JP2930507B2 - 熱記録装置 - Google Patents

熱記録装置

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JP2930507B2
JP2930507B2 JP22897093A JP22897093A JP2930507B2 JP 2930507 B2 JP2930507 B2 JP 2930507B2 JP 22897093 A JP22897093 A JP 22897093A JP 22897093 A JP22897093 A JP 22897093A JP 2930507 B2 JP2930507 B2 JP 2930507B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、入力される画像データ
に応じて2次元的に多数の画点を配列形成し、前記画像
データに対応する画像を記録する熱記録装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来この種の装置は、記録可能な画素密
度が決まっている。例えば熱転写方式や感熱記録方式の
熱記録装置の場合、サーマルヘッドが有する発熱素子の
密度が記録可能な画素密度の最大値となる。
【0003】従って、この記録可能な画素密度よりも高
い密度の画像データが与えられた場合には、これを記録
可能な画素密度に変換して記録することになる。これ
は、画素密度を低下させることになるため、記録された
画像の画質は大幅に劣化してしまう。
【0004】これを防ぐためには、与えられ得る最も高
い密度の画像データと同等の画素密度で記録可能なよう
に装置を構成する必要がある。例えば熱転写方式の熱記
録装置の場合、サーマルヘッドの発熱素子の密度を高く
すれば、より高密度に画素を形成することが可能とな
る。
【0005】しかし発熱素子の密度を高くすると、発熱
素子数が増加するとともに、製造が困難となるため、サ
ーマルヘッドが高価になってしまう。またより多くの発
熱素子を駆動する必要があることから、駆動回路も規模
が増大し、高価になってしまう。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】以上のように従来の熱
記録装置は、記録可能な画素密度よりも高い密度の画像
データが与えられた場合に、記録される画像は画像デー
タが示す画像よりも画質が著しく劣化してしまうという
不具合があった。
【0007】また常に画像データが示す画像と同等の画
質で記録が行えるように与えられ得る最も高い密度の画
像データと同等の画素密度で記録可能なように装置を構
成すると、コストが上昇してしまうという不具合があっ
た。
【0008】本発明はこのような事情を考慮してなされ
たものであり、その目的とするところは、発熱素子の配
置密度は低く抑えてコストが上昇することを防ぎながら
も、発熱素子の配置密度よりも高い密度の画像も画質の
劣化を少なく抑えて良好に記録することができる熱記録
装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】以上の目的を達成するた
めに第1の本発明は、主走査方向については単位長さ当
りk個(例えば8個)の密度で例えば発熱抵抗体等の発
熱素子が多数配置されてなり、各発熱素子の発熱により
画点を形成することが可能であり、かつ各画点の大きさ
を各発熱素子への印加エネルギー量により変化させるこ
とができる例えばサーマルプリントヘッドなどの熱記録
ヘッドと、前記画像データから、主走査方向に連続する
画素データを先頭から順に2個ずつ抽出する例えばシリ
アル/パラレル変換器などの抽出手段と、前記抽出手段
により抽出された2個の画素データのいずれか一方のみ
が画点有りを示すときに画点有りの記録画素1つに変換
し、その他では画点無しの記録画素1つに変換してなる
第1記録データ(弱データ)に前記画像データを変換す
る例えばイクスクルーシブオアゲートなどの第1変換手
段と、前記抽出手段により抽出された2個の画素データ
がともに画点有りを示すときに画点有りの記録画素1つ
に変換し、その他では画点無しの記録画素1つに変換し
てなる第2記録データ(強データ)に前記画像データを
変換する例えばアンドゲートなどの第2変換手段とを設
け、例えば擬似高精細記録処理部などの制御手段では、
前記第1変換手段により生成された前記第1記録データ
に対応する記録画素列と前記第2変換手段により生成さ
れた前記第2記録データに対応する記録画素列とを、元
となる画素データが同一である記録画素が互いに重なる
ように、かつ前記第1記録データに対応しては所定の第
1サイズの画点を形成するための所定の第1エネルギー
量(ES )で前記各発熱素子を駆動し、また前記第2記
録データに対応しては前記第1サイズよりも大きな所定
の第2サイズの画点を形成するための所定の第2エネル
ギー量(EL )で前記各発熱素子を駆動するよう前記画
素形成手段を制御するようにした。
【0010】また第2の本発明は、主走査方向について
は単位長さ当りk個(例えば8個)の密度で例えば発熱
抵抗体等の発熱素子が多数配置されてなり、各発熱素子
の発熱により画点を形成することが可能であり、かつ各
画点の大きさを各発熱素子への印加エネルギー量により
変化させることができる例えばサーマルプリントヘッド
などの熱記録ヘッドと、前記画像データから、主走査方
向に連続する画素データを先頭から順に2個ずつ抽出す
る例えばシリアル/パラレル変換器などの抽出手段と、
前記抽出手段により抽出された2個の画素データの少な
くとも1つが画点有りを示すときに画点有りの記録画素
1つに変換し、その他では画点無しの記録画素1つに変
換してなる第1記録データ(強&弱データ)に前記画像
データを変換する例えばオアゲートなどの第1変換手段
と、前記抽出手段により抽出された2個の画素データが
ともに画点有りを示すときに画点有りの記録画素1つに
変換し、その他では画点無しの記録画素1つに変換して
なる第2記録データ(強データ)に前記画像データを変
換する例えばアンドゲートなどの第2変換手段とを設
け、例えば擬似高精細記録処理部などの制御手段では、
前記第1変換手段により生成された前記第1記録データ
に対応する記録画素列と前記第2変換手段により生成さ
れた前記第2記録データに対応する記録画素列とを、元
となる画素データが同一である記録画素が互いに重なる
ように、かつ前記第1記録データに対応しては所定の第
1サイズの画点を形成するための所定の第1エネルギー
量(ES)で前記各発熱素子を駆動し、また前記第2記
録データに対応しては前記第1エネルギーとの合成によ
り得られるエネルギー(EL )により前記第1サイズよ
りも大きな所定の第2サイズの画点を形成するための所
定の第2エネルギー量で前記各発熱素子を駆動するよう
前記画素形成手段を制御するようにした。
【0011】
【作用】これらの手段を講じたことにより、画像データ
の先頭から順に2つずつの画素が一対とされ、この一対
の画素のいずれか一方のみが画点有りであれば、この一
対の画素に対応して小さな画点が1つ形成される。また
一対の画素がともに画点有りであれば、この一対の画素
に対応して大きな画点が1つ形成される。かくして、記
録された画像の単位長さ当たりの画素数は原画像の1/
2となるが、大きな画点と小さな画点との組み合わせに
よって、視覚上では原画像に匹敵する画質を有する。
【0012】
【実施例】以下、図面を参照して本発明の一実施例につ
き説明する。図1は本発明の熱記録装置を適用して構成
されたファクシミリ装置の構成を示す機能ブロック図で
ある。
【0013】このファクシミリ装置は、読取部1、主制
御部2、コピー処理部3、画像メモリ4、通信処理部
5、記録部6および操作パネル7を有して構成されてい
る。読取部1は、読取原稿に形成された画像を読み取
り、対応する画像データを生成する。この読取部1は、
生成した画像データをコピー処理部3、画像メモリ4お
よび通信制御部5にそれぞれ与える。
【0014】コピー処理部3は、読取部1から与えられ
る画像情報を、主制御部2の制御のもとに必要に応じて
(例えばコピーモード時等)記録部6に転送する。画像
メモリ4は、読取部1または通信処理部5から与えられ
る画像データを、主制御部2の制御のもとに必要に応じ
て記憶する。また画像メモリ4は、記憶している画像デ
ータを、主制御部2の制御のもとに必要に応じて通信処
理部5または記録部6へと与える。
【0015】通信処理部5は、読取部1または画像メモ
リ4から与えられる画像データを、主制御部2の制御の
もとに必要に応じて通信回線8へと送出する。また通信
処理部5は、通信回線8を介して到来した画像データを
受信し、画像メモリ4または記録部6に与える。
【0016】記録部6は、コピー処理部3、画像メモリ
4または通信制御部5から与えられる画像データに対応
する画像を所定の記録紙に対して記録する。操作パネル
7は、多数のキースイッチ等の入力部やLCD等の表示
部を有し、オペレータによる指示の受付けやオペレータ
に対する各種情報の表示などを行うためのものである。
【0017】なお主制御部2は、本ファクシミリ装置の
各部を総括的に制御するものである。さて読取部1は、
