JP2925633B2 - ハロゲン含有ポリエステル樹脂組成物 - Google Patents

ハロゲン含有ポリエステル樹脂組成物

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は電気、電子機器或いは自動車等の分野で機能
部品又は材料として使用に適し、特に高温、長時間の使
用に対し柔軟性を失わず、且つ難燃性に優れた、成形
品、材料を提供する組成物に関するものである。
〔従来の技術とその課題〕
結晶性熱可塑性ポリエステル樹脂、例えばポリアルキ
レンテレフタレート樹脂等は機械的性質、電気的性質、
その他物理的・化学的特性に優れ、かつ、加工性が良好
であるがゆえにエンジニアリングプラスチックとして自
動車、電気・電子部品等の広汎な用途に使用されてい
る。しかしながら、用途の拡大、多様化に伴い、更に高
度な性能や特殊性が求められる事が多く、この様な特性
の一つに、難燃性で且つ耐久性、特に高温雰囲気での長
期的な使用に対する物性の安定性(長期耐熱性)が要求
される場合が増大しつつある。
例えば、自動車業界等では、安全上の必要性から、難
燃性で、高温度下での長時間の使用においても物性の安
定性が保持されることが要望される。
ポリエチレンテレフタレートやポリブチレンテレフタ
レートは、薄肉加工性が良好で、尚且つ機械的強度(柔
軟性、耐摩耗性等)、耐熱性、電気特性に優れている
が、難燃性が充分でなく、従来より難燃性を付与するた
め各種の難燃剤、難燃助剤等を添加する提案が多数みら
れるが、これらの物質の添加は何れも機械的物性を阻害
し、又、高温化で長時間保持すると成形材料から滲出し
たり、ポリマーを分解したりして好ましくない。又、従
来よりハロゲンを含有するモノマーを本発明の如くポリ
エステルの重縮合に用いてその分子内にハロゲンを結合
させたポリマーを調製せんとする試みもなされており、
斯くすれば高温下で難燃剤の滲出し等のない重合体が得
られるが、ハロゲンを含有するポリマーは特に耐熱性が
劣りこのままでは高温下で長時間保持すると一般物性が
急激に低下し高温下で長期の使用に耐える材料とはいい
難く、難燃性で且つ高温耐久性の優れた材料が切望され
ていた。
〔課題を解決するための手段〕
以上の課題に鑑み、本発明者等は柔軟性が熱履歴によ
り消失せず、難燃性で且つ機械的特性と電気的特性に優
れた材料を得るべく鋭意研究した結果、ハロゲン含有難
燃性芳香族コポリエステルに特定のヒダントイン系化合
物を添加することにより、上記の如き特性を満足する材
料が得られることを見出し、本発明を完成させるに到っ
たものである。
即ち本発明は、 (a)主として芳香族ジカルボン酸又はそのエステル形
成性誘導体 (b)主として脂肪族グリコール又はそのエステル形成
性誘導体 (c)ハロゲンを含有するエステル形成性化合物を重縮
合反応させることによって得られるハロゲン含有量0.5
〜30重量%の難燃性芳香族ポリエステル共重合体(A)
に、 下記一般式(I) (但し、R1〜R4は水素、アルキル基、置換アルキル基、
アリール基又は置換アリール基を示し、各々同一でも異
なっていてもよい。) で示されるヒダントイン系化合物(B)を組成物全量に
対して0.01〜10重量%添加配合してなるハロゲン含有ポ
リエステル樹脂組成物、及びこれを用いた各種機能部品
用成形品又は電線等の被覆材に関するものである。
従来、難燃性、耐摩擦摩耗性、柔軟性(屈曲性、伸び
率)等の諸特性と、柔軟性が熱履歴により消失しないで
長期間加熱雰囲気下にあっても当初の高い伸び率や屈曲
性を保持する特性とを同時に満足させることは極めて至
難のことであり、ポリアルキレンテレフタレートのハロ
ゲン化コポリエステル(A)と特定のヒダントイン系化
合物(B)の一定量の組み合わせがかゝる要求諸特性を
満足させること、特に(I)式で示す如きヒダントイン
系化合物の特定量の添加が熱履歴による柔軟性の消失を
防ぎ、長期間の加熱雰囲気下での安定性を著しく増大さ
