JP2928283B2 - 環状オレフィン系ランダム共重合体の製造方法 - Google Patents

環状オレフィン系ランダム共重合体の製造方法

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JP2928283B2 JP23239989A JP23239989A JP2928283B2 JP 2928283 B2 JP2928283 B2 JP 2928283B2 JP 23239989 A JP23239989 A JP 23239989A JP 23239989 A JP23239989 A JP 23239989A JP 2928283 B2 JP2928283 B2 JP 2928283B2
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Description

【発明の詳細な説明】 発明の技術分野 本発明は、環状オレフィン系ランダム共重合体の製造
方法に関し、さらに詳しくは、耐熱性、耐熱老化性、耐
薬品性、耐溶剤性、誘電特性、剛性に優れるとともに耐
衝撃性に優れている環状オレフィン系ランダム共重合体
の製造方法に関する。
発明の技術的背景ならびにその問題点 剛性、耐衝撃強度のバランスに優れた合成樹脂として
は、ポリカーボネート、ABS(アクリロニトリル・ブタ
ジエン・スチレンブロック共重合体組成物)等が知られ
ている。たとえば、ポリカーボネートは剛性とともに耐
熱性、耐熱老化性、耐衝撃性にも優れた樹脂である。し
かし、強アルカリに対しては容易に侵されて耐薬品性に
劣り、また、吸水率が大きいという問題点がある。ま
た、ABSは、機械的性質には優れるものの、耐薬品性に
劣り、系内に2重結合を含むため耐候性に劣り、さらに
耐熱性に劣るという問題点がある。
一方、汎用樹脂として広く利用されているポリオレフ
ィンは、耐薬品性、耐溶剤性に優れているが耐熱性に乏
しいものが多く、さらに結晶性が完全とはいえず剛性に
も劣る。このため、一般にポリオレフィンの剛性および
耐熱性を改善するためには造核剤を添加して結晶の成長
を速めるか、もしくは徐冷を行なって結晶の成長を促す
方法が用いられるが、その結果は充分とはいい難い。む
しろ、造核剤のような第3成分を添加することはポリオ
レフィンが本来有している優れた諸性質を損なう虞があ
り、また、徐冷法では生産効率が悪い上に、非晶部が減
少するにつれて衝撃強度の小さいポリオレフィンが得ら
れてしまうという虞もある。
エチレンと嵩高なコモノマーとの共重合体について
は、たとえば米国特許公報第2,883,372号明細書に、エ
チレンと2,3−ジヒドロキシジシクロペンタジエンとの
共重合体が開示されている。この共重合体は、剛性、透
明性のバランスには優れているが、ガラス転移温度が10
0℃程度であって耐熱性に劣るという問題点がある。ま
た、エチレンと5−エチリデン−2−ノルボルネンとの
共重合体も同様の問題点がある。
また、特公昭46−14910号公報には、1,4,5,8,−ジメ
タノ−1,2,3,4,4a,5,8,8a,−オクタヒドロナフタレンの
単独重合体が提案されているが、該重合体は耐熱性や耐
熱老化性に劣る。さらに、特開昭58−127728号公報に
は、1,4,5,8,−ジメタノ−1,2,3,4,4a,5,8,8a−オクタ
ヒドロナフタレンの単独重合体または該環状オレフィン
とノルボルネンタイプのコモノマーとの共重合体が提案
されているが、該重合体は、いずれも開環重合体である
ことが前記公報の記載から明らかである。このような開
環重合体は、重合体主鎖中に不飽和結合を有しているの
で、耐熱性、耐熱老化性に劣るという問題点がある。
本出願人は、エチレンと特定の軟化点をもつ環状オレ
フィン系ランダム共重合体の特定のα−オレフィン系弾
性共重合体とからなる組成物が優れた耐熱性、耐熱老化
性、耐薬品性、耐溶剤性、誘電特性、剛性に優れると共
に耐衝撃性に優れていることを見出し、すでに、特願昭
59−16995号公報、特願昭59−220550号公報などに提案
した。これらに提案された環状オレフィン系ランダム共
重合体は前述のように優れた性質を有しているが、該共
重合体には未反応の環状オレフィン単量体が含有され易
く、低品質のものが含まれる虞がある。そこで、この未
反応の環状オレフィン単量体を該共重合体中から除去す
る方法としては特開昭62−215611号公報に提案されてい
る方法が挙げられる。
この方法では、該環状オレフィン系ランダム共重合体
を光学材料分野の用途、特に光学メモリーディスクの用
途に用いることのできるような高品質の該環状オレフィ
ン系ランダム共重合体を得ることができる。しかしなが
ら、この方法はプロセスが複雑であり、しかも、該環状
オレフィン系ランダム共重合体の分子量がある一定範囲
内のものでないと均一な品質を有する該環状オレフィン
系ランダム共重合体が得られないという問題点があっ
た。
環状オレフィン系ランダム共重合体は、その優れた諸
特性から前記した光学分野以外の幅広い分野にも用途が
あり、低分子量から高分子量に至る広範囲の分子量の環
状オレフィン共重合体からでも未反応環状オレフィン単
量体を安価に分離することのできる方法が要望されてい
た。
そこで、本発明者らは、耐熱性、耐熱老化性、耐薬品
性、耐溶剤性、誘電特性、剛性に優れるとともに耐衝撃
性に優れた該環状オレフィン系ランダム共重合体から未
反応環状オレフィンを分離するべく鋭意検討した結果、
エチレンと環状オレフィンとを重合させて得られた該環
状オレフィン系ランダム共重合体に、特定の処理をする
ことによって前記の目的が達成できることを見出し本発
明を完成するに至った。
発明の目的 本発明は、上記のような従来技術に伴なう問題点を解
決しようとするものであって、耐熱性、耐熱老化性、耐
薬品性、耐溶剤性、誘電特性、剛性、耐衝撃性などに優
れ、未反応環状オレフィン単量体が実質上除去され、優
れた性質を有する環状オレフィン系ランダム共重合体
を、簡単な工程によって安価に製造する方法を提供する
ことを目的とする。
発明の概要 本発明に係る第1の環状オレフィン系ランダム共重合
体の製造方法は、触媒の存在下に、炭化水素溶媒中で、
エチレンと、下記一般式[I]で表わされる環状オレフ
ィンとを液相で共重合させることによって得られる環状
オレフィン系ランダム共重合体溶液を150〜280℃の温度
に加熱し、次いで 該共重合体溶液中の共重合体が固化しないような温度
で二重管式フラッシュ乾燥器を用いてフラッシュ乾燥
し、次いで 得られたフラッシュ乾燥物を未反応環状オレフィン単
量体の沸点以上の温度で大気ベントおよび真空ベント付
きの押出機を通過させることを特徴としている。
(式中、nは0もしくは正の整数であり、R1〜R12はそ
れぞれ同一であっても異なっていてもよく、水素原子、
ハロゲン原子または炭化水素基であるか、R9(またはR
10)とR11(またはR12)とは互いに結合して、単環また
