JP2925257B2 - 強磁性膜、その製造方法及び磁気ヘッド - Google Patents

強磁性膜、その製造方法及び磁気ヘッド

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Description

【発明の詳細な説明】 [発明の目的] (産業上の利用分野) 本発明は強磁性膜、その製造方法、及びこの強磁性膜
を用いた磁気ヘッドに関する。
(従来の技術) 将来の磁気ヘッド用磁性膜には、高Hc記録媒体に対し
て充分な記録能力を発揮できるように、高い飽和磁束密
度Bsと、軟磁気特性(低保磁力Hc及び低磁気歪みλs)
とが要求される。
従来、良好な軟磁気特性を示す結晶質の磁性膜として
は、NiFe合金膜、センダスト(FeAlSi)系の合金膜など
が知られている。しかし、これらの磁性膜のBsは最大で
も15kGである。また、多くのFe系又はCo系合金は、アモ
ルファス化すると、低Hcを示す。しかし、アモルファス
合金膜のBsも最大で15kGである。
これに対して、本発明者は、広い組成範囲で19kG以上
の高Bsを示すCoFe系合金に着目し、この膜を軟磁性化す
る研究を進めてきた。その結果、窒素添加スパタ法によ
り、fcc相(100)配向を実現すると、約3Oeの比較的小
さなHc、+1×10-6以下の低磁気歪みを有する磁性膜が
得られることを報告している(J.Appl.Phys.,67(9),
pp.5120−5122(1990))。また、メッキ法でも、前記
と同様なHc及びほぼ0の磁気歪みを有するCoFe合金が報
告されている。
しかし、磁気ヘッドへの応用を考えると、NiFe合金
膜、センダスト膜、アモルファス膜に匹敵する、10e以
下程度にまでHcを低減するのが要望されている。
(発明が解決しようとする課題) 本発明の目的は、高Bs、低Hc、低λsを示し、磁気ヘ
ッドなどに適した強磁性膜を提供することにある。
(課題を解決するための手段と作用) 本発明の強磁性膜は、一般式 (CoxFeyTz)aNb (ただし、TはAl、B、Si、Ga、Geからなる群より選択
される少なくとも1種の原子、x、y、zはそれぞれ原
子%を示し、66<x<94、5<y≦24、1<z<10、x
+y+z=100、a、bはそれぞれ原子%を示し、85<
a<99、1<b<15、a+b=100) で表わされる結晶質の強磁性膜であり、少なくともその
一部がfcc相からなる結晶構造を示すことを特徴とする
ものである。
本発明の強磁性膜の製造方法は、窒素を含むスパッタ
リングガス中で、 CoxFeyTz (ただし、T、x、y、zは前記で定義された通りであ
る) で表わされる合金を構成する金属をスパッタリングする
ことを特徴とするものである。
本発明の磁気ヘッドは、前記強磁性膜と、該強磁性膜
と電磁気的に結合されたコイルと、前記強磁性膜とコイ
ルとを電気的に絶縁する層を具備したことを特徴とする
ものである。
本発明の強磁性膜において、合金中のFeの含有量yを
5<y≦24としたのは、以下のような理由による。Feが
5at%以下になると、膜中にhcp相が含まれるため、Hcが
増加する。Feが24at%を超えると、高Bs、低Hcは得られ
るが、膜中にbcc相が含まれるため、λsが増加する。F
eが5〜24at%の場合には、fcc単相、又は膜面垂直方向
に(100)面が配向したfcc相とbcc相の2相共存を実現
でき、その結果2×10-6以下の低磁気歪みを示す。ただ
し、Feが16at%を超えるとbcc相が生成しやすくなるの
で、例えばMgOなどの下地層を設けてfcc相を優先成長さ
せるなどの手段を用いることが好ましい。
本発明の強磁性膜において、合金中のTすなわちB、
Al、Si、Ga、Geからなる群より選択される少なくとも1
