JP2929334B2 - 熱交換器の製造方法 - Google Patents
熱交換器の製造方法Info
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- JP2929334B2 JP2929334B2 JP3287642A JP28764291A JP2929334B2 JP 2929334 B2 JP2929334 B2 JP 2929334B2 JP 3287642 A JP3287642 A JP 3287642A JP 28764291 A JP28764291 A JP 28764291A JP 2929334 B2 JP2929334 B2 JP 2929334B2
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、銅管を缶体にろう付け
して構成されるガス瞬間湯沸器などのような熱交換器の
製造方法に関する。
して構成されるガス瞬間湯沸器などのような熱交換器の
製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】このような銅管を缶体にろう付けして構
成されるガス瞬間湯沸器では、常温付近の冷水による銅
管のピッチング腐食、すなわち孔食が問題となってい
る。この孔食のうち、タイプ1孔食は、銅管の引抜き製
造時に、潤滑油がその銅管の内面に残存することに起因
している。こうして引抜き加工された銅管を、酸洗を避
けるため非酸化性雰囲気中で焼なまししたとき、たとえ
ば約500Å程度の薄い炭素皮膜が銅管の内面に形成さ
れる。このような焼なましをした銅管に、井戸水のよう
に抵抗率が低くかつ塩化物および酸素を含有する常温程
度の冷水を通したとき、銅管に孔食が生じ易く、その腐
食穴周辺に緑青色の腐食生成物が存在する。
成されるガス瞬間湯沸器では、常温付近の冷水による銅
管のピッチング腐食、すなわち孔食が問題となってい
る。この孔食のうち、タイプ1孔食は、銅管の引抜き製
造時に、潤滑油がその銅管の内面に残存することに起因
している。こうして引抜き加工された銅管を、酸洗を避
けるため非酸化性雰囲気中で焼なまししたとき、たとえ
ば約500Å程度の薄い炭素皮膜が銅管の内面に形成さ
れる。このような焼なましをした銅管に、井戸水のよう
に抵抗率が低くかつ塩化物および酸素を含有する常温程
度の冷水を通したとき、銅管に孔食が生じ易く、その腐
食穴周辺に緑青色の腐食生成物が存在する。
【0003】このようなタイプ1孔食を防ぐために従来
では、硬引き管、すなわち心金を用いた冷間引抜き加工
によって製造された銅管を用いている。このような硬引
き管は、曲げ加工が困難であり、したがってそのような
硬引き管を、缶体の外周部に巻付けて組立てることが困
難である。
では、硬引き管、すなわち心金を用いた冷間引抜き加工
によって製造された銅管を用いている。このような硬引
き管は、曲げ加工が困難であり、したがってそのような
硬引き管を、缶体の外周部に巻付けて組立てることが困
難である。
【0004】このような硬引き管を用いる代りに、焼な
ましをした軟質の銅管を使用することにならざるを得な
い。しかし非常に長いコイル状の銅管の内面を、焼なま
し中、炭素皮膜が形成されないように最善の状態に保つ
ことが困難であり、前述のタイプ1孔食を防ぐことがで
きなかった。
ましをした軟質の銅管を使用することにならざるを得な
い。しかし非常に長いコイル状の銅管の内面を、焼なま
し中、炭素皮膜が形成されないように最善の状態に保つ
ことが困難であり、前述のタイプ1孔食を防ぐことがで
きなかった。
【0005】このような銅管を缶体にコイル状に巻付け
て構成される従来からのガス瞬間湯沸器の製造工程を、
図6を参照して説明する。ステップa1において、酸化
を防ぐためにDXガス雰囲気中で銅管にフィンなどを、
おおまかにろう付けし、次のステップa2では、銅管を
缶体に細部にわたって配置してろう付けする。その後、
はんだ浴に浸漬してはんだメッキを施す。このとき銅管
内が酸化することを防ぐために、銅管内に窒素ガスを供
給する。本発明はこのような従来からの製造工程をほと
んど変えることなく、タイプ1孔食の発生を防止するこ
とが、後述のように可能である。
て構成される従来からのガス瞬間湯沸器の製造工程を、
図6を参照して説明する。ステップa1において、酸化