は多環を形成していてもよい。) また、本発明に係る第2の環状オレフィン系ランダム
共重合体の製造方法は、触媒の存在下に炭化水素溶媒中
で液相重合反応を行なって得られる下記重合体[B]お
よび[C]: エチレンと、上記一般式[I]で表わされる環状オレ
フィンとを共重合させて得られ、135℃のデカリン中で
測定した極限粘度[η]が0.05〜10dl/gの範囲にあり、
軟化温度(TMA)が70℃以上である環状オレフィン系ラ
ンダム共重合体[B]の溶液、 エチレンと、少なくとも他の一種のα−オレフィン
と、上記の一般式[I]で表わされる環状オレフィンと
を共重合させて得られ、135℃のデカリン中で測定した
極限粘度[η]が0.01〜10dl/gの範囲にあり、軟化温度
(TMA)が70℃未満である環状オレフィン系ランダム共
重合体[C]の溶液、 から形成され、前記[B]成分100重量部に対して
[C]成分が5〜100重量部の量で存在している環状オ
レフィン系ランダム共重合体組成物溶液を150〜280℃の
温度に加熱し、次いで 該共重合体溶液中の共重合体が固化しないような温度
で二重管式フラッシュ乾燥器を用いてフラッシュ乾燥
し、次いで 得られたフラッシュ乾燥物を未反応環状オレフィン単
量体の沸点以上の温度で大気ベントおよび真空ベント付
きの押出機を通過させることを特徴としている。
さらにまた、本発明に係る第3の環状オレフィン系ラ
ンダム共重合体の製造方法は、触媒の存在下に炭化水素
溶媒中で液相重合反応を行なって得られる上記重合体
[B]の溶液および下記重合体[D]の溶液: エチレンと、プロピレンと、上記一般式[I]で表わ
される環状オレフィンとを共重合させて得られるか、ま
たは、エチレンと、ブテンと、下記一般式[I]で表わ
される環状オレフィンとを共重合させて得られ、135℃
のデカリン中で測定した極限粘度[η]が0.01〜10dl/g
の範囲にあり、軟化温度(TMA)が70℃未満である環状
オレフィン系ランダム共重合体[D]の溶液、 から形成され、前記[B]成分100重量部に対して
[D]成分が5〜100重量部の量で存在している環状オ
レフィン系ランダム共重合体組成物溶液を、150〜280℃
の温度に加熱し、次いで 該共重合体溶液中の共重合体が固化しないような温度
で二重管式フラッシュ乾燥器を用いてフラッシュ乾燥
し、次いで 得られたフラッシュ乾燥物を未反応環状オレフィン単
量体の沸点以上の温度で大気ベントおよび真空ベント付
きの押出機を通過させることを特徴としている。
本発明に係る環状オレフィン系ランダム共重合体の製
造方法は、上記のような特徴を有しているので、耐熱
性、耐熱老化性、耐薬品性、耐溶剤性、誘電特性、剛
性、耐衝撃性などに優れるとともに、未反応環状オレフ
ィン単量体が実質上除去され、優れた性質を有する環状
オレフィン系ランダム共重合体を、簡単な工程によって
安価に効率よく製造することができる。
発明の具体的説明 以下本発明に係る環状オレフィン系ランダム共重合体
の製造方法について具体的に説明する。
本発明に係る第1の環状オレフィン系ランダム共重合
体の製造方法では、触媒の存在下に、炭化水素溶媒中で
エチレンと、下記一般式[I]で表される環状オレフィ
ンとを共重合させることによって得られる環状オレフィ
ン系ランダム共重合体溶液を、150〜280℃の温度に加熱
し、次いで 該共重合体溶液中の共重合体が固化しないような温度
で二重管式フラッシュ乾燥器を用いてフラッシュ乾燥
し、次いで 得られたフラッシュ乾燥物を未反応環状オレフィン単
量体の沸点以上の温度で大気ベントおよび真空ベント付
きの押出機を通過させることにより、環状オレフィン系
ランダム共重合体が得られる。
(式中、nは0もしくは正の整数であり、R1〜R12はそ
れぞれ同一であっても異なっていてもよく、水素原子、
ハロゲン原子または炭化水素基であるか、R9(またはR
10)とR11(またはR12)とは互いに結合して、単環また
は多環を形成していてもよい。) 以下、本発明に係る環状オレフィン系ランダム共重合
体の製造方法について、製造工程に沿って順次説明す
る。
原料 本発明に係る第1の環状オレフィン系ランダム共重合
体を製造する方法において用いられる環状オレフィン成
分は、下記一般式[I]で表わされる。
一般式 (式中、nは0もしくは正の整数であり、R1〜R12はそ
れぞれ同一であっても異なっていてもよく、水素原子、
ハロゲン原子または炭化水素基であるか、R9(またはR
10)とR11(またはR12)とは互いに結合して、単環また
は多環を形成していてもよい。) 換言すれば、このような環状オレフィンは下記式[I
a]で表わすこともできる。
ただし、上記式[I a]において、nは0もしくは1
であり、mは、0もしくは正の整数である。
そして、式[I a]においてR1〜R18は、それぞれ独立
に、水素原子、ハロゲン原子及び炭化水素基よりなる群
れから選ばれる原子もしくは基を表わす。ここで、ハロ
ゲン原子としては、たとえば、フッ素原子、塩素原子、
臭素原子およびヨウ素原子を挙げることができる。ま
た、炭化水素基としては、それぞれ独立に、通常は炭素
原子数1〜10のアルキル基、炭素原子数5〜7のシクロ
アルキル基を挙げることができ、アルキル基の具体的な
例としては、メチル基、エチル基、イソプロピル基、イ
ソブチル基、ペンチル基、ヘキシル基を挙げることがで
き、シクロアルキル基の具体的な例としては、シクロヘ
キシル基を挙げることができる。
さらに、上記式[I a]において、R15〜R18のうちで
いずれか2者が、それぞれ共同して単環または多環の基
を形成していてもよく、且つ該単環または多環の基が二
重結合を有していてもよい。
また、R15とR16とが、またはR17とR18とがそれぞれ独
立にアルキリデン基を形成していてもよい。このような
アルキリデン基は、通常は炭素原子数2〜10のアルキリ
デン基であり、このようなアルキリデン基の具体的な例
としては、エチリデン基、プロピリデン基およびイソプ
ロピリデン基を挙げることができる。
このような環状オレフィンは、シクロペンタジエン類
と相応するオレフィン類とをディールス・アルダー反応
で縮合させることにより容易に製造することができる。
環状オレフィンとして、具体的には、表1に記載した
化合物、あるいは1,4,5,8−ジメタノ−1,2,3,4,4a,5,8,
8a−オクタヒドロナフタレンのほかに、2−メチル−1,
4,5,8−ジメタノ−1,2,3,4,4a,5,8,8a−オクタヒドロナ
フタレン、2−エチル−1,4,5,8−ジメタノ−1,2,3,4,4
a,5,8,8a−オクタヒドロナフタレン、2−プロピル−1,
4,5,8−ジメタノ−1,2,3,4,4a,5,8,8a−オクタヒドロナ
フタレン、2−ヘキシル−1,4,5,8−ジメタノ−1,2,3,
4,4a,5,8,8a−オクタヒドロナフタレン、2,3−ジメチル
−1,4,5,8−ジメタノ−1,2,3,4,4a,5,8,8a−オクタヒド
ロナフタレン、2−メチル−3−エチル−1,4,5,8−ジ
