JP2931493B2 - 飲料供給装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は適度に冷却されて味わい
が良いビール等の飲料を抽出するのに好適な飲料供給装
置に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来よりビール等の飲料を冷却して供給
する飲料供給装置は、例えば実開昭６３−１９０８８０
号公報（Ｆ２５Ｄ１１／００）に示されるように、水槽
内に冷却水を貯溜し、そこを冷却装置の蒸発パイプによ
って冷却してその周囲に氷を生成すると共に、係る水槽
内には飲料冷却パイプをコイル状に配設し、この飲料冷
却パイプ内を通してビール等を抽出することにより、ビ
ールを瞬間的に冷却供給する構成とされている。また、
水槽内の冷却水が均一に冷却されるように撹拌機を設け
て撹拌し、飲料冷却パイプの冷却効果を向上させてい
る。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】ここで、ビール抽出に
伴い飲料冷却パイプの内壁面にはビールに含まれる酒石
酸が付着生成し、これが抵抗となって通過するビールが
泡立ってしまう問題があり、そのために飲料冷却パイプ
の内部洗浄を定期的に行う必要がある。

【０００４】その場合、従来では飲料冷却パイプを取り
外し可能に継手を介して水槽内に配管し、清浄時には水
槽から取り出して内部を薬品洗浄する方法が一般に行な
われていた。

【０００５】しかしこの清浄方法であると飲料冷却パイ
プをその都度取り外す面倒さがあり、またその取り外す
際に撹拌機及びその周辺の取付部材が邪魔となるためこ
れらも同時に分解しなければならず、保守作業が煩雑な
ものとなっていた。

【０００６】そこで本発明では飲料販売後に飲料冷却パ
イプに洗浄水を流して洗浄を行う構成に改良し、保守作
業を容易とし、また通常飲料注出の状態に待機するよう
な配管路を確立するように制御して、確実な飲料注出を
行える飲料供給装置を提供することを目的とする。

【０００７】

【課題を解決するための手段】本発明は、飲料タンクか
らの飲料を冷却水槽内に配設した飲料冷却パイプを通過
させて抽出販売する飲料供給装置において、前記飲料冷
却パイプの入り口側に、前記飲料タンクからの飲料管路
と洗浄水源からの洗浄管路とを前記飲料冷却パイプに択
一的に接続して飲料又は洗浄水を切い替え流通する電動
式の三方弁を設け、運転開始時や停電等の後の電源投入
時には該三方弁を必ず前記飲料冷却パイプと前記飲料管
路とがつながる飲料販売側に切り替えるよう制御する弁
制御装置を備えたものである。

【０００８】

【作用】飲料抽出流路の途中に設けた電動式の三方弁を
飲料側に切換作動すれば、冷却水槽内に没した飲料冷却
パイプに飲料が流れ、通常の飲料抽出となる。何回かの
飲料抽出後、三方弁を切換作動して洗浄水側とすると、
飲料冷却パイプに洗浄水を流すとができて、飲料冷却パ
イプの自動的洗浄が行える。

【０００９】また、三方弁は弁制御装置により電源投入
時、必ず飲料を抽出できる方向に切り替えられる。従っ
て飲料販売開始に伴う電源投入時には、自動的に飲料抽
出状態にセットされるのはもとより、停電等で洗浄動作
が中断し、その後電源復帰した場合も、三方弁に対して
その洗浄水側を閉じさせて、飲料供給側を開くように弁
制御するので、自動的に飲料販売状態にでき、洗浄水が
飲料冷却パイプに流れてしまうという不都合な事態を起
こさず、確実に飲料抽出が成される。

【００１０】

【実施例】以下、本発明の実施例を図面を基づき説明す
る。図１は本発明の飲料供給装置１の内部構成を飲料供
給装置の縦断側面図、図２は飲料供給装置１の斜視図で
ある。