光電変換部1a、量子化部1b、エッジ強調処理部(A
CC処理部)1c、2値化処理部1d、8-16変換部1
e、擬似中間調処理部1f、ノイズ除去部1g、読取制
御部1hおよび読取条件情報記憶部1iからなる。
【0018】光電変換部1aはさらに、図2に示すよう
に原稿台20、光源21、光学系22およびCCDライ
ンセンサ23を有してなる。原稿台20は透明なガラス
板よりなり、その上に原稿24が載置される。この原稿
24は、図示しない搬送系により必要に応じて原稿台2
0の上を搬送される。光源21はLEDなどからなり、
原稿台20の下側から原稿24に光を照射する。この際
の原稿24からの反射光は、例えばロッドレンズアレイ
などからなる光学系22によってCCDラインセンサ2
3に結像され、このCCDラインセンサ23により電気
信号に変換される。
【0019】CCDラインセンサ23は、図3に示すよ
うに、基板23a上に、多数の光電変換素子23bを所
定の密度で等間隔に一列に配置してなり、各光電変換素
子23bの出力をシリアルに連ねた電気信号を出力す
る。光電変換素子23bの配置密度は、本実施例では8
個/mm となっている。
【0020】CCDラインセンサ23が出力する電気信
号は、光電変換部1aの出力信号として量子化部1bに
与えられる。量子化部1bは、例えばA/Dコンバー
タ、シェーディング補正回路およびAGC回路などを含
んで構成された周知のものであり、光電変換部1aから
与えられる電気信号を8ビットのディジタル信号に変換
するとともに、光源などの主走査方向についての光量の
ばらつきを補償するためのシェーディング補正や、光源
の光量の時間変化を補償するためのAGC処理を行った
のち、ACC処理部1cに与える。
【0021】ACC処理部1cは、量子化部1bから与
えられるディジタル信号に対して、画像の白黒変化点を
強調するためのエッジ強調処理を施す。このエッジ強調
処理は、処理対象の画素(変換画素)に対応するレベル
とその周囲に位置する所定の参照画素に対応するレベル
とによる2次微分量に適当な係数を乗じた数値を、変換
画素から減じる処理である。ACC処理部1cは、エッ
ジ強調処理を行ったのちのディジタル信号を、2値化処
理部1d、8-16変換部1eおよび擬似中間調処理部1f
にそれぞれ与える。
【0022】2値化処理部1dは、ACC処理部1cか
ら与えられる8ビットのディジタル信号を、その値が所
定のスライスレベルより小さいなら黒、そうでないなら
白として単純に2値化する。2値化処理部1dは、2値
化を行って得られた2値信号(以下、単純2値信号と称
する)をノイズ除去部1gに与える。
【0023】8-16変換部1eは、ACC処理部1cから
与えられる8dots/mm 相当の信号を、後に詳述する処理
を行って16dots/mm 相当の2値信号(以下、擬似高精
細信号と称する)に変換し、ノイズ除去部1gに与え
る。
【0024】擬似中間調処理部1fは、ACC処理部1
cから与えられるディジタル信号に基づき、所定の擬似
中間調方式に準じた擬似中間調信号を生成し、ノイズ除
去部1gに与える。
【0025】なお、2値化処理部1d、8-16変換部1e
および擬似中間調処理部1fは、読取制御部1hの制御
のもとに択一的に動作する。ノイズ除去部1gは、2値
化処理部1d、8-16変換部1eまたは擬似中間調処理部
1fから与えられる各種の2値信号中にノイズ除去部1
gよりも前段における信号処理によって生じたノイズを
除去する。具体的には、ACC処理は信号のわずかなレ
ベルフラツキを強調してしまい、汚い画像を生成するこ
とがあるので、ACC処理前の信号を参照して、明らか
な白を白に、また明らかな黒を黒に強制的にする。ノイ
ズ除去部1gは、処理後の信号を画像データとして出力
する。
【0026】読取制御部1hは、主制御部2の制御のも
とに動作し、読取部1の各部を総括制御する。読取条件
情報記憶部1iは、読取制御部1hが各部を制御して読
取動作を実現する上で必要な各種の情報を格納しておく
ためのものである。
【0027】一方記録部6は、サーマルプリントヘッド
6a、通常記録処理部6b、擬似高精細記録処理部6
c、記録制御部6dおよび記録条件情報記憶部6eから
なる。サーマルプリントヘッド6aは、図4に示すよう
に、ヘッド部40および駆動回路41から構成されてい
る。
【0028】ヘッド部40は、例えばセラミックスまた
はアルミナからなる絶縁基板40a上に、ほぼ平行四辺
形状をなす多数(n個)の発熱抵抗体40bを、8個/
mmの密度で等間隔かつ平行に一次元配列してある。さら
に絶縁基板40a上には、各発熱抵抗体40bのそれぞ
れの一端に接続した状態で、1つの共通リード電極40
cが設けられている。また各発熱抵抗体40bのそれぞ
れの他端に接続した状態で、n個の個別リード電極40
dがそれぞれ設けられている。
【0029】駆動回路41は、通常記録処理部6aまた
は擬似高精細記録処理部6bから与えられる制御信号に
応じて各発熱抵抗体40bの通電を行うものである。な
お駆動回路41は、ヘッド部40と一体的に集積形成さ
れている。
【0030】以上の構成のサーマルプリントヘッド6a
は、図5に示すように配置されている。すなわちサーマ
ルプリントヘッド6aは、発熱抵抗体40bがプラテン
ローラ50に対向する状態、かつ発熱抵抗体40bの配
列方向がプラテンローラ50の長手方向に沿う状態で配
置され、ばね51によってプラテンローラ50に押圧さ
れている。そしてサーマルプリントヘッド6aとプラテ
ンローラ50との間には、インクフィルム52と記録紙
53とが互いに重なった状態で挿通されている。インク
フィルム52は、スプロケット54にロール状に巻かれ
ている。さらにインクフィルム52はその先端がスプロ
ケット55に固定されており、このスプロケット55に
巻き取られるものとなっている。記録紙53は、プラテ
ンローラ50が回転することによって図中の矢印方向に
搬送される。56,57はガイドシャフトであり、イン
クフィルム52のサーマルプリントヘッド6aに対する
状態を所定状態(図示の状態)に保つ。
【0031】さて、コピー処理部3、画像メモリ4また
は通信処理部5から与えられる画像データは、通常記録
処理部6aおよび擬似高精細記録処理部6bにそれぞれ
入力される。
【0032】通常記録処理部6bは、与えられる画像デ
ータに基づき、主走査方向密度が8dots/mm である画像
をサーマルプリントヘッド6aにより記録させるための
制御信号を生成し、サーマルプリントヘッド6aに与え
る。
【0033】擬似高精細記録処理部6cは、与えられる
画像データに基づき、主走査方向密度が16dots/mm 相
当である画像をサーマルプリントヘッド6aに記録させ
るための制御信号を生成し、サーマルプリントヘッド6
aに与える。
【0034】なお、通常記録処理部6aおよび擬似高精
細記録処理部6bは、記録制御部6dの制御のもとに択
一的に動作する。記録制御部6dは、主制御部2の制御
のもとに動作し、記録部6の各部を総括制御する。
【0035】記録条件情報記憶部6eは、記録制御部6
dが各部を制御して記録動作を実現する上で必要な各種
の情報を格納しておくためのものである。次に以上のよ
うに構成されたファクシミリ装置の動作を説明する。
【0036】(1) 読取動作 まず、操作パネル7においてファクシミリ送信やコピー
の実行が指示された場合、主制御部2はこの指示を受け
て、読取制御部1hに原稿の読み取りを指示する。これ
に応じて読取制御部1hは、読取部1の各部を動作させ
る。ただし、2値化処理部1d、8-16変換部1eおよび
擬似中間調処理部1fは、ファクシミリ送信時には操作
パネル7での指定に準じて相手端末との間で設定したモ
ードに応じて、またコピー時には操作パネル7で指定さ
れたモードに応じていずれか1つを動作させる。具体的
には、本ファクシミリ装置は「標準モード」「精細モー
ド」「高精細モード」「超高精細モード」「標準中間調
モード」「精細中間調モード」「高精細中間調モード」
および「超高精細中間調モード」の8つの読取モードを
有しており、「標準モード」「精細モード」および「高
精細モード」のいずれかが選択されているときには2値
化処理部1dを、「超高精細モード」が選択されている
ときには8-16変換部1eを、そして「標準中間調モー
ド」「精細中間調モード」「高精細中間調モード」およ
び「超高精細中間調モード」が選択されているときには
擬似中間調処理部1fをそれぞれ動作させる。
【0037】なお、上記各読取モードは、以下の条件で
ある。 「標準モード」:8dots/mm ×3.85lines/mm、白黒
2値。 「精細モード」:8dots/mm ×7.7lines/mm、白黒2
値。
【0038】「高精細モード」:8dots/mm ×15.4
lines/mm、白黒2値。 「超高精細モード」:16dots/mm 相当×15.4line
s/mm、白黒2値。 「標準中間調モード」:8dots/mm ×3.85lines/m
m、擬似中間調。
【0039】「精細中間調モード」:8dots/mm ×7.
7lines/mm、擬似中間調。 「高精細中間調モード」:8dots/mm ×15.4lines/
mm、擬似中間調。 「超高精細中間調モード」:16dots/mm 相当×15.
