成分を取り出し、取り出
した成分の位相を交番磁界と同周波数、同位相の参照電
圧の位相と比較することにより被測定磁界のX方向成分
HxないしZ方向成分Hzの符号を決定する過程を更に
行う。
【0017】上記常伝導体の金属は、金、銀、白金及び
これらの合金からなる金属群の中から選択することがで
きる。
【0018】上記超伝導体としてはYBa2 Cu3
7-δ、Bi2 Sr2 Ca2 Cu3 Oy、(Bi1-x Pb
x)2 Sr2 Ca2 Cu3、またはTl2 Ba2
2 Cu3y"のセラミックスまたは薄膜を用いること
ができる。
【0019】
【作用】本発明者は、超伝導体と常伝導体の金属との接
合部に磁界を与えると、該接合部の抵抗が磁界に応じて
変化することを確認した。これは、超伝導体と常伝導体
金属との接合部の界面の厚みが薄い領域(磁界侵入長程
度の厚みの領域)に磁力線が侵入すると、該接合部を通
して流れている電流が臨界電流以下であっても局部的に
超伝導性が失われ、接合部付近の超伝導体に抵抗が現れ
ることによると思われる。
【0020】上記超伝導磁気センサの磁気感知面に対し
て垂直に磁界が与えられると、マイスナー効果により磁
界は磁気感知面の周囲の基体端部に集中する。このとき
磁気感知面では磁力線が反発され、共通電極と超伝導体
との接合部は磁界の影響を受けない。この状態での共通
電極の接合部の抵抗は常伝導体の金属の抵抗に基づいて
生じる抵抗のみである。磁界が印加された場合の共通電
極の接合部の抵抗変化を高感度で検出するためには、こ
の接合部の抵抗をできるだけ低くしておくことが好まし
い。
【0021】共通電極と電流電極とを通して定電流を流
した状態で共通電極と電圧電極との間の電圧を磁気検知
電圧として検出すると、該磁気検知電圧はセンサの磁気
感知面と磁界が成す角により変化し、磁気感知面が磁界
の方向と直交する方向にあるときに最小になり、該磁気
感知面が磁界の方向と平行になったときに最大になる。
【0022】上記のセンサにおいて、X方向磁気検知部
ないしZ方向磁気検知部の「X方向」ないし「Z方向」
はそれぞれの磁気感知面がX方向ないしZ方向を向いて
いる(X軸ないしZ軸がそれぞれの磁気感知面に対して
直角な方向に伸びている)ことを意味する。
【0023】X方向磁気検知部はその磁気感知面がX方
向と直交しているため、該X方向磁気検知部から得られ
るX方向磁気検知電圧Exは磁界の方向がX軸方向に一
致しているときに最小になり、磁界の方向がY軸または
Z軸の方向に一致しているときに最大になる。
【0024】またY方向磁気検知部は、その磁気感知面
がY方向と直交しているため、該Y方向磁気検知部から
得られるY方向磁気検知電圧Eyは磁界の方向がY軸方
向に一致しているときに最小になり、磁界の方向がX軸
またはZ軸の方向に一致しているときに最大になる。
【0025】更にZ方向磁気検知部は、その磁気感知面
がZ方向と直交しているため、該Z方向磁気検知部から
得られるZ方向磁気検知電圧Ezは磁界の方向がZ軸方
向に一致しているときに最小になり、磁界の方向がX軸
またはY軸の方向に一致しているときに最大になる。
【0026】ここでセンサのX方向における磁界の大き
さ、Y方向における磁界の大きさ、及びZ方向における
磁界の大きさをそれぞれX方向磁界量Fx、Y方向磁界
量Fy及びZ方向磁界量Fzとする。
【0027】本発明において被測定磁界の大きさを測定
する場合には、超伝導体を臨界温度以下の温度に保ち、
3つの磁気検知部の共通電極と電流電極とを通して定電
流を流した状態で、センサの磁界Hに対するX方向磁気
検知電圧Exの特性、磁界Hに対するY方向磁気検知電
圧Eyの特性及び磁界Hに対するZ方向磁気検知電圧E
zの特性を予め求めておく。これらの特性においては、
Ex,Ey及びEzがそれぞれ(Fy2 +Fz2 ),
(Fx2 +Fz2 )及び(Fy2 +Fx2 )と比例関係
を有する。これらの比例関係から磁界Hの大きさHs=
(Fx2 +Fy2+Fz21/2 を求める。
【0028】次に被測定磁界の方向を測定する場合に、
X軸の方向からセンサに交番磁界を与えると、Y方向磁
気検知部及びZ方向磁気検知部からそれぞれ検出される
Y方向磁気検知電圧Ey及びZ方向磁気検知電圧Ezに
交流成分が含まれる。このとき被測定磁界がX軸の正方
向に向いている場合には、磁気検知電圧Ey及びEzに