メタノ−1,2,3,4,4a,5,8,8a−オクタヒドロナフタレ
ン、2−クロロ−1,4,5,8−ジメタノ−1,2,3,4,4a,5,8,
8a−オクタヒドロナフタレン、2−ブロモ−1,4,5,8−
ジメタノ−1,2,3,4,4a,5,8,8a−オクタヒドロナフタレ
ン、2−フルオロ−1,4,5,8−ジメタノ−1,2,3,4,4a,5,
8,8a−オクタヒドロナフタレン、2,3−ジクロロ−1,4,
5,8−ジメタノ−1,2,3,4,4a,5,8,8a−オクタヒドロナフ
タレン、2−シクロヘキシル−1,4,5,8−ジメタノ−1,
2,3,4,4a,5,8,8a−オクタヒドロナフタレン、2−n−
ブチル−1,4,5,8−ジメタノ−1,2,3,4,4a,5,8,8a−オク
タヒドロナフタレン、2−イソブチル−1,4,5,8−ジメ
タノ−1,2,3,4,4a,5,8,8a−オクタヒドロナフタレンな
どのオクタヒドロナフタレン類を例示することができ
る。
本発明では、環状オレフィン系ランダム共重合体を製
造するに際して、上記のようにエチレン成分および前記
環状オレフィン成分を必須成分とし、これらを共重合さ
せているが、該必須の二成分の他に本発明の目的を損な
わない範囲で、必要に応じて他の共重合可能な不飽和単
量体成分を共重合させることもできる。任意に共重合さ
れてもよい該不飽和単量体として、具体的には、たとえ
ば生成するランダム共重合体中のエチレン成分単位と等
モル未満の範囲のプロピレン、1−ブテン、4−メチル
−1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デ
セン、1−ドデセン、1−テトラデセン、1−ヘキサデ
セン、1−オクタデセン、1−エイコセンなどの炭素原
子数が3〜20のα−オレフィン、生成するランダム共重
合体中の前記環状オレフィン成分単位と等モル未満のシ
クロペンテン、シクロヘキセン、3−メチルシクロヘキ
セン、シクロオクテン、3a,5,6,7a−テトラヒドロ−4,7
−メタノ−1H−インデン などのシクロオレフィン、1,4−ヘキサジエン、4−メ
チル−1,4−ヘキサジエン、5−メチル−1,4−ヘキサジ
エン、1,7−オクタジエン、ジシクロペンタジエン、5
−エチリデン−2−ノルボルネン、5−ビニル−2−ノ
ルボルネンなどの非共役ジエン類、ノルボルネン−2、
5−メチルノルボルネン−2、5−エチルノルボルネン
−2、5−イソプロピルノルボルネン−2、5−n−ブ
チルノルボルネン−2、5−i−ブチルノルボルネン−
2、5,6−ジメチルノルボルネン−2、5−クロロノル
ボルネン−2、2−フルオロノルボルネン−2、5,6−
ジクロロノルボルネン−2等のノルボルネン類などを例
示することができる。
溶媒 本発明では、環状オレフィン系ランダム共重合体を製
造するに際して、エチレンと環状オレフィンとの共重合
反応は炭化水素溶媒中で行なわれる。この際用いられる
炭化水素溶媒としては、たとえばヘキサン、ヘプタン、
オクタン、灯油のような脂肪族炭化水素、シクロヘキサ
ン、メチルシクロヘキサンのような脂環族炭化水素、ベ
ンゼン、トルエン、キシレンのような芳香族炭化水素、
前記重合性不飽和単量体などを例示することができ、こ
れらの2種以上の混合溶媒であってもよい。
触媒 本発明では、環状オレフィン系ランダム共重合体を製
造するに際して、エチレンと環状オレフィンとの共重合
体は触媒の存在下に行なわれるが、このような触媒とし
ては、重合反応系の炭化水素溶媒に可溶性のバナジウム
化合物と有機アルミニウム化合物とからなる触媒が用い
られる。バナジウム化合物としては、具体的には、一般
式VO(OR)aXbまたはV(OR)cXd(ただし、Rは炭化水
素基、0≦a≦3、0≦b≦3、2≦a+b≦3、0≦
c≦4、0≦d≦4、3≦c+d≦4)で表わされるバ
ナジウム化合物、あるいはこれらの電子供与体付加物が
用いられる。より具体的には、VOCl3、 VO(OC2H5)Cl2、 VO(OC2H52Cl、 VO(O−iso−C3H7)Cl2、 VO(O−n−C4H9)Cl2、 VO(OC2H5、VOBr2、VCl4、 VOCl2、VO(O−n−C4H9、 VCl3・2OC8H17OHなどのバナジウム化合物が用いられ
る。
また、該可溶性バナジウム触媒成分を調製する際に用
いられることのある電子供与体としては、アルコール、
フェノール類、ケトン、アルデヒド、カルボン酸、有機
酸または無機酸のエステル、エーテル、酸アミド、酸無
水物、アルコキシシラン等の含酸素電子供与体、アンモ
ニア、アミン、ニトリル、イソシアネート等の含窒素電
子供与体などが挙げられる。より具体的には、メタノー
ル、エタノール、プロパノール、ペンタノール、ヘキサ
ノール、オクタノール、ドデカノール、オクタデシルア
ルコール、オレイルアルコール、ベンジルアルコール、
フェニルエチルアルコール、クミルアルコール、フェニ
ルエチルアルコール、クミルアルコール、イソプロピル
アルコール、クミルアルコール、イソプロピルベンジル
アルコールなどの炭素数1〜18のアルコール類;フェノ
ール、クレゾール、キシレノール、エチルフェノール、
プロピルフェノール、ノニルフェノール、クミルフェノ
ール、ナフトールなどの低級アルキル基を有してよい炭
素数6〜20のフェノール類;アセトン、メチルエチルケ
トン、メチルイソブチルケトン、アセトフェノン、ベン
ゾフェノン、ベンゾキノンなどの炭素数3〜15のケトン
類;アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、オクチ
ルアルデヒド、ベンズアルデヒド、トルアルデヒド、ナ
フトアルデヒドなどの炭素数2〜15のアルデヒド類;ギ
酸メチル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ビニル、酢酸
プロピル、酢酸オクタル、酢酸シクロヘキシル、プロピ
オン酸エチル、酪酸メチル、吉草酸エチル、クロル酢酸
メチル、ジクロル酢酸エチル、メタクリル酸メチル、ジ
クロル酢酸エチル、メタクリル酸メチル、クロトン酸エ
チル、シクロヘキサンカルボン酸エチル、安息香酸メチ
ル、安息香酸エチル、安息香酸プロピル、安息香酸ブチ
ル、安息香酸オクチル、安息香酸シクロヘキシル、安息
香酸フェニル、安息香酸ベンジル、トルイル酸メチル、
トルイル酸エチル、トルイル酸アミル、エチル安息香酸
エチル、アニス酸メチル、マレイン酸n−ブチル、メチ
ルマロン酸ジイソブチル、シクロヘキセンカルボン酸ジ
n−ヘキシル、ナジック酸ジエチル、テトラヒドロフタ
ル酸ジイソプロピル、フタル酸ジエチル、フタル酸ジイ
ソブチル、フタル酸ジn−ブチル、フタル酸ジ2−エチ
ルヘキシル、γ−ブチロラクトン、δ−バレロラクト
ン、クマリン、フタリド、炭酸エチレンなどの炭素数2
〜30の有機酸エステル類;アセチルクロリド、ベンゾイ
ルクロリド、トルイル酸クロリド、アニス酸クロリドな
どの炭素数2〜15の酸ハライド類;メチルエーテル、エ
チルエーテル、イソプロピルエーテル、ブチルエーテ
