JP2925921B2 - セラミックス構造体押出用口金 - Google Patents
セラミックス構造体押出用口金Info
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Description
用口金に関し、特に成形溝と坏土供給孔とがそれぞれ又
は一定の割合で連通された構造を有するセラミックス構
造体押出用口金に関するものである。
ぞれ連通された構造を有するセラミックス構造体押出用
口金は、種々の構成のものが知られている。図8は従来
のセラミックス構造体押出用口金の一例の構成を示す図
である。図8に示す例において、51は口金本体、52
は成形溝、53は坏土供給孔であり、本例では成形溝5
2と坏土供給孔53とがそれぞれ連通した例を示してい
る。
セラミックス構造体押出用口金は、成形溝や坏土供給孔
等の形状、大きさを変化させると、押出後のセラミック
ス構造体の圧着強度が変化するとともに、押出成形中の
押出圧力の変化、坏土の流動性のばらつきおよび変化
が、セラミックス構造体の押し出される速度に与える影
響が大きくなり、常に一定の状態で押出作業を行えない
場合がある問題があった。
押出後のセラミックス構造体の圧着強度を向上させると
ともに、押出圧力の変化等の種々の要因の影響を少なく
できるセラミックス構造体押出用口金を提供しようとす
るものである。
造体押出用口金は、成形溝とこの成形溝へそれぞれ連通
された複数の坏土供給孔とを有するセラミックス構造体
押出用口金において、(a) 成形溝深さ/成形溝幅の比を
6〜20の範囲内とし、(b) 1個の坏土供給孔断面積/
坏土供給孔ピッチの面積の比を0.1〜0.6の範囲内
とし、(c) 坏土供給孔径/坏土供給孔ピッチの比を0.
4〜0.8の範囲内とし、(d) 成形溝と坏土供給孔との
坏土進行方向の重複部分の長さを0.3〜1.5mmの範
囲内としたことを特徴とするものである。
溝幅の比を6〜20の範囲内とし、(b) 1個の坏土供給
孔断面積/1個の坏土供給孔ピッチの面積の比を0.1
〜0.6の範囲内とし、(c) 坏土供給孔径/坏土供給孔
ピッチの比を0.4〜0.8の範囲内とし、(d) 成形溝
と坏土供給孔との坏土進行方向の重複部分の長さを0.
3〜1.5mmの範囲内としているため押出後のセラミ
ックス構造体の圧着強度を向上させることと、押出圧力
の変化等の種々の要因のセラミックス構造体の押し出さ
れる速度に与える影響を少なくすることという相反する
特性を両者とも良好な範囲に保つことができる。
ラミックス構造体押出用口金を示す図であり、図1は口
金の成形溝側の平面を、図2は口金の坏土供給孔側の平
面を、図3は図1におけるX−X線に沿った断面をそれ
ぞれ示している。図1〜図3に示した例において、1は
口金本体、2は成形溝、3は坏土供給孔、4は口金凸
部、5はコア部を示している。また、本例では、たとえ
ば成形溝のピッチを一辺1.35mmの正方形とし、成
形溝2の幅を0.108mmとするとともに、坏土供給
孔3は成形溝2の交点1カ所おきに配置している。
口金の成形溝および坏土供給孔の加工方法は、放電加工
(カーボン型・銅型・ワイヤー・パイプ等々)、エッチ
ング加工、電解加工、放電加工のいずれかの加工方法を
利用することができる。また、口金の表面に無電解メッ
キ又はCVD処理による耐摩耗性被膜が付与されていて
もよい。さらに、成形溝2と坏土供給孔3の全てがそれ
ぞれ連通していてもよく、また成形溝2と坏土供給孔3
との重複部が坏土留め構造となっていてもよい。さらに
また、坏土供給孔3が複数のドリル径を用いて加工され
たような多段構造でもよいとともに、成形溝2がテーパ
又は逆テーパ形状でもよい。また、口金が複数枚の部材
を張り合わせた構造でもよいとともに、セル構造は3
角、4角、6角等形状はどのような形状であってもよ
い。
は従来のセラミックス構造体押出用口金とほぼ同様であ
り、本発明で重要なのは、上述したセラミックス構造体
用口金において、成形溝2の深さ/成形溝2の幅の比を
6〜20の範囲内とし、1個の坏土供給孔3の断面積/
坏土供給孔3のピッチの面積の比を0.1〜0.6の範
囲内とし、坏土供給孔径/坏土供給孔ピッチの比を0.
