JPH07169028A - 磁気抵抗効果ヘッド - Google Patents

磁気抵抗効果ヘッド

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JPH07169028A
JPH07169028A JP34141793A JP34141793A JPH07169028A JP H07169028 A JPH07169028 A JP H07169028A JP 34141793 A JP34141793 A JP 34141793A JP 34141793 A JP34141793 A JP 34141793A JP H07169028 A JPH07169028 A JP H07169028A
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film
magnetoresistive
soft magnetic
head
thickness
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Kiyoshi Noguchi
潔 野口
Tsutomu Cho
勤 長
Yuji Honda
裕二 本田
Osamu Shinoura
治 篠浦
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TDK Corp
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    • B82YSPECIFIC USES OR APPLICATIONS OF NANOSTRUCTURES; MEASUREMENT OR ANALYSIS OF NANOSTRUCTURES; MANUFACTURE OR TREATMENT OF NANOSTRUCTURES
    • B82Y25/00Nanomagnetism, e.g. magnetoimpedance, anisotropic magnetoresistance, giant magnetoresistance or tunneling magnetoresistance
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01FMAGNETS; INDUCTANCES; TRANSFORMERS; SELECTION OF MATERIALS FOR THEIR MAGNETIC PROPERTIES
    • H01F10/00Thin magnetic films, e.g. of one-domain structure
    • H01F10/32Spin-exchange-coupled multilayers, e.g. nanostructured superlattices
    • H01F10/324Exchange coupling of magnetic film pairs via a very thin non-magnetic spacer, e.g. by exchange with conduction electrons of the spacer
    • H01F10/3254Exchange coupling of magnetic film pairs via a very thin non-magnetic spacer, e.g. by exchange with conduction electrons of the spacer the spacer being semiconducting or insulating, e.g. for spin tunnel junction [STJ]

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Abstract

(57)【要約】 【目的】 熱処理(アニール)が不要であり、従来に比
べ特性の良好な磁気抵抗効果ヘッドを提供する。 【構成】 本発明の磁気抵抗効果ヘッドは、下記の合金