せることは、予想し得ないことである。
以下、本発明に用いられるポリエステル共重合体組成
物について具体的に記述する。
まず本発明の組成物の基体となる芳香族ポリエステル
共重合体(A)を構成する成分について説明すると、
(a)成分としては主として芳香族ジカルボン酸又はそ
のエステル形成性誘導体より成る。その代表的物質とし
てはテレフタル酸又はその誘導体であり、この他、場合
によっては補助的にイソフタル酸、ナフタレンジカルボ
ン酸の如きジカルボン酸又はその誘導体、アジピン酸、
セバシン酸、トリメリット酸、コハク酸等の脂肪酸又は
そのエステル形成性誘導体、ヒドロキシ安息香酸、ヒド
ロキシナフトエ酸等の芳香族ヒドロキシカルボン酸又は
そのエステル形成性誘導体が使用される。
次に本発明のポリエステル共重合体を構成するための
(b)成分としては、主として脂肪族ジオール又はその
エステル形成性誘導体からなる。その代表的物質として
はC2〜C8の低分子量脂肪族グリコールであり、例えばエ
チレングリコール、1,4−ブチレングリコール、1,3−プ
ロパンジオール、1,4−ブテンジオール、1,6−ヘキサン
ジオール、1,8−オクタンジオール等のジオール等が挙
げられる。また、これらの低分子量グリコールの他のポ
リアルキレンオキサイドグリコールの如き高分子量グリ
コール、例えばポリエチレンオキサイドグリコール、ポ
リブチレンオキサイドグリコール等を併用することがで
きる。かかる高分子量グリコールの併用は本発明の目的
とする材料例えば電線被覆材として芳香族ポリエステル
の伸度を向上させ、耐屈曲性を付与するのに極めて有効
である。また(b)成分としては、更に補助的にビスフ
ェノールA、4,4′−ジヒドロキシビフェニル、芳香族
ジオール基を有するホスフィン酸等の芳香族アルコー
ル、ビスフェノールAのエチレンオキサイド2モル付加
体、ビスフェノールAのプロピレンオキサイド2モル付
加体等のアルキレンオキサイド付加体アルコール、グリ
セリン、ペンタエリスリトール等のポタヒドロキシ化合
物又はそのエステル形成性誘導体等を使用することもで
きる。
次に本発明のポリエステル共重合体は成分(c)とし
て、ハロゲンを含有するエステル形成可能な化合物をモ
ノマーとして使用することにより、ハロゲンをその分子
中に結合した芳香族ポリエステル共重合体である。この
目的に使用されるハロゲン含有化合物としては以下のも
のが例示される。また、ハロゲン(X)としては臭素が
特に好ましい。
R7,R8;−C2H4−,−C3H6−,−(C2H4O)n−,−(C3 6O)
n−, X;ハロゲン l,m;1乃至4 n;1以上の整数 を表す。
共重合化合物として組み込むのに好ましいハロゲン化
合物は一般式(1)〜(7)で示されるものである。ハ
ロゲンとして臭素を用いる場合、一般式(1)の例とし
ては、テトラブロモビスフェノールA、テトラブロモビ
スフェノールスルホン、(2)の例としてはテトラブロ
モビスフェノールF、(3)の例としてはテトラブロモ
ビスフェノールAのエチレンオキサイド2モル付加体、
テトラブロモビスフェノールAのプロピレンオキサイド
2モル付加体、テトラブロモビスフェノールスルホンの
エチレンオキサイド2モル付加体、テトラブロモビスフ
ェノールスルホンのプロピレンオキサイド2モル付加
体、(4)の例としてテトラブロモハイドロキノン、
(5)の例としてテトラブロモハイドロキノンのエチレ
ンオキサイド2モル付加体、(6)の例としてテトラブ
ロモテレフタル酸、(7)の例としてテトラブロモビス
フェノールAのポリカーボネートが挙げられる。
共重合体組成物として組み込まれるハロゲン化合物モ
ノマーの分子量は390以上であることが好ましい。分子
量が小さすぎると難燃性の指標である酸素指数の向上に
寄与せず、少なくとも一つ以上の芳香環を分子内に含ん
でいるのが好ましい。
これらのハロゲン化合物は生成するコポリエステル中
のハロゲンの含量が0.5〜30重量%、好ましくは2〜20