種の原子の含有量zを1<z<10としたのは、以下のよ
うな理由による。Tが1at%以下になると、Hcが増加す
る。Tが10at%を超えると、Bsが減少し、Hcが増加す
る。Tが1〜10at%の場合には、15〜19kGの高Bs、及び
1Oe以下の低Hcを示す。
本発明の強磁性膜において、合金成分に対する窒素の
含有量bを1<b<15としたのは、以下のような理由に
よる。Nが1at%以下になると、結晶粒径が大きくな
り、Hcが増加する。Nが15at%を超えると、格子定数が
増加し、λsが増加する。Nが1〜15at%の場合には、
NがTの1.5倍未満に抑制され、その結果格子定数の増
加を抑制でき、10e以下の低Hc、2×10-6以下の低λs
が得られる。
前述した組成を有する本発明の強磁性膜は、500℃以
上の耐熱性を示す。
本発明の強磁性膜は、CoFeT系合金を構成する金属を
アルゴンと窒素との混合ガス雰囲気中で反応性スパッタ
リング(窒素添加スパッタリング)することにより製造
することができる。この際、雰囲気中のN2分圧を制御す
ることにより、前述した組成を有する強磁性膜が得られ
る。また、必要に応じて、成膜後熱処理を施すことによ
り、軟磁気特性を向上させることができる。
この方法の他にも;CoFe合金とAlNとの複合ターゲット
を用いたスパッタリング;各種スパッタリングや蒸着に
よる成膜中に、窒素イオンを基板に照射する方法;など
を採用することができる。なお、スパッタリングによる
成膜では、当然、膜中に微量の酸素やアルゴンが含まれ
る。
本発明の強磁性膜は、長手記録対応の薄膜磁気ヘッ
ド、垂直記録対応の薄膜磁気ヘッドのいずれにも適用で
きる。そして、この強磁性膜は、高Bs、低Hc、低λsを
有するため、高密度記録を実現することができる。ま
た、本発明の強磁性膜は、500℃以上の耐熱性を有する
ので、ガラス溶着工程が必要なメタルインギャップヘッ
ドなどにも適用できる。
(実施例) 以下、本発明の実施例を図面を参照して説明する。
実施例1 Co−11.5at%Fe−4at%Al合金ターゲットを用い、2
極RFスパッタ装置により、アルゴンガス中に含まれる窒
素ガスの含有量をパラメータとして、ガラス基板(コー
ニング社の0211基板)上に膜厚0.3μmの磁性膜を形成
した。スパッタリングは以下の条件で行った。
高周波電流密度 :5W/cm2 全スパッタガス圧力:1×10-2Torr 窒素ガス分圧 :0−2×10-3Torr 電極間距離 :40mm 予備排気 :1×10-6Torr 得られた磁性膜の物性及び磁気特性を以下のようにし
て測定した。保磁力は、磁性体の困難軸方向に最大250O
eの磁界を加えて測定した。磁気歪みは、基板に加えた
一方向性応力と異方性磁界Hkとの関係から求めた。結晶
構造は、θ−2θスキャンのX線ディフラクトメータ法
(CuKα線使用)により調べた。平均結晶粒径は、X線
回折曲線の半値幅から求めた。膜中の窒素濃度は、水蒸
気蒸留・ネスラー吸光光度法により調べた。膜中のCo、
Fe、Alの濃度は、ICP発光分析により調べた。
磁性膜の磁気特性、すなわち保磁力Hc、飽和磁化Bs及
び磁気歪みλsの窒素分圧依存性を第1図に示す。第1
図から以下のことがわかる。純アルゴンスパッタ中で形
成された磁性膜は、Bsは高いものの、Hcが高いため磁気
ヘッドには応用困難である。窒素分圧を増加しても、得
られる磁性膜のBsはそれほど変化せず、高いBsが維持さ
れている。また、窒素分圧が0.1〜約1mTorrの範囲で、
窒素分圧の増加に伴って磁性膜のHc及びλsは減少す
る。そして、窒素分圧が0.5〜約1mTorrの範囲で得られ
る磁性膜は、17〜18kGの高Bs、約1.5Oeの低Hc、+0.5〜