組成からなる結晶性軟磁性膜をバイアス膜として用いて
いる。 (Nix Fe100-x 100-y-z y Moz ここで、MはNb、Ta、ZrおよびHfのうち少なく
とも一種であり、 80≦x≦90、 6≦y≦12、 0.5≦z≦6.0である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、磁気抵抗効果ヘッドに
関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、磁気センサの高感度化や磁気記録
における高密度化が進められており、これに伴い磁気抵
抗変化を用いた磁気抵抗効果型磁気センサ(以下、MR
センサという。)や、磁気抵抗効果型磁気ヘッド(以
下、MRヘッドという。)等のMR素子の開発が盛んに
進められている。MRセンサもMRヘッドも、磁性材料
を用いた読み取りセンサ部の抵抗変化により、外部磁界
信号を読み出すものであるが、特にMRヘッドでは、再
生出力が記録媒体との相対速度に依存しないことから、
高密度磁気記録においても高い出力が得られるという特
長がある。
【0003】ところで、MRヘッドにおいては、素子の
線型応答性と感度を向上させるため、磁気抵抗効果膜に
バイアス磁界を印加する必要があり、それを達成する手
段の一つとして軟磁性膜を使用する方法がある。その方
法は、MR素子を、磁気抵抗効果膜と、スペーサ金属膜
または絶縁膜と、軟磁性膜とで構成し、軟磁性膜の漏洩
磁界で磁気抵抗効果膜にバイアス磁界を印加するいわゆ
るソフトフィルムバイアス法と呼ばれる方法である。
【0004】このソフトフィルムバイアス法に用いられ
る軟磁性膜としては、通常、Hk が低く(μが高い)、
MR変化率が小さく(比抵抗ρが高く、比抵抗変化Δρ
が低い)、望ましくはBsが高いという特性が要求され
る。そして、上記のような軟磁性膜としては、特開昭6
3−237204号公報に開示されているようにCoZ
rMoやCoZrTaからなる非晶質膜を用いるもの、
特開平5−182149号公報に開示されているように
NiFeNb、NiFeZr、NiFeCrからなる結
晶膜を用いるもの等が知られている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記特
開昭63−237204号のように、軟磁性膜の材料と
してCoZrMo等をを用いると、特性の良好なものが
得られるが、250℃程度でアニールする必要があるた
め、デバイス化するプロセスが複雑になるという問題点
がある。また、このアニールを、磁気抵抗効果膜、スペ
ーサ膜および軟磁性膜の積層の後に行なうと、書名
「J.Appl.Phys.」Vol.63,No. 8
(発行日:1988年4月15日)の第4023頁にも
開示があるように、磁気抵抗効果膜とスペーサ膜および
/またはスペーサ膜と軟磁性膜の界面で拡散がおこり、
特性劣化が生じるという問題がある。
【0006】また、上記特開平5−182149号のよ
うに、軟磁性膜の材料として、NiFeNbやNiFe
Zrを用いると、J.Appl.Phys.Vol.6
9,No. 8(発行日:1991年4月15日)の第56
31頁にも開示があるように、NbやZrの添加量が少
ないとMR変化率が高くなってしまい、一方、多いとB
sが低下してしまい、BsおよびMR変化率の両者がと
もに満足できる値を得られないという問題がある。さら
に、軟磁性膜の材料として、上記特開平5−18214
9号の残りのNiFeCrを用いると、J.Appl.
Phys.Vol.52,No. 3(発行日:1981年
3月)の第2107頁にも開示があるように、磁歪制御
がむずかしいため、軟磁性特性が必ずしもよくないとい
う問題がある。
【0007】本発明は、熱処理(アニール)が不要であ
り、従来に比べBsの低下を極力防ぎつつ、μとρが高
く、MR変化率が低い磁気抵抗効果ヘッドを提供するこ
とを目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】このような目的は、下記
