JP2932410B2 - カード類の計数装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は、カード類の枚数を計
数処理しうる計数装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来、積層状あるいは並列状に整列され
た紙幣、証券、切符その他のカード類を計数処理する装
置は、各種提案されており、この内、この発明の関連例
として典型的な技術としては、たとえば、特開平４−８
４３８５号公報（公知例）のものが挙げられる。

【０００３】即ち、この公知例のものは、傾斜状に配列
して、その各縁部において、段部を形成させた紙束の当
該縁部に計数装置のプローブ部を係合させ、このプロー
ブ部を紙束の厚み方向に移動させることにより、プロー
ブ部に振動を発生させ、この振動を計数装置のケーシン
グ内に内装した回路手段により計数し、表示部に計数さ
れた紙束の枚数を表示させうるようにしたものである。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】前記の公知例のものに
よっても予め紙束をずらせて配列させ、これにプローブ
部を関与させることによってその枚数を計数しうるもの
であるが、この計数処理に当っては、紙束を正確にしか
も均一状にずらせて配置させなければ計数誤差の発生の
要因となるものであり、この点では、公知例にあって
は、紙束の正確な配列への配慮が欠如しており、計数結
果に正確さを期し難いものであり、殊に有価証券類の如
くに誤計数の発生を許されないものにあっては、その計
数処理に適合するものとは言えないものであり、利用者
側からは、軽便で且つ、精密にカード類の計数処理が図
りうるものの提供が待望されていた。

【０００５】

【課題を解決するための手段】前記の課題を解決するた
めの具体的な手段は次の如くである。 （１）複数枚のカードを、その紙面方向に互いに位置を
ずらせて、各カードの縁部が階段状を呈して配列させて
カードの枚数を計数しうるカード類の計数装置であっ
て、前記複数のカード類が、その縁部を互いにずらせて
階段状を呈して配列されるよう位置変更自在にカード立
て掛け材１０５を配設した計数用のカード収容器１００
と、少なくとも前記カード類の縁部に係合しうる弾力性
を備えた薄板で構成された振動子１２Ａ並びにコンデン
サマイク１２Ｂを具備するピックアップ手段１２並びに
枚数表示手段１５を含んでなるカード計数器１０とで構
成されたカード類の計数装置。 （２）前記複数枚のカードが前記立て掛け材１０５に積
層状に寄りかかるように配置されるように前記カード収
容器１００の底壁１０３を上げ底状に傾斜させて形成し
た前記（１）記載のカード類の計数装置。

【０００６】

【作 用】この発明は、前記の構成を特徴としたも
のであるから、カード収容器内に、計数処理されるカー
ド類を互にその端縁部が階段状をなすように配列させ、
当該端縁部にカード計数器のピックアップ手段を関与さ
せ、その物理的な振動を受領して、カードの枚数に換算
して表示しうるものであり、カードが均一状にずらせて
配列されているため、計数誤差のない優れた計数結果が
得られたものである。

【０００７】

【実 施 例】次に、この発明のカード計数装置１につ
いて、その具体的な実施例を示す図面に基づいて説明す
る。

【０００８】図１〜図４には、その第１実施例が記載さ
れており、これらの各図でも理解されるように、この装
置１はカード計数器１０とカード収容器１００とで構成
されている。

【０００９】そうして、この計数器１０は、そのハウジ
ング１１に突出状に設けたピックアップ手段１２の振動
子１２Ａの先端部を、後述するカードＣに係合させて、
その枚数を検出しうるように構成されている。

【００１０】次に、このカード計数器１０の構成につい
て、図１および図３を参照して説明すると以下の通りで
ある。

【００１１】そのハウジング１１は、携帯しうるよう小
型の箱状の外観を呈しており、その内部には、電源１
３、回路手段１４および枚数表示手段１５を、互に電気
的に結線させて配設すると共に、その前方部には、ピッ
クアップ手段１２の尾部を挿着しており、このピックア
ップ手段１２のコンデンサマイク１２Ｂを図３に略示す
るように前記回路手段１４に結線させてなるものであ
る。

【００１２】なお、前記のピックアップ手段１２におけ
る前記の振動子１２Ａは弾力性を備えた薄板で構成され
ており、前記のマイク取付台１２Ｃと、バックアップ板
１２Ｄとの間に片持状に挾着されている。

【００１３】更に、この振動子１２Ａは、前記のコンデ
ンサマイク１２Ｂに機械的振動を伝達しうるように連繋
されているものである。

【００１４】次に、前記のカード計数器１０によって計
数処理されるカードＣを、計数処理可能に収容するカー
ド収容器１００について、図１，２および図４によって
説明する。

【００１５】この実施例のカード収容器１００は、頂部
が開放された有底箱型状をなしており、その平行状の端
壁１０１，１０１と、これに直交する側壁１０２，１０
２と、底壁１０３とでカードＣの収容室１０４を形成し
ており、この収容室１０４を計数処理されるカードＣの
数量に応じて、これを区画するカード立て掛け板１０５
を、前記側壁１０２，１０２の内面に凹設した複数対の
傾斜溝１０２Ａ，１０２Ａに位置変更自在に装着脱自在
に設けたものである。