を防ぐためにDXガス雰囲気中で銅管にフィンなどを、
おおまかにろう付けし、次のステップa2では、銅管を
缶体に細部にわたって配置してろう付けする。その後、
はんだ浴に浸漬してはんだメッキを施す。このとき銅管
内が酸化することを防ぐために、銅管内に窒素ガスを供
給する。本発明はこのような従来からの製造工程をほと
んど変えることなく、タイプ1孔食の発生を防止するこ
とが、後述のように可能である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、軟質
の銅管を用い、しかもタイプ1孔食の発生を防止するこ
とができるようにした熱交換器の製造方法を提供するこ
とである。
の銅管を用い、しかもタイプ1孔食の発生を防止するこ
とができるようにした熱交換器の製造方法を提供するこ
とである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、銅管を缶体
に、加熱手段を用いてろう付けし、このろう付け時に、
常温付近の水または水溶液が流れる銅管の屈曲部付近全
体を、前記加熱手段で加熱し、その後、酸素を含むガス
を銅管内に圧送した状態で、はんだ浴に、前記銅管がろ
う付けされた缶体を浸漬し、そのはんだ浴から取出した
後に、銅管内に、流体を圧送して銅管内面の酸化生成物
を除去することを特徴とする熱交換器の製造方法であ
る。
に、加熱手段を用いてろう付けし、このろう付け時に、
常温付近の水または水溶液が流れる銅管の屈曲部付近全
体を、前記加熱手段で加熱し、その後、酸素を含むガス
を銅管内に圧送した状態で、はんだ浴に、前記銅管がろ
う付けされた缶体を浸漬し、そのはんだ浴から取出した
後に、銅管内に、流体を圧送して銅管内面の酸化生成物
を除去することを特徴とする熱交換器の製造方法であ
る。
【0008】また本発明は、銅管を缶体に、加熱手段を
用いてろう付けし、このろう付け時に、常温付近の水ま
たは水溶液が流れる銅管の屈曲部付近全体を、前記加熱
手段で加熱し、その後、酸素を含むガスを銅管内に圧送
した状態で、前記銅管がろう付けされた缶体を加熱し、
その後に、銅管内に、流体を圧送して銅管内面の酸化生
成物を除去することを特徴とする熱交換器の製造方法で
ある。
用いてろう付けし、このろう付け時に、常温付近の水ま
たは水溶液が流れる銅管の屈曲部付近全体を、前記加熱
手段で加熱し、その後、酸素を含むガスを銅管内に圧送
した状態で、前記銅管がろう付けされた缶体を加熱し、
その後に、銅管内に、流体を圧送して銅管内面の酸化生
成物を除去することを特徴とする熱交換器の製造方法で
ある。
【0009】
【作用】本発明に従えば、たとえば潤滑油を用いて引抜
き加工して製造し、焼なましをした銅管を缶体にろう付
けする。このろう付けの際に、加熱手段、たとえばガス
燃料を用いるバーナトーチおよび電気ヒータを有する加
熱こてなどを用いる。このろう付け時に、同時に、銅管
の常温付近の水または水溶液が流れる部分であって、か
つ銅管の屈曲部付近の全体を、加熱する。銅管の内部に
残存している潤滑油の大部分は、ろう付け時に、消失
し、または蒸発するけれども、特に前記屈曲部では、缶
の内面に発生することがある皺などに潤滑油またはそれ
が酸化して生じた炭素皮膜などが依然として残存してい
ることがあり、したがってこのような屈曲部付近全体
を、上述のように、ろう付けのために用いる加熱手段を
そのまま用いてさらに加熱し、こうして屈曲部付近で除
去しにくい銅管内面の炭素皮膜を可及的に消失除去す
る。加熱手段によって、屈曲部付近だけでなく、銅管全
体を加熱するようにしてもよい。
き加工して製造し、焼なましをした銅管を缶体にろう付
けする。このろう付けの際に、加熱手段、たとえばガス
燃料を用いるバーナトーチおよび電気ヒータを有する加
熱こてなどを用いる。このろう付け時に、同時に、銅管
の常温付近の水または水溶液が流れる部分であって、か
つ銅管の屈曲部付近の全体を、加熱する。銅管の内部に
残存している潤滑油の大部分は、ろう付け時に、消失
し、または蒸発するけれども、特に前記屈曲部では、缶
の内面に発生することがある皺などに潤滑油またはそれ
が酸化して生じた炭素皮膜などが依然として残存してい
ることがあり、したがってこのような屈曲部付近全体
を、上述のように、ろう付けのために用いる加熱手段を
