JP2933494B2 - 炉内張力測定方法 - Google Patents
炉内張力測定方法Info
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Description
帯の張力測定方法に関する。
処理炉を用いて鋼帯を熱処理する場合は、鋼帯の張力を
常に所定の値に保持することが重要である。そのため
に、炉内における鋼帯張力の測定は連続熱処理炉の操業
上において必須な要件である。ここで、連続熱処理炉内
での鋼帯張力の測定について簡単に説明する。
たもので、鋼帯1は炉体2の下部の装入口2aから送り
込まれて、炉内に上下に配列される複数のハースローラ
3,3…に巻回されて熱処理されながら炉内を進行し、
抽出口2bから次工程に送り出される。そして、炉内に
おける鋼帯張力を測定する場合は、図3に示すように、
炉内に配列されたハースローラ3の中のたとえば1本を
テンションメータロール4として、その両方の軸受5に
圧縮力を測定するロードセル6を取付けて、鋼帯1の張
力を測定する。
の間には、炉内部の雰囲気を外部からシールするための
ベローズ(蛇腹)7が取付けられている。このシールに
ベローズ7を用いるのは、炉体2の矢示E方向すなわち
炉幅方向への熱膨張による変位がロードセル6の測定に
影響しないような配慮によるものである。ここで、この
テンションメータロール4の構成について少し詳しく説
明すると、図4に示すように、軸受5の下部に長尺の荷
重伝達レバー8を取付け、テンションメータロール4の
垂直な中心線Lから距離aだけ偏した位置を支点とした
支持部材9が、架台10に固定された支持部材11に回転自
在とされる回転軸12で支持される。
け離れた位置に取付けられ、荷重伝達レバー8に作用す
る鋼帯1の張力を検出する。なお、荷重伝達レバー8の
一方の端部でロードセル6の位置から距離cだけ離れた
位置には、系のバランスをとるカウンタウエイト13が取
付けられる。このように構成することにより、ロードセ
ル6からの荷重信号をレバー比で換算して鋼帯1の張力
として測定することができる。
来のテンションメータロール4にはつぎのような欠点が
ある。すなわち、炉温上昇時においては熱処理炉が熱膨
張によって炉体2が矢示F方向すなわち炉長方向に変位
することになり、また炉温下降時には熱収縮によって反
F方向に変位する。
のような炉体2の炉長方向の熱膨張や熱収縮による炉体
歪からの影響が考慮されていないため、この歪応力がベ
ローズ7を介して張力測定値に誤差を与えるとともに、
テコの原理により微小な炉体歪が大きな応力として検出
されることになるから、張力測定誤差の要因になって、
ヒートバックルや蛇行の発生、さらには鋼帯の二重巻き
込みや過張力による炉内破断を惹起する原因になるので
ある。
は、前記荷重伝達レバーを、該荷重伝達レバーの支点と
される回転軸と重点とされる前記ハースローラの軸とを
同一水平線上になるように配置することにより、炉体歪
の影響を除去する装置が提案されているが、この装置を
既存設備に対して適用しようとすると、改造費用が高価
となり、さらには前記ハースローラの交換時の作業性が
悪いなどの欠点を有する。
課題を解決すべくなされたものであって、炉体歪の影響
を簡易な手段で補正するようにした炉内張力測定方法を
提供することを目的とする。
内で連続的に熱処理される鋼帯の張力を測定する方法で
あって、炉内に設けられたテンションメータロールに負
荷される鋼帯の張力を荷重伝達レバーを介してロードセ
ルによって測定する工程と、前記連続熱処理炉の炉体に
取付けられた歪測定器によって炉体の歪量を測定する工
程と、前記ロードセルの張力測定値を前記歪量測定値を
用いて補正する工程と、からなることを特徴とする炉内
張力測定方法である。
5は、テコの原理による炉体歪拡大のメカニズムを示し
たものである。いま、テンションメータロール4に作用
する鋼帯1の張力をTとすると、重点となるテンション
メータロール4の軸4aを軸支する軸受5にはTなる荷
重が作用し、さらに支点となる荷重伝達レバー8の回転
軸12に対しては、 M1 =T・a ………………(1) のモーメントとして作用し、そのモーメントM1 がレバ
ー比b/aで増幅されてロードセル6によって検出され
ることになる。
長方向に作用する力をσとすると、軸受5の水平な中心
線Hの方向に対してσの力が加わることになる。そこ
で、テンションメータロール4の軸4aと荷重伝達レバ
ー8の回転軸12との間の距離をdとすると、荷重伝達レ
バー8の回転軸12(支点)に対しては、 M2 =σ・d ………………(2) のモーメントとして作用するから、このモーメントM2
は誤張力としてロードセル6に検出されることになる。
T1 とすると、 T1 =(M1 +M2 )/a=T+σ・d/a ………………(3) となり、鋼帯の張力Tに対して(σ・d/a)だけ誤差
が生じることになる。そこで、あらかじめこの値がわか
れば、ロードセル6の出力値から差し引くことにより、
