JP2932649B2 - 油燃焼器の制御装置 - Google Patents

油燃焼器の制御装置

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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は石油等の油燃料を使用する油燃焼器の制御装
置に関するものである。
従来の技術 従来のこの種の制御装置は、例えば第4図に石油給湯
機を例として示すと、熱交換器1と、熱交換器1を加熱
するバーナ2A,2Bと、バーナ2A,2Bへ気化油を送る気化部
3A,3Bと、気化部3A,3Bに内蔵され、油を気化させるヒー
タ4A,4Bと、気化部3A,3Bへ燃料油を供給する送油手段
(電磁ポンプ等)5A,5Bと、気化部3A,3Bの温度を検出す
る気化部温度検出手段(サーミスタ等)6A,6B、バーナ2
Aへの気化油を点火させる点火器7と、バーナ2Aの着火
を検知する燃焼検知手段(フレームロッド等)8と、出
湯温度を検出する出湯温度検出手段(サーミスタ等)9
と、運転、停止及び出湯温度の設定を行なう運転調節器
10と、バーナ2A,2Bへ燃焼用空気を送る送風機(DCファ
ンモータ等で構成されている。)11と、運転調節器10か
らの運転、停止信号及び出湯温度設定値信号と、送油手
段5A,5Bと、送風機11へ燃焼量に応じた出力制御信号を
それぞれ出力する燃焼制御手段12とにより構成されてい
た。なお、バーナ2A,2Bは、燃焼量に応じて切り換えら
れるように2つに分割されており、これに対応して気化
部3A,3B、ヒータ4A,4B、気化部温度検出手段6A,6Bとそ
れぞれ2つずつ分割構成されている。
この構成により、気化部の温度制御動作を説明すると
第5図に示すようになる。運転調節器10がオフよりオン
された時(第5図t=t1)、燃焼制御手段12は、気化部
3Aが所定の設定温度Tsを維持するように、ヒータ4Aへ通
電制御信号を出力し、t=t2にて設定温度に達する。開
栓時(第5図t=t3)、送風機11、点火器7、送油手段
5Aと順次出力するとともに、ヒータ4Bへ通電開始する。
燃焼検知手段8により着火検出し、気化部3Bが設定温度
Tsに到達後、運転調節器10からの設定温度に出湯温度を
するように送風機11への出力と送油手段5A,5Bへの切り
換え出力とによって湯温調節(いわゆるフィードバック
制御)を行なっていた。
発明が解決しようとする課題 しかしながら上記のような構成では、気化部温度検出
手段としてのサーミスタ、気化発熱手段としてのヒータ
は、気化部の数毎に設けている。従って、燃焼量を拡大
するため、気化部を複数設けて、必要に応じて切り換え
る構成では気化部全体の体積が大きくなり、部品の増加
によりコストが増大する。また気化部毎に温度検出手段
と気化発熱手段を設けるため制御対象も増加し、マイク
ロコンピュータ等を用いて制御した場合プログラムサイ
ズの増大と複雑化を招くという課題があった。
本発明はかかる従来の課題を解消するもので、油燃焼
器の能力増大に伴う気化部容積等の増加に対して温度検
出手段や気化発熱手段等を必要最小限にした上で、制御
方法をできるだけ簡素化し、油燃焼機全体の小型化と合
理化することを目的とする。
課題を解決するための手段 上記課題を解決するために本発明の油燃焼器の制御装
置は、気化部温度を検出する気化部温度検出手段と、気
化部にあって気化熱を発生させる気化発熱手段と、燃焼
時、送油手段へ燃焼量に応じて気化室を選択使用する気
化燃焼量制御出力信号を出力し、かつ気化燃焼量制御信
号に対応し予め設定された複数の気化部設定温度に気化
部を維持する気化発熱制御信号を気化発熱手段に出力す
る気化燃焼制御手段とを備えたものである。
作用 本発明は上記の構成によって、複数の気化室を単一の
気化発熱手段によって予熱し、燃焼量の大小、すなわ
ち、気化室の使用量によって、予め決められた気化部設
定温度に単一の気化部温度検出手段によって維持するこ
とになる。従って、気化部全体の気化室使用量に応じた
設定温度を一つの気化部温度検出手段によって検出でき
るので、気化部および気化部温度検出手段と気化発熱手
段等を合理化、簡素化でき、油燃焼器全体も小型化され
る。
実施例 以下、本発明の実施例を添付図に基づいて説明する。
なお、従来例第4図と同一部材には同一番号を付してい
る。
第1図は本発明の油燃焼器(石油給湯機)の制御ブロ
ック図、第2図は同バーナおよび気化部の部分構成図で
ある。13は、バーナ2A,2Bへ気化油を供給する気化部、1
4は、気化部13を設定温度に維持するための気化発熱手
段としてのヒータ(以下ヒータとする)、15は、気化部
13の全体温度を代表して検出する気化部温度検出手段と
してのサーミスタ(以下サーミスタとする)である。ま
た、第2図に示すように、気化部13は、気化室16、17を
有し、それぞれへ送油手段5A,5Bより油を供給されるよ
うに接続され、サーミスタ15は気化室16、17のちょうど
中間の位置に接続されている。気化部13は、バーナ2A,2
Bより燃焼熱を受熱するためのフィン18、19を有してい
る。ヒータ14は、リレー、トライアック等の電力供給ス
イッチ20によって商用電源21から電力供給されるように
接続されている。
さらに、燃焼時、送油手段5A,5Bへ燃焼量に応じて気
化室16、17を選択使用する気化燃焼量制御信号を出力
し、かつ気化室16、17の使用数に対応し予め設定された
それぞれの気化部設定温度に気化部13を維持する気化発
熱制御信号をヒータ14へ出力する気化燃焼制御手段22と
が接続されている。
上記構成において、第3図(a)〜(c)に示すタイ