【００１１】本発明の飲料供給装置１のケース５内に
は、冷却水を貯溜したステンレス鋼板製の冷却水槽７
と、この冷却水槽７の下方に圧縮機８、凝縮器９及び凝
縮器冷却ファン１１等から成る冷却装置１２が設けられ
ている。前記冷却水槽７は上方に開口しており、その周
囲には断熱壁１３が設けられて断熱される。また断熱壁
１３の底面には切欠部１４が構成されており、この部分
において冷却水槽７の底壁７Ａ下面は外部に露出すると
共に、後述する如く撹拌モータを兼ねる前記凝縮器冷却
ファン１１のモータ１１Ｍはこの切欠部１４の下方に位
置している。そして、モータ１１Ｍの回転軸１５は上下
方向に突出しており、この回転軸１５の下端に前記凝縮
器冷却ファン１１は取り付けられている。前記圧縮器８
及び凝縮器９と共に冷却装置１２の冷凍サイクルを構成
する蒸発器としての蒸発パイプ１６は、冷却水槽７内に
コイル状に挿入されており、冷却水槽７内の冷却水に没
してそれを冷却する。一方、冷却水槽７内にはコイル状
の飲料冷却パイプ１７が前記蒸発パイプ１６の内側に位
置するよう上方から挿入配設されており、冷却水内に没
している。前記飲料冷却パイプ１７の出口管路１８はケ
ース５前面の上部に設けたコック４に接続され、一方前
記飲料冷却パイプ１７の入口側の飲料管路１９は、ケー
ス５前面の下部に設けた接続口６に接続されている。そ
してこの接続口６を介して、本飲料供給装置１の外部に
置かれる飲料タンク２からの飲料導出管９が前記入口管
路１９と接続されている。また前記飲料タンク７内の飲
料は炭酸ガスボンベ３によって常時加圧されており、コ
ック４を開くと飲料冷却パイプ１７に流れ込む。

【００１２】ところで前記飲料冷却パイプ１７には前記
飲料管路１９と後述する洗浄管路とが連通可能な配管構
成となっている。そして洗浄水側と飲料タンク２側に分
岐する前記飲料冷却パイプの入口側に、三方弁４１が配
設されている。この三方弁４１は、共通の吐出口ｃと第
１の入口ａと第２の入口ｂとを有し、共通の吐出口ｃに
第１の入口ａ側を連通させるか、第２の入口ｂ側を連通
させるかを電気的な駆動部４３によって内部の弁部を切
換作動させている。この場合三方弁４１の吐出口ｃは前
記飲料冷却パイプ１７につながり、そして三方弁４１の
第１の入口ａには前述した飲料管路１９が接続されてい
るが、第２の入口ｂ側には、洗浄水を供給するための洗
浄管路４４が接続されている。

【００１３】そして、このケース５内に配設された洗浄
管路４４は、洗浄水の貯溜源からの管路４５と前記接続
口６で接続されている。したがってこの三方弁４１を切
換動作させることで、飲料冷却パイプ１７に飲料を流せ
たり、洗浄水を流せたりできるが、その具体的手段は、
例えばケース５前面に洗浄用スイッチ４６を設け、この
スイッチ４６のＯＮ，ＯＦＦ操作によって洗浄水の通流
と停止をさせるように弁制御するような構成としてい
る。

【００１４】また前記冷却水槽７の底壁７Ａ上面に立設
した回転軸２４には撹拌機２６が回転自在に取り付けら
れ、一方この回転軸２４と同一軸芯上に位置する前記モ
ータ１１Ｍの回転軸１５には、撹拌機２６に装着した図
示しない永久磁石と磁気的結合する動力伝達盤２８が取
り付けられて、撹拌機２６と動力伝達盤２８は同方向に
同期して回転するようになる。

【００１５】また冷却水槽７内の底壁７Ａ上面には撹拌
機２６が回転する時、冷却水槽７内の冷却水が上昇し、
又下降する水流を起こさせ、撹拌効果及び冷却効果を増
長させる水流ガイド３１を放射状に有させている。

【００１６】以上の構成となっており、冷却装置１２が
運転され、蒸発パイプ１６に流入する冷媒の蒸発により
冷却水が冷却されると共に、蒸発パイプ１６に水層Ｉが
生成されて、飲料冷却パイプ１７は冷却水およびこの水
層Ｉの潜熱の両方で冷却される。また撹拌機２６で十分
に冷却水は撹拌されて冷却水は万遍なく冷却され、飲料
冷却パイプ１７は十分に冷却される。係る状態でコック
４を開くと、このコック４の開放動作に連動して三方弁
４１は吐出口ｃと第１の入口ａとを連通して飲料側に開
くように駆動部４３にて動作される。その結果、炭酸ガ
スボンベ３からの加圧によって飲料タンク２内の飲料は
飲料導出管９に押出され、次に飲料冷却パイプ１７内に
流入し、そこを通過してコック４から抽出される。