4lines/mm、擬似中間調。
【0040】さて光電変換部1aは、光源21を点灯さ
せて原稿24を照明するとともに、図示しない搬送系に
よって原稿24を所定の送りピッチで搬送する。この送
りピッチは、前記読取モードに応じ、副走査方向密度に
対応するピッチとされる。そして原稿24の送りに同期
した所定のタイミングでCCDラインセンサ23による
読み取りを繰り返し行う。このようにしてCCDライン
センサ23により生成される電気信号は、量子化部1b
にて8ビットのディジタル信号に変換されるとともに、
ACC処理回路1cにてエッジ強調処理を受けたのち、
2値化処理部1d、8-16変換部1eおよび擬似中間調処
理部1fに入力される。
【0041】(1-1) 2値化処理部1dが動作している
場合 この場合、2値化処理部1dではディジタル信号に基づ
いて、各画素が白および黒のいずれであるかを単純に示
す単純2値化信号が生成される。具体的には、CCDラ
インセンサ23と読み取ろうとしている黒画像との位置
関係が図6(a)に示す状態である場合を考える。なお
図6(a)において、ハッチングして示す図形が読み取
ろうとしている黒画像の位置を示す。
【0042】この状態では、ACC処理部1cから出力
されるディジタル信号は図6(b)に示す信号に対応す
る。なお図6(b)は、便宜上アナログ状態で示してい
るが、ACC処理部1cの出力は実際には図6(b)に
“×”で示す位置のレベルを8ビットで表したものとな
っている。
【0043】そして2値化処理部1dにおいて、図6
(b)に示す所定の閾値で2値化することによって図6
(c)に示すような単純2値化信号が得られる。ここで
図6(a)にAで示す部分に着目すると、該当する光電
変換素子23bのおよそ半分に黒画像がかかっているた
め、その出力レベルは、黒レベルと白レベルとの中間的
なレベルになっている。しかし、このレベルは閾値より
も高いので、2値化後には黒レベルとされる。
【0044】このようにして2値化処理部1dで生成さ
れる単純2値化信号は、1ラインに付き発熱抵抗体40
bの数と同数(n個)の画素データを含んでおり、8do
ts/mm に対応している。
【0045】(1-2) 8-16変換部1eが動作している場
合 この場合、8-16変換部1eでは8dots/mm 相当のディジ
タル信号は、1画素分の情報から2画素分の情報を生成
することによって16dots/mm 相当の擬似高精細信号に
変換される。この変換処理は、以下のようにして行われ
る。
【0046】CCDラインセンサ23と読み取ろうとし
ている黒画像との位置関係が図7(a)に示す状態であ
るとする。なお図7(a)において、ハッチングして示
す図形が読み取ろうとしている黒画像を示す。
【0047】この状態では、ACC処理部1cから出力
されるディジタル信号は図7(b)に示す信号に対応す
る。なお図7(b)は、便宜上アナログ状態で示してい
るが、ACC処理部1cの出力は実際には、図7(b)
に“×”で示す位置のレベルを8ビットで表したものと
なっている。
【0048】まず8-16変換部1eでは、互いに異なる所
定の第1閾値および第2閾値(第1閾値>第2閾値)に
基づき、各光電変換素子23bに対応する信号レベルを
「高輝度」「中輝度」および「低輝度」のいずれかに分
類する。ここで「高輝度」は、第1閾値以上の範囲であ
る。また「中輝度」は、第2閾値以上で、かつ第1閾値
よりも低い範囲である。そして「低輝度」は、第2閾値
よりも低い範囲である。
【0049】さて、図7(b)にBで示す部分では、信
号レベルは第1閾値以上であるので、「高輝度」である
と判断する。図7(b)にCで示す部分では、信号レベ
ルは第2閾値よりも低いので、「低輝度」であると判断
する。図2(b)にDで示す部分およびEで示す部分で
は、信号レベルは第2閾値以上で、かつ第1閾値よりも
低いので、「中輝度」であると判断する。
【0050】そして、この「高輝度」「中輝度」および
「低輝度」の別に基づき、既に生成された隣接する2画
素(参照画素)を参照して、図8に示すパターンで2画
素を生成する。すなわち、「高輝度」に関しては、参照
画素の状態に拘らずに、2つの画素はともに白画素に決
定される。また「低輝度」に関しては、参照画素の状態
に拘らずに、2つの画素はともに黒画素に決定される。
「中輝度」に関しては、参照画素が「白,白」、「白,
黒」および「黒,白」のいずれかであるときには、2つ
の画素は、順に「白」「黒」に、また参照画素が「黒,
黒」であるときには、2つの画素は、順に「黒」「白」
に決定される。
【0051】かくして、図7(b)にBで示す部分の画
素は、それぞれ2つの白画素に変換される。図7(b)
にCで示す部分の画素は、それぞれ2つの黒画素に変換
される。図7(b)にDで示す部分においては、参照画
素がともに「黒」であるので、Dで示す部分の画素は
「黒」「白」の順の2つの画素に変換される。そして、
図7(b)にEで示す部分においては、参照画素は
「白,白」または「白,黒」であるので、Eで示す部分
の画素は「白」「黒」の順の2つの画素に変換される。
この結果、図7(c)に示すような画素の配列に対応す
る擬似高精細信号が生成される。
【0052】(1-3) 擬似中間調処理部1fが動作して
いる場合 この場合、擬似中間調処理部1fではディジタル信号に
基づいて、各画素は「白」または「黒」のいずれかであ
るが、画像全体として見た場合に中間調画像として見え
るような画像に対応する擬似中間調信号を周知の擬似中
間調方式に準じて生成する。
【0053】なお擬似中間調処理部1fは、読取モード
が「超高精細中間調モード」であるときには、各画素の
データを2回繰り返すことによって1つの画素を2つの
画素に変換し、これにより16dots/mm に相当する信号
を得る。そしてこの信号に基づいて、周知の擬似中間調
方式に準じて擬似中間調信号を生成する。
【0054】さて、以上のようにして2値化処理部1
d、8−16変換部1eまたは擬似中間調処理部1fで
生成された各信号は、ノイズ除去部1gによって、AC
C処理前の信号を参照して明らかな白を白に、また明ら
かな黒を黒に強制的にすることにより、ノイズ除去部1
gよりも前段における信号処理によって生じたノイズが
除去されたのち、画像データとして出力される。
【0055】(2) ファクシミリ送信動作 操作パネル7においてオペレータによりファクシミリ送
信の実行が指示されると、通信処理部5は主制御部2の
制御のもとに指定された相手を発呼し、回線が確立され
たのちに相手端末と所定の制御情報を授受してのモード
設定や通信トレーニング等の準備処理を行う。そして準
備処理が終了すると、読取部1で前述の如くして生成さ
れた画像データを、読取部1から直接、または画像メモ
リ4を介して受け、冗長度抑圧符号化や変調などを施し
たのち通信回線8へと送出する。
【0056】全ての画像情報の送出が終了したら、通信
制御部5は相手端末と確認処理を行ったのち、通信回線
8を解放する。 (3) ファクシミリ受信動作 一方、通信回線8を介して呼出しがなされた場合、通信
処理部5がこれに応じて回線を捕捉したのち、相手端末
と所定の制御情報を授受してのモード設定や通信トレー
ニング等の準備処理を行う。そして準備処理が終了した
のち、通信回線8を介して到来する画像データを受信
し、復調や冗長度抑圧符号の復号などを施す。そして通
信処理部5は、受信した画像データを、通常受信モード
であれば記録部6に与え、またメモリ受信モードであれ
ば画像メモリ5に与える。
【0057】全ての画像情報の受信が終了したら、通信
制御部5は相手端末と確認処理を行ったのち、通信回線
8を解放する。 (4) コピー動作 操作パネル7においてオペレータによりコピー処理の実
行が指示されると、主制御部2はコピー処理部3を動作
させたのち、読取部1に原稿の読み取りを行わせる。コ
ピー処理部3は、読取部1で前述の如くして生成された
画像データを受けると、これを記録部6へと転送し、対
応する画像を記録部6により記録させる。
【0058】(5) 記録動作 コピー動作時、ファクシミリ受信時または画像メモリ4
に記憶された画像データに対応する画像の記録が操作パ
ネル7においてオペレータにより指定されたときには、
主制御部2は記録制御部6dに記録動作の開始を指示す
る。これに応じて記録制御部6dは、通常記録処理部6
bおよび擬似高精細記録制御部6cのいずれか一方を、
ファクシミリ受信にともなう記録動作時には相手端末と
の間で設定したモードに応じて、またコピー時には操作
パネル7で指定されたモードに応じて動作させる。具体
的には、本ファクシミリ装置は「通常記録モード」と
「擬似高精細記録モード」とを有しており、「通常記録
モード」であるときは通常記録処理部6bを、また「擬
似高精細記録モード」であるときは擬似高精細記録処理
部6cをそれぞれ動作させる。
【0059】なお、「通常記録モード」は、主走査方向
密度が8dots/mm である画像データに基づき、発熱抵抗
体40bの配列密度が8個/mm であるサーマルプリント
ヘッド6aに、主走査方向の画素密度が8dots/mm であ
る画像を記録させるモードである。この「通常記録モー
ド」における副走査方向密度は、3.85lines/mm,
7.7lines/mm,15.4lines/mmのいずれかであり、
これは画像データによって定まっている。また「擬似高
精細記録モード」は、主走査方向密度が16dots/mm で
ある画像データに基づき、発熱抵抗体40bの配列密度
が8個/mm であるサーマルプリントヘッド6aに、主走
査方向の画素密度が16dots/mm 相当である画像を記録
させるモードである。この「擬似高精細記録モード」に
おける副走査方向密度は15.4lines/mmである。
【0060】(5-1) 通常記録処理部6bが動作してい
る場合 この場合、通常記録処理部6bには、コピー処理部3、
画像メモリ4および通信処理部5のいずれかから、主走
査方向密度が8dots/mm である画像データが与えられ
る。通常記録処理部6bは、この画像データに基づき、
「黒」である画素に対応する発熱抵抗体40bに通電さ
せ、また「白」である画素に対応する発熱抵抗体40b
に通電させるようサーマルプリントヘッド6aの駆動回
路41を制御するための記録データおよび制御信号を生
成する。
【0061】サーマルプリントヘッド6aの駆動回路4
1は、通常記録処理部6bから与えられる記録データお
よび制御信号に応じ、「黒」である画素に対応する発熱
抵抗体40bにのみ通電し、当該発熱抵抗体40bに所
定量のエネルギーを印加する。なおこのときに発熱抵抗
体40bな印加するエネルギー量は、発熱抵抗体40a
の全面を「黒」の画素を形成するのに必要な温度以上で
発熱させることができるエネルギー量である。
【0062】このとき記録紙53は、画像データが対応
する副走査方向密度(3.85lines/mm,7.7lines/
mm,15.4lines/mmのいずれか)に応じたピッチで搬