そのまま用いてさらに加熱し、こうして屈曲部付近で除
去しにくい銅管内面の炭素皮膜を可及的に消失除去す
る。加熱手段によって、屈曲部付近だけでなく、銅管全
体を加熱するようにしてもよい。
【0010】このようにして銅管がろう付けされた缶体
を、次に、はんだ浴に浸漬してはんだメッキする。この
とき、その銅管内に、酸素を含むガス、たとえば空気を
圧送し、こうして銅管の内面に付着残存している炭素皮
膜を完全に消失除去する。このようなはんだメッキの前
に、前述のように加熱手段で屈曲部付近全体を予め加熱
することによって、炭素皮膜の消失除去を確実に行うこ
とができる。
を、次に、はんだ浴に浸漬してはんだメッキする。この
とき、その銅管内に、酸素を含むガス、たとえば空気を
圧送し、こうして銅管の内面に付着残存している炭素皮
膜を完全に消失除去する。このようなはんだメッキの前
に、前述のように加熱手段で屈曲部付近全体を予め加熱
することによって、炭素皮膜の消失除去を確実に行うこ
とができる。
【0011】はんだメッキ後では、銅管の内面には、白
色の酸化生成物、たとえばCuO、Cu2Oなどが生じ
ており、このような酸化生成物を除去し、さらにまた僅
かに残存しているかもしれない炭素を除去するために、
銅管内に流体を圧送し、たとえばウォータジェット、す
なわち高速度の水を、銅管内に噴射し、あるいはまたそ
のような液体または気体中に砥粒を混入してブラスト切
削加工し、こうして銅管内の酸化生成物を除去し、また
炭素の残存を確実に防ぐ。もしも、銅管内面に付着して
酸化生成物が残存すると、これによって銅の電位が上昇
し、タイプ1以外の孔食が生じ易くなるけれども、本発
明はこの問題を解決する。
色の酸化生成物、たとえばCuO、Cu2Oなどが生じ
ており、このような酸化生成物を除去し、さらにまた僅
かに残存しているかもしれない炭素を除去するために、
銅管内に流体を圧送し、たとえばウォータジェット、す
なわち高速度の水を、銅管内に噴射し、あるいはまたそ
のような液体または気体中に砥粒を混入してブラスト切
削加工し、こうして銅管内の酸化生成物を除去し、また
炭素の残存を確実に防ぐ。もしも、銅管内面に付着して
酸化生成物が残存すると、これによって銅の電位が上昇
し、タイプ1以外の孔食が生じ易くなるけれども、本発
明はこの問題を解決する。
【0012】さらに本発明に従えば、はんだメッキをし
ないときには、前記屈曲部付近全体を前記加熱手段で加
熱した後、その缶体にろう付けされた銅管の前記屈曲部
付近全体をさらに加熱して、銅管内面の炭素を確実に除
去するようにしてもよい。
ないときには、前記屈曲部付近全体を前記加熱手段で加
熱した後、その缶体にろう付けされた銅管の前記屈曲部
付近全体をさらに加熱して、銅管内面の炭素を確実に除
去するようにしてもよい。
【0013】
【実施例】図1は、本発明の一実施例の工程を示す図で
ある。ステップb1では、図2に示される缶体1の外周
面に、銅管2の大まかなろう付け作業が行われ、ガス瞬
間湯沸器の熱交換器3が構成される。このときには、缶
体1と銅管2の酸化を防止するために、DXガス雰囲気
の炉内で行われる。銅管2は、潤滑油を用いて引抜き造
管され、その後、焼なましをして軟質とされる。
ある。ステップb1では、図2に示される缶体1の外周
面に、銅管2の大まかなろう付け作業が行われ、ガス瞬
間湯沸器の熱交換器3が構成される。このときには、缶
体1と銅管2の酸化を防止するために、DXガス雰囲気
の炉内で行われる。銅管2は、潤滑油を用いて引抜き造
管され、その後、焼なましをして軟質とされる。
【0014】ステップb2では、缶体1への銅管2の細
部のろう付け、組立てが行われる。この缶体1への銅管
2のろう付けされた状態は、図3に示されるとおりであ
る。参照符4は、ろう材である。このろう付け時には、
たとえばアセチレンなどのガス燃料を燃焼するバーナト
ーチ5が用いられ、このバーナトーチ5の炎6の温度
は、約1200℃であり、ろう付けを行うと同時に、銅
管2の常温付近の水が流れる屈曲部2a,2b付近全体
を加熱する。このろう付けおよび屈曲部2a,2b付近
の加熱時の銅管2の温度は、たとえば約600〜800
℃である。
部のろう付け、組立てが行われる。この缶体1への銅管
2のろう付けされた状態は、図3に示されるとおりであ
る。参照符4は、ろう材である。このろう付け時には、