【００１７】こうして飲料販売が何度も行なわれた後、
定期的に飲料冷却パイプ１７内を洗浄する場合には、洗
浄用スイッチ４６を押す。すると駆動指令により駆動部
４３が作動して三方弁４１は吐出口ｃと第２の入口ｂと
を開通させる。すなわち洗浄管路４４側に切換わる。こ
れによって洗浄水が管路４５→洗浄管路４４→三方弁４
１と通り、飲料冷却パイプ１７内を流れてコック４から
流出する。洗浄水の通流は洗浄タイマーによって所定時
間行なわれ、この間に洗浄水によって飲料冷却パイプ１
７内は洗浄され、酒石酸等の付着物は取り除かれ洗い流
される。所定の洗浄時間の経過後に洗浄スイッチ４６を
ＯＦＦ操作して洗浄を終了する。

【００１８】ところで、この洗浄動作中に停電等があっ
て電源が遮断されると、三方弁４１は開いた状態、また
は、半開の状態のままとなる。この後、電源が復帰し飲
料供給装置１が作動態勢となりコック４を操作し飲料抽
出を行った時に、前記三方弁４１は洗浄水側に開路して
いるので、洗浄水が飲料冷却パイプ１７に流れて洗浄水
が流出し、飲料が抽出されない不測事態となる。

【００１９】そこで本発明ではこのような不測事態を生
じないように三方弁を制御するようにもすることとし
た。図３にその三方弁を制御して洗浄動作を実行させる
場合の制御フローを示す。

【００２０】ここで三方弁４１はマイクロコンピュータ
構成の弁制御装置によって弁制御されるものとなってい
る。電源が投入され制御フローがスタートすると、弁制
御装置より三方弁４１を閉めるバルブ閉の制御指令が出
力される（処理５１）。この閉止指令は洗浄水側を閉め
させるというもので、この結果駆動部４３により三方弁
４１は洗浄水側を閉めるように動作させられ、換言すれ
ば飲料側を開とするように三方弁４１は強制的に切換作
動させられる。三方弁４１が完全に閉止するまでに所要
の動作時間が掛るので、カウンタによりその時間を累積
し（処理５２）、所要の動作時間を経過したか判断し
（判断５３）、その経過時点で三方弁４１が洗浄水側を
完全に閉としたかを判断する、（洗浄バルブ閉めたか否
かと機能的に記載される判断５４）。判断５４の結果、
閉まっていなければ（ＮＯ）ブザーを鳴らして異常を報
せる（処理５６）。この状況は流路が洗浄用になってい
ることを示唆している。

【００２１】一方、閉まっていると判断されれば（判断
５４のＹＥＳ）、バルブ開のフラグをクリアする（処理
５５）。ここでバルブ開フラグとは三方弁４１を洗浄水
側に開くことである。このバルブ開のフラグのリセット
をもって洗浄水の通流をさせないで、飲料の抽出を可能
とする配管経路を確立させて飲料販売に待機させてい
る。これによって電源投入時には必ず飲料抽出をさせる
方向に三方弁４１を切換えている。この後、コック４を
操作すると図示しない飲料抽出用の制御フローに基づい
て飲料が抽出される。