それぞれ含まれる交番磁界と周波数が等しい交流成分の
位相はX軸方向から加えた交番磁界と同位相になる。こ
れに対し、被測定磁界がX軸の負方向に向いている場合
には、磁気検知電圧Ey及びEzに含まれる交番磁界と
周波数が等しい交流成分の位相が交番磁界の位相と逆位
相になる。したがってX軸方向から交番磁界を与えて、
Y方向磁気検知電圧またはZ方向磁気検知電圧に含まれ
る交番磁界と周波数が等しい交流成分の位相を判定する
ことにより、被測定磁界がY方向磁気感知面上またはZ
方向磁気感知面上でX軸の正方向に向いているかまたは
負方向に向いているかが分る。
【0029】同様に、Y軸方向からセンサに交番磁界を
与えた場合には、X方向磁気検知電圧Ex及びZ方向磁
気検知電圧Ezにそれぞれ含まれる交番磁界と周波数が
等しい交流成分の位相を判定することにより、被測定磁
界がX方向磁気感知面及びZ方向磁気感知面上でY軸の
正負のいずれの方向に向いているかを知ることができ
る。
【0030】またZ軸方向からセンサに交番磁界を与え
てX方向磁気検知電圧Ex及びY方向磁気検知電圧Ez
にそれぞれ含まれる交番磁界と周波数が等しい交流成分
の位相を判定することにより、被測定磁界がX方向磁気
感知面及びZ方向磁気感知面上でZ軸の正負のいずれの
方向に向いているかを知ることができる。
【0031】上記のように、超伝導体からなる1つの基
体に互いに直角をなす3つの磁気感知面を形成して、そ
れぞれの磁気感知面に共通電極と電流電極と電圧電極と
を接合することにより3つの磁気感知部を構成すると、
3つの磁気センサを用いる場合のように面倒な位置合わ
せを行うことなく、1つの磁気センサで微小磁界の3次
元的な測定を行うことができる。
【0032】
【実施例】以下添付図面を参照して本発明の実施例を説
明する。
【0033】[センサの原理] 図1は本発明で用いる超伝導磁気センサ10の基本構成
を示したもので、同図において11は酸化物超伝導体ま
たは金属系超伝導体からなる基体である。この基体11
は直方体ないしは立方体の形に形成され、該基体の互い
に直角を成す3つの面11xないし11zがそれぞれX
方向磁気感知面ないしZ方向磁気感知面となっている。
X方向磁気感知面11xには共通電極q1xと電流電極q
2xと電圧電極q3xとが形成されている。これらの電極は
常伝導体の金属から成る細線を基体11に接合すること
により形成される。電極q1xないしq3xは、磁気感知面
11x上に所定の間隔をあけて一直線上に並べた状態で
設けられている。
【0034】同様にY方向磁気感知面11yに常伝導体
の金属が接合されて共通電極q1yと電流電極q2yと電圧
電極q3yとが形成され、Z方向磁気感知面11zに常伝
導体の金属が接合されて共通電極q1zと、電流電極q2z
と、電圧電極q3zとが形成されている。
【0035】電極q1y〜q3y相互間の間隔及び電極q1z
〜q3z相互間の間隔は電極q1x〜q3x相互間の間隔に等
しく設定されている。
【0036】常伝導体の金属と超伝導体の基体との接合
は、超音波ボンディング法またはスポット溶接法により
行うことができる。
【0037】本実施例の共通電極q1x〜q1zは、所定の
長さの銀線L1x〜L1zの中点を基体11に接合すること
により形成し、銀線L1x〜L1zの両端をそれぞれ定電流
電源用端子axないしaz及び電圧検出端子bx〜bz
としている。
【0038】また他の電極q2x〜q2z及びq3x〜q3z
は、それぞれ所定の長さの銀線L2x〜L2z及びL3x〜L
3zの一端を基体11に接合することにより形成し、それ
ぞれの他端をそれぞれ電流電源用端子ax'〜az'及び電
圧検出端子bx'〜bz'としている。
【0039】上記磁気感知面11x〜11zとそれぞれ
の面に接合された電極とによりX方向磁気検知部13x
ないしZ方向磁気検知部13zが構成されている。
【0040】実施例では、各電極を形成する金属として
銀を用いたが、金、白金またはこれらの合金等の他の常
伝導体金属を用いることもできる。各電極を構成する金
属としては貴金属を用いるのが好ましいが、本発明で用
いる常伝導体金属は超伝導体の基体11に接合した際に
超伝導体の特性を完全に損なわないものであれば良く、
貴金属以外の他の金属を用いても良い。
【0041】ここで図2ないし図4を参照して上記セン
