JP2923300B2 - 塩化ビニル系共重合体およびその製造方法 - Google Patents

塩化ビニル系共重合体およびその製造方法

Info

Publication number
JP2923300B2
JP2923300B2 JP8474589A JP8474589A JP2923300B2 JP 2923300 B2 JP2923300 B2 JP 2923300B2 JP 8474589 A JP8474589 A JP 8474589A JP 8474589 A JP8474589 A JP 8474589A JP 2923300 B2 JP2923300 B2 JP 2923300B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
polymerization
vinyl chloride
weight
copolymer
components
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP8474589A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH02263810A (ja
Inventor
弘師 大峯
正則 剌使川原
裕 田頭
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Denka Co Ltd
Original Assignee
Denki Kagaku Kogyo KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Denki Kagaku Kogyo KK filed Critical Denki Kagaku Kogyo KK
Priority to JP8474589A priority Critical patent/JP2923300B2/ja
Publication of JPH02263810A publication Critical patent/JPH02263810A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2923300B2 publication Critical patent/JP2923300B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Macromonomer-Based Addition Polymer (AREA)
  • Polymerisation Methods In General (AREA)
  • Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は塩化ビニル系共重合体の製造方法に関する。
更に詳しくは、芳香族系側鎖を有する改良された塩化ビ
ニル系共重合体の製造方法に関するものであって、本発
明の方法により得られる共重合体は塗料、印刷インキ、
接着剤等に用いられる樹脂として特に有用である。
〔従来の技術〕
塩化ビニル樹脂は難燃性、耐候性、耐薬品性等に優れ
ているが、有機溶剤に対する溶解性に乏しくかつ高濃度
で低粘度の溶液を得にくい。
そこで、溶解性の向上と溶液の低粘度化のために、従
来塩化ビニルと他の単量体(例えば酢酸ビニル、プロピ
オン酸ビニル等)を共重合しかつその共重合体の重合度
を低くして塗料、印刷インキ、接着剤等に用いられてい
る。
しかしながら、その方法により溶解性と溶液粘度の問
題は改良されるものの、耐候性が低く(光や熱に対する
安定性が低く、変色しやすく、脆くて弱い)、ブロッキ
ングしやすい等の欠点が生じている。
一方、塩化ビニル樹脂の改質のため、塩化ビニルと芳
香族系ビニル単量体(例えばスチレン)の共重合につい
て多くの研究がなされてきた。しかし、きわめて共重合
しにくく、得られた共重合体は例えば、スチレン単位を
主として含有するものであったり、スチレン、塩化ビニ
ル各々の単独重合体を多く含むものであったりして、塩
化ビニル樹脂の改質という目的に適うものではなく、工
業的に実施されている例はほとんど見当らない。
〔本発明が解決しようとする課題〕
本発明の目的は難燃性、溶解性等の性質を従来の塩化
ビニル系共重合体程度に保持しつつ、耐候性および耐ブ
ロッキング性に優れた塩化ビニル系共重合体の製造方法
を提供することである。
〔課題を解決するための手段〕
本発明者は、塩化ビニルと脂肪酸ビニルエステルおよ
び/または(メタ)アクリル酸アルキルエステルを共重