4〜0.8の範囲内とし、成形溝2と坏土供給孔3との
坏土進行方向の重複部分の長さを0.3〜1.5mmの
範囲内としている点である。
を模式的に示すように、まず成形溝2の深さdと成形溝
2の幅wとの比:d/wが6〜20となるようにする。
また、図4において、坏土供給孔3の径D/坏土供給孔
ピッチの比を0.4〜0.8とし、成形溝2と坏土供給
孔3との重複長さLを0.3〜1.5mmとしている。
同時に、図5に示すように1個の坏土供給孔3が受け持
つ坏土供給孔ピッチの断面積を、図5(a) に示すように
坏土供給孔3が成形溝2の交点1個おきに配されている
場合は斜線を施したa部の面積を、図5(b) に示すよう
に坏土供給孔3が成形溝2の各交点に配されている場合
は斜線を施したb部の面積で表すものとし、さらに坏土
供給孔3の断面積と坏土供給孔3のピッチの面積の比が
0.1〜0.6となるようにしている。
ダー4重量部、界面活性剤1重量部、水35重量部を加
え、土練機を用いて混練して押し出すべき坏土を調製し
た。調製した坏土のレオロジー特性は、クリープ試験に
おいて、η0 =1.3×108 Pas、η1 =1.3×
107 Pas、G0 =5.4×106 Pa,G1 =1.
6×106 Paであった。なお、使用する坏土のレオロ
ジー特性は、クリープ試験において、η0 /G0 ≦10
5(sec) 、η1 /G1 ≦70(sec) のものを使用すると
好ましい。
で、コア部は成形溝ピッチ1.54mm(成形溝幅30
0μm)、1.35mm(成形溝幅108μm)の正方
形で、成形溝幅は300μm と108μm 、坏土供給孔
と成形溝とは成形溝の交点1カ所おきの所で連結したセ
ラミックス構造体押出用口金のそれぞれにおいて、成形
溝の深さを変えて成形溝深さ/成形溝幅の比を種々変化
させるとともに坏土供給孔面積/坏土供給孔ピッチの面
積比を0.5としたA系統の口金と、坏土供給孔の直径
を変えて供給孔/成形溝の面積比を種々変化させるとと
もに成形溝深さ/成形溝幅の比を10としたB系統の口
金を準備した。そして、準備したセラミックス構造体押
出用口金を使用して、調製した坏土を押し出して、長さ
100mmの図6に示すような壁6と空間7とから構成
されるセラミックス構造体を製造した。なお、A系統、
B系統とも成形溝と供給孔の重複長さは共に1.1mm
であった。
ため、まず押出圧依存性として、各口金使用時の坏土押
出圧力を80〜160kg/cm2 に変化させたときの
押出速度を求め、両者の対数値によりグラフを描いて直
線回帰を行い傾きを求め、この傾きを押出圧力(又は流
動抵抗)に対する押出速度の依存性とした。そして、こ
の傾きが小さい方が、押出成形中の押出圧力の変化、坏
土の流動性のばらつきおよび変化、およびこれらの組み
合わせの影響が小さいため、最も小さい場合を◎、小さ
い場合を○、中程度である場合を△、高い場合を×とし
て表記した。
示すように、焼成後のセラミックス構造体の流路に垂直
な方向および流路方向の3点曲げ強度を求め、この値が
最も高いものを◎、高いものを○、中程度のものを△、
低い場合を×として表記した。以下、A系統の口金を使
用して成形溝深さ/成形溝幅を変えた場合の結果を表1
に、B系統の口金を使用して坏土供給孔面積/坏土供給
孔ピッチ面積比を変えた場合の結果を表2にそれぞれ示
す。
が大きいほど押出圧依存性も圧着強度も大きくなること
がわかる。一方、坏土供給孔面積/坏土供給孔ピッチ面
積の比が大きいほど押出圧依存性が小さく、圧着強度は
大きくなることがわかる。よって、これらの相反する関
係より最適な成形溝深さ/成形溝幅の比および坏土供給
孔面積/坏土供給孔ピッチ面積の比を求めると、成形溝
深さ/成形溝幅の比が6〜20で、坏土供給孔面積/坏
土供給孔ピッチ面積の比が0.1〜0.6であることが
わかる。
ため、以下の表3に示したように坏土供給孔径/坏土供
給孔ピッチを変化させた、成形溝幅300μmと108
μmの口金を準備し、口金加工の精度を求めるととも
に、実施例1と同様に坏土を押し出して、得られたセラ
ミックス構造体の圧着強度も求めた。なお、上記以外の
口金の構造は、成形溝深さ/成形溝幅の比を10、成形
溝と供給孔の重複長さを1.1mmとした。結果を表3
に示す。なお、口金加工強度の○は、精度良く加工でき
たことを示す。表3の結果から、坏土供給孔径/坏土供
給孔ピッチの比は0.4〜0.8の範囲であることがわ
かる。
の影響を調べるため、以下の表4に示したように重複部
分の長さを変化させた、成形溝幅300μmと108μ
mの口金を準備した。そして、得られた口金のセルブロ
ックの強度を求めた。なお、上記以外の口金の構造は、
成形溝深さ/成形溝幅の比を、成形溝幅が300μmの
もので13、108μmのもので10とし、坏土供給孔
面積/坏土供給孔ピッチ面積比を、成形溝幅300μm
のもので0.4、108μmのもので0.6とし、以下
成形溝幅に応じて、坏土供給孔径/坏土供給孔ピッチは
成形溝幅300μmで0.8、108μmで0.8とし
