JP2932718B2 - 圧電受話器 - Google Patents

圧電受話器

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JP2932718B2
JP2932718B2 JP2714191A JP2714191A JP2932718B2 JP 2932718 B2 JP2932718 B2 JP 2932718B2 JP 2714191 A JP2714191 A JP 2714191A JP 2714191 A JP2714191 A JP 2714191A JP 2932718 B2 JP2932718 B2 JP 2932718B2
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俊哉 川村
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電話器やインターホン
の受話器に使用される圧電受話器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の圧電受話器は図6,図7
に示すような構造であった。図6は断面図、図7は要部
拡大断面図である。図6および図7において、1は両主
面に電極(図示せず)が形成された圧電セラミック板2
を金属基板3に貼り合せて構成されている圧電振動板
で、この圧電振動板1からは電気信号を入力するための
リード線4が引き出されている。上記圧電振動板1の外
周はその上下面が前面ケース5と背面ケース6とにより
挟み込まれており、例えば図に示すように前面ケース5
の抱持片5aが背面ケース6の周縁部6aを抱持するな
どの手段でもって、上記圧電振動板1は前面ケース5と
背面ケース6とで作る空間内部に固定されている。上記
前面ケース5の底部には音を放出するための放音孔5b
が適宜形成されており、一方背面ケース6の底部には音
を適当に漏洩させるための漏洩孔6bが適宜形成されて
いる。また、上記背面ケース6内の漏洩孔6bをカバー
する部分には、上記圧電振動板1の振動を制動し周波数
特性を平坦化させるためにプラスチック製メッシュなど
からなる音響抵抗材7が接着剤8により接着固定されて
いる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、このような従
来の構成では、接着剤の塗布量のバラツキが大きく、そ
のため音響抵抗材の開口面積(接着剤が塗布されていな
い部分)が一定せず、周波数特性のバラツキが大きくな
るという課題があった。
【0004】本発明はこのような課題を解決するもの
で、音響抵抗材の開口面積を一定にし、周波数特性のバ
ラツキを小さくすることのできる圧電受話器を提供する
ことを目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】この課題を解決するため
に本発明の圧電受話器は、圧電セラミック板を金属基板
に貼り合わせた圧電振動板と、前記圧電振動板を覆った
前面ケースおよび漏洩孔を有する背面ケースとを具備
し、前記背面ケースの漏洩孔をカバーする部分に、前記
圧電振動板の振動を制御する音響抵抗材を、その下面ま
たは上面の少なくとも一方に配置し、前記音響抵抗材に
は前記漏洩孔より小径とする内径から前記漏洩孔より大
径とする外径まで目止め剤を塗布して成り、前記漏洩孔
の外周面と前記目止め剤との間に接着層を形成し、前記
漏洩孔と音響抵抗材とを接着固定して成るものである。
また、別の手段としては、圧電振動板と、前記圧電振動
板を覆った前面ケース、および漏洩孔を有する背面ケー
スと、前記背面ケースの漏洩孔の下面または上面の少な
くとも一方に配置した音響抵抗材と、前記音響抵抗材よ
り大きい外形を有し、その内側に前記背面ケースの漏洩
孔より小径の小孔を形成した粘着テープとを具備し、前
記背面ケースの漏洩孔を前記音響抵抗材で覆い、前記音
響抵抗材の上面に前記粘着テープを接着し前記粘着テー
プは音響抵抗材の外形からその外周の背面ケースまで延
長し、前記背面ケースと音響抵抗材とを接着固定して成
るものである。さらに、別の手段としては、前記背面ケ
ースの漏洩孔より小径の小孔を形成した両面粘着テープ
を具備し、前記背面ケースの漏洩孔の内方に前記両面テ
ープの小孔を配置し両面粘着テープを接着し、さらにそ
の両面粘着テープの上面から前記漏洩孔を覆い音響抵抗
材を重ねて貼り合わせ、前記背面ケースと音響抵抗材と
の間に両面粘着テープを介在し接着固定して成るもので
ある。
【0006】
【作用】この構成によれば、目止め剤または粘着テープ
(両面粘着テープも含む)の小孔により音響抵抗材の開
口面積を一定とし、制動量を制御することができ、その
ため周波数特性のバラツキを小さくすることができるこ
ととなる。特に、目止め剤を用いた場合には、小孔の大
きさを正確に制御することが容易であり、周波数特性の
バラツキを小さくする上で効果的である。また、粘着テ
ープおよび両面粘着テープを用いた場合には、目止め剤
の場合に比較して小孔の大きさを制御する点でやや難点
があるものの、製作の上では簡単に行うことができると
いう利点を有している。さらに、粘着テープと両面粘着
テープとでは、小孔の大きさを正確に制御する上では両
面粘着テープの方が、また製作上の容易さの点では粘着
テープの方がそれぞれ優れている。
【0007】
【実施例】以下、本発明の実施例について従来例と同一
箇所には同一番号を付して説明する。
【0008】図1は本発明にかかる圧電受話器の一実施
例を示す断面図、図2は同要部拡大断面図、図3は同圧
電受話器を構成する音響抵抗材の平面図である。この実
施例においては、音響抵抗材7の下面に、この音響抵抗
材7の制動量を制御する小孔9aを有したエポキシ樹
脂,アキリル樹脂などからなる目止め剤9が塗布されて
おり、目止め剤9が塗布された上記音響抵抗材7が接着
剤8でもって、上記背面ケース6内の上記漏洩孔6bを
カバーする部分に接着固定されている。その他の構成は
従来例と同様であり、説明を省略する。
【0009】この一実施例においては、目止め剤9が音
響抵抗材7の下面側に塗布されているが、これは音響抵
抗材7の上面側に目止め剤9が塗布されている形でもよ
く、さらには音響抵抗材7の上下両面に目止め剤9が塗
布される形でもよい。
【0010】図4は本発明の第2の実施例を示す要部拡
大断面図であり、この実施例においては、音響抵抗材7
より面積が大きく、かつ音響抵抗材7の制動量を制御す
る小孔10aを有する粘着テープ10でもって、音響抵
抗材7が背面ケース6内の漏洩孔6bをカバーする部分
に接着固定されている。
【0011】図5は本発明の第3の実施例を示す要部拡
大断面図であり、この実施例においては、音響抵抗材7
の制動量を制御する小孔11aを有する両面粘着テープ
11でもって、上記音響抵抗材7が背面ケース6内の漏
洩孔6bをカバーする部分に接着固定されている。
【0012】ここで、上記の各実施例においては、音響
抵抗材7を背面ケース6の底部内面側に接着固定した場
合について説明したが、本発明は背面ケース6の底部外
面側に音響抵抗材7を接着固定する場合についても適用
できるものである。また、目止め剤9,粘着テープ10
および両面粘着テープ11に設けられる小孔9a,10
aおよび11aは、音響抵抗材7の制動量を制御すると
いう目的からして、背面ケース6の漏洩孔6bよりも小
さく設けられることは当然である。
【0013】そして、これらの実施例においては、目止
め剤9,粘着テープ10および両面粘着テープ11に設
けられた小孔9a,10aおよび11aにより、音響抵
抗材7の開口面積を一定にし、周波数特性のバラツキを
小さくできることとなる。
【0014】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、目止め剤
部分の接着剤,粘着テープまたは両面粘着テープを介し
て圧電振動板の振動を制動する音響抵抗材が背面ケース
に接着固定され、それら目止め剤を音響抵抗材に塗布す
ることにより目止め剤の塗布部内方にその開口面積を所
定値に設定し、その制動量を制御する小孔が形成され、
また粘着テープには音響抵抗材の開口面積を一定とし、
その制動量を制御する小孔が設けられているため、周波
数特性のバラツキを小さくすることができるという効果
が得られる。ここで、目止め剤を用いた際には、その塗
布面積の範囲を制御することが容易なため、また粘着テ
ープでは小孔自体を有しているため、音響抵抗材の小孔
の大きさを正確に制御することができ、周波数特性のバ
ラツキを小さくする上でより効果的である。一方、粘着
テープや両面粘着テープを用いた際には、製作しやすい
という利点を有している。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる圧電受話器の一実施例を示す断
面図
【図2】同一実施例における要部拡大断面図
【図3】同一実施例において圧電受話器を構成する音響
抵抗材の上面図
【図4】本発明の第2の実施例を示す要部拡大断面図
【図5】本発明の第3の実施例を示す要部拡大断面図
【図6】従来例の圧電受話器を示す断面図
【図7】同従来例の要部拡大断面図
【符号の説明】
1 圧電振動板 2 圧電セラミック板 3 金属基板 4 リード線 5 前面ケース 5a 抱持片 5b 放音孔 6 背面ケース 6a 周縁部 6b 漏洩孔 7 音響抵抗材 8 接着剤 9 目止め剤 9a,10a,11a 小孔 10 粘着テープ 11 両面粘着テープ