合する系に芳香族系マクロモノマーを共存させて、共重
合体中に芳香族系ビニル構造単位より成る高分子側鎖を
導入することにより、この目的が達成されるとの知見を
得て、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、 1) (A)塩化ビニル50〜95重量%および(B)芳香
族系マクロモノマー2〜40重量%と(C)脂肪酸ビニル
エステル0〜30重量%および/または(D)(メタ)ア
クリル酸アルキルエステル0〜30重量%(但し、
(C)、(D)両成分共ゼロの場合を除く)をラジカル
重合することを特徴とする塩化ビニル系共重合体の製造
方法(第1の発明)および、 2) 使用する(A)、(C)両成分の各々全量と使用
する(B)、(D)両成分各々の一部の量とを含有する
系で重合を開始し、(B)、(D)両成分各々の残量を
重合開始後に該重合系へ添加して重合する請求項1記載
の塩化ビニル系共重合体の製造方法(第2の発明)およ
び、 3) (B)、(D)両成分各々の残量を重合開始後に
連続してまたは複数回に分割して該重合系に添加して重
合する請求項2記載の塩化ビニル系共重合体の製造方法
(第3の発明)および、 4) 塩化ビニル単位50〜95重量%および芳香族マクロ
モノマー単位2〜40重量%と脂肪酸ビニルエステル単位
0〜30重量%および/または(メタ)アクリル酸アルキ
ルエステル単位0〜30重量%(但し、脂肪酸ビニルエス
テル単位、(メタ)アクリル酸アルキルエステル単位共
ゼロの場合を除く)からなる耐候性および耐ブロッキン
グ性に優れることを特徴とする塩化ビニル系共重合体
(第4の発明)である。
第1の発明は、 (A)塩化ビニルおよび(B)芳香族系マクロモノマ
ーと(C)脂肪酸ビニルエステルおよび/または(D)
(メタ)アクリル酸アルキルエステルをラジカル重合す
ることを特徴とする塩化ビニル系共重合体の製造方法で
ある。
第1の発明における単量体(A)、(B)、(C)お
よび(D)各成分の量は、(A)塩化ビニル50〜95重量
%、(B)芳香族マクロモノマー2〜40重量%、(C)
脂肪酸ビニルエステル0〜30重量%、(D)(メタ)ア
クリル酸アルキルエステル0〜30重量%〔但し、
(C)、(D)両成分共ゼロの場合を除く〕が好まし
い。
(A)成分塩化ビニルは通常工業的に用いられている
ものが使用でき、共重合体の主構成成分である。塩化ビ
ニルが50重量%未満では耐候性、難燃性及び軟化点が低
く、また95重量%を超えると酢酸メチル、メチルエチル
ケトン等の一般的有機溶剤に溶解しにくくなるので、
(A)成分塩化ビニルの量は50〜95重量%が好ましい。
(B)成分である芳香族系マクロモノマーとは芳香族
系高分子鎖の両末端のうち片端のみに1個の重合性の官
能基を有する比較的分子量の大きい単量体である。
本発明で使用される芳香族系マクロモノマーは、例え
ば、特開昭60−133007号公報に開示された公知の方法に
より得られる。
即ち、芳香族系マクロモノマーは、芳香族系単量体
(スチレン、ビニルトルエン等)を、連鎖移動剤として
メルカプトカルボン酸(3−メルカプトプロピオン酸、
2−メルカプトプロピオン酸等)の存在下でラジカル重
合して得られる片末端にメルカプトカルボン酸に由来す
るカルボキシル基を有する芳香族系重合体とグリシジル
基を有するラジカル重合性単量体(グリシジルメタアク
リレート、グリシジルアクリレート等)を触媒の存在下
で反応させて得られる。
本発明の方法においては芳香族系マクロモノマーを1
種または2種以上を組合せて使用することができ、該マ
クロモノマーの数平均分子量は1000〜12000が好まし
い。
数平均分子量が1,000未満では耐候性および耐ブロッ
キング性等の向上効果が少なく、12,000を越えると得ら
れる共重合体の溶液粘度が高くなり、取扱いが不便であ
る。
本発明における芳香族系マクロモノマーの量は2〜40
重量%が好ましい。即ち、2重量%未満では耐候性、耐
ブロッキング性等の向上効果が少なく、40重量%を超え
て用いても効果の向上が少なく、不経済である。
(C)成分である脂肪酸ビニルエステルおよび(D)
成分である(メタ)アクリル酸アルキルエステルは、い
ずれも得られる共重合体の有機溶剤溶解性、柔軟性に関
する成分であり、(C)および(D)成分が少ないとき
は溶解性、柔軟性の不足をきたしまた多いと耐ブロッキ
ング性、難燃性が低下する。
(C)成分である脂肪酸ビニルエステルとしては酢酸
ビニル、プロピオン酸ビニル、バーサチック酸ビニル、
ラウリル酸ビニル、ステアリン酸ビニルなどが例示され
