JP2928757B2 - 装飾用電灯 - Google Patents

装飾用電灯

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JP2928757B2 JP33606996A JP33606996A JP2928757B2 JP 2928757 B2 JP2928757 B2 JP 2928757B2 JP 33606996 A JP33606996 A JP 33606996A JP 33606996 A JP33606996 A JP 33606996A JP 2928757 B2 JP2928757 B2 JP 2928757B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、クリスマスツリー
の飾り付けなどに利用される装飾用電灯に係わり、特に
リード線を外部に引き出した状態で電球をプラグ本体に
支持した装飾用電灯に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、この種の装飾用電灯は、図9に
示すように、軟質プラスチック性のプラグ本体1に対し
電球2が組み付けられ、これに、コード線が組み付けら
れたソケット本体が嵌合されることによって、リード線
3を介して電球2内のフィラメント4に導通可能となる
構造となっている。
【0003】電球2底部には、フィラメント4を電球2
内に封入してリード線3を電球2外に挿通させる際にリ
ード線3出口部付近に円錐状に形成されるリード線導出
部5が設けられている。このリード線導出部5は、電球
2をプラグ本体1に組み付ける際にはガイド機能を有
し、また組み付けた後には電球の保持機能を有するもの
である。
【0004】前記プラグ本体1は、軸方向一端に前記リ
ード線導出部5と嵌合する円錐形状の凹部6と、軸方向
他端に突出してソケット本体に嵌合する軸部7とを備
え、この軸部7には、前記凹部6からリード線3をプラ
グ本体1の軸方向に挿通させてプラグ本体1の外部に引
き出すための挿通孔8が一対穿孔されている。
【0005】これら電球2とプラグ本体1とは、まず、
前記挿通孔8にリード線3を挿通して電球2をプラグ凹
部6側からプラグ本体1内に引き込み、次に、挿通した
リード線3の露出末端部3aをプラグ本体1の外側面に沿
わせて電球2側に折り曲げることによって組み付けられ
る。
【0006】このようにして電球2が組み付けられたプ
ラグ本体1と前記ソケットとは、プラグ本体1の軸部7
とソケット本体に設けられた凹部6とを嵌合させること
によって組み付けられ、フィラメント4に導通可能とな
る。なお、嵌合の際には、ソケット本体内面にコード線
と接続する端子板が組み付けられているので、この端子
板と前記折り曲げられたリード線末端部3aとが接触する
ように正確に位置決めした上で、プラグ本体1の軸部7
とソケット本体凹部6とを嵌合させる必要がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、装飾用
電灯のリード線導出部5は溶融ガラスを成形して作製さ
れるものであるため、これをプラグ本体凹部6の嵌合面
に完全に密着する円錐形状に成形することは困難であ
り、例えば、図10および図11に示すように、電球2とプ
ラグ本体1との間に隙間9が生じていた。
【0008】このような場合には電球2の保持力が弱
く、電球2とプラグ本体1との接触部10を支点に電球2
が360゜任意の方向に移動または回動可能な状態になっ
ているので、電球2がプラグ本体1内で移動または回動
した場合には、リード線3に曲げおよびねじり応力など
が作用し、これら応力がリード線3とリード線導出部6
との境界部であるリード線植え付け部11に集中するた
め、そこを基点にリード線3が断線するという問題が生
じていた。
【0009】一方、プラグ本体が軟質プラスチックやゴ
ム等の弾性材料によって構成されている場合には、前記
リード線導出部5とプラグ本体1との間に隙間9がある
ときにも、電球2を前記凹部6に押し付けながら挿入す
ることによってプラグ本体1内に挟持させることが可能
である。