0.7×10-6の低λsという良好な軟磁気特性を示す。し
かし、窒素分圧が約1mTorr以上になると、窒素分圧の増
加に伴って、磁性膜のHc及びλsは増加する傾向にあ
る。例えば、窒素分圧が1.5mTorrの場合には、低Hc、低
λsの磁性膜は得られない。
磁性膜の磁気特性は、以下に示すように磁性膜の組
成、結晶層、格子定数、平均結晶粒径に依存している。
窒素分圧と、形成された磁性膜の組成との関係を第2
図に示す。同図には、比較のために、窒素添加スパッタ
リングによりCoFe系合金膜を形成した場合の窒素濃度を
併せて示す。第1図から以下のことがわかる。窒素分圧
が増加するにつれて、窒素濃度は単調に増加している。
本発明に係るCoFeAl系合金膜の場合には、CoFe系合金膜
の場合と比較して、膜中の窒素濃度は高くなっている。
一方、窒素分圧の増加とともに、Co及びFeの濃度はわず
かに減少している。また、窒素分圧の増加とともに、Al
濃度はわずかに増加した後、減少している。第2図に示
されるような組成の変化が生じるのは、以下のような理
由によると考えられる。Alは、CoやFeと比べて、窒素と
の結合力が強く、窒素分圧の増加に伴ってAlNが形成さ
れる。このAlNは、スパッタされにくいため、窒素やAl
の基板からの再スパッタが抑制される。このような現象
は、窒素分圧が0.1〜約0.7mTorrの範囲で生じていると
考えられる。一方、窒素分圧が約0.7mTorr以上に増加す
ると、窒素濃度は増加するにもかかわらず、Al濃度は減
少しはじめる。これは、Alと結合しない窒素が増加する
ことを意味している。この結果、例えば窒素分圧が1.5m
Torrの場合には、at%で窒素濃度はAl濃度の1.5倍とな
っている。以上のような磁性膜の組成の変化は、第1図
に示される磁性膜の磁気特性の変化とほぼ対応してい
る。
CoFe系合金膜の結晶相とλsとの関連性に関しては、
以下のような知見が得られている(J.Appl.Phys.,67
(9),pp.5120−5122(1990))。すなわち、主として
bcc相を示す構造では、正の高λsを示す。一方、適度
な窒素分圧で窒素添加スパッタリングを行うと、(10
0)面が膜面に垂直方向に配向したfcc相がbccに混入す
るため、磁性膜のλsが低下する傾向にある。しかし、
膜中の窒素濃度が更に増加し、その結果fcc相の格子定
数が増加すると、fcc相(100)配向膜でもλsは大きな
値を示す。
このような知見に基づいて、本発明に係るCoFeAl系合
金膜についても、その結晶構造及び格子定数を調べた。
窒素分圧と、磁性膜のX線回折曲線(θ=1゜固定2θ
スキャン法、及びθ−2θスキャン法)との関係を調べ
た結果を第3図に示す。格子定数の窒素分圧依存性を調
べた結果を第4図に示す。
第3図の結果から、以下のことがわかる。純アルゴン
スパッタ膜では、fcc、hcp、bcc相の固有の回折ピーク
が検出されおり、この3相が共存した結晶構造を示す。
窒素分圧が増加すると、fcc相からの回折ピークのみが
検出される。このことから、CoFe系合金膜の場合と同様
に、窒素添加スパッタによりfcc相が安定化されること
がわかる。第2図において、窒素分圧が0.5〜1mTorrの
場合に低λsが得られた理由は、磁性膜の結晶構造がfc
c相を主とする構造に変化したためであると考えられ
る。
第4図の結果から、以下のことがわかる。すなわち、
(111)反射から求めた格子定数よりも、(200)反射か
ら求めた格子定数は大きな値を示す。これは、(200)
反射に対応する結晶粒に優先的に窒素原子が含まれてい
るためであると考えられる。窒素分圧が約1mTorrの比較
的低い範囲では、格子定数に顕著な変化は認められな
い。第1図において低Hc、低λsが得られる範囲は、格
