JP2926131B2 - エンジンブレーカ - Google Patents

エンジンブレーカ

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JP2926131B2
JP2926131B2 JP25988790A JP25988790A JP2926131B2 JP 2926131 B2 JP2926131 B2 JP 2926131B2 JP 25988790 A JP25988790 A JP 25988790A JP 25988790 A JP25988790 A JP 25988790A JP 2926131 B2 JP2926131 B2 JP 2926131B2
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克良 塚本
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Tokyo Gas Co Ltd
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YAMADA JUKI KK
Tokyo Gas Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】 【産業上の利用分野】
この発明は本体に一体的に搭載されたエンジンによっ
て駆動されるエンジンブレーカに関し、詳しくは、その
騒音の発生を極力抑制したものに関する。
【従来の技術およびその問題点】
一般に、コンクリートブレーカと称される破砕装置
は、たとえば道路工事現場や建築現場などにおいて、ア
スファルトやコンクリートなどの型状固形物を破砕する
ために用いられる。このようなブレーカは、本体下部に
チゼルなどの撃打ツールを一定距離上下方向に往復移動
可能に支持するとともに、この撃打ツールの頂部を、本
体内において往復駆動されるハンマ体によって連続的に
撃打するように構成される。上記ハンマ体を往復駆動す
るための構成としては、圧搾空気発生装置から圧力ホー
スを介して本体に導入した圧搾空気を利用し、この圧搾
空気の膨張力によって上記ハンマ体を往復駆動するもの
や、本体に一体的に搭載したエンジンなどの動力源の回
転出力を利用して上記ハンマ体を往復駆動するようにし
たものなどがある。 ところで、都心での道路工事は、夜間に行われる場合
が多いため、上記のようなブレーカが発生する騒音を、
極力抑制することが要請される。一般に、屋外で使用さ
れる建設用機械については、その発生する騒音レベル
は、80ないし82dB以下とすることが好ましいとされてい
る。 一方、大掛かりな圧搾空気発生装置および圧力ホース
が不要なことから、最近では、上述の圧搾空気を動力源
としたコンクリートブレーカに代えて、動力源が一体と
なったエンジンブレーカが多用される傾向にある。この
ようなエンジンブレーカであると、工事現場への搬送も
容易であるし、圧搾空気発生装置を持ち込むことが不可
能な場所においても、破砕作業が可能となるからであ
る。 しかしながら、このようなエンジンブレーカにおいて
は、エンジンの発生する騒音と、撃打ツールをハンマ体
が撃打することにより発生する騒音とが相乗して大きな
騒音を発生する問題がある。 都心での工事現場において、ブレーカなどの騒音発生
源から発生する騒音が周囲に拡散することを防止するた
めの方策としては、工事現場の周囲に防音壁を設けるな
どすることが一般に行われている。 しかし、かかる工法では、防音壁を構築する機材を搬
送する手間が必要であるとともに、防音壁を構築する手
間も必要となり、エンジンブレーカを使用する場合の利
便性が、一部において損なわれてしまう。結局のとこ
ろ、上記のような工事現場等におけるブレーカからの騒
音の飛散を防止するためには、ブレーカそれ自体が発生
する騒音を低減するのが最も効果的であり、かつエンジ
ンブレーカとしての利便性を享受できる。しかし、従来
において騒音レベルを80ないし82dBにまで低減したエン