ル、アミルエーテル、テトラヒドロフラン、アニソー
ル、ジフェニルエーテルなどの炭素数2〜20のエーテル
類;酢酸アミド、安息香酸アミド、トルイル酸アミドな
どの酸アミド類;メチルアミン、エチルアミン、ジエチ
ルアミン、トリブチルアミン、ピペリジン、トリベンジ
ルアミン、アニリン、ピリジン、ピコリン、テトラメチ
レンジアミンなどのアミン類;アセトニトリル、ベンゾ
ニトリル、トルニトリルなどのニトリル類;ケイ酸エチ
ル、ジフェニルジメトキシシランなどのアルコキシシラ
ン類などを挙げることができる。これらの電子供与体
は、2種以上用いることができる。
本発明に使用される有機アルミニウム化合物触媒成分
としては、少なくとも分子内に1個のAl−炭素結合を有
する化合物が用いられ、たとえば、 (i)一般式R1 mAl(OR2nHpXq (ここでR1およびR2は炭素数、通常1〜15個、好ましく
は1〜4個を含む炭化水素基で互いに同一でも異なって
いてもよい。Xはハロゲン、mは0≦m≦3、nは0≦
n<3、pは0≦n<3、qは0≦q<3の数であっ
て、しかもm+n+p+q=3である)で表わされる有
機アルミニウム化合物、 (ii)一般式M1AlR1 4(ここでM1はLi、Na、Kであり、R
1は前記と同じ)で表わされる第1族金属とアルミニウ
ムとの錯アルキル化物などを挙げることができる。
前記の(i)に属する有機アルミニウム化合物として
は、次のものを例示できる。
一般式R1 mAl(OR23-m (ここでR1およびR2は前記と同じ。mは好ましくは1.5
≦m<3の数である)。
一般式R1 mAlX3-m (ここでR1は前記と同じ。Xはハロゲン、mは好ましく
は0<m<3である)。
一般式R1 mAlH3-m (ここでR1は前記と同じ。mは好ましくは2≦m<3で
ある)。
一般式R1 mAl(OR2nXq (ここでR1およびR2は前記と同じ。Xはハロゲン、0<
m≦3、0≦n<3、0≦q<3で、m+n+q=3で
ある)で表わされるものなどを例示できる。
(i)に属するアルミニウム化合物において、より具体
的には、トリエチルアミニウム、トリブチルアルミニウ
ムなどのトリアルキルアルミニウム、トリイソプロピル
アルミニウムのようなトリアルキルアルミニウム、ジエ
チルアルミニウムエトキシド、ジブチルアルミニウムブ
トキシドなどのジアルキルアルミニウムアルコキシド、
エチルアルミニウムセスキエトキシド、ブチルアルミニ
ウムセスキブトキシドなどのアルキルアルミニウムセス
キアルコキシドのほかに、R1 2.5Al(OR20.5などで表
わされる平均組成を有する部分的にアルコキシ化された
アルキルアルミニウム、ジエチルアルミニウムクロリ
ド、ジブチルアルミニウムブロミドのようなジアルキル
アルミニウムハライド、エチルアルミニウムセスキクロ
リド、ブチルアルミニウムセスキクロリド、エチルアル
ミニウムセスキブロミドのようなアルキルアルミニウム
セスキハライド、エチルアルミニウムジクロリド、プロ
ピルアルミニウムジクロリド、ブチルアルミニウムジブ
ロミドなどのようなアルキルアルミニウムジハライドな
どの部分的にハロゲン化されたアルキルアルミニウム、
ジエチルアルミニウムヒドリド、ジブチルアルミニウム
ヒドリドなどのジアルキルアルミニウムヒドリド、エチ
ルアルミニウムジヒドリド、プロピルアルミニウムジヒ
ドリドなどのアルキルアルミニウムジヒドリドなどの部
分的に水素化されたアルキルアルミニウム、エチルアル
ミニウムエトキシクロリド、ブチルアルミニウムブトキ
シクロリド、エチルアルミニウムエトキシブロミドなど
の部分的にアルコキシ化およびハロゲン化されたアルキ
ルアルミニウムを例示できる。また(i)に類似する化
合物たとえば酸素原子や窒素原子を介して、2以上のア
ルミニウムが結合した有機アルミニウム化合物であって
もよい。このような化合物として、具体的には、 (C2H52AlOAl(C2H5、 (C4H92AlOAl(C4H9などを例示できる。
前記(ii)に属する化合物としては、LiAl(C
2H5、LiAl(C7H15などを例示できる。これらの
中では、とくにアルキルアルミニウムハライド、アルキ
ルアルミニウムジハライドまたはこれらの混合物を用い
ることが好ましい。
本発明に係る環状オレフィン系ランダム共重合体の製
造方法においては、エチレンと環状オレフィンとの共重
合反応は後述するように、連続法で行なわれる。その際
に、重合反応系に供給される可溶性バナジウム化合物の
濃度は、通常、重合反応系内の可溶性バナジウム化合物
の濃度の10倍以下、好ましくは7〜1倍、さらに好まし
くは5〜1倍の範囲である。
また、重合反応系内のバナジウム原子に対するアルミ
ニウム原子の比(Al/V)は2倍以上、好ましくは2〜5
0、とくに好ましくは3〜20の範囲である。
該可溶性バナジウム化合物および該有機アルミニウム
化合物は、それぞれ、通常、前記炭化水素溶媒で希釈し
て供給される。ここで、該可溶性バナジウム化合物は、
前記濃度範囲に希釈することが望ましいが、有機アルミ
ニウム化合物は重合反応系における濃度のたとえば50倍
以下の任意の濃度に調製して重合反応系に供給する方法
が採用される。
本発明では環状オレフィン系ランダム共重合体を製造
するに際し、共重合反応系内の可溶性バナジウム化合物
の濃度は、バナジウム原子として、通常は、0.01〜5グ
ラム原子/、好ましくは0.05〜3グラム原子/の範
囲である。
重合 本発明では、第1の環状オレフィン系ランダム共重合
体を製造するに際して、上記したような触媒の存在下
に、上記した炭化水素溶媒中で、通常、−50〜100℃の
温度で、そして0〜50kg/cm2Gの圧力で、エチレンと、
前記した一般式[I]あるいは[Ia]で表わされる環状
オレフィンとを液相で共重合させる。
この重合を行なう際には、ポンプなどにより反応液を
強制循環させる機能を有する管型のループ型反応器、あ
るいは撹拌機付槽型重合器などを用いることができる。
エチレンと上記した環状オレフィンとを共重合させる
と、環状オレフィン系ランダム共重合体が得られるが、
このようにして得られた環状オレフィン系ランダム共重
合体では、エチレンに由来する繰り返し単位(a)は、
1〜99モル%、好ましくは40〜85モル%、さらに好まし
くは50〜75モル%の範囲で存在しており、また該環状オ
レフィンに由来する繰り返し単位(b)は99〜1モル
%、好ましくは15〜60モル%、さらに好ましくは25〜50
モル%の範囲で存在している。また、環状オレフィン系
ランダム共重合体中には、エチレンに由来する繰り返し
単位(a)および該環状オレフィンに由来する繰り返し
(b)は、ランダムに実質上線状に配列している。この
環状オレフィン系ランダム共重合体が実質上線状であ
り、ゲル状架橋構造を有していないことは、該共重合体
が135℃のデカリン中に完全に溶解することによって確
認できる。
このような環状オレフィン系ランダム共重合体の135
℃のデカリン中で測定した極限粘度[η]は、通常、0.
