JP2928828B2 - 高耐熱性樹脂 - Google Patents

高耐熱性樹脂

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JP2928828B2 JP15856690A JP15856690A JP2928828B2 JP 2928828 B2 JP2928828 B2 JP 2928828B2 JP 15856690 A JP15856690 A JP 15856690A JP 15856690 A JP15856690 A JP 15856690A JP 2928828 B2 JP2928828 B2 JP 2928828B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は透明性耐熱樹脂に関するものである。本発明
による樹脂は透明性および耐熱性に優れ、成形品、フィ
ルム等広範な分野に利用できる。
(従来の技術) 従来透明性の樹脂としてはメタクリル酸メチルを主成
分とするメタクリル系樹脂が知られており広範囲な用途
に用いられている。しかしながら、メタクリル系樹脂
は、熱変形温度が低いため用途に制限を受けている。
マレイミド共重合体は、高い耐熱性を有するため種々
の検討がなされている。
例えば、上記メタクリル酸メチルにN−芳香族置換マ
レイミドを共重合する方法が、特公昭第43-9753号公
報、特開昭第61-141715号公報、特開昭第61-171708号公
報および特開昭第62-109811号公報に、スチレン系樹脂
にN−芳香族置換マレイミドを共重合する方法が、特開
昭第47-6891号公報、特開昭第61-76512号公報および特
開昭第61-276807号公報に知られている。しかし、これ
らの方法で得られる樹脂はN−芳香族置換マレイミド含
量が増すほど耐熱性は良好となるが、脆い、加工性が悪
い、着色する等の問題がある。
(発明が解決しようとする課題) 本発明の目的は、透明性、耐熱性および機械的強度に
優れた樹脂を提供することにある。
(課題を解決するための手段) 本発明者らはこの問題に鑑み、鋭意検討した結果、主
鎖中に構成成分(I),構成成分(II),構成成分(II
I)を含有する透明性耐熱樹脂であり、特に構成成分
(I)および構成成分(II)の合計量がポリマー全体の
50〜98モル%、構成成分(III)が全体の50〜2モル%
であり、構成成分(I)/(II)の値が1/99〜99/1(モ
ル比)であり、ポリスチレン換算の重量平均分子量が1
×103以上5×106以下であることを特徴とする透明性耐
熱樹脂が上記の目的を満たすことを見出だし、本発明を
完成するに至った。
(R1はCm2m-1で示される脂環式アルキル基であり、
mは3〜8の整数を示す) (R2はCn2n+1で示されるアルキル基であり、nは1
〜18の整数を示す) (R3は水素または炭素数1〜8のアルキル基、R4およ
びR5は炭素数1〜8のアルキル基を示す) 構成成分(I)を与える化合物は、N−シクロプロピ
ルマレイミド、N−シクロブチルマレイミド、N−シク
ロペンチルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミ
ド、N−シクロヘプチルマレイミド、N−シクロオクチ
ルマレイミドであるN−脂環式アルキル置換マレイミド
類であり、これらは1種または2種以上組み合わせて用
いることができる。また、N−シクロヘキシルマレイミ
ドが特に好ましい。
構成成分(II)を与える化合物は、N−アルキル置換
マレイミドであり、N−メチルマレイミド、N−エチル
マレイミド、N−n−プロピルマレイミド、N−i−プ
ロピルマレイミド、N−n−ブチルマレイミド、N−i
−ブチルマレイミド、N−s−ブチルマレイミド、N−
t−ブチルマレイミド、N−n−ペンチルマレイミド、
N−n−ヘキシルマレイミド、N−n−ヘブチルマレイ
ミド、N−n−オクチルマレイミド、N−ラウリルマレ
イミド、N−ステアリルマレイミド等が例示でき、これ
らは1種または2種以上組み合わせて用いることができ
る。
構成成分(I)および構成成分(II)の合計含有量
は、ポリマー全体の50〜98モル%、好ましくは50〜90モ
ル%、さらに好ましくは50〜80モル%である。また、構
成成分(I)および構成成分(II)の合計含有量が98モ
ル%を越える場合には、生成するポリマーは脆くなり好
ましくない。
また、構成成分(I)/(II)の値は1/99〜99/1(モ
ル比)、好ましくは10/90〜90/10(モル比)であり、
(I)/(II)の値が99/1を越えると生成したポリマー
の耐熱性は向上するが、脆くなり、1/99未満では生成し
たポリマーの耐熱性が低下する。
構成成分(III)を与える化合物は、イソブテン、2
−メチル−1−ブテン、2−メチル−1−ペンテン−2
−メチル−1−ヘキセン、2−メチル−1−ヘプテン、
2−メチル−1−オクテン、イソオクテン、2−メチル
−2−ブテン、2−メチル−2−ペンテン等が例示で
き、これらは1種または2種以上組み合わせて用いるこ
とができる。また、イソブテンが特に好ましい。
構成成分(III)の含有量は2〜50モル%、好ましく
は10〜50モル%、さらに好ましくは20〜50モル%であ
る。
また必要ならば、本発明の目的を損なわない範囲で、
他のビニル系モノマーを共重合させることができる。他
のビニル系モノマーとしては、スチレン、α−メチルス
チレン、ビニルトルエン、1,3−ブタジエン、イソプレ
ンおよびこれらのハロゲン置換誘導体、メタクリル酸メ
チル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸シクロヘキシ
ル、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸ベンジル等の
メタクリル酸エステル類、アクリル酸メチル、アクリル
酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸シクロヘキシ
ル、アクリル酸フェニル、アクリル酸ベンジル等のアク
リル酸エステル類、酢酸ビニル、安息香酸ビニル等のビ
ニルエステル類、メチルビニルエーテル、エチルビニル
エーテル、プロピルビニルエーテル、ブチルビニルエー
テル等のビニルエーテル類、塩化ビニル、塩化ビニリデ
