JP2925566B2 - 超電導トランジスタ - Google Patents

超電導トランジスタ

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JP2925566B2
JP2925566B2 JP1012687A JP1268789A JP2925566B2 JP 2925566 B2 JP2925566 B2 JP 2925566B2 JP 1012687 A JP1012687 A JP 1012687A JP 1268789 A JP1268789 A JP 1268789A JP 2925566 B2 JP2925566 B2 JP 2925566B2
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博 鈴木
吉昭 中谷
辰朗 臼杵
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、超電導体からなるベース領域及びエミッタ
領域と半導体からなるコレクタ領域とを有するベース注
入型の超電導トランジスタに関するものである。
〔従来の技術〕 第3図は従来のベース注入型の超電導トランジスタの
構成を示す模式図であり、超電導体からなるエミッタ領
域1と超電導体からなるベース領域2との間には、絶縁
体4が挟み込まれており、ベース領域2とp型またはn
型の半導体からなるコレクタ領域3とは直接に接合され
ている。
〔発明が解決しようとする課題〕
第4図はこのような構成をなす従来の超電導トランジ
スタにおけるエネルギ図である。例えばBi系80K相の超
電導体では30meV,Tl系の超電導体では60meVのバンドギ
ャプが存在するので、ベース領域2を構成する超電導体
の種類に応じて、ベース領域2における励起された準粒
子(電子または正孔)6はフェルミ準位より高いエネル
ギ状態にある。
ところが従来の超電導トランジスタでは、ベース領域
2とコレクタ領域3とが直接に接合されているので、シ
ョットキ接合が形成され、ショットキバリア(界面準
位)Bが発生する。そして両界面に発生するこのショッ
トキバリアの高さは50〜100meV程度であるので、その高
さが高い場合には、準粒子6はこのショットキバリアを
乗越えられず、ベース領域2からコレクタ領域3へ注入
されない。従って従来の超電導トランジスタでは、その
作動特性に大きな障害があるといういう問題点がある。
本発明はかかる事情に鑑みてなされたものであり、ベ
ース領域とコレクタ領域との間に薄い絶縁層を介在させ
ることにより、従来のようなショットキ接合を解消し、
作動特性が優れた超電導トランジスタを提供することを
目的とする。
〔課題を解決するための手段〕
本発明は、超電導体からなるベース領域と半導体から
なるコレクタ領域とを有する超電導トランジスタにおい
て、 前記ベース領域と前記コレクタ領域との間に、トンネ
ル電流が流れ得るような薄い絶縁層または絶縁体に近い
半導体層を設けると共に、前記コレクタ領域の半導体に
縮退半導体を用いたことを特徴とする。
〔作用〕
本発明の超電導トランジスタにあっては、ベース領域
とコレクタ領域との間にトンネル効果を奏する程度に薄
い絶縁層(または絶縁体に近い半導体層)を設けてい
る。そうすると超電導体(ベース領域)と半導体(コレ
クタ領域)との間には、従来のようなショットキバリア
が発生しない。従って、ベース両域内の準粒子は絶縁層
を介して良好にコレクタ領域内に注入される。
〔実施例〕
以下、本発明をその実施例を示す図面に基づいて説明
する。
第1図は本発明に係る超電導トランジスタの構成を示
す模式図であり、図中1,2は夫々超電導体からなるエミ
ッタ領域,ベース領域を示す。該エミッタ領域1とベー
ス領域2との間には、絶縁体4が介在されている。また
図中3は、p型またはn型の縮退半導体からなるコレク
タ領域であり、本発明では、ベース領域2とコレクタ領
域3との間に絶縁層5が介在されている。
そして本発明において設ける絶縁層5の膜厚は、ベー
ス領域2,コレクタ領域3間にトンネル電流が流れ得る程
度に設定されている。具体的にはベース領域2を構成す
る超電導体のコヒーレンス長をξとした場合、絶縁層5
の膜厚はξ〜2ξ程度とする。より具体的にはBi系の超
電導体ではそのコヒーレンス長が20〜30Åであるので、
Bi系の超電導体をベース領域2として使用する場合に
は、絶縁層5の膜厚は30〜50Å程度とすればよい。
第2図は本発明における超電導トランジスタのエネル
ギ図である。本発明ではベース領域2とコレクタ領域3
との間に絶縁層5を介在させているので、ベース領域2
(超電導体)とコレクタ領域3(半導体)との間には、
従来のようなショットキバリアは発生せず、準粒子6は
容易にベース領域2からコレクタ領域3内に注入され
る。そしてトンネル効果を奏する程度の薄さに絶縁層5
の膜厚が設定されているので、絶縁層5内に注入された
準粒子6は絶縁層5を通過してコレクタ領域3へ注入さ
れる。
上述した絶縁層5の材質として、絶縁体に極めて近い
真性半導体を使用することができる。そして特に、絶縁
層5及びコレクタ領域3として超格子構造の半導体を使
用する場合には、以下のようにしてベース領域2とコレ
クタ領域3との整合を高めることが望ましい。例えばGa
Asの半導体を使用する場合、Ga層及びAs層1層ずつから
なる単位層の厚さを、ベース領域2を構成する超電導体
の1個の結晶の厚さに一致させると、ベース領域2とコ
レクタ領域3との両界面の整合が向上する。
なお上述した実施例においては、横型の超電導トラン
ジスタについて説明したが、これに限らず縦型の超電導
トランジスタにおいても同様の構成とできることは勿論
である。
〔発明の効果〕
以上詳述した如く本発明の超電導トランジスタでは、
ベース領域とコレクタ領域との間に、トンネル電流が流
れる程度の薄さである絶縁層または絶縁体に近い半導体
層を備えているので、従来のようなショットキ接合を避
けることができる。しかも、本発明では、コレクタ領域
の半導体に縮退半導体を用いているので、コレクタ領域
のキャリア密度が高くなり、この結果、ベース領域とコ
レクタ領域との間に形成されえるショットキバリアの幅
を小さくできる。この結果、ベース領域からコレクタ領
域内に準粒子を容易に注入することができる。
しかも、コレクタ領域の半導体に縮退半導体を用いて
いるので、超電導体を低温にして動作させる際、コレク
タ領域でのキャリアの凍結が起こらないので、コレクタ
領域内でのキャリア速度の低下を抑制できる。
この結果、敏速なトランジスタ動作を行うことができ
る。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明に係る超電導トランジスタの構成を示す
模式図、第2図は同じくそのエネルギ図、第3図は従来
の超電導トランジスタの構成を示す模式図、第4図は同
じくそのエネルギ図である。 1……エミッタ領域、2……ベース領域、3……コレク
タ領域、4……絶縁体、5……絶縁層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 善里 順信 大阪府守口市京阪本通2丁目18番地 三 洋電機株式会社内 (56)参考文献 特開 昭63−305573(JP,A) 特開 昭63−32974(JP,A) 特開 昭63−9149(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) H01L 39/00 H01L 39/22 H01L 39/24

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】超電導体からなるベース領域と半導体から
    なるコレクタ領域とを有する超電導トランジスタにおい
    て、 前記ベース領域と前記コレクタ領域との間に、トンネル
    電流が流れ得るような薄い絶縁層または絶縁体に近い半
    導体層を設けると共に、前記コレクタ領域の半導体に縮
    退半導体を用いたことを特徴とする超電導トランジス
    タ。
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JPH0740612B2 (ja) * 1986-07-28 1995-05-01 日本電信電話株式会社 超伝導・半導体接合素子
JPS63305573A (ja) * 1987-06-05 1988-12-13 Nec Corp 超伝導三端子素子

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