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 圧電セラミック板を金属基板に貼り合わ
    せた圧電振動板と、前記圧電振動板を覆った前面ケース
    および漏洩孔を有する背面ケースとを具備し、前記背面
    ケースの漏洩孔をカバーする部分に、前記圧電振動板の
    振動を制御する音響抵抗材を、その下面または上面の少
    なくとも一方に配置し、前記音響抵抗材には前記漏洩孔
    より小径とする内径から前記漏洩孔より大径とする外径
    まで目止め剤を塗布して成り、前記漏洩孔の外周面と前
    記目止め剤との間に接着層を形成し、前記漏洩孔と音響
    抵抗材とを接着固定して成る圧電受話器。
  2. 【請求項2】 圧電セラミック板を金属基板に貼り合わ
    せた圧電振動板と、前記圧電振動板を覆った前面ケー
    ス、および漏洩孔を有する背面ケースと、前記背面ケー
    スの漏洩孔の下面または上面の少なくとも一方に配置し
    た音響抵抗材と、前記音響抵抗材より大きい外形を有
    し、その内側に前記背面ケースの漏洩孔より小径の小孔
    を形成した粘着テープとを具備し、前記背面ケースの漏
    洩孔を前記音響抵抗材で覆い、前記音響抵抗材の上面に
    前記粘着テープを接着し前記粘着テープは音響抵抗材の
    外形からその外周の背面ケースまで延長し、前記背面ケ
    ースと音響抵抗材とを接着固定して成る圧電受話器。
  3. 【請求項3】 圧電セラミック板を金属基板に貼り合わ
    せた圧電振動板と、上記圧電振動板を覆った前面ケース
    および漏洩孔を有する背面ケースと、前記背面ケースの
    漏洩孔より大きい外形を有し前記漏洩孔の下面または上
    面の少なくとも一方に配置した音響抵抗材と、前記背面
    ケースとの漏洩孔より小径の小孔を形成した両面粘着テ
    ープとを具備し、前記背面ケースの漏洩孔の内方に前記
    両面テープの小孔を配置し両面粘着テープを接着し、さ
    らにその両面粘着テープの上面から前記漏洩孔を覆い音
    響抵抗材を重ねて貼り合わせ、前記背面ケースと音響抵
    抗材との間に両面粘着テープを介在し接着固定して成る
    圧電受話器。
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