(1)〜(7)の本発明により達成される。 (1)下記の合金組成からなる結晶性軟磁性膜をバイア
ス膜として用いたことを特徴とする磁気抵抗効果ヘッ
ド。 (Nix Fe100-x 100-y-z y Moz ここで、MはNb、Ta、ZrおよびHfのうち少なく
とも一種であり、 80≦x≦90、 6≦y≦12、 0.5≦z≦6.0である。 (2)上記(1)において、80≦x≦90、7≦y≦
10および1≦z≦5である磁気抵抗効果ヘッド。 (3)磁気抵抗効果膜、高抵抗金属膜および軟磁性膜を
積層した磁気抵抗効果素子の軟磁性膜として、上記
(1)または(2)の軟磁性膜を用いた磁気抵抗効果ヘ
ッド。 (4)磁気抵抗効果膜、絶縁膜および軟磁性膜を積層し
た磁気抵抗効果素子の軟磁性膜として、上記(1)また
は(2)の軟磁性膜を用いた磁気抵抗効果ヘッド。 (5)上記(3)または(4)の磁気抵抗効果膜が、N
iFe合金膜である磁気抵抗効果ヘッド。 (6)前記NiFe合金膜におけるFeの含有率が18
〜20原子%である上記(5)の磁気抵抗効果ヘッド。 (7)上記(3)または(4)の磁気抵抗効果膜が、非
磁性薄膜を介して積層された少なくとも2層の磁性薄膜
で構成された多層磁気抵抗効果膜である磁気抵抗効果ヘ
ッド。
【0009】
【発明の作用および効果】Ni−Fe系合金に、Nb等
とMoを本発明の範囲で複合添加することにより、Bs
の低下をできるだけ抑えて、μおよびρが高く、MR変
化率が低い磁気抵抗効果ヘッド用軟磁性膜を形成するこ
とができる。
【0010】本発明の軟磁性膜においては、熱処理(ア
ニール)する必要がないため、各膜の界面における拡散
が抑えられ、MR膜の特性が劣化することがない。ま
た、近年、特に注目されている巨大磁気抵抗を示す磁性
多層膜は、熱処理でMR特性の劣化が比較的大きいの
で、本軟磁性膜を用いて有効である。
【0011】
【具体的構成】以下、本発明の磁気抵抗効果ヘッドに用
いられる磁気抵抗効果素子について具体的に説明する。
【0012】図1は、本発明の磁気抵抗効果ヘッドに用
いられる磁気抵抗効果素子の概略斜視図である。図1に
おいて、符号1は磁気抵抗効果素子を示し、この磁気抵
抗効果素子1は、磁気抵抗効果膜2、非磁性のスペーサ
膜3および軟磁性膜4を順に積層してなるものである。
【0013】上記磁気抵抗効果膜2は、Ni−Fe合金
等で形成され、総厚で20〜1000A程度の厚さに設
定される。この磁気抵抗効果膜2は、厚いほどMR変化
率が高くなるが、同時に、抵抗が低くなるため磁気抵抗
効果素子としての出力が低下するので、上記のように適
正な範囲の厚さとする。
【0014】上記磁気抵抗効果膜2がNi−Fe合金で
形成されるとき、Feの含有率は、18〜20原子%の
範囲に設定することが望ましい。
【0015】上記磁気抵抗効果膜2は、非磁性薄膜を介
して積層された少なくとも2層の磁性薄膜で構成された
多層磁気抵抗効果膜(多層膜)であってもよく、この場
合は、例えば図2の断面図に示したように、交互に周期
的に設けられた磁性薄膜5と非磁性薄膜6とを有する。
すなわち、磁性薄膜と非磁性薄膜を組み合わせたものが
繰り返し積層されている。
【0016】本発明の多層膜の磁性薄膜5に用いる磁性
体の種類は特に制限されないが、具体的には、Fe,N
i,Coが好ましく,Mn,Cr,Dy,Er,Nd,
Tb,Tm,Ce,Gd等も用いることができる。ま
た、これらの元素を含む合金や化合物、例えば、Fe−
Si,Fe−Ni,Fe−Co,Fe−Al,Fe−A
l−Si(センダスト等),Fe−Y等も用いることが
できる。
【0017】各磁性薄膜の膜厚の上限は、200A であ
る。一方、磁性薄膜の厚さの下限は特にないが、4A 未
満ではキューリー点が室温より低くなって実用性がなく
なってくる。また、厚さを4A 以上とすれば、膜厚を均
一に保つことが容易となり、膜質も良好となる。また、
飽和磁化の大きさが小さくなりすぎることもない。膜厚
を200A より大としても効果は落ちないが、膜厚の増