ジンブレーカは存在しなかった。 したがって、本願発明の目的は、エンジンブレーカに
おいて、それ自体が発生する騒音を、従来に比較して、
著しく低減することである。
【課題を達成するための手段】
上記の目的を達成するため、本願発明では次の技術的
手段を講じている。 すなわち、本願の請求項1に記載した発明は、上下方
向の軸心をもつ円筒形の本体の上部にエンジンを一体的
に搭載するとともに、上記本体の下部に撃打ツールを上
記軸心方向に往復移動可能に支持する一方、上記エンジ
ンによって駆動され、かつ上記本体の内部に配された撃
打機構のハンマ体によって上記撃打ツールの頂部を連続
的に撃打するように構成されたエンジンブレーカにおい
て、上記本体の外周に、吸音層、遮音層、および外装シ
ート層を積層してなるシート体を、上記吸音層を内側に
して密着状ないし略密着状に巻付け、上記シート体は、
シート体自体に取り付けられて互いに離脱可能に係着す
る対の係着具により、上記本体の外周に巻付いた姿勢を
維持する構成としたことを特徴とする。 本願の請求項2に記載した発明は、請求項1に記載し
たエンジンブレーカにおいて、上記本体を、二重シリン
ダ状としたことを特徴とする。 そして本願の請求項3に記載の発明は、請求項1のエ
ンジンブレーカにおいて、上記本体を、その外径が上部
に対して下部のほうが拡径した形態とするとともに、こ
の本体に巻き付けた上記シート体を、上記本体外径の拡
径部の直上に対応する部位を絞ることにより、上記本体
の外周に保持させたことを特徴とする。
【発明の作用および効果】
本願発明においては、エンジンブレーカにおいて騒音
の主たる発生源となる本体部において、効果的な防音対
策が講じられている。 すなわち、内部において撃打ツールの頂部をハンマ体
が連続的に撃打する際に強烈な撃打音が発生する本体の
外周には、このような騒音の放散を効率的に低減できる
ように特に構成したシート体が、密着状ないしは略密着
状に装着される。 すなわち、上記シート体は、例えば、ロックウールな
どからなる吸音層と、比較的硬質の樹脂シートからなる
遮音層と、適当に選ばれた樹脂シートなどからなる外装
シート層を積層して構成されているため、上記吸音層自
体による騒音の吸音効果、上記吸音層がブレーカ本体の
外周に密着していることによる本体自体の高周波振動抑
制効果、および、上記遮音層による遮音効果が相乗し
て、本体内部のハンマ体が撃打ツールを撃打することに
より発生する騒音の外部への拡散を効果的に抑制するこ
とができる。しかも、係着具を用いてシート体を本体の
外周に容易かつ迅速に着脱できる。この結果、全体とし
ての作業能率をほとんど低下させることなく、エンジン
ブレーカの非使用時、たとえば保管、運搬時などにシー
ト体を本体から取り外しておくことができるので、シー
ト体の損傷や劣化を良好に軽減させることができる。ま
た、本体の分解に際しても、シート体をきわめて容易に
取り外すことができる。さらには、係着具がシート体自
体に取り付けられているので、本体側に係着具を設ける
必要がなく、しかも係着具が完全に独立している場合の
ように係着具を紛失する恐れもない。 また、本願の請求項2の発明においては、ブレーカ本
体そのものを二重シリンダ状としている。これにより、
本体内部において発生する騒音が、二重シリンダの外側
シリンダの外表面に伝達される騒音量が低減されるた
め、上記シート体の構成およびこれを本体外周に密着さ
せる構成との相乗的な効果により、上記騒音の外部への
放散阻止効果が、さらに高められる。 また、本願の請求項3の発明においては、上記シート
体のブレーカ本体への装着の利便性を達成している。 すなわち、請求項3の発明におけるシート体の装着構
造によれば、ブレーカ本体にたとえば係止金具などの特
別な構成を付加する必要がないし、シート体側において
も、たとえば本体に対して係合させるための係止部材を
設ける必要もなく、単に、ブレーカ本体の外周に筒状に
巻いたシート体を、その適部において、ベルト状のもの
で絞るだけで容易にブレーカ本体に装着することができ