【0010】しかし、この挟持部分であるプラグ本体1
の凹部6は上端に向かうに従い大径となるテーパ面から
形成されているので、径大方向に変形したプラグ本体1
が原形に戻ろうとする弾性力が、電球2をプラグ本体1
から外す方向、すなわち上向きに作用する。これが挟持
部におけるリード線導出部5と凹部6との間の摩擦力を
越える場合には、リード線3に引張応力が生じ、リード
線3が断線するといった問題が生じてしまう。
【0011】また、電球2の保持力を高めるために接着
剤を用いて電球2とプラグ本体1とを固着させることも
可能である。しかし、装飾用電灯がクリスマスツリー等
に使用されるもので、数万個単位で製造される量産品で
あることから、このような接着作業を製造工程に追加す
ることで、生産性を著しく低下させるといった問題が生
じてしまう。
【0012】本発明は、上記事情に鑑みてなされたもの
で、接着剤を使用することなく、プラグ本体による電球
の保持力を向上させることのできる装飾用電灯を提供す
ることを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
本発明の装飾用電灯は、電球と、該電球底部を支持す
るとともにソケット本体に接続されるプラグ本体とを備
え、前記電球の底部に、そのリード線を挿通状態に保持
してリード線の挿通方向に延びかつ横断面形状が偏平状
となっているリード線導出部が軸状に形成され、プラグ
本体に、電球底部を支持する凹部と、該凹部に支持した
電球の前記リード線導出部を嵌合する筒状部と、該筒状
部に嵌合したリード線導出部からリード線を外部に引き
出すためのリード線挿通孔とが連通状態に設けられて
り、さらに、前記プラグ本体の側面に、前記リード線挿
通孔から引き出されて折り曲げられたリード線の末端部
が沿っているとともに、前記ソケット本体の内面には、
前記プラグ本体の前記筒状部が嵌合された状態で前記リ
ード線の末端部と接触するような端子板が組み付けられ
いることを特徴とするものである。
【0014】本発明の装飾用電灯にあっては、電球をプ
ラグ本体に組付ける際に偏平軸状のリード線導出部がプ
ラグ本体の筒状部に沿って先導されることによって、リ
ード線導出部が回転することなくリード線末端部と挿通
孔とが正確に位置決めされるので、リード線の挿通が容
易となり、生産性の向上を図ることができる。
【0015】また、偏平軸状のリード線導出部とプラグ
本体の筒状部とが嵌合状態となるので軸心周りの回動が
拘束されるとともに、電球がプラグ本体から離脱する方
向に外力を受けることがなくなり、電球の保持力を向上
させることができる。
【0016】さらに、プラグ本体を軟質プラスチックや
ゴム等の弾性材料によって構成すれば、プラグ本体に嵌
合されたリード線導出部に、プラグ本体の筒状部から電
球の軸心に対して垂直に向かう弾性的な挟持力が作用す
るので、偏平軸状のリード線導出部と筒状部とが強固に
嵌合され、電球の保持力を向上させることができる。
【0017】
【発明の実施の形態】以下に、図面を参照して、本発明
の実施形態の一例を説明する。図1および図2中、符号
21は電球、符号22はプラグ本体、符号23はソケット本体
であり、これらにより本発明に係る装飾用電灯が概略構
成されている。電球21底部には、フィラメント24を電球
21内に封入してリード線25を電球21外に挿通させる際に
形成されるリード線導出部26が、リード線25の挿通方向
に延びる偏平軸状に形成されている。
【0018】プラグ本体22は、電球21底部を支持する凹
部27と、この凹部27に支持された電球21のリード線導出
部26を嵌合する筒状部28と、この筒状部28に嵌合したリ
ード線導出部26からリード線25を外部に引き出すための
リード線挿通孔29とが連通状態に設けられた構成となっ
ており、軟質プラスチックやゴム等の弾性材料から一体
的に作製される。この筒状部28は、例えば、円筒状の胴
部28aと有底角筒状の脚部28bとが同軸上に配置された構
成となっている。
【0019】凹部27は、開口端に向かうに従い次第に大
径となるラッパ状に形成され、開口端の内径は電球21の
外径より小さい構成となっている。また、胴部28aには