加に伴って効果が増大することもなく、膜の作製上無駄
が多く、不経済である。
【0018】用いる非磁性薄膜6は、磁性薄膜間の磁気
相互作用を弱める役割をはたす材料であり、その種類に
特に制限はなく各種金属ないし半金属非磁性体や非金属
非磁性体から適宜選択すればよい。金属非磁性体として
は、Au,Ag,Cuやこれらの合金を用いることが好
ましく,Pt,Al,Mg,Mo,Zn,Nb,Ta,
V,Hf,Sb,Zr,Ga,Ti,Sn,Pb等やこ
れらの合金も用いることができる。半金属非磁性体とし
ては、Si,Ge,C,B等やこれらに別の元素を添加
したものを用いることができる。非金属非磁性体として
は、SiO2 ,SiO,SiN,Al23 ,ZnO,
MgO,TiN等やこれらに別の元素を添加したものを
用いることができる。
【0019】非磁性薄膜の厚さは、200A 以下が望ま
しい。一般に膜厚が200A を超えると、抵抗は非磁性
薄膜により決定してしまい、スピン散乱を設ける割合が
小さくなってしまい、その結果、磁気抵抗変化率が小さ
くなってしまう。一方、膜厚が小さすぎると、磁性薄膜
間の磁気相互作用が大きくなり過ぎ、両磁性薄膜の磁化
方向が相異なる状態が生じにくくなるとともに、連続膜
の形成が困難となるので、膜厚は4A 以上が好ましい。
【0020】以上のうちでは、磁性薄膜としては、N
i、CoおよびFeの少なくとも一種を含み、非磁性薄
膜としては、Cu、AgおよびAuの少なくとも一種を
含むものが望ましい。
【0021】なお、磁気抵抗効果膜2自体の膜厚や、磁
性薄膜や非磁性薄膜の膜厚は、透過型電子顕微鏡、走査
型電子顕微鏡、オージェ電子分光分析等により測定する
ことができる。また、薄膜の結晶構造は、X線回折や高
速電子線回折等により確認することができる。
【0022】本発明の多層磁気抵抗効果膜において、磁
性薄膜/非磁性薄膜ユニットの繰り返し積層回数nに特
に制限はなく、目的とする磁気抵抗変化率等に応じて適
宜選択すればよいが、十分な磁気抵抗変化率を得るため
には、nを3以上にするのが好ましい。また、積層数を
増加するに従って、抵抗変化率も増加するが、生産性が
悪くなり、さらにnが大きすぎると素子全体の抵抗が低
くなりすぎて実用上の不便が生じることから、通常、n
を50以下とするのが好ましい。なお、長周期構造は、
小角X線回折パターンにて、くり返し周期に応じた1次
2次ピーク等の出現により確認することができる。
【0023】用いるスペーサ膜3としては、高抵抗金属
膜あるいは絶縁膜が好ましい。その膜厚は、高抵抗金属
膜のとき50〜500Aに設定され、絶縁膜のときに
は、20〜400Aの範囲に設定されることが望まし
い。このスペーサ膜3の厚さが、上記の範囲未満である
と充分な絶縁がとれず、一方上記範囲をこえると磁路が
長くなり効率が悪くなる。
【0024】上記高抵抗金属膜の材料としては、Ti、
Ta、Hf等やあるいはその合金をを好ましく用いるこ
とができる。一方、絶縁膜としては、Al2 3 膜等を
好ましく用いることができる。ここで、高抵抗金属膜の
比抵抗は50〜800μΩ・cm、また絶縁膜の比抵抗
は1×106 μΩ・cmが好ましい。
【0025】本発明においては、上記軟磁性膜4をバイ
アス膜として用いる。そして、この軟磁性膜4は、下記
の組成の結晶性合金で形成される。 (Nix Fe100-x 100-y-z y Moz ここで、MはNb、Ta、ZrおよびHfのうち少なく
とも一種であり、80≦x≦90(原子%)、6≦y≦
12(原子%)、0.5≦z≦6.0(原子%)である
ことが必要である。上記x、y、zは、80≦x≦90
(原子%)、7≦y≦10(原子%)、1≦z≦5(原
子%)が好ましく、特に、7.5≦y≦9.00(原子
%)、2≦z≦4(原子%)であると、極めて好ましい
結果が得られる。
【0026】xの値が上記範囲を外れると、磁歪が大き
くなるため良好な軟磁性が得られなくためである。yに
関しては、6未満であるとμが低く、軟磁性が劣化し、