05〜10dl/gの範囲にある。
また環状オレフィン系ランダム共重合体のサーマル・
メカニカル・アナライザーで測定した軟化温度(TMA)
は、通常、70〜250℃の範囲にある。また、該環状オレ
フィン系ランダム共重合体のガラス転移温度(Tg)は、
通常50〜230℃の範囲にある。
また、この環状オレフィン系ランダム共重合体のX線
回析法によって測定した結晶化度は、通常、0〜10%の
範囲である。
エチレンと該環状オレフィンとを反応させて得られた
環状オレフィン系ランダム共重合体中においては、該環
状オレフィンは一般式[III]で表わされる構造を形成
している。
一般式 (式中、nおよびR1ないしR12は前記式[I]の場合と
同じである。) この式[III]で表される構造をさらに具体的に表現
すれば、下記式[III a]で表される。
ただし、上記式[III a]において、nおよびmなら
びにR1〜R18は、前記式[I a]と同じ意味である。
脱灰 重合器より取出された環状オレフィン系ランダム共重
合体溶液には、必要に応じて脱灰工程が加えられるが、
この脱灰工程では、アルカリ溶液たとえば、濃度10〜50
重量%の水酸化ナトリウム水溶液を該環状オレフィン系
ランダム共重合体溶液に加えて、重合反応を停止させ、
そして、この重合体溶液から重合体溶液中に残存する触
媒残渣を除去(脱灰)する。
次いで、フラッシュ乾燥工程にただちに入ってもよい
が、通常では、上記のようにして脱灰された重合体溶液
を一旦、撹拌機付容器に移して、所定時間この重合体溶
液の撹拌を行なう。
加熱 上記したような脱灰工程を経た環状オレフィン系ラン
ダム共重合体溶液は、次いで、通常、加熱器を用いて加
熱される。加熱器としては、たとえば二重管式加熱器が
用いられる。
そして、この加熱器を用いて、環状オレフィン系ラン
ダム共重合体溶液を加熱するが、この加熱に際して共重
合体の濃度は通常、1〜30重量%に調整されていること
が好ましい。
加熱温度は、次のフラッシュ乾燥工程において、該共
重合体溶液中の溶媒を充分に気化させるに足る温度であ
ることが必要であり、通常では、150〜280℃好ましくは
180〜250℃である。
フラッシュ乾燥 本発明では、上記のような加熱工程を経た環状オレフ
ィン系ランダム共重合体溶液はフラッシュ乾燥される
が、環状オレフィン系ランダム共重合体溶液をフラッシ
ュ乾燥すると未反応の環状オレフィン単量体などは分離
除去される。フラッシュ乾燥を行なうに際しては、たと
えば、二重管式フラッシュ乾燥器が用いられる。
二重管式フラッシュ乾燥器を用いて環状オレフィン系
ランダム共重合体溶液をフラッシュ乾燥するに際して、
この乾燥器中で環状オレフィン系ランダム共重合体溶液
中の該共重合体が固化しない温度になるような圧力分布
および熱量を、環状オレフィン系ランダム共重合体溶液
に与えることが好ましい。また、上記のようにして該環
状オレフィン系ランダム共重合体溶液をフラッシュ乾燥
するに際しては、該乾燥器の伝熱面の汚れを防止するた
めに、少なくとも0.3m/秒程度の速度で環状オレフィン
系ランダム共重合体溶液を乾燥器内に供給することが好
ましい。
上記の条件下で、環状オレフィン系ランダム共重合体
溶液のフラッシュ乾燥を行なうことにより、未反応環状
オレフィン単量体および一部の残存していた溶媒なども
実質上除去された環状オレフィン系ランダム共重合体が
得られる。この得られた該共重合体は、耐熱性、耐熱老
化性、耐薬品性、耐溶剤性、誘電特性、剛性、耐衝撃性
などに優れている。
フラッシュ乾燥工程を経て得られた環状オレフィン系
ランダム共重合体には、上述したように実質上は未反応
の環状オレフィン単量体などが含まれていない。しかし
ながら、わずかに未反応の環状オレフィン単量体などが
該共重合体中に含まれているような場合には、さらに下
記の押出機を用いて上記の環状オレフィン系ランダム共
重合体を処理して、該共重合体中から未反応の環状オレ
フィン単量体を除去することもできる。
上記のようなフラッシュ乾燥工程を経た環状オレフィ
ン系ランダム共重合体を大気ベントおよび真空ベントが
設けられた2軸押出機を通過させることによって、該共
重合体から未反応環状オレフィン単量体をさらに除去す
ることができる。
大気ベントは、環状オレフィン系ランダム共重合体が
真空ベントにおいて発泡することを防ぐために必要であ
る。押出機の温度は、少なくとも大気中における未反応
環状オレフィン単量体の沸点以上であることが必要であ
り、通常では210〜280℃好ましくは230〜260℃である。
次に本発明に係る第2の環状オレフィン系ランダム共
重合体の製造方法について説明する。
本発明に係る第2の環状オレフィン系ランダム共重合
体を製造するに際して、触媒の存在下に、炭化水素溶媒
からなる液相中で、エチレンと、前記一般式[I]で表
わされる環状オレフィンとを液相で共重合させることに
よって得られ、135℃のデカリン中で測定した極限粘度
[η]が0.05〜10dl/gの範囲にあり、軟化温度(TMA)
が70℃以上である環状オレフィン系ランダム共重合体
[B]の溶液と、触媒の存在下に、炭化水素溶媒中で液
相で重合反応を行なって得られるエチレンと、少なくと
も他の一種のα−オレフィンと、前記一般式[I]で表
わされる環状オレフィンとを共重合させて得られ、135
℃のデカリン中で測定した極限粘度[η]が0.01〜10dl
/gの範囲にあり、軟化温度(TMA)が70℃未満である環
状オレフィン系ランダム共重合体[C]の溶液とを、 上記[B]成分100重量部に対して[C]成分を5〜1
00重量部の量でブレンドしてなる環状オレフィン系ラン
ダム共重合体組成物の溶液をフラッシュ乾燥している。
本発明に係る第2の環状オレフィン系ランダム共重合
体を製造する際に用いられる環状オレフィン系ランダム
共重合体[B]の溶液は、本発明に係る第1の環状オレ
フィン系ランダム共重合体の製造方法において述べたと
同様な触媒の存在下に、また、同様な炭化水素溶媒中
で、通常、−50〜100℃の温度で、そして0〜50kg/cm2G
の圧力で、エチレンと、前記した一般式[I]で表わさ
れる環状オレフィンとを共重合させることにより得られ
る。
この重合を行なう際には、ループ型反応器、撹拌機付
槽型重合器などを用いることができる。
このようにして得られた環状オレフィン系ランダム共
重合体[B]には、エチレンに由来する繰り返し単位
(a)は、40〜85モル%、好ましくは50〜75モル%の範
囲で存在しており、また該環状オレフィンに由来する繰
り返し単位(b)は15〜60モル%、好ましくは25〜50モ
ル%の範囲で存在しており、エチレンに由来する繰り返
し単位(a)および該環状オレフィンに由来する繰り返
し(b)は、ランダムに実質上線状に配列している。こ
の環状オレフィン系ランダム共重合体[B]が実質上線
状であり、ゲル状架橋構造を有していないことは、該共
重合体が135℃のデカリン中に完全に溶解することによ
って確認できる。
このような環状オレフィン系ランダム共重合体[B]
の135℃のデカリン中で測定した極限粘度[η]は、0.0