たとえばアセチレンなどのガス燃料を燃焼するバーナト
ーチ5が用いられ、このバーナトーチ5の炎6の温度
は、約1200℃であり、ろう付けを行うと同時に、銅
管2の常温付近の水が流れる屈曲部2a,2b付近全体
を加熱する。このろう付けおよび屈曲部2a,2b付近
の加熱時の銅管2の温度は、たとえば約600〜800
℃である。
【0015】銅管2の内面には、引抜き造管時に用いら
れる潤滑剤が、焼なまし中に分解し、その銅管2の内面
には炭素皮膜が付着している。ステップb2では、バー
ナトーチ5を用いるろう付け時に、特に銅管2の屈曲部
2a,2b付近全体を加熱し、これによって銅管2の屈
曲部2a,2b付近に付着している炭素皮膜を酸化して
除去する。銅管2の入口端部2cと温水が排出される出
口端部2dとは、缶体1の下方に突出して延びる。銅管
2の屈曲部2a,2bだけでなく、常温付近の水が流れ
る入口端部2cおよび直管上の部分2e,2fなどもま
た、バーナトーチ5の炎6によって加熱し、それらの直
管部2e,2f内の炭素皮膜を加熱して酸化するように
してもよい。本発明では、銅管2の少なくとも屈曲部2
a,2b付近全体を上述のように加熱し、次のステップ
b3およびb4での残存炭素皮膜の除去を確実にする。
れる潤滑剤が、焼なまし中に分解し、その銅管2の内面
には炭素皮膜が付着している。ステップb2では、バー
ナトーチ5を用いるろう付け時に、特に銅管2の屈曲部
2a,2b付近全体を加熱し、これによって銅管2の屈
曲部2a,2b付近に付着している炭素皮膜を酸化して
除去する。銅管2の入口端部2cと温水が排出される出
口端部2dとは、缶体1の下方に突出して延びる。銅管
2の屈曲部2a,2bだけでなく、常温付近の水が流れ
る入口端部2cおよび直管上の部分2e,2fなどもま
た、バーナトーチ5の炎6によって加熱し、それらの直
管部2e,2f内の炭素皮膜を加熱して酸化するように
してもよい。本発明では、銅管2の少なくとも屈曲部2
a,2b付近全体を上述のように加熱し、次のステップ
b3およびb4での残存炭素皮膜の除去を確実にする。
【0016】ステップb3では、図4に示されるよう
に、浴槽7の溶融はんだ浴8内に、前記銅管2がろう付
けされた缶体1を浸漬する。このとき、銅管2の入口端
部2cと出口端部2dははんだ浴8の上面9よりも上方
にあり、入口端部2cには管路10を介して圧縮機11
から圧縮空気を圧送する。入口端部2cと管路10と
は、着脱可能な管継手12によって接続される。こうし
て、銅管2内に圧縮空気が供給された状態で、缶体1は
はんだ浴8に浸漬される。この浸漬している時間は、た
とえば10秒間であってもよい。はんだ浴8は、たとえ
ば450℃である。圧縮空気に代えて、O2を含むその
他のガスであってもよい。こうして、銅管2がろう付け
された缶体1がはんだ浴8に浸漬されることによって、
それらの外周面がはんだメッキされ、これと同時に銅管
2の内面に付着して残存している炭素皮膜は、はんだ浴
8の高温度の熱によって、圧縮空気中に含まれる酸素に
よる酸化が促進され、次の化1の反応によって炭酸ガス
として除去される。
に、浴槽7の溶融はんだ浴8内に、前記銅管2がろう付
けされた缶体1を浸漬する。このとき、銅管2の入口端
部2cと出口端部2dははんだ浴8の上面9よりも上方
にあり、入口端部2cには管路10を介して圧縮機11
から圧縮空気を圧送する。入口端部2cと管路10と
は、着脱可能な管継手12によって接続される。こうし
て、銅管2内に圧縮空気が供給された状態で、缶体1は
はんだ浴8に浸漬される。この浸漬している時間は、た
とえば10秒間であってもよい。はんだ浴8は、たとえ
ば450℃である。圧縮空気に代えて、O2を含むその
他のガスであってもよい。こうして、銅管2がろう付け
された缶体1がはんだ浴8に浸漬されることによって、
それらの外周面がはんだメッキされ、これと同時に銅管
2の内面に付着して残存している炭素皮膜は、はんだ浴
8の高温度の熱によって、圧縮空気中に含まれる酸素に
よる酸化が促進され、次の化1の反応によって炭酸ガス
として除去される。
【0017】
【化1】C + O2 → C02 ↑ ステップb3では、銅管2内において炭素皮膜だけでな
く、銅管2の内面の酸化が生じ、白色の酸化生成物Cu
O、Cu2Oなどが生成する。これらの酸化生成物は、