る。
(D)成分である(メタ)アクリル酸アルキルエステ
ルとしては(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリ
ル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシ
ルなどが例示される。
第2及び第3の発明は第1の発明を実施するのに好ま
しい方法に関するものである。
第2の発明は、第1の発明において、使用する
(A)、(C)両成分の各々全量と使用する(B)、
(D)両成分各々の一部の量とを含有する系で重合を開
始し、(B)、(D)両成分各々の残量を重合開始後に
該重合系へ添加して重合する塩化ビニル系共重合体の製
造方法である。
ここで、重合開始とは重合系の液温が重合温度に達し
た時点を意味する。
第1の発明において、使用する単量体全成分の各々全
量を含有する系で重合を開始し、終了まで重合を継続す
る方法(以下「一活仕込法」という)を実施すると、芳
香族系マクロモノマーの重合挙動の特異性によるもの
か、得られる共重合体はその溶液を放置する時、層分離
を起したり、乾燥皮膜の透明性が低い等の欠点を生じや
すい。
第2の発明は、第1の発明において、使用される
(A)、(B)、(C)及び(D)成分の重合系への添
加を、重合開始の前後に分けて、一括仕込法の欠点であ
る層分離、透明性を改良する方法である。
即ち、使用する各成分の全量の内、(A)および
(C)は各々の全量を、(B)および(D)はそれぞれ
の一部の量を仕込んだ後重合を開始する。次いで重合開
始後に、(B)および(D)各々の残量を重合中の系内
へ添加する方法である。
重合開始後に重合中の系内へ添加する(B)および
(D)の量は、特に限定されないが、各々全使用量の50
〜97重量%が好ましく、特に好ましくは80〜97重量%で
ある。
第3の発明は、第2の発明において、(B)および
(D)両成分各々の残量を重合開始後に連続してまたは
複数回に分割して該重合系に添加して重合する塩化ビニ
ル系共重合体の製造方法である。
第2の発明において重合開始後に重合中の系内へ残量
の(B)および(D)を添加する時、(B)および
(D)を1回で添加して得られる共重合体の溶液を塗布
した乾燥皮膜の表面は細かいシワ状の凹凸を生じ、表面
の精度不足となりやすい。
第3の発明は重合開始後に重合系へ添加する(B)お
よび(D)を、連続してまたは複数回に分割して添加す
ることにより、表面の精度が優れた乾燥皮膜を得られる
塩化ビニル系共重合体を製造する方法である。
(B)および(D)の添加速度は特に限定されない
が、該重合系内に存在する未重合単量体の量に応じて調
節することが好ましい。(B)および(D)は各々別々
にあるいは(B)と(D)を混合して添加してもよい
し、また必要により溶剤や(A)、(B)、(C)およ
び(D)以外の単量体等の混合添加することもできる。
本発明においては溶液重合、懸濁重合、乳化重合等公
知のいずれの重合方式も採用でき、特に重合方式に制限
はない。例えば、得られる共重合体を有機溶剤溶液とし
て使用する場合は溶液重合が、加熱成形したり、粉状で
保存や輸送するためには懸濁重合が、また水系で用いら
れる時には乳化重合が各々便利である。
本発明の方法では(A)、(B)、(C)及び(D)
以外の成分として、例えば共重合可能なジカルボン酸、
その無水物やエステル等、カルボン酸(アクリル酸、メ
タアクリル酸、クロトン酸等)、(メタ)アクリル酸ア
ルキルの無機酸(燐酸、スルフォン酸等)エステル等の
公知の単量体を共重合して含有させることもできる。
本発明の製造方法において使用される重合開始剤とし
ては、例えば、ラウリルパーオキサイド、ジイソプロピ
ルパーオキシジカーボネート、ジ−2−エチルヘキシル
パーオキシジカーボネート、t−ブチルパーオキシピバ
レート、3,3,5−トリメチルヘキサノイルパーオキサイ
ド等の有機過酸化物、α,α′−アゾビスイソブチロニ
トリル等のアゾ化合物、または、過硫酸アンモニウム、
過硫酸カリウム等が挙げられる。
本発明の製造方法において使用される重合媒体は重合
方式により各々選択される。
溶液重合方式を採用する場合の重合媒体である有機溶
剤としては、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイ
ソブチルケトン、ジイソブチルケトン、シクロヘキサノ
ン等のケトン類、酢酸エチル、酢酸ブチル等の酢酸エス
テル類、テトラヒドロフランやジオキサン等のエーテル
類、エチレングリコールモノアルキルエーテル、ジエチ