送される。
【0063】(5-2) 擬似高精細記録処理部6cが動作
している場合 この場合、擬似高精細記録処理部6cには、コピー処理
部3、画像メモリ4および通信処理部5のいずれかか
ら、主走査方向密度が16dots/mm である画像データが
与えられる。擬似高精細記録処理部6cは、各ラインの
第1番目と第2番目、第3番目と第4番目…、第[n−
1]番目と第n番目をそれぞれ一対とし、この一対の画
素(原画素)の状態に基づいて、後述する取り決めに従
って記録画素1つの濃度を、レベル0〜レベル2の3レ
ベルのいずれかに決定する。なお各レベルは、レベル0
<レベル1<レベル2なる関係にある。
【0064】図9は記録濃度の決定に係る取り決めを模
式的に表す図である。なお、図9において、原画素のう
ちの白抜きで示される部分は「白」の画素を、また黒塗
りで示される部分は「黒」の画素をそれぞれ示す。
【0065】この図に示すように、 ・2つの原画素がともに「白」であるとき(黒率0/
2)には、レベル0。 ・2つの原画素のうちの1つのみが「黒」であるとき
(黒率1/2)には、レベル1。
【0066】・2つの原画素がともに「黒」であるとき
(黒率2/2)には、レベル2。の如く取り決められて
いる。 このようにして、2つの原画素を1つの記録画素に変換
することにより、画素数は元の1/2となり、8dots/m
m 相当の画素数となる。そして擬似高精細記録処理部6
cは、このようにして決定した記録画素の配列よりなる
記録データに基づき、各記録画素に対応する発熱抵抗体
40bを各記録画素のレベルに対応する所定のエネルギ
ー量で通電するようにサーマルプリントヘッド6aの駆
動回路41を制御するための記録データおよび制御信号
を生成する。
【0067】サーマルプリントヘッド6aの駆動回路4
1は、擬似高精細記録処理部6cから与えられる記録デ
ータおよび制御信号に応じ、レベル0である画素に対応
する発熱抵抗体40bには通電しない。またレベル1で
ある画素に対応する発熱抵抗体40bには、所定のエネ
ルギー量ES を印加する。またレベル2である画素に対
応する発熱抵抗体40bには、ES よりも大きく設定さ
れた所定のエネルギー量EL を印加する。
【0068】このときインクフィルム52および記録紙
53は、画像データが対応する15.4lines/mmに応じ
たピッチで搬送される。さて、発熱抵抗体40bは平行
四辺形状をなすので、電圧が印加された際の電流分布に
は図10に示すように偏りが生じる。図10は、発熱抵
抗体40b中の電流分布を、境界要素法を用いた数値解
析により求めた結果を示すものであり、黒点は測定点、
線の向きはその測定点における電流の向き、線の長さは
その測定点での電流の大きさをそれぞれ示している。
【0069】この図から分かるように、電流は発熱抵抗
体40bの中央部分に向かうに従って大きくなってい
る。ここで発熱抵抗体40b内のある点での発熱量は、
当該位置での電流量の2乗に比例する。従って、発熱抵
抗体40bの中心部分において発熱量が大きい。
【0070】さて、記録紙上に「黒」の画素を形成する
ためには一定以上の熱量が必要である。従って、発熱抵
抗体40bへの印加電圧が小さい場合には、図10に6
1aで示す範囲(以下、有効発熱範囲と称する)の発熱
によって「黒」の画素が形成される。また印加電圧を増
加するにしたがい、同図に61b,61cで示す如く、
有効発熱範囲が拡大して行く。従って、発熱抵抗体40
bに印加するエネルギー量を変化させることにより、
「黒」の画素の大きさを変化させることができる。
【0071】さて擬似高精細記録処理部6cにおいて
は、エネルギー量ES ,EL が以下のように設定されて
いる。ES は、図11に示すように発熱抵抗体40bの
一部に、16dots/mm における1画素の大きさに匹敵す
る大きさの有効発熱範囲71を形成するのに必要な値に
設定される。またEL は、図12に示すように発熱抵抗
体40bの全領域に有効発熱範囲72を形成するのに必
要な値に設定される。なお発熱抵抗体40bに供給する
エネルギー量は、発熱抵抗体40bへの印加電圧や通電
時間により変化させることができる。
【0072】かくして、記録部1へと与えられる画像デ
ータが表す画像(原画像)が図13(a)に示すように
離散的に「黒」の画素81a,81bが位置したもので
あった場合、対応する2つの原画素のうちの1つのみが
「黒」の画素である発熱抵抗体40b(図13では中央
と右)の一部に、図13(b)に示すように原画像の1
画素の大きさに匹敵する大きさの有効発熱範囲82a,
82bが形成される。従って、記録された「黒」の画素
は原画像と同様に離散的に形成される。
【0073】一方、原画像が図14(a)に示すように
固まった状態で「黒」の画素83a,83b,83c,
83dが位置したものであった場合、対応する2つの原
画素データがともに「黒」の画素である発熱抵抗体40
b(図14では中央)の全領域に、図14(b)に示す
ように有効発熱範囲84aが形成される。また画像の両
端部において、対応する2つの原画素データのうちの1
つのみが「黒」の画素である発熱抵抗体40b(図14
では左と右)には図13の場合と同等な電圧が印加され
るので、その印加電圧により生じる有効発熱領域は図1
3の場合と同様な84b,84cで示す領域となる。と
ころが、隣接する発熱抵抗体40bの有効発熱領域84
aが中央の発熱抵抗体40bの全領域に及んでいるた
め、その熱の影響を受けて、隣接する発熱抵抗体40b
(図14では左と右)に有効発熱領域84d,84eが
生じる。かくして、各発熱抵抗体40bのそれぞれの有
効発熱領域が結合し、連続した大きな黒画像が記録され
る。かつ画像の両端部に対応する発熱抵抗体40bの画
像外側に対応する部分は、隣接する発熱抵抗体(図示せ
ず)の有効発熱領域が全領域には及んでいないために、
図14(b)に示すように有効発熱領域にはならない。
従って、図14(a)に示す原画像に忠実な画像が記録
される。
【0074】以上が本実施例のファクシミリ装置の構成
および動作の概略である。続いて、本発明の主要部分に
ついてより詳細に説明する。さて、平行四辺形状の発熱
抵抗体40bを有するサーマルプリントヘッド6aを用
いることにより、発熱抵抗体40bの配置密度は8個/
mmでありながら、16dots/mm 相当の画像を良好に記録
することができる原理については以上において詳述した
通りである。以下、この原理に基づいての記録を実現さ
せるためのサーマルプリントヘッド6aの制御方法につ
いていくつかの実施例を説明する。
【0075】(第1実施例)図15はサーマルプリント
ヘッド6aの詳細な構成を示す回路ブロック図である。
なお図15において図4と同一部分には同一符号を付
し、その詳細な説明は省略する。
【0076】駆動回路42は、多数のD型のフリップフ
ロップ42(42a-1 〜42a-m ,42b-1 〜42b-m ,42c-1
〜42c-m ,42d-1 〜42d-m )、多数のラッチ回路43
(43a-1 〜43a-m ,43b-1 〜43b-m ,43c-1 〜43c-m ,
43d-1 〜43d-m )、多数のアンドゲート44(44a-1 〜
44a-m ,44b-1 〜44b-m ,44c-1 〜44c-m ,44d-1 〜44
d-m )および多数のトランジスタ45(45a-1 〜45a-m
,45b-1 〜45b-m ,45c-1 〜45c-m ,45d-1 〜45d-m
)より構成されている。
【0077】フリップフロップ42は、発熱抵抗体40
bと同数(n個)であり、シリアルに接続されている。
そして第1段目のフリップフロップ42a-1 の入力端子に
は通常記録処理部6aまたは擬似高精細記録処理部6b
から与えられる記録データDATAが入力されるとともに、
各フリップフロップ42にそれぞれ、記録データDAT
Aに同期したクロックCKが与えられている。従ってn
個のフリップフロップ42により、記録データDATAを転
送・保持するシフトレジスタを構成している。フリップ
フロップ42は、第1段目のフリップフロップ42a-1 か
ら順にm個(m=n/4)ずつで4つのブロックに分け
られている。すなわち、第1段目から第m番目までのフ
リップフロップ42a-1 〜42a-m が第1ブロック、第[m
+1]番目から第[2m]番目までのフリップフロップ
42b-1 〜42b-m が第2ブロック、第[2m+1]番目か
ら第[3m]番目までのフリップフロップ42c-1 〜42c-
m が第3ブロック、第[3m+1]番目から第n番目ま
でのフリップフロップ42d-1 〜42d-m が第4ブロックに
それぞれ属する。
【0078】ラッチ回路43は、発熱抵抗体40bと同
数(n個)であり、それぞれの入力端子には、フリップ
フロップ42のそれぞれの出力がそれぞれ与えられてい
る。ラッチ回路43は、フリップフロップ42の保持内
容をラッチ信号LAに同期してラッチする。ラッチ回路
43は、フリップフロップ42に対応して4つにブロッ
ク分けされている。すなわち、フリップフロップ42a-1
〜42a-m のそれぞれの出力を受けるラッチ回路43a-1 〜
43a-m が第1ブロック、フリップフロップ42b-1 〜42b-
m のそれぞれの出力を受けるラッチ回路43b-1 〜43b-m
が第2ブロック、フリップフロップ42c-1 〜42c-m のそ
れぞれの出力を受けるラッチ回路43c-1〜43c-m が第3
ブロック、フリップフロップ42d-1 〜42d-m のそれぞれ
の出力を受けるラッチ回路43d-1 〜43d-m が第4ブロッ
クにそれぞれ属する。
【0079】アンドゲート44は、発熱抵抗体40bと
同数(n個)であり、それぞれの一方の入力端子には、
ラッチ回路43のそれぞれの出力がそれぞれ与えられて
いる。アンドゲート44は、フリップフロップ42およ
びラッチ回路43に対応して4つにブロック分けされて
いる。すなわち、ラッチ回路43a-1 〜43a-m のそれぞれ
の出力を受けるアンドゲート44a-1 〜44a-m が第1ブロ
ック、ラッチ回路43b-1 〜43b-m のそれぞれの出力を受
けるアンドゲート44b-1 〜44b-m が第2ブロック、ラッ
チ回路43c-1 〜43c-m のそれぞれの出力を受けるアンド
ゲート44c-1 〜44c-m が第3ブロック、ラッチ回路43d-
1 〜43d-m のそれぞれの出力を受けるアンドゲート44d-
1 〜44d-m が第4ブロックにそれぞれ属する。そして第
1ブロックに属するアンドゲート44a-1 〜44a-m のそれ
ぞれの他端にはイネーブル信号EN1が、第2ブロック
に属するアンドゲート44b-1 〜44b-m のそれぞれの他端
にはイネーブル信号EN2が、第3ブロックに属するア
ンドゲート44c-1 〜44c-mのそれぞれの他端にはイネー
ブル信号EN3が、第4ブロックに属するアンドゲート
44d-1 〜44d-m のそれぞれの他端にはイネーブル信号E