Cuの電位を上げ、他のタイプの孔食が生じて銅管2の
耐食性に悪影響を及ぼす恐れがある。そこで、銅管2内
の酸化生成物による銅管2の耐食性が低下することを防
ぐために、次のステップb4では、ウォータジェットに
よる銅管2内のクリーニングを行う。図5に示されるよ
うに、前述のはんだ浴8から缶体1を取出して、図5に
示されるように、入口端部2cに着脱可能な管継手13
を介して管路14からポンプ15によって水を圧送す
る。この水の流速は、たとえば10m/秒である。水内
に砥粒が混入されていてもよい。こうして高速度の水、
すなわちウォータジェットを銅管2内に供給して圧送す
ることによって、銅管2内面の酸化生成物を除去するこ
とができる。水の代りに他の流体が用いられてもよい。
く、銅管2の内面の酸化が生じ、白色の酸化生成物Cu
O、Cu2Oなどが生成する。これらの酸化生成物は、
Cuの電位を上げ、他のタイプの孔食が生じて銅管2の
耐食性に悪影響を及ぼす恐れがある。そこで、銅管2内
の酸化生成物による銅管2の耐食性が低下することを防
ぐために、次のステップb4では、ウォータジェットに
よる銅管2内のクリーニングを行う。図5に示されるよ
うに、前述のはんだ浴8から缶体1を取出して、図5に
示されるように、入口端部2cに着脱可能な管継手13
を介して管路14からポンプ15によって水を圧送す
る。この水の流速は、たとえば10m/秒である。水内
に砥粒が混入されていてもよい。こうして高速度の水、
すなわちウォータジェットを銅管2内に供給して圧送す
ることによって、銅管2内面の酸化生成物を除去するこ
とができる。水の代りに他の流体が用いられてもよい。
【0018】本発明の他の実施例として、前述のステッ
プb3によってはんだメッキを行うことなく、銅管2の
前記屈曲部2a,2bの全体にわたり、バーナトーチ5
などの加熱手段を用いて、加熱し、炭素皮膜を酸化する
ようにしてもよい。その後のステップb4は、同様に行
われる。
プb3によってはんだメッキを行うことなく、銅管2の
前記屈曲部2a,2bの全体にわたり、バーナトーチ5
などの加熱手段を用いて、加熱し、炭素皮膜を酸化する
ようにしてもよい。その後のステップb4は、同様に行
われる。
【0019】本件発明者の実験結果を述べる。図1〜図
5に示される実施例によって製造した熱交換器を有する
瞬間湯沸器を、一般家庭で設置して使用したところ、4
年間経過しても、タイプ1腐食による銅管2の腐食漏れ
は全く生じないことが確認された。これに対して、前述
の図6に示される先行技術によって製造した瞬間湯沸器
を一般家庭で使用したところ、1年半でタイプ1腐食が
生じて銅管の水漏れが生じた。これらの各実験では、地
下水が用いられた。
5に示される実施例によって製造した熱交換器を有する
瞬間湯沸器を、一般家庭で設置して使用したところ、4
年間経過しても、タイプ1腐食による銅管2の腐食漏れ
は全く生じないことが確認された。これに対して、前述
の図6に示される先行技術によって製造した瞬間湯沸器
を一般家庭で使用したところ、1年半でタイプ1腐食が
生じて銅管の水漏れが生じた。これらの各実験では、地
下水が用いられた。
【0020】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、銅管を缶
体に、ガス燃料などを用いるバーナトーチを用い、また
は電気ヒータを有する加熱こてなどの加熱手段を用いて
ろう付けし、このろう付け時に、常温付近の水または水
溶液のような液体が流れる銅管の屈曲部付近全体を、前
記加熱手段で加熱し、その後、はんだ浴中に浸漬しては
んだメッキし、このとき銅管内にはO2 を含むガス、た
とえば空気を圧送し、そのはんだ浴から取出した後に、
銅管内に、流体を圧送して銅管内の酸化生成物を除去す
るようにしたので、銅管の引抜き造管時に用いられる潤
滑剤が焼なまし中に分解して、銅管の内壁に付着してい
る炭素皮膜は、前記屈曲部付近全体が加熱手段で上述の
ように加熱されることによって、酸化され、さらにはん
だメッキ時に酸素を含むガスが銅管内に圧送されること
によって、炭素皮膜が酸化され、こうして炭素皮膜を除
去することができ、銅管のタイプ1孔食を防ぐことがで
きる。しかもこのような工程は、従来からの熱交換器の
製造時の工程を大きく変化するものではなく、生産性の
低下が抑制され、本発明の実施は極めて容易である。