凹部27の最小径部の内径と同一内径を有する中空部が、
脚部28bには前記中空部より小形の角柱状の中空部が設
けられている。
【0020】さらに、脚部28bの底部中央位置には、縦
板状の隔壁30が設けられるとともに、前記リード線25を
プラグ本体22の外部に引き出すためのリード線挿通孔29
が、隔壁30によって隔離される配置で一対穿孔されてい
る。また、図4に示すように、脚部28b先端の外側面に
は面取りが施され、面取りによって形成された側面部31
には、プラグ本体22から引き出されたリード線25をその
側面に沿わせて折り曲げて所定位置に定着させるための
案内溝32が形成されている。
【0021】一方、前記ソケット23は、図2に示すよう
に、プラグ本体22の胴部28aおよび脚部28bに嵌合する円
筒部33および有底の角筒部34とが同軸上に配置された構
成とされ、角筒部34の底部中央位置には、縦板状の隔壁
35が設けられるとともに、コード線36がソケット本体23
から引き出されるコード線挿通孔37が、この隔壁35によ
って隔離される配置で一対穿孔されている。
【0022】上記のように構成された、電球21とプラグ
本体22とソケット本体23とは以下のように組み付けら
れ、装飾用電灯を構成する。まず、プラグ本体22の凹部
27の開口端側から電球21のリード線25を先導してリード
線導出部26をプラグ本体22内へと導入させて、リード線
挿通孔29にリード線25を挿通させるとともに、電球21を
プラグ本体22内に引き込んでリード線導出部26をプラグ
本体脚部28bに嵌合する。
【0023】このとき、図3に示すように、プラグ本体
脚部28bに嵌合されたリード線導出部26には、その軸心
に対して垂直に脚部28bを構成する2組の対向する側面4
1a、41b、42a、42bから矢印で示すような弾性的な挟持
力が、直交する2方向から作用するので、電球21がプラ
グ本体22から離脱する方向に外力を受けることがなくな
るとともに、偏平軸状のリード線導出部26と脚部28bと
が強固に嵌合されるので、電球21をプラグ本体22内に安
定した状態で保持することができる。
【0024】次に、挿通孔29からプラグ本体22の外部に
露出したリード線末端部39をプラグ本体22の脚部28bの
側面部31に設けられた案内溝32に沿わせて折り曲げて電
球21とプラグ本体22とを組み付け、このプラグ本体胴部
28aおよび脚部28bをそれぞれソケット本体23の円筒部33
および角筒部34に嵌合させることによって、ソケット本
体23に組み付ける。このとき、プラグ本体脚部28bがソ
ケット本体23の角筒部34に沿って先導されるので、プラ
グ本体22が回転することなくリード線末端部39と端子板
38とが正確に位置決めされてソケット本体23に組み付け
られ、組み付け時の位置ずれに起因する接触不良の発生
を防止することができる。
【0025】なお、リード線導出部26断面の長軸および
短軸を、それぞれこれらに対応するプラグ本体脚部28b
断面の軸長よりも若干大きめに成形しておけば、リード
線導出部26を脚部28bに押し付けて挿入することによっ
て、前述の通り、2方向からリード線導出部26が弾性的
に挟持されるので保持力が強まり、より強固に電球21を
保持することができるが、図6に示すように、リード線
導出部26と脚部28bとの間に若干の隙間40がある場合に
も、脚部28を構成する2組の側面41aと41bまたは42aと4
2bのどちらか一組の側面によって、電球21の移動範囲お
よび回動範囲を狭めることができるので、リード線25に
作用する応力が軽減される。
【0026】すなわち、図5および図7において電球21
にX方向に外力が作用した場合には、側面41aまたは41b
にリード線導出部26が当接してそれ以上の移動が拘束さ
れ、Y方向に外力が作用した場合には、側面42aまたは4
2bにリード線導出部26が当接してそれ以上の移動が拘束
されるので、側面41a、41b、42a、42bによって電球21の
移動範囲を狭めることができる。また、図5および図8
において、電球21がZ廻りに回動させられる場合には、
リード線導出部26が側面42aおよび42bに当接してそれ以