サの原理を詳細に説明しておく。今図2に示すように、
超伝導体からなる基体1に形成した磁気感知面1aに共
通電極q1 、電流電極q2 及び電圧電極q3 を形成した
センサ(本発明で用いるセンサの1つの磁気検知部に相
当する。)を考え、図3に示すように、このセンサの磁
気感知面1aに垂直な方向の磁界Hを与えると、マイス
ナー効果により磁力線が基体1の磁気感知面1aから排
除され、基体1の両端側に磁力線が集中する。この状態
では、共通電極q1 及び電流電極q2 が磁界の影響を受
けないため、定電流源4から共通電極q1 及び電流電極
q2 を通して電流を流しても基体1の超伝導性は失われ
ない。このときの電圧検出手段5により検出される共通
電極q1と電圧電極q3 との間の電圧は、共通電極q1
を構成する常伝導体の金属の抵抗による電圧降下だけで
ある。
【0042】次に磁界Hが磁気感知面1aに対してなす
角θを変えていくと、電圧検出手段5により検出される
電圧が増大していき、図4に示すようにセンサの磁気感
知面1aに沿う方向の磁界Hを与えたとき(θ=0とし
たとき)に電圧検出手段5により検出される電圧が最大
になる。
【0043】これは次の理由によるものと思われる。即
ち、磁力線が磁気感知面1aに接する状態になると、磁
気感知面1aの表面付近の極薄い層(磁場侵入長λ
程度)から磁力線が侵入する。電極q1 ,q2 の接合部
付近には定電流源4から臨界電流に比較的近い大きさの
電流が流れているため、磁気感知面の表面層に磁力線が
侵入すると接合部付近の超伝導性が局部的に失われ、超
伝導性が失われた部分の抵抗値が増大する。この状態で
は、共通電極q1 の接合部の抵抗値が増大した分だけ共
通電極q1 と電圧電極q3 との間の電圧が高くなり、電
圧検出手段5により検出される電圧が高くなる。
【0044】上記のように、電圧検出手段5により検出
される電圧は、磁界Hの大きさと磁界Hが磁気感知面1
aに対してなす角θとにより決まるため、この電圧を磁
気検知電圧として検出することにより磁界を測定するこ
とができる。
【0045】定電流源4から共通電極q1 と電流電極q
2 とを通して流す電流Iは、基体1を構成する超伝導体
の臨界電流と、周囲温度(臨界温度以下)とを勘案して
適値に設定する。周囲温度及び(または)電流Iの大き
さにより磁界の測定感度を調整することができる。
【0046】本発明で用いるセンサ10は、図2に示し
たセンサを1つの磁気検知部として該磁気検知部を3つ
設け、該3つの磁気検知部の磁気感知面を互いに直角を
成すように配置したものに相当する。
【0047】本発明の実施例では、先ずYBa2 Cu3
7-δの仮焼粉を3[ton/cm2 ]の加圧力でプレス成形
して厚さ1.5[mm]、直径14[mm]の円板状ペレッ
トを製作した。このペレットを酸素雰囲気の炉内に入れ
て図5に示した温度過程を経て焼成することにより、臨
界温度が93[K] の酸化物超伝導体を製造した。
【0048】この酸化物超伝導体のバルクを1.5×
1.5×12mmの直方体状にカットして基体11を形成
し、この基体11の3つの表面に直径50μm の銀線を
用いて、超音波ボンディング法により前述の電極q1x〜
q3x、q1y〜q3y及びq1z〜q3zを同じ間隔で形成し
た。各電極の面積は3.0 ×10-4[cm2 ]であった。電極
形成後、500 ℃で1時間熱処理を行った。
【0049】ここで、3次元直交座標系のX軸方向にお
ける磁界の大きさ、Y軸方向における磁界の大きさ、及
びZ軸方向における磁界量の大きさをそれぞれX方向磁
界量Ex、Y方向磁界量Fy及びZ方向磁界量Fzとす
る。
【0050】またセンサの温度を超伝導体の臨界温度以
下の温度に保ち、前述した3つの磁気検知部の共通電極
と電流電極とを通して定電流を流した状態で共通電極と
電圧電極との間に生じる電圧をそれぞれX方向磁気検知
電圧Ex,Y方向磁気検知電圧Ey及びZ方向磁気検知
電圧Ezとする。
【0051】本発明のセンサ10においては、上記X方
向磁気検知電圧Ex、Y方向磁気検知電圧Ey及びZ方
向磁気検知電圧Ezがそれぞれ(Fy2 +Fz2 ),
(Fx2 +Fz2 )及び(Fy2 +Fx2 )に比例する
特性を有する。
【0052】[被測定磁界の大きさの測定] 本発明の磁界測定方法を実施する際には、上記のような
特性を有する超伝導磁気センサ10を用い、図6に示し