ムチャート、および温度分布図を用いて動作を説明す
る。a,b,c,は、それぞれ気化部検出温度の時間特性、バ
ーナ2Aのみ燃焼時の気化部温度分布、バーナ2A,2B両燃
焼時の気化部温度分布である。測定位置P1,P2,PKは第2
図に示すようにそれぞれ気化室16中央、気化室17中央、
気化室16と17の中間点(サーミスタ15の設定位置)であ
る。t=t1で運転調節器10が停止から運転状態にセット
されると、ヒータ14に気化発熱制御信号が出力され、気
化部13が予熱開始される。その後、気化部温度が第1の
気化部温度設定値(TS2)に達する。この場合、気化部1
3の温度分布は、非燃焼時のためバーナ2A,2Bからの受熱
が無く第3図(c)のように気化室16、17がほぼ同様に
温度上昇する。この後、t=t2にてカランが開栓され燃
焼動作が開始される。運転調節器10の設定温度と出湯温
度によって気化燃焼制御手段22は燃焼量に応じて気化燃
焼量制御出力信号を出力する。ここで、燃焼量がバーナ
2Aのみで供給可能な範囲では気化燃焼量制御出力信号は
送油手段5Aのみへ、また、燃焼量がバーナ2Aのみで供給
可能な範囲を越えれば気化燃焼量制御出力信号は送油手
段5Aおよび5Bへ出力される。t=t2〜t=t3は前者(以
下片側燃焼時とする)を、t=t3以降は後者(以下両燃
焼時とする)の場合を示す。ここで、片側燃焼時には、
第3図(b)に示すように、P1からP2へ温度が次第に低
くなるように分布する。これは、片側燃焼時にはバーナ
2Aからフィン18によって受熱し気化室16は温度上昇し、
また気化室17は、逆にバーナ2Bが非燃焼であるため受熱
による温度上昇はほとんどないからである。よって、気
化室16の温度が第1の設定温度(T2=TS2)を維持する
ように、気化燃焼制御手段22はサーミスタ15による気化
筒検出温度がT2よりΔ(T2−T3)だけ低い第2の設定温
度(T3=TS1)になるように気化発熱制御号をヒータ14
に出力する。
また、両燃焼時には、第3図(c)に示すように、P
1,P2共に温度が均一になるように分布する。これは、両
燃焼時にはバーナ2A,バーナ2Bからフィン18、19によっ
て気化室16、17共に均一受熱し、温度上昇を共に行なう
からである。よって、気化室16および17の温度が設定温
度(T2=TS2)を維持するように、気化燃焼制御手段22
はサーミスタ15による気化筒検出温度が第1の設定温度
(T2=TS2)になるように気化発熱制御信号をヒータ14
に出力する。
従って、気化室の使用数に対応した気化部の代表点の
設定温度を予め求めれば、単一の気化部温度検出手段に
よって各燃焼モード、すなわち気化室の使用数に応じた
気化室の設定温度維持制御が可能となる。よって気化発
熱制御手段、気化部温度検出手段等の合理化、気化部、
気化室の縮小化、制御対象の減少等が可能となる。
なお、上記実施例のように、気化室の数は2つに限定
されるものでなく、2つ以上でも代表点温度により各気
化室使用数に対応した代表点設定温度が求められれば、
単一の気化部温度検出手段によって気化部温度制御が可
能となる同等の効果が得られる。
発明の効果 以上の様に本発明の油燃焼器の制御装置によれば次の
効果が得られる。
1) 油燃焼器の能力増大に伴う気化容積増加に対して
温度検出手段や気化発熱手段等の増加を最小限に抑え、
気化部の要素部品を簡素化でき、小型化も可能となる。
2) 気化部の温度制御対象を最小限に抑え、制御内容
の簡素化と部品の合理化が可能となる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施例における油燃焼器の制御装置
を用いた石油給湯機の制御ブロック図、第2図は同制御
装置のバーナおよび気化部の部分構成図、第3図は同制
御装置の動作特性を示すタイムチャートおよび気化部の
温度分布図、第4図は従来の油燃焼器の制御装置の構成
ブロック図、第5図は同従来の油燃焼器の制御装置の動
作特性を示すタイムチャートである。 2A,2B……バーナ、5A,5B……送油手段、13……気化部、
14……気化発熱手段、15……気化部温度検出手段、16、
17……気化室、22……気化燃焼制御手段。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 実開 平2−92451(JP,U) 実開 平3−104641(JP,U) 実公 平3−44984(JP,Y2) 実公 平1−33979(JP,Y2) 実公 昭57−56035(JP,Y2) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) F23N 5/02 - 5/14 F23D 11/44

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】油を気化する複数の気化室を有した気化部
    と、前記気化部によって気化された気化油を燃焼させる
    バーナと、前記気化室へ油を送る送油手段と、前記気化
    部の温度を検出する気化部温度検出手段と、前記気化部
    にあって気化熱を発生させる気化発熱手段と、燃焼時に
    前記送油手段へ燃焼量に応じて前記気化室を選択使用す
    る気化燃焼量制御出力信号を出力し、かつ前記気化燃焼
    量制御信号に対応し予め設定された複数の気化部設定温
    度に気化部を維持する気化発熱制御信号を前記気化発熱
    手段に出力する気化燃焼制御手段とを備えた油燃焼器の
    制御装置。
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