5〜10dl/g好ましくは0.08〜5dl/gの範囲にある。
また環状オレフィン系ランダム共重合体[B]のサー
マル・メカニカル・アナライザーで測定した軟化温度
(TMA)は、70℃以上、好ましくは90〜250℃、さらに好
ましくは100〜200℃の範囲にある。また、該環状オレフ
ィン系ランダム共重合体[B]のガラス転移温度(Tg)
は、通常50〜230℃、好ましくは70〜210℃の範囲にあ
る。
また、この環状オレフィン系ランダム共重合体[B]
のX線回析法によって測定した結晶化度は、0〜10%、
好ましくは0〜7%、とくに好ましくは0〜5%の範囲
である。
また本発明に係る第2の環状オレフィン系ランダム共
重合体を製造するに際して用いられる環状オレフィン系
ランダム共重合体[C]の溶液は、環状オレフィン系ラ
ンダム共重合体[B]の溶液と同様にして重合される。
環状オレフィン系ランダム共重合体[C]では、エチ
レンに由来する繰り返し単位(a)は、40〜99モル%好
ましくは75〜98モル%の範囲で存在しており、また該環
状オレフィンに由来する繰り返し単位(b)は、1〜40
モル%好ましくは1〜15モル%の範囲で存在しており、
また、エチレン以外の少なくとも1種のα−オレフィン
に由来する繰り返し単位(c)は、1〜45モル%好まし
くは1〜35モル%の範囲で存在している。
このようにして得られた該共重合体[C]において、
エチレンに由来する繰り返し単位(a)および該環状オ
レフィンに由来する繰り返し(b)およびエチレン以外
の少なくとも1種のα−オレフィンに由来する繰り返し
単位(c)は、ランダムに実質上線状に配列している。
この環状オレフィン系ランダム共重合体[C]が実質上
線状であり、ゲル状架橋構造を有していないことは、該
共重合体が135℃のデカリン中に完全に溶解することに
よって確認できる。
このような環状オレフィン系ランダム共重合体[C]
の135℃のデカリン中で測定した極限粘度[η]は、0.0
1〜10dl/g、好ましくは0.08〜5dl/gの範囲にある。
また環状オレフィン系ランダム共重合体[C]のサー
マル・メカニカル・アナライザーで測定した軟化温度
は、70℃未満、好ましくは−40〜60℃で、さらに好まし
くは−30〜30℃の範囲にある。また、該環状オレフィン
系ランダム共重合体[C]の軟化温度は該環状オレフィ
ン系ランダム共重合体[B]の軟化温度よりも+30〜25
0℃、好ましくは50〜250℃さらに好ましくは100〜240℃
低いことが好適である。また、該環状オレフィン系ラン
ダム共重合体[C]のガラス転移温度(Tg)は、−60〜
40℃、好ましくは−50〜10℃の範囲にある。この環状オ
レフィン系ランダム共重合体[C]のガラス転移温度
は、上記環状オレフィン系ランダム共重合体[B]のガ
ラス転移温度よりも30〜250℃、好ましくは100〜240℃
低いことが好適である。
また、この環状オレフィン系ランダム共重合体[C]
のX線回析法によって測定した結晶化度は、0〜10%、
好ましくは0〜7%、とくに好ましくは0〜5%の範囲
である。
なお上記のような環状オレフィン系ランダム共重合体
[B]および[C]は、上記のようにエチレンと前記環
状オレフィンとを共重合させることにより得られるが、
該共重合体中には、エチレン成分単位と等モル未満の範
囲のプロピレン、1−ブテン、4−メチル−1−ペンテ
ン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン、1−ド
デセン、1−テトラデセン、1−ヘキサデセン、1−オ
クタデセン、1−エイコセンなどの炭素原子数3〜20の
α−オレフィンなどが共重合されていてもよい。
本発明に係る第2の環状オレフィン系ランダム共重合
体を製造するに際して、環状オレフィン系ランダム共重
合体[B]100重量部に対して、環状オレフィン系ラン
ダム共重合体[C]が、5〜100重量部、好ましくは7
〜80重量部、特に好ましくは10〜70重量部の量となるよ
うに環状オレフィン系ランダム共重合体[B]の溶液
と、環状オレフィンランダム共重合体[C]の溶液とが
混合(混練)される。該環状オレフィン系ランダム共重
合体[B]100重量部に対して、該環状オレフィン系ラ
ンダム共重合体[C]が5重量部未満であると、得られ
た本発明に係る第2の環状オレフィン系ランダム共重合
体は、剛性に優れているものの、耐衝撃性に劣る傾向が
生じ、一方、100重量部を超えると耐衝撃性には優れて
いるものの、剛性が低く、剛性と衝撃強度のバランスが
悪くなる傾向が生ずる。
本発明に係る第2の環状オレフィン系ランダム共重合
体の製造方法においては、上記のような環状オレフィン
系ランダム共重合体[B]の溶液と[C]の溶液とから
なる環状オレフィン系ランダム共重合体組成物溶液は、
前述した第1の環状オレフィン系ランダム共重合体の製
造方法と同様に、必要に応じて脱灰工程および加熱工程
が加えられた後に、フラッシュ乾燥工程が加えられる。
次に、本発明に係る第3の環状オレフィン系ランダム
共重合体の製造方法について説明する。
本発明に係る第3の環状オレフィン系ランダム共重合
体を製造するに際して、上記のような環状オレフィン系
ランダム共重合体[B]の溶液と、エチレンと、プロピ
レンと、前記一般式[I]で表される環状オレフィンと
を共重合させて得られるか、または、エチレンと、ブテ
ンと、前記一般式[I]で表される環状オレフィンとを
共重合させて得られ、135℃のデカリン中で測定した極
限粘度[η]が0.01〜10dl/gの範囲にあり、軟化温度
(TMA)が70℃未満である環状オレフィン系ランダム共
重合体[D]の溶液とを、前記[B]成分100重量部に
対して[D]成分を5〜100重量部の量となるように、
環状オレフィン系ランダム共重合体[B]の溶液と、環
状オレフィン系ランダム共重合体[C]の溶液とが混合
(混練)して得られた環状オレフィン系ランダム共重合
体組成物溶液を、フラッシュ乾燥する。
このような環状オレフィン系ランダム共重合体[D]
は、エチレンと前記環状オレィンとプロピレンとを共重
合させるか、またはエチレンと前記環状オレフィンとブ
テンとを共重合させることにより得られる。
環状オレフィン系ランダム共重合体[D]では、エチ
レンに由来する繰り返し単位(a)は、40〜99モル%好
ましくは75〜98モル%の範囲で存在しており、また該環
状オレフィンに由来する繰り返し単位(b)は、1〜40
モル%好ましくは1〜15モル%の範囲で存在しており、
さらに、上記二成分の他にプロピレンを必須成分とする
場合には、プロピレンに由来する繰り返し単位(c1)
は、1〜45モル%好ましくは1〜35モル%の範囲で存在
している。また、プロピレンに代えて、ブテンを必須成
分とする場合には、ブテンに由来する繰り返し単位(c
2)は、1〜45モル%好ましくは1〜35モル%の範囲で
存在している。
このような環状オレフィン系ランダム共重合体[D]
では、エチレンに由来する繰り返し単位(a)および該
環状オレフィンに由来する繰り返し単位(b)およびプ
ロピレンまたはブテンに由来する繰り返し単位(c)