12をこえると、Bsが低くなるとともに、MR変化率
が大きくなってしまう。最後に、zに関しては、0.5
未満であるとMR変化率が大きくなってしまい、6.0
をこえるとBsが低くなってしまう。また、MはNb、
Ta、ZrおよびHfの1ないし4種であってよいが、
特にNbを50原子%以上、特に90〜100原子%含
むものが好ましい。
【0027】上記軟磁性膜4の膜厚は、100〜700
A程度に設定される。その理由は、これよりも薄いと、
膜が飽和してしまい、効率よく磁気抵抗効果膜にバイア
ス磁場を印加できず、一方これよりも厚いと、ヘッドの
寸法が大きくなりすぎて、分解能が劣化する原因とな
る。なお、軟磁性膜4はfcc結晶構造をもち、通常
(111)配向性をもっている。
【0028】以上の各膜の形成方法には特に制限はな
く、真空蒸着法、スパッタ法、イオンビームスパッタ法
などで行なうことができる。この成膜に際しては、膜面
に平行な磁界強度10〜200Oe程度の1軸磁場中で
成膜することが好ましい。
【0029】このように成膜された軟磁性膜は、500
0G以上、一般に5000〜8000G程度、好ましく
は6000〜8000GのBsと、1000以上、例え
ば1200〜2000程度、好ましくは1750〜20
00の5MHzのμと、1〜10OeのHkをもつ。そ
して、その−100〜100Oeの磁場下でのMR変化
率は0.25%以下、例えば0.1〜0.25%、好ま
しくは0.1〜0.2%、特に0.1〜0.15%であ
り、比抵抗ρは65μΩ・cm以上、例えば65〜15
0μΩ・cm程度である。
【0030】以上の構造の磁気抵抗変化素子を備えるM
Rヘッドを構成するには、例えば、図3の断面図に示し
たような構造とすればよい。
【0031】図3において、符号10はMRヘッドを示
し、このMRヘッド10は、上記磁気抵抗効果素子1に
所定の形状の電極11が形成されたものが絶縁層12内
に埋め込まれ、この絶縁層12の上下面に上部および下
部シールド層13、14が形成された構造を有してい
る。
【0032】このようなMRヘッドの製造にあたって
は、フォトリソグラフ、エッチング等の微細加工技術を
必要とする。
【0033】
【実施例】以下、本発明を具体的実施例によりさらに詳
細に説明する。
【0034】実施例1 イオンビームスパッタ装置を用い、以下の条件でコーニ
ング7059ガラス基板S上に、基板を水冷し、回転さ
せながら、軟磁性膜を形成した。
【0035】直径7インチのNi−18wt%Feターゲ
ットを用い、その上に5mm角または10mm角のNb
チップおよびMoチップを置いて、膜面に平行に60O
eの1軸磁場を印加しながらスパッタし、軟磁性膜を作
製した。このとき、NbチップおよびMoチップを置く
位置やビーム電圧、ビーム電流を制御し、軟磁性膜4の
組成を本発明の範囲で変化させ、実施例1ないし8とし
た。
【0036】スパッタ室内は、先ず2×10-7Torrまで
排気した後、Arガスを導入し、1.4×10-4Torrの
圧力とした後スパッタを行なった。イオンビーム条件
は、ビーム電圧300V、ビーム電流30mAとした。
また、成膜速度は、0.2〜1.0A/Sec.であっ
た。
【0037】以上の条件で、厚さ500Aの軟磁性膜を
形成した。軟磁性膜の組成を表1に示した。膜組成は、
蛍光X線分析で調べた。
【0038】
【表1】
【0039】比較例1および2として、Moを添加しな
いものを、また、比較例3としてMoの含有量が本発明
範囲をこえるものを、比較例4としてNbの含有量が本
発明範囲をこえるものをそれぞれ作製した。これらの比
較例の組成も表1に示した。
【0040】上記実施例および比較例の試料について、
Bs(Gauss)、MR変化率(%)、ρ(μΩ・c
m)、μ5Mz を測定した。それらの結果も表1に示し
た。
【0041】Bs測定は、VSMによって行なった。μ
の測定は、8の字コイル法で5MHzのμを測定した。
ρおよびΔρの測定は、実施例の試料から0.5×10
mmの形状のサンプルを作成し、外部磁界を面内に電流と