たように、このセンサの共通電極q1x〜q1zと電流電極
q2x〜q2zとの間にそれぞれ定電流源14x〜14z
(共通電極と電流電極とを通して定電流を流す手段)
を、また共通電極q1x〜q1zと電圧電極q3x〜q3zとの
間にそれぞれ電圧計15x〜15z(電圧検出手段)を
接続する。定電流源14x〜14zを通して共通電極と
電流電極との間に流す電流は、基体11を構成する超伝
導体の臨界電流値よりも所定値だけ小さく設定してお
く。
【0053】上記の方法により製作したセンサ10を液
体窒素により冷却し、種々の温度Tに保って、3つの磁
気検知部13x〜13zのそれぞれの共通電極と電流電
極とを通して順次定電流I[mA]を流して、各磁気検知
部の共通電極と電圧電極との間に得られる磁気検知電圧
E[mV]を測定した。1つの磁気検知部についての測定
結果を図7に示した。図7においてパラメータT=11K
〜100 Kはセンサの温度を示している。センサの温度が
臨界温度(93K)よりも高い場合には、電流Iと磁気検
知電圧Eとの関係が線形になり、該センサの温度が臨界
温度以下の場合には電流Iと磁気検知電圧Eとの関係が
非線形になる。磁界の測定を行うためには、センサ2の
温度を臨界温度以下として電流I対電圧Eの特性を非線
形とする必要がある。
【0054】次に電流Iを一定(=100mA )として、磁
界Hの磁気感知面11yに対する入射角θをパラメータ
として各磁気検知部について磁気検知電圧E[mV]と磁
界H[Gauss ]との関係を求めたところ、各磁気検知部
について図8に示すような結果が得られた。
【0055】また一定の大きさH(=4Gauss )の磁界
を与えた状態で角度θを変化させたときの磁気検知電圧
の変化を求めたところ、図9の結果が得られた。同図に
おいて縦軸は各角度θでの磁気検知電圧の変化分Eθ
角度θ=0°のときの磁気検知電圧の変化分Eo で除し
て正規化した値を示している。図9の破線は振幅を1と
したときのcos2 θの曲線を示している。図に白丸で
示した各点は実験値を示しており、各実験値はcos2
θの曲線とよく一致とていることが明らかである。これ
から、各磁気検知部から得られる磁気検知電圧は(Hc
osθ)2 に相応していることが分る。
【0056】上記の結果から、入射角θが90度の場合
には、磁界Hを0〜数Gauss の範囲で変化させても磁気
検知電圧Eは全く変化しないことが分る。また入射角θ
を0度とすると比較的弱い磁界を与えても磁気検知電圧
Eが大きく変化する。入射角θを45度とした場合に
は、磁気検知電圧が90度の場合と0度の場合との間の
値をとる。
【0057】本発明の測定方法では、上記超伝導磁気セ
ンサ10を被測定磁界H中に置き、図1に示したように
センサのX方向磁気検知部13x、Y方向磁気検知部1
3y及びZ方向磁気検知部13zのそれぞれの磁気感知
面11x,11y及び11zと直角な方向を3次元直交
座標系のX軸、Y軸及びZ軸の方向とする。
【0058】そしてセンサ10の温度を超伝導体の臨界
温度以下に保ち、3つの磁気検知部13x〜13zの共
通電極と電流電極とを通して順次定電流を流して各磁気
検知部の共通電極と電圧電極との間に生じる電圧を磁気
検知電圧として、X方向磁気検知部ないしZ方向磁気検
知部からそれぞれX方向磁気検知電圧Ex,Y方向磁気
検知電圧Ey及びZ方向磁気検知電圧Ezを測定する。
【0059】次にX方向ないしZ方向の磁気検知電圧E
x,Ey及びEzを基に、後述するX方向ないしZ方向
直交面磁界量FxないしFzを求める。
【0060】先ず磁気感知面11xに対して平行に(入
射角θ=0)既知の磁界Hを加え、磁気感知面11xの
磁気検知電圧Exを求めることにより、図8のθ=0°
の曲線のような磁界対磁気検知電圧特性線図を得る。
【0061】次いでこの線図を基に、磁気検知電圧Ex
より逆に磁界を求める。このようにして求めたX軸方向
における磁界の大きさをX方向磁界量Fxと呼ぶ。
【0062】各磁気検知電圧は、それぞれ他の2方向の
磁界量が重畳していること、及び前述したように(Hco
s θ)2 に相応していることから、磁気検知電圧Ex を
次の (1) 式で表すものとする。 Ex=IKx(Fy2 +Fz2 ) …(1) 同様に、磁気感知面11y及び11zに対してそれぞれ
平行に既知の大きさの磁界を与えて磁気感知面11y及