重量%になるように添加する。0.5重量%未満の場合は
十分な難燃性が得られず、30重量%を越えると機械的物
性、高温耐久性等の低下が起こり、好ましくない。
本発明に使用するポリエステル共重合体調製用モノマ
ーの割合は、(c)成分のハロゲン化合物のエステル形
成性官能基がアルコール系であるときは、(a)成分10
0モルに対し(b)+(c)成分を90〜200モル、好まし
くは95〜150モルとするのが良い。また、(c)成分の
ハロゲン化合物のエステル形成性官能基がカルボン酸系
であるときは、(a)+(c)成分100モルに対し
(b)成分を90〜200モル、好ましくは95〜150モルとす
るのが良い。
使用条件によって高い酸素指数を持つ被覆材が必要と
なる場合は(c)成分の含量を適宜決めることによって
共重合体中のハロゲン含有量を調節し、目的とする酸素
指数を満足するものを得ることができる。
本発明に用いられるコポリマーは溶融重合、界面重合
や固相重合等の公知の方法で重合が可能であり、固有粘
度で0.5〜3.0程度のものが使用可能である。
本発明の組成物は前述の如きハロゲン含有ポリエステ
ル共重合体(A)に、下記一般式(I)で示されるヒダ
ントイン系化合物(B)を特定量添加配合することを特
徴とするものである。
(但し、R1〜R4は水素、アルキル基、置換アルキル基、
アリール基又は置換アリール基を示し、各々同一でも異
なっていてもよい。) (B)成分として添加されるヒダントイン系化合物は
(I)式で示される構造を有していれば何れのものでも
有効である。即ち、R1〜R4がすべて水素原子よりなるビ
ダントインを始め、R1〜R4の何れか1又は2以上が、メ
チル、エチル、プロピルの如きアルキル基、−OH、フェ
ニル、オキシフェニル等を有する置換アルキル基、フェ
ニル、ビスフェニル基の如きアリール基、又はヒドロキ
シフェニル基の如き置換アリーテル基等であり、置換基
の一部が更に別のビダントイン基であってもよい。中で
もヒダントイン、5−アルキルヒダントイン、5,5′−
ジアルキルヒダントイン、5−フェニルヒダントイン、
5,5′−ジフェニルヒダントイン、5−(P−ヒドロキ
シフェニル)ヒダントイン、5,5′−ジ−(P−ヒドロ
キシフェニル)ヒダントイン、1,3−ジメチル−5−
(P−ヒドロキシフェニル)ヒダントイン等は(B)成
分として好適である。
これらヒダントイン系化合物(B)の添加量は組成物
全量に対して、0.01〜10重量%であり、好ましくは0.05
〜5重量%である。
ここで(B)成分の添加量が、0.01重量%未満では、
耐久性の改善効果は小さく、又、多すぎると、ポリエス
テル樹脂の優れた物性を低下させる弊害を生じる。
本発明に用いられる組成物はこのままでも優れた性能
を示すが、更にその性能を向上させるべく、必要に応じ
て酸化防止剤や紫外線吸収剤等の安定剤、帯電防止剤、
難燃剤、難燃助剤、染料や顔料等の着色剤及び流動性や
離型性の改善のための滑剤、潤滑剤、結晶化促進剤(核
剤)、無機物等が使用できる。特に安定剤の添加は、ヒ
ダントイン系化合物と併用することで効果をより一層高
めることができる。
安定剤としては、ヒンダードフェノール系、アミン
系、リン系、チオエーテル系等の化合物が使用できる。
ヒンダードフェノール系化合物の一例を示せば、2,
2′−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェ
ノール)、1,6−ヘキサンジオールビス〔3(3,5−ジ−
t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネー
ト〕、ペンタエリスリチルテトラキス〔3(3,5−ジ−
t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネー
ト〕、トリエチレングリコールビス〔3−(3−t−ブ