垂直方向になるようにかけながら、−100Oe〜100
Oeまで変化させたときのρを直流4端子法により測定し
た。MR変化率は、次式により計算した:MR変化率=
Δρ/ρ×100(%)。なお、実施例の各サンプルと
も(111)配向性を示した。
【0042】上記表1から分かるように、NbおよびM
oを本発明範囲で添加した実施例においては、特に、M
R変化率が低く、μが大きい軟磁性膜が得られる。特
に、Moを添加しない比較例1の特性と、実施例中で最
も特性のよい実施例3の特性とを比較してみると、本実
施例においては、Bsこそ2000程度減少したものの
6500Gaussと十分満足のゆく値であり、MR変
化率とΔρが約三分の一程度に減少し、μが倍増し、ρ
が維持状態のバランスのよい良好な特性となった。
【0043】次に、以下述べる方法で、実施例3と比較
例1の軟磁性膜を用いてMRヘッドを作製し、再生特性
を調べた。
【0044】MRヘッドの作製にあたっては、まず、直
径3インチ、厚み2.8mmのAl2 3 −TiC複合
セラミックス基板上に、Al2 3 膜を約30μmスパ
ッタし、その後、このAl2 3 膜を10μmになるよ
うに研磨した。次いで、この研磨したAl2 3 膜上に
下部シールド膜として、Ni−20原子%Fe膜を2μ
mスパッタし、フォトリソグラフィーで所定の形状に微
細加工した。続いて、下部絶縁膜としてAl2 3 膜を
0.3μmスパッタ成膜した。その上に、実施例3に示
す組成のNiFeNbMo軟磁性膜または比較例1に示
す組成のNiFeNb軟磁性膜、高抵抗金属膜としてT
a膜、磁気抵抗効果膜としてNi−18原子%Fe膜を
各々260A、150A、320A連続してスパッタ成
膜し、次いで、フォトリソグラフィーで所定の形状に加
工した。その後、Au蒸着膜を用いて電極部を所定の形
状に形成し、続いて上部絶縁Al2 3 膜を0.3μm
形成した後、更に上部シールド膜を下部シールド膜と同
様の方法で形成し、実施例および比較例の磁気抵抗効果
ヘッドとした。
【0045】これらの実施例および比較例の磁気抵抗効
果ヘッドにつき、それらの出力特性を、次のような方法
で評価した。
【0046】(1) 交流50Hz磁界中で、MR曲線
を調べた。
【0047】(2) 誘導型パーマロイ薄膜ヘッドを用
いて、保磁力2000OeのCoPtCr薄膜媒体に信
号を記録した。その後、作製した磁気抵抗効果ヘッドで
信号を再生し、出力特性を調べた。
【0048】図4に実施例3の組成の軟磁性膜を用いて
作製した磁気抵抗効果ヘッドのMR曲線を、図5に比較
例1の組成の軟磁性膜を用いて作製した磁気抵抗効果ヘ
ッドのMR曲線をそれぞれ示した。これらの図から分か
るように、実施例3の組成の軟磁性膜を用いて作製した
磁気抵抗効果ヘッドでは、約50Oeのバイアス磁界が
かかり、綺麗なMR曲線が得られた。これに対し、比較
例1の組成の軟磁性膜を用いて作製した磁気抵抗効果ヘ
ッドでは、軟磁性膜のMR変化率が0.4%と高いた
め、それに起因して第二のピークが現れてしまった。
【0049】次に、実施例3の組成の軟磁性膜を用いて
作製した磁気抵抗効果ヘッドで得られた再生波形をオシ
ログラフィで調べた結果を図6に、比較例1の組成の軟
磁性膜を用いて作製した磁気抵抗効果ヘッドで得られた
再生波形をオシログラフィで調べた結果を図7にそれぞ
れ示した。これらの図から分かるように、実施例による
磁気抵抗効果ヘッドでは、シャープで対称性のよい出力
波形が得られたが、比較例1による磁気抵抗効果ヘッド
では、上記の第二のピークの影響でシャープな波形が得
られず、ブロード化するとともに、ベースラインのノイ
ズも大きかった。
【0050】そこで、各実施例、比較例の磁気抵抗効果
ヘッドとしての評価を○、×で表中に表記する。各実施
例とも実施例3と同様すぐれた特性が得られたが、比較
例2、4では比較例1と同様ブロードでベースラインに
ノイズの多い出力波形しか得られなかった。また、比較
例3では、バイアスが有効にかからず、0磁場付近での
直線性に劣り、図6、7の上下のピークが非対称とな