び11zのそれぞれについて磁界対磁気検知電圧特性線
図を求め、検出された磁気検知電圧Ey及びEzとこれ
らの特性線図とに基いて、Y方向磁界量Fy及びZ方向
磁界量Fzを定める。
【0063】(1) 式と同様に、磁気検知電圧Ey,Ez
をそれぞれ次の(2) ,(3) 式で表すものとする。 Ey=IKy(Fx2 +Fz2 ) …(2) Ez=IKz(Fy2 +Fx2 ) …(3) ここで、Iは電流、Kx,Ky及びKzは感度係数であ
る。(2) 式及び(3) 式より、 Fx2 ={(Ey/IKy)+(Ez/IKz)}/2−(Fy2 +Fz2 ) …(4) (1) 式及び(4)式より、Fxは次の(5) 式で求まる。 Fx=[{(Ey/Ky)+(Ez/Kz)−(Ex/Kx)}/2I]1/2 …(5) 同様に、Fy,Fzはそれぞれ次の(6) 式及び(7) 式で
求まる。 Fy=[{(Ex/Kx)+(Ez/Kz)−(Ey/Ky)}/2I]1/2 …(6) Fz=[{(Ex/Kx)+(Ey/Ky)−(Ez/Kz)}/2I]1/2 …(7) したがって、磁界の大きさHsは次の(8) 式で求められ
る。 Hs=(Fx2 +Fy2 +Fz21/2 =[{(Ez/Kx)+(Ey/Hy)+(Ez/Kz)}/2I]1/2 …(8) 以上は3次元直交座標系で算出したものであるが、以下
に示すように、極座標系でも磁界の大きさHsを算出す
ることができる。
【0064】ここで図1に示すように、Z軸と成す角を
φ、XY軸平面上でのX軸と成す角をθとすると、極座
標(Hs,θ,φ)で示される磁界Hは、直交座標(F
x,Fy,Fz)ではそれぞれ(9) 式ないし(11)式で表
される。 Fx=Hssin φcos θ …(9) Fy=Hssin φsin θ …(10) Fz=Hscos φ …(11) (9) 式ないし(11)式より、(1) 式ないし(3) 式はそれぞ
れ(12)式ないし(14)式で表される。 Ex=IKxHs2 (1−sin 2 φcos 2 θ) …(12) Ey=IKyHs2 (1−sin 2 φsin 2 θ) …(13) Ez=IKzHs2 (1−cos 2 φ) …(14) (12)式ないし(14)式より、磁界の大きさHsは(15)式で
求まる。 Hs=±[{(Ex/Kx)+(Ey/Ky)+(Ez/Kz)}/2I]1/2 …(15) 同様に、θ,φが求められる。
【0065】図10(a)及び(b)は、それぞれ極座
標(Hs,θ,φ)で表される一定の磁界H(=4 Gau
ss)中でセンサを回転させることにより角度θ=0°及
び30°とし、角度φを変化させたときのX,Z方向の
磁気検知電圧の変化を示したものである。同図におい
て、縦軸は各角度φでの磁気検知電圧の変化分Eφの垂
直磁界と水平磁界での出力電圧差の最大値Emax で除し
て正規化した値を示している。図中の実線は(1− sin
2 φ cos2 θ)の曲線を示しており、破線は(1− cos
2 φ)の曲線を示している。また、白丸は、磁気検知電
圧Exを、黒丸は磁気検知電圧Ezの実験値をそれぞれ
示しており、各実験値はそれぞれの曲線とよく一致して
いることが明らかである。したがって、(1) 式ないし
(3) 式による表記が適当であることが分かる。
【0066】[被測定磁界の方向の測定] 磁界Hを上記の磁界量FxないしFzを用いて表現する
と、 H=(Hx=±Fx,Hy=±Fy,Hz=±Fz) …(16) (16)式で表されるが、各磁気検知部から得られた磁気検
知電圧を用いた上記の演算によっては、各方向の成分の
符号が+であるのか−であるのかを定めることはできな
い。
【0067】そこで、本発明においては、図1に示した
ように、センサ10のX方向磁気感知面、Y方向磁気感
知面及びZ方向磁気感知面の側方にX軸方向、Y軸方向
及びZ軸方向にそれぞれの巻回軸を一致させたX方向変
調コイル16x,Y方向変調コイル16y及びZ方向変
調コイル16zを配置し、これらのコイルに順次交流電
流を流して被測定磁界中に置かれたセンサに交番磁界を
与える。
【0068】今X方向変調コイル16xにより交番磁界
を与えたとすると、Y方向磁気検知部13y及びZ方向
磁気検知部13zからそれぞれ得られる磁気検知電圧E
y及びEzに交流成分が現れる。またY方向変調コイル
16yにより交番磁界を与えると、X方向磁気検知部1