る。 また、本願発明の好ましい実施例においては、さら
に、エンジンのマフラの内面にたとえばロックウール等
の吸音材を添着することにより、エンジンからの騒音の
放散を抑制している。 以上のように、本願発明のエンジンブレーカによれ
ば、その主たる騒音発生源である、ハンマ体が撃打ツー
ルを連続撃打するときに発生する本体部分からの騒音を
効果的に抑制することができるのであり、どこにでも簡
単に搬入して対象物の破砕作業をすることができるとい
うエンジンブレーカの利便性を享受しつつ、たとえば防
音壁用の機材を搬入し、かつこれを組み立てるなどとい
う付帯的な作業を全く省略して、所定の騒音レベルの低
減を達成することが初めて可能となる。
【実施例の説明】
以下、本願発明の実施例を、図面を参照しつつ具体的
に説明する。 まず、エンジンブレーカ1そのものの構成の例を説明
する。 本例のブレーカ1には、第1図に示すように、円筒状
本体2の上部に、クランクハウジング2aを介して公知の
2サイクルガソリンエンジン3が搭載されている。円筒
状本体2の上部を構成する筒状外套体4の内部には、こ
の筒状外套体4に対して二重となるように固定シリンダ
筒5が内挿されており、この固定シリンダ筒5は、上記
クランクハウジング2aの内部のクランク室6と連続する
シリンダ空間7を形成している。 上記固定シリンダ筒5の内部には、可動シリンダ8が
上記本体の軸心方向に上下往復摺動可能に嵌挿されてお
り、かつこの可動シリンダ8は、クランク室6内に組み
込まれた回転円板9と、この回転円板9の偏心位置に上
端が連結された連結ロッド10とからなるクランク機構11
に連結されている。したがって、上記回転円板9が回転
駆動されると、この可動シリンダ8は、上下に往復駆動
される。なお、上記回転円板9は、たとえばエンジン3
の出力軸の回転を図示しない減速機構により減速したエ
ンジン回転出力により、たとえば、約1000rpm程度で回
転駆動される。また、この可動シリンダ8の下端には、
後記するようにこの内部に嵌め込まれる自由ピストン12
の下部撃打棒13が下方に突出しうる透孔14が設けられ
る。さらに、固定シリンダ筒5の上下にそれぞれ通気孔
15,16を設けることにより、シリンダ空間7における可
動シリンダ8より上の部分と可動シリンダ8より下の部
分とを筒状外套体4と固定シリンダ筒5の間に形成され
る上下に延びる環状の空間17を介して連通させ、可動シ
リンダ8の上下動の抵抗を軽減し、可動シリンダ8の上
下往復動の高速化を計っている。 この可動シリンダ8の内部にはさらに、この可動シリ
ンダ8に対して本体の軸心方向上下方向に自由に移動し
うる上記自由ピストン12が嵌挿されている。そしてこの
自由ピストン12の下部には、打撃棒13が一体延出形成さ
れ、この撃打棒13は、自由ピストン12が下動したとき可
動シリンダ8の下部透孔14から突出し、その下方に位置
する撃打ツール18の頭部を叩く。自由ピストン12の外周
と可動シリンダ8の内周面との間は、自由ピストン12の
外周に嵌め込まれたOリング19によって機密性が確保さ
れ、かつ、可動シリンダ8の下部透孔14と撃打棒13との
間は、下部透孔14の内周に嵌め込まれたOリング20によ
り機密性が確保されている。したがって、可動シリンダ
8の内部は、自由ピストン12によって、上空圧室21と下
空圧室22とに区分される。これらの空圧室21,22は、可
動シリンダ8の上下動に伴う自由ピストン12の動きの慣
性遅れによって交番圧縮され、こうして圧縮された空気
の弾性膨張により自由ピストン12を加速する。本実施例
では、可動シリンダ8の側壁に適当個の透孔23を設け、
自由ピストン12が下動するときに上空圧室21を外部に連
通させることにより、上空圧室21が負圧となって自由ピ
ストン12の下向きの加速を阻害するのを防ぎ、自由ピス
トンが上動するときに下空圧室22を外部に連通させるこ
とにより、下空圧室22が負圧となって自由ピストン12の
上向きの加速を阻害するのを防いでいる。 さらに、筒状外套体4および固定シリンダ筒5の下部