子定数に顕著な変化が認められない範囲内に含まれてい
る。しかし、窒素分圧が約1mTorr以上に増加すると、格
子定数は増加する。例えば、窒素分圧が1.5mTorr(第2
図に示されるようにat%で窒素原子がAl原子の1.5倍以
上含まれる磁性膜)の場合には、格子定数が非常に大き
くなっている。この範囲では、第1図に示されるように
Hc、λsが増加している。したがって、高窒素分圧にお
けるλsの増加は、格子定数の増加に起因すると考えら
れる。
(111)と(200)ピークから求めた平均結晶粒径の窒
素分圧依存性を第5図に示す。同図には、参考のため、
窒素添加スパッタリングにより形成されたCoFe系合金膜
の結果も併せて示す。
CoFe系合金膜の場合には、窒素分圧が増加しても、平
均結晶粒径は約160Åにまでしか減少しない。一方、CoF
eAl系合金膜の場合には、窒素分圧の増加に伴い、平均
結晶粒径は約100Åにまで減少する。第1図に示される
ようにHcが低下するのは、微細な結晶粒が形成されるこ
とが一因となっていると考えられる。
窒素分圧0.5〜1mTorrで形成された、低Hc、低λsの
磁性膜に、容易軸方向に固定磁界を加え、所定の熱処理
温度で1時間熱処理したときのHcの変化を第6図に示
す。第6図に示されるように、本発明に係る磁性膜は、
550℃前後での熱処理により、そのHcが1Oe以下に低減さ
れる。本発明の磁性膜は、550℃でも耐熱性を有するた
め、ガラス溶着工程を必要とするヘッド(メタルインギ
ャップヘッドなど)にも適用できる。
なお、以上述べた特性は、1μm以上の厚みを有する
磁性膜でも同様であることが確認されている。
実施例2 一定組成のCoFe合金上にAlチップを載せた複合ターゲ
ットを使用した以外は、実施例1と同様の条件を用い、
CoとFeの濃度比がほぼ固定されAl濃度及びN濃度が異な
る磁性膜を形成した。これらの磁性膜の特性を表1に示
す。表1では、Hcは成膜伍550℃、1時間の熱処理を施
した後の値であり、Hcが最も低くなる窒素分圧で得られ
た磁性膜についての結果を示している。なお、いずれの
場合も実施例1と同様に、at%で表わして、N濃度とAl
濃度とは同程度である。
表1から、以下のことがわかる。Al濃度が1at%に低
下すると、Hcが増加する。一方、Al濃度が10at%に増加
すると、Bsが14kG以下に低下し、従来の結晶質磁性膜
(NiFe膜やFeAlSi膜など)やアモルファス膜を超える高
Bsを実現できなくなる。また、Hcも増加する。
Al濃度zを1at%<z<10at%の範囲に設定すること
により、15kG以上の高Bs、1Oe以下の低Hc、2×10-6
下の低λsを実現できる。
実施例3 実施例1と同様の条件で、Al濃度を固定し、Fe濃度を
変化させた磁性膜を形成した。これらの磁性膜の磁気特
性を表2に、X線回折曲線を第7図に示す。表2におい
ても、Hcは成膜後550℃、1時間の熱処理を施した後の
値であり、Hcが最も低くなる窒素分圧で得られた磁性膜
についての結果を示している。
これらの結果から以下のことがわかる。Fe濃度が5at
%に低下すると、表2に示されるようにHcは3Oe以上に
増加し、第7図に示されるようにX線回折曲線にはhcp
相(100)反射が認められる。Coのhcp相は、結晶異方性
の大きいことが知られている。このことから、Hcが高く
なるのは、膜中にhcp相が含まれ、結晶磁気異方性が増
加するためであると考えられる。一方、Fe濃度が16at%
に増加すると、表2に示されるようにBsは増加し、Hcは
1Oe以下に低減するが、λsは7×10-6に増加する。ま
た、第7図に示されるように、X線回折曲線には、明確
なbcc相(110)ピークが認められる。λsが増加するの