た。結果を表4に示す。セルブロックの強度および圧着
強度は、高いものを○、中程度のものを△、低いものを
×として示した。表4の結果から、重複部分の長さは
0.3〜1.5mmの範囲であることがわかる。
によれば、(a) 成形溝深さ/成形溝幅の比を6〜20の
範囲内とし、(b) 1個の坏土供給孔断面積/坏土供給孔
ピッチの面積の比を0.1〜0.6の範囲内とし、(c)
坏土供給孔径/坏土供給孔ピッチの比を0.4〜0.8
の範囲内とし、(d) 成形溝と坏土供給孔との坏土進行方
向の重複部分の長さを0.3〜1.5mmの範囲内とし
ているため、押出後のセラミックス構造体の圧着強度を
向上させることと、押出圧力の変化と口金の機械的強度
等の種々の要因のセラミックス構造体の押し出される速
度に与える影響を少なくすることという相反する特性を
両者とも良好な範囲に保つことができる。
口金の成形溝側の平面を示す図である。
口金の坏土供給孔側の平面を示す図である。
示す図である。
に示す断面図である。
に示す平面図である。
図である。
点曲げ試験の状態を示す図である。
示す図である。
凸部,5コア部
Claims (1)
- 【請求項1】 成形溝とこの成形溝へそれぞれ連通され
た複数の坏土供給孔とを有するセラミックス構造体押出
用口金において、 (a) 成形溝深さ/成形溝幅の比を6〜20の範囲内と
し、 (b) 1個の坏土供給孔断面積/坏土供給孔ピッチの面積
の比を0.1〜0.6の範囲内とし、 (c) 坏土供給孔径/坏土供給孔ピッチの比を0.4〜
0.8の範囲内とし、 (d) 成形溝と坏土供給孔との坏土進行方向の重複部分の
長さを0.3〜1.5mmの範囲内としたことを特徴とす
るセラミックス構造体押出用口金。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4247094A JP2925921B2 (ja) | 1994-03-14 | 1994-03-14 | セラミックス構造体押出用口金 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4247094A JP2925921B2 (ja) | 1994-03-14 | 1994-03-14 | セラミックス構造体押出用口金 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07246610A JPH07246610A (ja) | 1995-09-26 |
JP2925921B2 true JP2925921B2 (ja) | 1999-07-28 |
Family
ID=12636960
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP4247094A Expired - Lifetime JP2925921B2 (ja) | 1994-03-14 | 1994-03-14 | セラミックス構造体押出用口金 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2925921B2 (ja) |
Families Citing this family (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2003285308A (ja) | 2002-03-28 | 2003-10-07 | Ngk Insulators Ltd | ハニカム成形用口金及びこれを用いたハニカム成形用口金治具 |
JP2006088556A (ja) * | 2004-09-24 | 2006-04-06 | Hitachi Metals Ltd | セラミックハニカム構造体成形用金型 |
JP5136117B2 (ja) * | 2008-02-22 | 2013-02-06 | 株式会社デンソー | ハニカム構造体成形用金型の再生方法 |
JP5361224B2 (ja) * | 2008-03-17 | 2013-12-04 | 日本碍子株式会社 | ハニカム構造体成形用口金、及びその製造方法 |
WO2020236474A1 (en) * | 2019-05-17 | 2020-11-26 | Corning Incorporated | Honeycomb extrusion dies and forming methods |
-
1994
- 1994-03-14 JP JP4247094A patent/JP2925921B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH07246610A (ja) | 1995-09-26 |
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Date | Code | Title | Description |
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