下端には、第1図および第3図に詳示するように、シリ
ンダ空間7の下壁を形成するとともに、その中心に撃打
ツール18のシャンク部18aの上部を上下摺動可能に支持
する上記軸心方向の支持孔24が開けられたボス部25が連
成されている。なお、本実施例では、上記撃打ツール18
シャンク部18aを、上記支持孔24に対して、プッシュ26
を介して支持している。 上記筒状外套体4の下方部における外面には、雄ネジ
27が形成され、これに対して本体の下部ケース28が着脱
可能に螺合される。すなわち、下部ケース28は上部内周
に上記雄ネジ27に螺合しうる雌ネジ29が形成され、下方
に所定長さ延びる一定内径の円筒形内周壁30を有する側
壁部31と、その側壁部31の下端から内向して延び、中央
部に貫通孔32をもつ内向フランジ状の底壁部33とを備え
ており、上述の通り、上記雌ネジ29を上記雄ネジ27に螺
合することにより、本体2に対して着脱可能に取り付け
られる。 上記下部ケース28の円筒形内周壁30と、上記ボス部25
の外周とで規定される環状空間には、後記する撃打ツー
ルホルダ34の上部筒胴部35が延入している。 上記ツールホルダ34は、本体の軸心と一致する軸心を
もつ中央貫通孔36と、これに挿通される撃打ツール18の
上記シャンク部18aを所定のように保持するツール保持
手段37とをもつ下部と、これより上方に延出する上部筒
胴部35とを有する。上部筒胴部35は、第3図に示すよう
に、上記ボス部25の外面に軸方向移動可能に外嵌される
内面と、下部ケースの底壁33の貫通孔32に内嵌される外
径の円筒外面をもち、上記ボス部25の外面と下部ケース
貫通孔32とにガイドされながら上下に摺動しうる。そし
てこの筒胴部35の上端部には、下部ケースの円筒形内周
壁30に摺接しうる外向フランジ38が形成されている。 そして、上記筒胴部35の外面ないし上記外向フランジ
38の下面と、下部ケースの円筒形外周壁30ないし底壁33
の上面とで略密閉状の環状空間39が形成され、かつ、筒
状外套体4の下部からボス部25の外面にいたる下向き段
落面40ないしボス部外面上部と、上記外向きフランジ38
の上面とで略密閉状の環状空間41が形成される。 上記環状空間39には、フッ素ゴムなどでできた環状の
弾性体42が装填され、上記環状空間41には、圧縮コイル
バネ43が装填される。 一方、ツールホルダ34の下部に形成されるツール保持
手段37は、撃打ツール18のシャンク部18aを、その軸方
向摺動可能距離を一定に規制しつつ保持するように構成
される。 本実施例では、第3図および第4図に詳示するよう
に、撃打ツール18のシャンク部18aに、断面において略
三日月状に切除してなる平坦面44を上下方向に所定長さ
にわたって設ける一方、ツールホルダ34の下部に形成し
た大径部45に、横方向に延びるストッパピン46を、その
外周面が中央貫通孔36内に突出状に露出するようにして
通挿支持される。 第3図および第4図に示すように、このストッパピン
46の円筒外面が中央貫通孔36に突出状に露出しているの
で、上記平坦面44の下端部とシャンク外面とをつなぐ両
ストッパ面44a,44bが上記ストッパピン46に当接して、
撃打ツール18の上下方向移動行程が所定距離に規制され
る。 以上の構成のエンジンブレーカを用いて破砕対象物G
を破砕する場合には、第1図に示すように、撃打ツール
18の先端をコンクリートないしはアスファルト等の破砕
対象物Gに突き当てるようにして、ハンドルに設けたス
ロットル操作レバーを操作するなどしてエンジン3の回
転を上げる。エンジン3の回転出力は、通常、遠心クラ
ッチ(図示略)を介してクランク機構11の回転円板9に
伝達されるようになっており、エンジンがアイドリング
状態から所定の回転数以上に達したときのみ、上記クラ
ンク機構11が駆動され、可動シリンダ8が上下方向に往
復運動させられる。可動シリンダ8が下死点下から上動
するとき、下空圧室22は自由ピストン12の慣性的な遅れ
によって圧縮される。この状況は可動シリンダ8が上死