上の回動が拘束されるので、側面42a、42bによって電球
21の回動範囲を狭めることができる。
【0027】したがって、このような構成とした場合に
は、電球21の保持力を向上させてリード線25に作用する
応力を軽減することができるとともに、リード線導出部
26を成形する際の寸法管理を厳密に行うことなく簡略化
でき、生産性を大幅に向上させることができる。
【0028】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の装飾用電
灯によれば、電球底部に形成された横断面偏平状のリー
ド線導出部が軸状に形成され、プラグ本体に前記リード
線導出部と嵌合する筒状部が設けられているので、リー
ド線導出部がプラグ本体の筒状部に沿って先導され、リ
ード線導出部が回転することなくリード線末端部と
ード線挿通孔とが正確に位置決めされることによってリ
ード線の挿通作業が容易となり、生産性の向上を図るこ
とができる。
【0029】また、横断面偏平状のリード線導出部とプ
ラグ本体の筒状部とが嵌合状態となるので、電球の軸心
周りの回動が拘束されるとともに、電球がプラグ本体か
ら離脱する方向に外力を受けることがなくなるので、保
持力の向上を図ることができ、リード線断線を原因とす
る不良品の発生を低減させることができる。
【0030】さらに、プラグ本体を軟質プラスチックや
ゴム等の弾性材料によって構成すれば、プラグ本体脚部
の筒状部からリード線導出部の軸心に対して垂直に、弾
性的な挟持力が直交する2方向から作用するので、リー
ド線導出部とプラグ本体の筒状部とが強固に嵌合され、
電球の保持性をさらに向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る装飾用電灯の一実施形態の例を
示す縦断面図である。
【図2】 同装飾用電灯を構成するソケットを示す縦断
面図である。
【図3】 図1のA−A線断面図である。
【図4】 同装飾用電灯を構成するプラグ本体脚部の拡
大側面図である。
【図5】 同装飾用電灯の斜視図である。
【図6】 図5においてリード線導出部とプラグ本体脚
部との嵌合部分に隙間がある場合のA−A線断面図であ
る。
【図7】 図5においてX方向またはY方向に電球が移
動して、リード線導出部がプラグ本体脚部の側面に拘束
された状態を示すA−A線断面図である。
【図8】 図5においてZ廻りに電球が回動して、リー
ド線導出部がプラグ本体脚部の側面に拘束された状態を
示すA−A線断面図である。
【図9】 従来の装飾用電灯を構成する電球およびプラ
グ本体を示す縦断面図である。
【図10】 同装飾用電灯のリード線導出部とプラグ本
体との嵌合部分に隙間がある状態を示す拡大縦断面図で
ある。
【図11】 図10のA−A線断面図である。
【符号の説明】
21 電球 22 プラグ本体 23 ソケット本体 25 リード線 26 リード線導出部 27 凹部 28 筒状部 29 リード線挿通孔

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電球と、該電球底部を支持するとともに
    ソケット本体に接続されるプラグ本体とを備え、前記電
    球の底部に、そのリード線を挿通状態に保持してリード
    線の挿通方向に延びかつ横断面形状が偏平状となってい
    るリード線導出部が軸状に形成され、プラグ本体に、電
    球底部を支持する凹部と、該凹部に支持した電球の前記
    リード線導出部を嵌合する筒状部と、該筒状部に嵌合し
    たリード線導出部からリード線を外部に引き出すための
    リード線挿通孔とが連通状態に設けられており、さら
    に、前記プラグ本体の側面に、前記リード線挿通孔から
    引き出されて折り曲げられたリード線の末端部が沿って
    いるとともに、前記ソケット本体の内面には、前記プラ
    グ本体の前記筒状部が嵌合された状態で前記リード線の
    末端部と接触するような端子板が組み付けられているこ
    とを特徴とする装飾用電灯。
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