3x及びZ方向磁気検知部13zからそれぞれ得られる
磁気検知電圧に交流成分が現れる。同様に、Z方向変調
コイル16zにより交番磁界を与えると、X方向磁気検
知部13x及びY方向磁気検知部13yからそれぞれ得
られる磁気検知電圧に交流成分が現れる。
【0069】図11は各磁気検知部から得られる磁気検
知電圧Eと磁界Hとの関係を示したもので、図8のθ=
0の場合に相当する。磁気検知電圧Eは正負の磁界Hに
対して等しい特性を示す。正の磁界Hが与えられている
状態でこの磁気検知部の磁気感知面と平行な方向から交
流磁場Hacが与えられたとする。交流磁界Hacの各周波
の前の半サイクルは正方向の磁界であり、後の半サイク
ルは負方向の磁界である。従って磁気検知電圧Eには交
流成分Eacが現れる。また負の磁界Hが与えられている
状態で交流磁場Hacが与えられると、磁気検知電圧Eに
は上記交流成分Eacと逆位相の交流成分Eac' が得られ
る。したがって磁気検知電圧に含まれる交流成分の位相
を判定することにより、磁界Hの方向を求めることがで
きる。
【0070】図12は磁気検知電圧から交番磁界と同じ
周波数の交流成分を取り出してその位相を判別する実験
装置の構成を示したもので、この装置では、発振器20
から変調コイル16x,16y,16z(16x,16
zは図示せず。)に順次交流電流を供給し、これらの変
調コイルからセンサ10の各磁気感知面に交番磁界を与
える。21は直流電源で、実験ではセンサに外部磁界H
を与える代りにこの直流電源から各変調コイルに直流電
流を与えてセンサに直流磁界を加えた。尚実際の測定の
際には直流電源21は不要である。22は実験で用いた
定電流源で、この定電流源からセンサの各磁気検知部の
共通電極及び電流電極を通して定電流が流される。24
は位相検出器で、この位相検出器にはセンサの各磁気検
知部から得られる磁気検知電圧がオペアンプ23を介し
て入力されている。位相検出器24にはまた発振器20
から得られる交流信号が入力され、位相検出器24の出
力はオペアンプ25を介して電圧計26に供給されてい
る。
【0071】位相検出器24は、周知のロックインアン
プから成っていて、発振器20から与えられる交流信号
Vrを参照信号として、磁気検知電圧E(Ez)中から
参照信号と同じ周波数成分の信号を取り出して出力す
る。磁気検知電圧中に含まれる交流成分の振幅をAと
し、該交流信号と参照信号との位相差をαとすると、ロ
ックインアンプの出力Vは、V=Acosαで与えられ
る。即ち、位相検出器24の出力電圧は、磁気検知電圧
中に含まれる交流成分(交番磁界と同じ周波数の成分)
と交番磁界との位相差により変化する。
【0072】図13はθ=0として位相検出器から得ら
れる出力電圧Vと磁界Hとの関係を測定した結果を示し
たもので、同図より、磁界が正の場合と負の場合とで出
力電圧の極性が異なることが分る。したがってこの位相
検出器の出力電圧の極性を見ることにより、磁界の方向
を知ることができる。
【0073】例えばY方向変調コイル16yにより交番
磁界を与えたときに磁気検知部13zから得られる磁気
検知電圧Ezに含まれる交流成分の位相が交番磁界の位
相と同じ位相である場合には、位相検知器24から正極
性の出力電圧が得られる。このとき磁界のY方向成分H
yの符号は+であることが分る。
【0074】また同じくY方向変調コイル16yにより
交番磁界を与えたときに磁気検知部13xから得られる
磁気検知電圧Exに含まれる交流成分の位相が交番磁界
の位相と逆位相である場合には、位相検出器24から負
極性の出力電圧が得られる。このとき磁界のY方向成分
Hyの符号は−であることが分る。
【0075】他の方向の成分についても同様にしてその
符号を定めることができる。
【0076】なお、磁界の方向の測定に際し、センサを
φ,θの方向に時間的に変化させるように回転させる
か、または回転振動を与えるようにしてもよい。
【0077】本発明の方法により磁界を測定する手順の
一例を示すフローチャートを図15に示した。
【0078】上記の実施例では、基体1を構成する酸化
物超伝導体としてYBa2 Cu37-δを用いたが、他
の酸化物超伝導体、例えばBi2 Sr2 Ca2 Cu3 O
y 、(Bi1-xPbx)2 Sr2 Ca2 Cu3、ま
たはTl2 Ba2 Ca2 Cu3y"等を用いることもで
きる。