点に近づくまで続き、次の瞬間自由ピストン12は下空圧
室22の弾発力によって可動シリンダの上方に高速で移動
する。そして、可動シリンダが上死点を通過して下降に
転じたあたり高速上動する自由ピストン12がもつ上向き
の運動エネルギと、クランク機構11が可動シリンダ8を
押し下げようとする力とによって上空圧室21が最大限に
圧縮される。そして次の瞬間、自由ピストン12は、最大
限に圧縮された上空圧室21の強大な弾性膨張力により下
方に向け、急加速される。そして、この自由ピストン12
の速度が最高速となった時、その撃打棒13が撃打ツール
18の頂面を強烈な勢いで撃打する。この時の自由ピスト
ン12の下降速度は、最大、秒速数十メートルにも達す
る。このような動作を繰り返すことにより、撃打ツール
18は、ハンマ体たる自由ピストン12によって繰り返し撃
打力を受ける。なお、この時、撃打ツール18を自由ピス
トンが高速で打ち続けることによる破砕対象物Gからの
反力によって本体2が第3図に示す状態より若干浮き上
がり、撃打ツール18は相対的にその移動行程の中間部で
バランスしている。したがって、自由ピストン12が撃打
ツール18に与える衝撃は、なんらツールホルダ34には作
用しない。 上記のようにして、撃打ツール18に対して繰り返し与
えられる衝撃力は、撃打ツール18の先端において破砕対
象物Gを打ち砕く力として作用する。 上記のように、自由ピストン12が撃打ツール18の頂部
を繰り返し撃打する際、本体内部に強烈な衝撃音が発生
する。本願発明においては、このようにして本体内部に
発生する強烈な衝撃音が外部の放散することを、次のよ
うにして抑制している。 すなわち、第1図および第3図に表れているように、
エンジンブレーカ1の円筒本体2の外周面に上記本体内
で発生する衝撃音を封じ込めるシート体47を装着してい
る。 このシート体47は、特に、少なくとも外表部の外装シ
ート層48と、その内側の遮音層49と、さらにその内側の
吸音層50とを備える多層体で形成される。上記外装シー
ト層48としては、たとえばテント用の薄状樹脂シートが
適当である。 上記遮音層49としては、比較的硬質の樹脂シートが好
適である。 また、上記吸音層50としては、ロックウールが適当で
ある。 なお、上記ロックウールからなる吸音層50を保護する
ために、吸音層50の内側にさらにネット51を添着すると
都合がよい。 第5図ないし第7図に、上記シート体47の好適な構成
例を示す。 これらの図から明らかなように、上記シート体47は、
エンジンブレーカ1の円筒状本体2の軸方向長さとほぼ
対応した縦長さと、上記円筒状本体2の外周長さに所定
の重ね合わせ長さを加えた横長さを有する四辺形形状を
有している。そして、その軸方向一側部表面側には、雄
側マジックテープ52が縦方向全長にわたって貼着されて
おり、幅方向他側部裏面には、雌側マジックテープ53が
縦方向全長にわたって貼着されている。さらに、シート
体47の表面側には、このシート47を上記ブレーカの円筒
状本体2に巻付けた状態で上下方向三ヶ所において絞る
ことができるように、三ヶ所のベルト54…と、これらベ
ルト54…の先端を受容連結しうるバックル55…がそれぞ
れ設けられている。 一方、第1図および第3図に表れているように、本実
施例の本体2は、上方部の外径に対し下方部の外径の方
が若干拡径しており、しかも、その外径の変化部は、円
筒状本体2の上下方向ほぼ中央部に設定してある。 上記シート体47は、その幅方向両側部表面および裏面
にそれぞれ設けた上記雄側マジックテープ52、および雌
側マジックテープ53を互いに面的に係着するようにし
て、円筒状本体2の外周に巻付けられる。そして、上下
方向三ケ所に設けたベルト54…をそれぞれ対応するバッ
クル55…に連結し、かつこれにより、円筒状本体2に巻
付けられたシート体47を上下三ケ所において絞り込む。
この際、上記三ケ所のベルト54…のうち、中央部のベル
トは、上述のように外径が変化する円筒状本体2におけ
る外径変化部(上方小径部の下端部)において上記シー