N4がそれぞれ反転入力される。従って、ラッチ回路43
a-1 〜43a-m にラッチされたデータは、イネーブル信号
EN1が「L」レベルであるときにアンドゲート44a-1
〜44a-m から出力される。ラッチ回路43b-1 〜43b-m に
ラッチされたデータは、イネーブル信号EN2が「L」
レベルであるときにアンドゲート44b-1 〜44b-m から出
力される。ラッチ回路43c-1 〜43c-m にラッチされたデ
ータは、イネーブル信号EN3が「L」レベルであると
きにアンドゲート44c-1 〜44c-m から出力される。ラッ
チ回路43d-1 〜43d-m にラッチされたデータは、イネー
ブル信号EN4が「L」レベルであるときにアンドゲー
ト44d-1 〜44d-m から出力される。
【0080】トランジスタ45は、発熱抵抗体40bと
同数(n個)であり、それぞれエミッタが接地されてい
る。また各トランジスタ45のベースには、各アンドゲ
ート44の出力がそれぞれ入力されている。そして各ト
ランジスタのコレクタは、ヘッド部40の各個別リード
電極40dにそれぞれ接続されている。かくしてトラン
ジスタ45は、対応するアンドゲート44から「H」レ
ベルの信号が入力されたときにONし、対応する発熱抵
抗体40bに+24Vの駆動電圧を印加する。
【0081】図16は第1実施例における擬似高精細記
録処理部6cの具体的な構成を示すブロック図である。
この図に示すように擬似高精細記録処理部6cは、シリ
アル/パラレル変換器(S/P変換器)91、ラインメ
モリ92、アンドゲート93、イクスクルーシブオアゲ
ート94、セレクタ95および制御信号発生部96より
なる。
【0082】コピー処理部3、画像メモリ4または通信
処理部5から与えられる画像データは、S/P変換器9
1およびラインメモリ92にそれぞれ入力される。S/
P変換器91は、画像データの各ラインの先頭から2画
素分ずつを一対として、この一対の画素のデータを同時
に出力して2本のデータ(奇数画素データと偶数画素デ
ータ)に変換する。S/P変換器91は、奇数画素デー
タをアンドゲート93の一方の入力端およびイクスクル
ーシブオアゲート94の一方の入力端にそれぞれ与え
る。またS/P変換器91は、偶数画素データをアンド
ゲート93の他方の入力端およびイクスクルーシブオア
ゲート94の他方の入力端にそれぞれ与える。
【0083】ラインメモリ92は、画像データを1ライ
ン分記憶する容量を有し、記録制御部6dの制御のもと
に画像データを記憶する。またラインメモリ92は、記
録制御部6dの制御のもとに記憶している画像データを
S/P変換器91へと出力する。
【0084】アンドゲート93は、奇数画素データと偶
数画素データとの論理積を取り、その結果をセレクタ9
5の一方の入力端子Aに与える。イクスクルーシブオア
ゲート94は、奇数画素データと偶数画素データとの排
他的論理和を取り、その結果をセレクタ95の他方の入
力端子Bに与える。
【0085】セレクタ95は、記録制御部6dから与え
られるセレクト信号の状態に応じて入力端子Aに入力さ
れたデータおよび入力端子Bに入力されたデータのいず
れかを選択出力する。このセレクタ95の出力は、記録
データDATAとしてサーマルプリントヘッド6aに与えら
れる。
【0086】制御信号発生部96は、画像データクロッ
クと記録制御部6dから与えられるタイミング信号とに
基づき、サーマルプリントヘッド6aを駆動するための
制御信号(クロック信号CK、ラッチ信号LAおよびイ
ネーブル信号EN1,EN2,EN3,EN4)を生成
し、サーマルプリントヘッド6aへと与える。
【0087】次に以上のような構成のサーマルプリント
ヘッド6aおよび擬似高精細記録処理部6cの動作を説
明する。まず画像データは、S/P変換器91によって
奇数画素データと偶数画素データとに分離され、アンド
ゲート93およびイクスクルーシブオアゲート94にそ
れぞれ入力される。すなわち、アンドゲート93および
イクスクルーシブオアゲート94には、画像データの各
ラインの先頭から2画素分ずつを一対として、この一対
の画素のデータが同時に入力される。
【0088】アンドゲート93では、奇数画素データと
偶数画素データとの論理和が取られ、奇数画素データと
偶数画素データとがともに「H」レベル(「黒」の画素
に対応)であるときにのみ「H」レベルが出力される。
すなわちアンドゲート93では、図9に示した原画素と
記録画素との対応関係に基づき、黒率が2/2となる一
対の原画素を検出し、レベル2である記録画素を示すデ
ータを生成している。レベル2である記録画素は、大き
なエネルギーによって記録する必要があるので、アンド
ゲート93から出力されるデータは、以下では強データ
と称する。具体的には、画像データが例えば図17
(a)に示すようなデータである場合、強データは図1
7(b)に示すようなデータとなる。なお図17におい
て、ハッチングして示す部分が「黒」の画素に対応する
「H」レベルの部分である。
【0089】一方イクスクルーシブオアゲート94で
は、奇数画素データと偶数画素データとの排他的論理和
が取られ、奇数画素データおよび偶数画素データのいず
れか一方のみが「H」レベル(「黒」の画素に対応)で
あるときにのみ「H」レベルが出力される。すなわちイ
クスクルーシブオアゲート94では、図9に示した原画
素と記録画素との対応関係に基づき、黒率が1/2とな
る一対の原画素を検出し、レベル1である記録画素を示
すデータを生成している。レベル1である記録画素は、
小さなエネルギーによって記録する必要があるので、イ
クスクルーシブオアゲート94から出力されるデータ
は、以下では弱データと称する。具体的には、画像デー
タが例えば図17(a)に示すようなデータである場
合、弱データは図17(c)に示すようなデータとな
る。
【0090】さて、画像データは図18に示すように、
S/P変換器91に直接に入力されるが、これと同時に
ラインメモリ92に記憶される。1ライン分の画像デー
タがS/P変換器91に入力されるとともに、ラインメ
モリ92に記憶されると、次のラインの画像データが到
来するまでの間に、ラインメモリ92が記憶している画
像データをS/P変換器91へと出力する。従ってS/
P変換器91には、図18に示すように同じラインの画
像データが2回続けて入力される。
【0091】記録制御部6dは、図18に示すように、
S/P変換器91への1ライン分の画像データの入力が
終了する毎に「H」レベルと「L」レベルとが変化し、
かつ各ラインの画像データのS/P変換器91への入力
が第1回目であるときには入力端子Aを指定する「L」
レベルであり、また各ラインの画像データのS/P変換
器91への入力が第2回目であるときには入力端子Bを
指定する「H」レベルであるセレクト信号を発生し、セ
レクタ95に与えている。これに応じてセレクタ95
は、S/P変換器91にあるラインの画像データが1回
目に与えられているときには入力端子A、すなわちアン
ドゲート93の出力を選択出力し、またS/P変換器9
1にあるラインの画像データが2回目に与えられている
ときには入力端子B、すなわちイクスクルーシブオアゲ
ート94の出力を選択出力する。
【0092】かくしてセレクタ95から出力される記録
データDATAは、図18に示すように各ラインに対応する
強データと弱データとが連続するデータとなる。この記
録データDATAは、サーマルプリントヘッド6aのフリッ
プフロップ42a-1 に入力される。
【0093】一方、制御信号発生部96では、画像デー
タクロックとタイミング信号を受け、これらに基づいて
記録クロックCK、ラッチ信号LAおよびイネーブル信号EN
1 ,EN2 ,EN3 ,EN4 が発生される。
【0094】記録クロックCKは、画像データクロックの
1/2の周波数で、記録データDATAに同期している。ラ
ッチ信号LAは図18に示すように、記録データDATAの1
ライン分の強データの終端および1ライン分の弱データ
の終端から所定期間にのみ「L」レベルとなる信号であ
る。
【0095】イネーブル信号EN1 は図18に示すよう
に、ラッチ信号LAの立上がり時点から、強データの終端
の後では所定期間TAにのみ、また弱データの終端の後
では所定期間TB(TB<TA)にのみ「L」レベルと
なる信号である。
【0096】イネーブル信号EN2 は図18に示すよう
に、イネーブル信号EN1 の立上がり時点から、強データ
の終端の後では期間TAにのみ、また弱データの終端の
後では期間TBにのみ「L」レベルとなる信号である。
【0097】イネーブル信号EN3 は図18に示すよう
に、イネーブル信号EN2 の立上がり時点から、強データ
の終端の後では期間TAにのみ、また弱データの終端の
後では期間TBにのみ「L」レベルとなる信号である。
【0098】イネーブル信号EN4 は図18に示すよう
に、イネーブル信号EN3 の立上がり時点から、強データ
の終端の後では期間TAにのみ、また弱データの終端の
後では期間TBにのみ「L」レベルとなる信号である。
【0099】記録クロックCKは、フリップフロップ42
のそれぞれに与えられる。ラッチ信号LAは、ラッチ回路
43のそれぞれに与えられる。イネーブル信号EN1 は、
アンドゲート44a-1 〜44a-m にそれぞれ与えられる。イ
ネーブル信号EN2 は、アンドゲート44b-1 〜44b-m にそ
れぞれ与えられる。イネーブル信号EN3 は、アンドゲー
ト44c-1 〜44c-m にそれぞれ与えられる。イネーブル信
号EN4 は、アンドゲート44d-1 〜44d-m にそれぞれ与え
られる。
【0100】さて記録データDATAは、記録クロックCKに
同期してフリップフロップ42を順次転送される。ここ
で第nラインの強データが記録データDATAとして擬似高
精細記録処理部6cから出力されているとき、この第n
ラインの強データはn画素分のデータを含んでいるの
で、各画素のデータが各フリップフロップ42を順次転
送され、やがて各フリップフロップ42にそれぞれ保持
される。
【0101】第nラインの強データの全てがフリップフ
ロップ42に保持されると、これに合わせてラッチ信号
LAが「L」レベルとなり、これに応じて各ラッチ回路4
3が、それぞれに対応するフリップフロップ42が出力
するデータを取り込み、ラッチする。かくして第nライ
ンの強データは、ラッチ回路43にラッチされる。
【0102】このように第nラインの強データがラッチ
回路43にラッチされたのちには、若干の時間をおい
て、擬似高精細記録処理部6cから第nラインの弱デー
タが記録データDATAとして出力される。この第nライン
の弱データはn画素分のデータを含んでおり、第nライ
ンの強データと同様にしてフリップフロップ42に取り
込まれる。
【0103】さて、第nラインの弱データがフリップフ
ロップ42に取り込まれるのと並行して、アンドゲート
44a-1 〜44a-m に与えられるイネーブル信号EN1、ア