は、膜中にbcc相が含まれるためであると考えられる。
実施例4 ガラス基板上にMgO膜(下地層)をスパッタ形成した
後、実施例1と同様の条件で磁性膜を形成した。この場
合、実施例1の磁性膜よりFe濃度が増加しても、低λs
が維持できることが見出された。これらの磁性膜の磁気
特性を表3に、X線回折曲線を第7図に示す。表3にお
いても、Hcは成膜後550℃、1時間の熱処理を施した後
の値であり、Hcが最も低くなる窒素分圧で得られた磁性
膜についての結果を示している。
表3に示されるように、MgOを下地層とすることによ
り、Fe濃度が24at%まで増加しても、2×10-6以下の低
λsが得られる。第8図に示されるように、X線回折曲
線には、高強度のfcc相(200)ピークが認められる。こ
のことは、fcc相(100)面が膜面に垂直な方向に優先成
長していることを示している。CoFe系合金膜では、fcc
相(100)面が膜面に垂直な方向に優先成長すると、bcc
相を含んでいても磁気歪みが低下することが知られてい
る。本発明に係る磁性膜でも、Fe濃度が高い組成領域で
はbcc相が含まれるが、MgOを下地層を設ければfcc相(1
00)面を膜面に垂直な方向に優先成長させることがで
き、その結果低λsを実現できるものと考えられる。
実施例5 以上の実施例では、CoFeAl系合金について説明した
が、AlをB、Si、Ga、Geに置換しても(条件は実施例1
と同様)、高Bs、低Hc、低λsの磁性膜が得られること
が見出された。表4にその一部の結果を示す。表4にお
いても、Hcは成膜後550℃、1時間の熱処理を施した後
の値であり、Hcが最も低くなる窒素分圧で得られた磁性
膜についての結果を示している。
次に、本発明に係る磁性膜が適用される磁気ヘッドの
例を第9図〜第11図を参照して説明する。
第9図は長手記録のハードディスクに対応した薄膜磁
気ヘッドの断面図である。基板1上に強磁性膜2、及び
ヘッド先端側で所定のギャップ3が形成されるように第
1絶縁層4が積層され、この第1絶縁層4にコイル5が
巻かれ、更にコイル5を覆うように第2絶縁層6が積層
されている。絶縁層表面に強磁性膜7が、その一部が強
磁性膜2と接触するように形成され、ヘッド先端側で強
磁性膜2と強磁性膜7との間にギャップ3が形成され
る。強磁性膜7上には保護膜8が形成されている。
本発明の強磁性膜は、従来の強磁性膜(NiFe膜やCo系
アモルファス膜など)に比べて、飽和磁束密度が高いの
で、高保磁力媒体に対しても充分な記録が可能となり、
その結果高密度記録が可能となる。
第10図は垂直記録に対応した薄膜磁気ヘッドの断面図
である。基板11上に本発明に係る強磁性膜からなる主磁
極12、第1絶縁層13が順次積層され、この第1絶縁層13
にコイル14が巻かれ、更にコイル14を覆うように第2絶
縁層15が積層されている。絶縁層表面にリターンパス磁
性体16が、その一部が主磁極12と接触するように形成さ
れている。リターンパス磁性体16上には保護膜17が形成
されている。
主磁極12に使用される本発明の強磁性膜は、従来の強
磁性膜(Co系アモルファス膜など)に比べて、飽和磁束
密度が高いので、主磁極厚みを更に薄くすることが可能
となり、その結果線記録密度の高い高密度垂直磁気記録
が可能となる。
第11図はメタルインギャップヘッドの斜視図である。
1対のフェライトコア21、22には、それぞれその対向面
側に、中間層23、23を介して本発明に係る強磁性膜24、
24が形成されている。中間層23は、付着力を強化するた
め、及びフェライトコアと強磁性膜との間の相互拡散を
防止するために用いられ、Cr、SiO2、NiFeなどが適して
いる。これらフェライトコア21、22は、強磁性膜24、24