ト体47を絞ることになるので、エンジンブレーカ作動
時、円筒状本体2が上下方向に激しく振動したとして
も、シート体47が不用意に下方向に抜け落ちることがな
く、安定的なシート体47の保持状態が維持される。 本実施例においては、第1図に表れているように、ブ
レーカ1の円筒状本体2は、筒状外套体4と、固定シリ
ンダ筒5との二重シリンダ構造となっているため、たと
え内部において自由ピストン12が撃打ツール18を撃打す
る際に強烈な衝撃音が発生したとしても、その衝撃音が
円筒状本体3の表面に達する間にある程度緩和される。
そして、この円筒状本体2の表面には、上記ロックウー
ル層からなる吸音層50が密着状に接触しているので、円
筒状本体2そのものの高周波振動が抑制される。さらに
また、上記吸音層50のもの吸音効果により、円筒状本体
2から発する衝撃音が緩和され、この緩和された衝撃音
は、硬質樹脂シート等から遮音層49によって外部への放
散が阻止される。 このように、本実施例のブレーカにおいては、その本
体部2のもつ構造と、特に外装シート層48、遮音層49、
吸音層50を備えるように形成されたシート体47を円筒状
本体2の外周面に密着状に装着するという構成の相乗的
な効果により、ハンマ体たる自由ピストン12が撃打ツー
ル18の頂部を連続衝撃撃打する際の衝撃音が、外部に放
散することを、効果的に抑制する。 さらに、本願実施例においてはエンジンブレーカ1に
おけるもう一つの騒音発生源であるエンジンからの騒音
を、次のようにして抑制している。 すなわち、第8図に示すように、エンジン3の排気管
に連結されるマフラ(消音器)56の外装容器57の内面
に、ロックウール等からなる吸音材58を添着している。
吸音材58の添着状態を保持するために本実施例では、吸
音材58を覆うようにして、薄状のパンチングメタル59を
当てるがっている。これにより、エンジン3の排気管を
介して外部に放散されようとするエンジンの爆発音は、
マフラ56自体のもつ消音効果に加えて、上記マフラの外
装容器57の内面の吸音材58によって、効果的に消音され
る。 以上の構成において、上記シート体47の遮音層49を、
厚さ2mmの硬質樹脂シートとし、吸音層50を、厚さ4mmの
ロックウール層とした場合に、次のような騒音レベル低
減効果が得られた。 なおこの種の騒音レベルの測定は、騒音発生源の周囲
7mの地点において測定することとなっているので、以下
の測定試験においても同様の試験を行った。 すなわち、コンクリートを破砕する場合、上記シート
体47および上記マフラ56の吸音材58による対策をしない
状態において、エンジン3を最高出力状態とした時、騒
音レベルの平均値は約84dBであったが、上記シート体47
による対策を行った場合(ただし、マフラ56の吸音材58
による対策は行っていない)には、上記騒音レベルの平
均は、約80.5dBとなり、3dB以上の騒音低減効果が認め
られた。 また、コンクリートに比べて飛躍的に硬度の高い御影
石を破砕する場合においては、無対策時の騒音レベル平
均が約86.5dBであったのに対し、対策後に騒音レベルの
平均値は、約83dBであった。 なお、これらのコンクリートあるいは御影石に比較し
て硬度の低いアスファルトを破砕する場合には、より騒
音レベルは低くなると推定される。 都市の道路工事現場あるいは建設工事現場において
は、コンクリートを破砕する場合が多いことを考慮する
と、上記実験の結果は、概ね、目標の騒音レベル(80な
いし82dB)を達成しているといえるのであり、かかる本
願発明の効果は、従来一般のこの種のブレーカの騒音レ
ベルが、ほぼ90dBないし95dBであったことを考慮する
と、きわめて著しいものであるということができる。 また、上記の騒音レベル測定の結果は、マフラ56の対
策を行わなかった場合のものであるが、マフラ56にもロ
ックウールからなる吸音材58による対策を施した場合に
は、上記騒音低減効果はさらに高められると思われる。 もちろん、本願発明の範囲は、上述の実施例に限定さ