チル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオ
ネート〕、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−
ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、
n−オクタデシル−3−(4′−ヒドロキシ−3′,5′
−ジ−t−ブチルフェノール)プロピオネート、4,4′
−メチレンビス(2,6−ジ−t−ブチルフェノール)、
4,4′−ブチリデンビス(6−t−ブチル−3−メチル
フェノール)、2,2′−チオジエチルビス〔3−(3,5−
ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネ
ート、ジステアリル−3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒド
ロキシベンジルホスホネート、2−t−ブチル−6−
(3−t−ブチル−5−メチル−2−ヒドロキシベンジ
ル)−4−メチルフェニルアクリレートの少なくとも一
種又は二種以上を使用することができる。これらの中で
も、1,6-ヘキサンジオールビス〔3−(3,5−ジ−t−
ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、
ペンタエリスリチルテトラキス〔3−(3,5−ジ−t−
ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、
トリエチレングリコールビス〔3−(3−t−ブチル−
5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネー
ト〕は特に好ましい物質である。
アミン化合物の一例を示せば、N−フェニル−N′−
イソプロピル−p−フェニレンジアミン、N,N′−ジフ
ェニル−p−フェニレンジアミン、4,4′−ビス−(4
−α,α−ジメチルベンジル)ジフェニルアミン、ジフ
ェニルアミンとアセトンとの縮合反応物、N−フェニル
ナフチルアミン、N,N′−ジ−β−ナフチルフェニレン
ジアミンなどである。
リン系化合物としては、フォスファイト系およびフォ
スフォナイト系有機化合物が好ましく、例えば、トリフ
ェニルフォスファイト、トリ(ノニルフェニル)フォス
ファイト等のトリアリルフォスファイト、ジステアリル
ペンタエリスリトールジフォスファイト、サイクリック
ネオペンタンテトライル−ビス(2,4−ジ−t−ブチル
フェニル−フォスファイト)、ジ−(2,6−ジ−t−ブ
チル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジフ
ォスファイト等の耐熱性フォスファイト類、テトラキス
(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)−4,4−ビフェニレン
フォスフォナイト等のフォスフォナイト化合物等が代表
例としてあげられる。
又、チオエーテル系化合物としてはジラウリルチオジ
プロピオネート、ジミリスチルチオジプロピオネート、
ジステアリルチオジプロピオネート、ラウリルステアリ
ルチオジプロピオネート、テトラキス〔メチレン−3−
(ドデシルチオ)プロピオネート〕メタン、ジアルキル
(C12〜C18)−3,3−チオジプロピオネートなどが挙げ
られる。
なお、これらの安定剤の内、1種以上をヒダントイン
系化合物と併用することで更に効果を高めることができ
るが、好ましくは、ヒンダードフェノール系、又はチオ
エーテル系、更に好ましくは、チオエーテル系とリン系
の化合物とをヒダントイン系化合物と併用することによ
り、耐熱性(物性、変色等)を改善することができる。
安定剤の添加量は組成物全量に対し0.01〜5重量%で
あり、好ましくは0.1〜3重量%である。
また、難燃助剤として、三酸化アンチモン、五酸化ア
ンチモン、ハロゲン化アンチモン等のアンチモン化合物