レングリコールモノアルキルエーテル等のグリコールエ
ーテル類、ジメチルホルムアミドおよびハロゲン化炭化
水素類などを挙げることが出来る。
懸濁重合、乳化重合においては重合媒体として水が用
いられる。特別な水を使用する必要はないが、公知の塩
化ビニル系重合体の製造において一般的に用いられてい
るイオン交換処理された水が、重合の再現性、製品品質
等の面から好ましい。
また、両重合方式において用いられる分散剤、保護コ
ロイド、乳化剤としては通常塩化ビニル系重合体の製造
に使用される市販のポリビニルアルコール、セルロース
系誘導体、各種界面活性剤等が使用出来る。
本発明の方法において、塩化ビニル系共重合体の重合
度は公知の方法により調節出来る。即ち、溶液重合にお
いては重合系内の単量体と溶剤の比率、使用する溶剤の
連鎖移動定数の大小、連鎖移動剤(メルカプタン類、ハ
ロゲン化炭化水素類等)の種類とその使用量等により、
また、懸濁重合、乳化重合においては連鎖移動剤の種類
とその使用量、重合系内温度等により主として調節する
ことができる。
本発明の方法を実施する反応缶等の装置は、対応する
重合方式により塩化ビニル系重合体を製造するのに通常
用いられている公知の装置が使用でき、反応缶内に単量
体、触媒他を添加するには吐出側が重合缶内に接続され
かつ重合缶内圧力より充分高い吐出圧力を有するポンプ
等が用いられる。
〔実施例〕
次に実施例により本発明を具体的に説明する。芳香族
系マクロモノマーとしては、下記2種を用いた。
即ち、連鎖移動として3−メルカプトプロピオン酸の
存在下でスチレンをラジカル重合し、片末端にカルボキ
シル基を有し、重合度の異る2種のスチレン重合体を得
た。次いで、該重合体各々別々にグリシジルメタアクリ
レートと反応させ、数平均分子量6000及び2000の片末端
メタアクリレート型スチレンマクロモノマー2種を得
た。
上記数平均分子量6000及び2000のスチレンマクロモノ
マー各々をM−1、M−2と以下略記する。
尚、以下特に記載のない限り、「部」及び「%」は各
々重量部及び重量%を表わす。
実施例1 5の撹拌機付きステンレス製オートクレーブに塩化
ビニル1482部、酢酸ビニル130部、アクリル酸n−ブチ
ル6.5部、スチレンマクロモノマー(M−1、数平均分
子量6,000)5.5部、酢酸エチル696部、ラウリルパーオ
キサイド5部を仕込み、液温58℃に昇温して重合を開始
した。重合開始後、アクリル酸n−ブチル123.5部、ス
チレンマクロモノマー(M−1)104.5部と酢酸エチル8
33部の混合物を吐出圧力10kgf/cm2の定量ポンプにより1
7時間かけて連続して重合系内に添加しながら、系内液
温を58℃に保って重合を継続した。
また、ラウリルパーオキサイドを重合開始後、5、1
0、15時間目に各々4部ずつ添加した。
重合開始27時間後に全体の重合率が90%となったので
重合を停止して、固型分49%の粘稠な塩化ビニル系共重
合体溶液を得た。得られた塩化ビニル系共重合体の重合
度は500、ガラス転移温度は64℃であり、共重合体の組
成は、塩化ビニル単位80%、アクリル酸n−ブチル単位
7%、酢酸ビニル単位7%、スチレンマクロモノマー単
位6%であった。
実施例2〜11 条件を表1の様に変えた以外は実施例1と同様にして
重合を行い、共重合体を得た。結果は表1に示す。
比較例1〜4 表−1に示す条件にて、実施例1と同様にして、重合
を行い、比較例1〜4の塩化ビニル−脂肪酸ビニルエス
テル2成分共重合体及び塩化ビニル−脂肪酸ビニルエス
テル−アクリル酸アルキルエステル3成分共重合体を得
た。結果は表1に示す。
比較例5〜8 比較例1〜4で得た各共重合体と、ポリスチレン樹脂
(電気化学工業製、デンカスチロールMW−1、数平均分
子量約20万)を樹脂分重量比で90/10となるように混合
し、酢酸エチルとメチルイソブチルケトンの等重量混合
溶剤で20%溶液となるように調製した。
また、共重合体物性の測定は、次の方法によった。
(1) 平均重合度 JIS K−6721の方法 (2) 組 成 a 塩化ビニル 共重合体を燃焼させ、生成ガス中の塩素を硝酸銀で定
量し、下記式より求めた。
b 脂肪酸ビニルエステル NMR分析にて、塩化ビニルと脂肪酸ビニルエステルの
比率を求め、aで求めた塩化ビニル量の値を使い算出し
た。
c (メタ)アクリル酸アルキルエステル NMR分析にて、塩化ビニルと(メタ)アクリル酸アル
キルエステルの比率を求め、aで求めた塩化ビニル量の
値を使い算出した。