は、ランダムに実質上線状に配列している。この環状オ
レフィン系ランダム共重合体[D]が実質上線状であ
り、ゲル状架橋構造を有していないことは、該共重合体
が135℃のデカリン中に完全に溶解することによって確
認できる。
このような環状オレフィン系ランダム共重合体[D]
の135℃のデカリン中で測定した極限粘度[η]は、0.0
1〜10dl/g、好ましくは0.08〜5dl/gの範囲にある。
また環状オレフィン系ランダム共重合体[D]のサー
マル・メカニカル・アナライザーで測定した軟化温度
は、70℃未満、好ましくは−40〜60℃、さらに好ましく
は−30〜30℃の範囲にある。また、該環状オレフィン系
ランダム共重合体[D]の軟化温度は該環状オレフィン
系ランダム共重合体[B]の軟化温度よりも+30〜250
℃、好ましくは50〜250℃さらに好ましくは100〜240℃
低いことが好適である。また、該環状オレフィン系ラン
ダム共重合体[D]のガラス転移温度(Tg)は、−60〜
40℃、好ましくは−50〜10℃の範囲にある。この環状オ
レフィン系ランダム共重合体[D]のガラス転移温度
は、上記環状オレフィン系ランダム共重合体[B]のガ
ラス転移温度よりも30〜250℃、好ましくは100〜240℃
低いことが好適である。
また、この環状オレフィン系ランダム共重合体[D]
のX線回析法によって測定した結晶化度は、0〜10%、
好ましくは0〜7%、とくに好ましくは0〜5%の範囲
である。
本発明に係る第3の環状オレフィン系ランダム共重合
体を製造するに際して、上記のような環状オレフィン系
ランダム共重合体[B]100重量部に対して、環状オレ
フィン系ランダム共重合体[D]が、5〜100重量部、
好ましくは7〜80重量部、特に好ましくは10〜70重量部
の量となるように、環状オレフィン系ランダムの共重合
体[B]の溶液と、環状オレフィン系ランダム共重合体
[D]の溶液とが混合される。環状オレフィン系ランダ
ム共重合体[B]100重量部に対して、該環状オレフィ
ン系ランダム共重合体[D]が5重量部未満であると、
得られる本発明に係る第3の環状オレフィン系ランダム
共重合体が、剛性に優れているものの、耐衝撃性に劣る
傾向が生じ、一方、100重量部を超えると耐衝撃性には
優れているものの、剛性が低く、剛性と衝撃強度のバラ
ンスが悪くなる傾向が生ずる。
本発明に係る第3の環状オレフィン系ランダム共重合
体の製造方法においては、上記のような環状オレフィン
系ランダム共重合体[B]の溶液と環状オレフィン系ラ
ンダム共重合体[D]の溶液とからなる環状オレフィン
系ランダム共重合体組成物溶液は、前述した第1の環状
オレフィン系ランダム共重合体の製造方法と同様に、必
要に応じて脱灰工程および加熱工程が加えられた後に、
フラッシュ乾燥工程が加えられる。
発明の効果 本発明に係る環状オレフィン系ランダム共重合体の製
造方法は、上記のような特徴を有しているので、耐熱
性、耐熱老化性、耐薬品性、耐溶剤性、誘電特性、剛
性、耐衝撃性などに優れるとともに、未反応環状オレフ
ィン単量体が実質上除去され、優れた性質を有する環状
オレフィン系ランダム共重合体を、簡単な工程によって
安価に効率よく製造することができる。
しかも、本発明に係る環状オレフィン系ランダム共重
合体の製造方法により得られた該共重合体は、上記した
ような優れた諸特性を有しているので、エンジニアリン
グプラスチックなどとして幅広い産業分野で利用され得
る。
[実施例] 次に、本発明に係る環状オレフィン系ランダム共重合
体の製造方法を実施例により具体的に説明するが、本発
明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、
実施例および比較例において得られた環状オレフィン系
ランダム共重合体の物性は次に示す方法により求めた。
[ポリマー基本物性測定法] MFR;260℃、荷重2160gにて測定した。
[η];135℃でアトランティック型粘度計を用い、極限
粘度を測定した。
共重合体組成[モル%];赤外分光法にて環状オレフィ
ン成分に基づく吸収帯(1026cm-1)のピーク高さを測定
し、環状オレフィン成分の含有率を求めた。また、エチ
レン成分の含有率は環状オレフィン成分残余として求め
た。
揮発成分[VM];300℃、1Torr、1時間の条件で重量変
化を測定し、重量%で示した。
未反応環状オレフィン含量;得られた環状オレフィン系
ランダム共重合体ポリマーをシクロヘキサンに溶解さ
せ、ガスクロマトグラフ法にて定量した。
軟化点[TMA];デュポン社製Thermomechanical Analys
erを用いて1.0mm厚さシートの熱変形挙動により測定し
た。すなわち、シート上に石英製針をのせ、荷重50gを
かけ、5℃/分で昇温していき、針が0.1mm侵入した温
度をTMAとした。
実施例1 [触媒調製] VO(OC2H5)Cl2をシクロヘキサンで希釈し、バナジウ
ム濃度が6.7ミリモル/−シクロヘキサンであるバナ
ジウム触媒を調製した。
エチルアルミニウムセスキクロリド(Al(C2H51.5C
l1.5)をシクロヘキサンで希釈し、アルミニウム濃度が
107ミリモル/−ヘキサンである有機アルミニウム化
合物触媒を調製した。
[重合] 環状オレフィン系ランダム共重合体[B]を、撹拌式
重合器(内径500mm、反応容積100)を用いて、連続的
に、エチレンと環状オレフィンとしてのテトラシクロ
[4,4,0,12,5,17,10]−3−ドデセン(以下単にテトラ
シクロドデセンということがある。)との共重合反応を
行なうことにより製造した。この共重合反応を行なう際
には、前記方法によって調製されたバナジウム触媒を、
重合溶媒として用いられた重合器内のシクロヘキサンに
対するバナジウム触媒濃度が0.6ミリモル/になるよ
うな量で重合器内に供給した。しかも重合器に供給され
る直前でのバナジウム触媒濃度が、重合器内での触媒濃
度に対し、希釈倍率で2倍以下になるように、重合溶媒
のシクロヘキサンでバナジウム触媒を予め希釈して、重
合器内に供給した。
有機アルミニウム化合物であるエチルアルミニウムセ
スキクロリドを、Al/V=8.0になるような量で重合器内
に供給した。重合温度を11℃とし、重合圧力を1.8kg/cm
2Gとして連続的に、前記した共重合反応を行なった。
環状オレフィン共重合体[C]を、ループ型反応器
(内管径4B、該管径6B、長さ32m、縦型)を用い、圧力
を4kg/cm2Gとし、エチレンと、環状オレフィンとしての
テトラシクロドデセンと、α−オレフィンとしてプロピ
レンとを用いて、前記環状オレフィン系ランダム共重合
体[B]と同様の重合反応を行なうことにより製造し
た。
[脱灰] 重合器より抜出した、環状オレフィン系ランダム共重
合体[B]溶液および環状オレフィン系ランダム共重合
体[C]溶液を、配管に送り込み、前混合を行ない、ボ
イラー水およびpH調節剤として、濃度が25重量%のNaOH
溶液をこの混合溶液に添加し、前記した重合反応を停止
させ、また、共重合体中に残存する触媒残渣をこの混合
溶液中から除去(脱灰)した。この脱灰された混合溶液