【００２２】一方、洗浄をする時には、洗浄スイッチ４
６を押す。この操作により洗浄動作に入り、洗浄は判断
５７から始まるフローに従い制御される。すなわち、洗
浄スイッチ４１が押されたか判断され（判断５７）、押
された場合（判断５７のＹＥＳは、バルブ開フラグの有
無を見て（判断５８）、この場合洗浄スイッチ４１を押
す以前はバルブ開フラグは無いので、判断５８はＮＯと
なりバルブ開フラグを立ち上らせ（処理５９）、バルブ
開の制御指令を弁制御装置より出力させる（処理６
０）。すると三方弁４１は駆動部４３によって洗浄水側
を除々に開くよう切換作動させられる。この場合もバル
ブが開き切るまで或る程度の時間が掛るので、カウンタ
を使用し、処理６１、及び判断６２を経て、その動作時
間を経過するまで待つ。動作時間を経過したら（判断６
２のＹＥＳ）、洗浄バルブが開き切ったか、すなわち三
方弁４１は洗浄水側に連通するよう完全に開放したかを
判断し（判断６３）、開き切っていなければ（判断６３
のＮＯ）、異常と判断しブザーを鳴らせる（処理６
４）。洗浄水側に開き切って正常ならば（判断６３のＹ
ＥＳ）、判断５７に戻り、判断５８に至るとバルブ開フ
ラグがセットされたので判断５８はＹＥＳとなり、バル
ブ開を予め定められた時間にわたって保持し、飲料冷却
パイプ１７に洗浄水を流し続けるようにする。そのため
に洗浄タイマを用い、洗浄時間を累積し（処理６６）、
所定の洗浄時間を経過したかを判断する（判断６７）。
判断６６より所定の洗浄時間を過ぎれば（判断６７のＹ
ＥＳ）、処理５１に戻り、処理５２、判断５３、判断５
４、処理５６及び処理５５を実行して、三方弁４１を洗
浄水側を閉め、飲料側を開いた状態に戻す。

【００２３】また洗浄時間経過後に、洗浄スイッチ４６
を再度押して洗浄動作を完全に停止するので、この停止
スイッチの押されたことで、判断６５がＹＥＳとなり、
同じく処理５１に戻り、以降上述と同様の動作を実行
し、バルブ閉状態に戻す。なお洗浄後の初回の飲料抽出
時には、飲料冷却パイプ１７に貯まっている洗浄水流出
をさせてから行う。このように電源を投入すると処理５
１→処理５２→判断５３→判断５４→処理５５のフロー
が実行され、これによって必ず三方弁４１は洗浄水側を
閉め、飲料側を開にする弁制御が成されるので、洗浄動
作中に停電があって、洗浄水側に三方弁４１が開いたま
までも、電源復帰時に必ず閉じるので、飲料抽出時に洗
浄水が流出する不具合は防止される。

【００２４】

【発明の効果】以上のように本発明によれば、ビールな
どの飲料を飲みごろの低温として抽出するために冷却水
槽内に配した飲料冷却パイプに電動式の三方弁を介して
飲料に換え洗浄水を流してその洗浄を行えるように構成
したので、従来のように飲料冷却パイプを取り出さずと
も容易に洗浄ができる。

【００２５】また、この三方弁は電源投入時には必ず、
弁制御装置にて洗浄水側を閉め飲料側を開けて飲料販売
に待機させるよう弁制御されるので、飲料販売に伴う電
源投入時に飲料抽出態勢となるのはもとより、洗浄動作
中の停電等で洗浄水側方向に弁開のままとなっても、電
源復帰時には弁閉し、飲料側に弁開し、飲料抽出態勢に
切り替わっており、確実な飲料抽出を行わせ、洗浄水が
抽出するという不測な事態を生じさせないものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の飲料供給装置の縦断側面図。

【図２】本発明の飲料供給装置の斜視図。

【図３】飲料販売後に流路配管の洗浄を行なうための飲
料、洗浄水切り換え用の電動式三方弁の制御フロー。

【符号の説明】

２ 飲料タンク ４ コック ７ 冷却水槽 １２ 冷却装置 １７ 飲料冷却パイプ ４１ 三方弁 ４３ 駆動部

フロントページの続き (72)発明者 栗原 正和 大阪府守口市京阪本通２丁目18番地 三 洋電機株式会社内 (56)参考文献 特開 平４−239499（ＪＰ，Ａ) 実開 昭63−202696（ＪＰ，Ｕ) (58)調査した分野(Int.Cl.⁶，ＤＢ名) B67D 1/07

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 飲料タンクからの飲料を冷却水槽内に配
   設した飲料冷却パイプを通過させて抽出販売する飲料供
   給装置において、 前記飲料冷却パイプの入り口側に、前記飲料タンクから
   の飲料管路と洗浄水源からの洗浄管路とを前記飲料冷却
   パイプに択一的に接続して飲料又は洗浄水を切い替え流
   通する電動式の三方弁を設け、運転開始時や停電等の後
   の電源投入時には該三方弁を必ず前記飲料冷却パイプと
   前記飲料管路とがつながる飲料販売側に切り替えるよう
   制御する弁制御装置を備えたことを特徴とする飲料供給
   装置。