ンドゲート44b-1 〜44b-m に与えられるイネーブル信号
EN2、アンドゲート44c-1〜44c-m に与えられるイネ
ーブル信号EN3およびアンドゲート44d-1 〜44d-mに
与えられるイネーブル信号EN4は、順次所定期間TA
に亙って「L」レベルとなる。
【0104】従って、まずイネーブル信号EN1が
「L」レベルとなることにより、アンドゲート44a-1 〜
44a-m が開放状態となり、第nラインの強データのうち
ラッチ回路43a-1 〜43a-m がラッチし、出力しているデ
ータがアンドゲート44a-1 〜44a-m を介してトランジス
タ44a-1 〜44a-m のベースに与えられる。これにより、
トランジスタ44a-1 〜44a-m は、第nラインの強データ
のうちラッチ回路43a-1 〜43a-m にラッチされているデ
ータに応じてONまたはOFFされ、対応する発熱抵抗
体40bへの通電をONまたはOFFする。
【0105】以降、イネーブル信号EN2が「L」レベ
ルとなることにより、ラッチ回路43b-1 〜43b-m 、アン
ドゲート44b-1 〜44b-m およびトランジスタ45b-1 〜45
b-mにおいて、イネーブル信号EN3が「L」レベルと
なることにより、ラッチ回路43c-1 〜43c-m 、アンドゲ
ート44c-1 〜44c-m およびトランジスタ45c-1 〜45c-m
において、さらにイネーブル信号EN4が「L」レベル
となることにより、ラッチ回路43d-1 〜43d-m 、アンド
ゲート44d-1 〜44d-m およびトランジスタ45d-1 〜45d-
m においてそれぞれ上述と同様な動作が行われる。
【0106】かくして、第nラインの強データに応じた
発熱抵抗体40bの通電がなされる。このときの通電時
間は、イネーブル信号EN1,EN2,EN3,EN4
がそれぞれ「L」レベルとなる期間TAに相当する。
【0107】続いて第nラインの弱データの全てがフリ
ップフロップ42に保持されると、上述した第nライン
の強データの場合と同様な処理がラッチ回路43、アン
ドゲート44およびトランジスタ45において行われ、
第nラインの弱データに応じた発熱抵抗体40bの通電
がなされる。ただしこのときには、イネーブル信号EN
1,EN2,EN3,EN4がそれぞれ「L」レベルと
なる期間はTAよりも小さな所定期間TBであるので、
通電時間は強データの場合と異なり、期間TBに相当す
る。
【0108】さて記録制御部6dは、記録紙を搬送する
ための搬送系のモータに、各ラインの弱データに応じた
発熱抵抗体40bの通電が終了した後にのみ記録紙の送
りを行わせるモータ送りクロックを与えており、従っ
て、同一ラインの強データに応じた記録と弱データに応
じた記録とは、記録紙の同一位置に対して行われる。換
言すれば、本実施例では1ラインの記録は、強データを
用いた記録と弱データを用いた記録との2度書きにより
なされる。なお、実際には記録紙の搬送系の慣性によ
り、記録紙が常に動いている場合が多く、このような場
合には強データを用いた記録の位置と弱データを用いた
記録の位置とが若干ずれてしまうが、このずれ量は微少
であり、視覚上は問題ない。
【0109】以後、以降の各ラインの画像データのそれ
ぞれに対して、前述と同様な処理を繰り返すことによ
り、記録紙に対して画像の記録を行う。ところで発熱抵
抗体40bに通電した場合に得られる記録エネルギーE
は、印加電圧をV、発熱抵抗体40bの抵抗値をR、通
電時間をΔTとすると、 E=(V2 /R)ΔT となり、通電時間ΔTに比例する。
【0110】前記期間TAは、この期間TAの通電によ
り得られる記録エネルギが、図12に示す有効発熱領域
72を得られる記録エネルギEL になるよう上記式に基
づいて設定されている。また前記期間TBは、この期間
TBの通電により得られる記録エネルギが、図11に示
す有効発熱領域71を得られる記録エネルギES になる
よう上記式に基づいて設定されている。
【0111】かくして画像データが図17(a)に示す
ようなデータである場合、図17(b)に示す強データ
を用いた通電と図17(c)に示す弱データを用いた通
電との合成により、図17(d)に示すような記録エネ
ルギーでの記録がなされる。これにより、図13および
図14を参照して前述した如く、16dots/mm 相当の画
像が良好に記録される。
【0112】(第2実施例)本実施例は、サーマルプリ
ントヘッド6aおよび擬似高精細記録処理部6cの構成
は前記第1実施例と同一である。
【0113】ここで本実施例が特徴とするところは、記
録制御部6dが出力するセレクト信号を、図19に示す
ように前記第1実施例とは反転させることにより、記録
データDATAを、図19に示すように「弱データ」「強デ
ータ」の順に各ラインの弱データおよび強データを配列
したデータとした点である。
【0114】この実施例によっても、前記第1実施例と
同様にして16dots/mm 相当の画像が良好に記録され
る。ただし本実施例では、先に小さな画点が形成された
のちに大きな画点が形成されるので、前記第1実施例に
比べて小さい画点と大きいが点との結合が起きにくい
が、小さな画点が前記第1実施例よりも形成し易いとい
う特徴がある。
【0115】(第3実施例)図20は第3実施例におけ
る擬似高精細記録処理部6cの具体的な構成を示すブロ
ック図である。なお図16と同一部分には同一符号を付
し、その詳細な説明は省略する。
【0116】この図に示すように本実施例の擬似高精細
記録処理部6cは、シリアル/パラレル変換器(S/P
変換器)91、ラインメモリ92、アンドゲート93、
セレクタ95、オアゲート97および制御信号発生部9
8よりなる。
【0117】オアゲート97は、S/P変換器91から
出力される奇数画素データと偶数画素データとの論理和
を取り、その結果をセレクタ95の入力端子Bに与え
る。制御信号発生部98は、画像データクロックと記録
制御部6dから与えられるタイミング信号とに基づき、
サーマルプリントヘッド6aを駆動するための制御信号
(クロック信号CK、ラッチ信号LAおよびイネーブル
信号EN1,EN2,EN3,EN4)を生成し、サー
マルプリントヘッド6aへと与える。
【0118】なおサーマルプリントヘッド6aは、前記
第1実施例と全く同一である。次に以上のような構成の
サーマルプリントヘッド6aおよび擬似高精細記録処理
部6cの動作を説明する。
【0119】まず画像データは、S/P変換器91によ
って奇数画素データと偶数画素データとに分離され、ア
ンドゲート93およびオアゲート97にそれぞれ入力さ
れる。すなわち、アンドゲート93およびオアゲート9
7には、画像データの各ラインの先頭から2画素分ずつ
を一対として、この一対の画素のデータが同時に入力さ
れる。
【0120】アンドゲート93では、奇数画素データと
偶数画素データとの論理和が取られ、奇数画素データと
偶数画素データとがともに「H」レベル(「黒」の画素
に対応)であるときにのみ「H」レベルが出力される。
すなわちアンドゲート93では、図9に示した原画素と
記録画素との対応関係に基づき、黒率が2/2となる一
対の原画素を検出し、レベル2である記録画素を示すデ
ータを生成している。レベル2である記録画素は、大き
なエネルギーによって記録する必要があるので、アンド
ゲート93から出力されるデータは、以下では強データ
と称する。具体的には、画像データが例えば図21
(a)に示すようなデータである場合、強データは図2
1(b)に示すようなデータとなる。なお図21におい
て、ハッチングして示す部分が「黒」の画素に対応する
「H」レベルの部分である。
【0121】一方オアゲート97では、奇数画素データ
と偶数画素データとの論理和が取られ、奇数画素データ
および偶数画素データのいずれかが「H」レベル
(「黒」の画素に対応)であるときに「H」レベルが出
力される。すなわちオアゲート97では、図9に示した
原画素と記録画素との対応関係に基づき、黒率が2/2
となる一対の原画素および黒率が1/2となる一対の原
画素を検出し、レベル1およびレベル2である記録画素
を示すデータを生成している。レベル1である記録画素
は、小さなエネルギーによって記録する必要があり、ま
たレベル2である記録画素は、大きなエネルギーによっ
て記録する必要があるので、オアゲート97から出力さ
れるデータは、以下では強&弱データと称する。具体的
には、画像データが例えば図21(a)に示すようなデ
ータである場合、強&弱データは図21(c)に示すよ
うなデータとなる。
【0122】さて、画像データは図22に示すように、
S/P変換器91に直接に入力されるが、これと同時に
ラインメモリ92に記憶される。1ライン分の画像デー
タがS/P変換器91に入力されるとともに、ラインメ
モリ92に記憶されると、次のラインの画像データが到
来するまでの間に、ラインメモリ92が記憶している画
像データをS/P変換器91へと出力する。従ってS/
P変換器91には、図18に示すように同じラインの画
像データが2回続けて入力される。
【0123】記録制御部6dは、図22に示すように、
S/P変換器91への1ライン分の画像データの入力が
終了する毎に「H」レベルと「L」レベルとが変化し、
かつ各ラインの画像データのS/P変換器91への入力
が第1回目であるときには入力端子Aを指定する「L」
レベルであり、また各ラインの画像データのS/P変換
器91への入力が第2回目であるときには入力端子Bを
指定する「H」レベルであるセレクト信号を発生し、セ
レクタ95に与えている。これに応じてセレクタ95
は、S/P変換器91にあるラインの画像データが1回
目に与えられているときには入力端子A、すなわちアン
ドゲート93の出力を選択出力し、またS/P変換器9
1にあるラインの画像データが2回目に与えられている
ときには入力端子B、すなわちオアゲート97の出力を
選択出力する。
【0124】かくしてセレクタ95から出力される記録
データDATAは、図22に示すように各ラインに対応する
強データと強&弱データとが連続するデータとなる。こ
の記録データDATAは、サーマルプリントヘッド6aのフ
リップフロップ42a-1 に入力される。
【0125】一方、制御信号発生部98では、画像デー
タクロックとタイミング信号を受け、これらに基づいて
記録クロックCK、ラッチ信号LAおよびイネーブル信号EN
1 ,EN2 ,EN3 ,EN4 が発生される。
【0126】記録クロックCKは、画像データクロックの
1/2の周波数で、記録データDATAに同期してい
る。ラッチ信号LAは図22に示すように、記録データ
DATAの1ライン分の強データの終端および1ライン分の
弱データの終端から所定期間にのみ「L」レベルとなる
信号である。
【0127】イネーブル信号EN1 は図22に示すよう
に、ラッチ信号LAの立上がり時点から、強データの終端
の後では所定期間TCにのみ、また強&弱データの終端