の使用が好ましく、その他、亜鉛、ビスマスを含む金属
化合物、水酸化マグネシウム或いはアスベストの如き粘
土質珪酸塩等、臭素化ポリカーボネート、臭素化エポキ
シ樹脂等のハロゲン含有ポリマーが使用できる。
また、無機物としては、ガラス繊維、セラミック繊
維、ボロン繊維、チタン酸カリウム繊維、アスベスト等
の一般無機繊維、炭酸カルシウム、高分散性珪酸塩、ア
ルミナ、水酸化アルミニウム、タルク、クレー、マイ
カ、ガラスフレーク、ガラス粉、ガラスビーズ、石英
粉、珪砂、ウォラストナイト、カーボンブラック、硫酸
バリウム、焼石膏、炭化珪素、アルミナ、ボロンナイト
ライドや窒化珪素等の粉粒状物質、板状の無機化合物、
ウィスカー等が含まれる。
これらの無機充填剤は一種又は二種以上を併用混合使
用できる。
また、溶融押出被覆性、滑性、柔軟性改良などの目的
で、有機高分子物質を一種又は二種以上補助的に混合す
ることができる。一例を示せば、他のポリエステル、ポ
リアミド、ポリオレフィン及びそれ等の共重合体、低分
子量ポリエチレン、ポリカーボネート、ポリウレタン、
ブチルゴム、ABS等のゴム状高分子物質、ポリアクリレ
ート樹脂からなる多相共重合体、熱可塑性セグメント型
コポリエステル(これらの共重合体にはグラフト共重合
体を含む)等がある。
本発明の組成物の調製には特に制限がなく、従来の樹
脂組成物調製法として一般に用いられている公知の設備
と方法により容易に調製される。例えば、i)各成分を
混合した後、押出機により練込押出してペレットを調製
し、しかる後成形する方法、ii)一旦組成の異なるペレ
ットを調製し、そのペレットを所定量混合して成形に供
し成形後に目的組成の成形品を得る方法、iii)成形機
に各成分の1または2以上を直接仕込む方法等、何れも
使用できる。また、樹脂成分の一部を細かい粉体として
これ以外の成分と混合し添加することは、これらの成分
の均一配合を行う上で好ましい方法である。
又、本発明の組成物は溶融押出しにより、走行導体に
被覆させることにより電線の被覆材とすることが出来、
又、射出成形等により成形してスイッチ、コネクター等
にすることが出来る。
〔実施例〕
以下、実施例により本発明を説明する。実施例で用い
るコポリマーP、Q及びRは次の様にして作成した。
製造例1(コポリマーPの調製) ジメチルテレフタレート970重量部、1,4-ブタンジオ
ール513重量部、テトラブロモビスフェノールAのエチ
レンオキサイド2モル付加体158重量部、テトラブトキ
シチタニウム0.7重量部を攪拌機、窒素導入管及び留出
管を備えた反応器中に仕込み、窒素気流下で160℃、30
分攪拌した。徐々に温度を上昇させ200℃から270℃に2
時間加熱攪拌した。次いで窒素の導入を停止した後、徐
々に反応器中を減圧させ、30分後に圧力を0.3mmHgに下
げ、この圧力で3時間攪拌した。得られた重合体は固有
粘度1.0を示し、臭素含有量は6.5重量%であった。
製造例2(コポリマーQの調製) ジメチルテレフタレート970重量部、1,4−ブタンジオ
ール513重量部、テトラブロモビスフェノールスルホン
のプロピレンオキサイド2モル付加体171重量部、テト
ラブトキシチタニウム0.7重量部を攪拌機、窒素導入管
及び留出管を備えた反応器中に仕込み、窒素気流下で16
0℃、30分攪拌した。徐々に温度を上昇させ200℃から27
0℃に2時間加熱攪拌した。次いで窒素の導入を停止し
た後、徐々に反応器中を減圧させ、30分後に圧力を0.3m
mHgに下げ、この圧力で270℃、3時間攪拌した。得られ
た重合体は固有粘度1.1を示し、臭素含有量は6.3重量%
であった。
製造例3(コポリマーRの調製) ジメチルテレフタレート900重量部、1,4−ブタンジオ
ール450重量部、平均分子量400のポリブチレンオキサイ
ドグリコール50重量部、テトラブロモビスフェノールA
のエチレンオキサイド2モル付加体158重量部、テトラ