間にギャップ25が形成されるように、ガラス26により溶
着されている。そして、フェライトコア21にはコイル27
が巻かれている。
このようなヘッドを作製する際には、500℃以上の高
温でガス溶着工程が行われるが、本発明の強磁性膜は50
0℃以上の耐熱性を有するので、このヘッドに適用する
ことができる。
[発明の効果] 以上詳述したように本発明の強磁性膜は、15kGを超え
る高Bsを保ちながら、1Oe以下の低Hc、及び2×10-6
下の低λsを示す。その結果、本発明の強磁性膜を用い
ることにより、記録能力に優れた磁気ヘッドを作製でき
る。更に、本発明の強磁性膜は500℃以上の耐熱性を有
するので、ガラス溶着工程を必要とするヘッドを含めた
広範囲のヘッドに適用可能である。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明に係る強磁性膜の磁気特性の窒素分圧依
存性を示す図、第2図は本発明に係る強磁性膜の組成の
窒素分圧依存性を示す図、第3図は本発明に係る強磁性
膜のX線回折曲線の窒素分圧依存性を示す図、第4図は
本発明に係る強磁性膜の格子定数の窒素分圧依存性を示
す図、第5図は本発明に係る強磁性膜の平均結晶粒径の
窒素分圧依存性を示す図、第6図は本発明に係る強磁性
膜のHcの熱処理温度依存性を示す図、第7図は本発明に
係る強磁性膜のX線回折曲線のFe濃度依存性を示す図、
第8図は本発明に係るMgO下地層上に形成された強磁性
膜のX線回折曲線を示す図、第9図は本発明に係る強磁
性膜を用いた長手記録対応の薄膜磁気ヘッドの断面図、
第10図は本発明に係る強磁性膜を用いた垂直記録対応の
薄膜磁気ヘッドの断面図、第11図は本発明に係る強磁性
膜を用いたメタルインギャップヘッドの斜視図である。 1……基板、2……強磁性膜、3……ギャップ、4……
第1絶縁層、5……コイル、6……第2絶縁層、7……
強磁性膜、8……保護膜、11……基板、12……主磁極、
13……第1絶縁層、14……コイル、15……第2絶縁層、
16……リターンパス磁性体、17……保護膜、21、22……
フェライトコア、23……中間層、24……強磁性膜、25…
…ギャップ、26……ガラス、27……コイル。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) H01F 10/16,41/18 C22C 19/07 G11B 5/31

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式 (CoxFeyTz)aNb (ただし、TはB、Al、Si、Ga、Geからなる群より選択
    される少なくとも1種の原子、 x、y、zはそれぞれ原子%を示し、66<x<94、5<
    y≦24、1<z<10、x+y+z=100、 a、bはそれぞれ原子%を示し、85<a<99、1<b<
    15、a+b=100) で表わされる結晶質の強磁性膜であり、少なくともその
    一部がfcc相からなる結晶構造を示すことを特徴とする
    強磁性膜。
  2. 【請求項2】窒素を含むスパッタリングガス中で、 CoxFeyTz (ただし、T、x、y、zは前記で定義された通りであ
    る) で表わされる合金を構成する金属をスパッタリングする
    ことを特徴とする請求項(1)記載の強磁性膜の製造方
    法。
  3. 【請求項3】請求項(1)記載の強磁性膜と、該強磁性
    膜と電磁気的に結合されたコイルと、前記強磁性膜とコ
    イルとを電気的に絶縁する層を具備したことを特徴とす
    る磁気ヘッド。
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