【0079】上記の実施例では、各磁気検知部の電流電
極と電圧電極とを離して設けたが、図14に示したよう
に、所定長さの銀線L23の中点を基体1に接合すること
により共通電極q1 と同様な電極q23を設けて、この電
極q23を電流電極及び電圧電極として兼用するようにし
てもよい。
【0080】上記の実施例では、超伝導体として酸化物
超伝導体を用いたが、金属系の超伝導体を用いることも
できる。
【0081】また上記の実施例では、超伝導体のブロッ
クによりセンサの基体を構成したが、直方体ないしは立
方体の基材の表面に形成した薄膜状の超伝導体をセンサ
の基体として用いることもできる。
【0082】本発明の測定方法は、弱い磁界の測定に適
しており、地磁気の計測、地磁気を測定して飛行物体
(人工衛星や飛行機等)の姿勢を検出する姿勢計、地磁
気の計測等に応用することができる。また工業分野にお
いては、磁気を利用した回転体の位置、角度の測定、変
位の測定、鉄片の探知、磁気探傷等に応用することもで
きる。
【0083】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、超伝導
体からなる1つの基体に互いに直角をなす3つの磁気感
知面を形成して、それぞれの磁気感知面に共通電極と電
流電極と電圧電極とを接合することにより3つの磁気感
知部を構成したので、3つの磁気センサを用いる場合の
ように面倒な位置合わせを行うことなく、1つの磁気セ
ンサで微小磁界の3次元的な測定を行うことができる利
点がある。また本発明で用いるセンサは、超伝導基体に
共通電極と電流電極と電圧電極とを設けた簡単な構成を
有しているので、センサの小形化を図って磁界測定の空
間分解能を高めることがてきるだけでなく、センサの集
積化をも容易に図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の方法で用いるセンサを概略的に示した
斜視図である。
【図2】本発明で用いるセンサの各磁気検知部の構成を
説明する説明図である。
【図3】本発明で用いるセンサの磁気感知面に対する磁
界の方向が90度異なる状態を示した説明図である。
【図4】本発明で用いるセンサの磁気感知面に対する磁
界の方向が90度異なる状態を示した説明図である。
【図5】本発明で用いるセンサの熱処理を行う際の温度
過程を示す線図である。
【図6】本発明で用いるセンサに電流源及び電圧検出手
段を接続した状態を示す斜視図である。
【図7】本発明で用いるセンサの通電電流と磁気検知電
圧との関係を示す線図である。
【図8】本発明で用いるセンサの磁気検知電圧と磁界と
の関係を示す線図である。
【図9】本発明で用いるセンサから得られる磁気検知電
圧と、磁界がY軸と成す角度θとの関係を測定した結果
を示した線図である。
【図10】(a)及び(b)はそれぞれ極座標で表され
る磁界中でセンサの角度をθ=0°及び30°として、
角度φとX,Z方向の磁気検知電圧との関係を測定した
結果を示した線図である。
【図11】本発明で用いるセンサに交番磁界を与えた際
の動作を説明するための線図である。
【図12】各磁界成分の符号を決定する過程で用いる装
置の構成を示したブロック図である。
【図13】図12の位相検出器から得られる出力と磁界
との関係を測定した結果を示す線図である。
【図14】本発明で用いるセンサの磁気検知部の変形例
を示した説明図である。
【図15】本発明の測定方法の手順の一例を示したフロ
ーチャートである。
【符号の説明】
10…超伝導磁気センサ、11…基体、11x…X方向
磁気感知面、11y…Y方向磁気感知面、11z…Z方
向磁気感知面、q1x〜q1z…共通電極、q2x〜q2z…電
流電極、q3x〜q3z…電圧電極、13x…X方向磁気検
知部、13y…Y方向磁気検知部、13z…Z方向磁気
検知部、16x…X方向変調コイル、16y…Y方向変