の後では所定期間TBにのみ「L」レベルとなる信号で
ある。
【0128】イネーブル信号EN2 は図22に示すよう
に、イネーブル信号EN1 の立上がり時点から、強データ
の終端の後では期間TCにのみ、また強&弱データの終
端の後では期間TBにのみ「L」レベルとなる信号であ
る。
【0129】イネーブル信号EN3 は図22に示すよう
に、イネーブル信号EN2 の立上がり時点から、強データ
の終端の後では期間TCにのみ、また強&弱データの終
端の後では期間TBにのみ「L」レベルとなる信号であ
る。
【0130】イネーブル信号EN4 は図22に示すよう
に、イネーブル信号EN3 の立上がり時点から、強データ
の終端の後では期間TCにのみ、また強&弱データの終
端の後では期間TBにのみ「L」レベルとなる信号であ
る。
【0131】記録クロックCKは、フリップフロップ42
のそれぞれに与えられる。ラッチ信号LAは、ラッチ回路
43のそれぞれに与えられる。イネーブル信号EN1 は、
アンドゲート44a-1 〜44a-m にそれぞれ与えられる。イ
ネーブル信号EN2 は、アンドゲート44b-1 〜44b-m にそ
れぞれ与えられる。イネーブル信号EN3 は、アンドゲー
ト44c-1 〜44c-m にそれぞれ与えられる。イネーブル信
号EN4 は、アンドゲート44d-1 〜44d-m にそれぞれ与え
られる。
【0132】そしてサーマルプリントヘッド6aでは、
以上の記録データおよび制御信号に応じ、前記第1実施
例で説明したのと同様にして記録が行われる。ただし、
強データに応じた通電は期間TCで、また強&弱データ
に応じて通電は期間TBで行われる。
【0133】前記期間TCは、この期間TCの通電によ
り得られる記録エネルギが、期間TBの通電により得ら
れる記録エネルギとの合成によって、図12に示す有効
発熱領域72を得られるエネルギーEL になるよう設定
されている。また前記期間TBは、この期間TBの通電
により得られる記録エネルギが、図11に示す有効発熱
領域71を得られる記録エネルギES になるよう設定さ
れている。
【0134】かくして画像データが図21(a)に示す
ようなデータである場合、図21(b)に示す強データ
を用いた通電と図21(c)に示す強&弱データを用い
た通電との合成により、図21(d)に示すような記録
エネルギーでの記録がなされる。これにより、図13お
よび図14を参照して前述した如く、16dots/mm 相当
の画像が良好に記録される。
【0135】また本実施例では、大きな画点を、強デー
タに応じた通電と強&弱データに応じた通電との2回の
通電により形成するものとしているため、サーマルプリ
ントヘッド6aに流す電流を前記第1実施例および前記
第2実施例に比較して低減することができ、これにより
電源容量の低減を図ることができる。
【0136】(第4実施例)本実施例は、サーマルプリ
ントヘッド6aおよび擬似高精細記録処理部6cの構成
は前記第3実施例と同一である。
【0137】ここで本実施例が特徴とするところは、記
録制御部6dが出力するセレクト信号を、図23に示す
ように前記第3実施例とは反転させることにより、記録
データDATAを、図23に示すように「強&弱データ」
「強データ」の順に各ラインの強&弱データおよび強デ
ータを配列したデータとした点である。
【0138】この実施例によっても、前記第3実施例と
同様にして16dots/mm 相当の画像が良好に記録され
る。ただし本実施例では、画点を形成する発熱抵抗体の
全てが一旦加熱した後に、大きな画点を形成する発熱抵
抗体をさらに加熱させるので、前記第3実施例に比べて
小さい画点と大きいが点との結合が起きやすいが、小さ
な画点が前記第3実施例よりも形成しにくいという特徴
がある。
【0139】(第5実施例)ところで、擬似中間長画像
の場合、画点どうしが結合すると正確な濃度を再現でき
なくなるおそれがある。このため上述した擬似高精細記
録技術を用いて擬似中間調画像の記録を行うと、画質の
劣化を来すおそれがある。
【0140】そこで本実施例では、コピー動作時におい
て中間調記録を行う場合には、大きな画点を形成するた
めの強エネルギーを2値記録を行う場合に比較して小さ
く設定し、また小さな画点を形成するための弱エネルギ
ーを2値記録を行う場合に比較して大きく設定する。
【0141】このように中間調記録を行う場合には強エ
ネルギーを小さくすることにより、隣接する画点への干
渉を低減することができ、隣接する画点との結合を防止
できる。また弱エネルギーを大きくすることにより、小
さな画点を良好に形成することができる。従って、孤立
した大小の画点を良好に形成することができ、良好な中
間調画像の再現を行うことができる。
【0142】なおファクシミリ通信時には、記録すべき
画像が2値画像および中間調画像のいずれであるかが分
からないので、強エネルギー、弱エネルギーともに、2
値画像の場合と中間調画像の場合との中間的な値とす
る。
【0143】これらの各エネルギーは、実験などによっ
て最適な値をそれぞれ求めておき、図24に示すような
データテーブルとして記録条件記憶部6eに格納してお
く。そして記録を行う際には、記録制御部6dがモード
に対応するエネルギーを記録条件記憶部6eに記憶され
たデータテーブルから認識し、これを擬似高精細記録処
理部6cに通知する。
【0144】擬似高精細記録処理部6cでは、イネーブ
ル信号の「L」の期間を変化させることにより、通知さ
れたエネルギーを発熱抵抗体40bに印加する。以上の
各実施例によれば、サーマルプリントヘッド6aの発熱
抵抗体40bは配列密度が8個/mmで8dots/mm 相当で
ありながら、16dots/mm 相当の画像を良好に記録する
ことができる。サーマルプリントヘッド6aは、発熱抵
抗体40bの数および駆動回路41の回路規模が16do
ts/mm 相当のサーマルプリントヘッドに比較して著しく
小さく、16dots/mm 相当のサーマルプリントヘッドよ
りも小型かつ安価となる。
【0145】なお本発明は上記各実施例に限定されるも
のではない。例えば上記各実施例では、発熱抵抗体40
bは配列密度が8個/mmであるサーマルプリントヘッド
6aを用いて16dots/mm 相当の画像を記録する場合を
例示しているが、これには限定されない。
【0146】また上記各実施例では熱転写記録方式を例
示しているが、感熱記録方式であっても適用できること
は当然である。さらに上記各実施例では、本発明の熱記
録装置をファクシミリ装置に適用しているが、例えば独
立した熱記録装置であっても良いし、ファクシミリ装置
以外の装置に適用することもできる。このほか、本発明
の要旨を逸脱しない範囲で種々の変形実施が可能であ
る。
【0147】
【発明の効果】第1の本発明は、主走査方向については
単位長さ当りk個(例えば8個)の密度で例えば発熱抵
抗体等の発熱素子が多数配置されてなり、各発熱素子の
発熱により画点を形成することが可能であり、かつ各画
点の大きさを各発熱素子への印加エネルギー量により変
化させることができる例えばサーマルプリントヘッドな
どの熱記録ヘッドと、前記画像データから、主走査方向
に連続する画素データを先頭から順に2個ずつ抽出する
例えばシリアル/パラレル変換器などの抽出手段と、前
記抽出手段により抽出された2個の画素データのいずれ
か一方のみが画点有りを示すときに画点有りの記録画素
1つに変換し、その他では画点無しの記録画素1つに変
換してなる第1記録データ(弱データ)に前記画像デー
タを変換する例えばイクスクルーシブオアゲートなどの
第1変換手段と、前記抽出手段により抽出された2個の
画素データがともに画点有りを示すときに画点有りの記
録画素1つに変換し、その他では画点無しの記録画素1
つに変換してなる第2記録データ(強データ)に前記画
像データを変換する例えばアンドゲートなどの第2変換
手段とを設け、例えば擬似高精細記録処理部などの制御
手段では、前記第1変換手段により生成された前記第1
記録データに対応する記録画素列と前記第2変換手段に
より生成された前記第2記録データに対応する記録画素
列とを、元となる画素データが同一である記録画素が互
いに重なるように、かつ前記第1記録データに対応して
は所定の第1サイズの画点を形成するための所定の第1
エネルギー量(ES )で前記各発熱素子を駆動し、また
前記第2記録データに対応しては前記第1サイズよりも
大きな所定の第2サイズの画点を形成するための所定の
第2エネルギー量(EL )で前記各発熱素子を駆動する
よう前記画素形成手段を制御するようにした。
【0148】また第2の本発明は、主走査方向について
は単位長さ当りk個(例えば8個)の密度で例えば発熱
抵抗体等の発熱素子が多数配置されてなり、各発熱素子
の発熱により画点を形成することが可能であり、かつ各
画点の大きさを各発熱素子への印加エネルギー量により
変化させることができる例えばサーマルプリントヘッド
などの熱記録ヘッドと、前記画像データから、主走査方
向に連続する画素データを先頭から順に2個ずつ抽出す
る例えばシリアル/パラレル変換器などの抽出手段と、
前記抽出手段により抽出された2個の画素データの少な
くとも1つが画点有りを示すときに画点有りの記録画素
1つに変換し、その他では画点無しの記録画素1つに変
換してなる第1記録データ(強&弱データ)に前記画像
データを変換する例えばオアゲートなどの第1変換手段
と、前記抽出手段により抽出された2個の画素データが
ともに画点有りを示すときに画点有りの記録画素1つに
変換し、その他では画点無しの記録画素1つに変換して
なる第2記録データ(強データ)に前記画像データを変
換する例えばアンドゲートなどの第2変換手段とを設
け、例えば擬似高精細記録処理部などの制御手段では、
前記第1変換手段により生成された前記第1記録データ
に対応する記録画素列と前記第2変換手段により生成さ
れた前記第2記録データに対応する記録画素列とを、元
となる画素データが同一である記録画素が互いに重なる
ように、かつ前記第1記録データに対応しては所定の第
1サイズの画点を形成するための所定の第1エネルギー
量(ES)で前記各発熱素子を駆動し、また前記第2記
録データに対応しては前記第1エネルギーとの合成によ
り得られるエネルギー(EL )により前記第1サイズよ
りも大きな所定の第2サイズの画点を形成するための所
定の第2エネルギー量で前記各発熱素子を駆動するよう
前記画素形成手段を制御するようにした。
【0149】これらにより、発熱素子の配置密度の2倍
の画素密度に相当するの画像を記録することができ、こ
れによりコストの上昇を防ぎながらも、高い画素密度の
画像を画質の劣化を少なく抑えて良好に記録することが
できる熱記録装置となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の熱記録装置を適用して構成されたファ
クシミリ装置の構成を示す機能ブロック図。
【図2】光電変換部1aの具体的な構成を示す側面図。
【図3】CCDラインセンサ23の具体的な構成を示す