【００１６】次に、この計数装置１によるカードＣの計
数処理の手順について説明すると、次の通りである。

【００１７】即ち、予め計数処理されるカードＣの概略
ボリュームに応じて、カード立て掛け板１０５を所望の
傾斜溝１０２Ａに係着させ、そのカード収容室１０４内
に、カードＣの束を投入する。

【００１８】投入されたカードＣは、薄葉状であるから
自然にその上方部が傾倒して（図１における時計方向）
各カードＣは、図１の実線で示す位置において立て掛け
板１０５によって支持された傾斜状となって静止される
こととなる。

【００１９】しかして、この状態での各カードＣの端縁
部Ｃ₁ の各関係配置は、図４に見る通りに、全体的には
鋸歯状を呈して均一に階段状部Ｃ₂ に配列されることと
なる。

【００２０】この状態において、カード計数器１０の振
動子１２Ａの自由端を各カードＣの端縁部Ｃ₁ に圧接さ
せて、各カードＣの厚み方向（図４矢印Ｘ方向）に移動
させると、振動子１２Ａは次々に各カードの端縁部Ｃ₁
に係合して移動され、その間において、階段状部Ｃ₂ に
より振動が誘発されることとなる。

【００２１】この振動音をコンデンサマイク１２Ｂによ
って収音し、電気信号に変換して回路手段１４に通信
し、この回路手段１４においてカードＣの枚数信号とし
て、前記表示部１５においてこれを表示させうるもので
ある。

【００２２】次に、この発明に係るカード収容器１００
の他の実施例について、図５及び図６に基づいて説明す
る。

【００２３】図５には、カード収容器１００’の第２の
実施例が示されており、この実施例のものが第１実施例
のものと相違している構成上の特徴点は、側壁１０２’
にカード立て掛け板１０５’を挿着するための鉛直溝１
０２Ａ’を設けたものである。

【００２４】この第２の実施例の場合の使用上の留意点
は、計数処理されるカードＣ’の厚みの総和寸法を、カ
ード収容室１０４’の底幅よりも幾分小さくなるように
配慮して、カード立て掛け板１０５’を装着することが
望まれるものであり、これにより、カードＣ’は傾斜状
に支持されることとなる。

【００２５】また、図６に示す第３実施例は、カード収
容室１０４''の底壁１０３''が右上りに傾斜状に構成さ
れた点にある。

【００２６】この実施例にあっては、カードＣ''は、そ
の下縁部が、カード収容器１００''の傾斜状の底壁１０
３''により担持されるため、矢張り第１実施例と同様に
その端縁部Ｃ₁'' が階段状を呈するように支持されて計
数処理に供しうるものである。

【００２７】

【発明の効果】この発明は、以上の通り、その実施例に
よって詳細に説明した内容のものであるから、カード収
容器に収容されたカードは、その端縁が外観上階段状を
なすように正確に均一状に配列されることとなり、この
カードを検出するカード計数器の振動子により的確にそ
の枚数を計数処理しうるものである。

【００２８】又、カード収容器には、位置変更自在にカ
ードの立て掛け材を配設しうるものであるから、計数処
理されるカードのボリュームに効果的に対応できるもの
が提供できるところである。

【００２９】更にカードは、その収容器から部分的に露
出するように収容されているため、ピックアップ手段に
よる計数処理の際に収容器の周壁部分が邪魔にならず、
効果的に計数しうるものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明のカード計数装置の第１実施例を示す
一部側面図。

【図２】図１の平面図。

【図３】カード計数器のピックアップ手段の説明図。

【図４】図１のカード計数状態を示す要部の切断側面
図。

【図５】カード収容器の第２の実施例を示す斜視図。

【図６】カード収容器の第３の実施例を示す縦断側面
図。

【符号の説明】１ カード計数装置１０ カード計数器１００ ，１００’，１００'' カード収容器１０５ ，１０５’，１０５'' カード立て掛け板

Claims (2)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 複数枚のカードを、その紙面方向に互い
   に位置をずらせて、各カードの縁部が階段状を呈して配
   列させてカードの枚数を計数しうるカード類の計数装置
   であって、前記複数のカード類が、その縁部を互いにず
   らせて階段状を呈して配列されるよう位置変更自在にカ
   ード立て掛け材１０５を配設した計数用のカード収容器
   １００と、少なくとも前記カード類の縁部に係合しうる
   弾力性を備えた薄板で構成された振動子１２Ａ並びにコ
   ンデンサマイク１２Ｂを具備するピックアップ手段１２
   並びに枚数表示手段１５を含んでなるカード計数器１０
   とで構成されたカード類の計数装置。
2. 【請求項２】 前記複数枚のカードが前記立て掛け材１
   ０５に積層状に寄りかかるように配置されるように前記
   カード収容器１００の底壁１０３を上げ底状に傾斜させ
   て形成した請求項１記載のカード類の計数装置。