り、対称性の極めて悪い出力しか得られなかった。
【0051】なお、以上の説明においては結晶質軟磁性
膜、高抵抗金属膜、磁気抵抗効果膜の順序で積層する場
合のみ示したが、磁気抵抗効果膜、高抵抗金属膜、結晶
質軟磁性膜の順序で積層したMRヘッドについても同様
の結果が得られた。
【0052】また、以上の結果は、Zr、Ta、Hfの
単独使用や、これらとNbの併用でも同様に実現した
が、Nb単独、あるいはNb50原子%以上の場合が最
も良好な結果が得られた。
【0053】以上詳細に説明したように、本発明によれ
ば、再生能力が極めて良好な磁気抵抗効果ヘッドを得る
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の磁気抵抗効果ヘッドに用いられる磁気
抵抗効果素子の概略斜視図である。
【図2】本発明の磁気抵抗効果ヘッドに用いられる磁性
多層膜の概略断面図である。
【図3】本発明の磁気抵抗効果ヘッドの1例を示す概略
断面図である。
【図4】本発明の磁気抵抗効果ヘッドの1例によるMR
曲線のグラフ図である。
【図5】比較例の磁気抵抗効果ヘッドによるMR曲線の
グラフ図である。
【図6】本発明の磁気抵抗効果ヘッドの1例による出力
波形のグラフ図である。
【図7】比較例の磁気抵抗効果ヘッドによる出力波形の
グラフ図である。
【符号の説明】
1 磁気抵抗効果素子 2 磁気抵抗効果膜 3 スペーサ膜 4 軟磁性膜
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 篠浦 治 東京都中央区日本橋一丁目13番1号 ティ ーディーケイ株式会社内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記の合金組成からなる結晶性軟磁性膜
    をバイアス膜として用いたことを特徴とする磁気抵抗効
    果ヘッド。 (Nix Fe100-x 100-y-z y Moz ここで、MはNb、Ta、ZrおよびHfのうち少なく
    とも一種であり、 80≦x≦90、 6≦y≦12、 0.5≦z≦6.0である。
  2. 【請求項2】 請求項1において、80≦x≦90、7
    ≦y≦10および1≦z≦5である磁気抵抗効果ヘッ
    ド。
  3. 【請求項3】 磁気抵抗効果膜、高抵抗金属膜および軟
    磁性膜を積層した磁気抵抗効果素子の軟磁性膜として、
    請求項1または2の軟磁性膜を用いた磁気抵抗効果ヘッ
    ド。
  4. 【請求項4】 磁気抵抗効果膜、絶縁膜および軟磁性膜
    を積層した磁気抵抗効果素子の軟磁性膜として、請求項
    1または2の軟磁性膜を用いた磁気抵抗効果ヘッド。
  5. 【請求項5】 請求項3または4の磁気抵抗効果膜が、
    NiFe合金膜である磁気抵抗効果ヘッド。
  6. 【請求項6】 前記NiFe合金膜におけるFeの含有
    率が18〜20原子%である請求項5の磁気抵抗効果ヘ
    ッド。
  7. 【請求項7】 請求項3または4の磁気抵抗効果膜が、
    非磁性薄膜を介して積層された少なくとも2層の磁性薄
    膜で構成された多層磁気抵抗効果膜である磁気抵抗効果
    ヘッド。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100268191B1 (ko) * 1996-09-23 2000-10-16 포만 제프리 엘 고자화,고저항률,낮은고유이방성및제로에가까운자기변형을갖는소프트인접층을포함하는자기저항센서

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KR100268191B1 (ko) * 1996-09-23 2000-10-16 포만 제프리 엘 고자화,고저항률,낮은고유이방성및제로에가까운자기변형을갖는소프트인접층을포함하는자기저항센서

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