調コイル、16z…Z方向変調コイル。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 四谷 任 大阪府大阪市西区江之子島2丁目1番53 号 大阪府立産業技術総合研究所内 (72)発明者 小川 倉一 大阪府大阪市西区江之子島2丁目1番53 号 大阪府立産業技術総合研究所内 (72)発明者 三宅 修治 大阪府大阪市淀川区田川2丁目1番11号 株式会社ダイヘン内 (72)発明者 青山 隆浩 大阪府大阪市淀川区田川2丁目1番11号 株式会社ダイヘン内 (72)発明者 川口 正幸 大阪府大阪市淀川区田川2丁目1番11号 株式会社ダイヘン内 (56)参考文献 特開 平2−27279(JP,A) 特開 平2−264879(JP,A) 特開 平1−239488(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01R 33/00 - 33/18 H01L 39/22 ZAA

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 超伝導体からなる1つの基体に互いに直
    角をなす3つの平坦な磁気感知面が形成されて該3つの
    磁気感知面のそれぞれに常伝導体の金属からなる共通電
    極と電流電極と電圧電極とが接合され、前記3つの磁気
    感知面とそれぞれの磁気感知面に接合された共通電極と
    電流電極と電圧電極とにより3つの磁気検知部が構成さ
    れていることを特徴とする超伝導磁気センサ。
  2. 【請求項2】 前記金属は、金、銀、白金及びこれらの
    合金からなる金属群の中から選択されている請求項1に
    記載の超伝導磁気センサ。
  3. 【請求項3】 前記超伝導体はYBa2 Cu37-δ
    Bi2 Sr2 Ca2 Cu3y 、(Bi1-x Pbx)2
    2 Ca2 Cu3 、またはTl2 Ba2Ca2 Cu
    3y"のセラミックスまたは薄膜からなっている請求項
    1または2に記載の超伝導磁気センサ。
  4. 【請求項4】 被測定磁界H中に置かれた前記3つの磁
    気検知部をX方向磁気検知部、Y方向磁気検知部及びZ
    方向磁気検知部として、該X方向磁気検知部、Y方向磁
    気検知部及びZ方向磁気検知部のそれぞれの磁気感知面
    と直角な方向を3次元直交座標系のX軸、Y軸及びZ軸
    の方向とし、 前記超伝導体を臨界温度以下の温度に保ち、前記3つの
    磁気検知部の共通電極と電流電極とを通して定電流を流
    した状態で共通電極と電圧電極との間に生じる電圧をそ
    れぞれX方向磁気検知電圧Ex,Y方向磁気検知電圧E
    y及びZ方向磁気検知電圧Ezとし、X方向における磁
    界の大きさ、Y方向における磁界の大きさ、及びZ方向
    における磁界の大きさをそれぞれX方向磁界量Fx、Y
    方向磁界量Fy及びZ方向磁界量Fzとしたときに、 前記X方向磁気検知電圧Ex、Y方向磁気検知電圧Ey
    及びZ方向磁気検知電圧Ezがそれぞれ(Fy2 +Fz
    2 ),(Fx2 +Fz2 )及び(Fy2 +Fx2 )に比
    例する請求項1ないし3のいずれかに記載の超伝導磁気
    センサ。
  5. 【請求項5】 請求項4に記載の超伝導磁気センサの前
    記磁界Hに対するX方向磁気検知電圧Exの特性、磁界
    Hに対するY方向磁気検知電圧Eyの特性及び磁界Hに
    対するZ方向磁気検知電圧Ezの特性を予め求めてお
    き、Exと(Fy2 +Fz2 ),Eyと(Fx2 +Fz
    2 )及びEzと(Fy2 +Fx2 )のそれぞれの比例関
    係から前記磁界Hの大きさHs=(Fx2 +Fy2 +F
    21/2を求めることを特徴とする磁界の測定方法。
  6. 【請求項6】 前記磁界HのX方向成分Hx,Y方向成
    分Hy及びZ方向成分HzをそれぞれHx=±Fx,H
    y=±Fy,Hz=±Fzとし、前記X軸の方向、Y軸
    の方向及びZ軸の方向からそれぞれ前記センサに交番磁
    界を与えたときに前記X方向磁気検知部ないしZ方向磁
    気検知部からそれぞれ検出されるX方向磁気検知電圧E
    xないしZ方向磁気検知電圧Ezから交番磁界の周波数
    に等しい周波数の成分を取り出し、取り出した成分の位
    相を前記交番磁界と同周波数、同位相の参照電圧の位相
    と比較することにより前記磁界のX方向成分Hxないし
    Z方向成分Hzの符号を決定する過程を更に行って前記
    磁界のベクトルを特定することを特徴とする請求項5に
    記載の磁界の測定方法。
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