ブトキシチタニウム0.7重量部を攪拌機、窒素導入管及
び留出管を備えた反応器中に仕込み、窒素気流下で180
℃、30分攪拌した。徐々に温度を上昇させ200℃から270
℃に3時間加熱攪拌した。次いで窒素の導入を停止した
後、徐々に反応器中を減圧させ、15分後に圧力を0.5mmH
gに下げ、この圧力で6時間攪拌した。得られた重合体
は固有粘度1.0を示し、臭素含有量は6.3重量%であっ
た。
実施例1〜3 コポリマーP99.0重量部に、表1を示す各種ヒダント
イン系化合物1.0重量部を粉体混合し、通常の押出機を
用いて一様に溶融混合してペレットを得た。得られたペ
レットから射出成形機を用いて通常の方法で試験片を作
成し、物性を評価した。 各物性は以下の方法により測
定した。
引張り強度、伸度はASTM D 638に準じて測定した。絶
縁破壊はASTM D 149短時間法で、誘電率はDISO 1kHzに
より各々測定した。また、難燃性はUL−94Vに準拠した
試験法で30秒以内に消えたものを○、消えなかったもの
を×と判定した。酸素指数はJIS K 7201により測定し
た。表面形状は120℃、72時間後の表面状態を観測し、
ブリード、ふくれ等異常のあるものを×、ないものを○
とした。
また、引張り試験片を120℃の恒温槽に保存し、500時
間後の伸度を同様に測定した。
更に外径約1.9mmの銅製円形圧縮撚り線に0.3mmの肉厚
となるよう樹脂組成物を被覆して電線を作成し、120℃
の恒温槽に保存し、500時間後に90°角で10回折り曲げ
た後の表面状態を調べ、屈曲性を評価した。割れや微細
クラックの発生したものを×、異常なきものを○とし
た。
各々の測定結果は表1に示す。
実施例4〜5 コポリマーQ99.0重量部に表1に示すヒダントイン系
化合物1.0重量部を粉体混合して通常の押出機を用いて
一様に溶融混合したペレットを得た。得られた樹脂組成
物を実施例1と同様にして評価した。結果を表1に示
す。
実施例6 コポリマーRに代えたほかは実施例1と同様にして評
価した。結果を表1に示す。
実施例7〜8 実施例1、4の各々に安定剤としてペンタエリスリチ
ルテトラキス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4ヒドロ
キシフェニル)プロピオネート〕を1.0重量部添加した
各々の樹脂組成物を実施例1と同様にして評価した。結
果を表1に示す。
実施例9〜11 ヒダントイン系物質の添加量を表1に示す通り代えた
他は実施例1と同様にして評価した。結果を表1に示
す。
比較例1〜6 ヒダントイン系化合物(B)を配合することなく、使
用コポリマー及び樹脂組成を表1に示す通り代えた他は
実施例1と同様にして評価した。結果を表1に示す。
比較例7 ハロゲンを含有しないポリブチレンテレフタレート
(PBt;固有粘度0.8)99.0重量部に前記と同様にヒダン
トイン系化合物(B)1.0重量部を加え、実施例1と同
様に混合して試験片を作成し、評価した。結果を表1に
示す。
比較例8 比較例7と同じポリブチレンテレフタレート(PBT)8
6.0重量部にヒダントイン系化合物(B)1.0重量部及び
難燃剤としてデカプロセジフェニルエーテル13.0重量部
を加え、実施例1と同様に混合して試験片を作成し、評
価した。結果を表1に示す。
〔発明の効果〕 本発明のハロゲン含有樹脂組成物は、従来の難燃性ポ
リエステル系材料に比べて熱履歴により物性の低下を著
しく改善した為に、以下の様な優れた効果を生じる。
(1)難燃性が高く、熱履歴による物性の低下が少ない
ので、熱源廻り、輸送機器のエンジン廻り、電気製品の
発熱部品廻りの機能部品としての成形品や電線用被覆材
料として有効である。
(2)機械的特性、電気的特性を損ねることなく上記材
料として薄肉化が可能であり、尚且つ屈曲性に富んでい
るので、限られた空間の有効利用が飛躍的に増大する。
特に情報の集積度が高く、空間容量に制約のある宇宙ロ