ン、無水マレイン酸、N−フェニルマレイミド、N−カ
ルボキシフェニルマレイミド、アクリロニトリル、エチ
レン、プロピレン、1−ブテン、2−ブテンおよび1−
ヘキセンより選ばれる1種類以上の化合物が挙げらる。
これらモノマーの重合は公知の重合法、例えば塊状重
合法、溶液重合法、懸濁重合法および乳化重合法のいず
れでも採用可能であるが、溶液重合法が特に好ましい。
重合開始剤としては、ベンゾイルパーオキサイド、ラ
ウリルパーオキサイド、オクタノイルパーオキサイド、
アセチルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイ
ド、t−ブチルクミルパーオキサイド、ジクミルパーオ
キサイド、t−ブチルパーオキシアセテート、t−ブチ
ルパーオキシベンゾエート等の有機過酸化物、または、
2,2′−アゾビス−(2,4−ジメチルバレロニトリル)、
2,2′−アゾビス−(2−ブチロニトリル)、2,2′−ア
ゾビスイソブチロニトリル、ジメチル−2,2′−アゾビ
スイソブチレート、1,1′−アゾビス−(シクロヘキサ
ン−1−カルボニトリル)等のアゾ系開始剤が挙げられ
る。
溶液重合法において使用可能な溶媒としては、べンゼ
ン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、シクロヘキ
サン、ジオキサン、テトラヒドロフラン、アセトン、メ
チルエチルケトン、ジメチルホルムアミド、イソプロピ
ルアルコール、ブチルアルコール等が挙げられる。
重合温度は開始剤の分解温度に応じて適宜設定するこ
とができるが、一般的には40℃〜150℃の範囲で行うこ
とが好ましい。
ここで、生成する樹脂の重量平均分子量(Mw)は、ゲ
ルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により
求めることができる。本発明の樹脂の分子量は1×103
以上5×106以下、特に、1×104以上5×105以下のも
のが好ましい。分子量が5×106を越える場合には成形
性が悪くなり、1×103未満の場合には、得られる樹脂
が脆い等の問題が生ずる。
なお、本発明において得られる樹脂には必要に応じて
ヒンダードフェノール、有機リン酸エステルのような熱
安定剤、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、ヒンダー
ドアミン系紫外線安定剤、各種潤滑剤、各種フィラー等
を添加してもよい。
(発明の効果) 本発明による樹脂は透明性および耐熱性に優れ、成形
品、フィルム等広範な分野に有用である。
(実施例) 以下、本発明を実施例により説明するが、本発明は実
施例に限定されるものではない。
生成したポリマーのガラス転移温度(Tg)は、(株)
セイコー電子製DSC200を用いて窒素中、10℃/min.の昇
温速度で測定した。
生成したポリマーの分解温度(Td)は、(株)セイコ
ー電子製TG/DTA200を用いて窒素中、40℃/min.の昇温速
度で測定した。
生成したポリマーの分子量は、GPC(東ソー(株)製H
LC-802A)を用いてポリスチレン換算により求めた。
実施例1 撹拌機、窒素導入管、温度計および脱気管の付いた1
オートクレーブにN−シクロヘキシルマレイミド35.8
4g(0.2モル)、N−メチルマレイミド33.33g(0.3モ
ル)、2,2′−アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)0.8
g(5.0×10-3モル)およびジオキサン800mlを仕込み、
窒素で数回パージした後イソブテン56.1g(1.0モル)を
仕込み、60℃で5時間反応を行った。
反応内容物をエタノールに注ぎ、ポリマーを析出させ
た。得られたポリマーをジオキサン−エタノールで再沈
殿精製した後、減圧下60℃で24時間乾燥した。収量は6
8.25gであった。
得られたポリマーの元素分析結果(C;68.36wt%、H;
8.46wt%、N;7.06wt%)、重合後の残モノマーの液体ク
ロマトグラフィーによる分析結果および1H-NMRの結集
より、生成したポリマー中のN−シクロヘキシルマレイ
ミド、N−メチルマレイミドおよびイソブテンの比は0.
23/0.27/0.50(モル比)であった。得られたポリマーは
分子量(Mw)20.6×104、Tg=170℃、Td=411℃であっ
た。得られたポリマーを300℃,5Kg/cm2でプレスするこ
とにより厚さ1mmのシートを得た。このシートは無色透
明であり、着色は認められなかった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平4−50210(JP,A) 特開 平4−50211(JP,A) 特開 平4−50212(JP,A) 特開 平1−190709(JP,A) 特開 平4−31407(JP,A) 特開 昭63−291911(JP,A) 特開 昭61−152509(JP,A) 特開 昭61−152543(JP,A) 特開 平4−31408(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C08F 222/00 - 222/40 C08F 22/00 - 22/40 C08F 210/00 - 210/18 C08F 10/00 - 10/14

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記に示す構成成分(I)および構成成分
    (II)の合計量がポリマー全体の50〜98モル%、構成成
    分(III)がポリマー全体の50〜2モル%であり、さら
    に構成成分(I)/(II)の値が1/99〜99/1(モル比)
    であり、ポリスチレン換算の重量平均分子量が1×103
    以上5×106以下であることを特徴とする透明性耐熱樹
    脂。 (R1はCm2m-1で示される脂環式アルキル基であり、
    mは3〜8の整数を示す) (R2はCn2n+1で示されるアルキル基であり、nは1
    〜18の整数を示す) (R3は水素または炭素数1〜8のアルキル基、R4およ
    びR5は炭素数1〜8のアルキル基を示す)
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