平面図。
【図4】サーマルプリントヘッド6aの具体的な構成を
示す図。
【図5】サーマルプリントヘッド6aの配置状態を示す
図。
【図6】CCDラインセンサ23と読み取ろうとしてい
る黒画像との位置関係、ACC処理部1cの出力信号お
よび生成される画信号の「標準モード」「精細モード」
または「高精細モード」における対応関係を示す図。
【図7】CCDラインセンサ23と読み取ろうとしてい
る黒画像との位置関係、ACC処理部1cの出力信号お
よび生成される画信号の「超高精細モード」における対
応関係を示す図。
【図8】8-16変換部における画素の決定のためのパター
ンを模式的に示す図。
【図9】擬似高精細記録処理部6bにおける記録濃度の
決定に係る取り決めを模式的に示す図。
【図10】発熱抵抗体40bに通電した際の発熱抵抗体
40b中での電流分布を示す図。
【図11】レベル1の画素に対応する有効発熱領域を示
す図。
【図12】レベル2の画素に対応する有効発熱領域を示
す図。
【図13】ドットが離散的に位置している原画像を記録
する場合の発熱抵抗体40bの有効発熱領域の形成状態
を示す図。
【図14】ドットが固まった状態で位置している原画像
を記録する場合の発熱抵抗体40bの有効発熱領域の形
成状態を示す図。
【図15】サーマルプリントヘッド6aの詳細な構成を
示す回路ブロック図。
【図16】第1実施例および第2実施例における擬似高
精細記録処理部6cの具体的な構成を示すブロック図。
【図17】第1実施例および第2実施例における擬似高
精細記録処理部6cでのデータ処理を説明する図。
【図18】第1実施例における擬似高精細記録処理部6
cでの各信号のタイミングチャート。
【図19】第2実施例における擬似高精細記録処理部6
cでの各信号のタイミングチャート。
【図20】第3実施例および第4実施例における擬似高
精細記録処理部6cの具体的な構成を示すブロック図。
【図21】第3実施例および第4実施例における擬似高
精細記録処理部6cでのデータ処理を説明する図。
【図22】第3実施例における擬似高精細記録処理部6
cでの各信号のタイミングチャート。
【図23】第4実施例における擬似高精細記録処理部6
cでの各信号のタイミングチャート。
【図24】記録モードと記録エネルギーとの対応関係を
示す図。
【符号の説明】
6…記録部 6a…サーマルプリントヘッド 40…ヘッド部 40b…発熱抵抗体 41…駆動回路 6b…通常記録処理部 6c…擬似高精細記録処理部 91…シリアル/パラレル変換器(S/P変換器) 92…ラインメモリ 93…アンドゲート 94…イクスクルーシブオアゲート 95…セレクタ 96…制御信号発生部 97…オアゲート 98…制御信号発生部 6d…記録制御部 6e…記録条件情報記憶部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平3−266655(JP,A) 特開 平6−278302(JP,A) 特開 昭57−2772(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B41J 2/35 - 2/36

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 主走査方向については単位長さ当り2k
    個で配置された多数の画素のそれぞれにつき画点の有無
    を示した画素データの配列である画像データに基づき、
    当該画像データに対応する画像を記録する熱記録装置に
    おいて、 主走査方向については単位長さ当りk個の密度で発熱素
    子が多数配置されてなり、各発熱素子の発熱により画点
    を形成することが可能であり、かつ各画点の大きさを各
    発熱素子への印加エネルギー量により変化させることが
    できる熱記録ヘッドと、 前記画像データから、主走査方向に連続する画素データ
    を先頭から順に2個ずつ抽出する抽出手段と、 前記抽出手段により抽出された2個の画素データのいず
    れか一方のみが画点有りを示すときに画点有りの記録画
    素1つに変換し、その他では画点無しの記録画素1つに
    変換してなる第1記録データに前記画像データを変換す
    る第1変換手段と、 前記抽出手段により抽出された2個の画素データがとも
    に画点有りを示すときに画点有りの記録画素1つに変換
    し、その他では画点無しの記録画素1つに変換してなる
    第2記録データに前記画像データを変換する第2変換手
    段と、 前記第1変換手段により生成された前記第1記録データ
    に対応する記録画素列と前記第2変換手段により生成さ
    れた前記第2記録データに対応する記録画素列とを、元
    となる画素データが同一である記録画素が互いに重なる
    ように、かつ前記第1記録データに対応しては所定の第
    1サイズの画点を形成するための所定の第1エネルギー
    量で前記各発熱素子を駆動し、また前記第2記録データ
    に対応しては前記第1サイズよりも大きな所定の第2サ
    イズの画点を形成するための所定の第2エネルギー量で
    前記各発熱素子を駆動するよう前記画素形成手段を制御
    する制御手段とを具備したことを特徴とする熱記録装
    置。
  2. 【請求項2】 抽出手段は、画像データを、その先頭か
    ら奇数番目の画素データと偶数番目の画素データとに分
    離し、それぞれをパラレルに出力するシリアル/パラレ
    ル変換器であり、 第1変換手段は、前記シリアル/パラレル変換器が出力
    する奇数番目の画素データと偶数番目の画素データとの
    排他的論理和を取るイクスクルーシブオアゲートであ
    り、 さらに第2変換手段は、前記シリアル/パラレル変換器
    が出力する奇数番目の画素データと偶数番目の画素デー
    タとの論理積を取るアンドゲートであることを特徴とす
    る請求項1に記載の熱記録装置。
  3. 【請求項3】 制御手段は、記録する画像が2値画像お
    よび中間調画像のいずれであるかに応じて、2値画像で
    あるときには第1エネルギー量を所定の第3エネルギー
    量とするとともに、第2エネルギー量を所定の第4エネ
    ルギー量とし、また中間調画像であるときには第1エネ
    ルギー量を前記第3エネルギー量よりも大きな所定の第
    5エネルギー量とするとともに、第2エネルギー量を前
    記第4エネルギー量よりも小さな所定の第6エネルギー
    量とすることを特徴とする請求項1に記載の熱記録装
    置。
  4. 【請求項4】 制御手段は、記録する画像が2値画像お
    よび中間調画像のいずれであるかが判断できない場合に
    は、第1エネルギー量を第3エネルギー量と第5エネル
    ギー量との中間値にするとともに、第2エネルギー量を
    第4エネルギー量と第6エネルギー量との中間値とする
    ことを特徴とする請求項3に記載の熱記録装置。
  5. 【請求項5】 主走査方向については単位長さ当り2k
    個で配置された多数の画素のそれぞれにつき画点の有無
    を示した画素データの配列である画像データに基づき、
    当該画像データに対応する画像を記録する熱記録装置に
    おいて、 主走査方向については単位長さ当りk個の密度で発熱素
    子が多数配置されてなり、各発熱素子の発熱により画点
    を形成することが可能であり、かつ各画点の大きさを各
    発熱素子への印加エネルギー量により変化させることが
    できる熱記録ヘッドと、 前記画像データから、主走査方向に連続する画素データ
    を先頭から順に2個ずつ抽出する抽出手段と、 前記抽出手段により抽出された2個の画素データの少な
    くとも1つが画点有りを示すときに画点有りの記録画素
    1つに変換し、その他では画点無しの記録画素1つに変
    換してなる第1記録データに前記画像データを変換する
    第1変換手段と、 前記抽出手段により抽出された2個の画素データがとも
    に画点有りを示すときに画点有りの記録画素1つに変換
    し、その他では画点無しの記録画素1つに変換してなる
    第2記録データに前記画像データを変換する第2変換手
    段と、 前記第1変換手段により生成された前記第1記録データ
    に対応する記録画素列と前記第2変換手段により生成さ
    れた前記第2記録データに対応する記録画素列とを、元
    となる画素データが同一である記録画素が互いに重なる
    ように、かつ前記第1記録データに対応しては所定の第
    1サイズの画点を形成するための所定の第1エネルギー
    量で前記各発熱素子を駆動し、また前記第2記録データ
    に対応しては前記第1エネルギーとの合成により得られ
    るエネルギーにより前記第1サイズよりも大きな所定の
    第2サイズの画点を形成するための所定の第2エネルギ
    ー量で前記各発熱素子を駆動するよう前記画素形成手段
    を制御する制御手段とを具備したことを特徴とする熱記
    録装置。
  6. 【請求項6】 抽出手段は、画像データを、その先頭か
    ら奇数番目の画素データと偶数番目の画素データとに分
    離し、それぞれをパラレルに出力するシリアル/パラレ
    ル変換器であり、 第1変換手段は、前記シリアル/パラレル変換器が出力
    する奇数番目の画素データと偶数番目の画素データとの
    論理和を取るオアゲートであり、 さらに第2変換手段は、前記シリアル/パラレル変換器
    が出力する奇数番目の画素データと偶数番目の画素デー
    タとの論理積を取るアンドゲートであることを特徴とす
    る請求項5に記載の熱記録装置。
  7. 【請求項7】 制御手段は、記録する画像が2値画像お
    よび中間調画像のいずれであるかに応じて、2値画像で
    あるときには第1エネルギー量を所定の第3エネルギー
    量とするとともに、第2エネルギー量を所定の第4エネ
    ルギー量とし、また中間調画像であるときには第1エネ
    ルギー量を前記第3エネルギー量よりも大きな所定の第
    5エネルギー量とするとともに、第2エネルギー量を前
    記第4エネルギー量よりも小さな所定の第6エネルギー
    量とすることを特徴とする請求項5に記載の熱記録装
    置。
  8. 【請求項8】 制御手段は、記録する画像が2値画像お
    よび中間調画像のいずれであるかが判断できない場合に
    は、第1エネルギー量を第3エネルギー量と第5エネル
    ギー量との中間値にするとともに、第2エネルギー量を
    第4エネルギー量と第6エネルギー量との中間値とする
    ことを特徴とする請求項7に記載の熱記録装置。
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