体に、ガス燃料などを用いるバーナトーチを用い、また
は電気ヒータを有する加熱こてなどの加熱手段を用いて
ろう付けし、このろう付け時に、常温付近の水または水
溶液のような液体が流れる銅管の屈曲部付近全体を、前
記加熱手段で加熱し、その後、はんだ浴中に浸漬しては
んだメッキし、このとき銅管内にはO2 を含むガス、た
とえば空気を圧送し、そのはんだ浴から取出した後に、
銅管内に、流体を圧送して銅管内の酸化生成物を除去す
るようにしたので、銅管の引抜き造管時に用いられる潤
滑剤が焼なまし中に分解して、銅管の内壁に付着してい
る炭素皮膜は、前記屈曲部付近全体が加熱手段で上述の
ように加熱されることによって、酸化され、さらにはん
だメッキ時に酸素を含むガスが銅管内に圧送されること
によって、炭素皮膜が酸化され、こうして炭素皮膜を除
去することができ、銅管のタイプ1孔食を防ぐことがで
きる。しかもこのような工程は、従来からの熱交換器の
製造時の工程を大きく変化するものではなく、生産性の
低下が抑制され、本発明の実施は極めて容易である。
【0021】さらに本発明によれば、はんだメッキ後に
は、銅管内に、流体を圧送して銅管内面の酸化生成物を
除去するようにしたので、他のタイプの孔食が生じるこ
とはない。
は、銅管内に、流体を圧送して銅管内面の酸化生成物を
除去するようにしたので、他のタイプの孔食が生じるこ
とはない。
【図1】本発明の一実施例の瞬間湯沸器の製造工程を示
す図である。
す図である。
【図2】瞬間湯沸器の熱交換器3の簡略化した斜視図で
ある。
ある。
【図3】銅管2と缶体1との一部とを示す断面図であ
る。
る。
【図4】銅管2がろう付けされた缶体1をはんだ浴8に
浸漬して空気を銅管2内に圧送した状態を示す断面図で
ある。
浸漬して空気を銅管2内に圧送した状態を示す断面図で
ある。
【図5】はんだメッキ後に銅管2内に水を圧送してクリ
ーニングする状態を示す図である。
ーニングする状態を示す図である。
【図6】先行技術の製造工程を示す図である。
1 缶体 2 銅管 2a,2b 屈曲部 2c 入口端部 2d 出口端部 4 ろう 5 バーナトーチ 6 炎 8 はんだ浴 11 圧縮機 15 ポンプ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 今田 勝 大阪市港区南市岡1丁目1番52号 株式 会社ハーマン内 (72)発明者 好川 保 大阪市港区南市岡1丁目1番52号 株式 会社ハーマン内 (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) F28F 19/00 511 C23F 15/00 F24H 9/00
Claims (2)
- 【請求項1】 銅管を缶体に、加熱手段を用いてろう付
けし、 このろう付け時に、常温付近の水または水溶液が流れる
銅管の屈曲部付近全体を、前記加熱手段で加熱し、 その後、酸素を含むガスを銅管内に圧送した状態で、は
んだ浴に、前記銅管がろう付けされた缶体を浸漬し、 そのはんだ浴から取出した後に、銅管内に、流体を圧送
して銅管内面の酸化生成物を除去することを特徴とする
熱交換器の製造方法。 - 【請求項2】 銅管を缶体に、加熱手段を用いてろう付
けし、 このろう付け時に、常温付近の水または水溶液が流れる
銅管の屈曲部付近全体を、前記加熱手段で加熱し、 その後、酸素を含むガスを銅管内に圧送した状態で、前
記銅管がろう付けされた缶体を加熱し、 その後に、銅管内に、流体を圧送して銅管内面の酸化生
成物を除去することを特徴とする熱交換器の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3287642A JP2929334B2 (ja) | 1991-11-01 | 1991-11-01 | 熱交換器の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3287642A JP2929334B2 (ja) | 1991-11-01 | 1991-11-01 | 熱交換器の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
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