ケット、航空機、自動車等の輸送機器、電気製品、コン
ピューター、情報関連機器等の電源用被覆材として効果
的である。
(3)ハロゲン化合物がコポリマーに組み込まれている
為に、本被覆材は難燃剤の添加に見られる様な高温時の
滲み出しがないので好都合である。
上記のような特徴を持つために、本発明で得られる被
覆材は輸送機器、電気・電子・情報機器、諸機械等の分
野の電線用に使用されるのみならず、かかる物性を兼備
することが好ましい各種の機器材料、部品類等にも好適
である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭63−265947(JP,A) 特開 昭58−74744(JP,A) 特開 昭51−66329(JP,A) 特開 昭51−77692(JP,A) 特開 昭52−147695(JP,A) 特公 平7−47710(JP,B2) 特公 平6−23328(JP,B2) 特公 平6−102751(JP,B2) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C08L 67/00 - 67/08 C08K 5/34 - 5/357 CA(STN) REGISTRY(STN)

Claims (10)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(a)主として芳香族ジカルボン酸又はそ
    のエステル形成性誘導体 (b)主として脂肪族グリコール又はそのエステル形成
    性誘導体 (c)ハロゲンを含有するエステル形成性化合物 を重縮合反応させることによって得られるハロゲン含有
    量0.5〜30重量%の難燃性芳香族ポリエステル共重合体
    (A)に、 下記一般式(I) (但し、R1〜R4は水素、アルキル基、置換アルキル基、
    アリール基又は置換アリール基を示し、各々同一でも異
    なっていてもよい。) で示されるヒダントイン系化合物(B) を組成物全量に対して0.01〜10重量%添加配合してなる
    ハロゲン含有ポリエステル樹脂組成物。
  2. 【請求項2】脂肪族グリコール(b)がC2〜C8の低分子
    量グリコールである請求項1記載の樹脂組成物。
  3. 【請求項3】脂肪族グリコール(b)がC2〜C8の低分子
    量グリコール、及び分子量200〜6000のポタアルキレン
    オキシドグリコールである請求項1記載の樹脂組成物。
  4. 【請求項4】C2〜C8の低分子量グリコールが、エチレン
    グリコール、1,4−ブチレングリコール、1,4−ブテング
    リコールの一種又は二種以上である請求項2又は3記載
    の樹脂組成物。
  5. 【請求項5】ハロゲンを含有するエステル形成性化合物
    (c)がハロゲン化ジカルボン酸又はハロゲン化グリコ
    ール及びそれらの誘導体である請求項1〜4のいずれか
    1項記載の樹脂組成物。
  6. 【請求項6】(c)のハロゲンが臭素である請求項1〜
    5のいずれか1項記載の樹脂組成物。
  7. 【請求項7】一般式〔I〕で示されるヒダントイン系化
    合物がヒダントイン〔R1〜R4=H〕である請求項1〜6
    のいずれか1項記載の樹脂組成物。
  8. 【請求項8】一般式〔I〕で示されるヒダントイン系化
    合物のR1又はR1とR2がアルキル基、フェニル基又はヒド
    ロキシフェニル基であり、他のR2〜R4又はR3,R4が水素
    である請求項1〜6のいずれか1項記載の樹脂組成物。
  9. 【請求項9】更に安定剤を組成物全量に対し0.01〜5重
    量%含有する請求項1〜8のいずれか1項記載の樹脂組
    成物。
  10. 【請求項10】請求項1〜9の何れか1項記載の樹脂組
    成物より成る成形品又は被覆材。
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