を、フラッシュ乾燥工程に入る前に一旦、有効容積1.0m
3の撹拌槽を用いて1時間混合した。
[加熱] 加熱源として20kg/cm2Gの水蒸気を用いた二重管式加
熱器(外管径2B、内管径3/4B、長さ21m)に、混合溶液
中の該共重合体濃度を5重量%とした混合溶液を150kg/
Hの量で供給して、この混合溶液を180℃に加熱した。
[フラッシュ乾燥] 二重管式フラッシュ乾燥器(外管径2B、内管径3/4B、
長さ27m)とフラッシュホッパー(容積200)とを用い
て、上記したような加熱工程を経た混合溶液から重合溶
媒とともに大半の未反応テトラシクロドデセンを除去し
た。二重管式フラッシュ乾燥器の加熱源として、25kg/c
m2Gの水蒸気を用いた。
[ベント付押出機による混練] 上記したフラッシュ乾燥工程を経た共重合体を、次
に、ベント付押出機を用いて、混練した。このような混
練をする際には、ベント付押出機(スクリュー径30φm
m、噛合い型2軸2条、L/D=42、同方向回転、大気ベン
ト1、真空ベント2)を用い、バレル温度を250℃と
し、ベントの真空度をTorrとして、共重合体を混練し
た。このような混練をする際にも、上記したようなフラ
ッシュ乾燥工程を経た該共重合体から未反応テトラシク
ロドデセンを除去した。
このように未反応のテトラシクロドデセンを除去して
得られた該共重合体の基体物性の代表値を表5に示す。
実施例2 実施例1において、環状オレフィンとして8−メチル
テトラシクロ[4,4,0,12,5,17,10]−3−ドデセン(以
下単にメチルテトラシクロドデセンということがあ
る。)を用いた以外は、実施例1と同様、重合工程から
ベント付押出機による混練工程に至る一連の運転を行な
った。
このようにして得られた環状オレフィン系ランダム共
重合体の基本物性の代表値を表に示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭62−34924(JP,A) 特開 昭62−252407(JP,A) 特開 昭63−48306(JP,A) 特開 昭59−170105(JP,A) 特開 昭51−18780(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C08F 10/00 - 10/14 C08F 110/00 - 110/14 C08F 210/00 - 210/18 C08F 6/00 - 6/28 C08F 232/00

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】触媒の存在下に、炭化水素溶媒中で、エチ
    レンと、下記一般式[I]で表わされる環状オレフィン
    とを共重合させることによって得られる環状オレフィン
    系ランダム共重合体溶液を、 150〜280℃の温度に加熱し、次いで 該共重合体溶液中の共重合体が固化しないような温度で
    二重管式フラッシュ乾燥器を用いてフラッシュ乾燥し、
    次いで 得られたフラッシュ乾燥物を未反応環状オレフィン単量
    体の沸点以上の温度で大気ベントおよび真空ベント付き
    の押出機を通過させる ことを特徴とする環状オレフィン系ランダム共重合体の
    製造方法: (式中、nは0もしくは正の整数であり、R1〜R12はそ
    れぞれ同一であっても異なっていてもよく、水素原子、
    ハロゲン原子または炭化水素基であるか、R9(またはR
    10)とR11(またはR12)とは互いに結合して、単環また
    は多環を形成していてもよい。)
  2. 【請求項2】触媒の存在下に、炭化水素溶媒中で液相重
    合反応を行なって得られる下記重合体[B]の溶液およ
    び重合体[C]の溶液 [B]エチレンと、下記の一般式[I]で表わされる環
    状オレフィンとを共重合させて得られ、135℃のデカリ
    ン中で測定した極限粘度[η]が0.05〜10dl/gの範囲に
    あり、軟化温度(TMA)が70℃以上である環状オレフィ
    ン系ランダム共重合体の溶液、 [C]エチレンと、少なくとも他の一種のα−オレフィ
    ンと、下記の一般式[I]で表わされる環状オレフィン
    とを共重合させて得られ、135℃のデカリン中で測定し
    た極限粘度[η]が0.01〜10dl/gの範囲にあり、軟化温
    度(TMA)が70℃未満である環状オレフィン系ランダム
    共重合体の溶液、から形成され、前記[B]成分100重
    量部に対して[C]成分が5〜100重量部の量で存在し
    ている環状オレフィン系ランダム共重合体組成物溶液
    を、 150〜280℃の温度に加熱し、次いで 該共重合体溶液中の共重合体が固化しないような温度で
    二重管式フラッシュ乾燥器を用いてフラッシュ乾燥し、
    次いで 得られたフラッシュ乾燥物を未反応環状オレフィン単量
    体の沸点以上の温度で大気ベントおよび真空ベント付き
    の押出機を通過させる ことを特徴とする環状オレフィン系ランダム共重合体の
    製造方法: (式中、nは0もしくは正の整数であり、R1〜R12はそ
    れぞれ同一であっても異なっていてもよく、水素原子、
    ハロゲン原子または炭化水素基であるか、R9(またはR
    10)とR11(またはR12)とは互いに結合して、単環また
    は多環を形成していてもよい。)
  3. 【請求項3】触媒の存在下に炭化水素溶媒中で重合反応
    を行なって得られる上記重合体[B]の溶液および下記
    重合体[D]の溶液: [D]エチレンとプロピレンと、下記一般式[I]で表
    わされる環状オレフィンとを共重合させて得られるか、
    または、エチレンとブテンと、下記一般式[I]で表わ
    される環状オレフィンとを共重合させて得られ、135℃
    のデカリン中で測定した極限粘度[η]が0.01〜10dl/g
    の範囲にあり、軟化温度(TMA)が70℃未満である環状
    オレフィン系ランダム共重合体溶液 から形成され、前記[B]成分100重量部に対して
    [D]成分が5〜100重量部の量で存在している環状オ
    レフィン系ランダム共重合体組成物溶液を、 150〜280℃の温度に加熱し、次いで 該共重合体溶液中の共重合体が固化しないような温度で
    二重管式フラッシュ乾燥器を用いてフラッシュ乾燥し、
    次いで 得られたフラッシュ乾燥物を未反応環状オレフィン単量
    体の沸点以上の温度で大気ベントおよび真空ベント付き
    の押出機を通過させる ことを特徴とする環状オレフィン系ランダム共重合体の
    製造方法: (式中、nは0もしくは正の整数であり、R1〜R12はそ
    れぞれ同一であっても異なっていてもよく、水素原子、
    ハロゲン原子または炭化水素基であるか、R9(またはR
    10)とR11(またはR12)とは互いに結合して、単環また
    は多環を形成していてもよい。)
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