れることはない。 実施例においてハンマ体を駆動される具体的構成とし
ては、可動シリンダと自由ピストンからなる撃打機構を
採用しているが、その他、たとえばクランク機構によっ
て往復駆動される往復駆動体に対し、コイルバネを介し
て自由ピストンを連携し、往復駆動体による上下運動
と、コイルバネの圧縮反発力によって自由ピストンを下
方向に加速して撃打ツールを撃打するという構成をもっ
た撃打機構を採用することもでき、その他、ハンマ体を
往復駆動させる機構は上記実施例に限定されない。 また、実施例では、撃打ツールを上下移動可能に支持
する構成として、撃打ツールホルダ34を弾性体42および
圧縮コイルバネ43を介して下部ケース28に対し弾性的に
連結保持するとともに、この撃打ツールホルダ34に、撃
打ツール18の上下方向往復移動行程を規制する手段を設
けたが、たとえば、撃打ツールの中間部にフランジ部を
設け、このフランジ部と下部ケース28の底壁との間に弾
性体を介装することにより、撃打ツールの下方向の抜け
を弾性的に阻止するように構成してもよい。 また、実施例では、撃打ツール18として、先端が尖っ
たいわゆるチゼルの対応としているが、この撃打ツール
も、用途によって、たとえば先端部をへら状にしたり、
またアタッチメントを介して、たとえば杭打ちに適する
ように、杭の上端にキャップ状に被さるような先端をも
つツールとすることもできる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本願発明の一実施例の全体構成を示す断面図、
第2図は第1図のII方向矢視図、第3図は要部拡大断面
図、第4図は第3図のIV−IV線断面図、第5図はシート
体の平面図、第6図は第5図のVI−VI線拡大断面図、第
7図は第5図のVII−VII線拡大断面図、第8図は第2図
のVIII−VIII線断面図である。 1……エンジンブレーカ、2……本体、3……エンジ
ン、12……ハンマ体(自由ピストン)、47……シート
体、48……外装シート層、49……遮音層、5……吸音
層、56……マフラ、58……吸音材。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭64−2878(JP,A) 特開 平2−125005(JP,A) 実公 昭57−51814(JP,Y2) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B25D 17/11 E02D 13/00

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】上下方向の軸心をもつ円筒形の本体の上部
    にエンジンを一体的に搭載するとともに、上記本体の下
    部に撃打ツールを上記軸心方向に往復移動可能に支持す
    る一方、上記エンジンによって駆動され、かつ上記本体
    の内部に配された撃打機構のハンマ体によって上記撃打
    ツールの頂部を連続的に撃打するように構成されたエン
    ジンブレーカにおいて、 上記本体の外周に、吸音層、遮音層、および外装シート
    層を積層してなるシート体を、上記吸音層を内側にして
    密着状ないし略密着状に巻付け、 上記シート体は、シート体自体に取り付けられて互いに
    離脱可能に係着する対の係着具により、上記本体の外周
    に巻付いた姿勢を維持する構成としたことを特徴とす
    る、エンジンブレーカ。
  2. 【請求項2】上記本体は、二重シリンダ状となっている
    ことを特徴とする、請求項1のエンジンブレーカ。
  3. 【請求項3】上記本体は、その外径が上部に対して下部
    が拡径しており、かつ、上記シート体は、少なくとも上
    記本体外径の拡径部の直上に対応する部位を絞ることに
    より、上記本体の外周に保持させられていることを特徴
    とする、請求項1のエンジンブレーカ。
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