炉体歪の影響をなくすことができる。
と(σ・d/a)の関係には、本発明者らの実験によれ
ば、図6に示すように比例関係にあることがわかった。
なお、この図中における○印のベローズ1は材質がシリ
コンクロス(リング数11本)で、□印のベローズ2は材
質がシリコンクロス(リング数3本)、△印のベローズ
3は材質がシリコンクロス(リング数1本)である。
式Rを作成して、補正に用いるようにする。 R=Aε+B ………………(4) ここで、A,Bはベローズ7の材質によって異なる定数
であり、実験や過去の操業条件の解析により決定するこ
とができる。図6のベローズ1,2,3の場合を例示す
ると、それぞれA;88.2,44.9,14.8、B;21.8,86.
6,5.5 である。
てロードセル6の出力値T1 から差し引くようにすれば
炉体歪の影響をなくすことができる。 T=T1 −R ………………(5)
して説明する。図1は、本発明の実施例を示す概要図で
ある。なお、図中、従来例と同一部材には同一符号を付
して説明を省略する。図において、14は炉体2に取付け
られて炉体歪を測定する伸び計である。15はマイクロコ
ンピュータなどの鋼帯張力演算制御装置で、あらかじめ
補正項R(=Aε+B)が与えられるとともに、伸び計
14からの炉体歪量εおよびロードセル6からの出力値T
1 が入力される。16は表示装置である。
以下の手順の処理がなされる。 まず、入力された伸び計14からの炉体歪量εを用いて
(4) 式で補正項Rを演算する。 ついで、入力されたロードセル6からの出力値T1 と
演算された補正項Rを用いて(5) 式で真の鋼帯張力Tを
演算する。 得られた結果を表示装置16に表示するとともに、鋼帯
1の炉内張力制御系(図示せず)に出力する。
のではなく、歪量を測定できる装置であればいかなる測
定器であってもよい。また、鋼帯張力演算制御装置15と
しては、マイクロコンピュータに限らずアナログアンプ
などを用いてもよい。
測定方法によれば、張力の測定時に炉体歪の影響を考慮
して補正するようにしたから、正確な鋼帯張力の測定を
行うことが可能で、これによって炉内張力の制御も行う
ことができるから、操業が安定するとともに製品の歩留
りの向上に寄与する。
けるだけであるので、既存設備に対しても容易に適用し
得るというすぐれた効果もある。
である。
る。
Claims (1)
- 【請求項1】 連続熱処理炉内で連続的に熱処理され
る鋼帯の張力を測定する方法であって、 炉内に設けられたテンションメータロールに負荷される
鋼帯の張力を荷重伝達レバーを介してロードセルによっ
て測定する工程と、 前記連続熱処理炉の炉体に取付けられた歪測定器によっ
て炉体の歪量を測定する工程と、 前記ロードセルの張力測定値を前記歪量測定値を用いて
補正する工程と、からなることを特徴とする炉内張力測
定方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6280268A JP2933494B2 (ja) | 1994-11-15 | 1994-11-15 | 炉内張力測定方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6280268A JP2933494B2 (ja) | 1994-11-15 | 1994-11-15 | 炉内張力測定方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08136372A JPH08136372A (ja) | 1996-05-31 |
JP2933494B2 true JP2933494B2 (ja) | 1999-08-16 |
Family
ID=17622633
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP6280268A Expired - Fee Related JP2933494B2 (ja) | 1994-11-15 | 1994-11-15 | 炉内張力測定方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2933494B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN103998908B (zh) * | 2012-06-01 | 2015-06-17 | 阪东化学株式会社 | 传动带的稳定时张力测量方法 |
-
1994
- 1994-11-15 JP JP6280268A patent/JP2933494B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Publication date |
---|---|
JPH08136372A (ja) | 1996-05-31 |
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