d スチレンマクロモノマー 赤外吸収スペクトルでベンゼン環に基づく1600cm-1
吸収と、メチレン基の2920cm-1の吸収について、その吸
光度比から検量線を用いて定量した。
(3) 固 型 分 107℃で3時間乾燥した時の加
熱残量により測定した。
(4) ガラス転移温度 示差走査熱量計(セイコー電子工業製、熱分析装置SS
C5000 DSC200)を使用し、窒素気流中で測定し、熱量
変化のある温度区間の立上がり点を測定値とした。
次に実施例1〜11、比較例1〜4で得た共重合体及び
比較例5〜8の共重合体とポリスチレンの混合物に関
し、耐候性、耐ブロッキング性及び染料との混合性につ
き測定した。結果は表2及び3に示す。
耐候性試験 実施例1〜11、比較例1〜4で得た共重合体を酢酸エ
チルとメチルイソブチルケトンの等重量混合溶剤で20%
に稀釈した溶液及び比較例5〜8の溶液(比較例1〜4
で得た各共重合体とポリスチレン樹脂MW−1の混合20%
溶液)各々を鋼板(JIS G3141、SPCC−SB#280研磨鋼
材)の上にワイヤーバーコーティングにより、乾燥時の
膜厚が30±3μmとなる様、塗布乾燥した。この塗布液
の塗布面に対し促進耐候性試験(JIS K−5400を基本
として、サンシャインウェザーメーターを使用し、光源
として、カーボンアークを用い120分中18分降雨)を500
時間実施し、黄色度、色差、密着性、耐衝撃性測定の試
料とした。測定は下記により行い、結果は表2に示す。
1) 黄色度 但し、X、Y、ZはJIS K5400の6.5(4)の式の定
義に従う。
2) 色 差 JIS Z8722(ハンター式)による。
3) 密着性 JIS K5400に準拠し、塗膜でゴバン目にカット後、そ
の面に対しセロファン粘着テープ剥離を行ない、剥れた
マス目の数をマス目の全数に対する百分率で示す。
4) 耐衝撃性 JIS K−5400(B法、使用球は重量500グラム、直径
1/2インチで落下高さ100cm)により、結果は下記3水準
で示す。
○……塗膜面に傷がつかない。
△……塗膜面に少々傷がつく。
×……塗膜が破れ、鋼板に傷がつく。
耐ブロッキング性試験 実施例1〜11、比較例1〜4で得た共重合体を酢酸エ
チルとメチルイソブチルケトンの等重量混合溶剤で20%
溶液としたものおよび比較例5〜8で得た溶液を厚さ15
0μmの合成紙(王子油化製、YUPO−FPG−150)の上に
ワイヤーバーコーティングにより乾燥時の膜厚が10μm
となるように塗布し、ドライヤーで仮乾燥後、100℃の
オーブン中で30分間乾燥し、片面塗布試料紙を作製し
た。
上記試料紙の塗布面の上に、樹脂溶液を塗布していな
い前記の厚さ150μmの合成紙を重ね、温度60℃、荷重2
0g/cm2の条件下で24時間放置した。室温に戻した後、重
ね合わせた面を剥がしてブロッキング状態を判定した。
結果は下記3水準評価とし、表3に示す。
○……重ね合わせた面を剥がした時、ブロッキングの
跡が認められない。
△……重ね合わせた面を剥がした時、ブロッキングし
た面積が20%未満。
×……重ね合わせた面を剥がした時、ブロッキングし
た面積が20%以上。
染料との混合性試料 実施例1〜11、比較例1〜4で得た共重合体溶液各々
を、酢酸エチルとメチルイソブチルケトンの等重量混合
溶剤で稀釈した10%溶液100部と分散染料(三井東圧染
料社製 MS CyanVP。アントラキノン系青色)5部より
なる液を調整した。次いで、この液を密封状態で一定条
件(23℃、50%RH)下に48時間静置後、液の状態を評価
した。
結果は下記3水準評価とし、表3に示す。
○……凝集、増粘およびゲル化のいずれの傾向もな
く、均一液状を保っていた。
△……増粘した。
×……ゲル化し、流動性なし。
難燃性試験 実施例1、8、10及び比較例1、2で得た共重合体溶
液各々にヘキサンを添加し、共重合体を析出させ、濾過
後、40℃で20時間真空乾燥して共重合体粉末を得た。こ
の共重合体粉末を110℃で5分間予熱後、温度110℃、圧
力40kg/cm2の条件で5分間プレスして、厚さ1/16インチ
(約1.6mm)の試験片(12.5×125mm)を作製し、UL規格
(UL SUBJECT 94)に基づいて難燃性を測定した。
結果は5種いずれもFLAME CLASS 1/16インチV−0に
該当し、本発明の方法により得られた塩化ビニル系共重
合体は、従来技術により得られた塩化ビニル系共重合体
と同等の難燃性を有していた。
〔発明の効果〕
本発明の製造方法により得られる塩化ビニル系共重合
体は耐候性、耐ブロッキング性に優れ、染料との混合性
も良好でかつ難燃性、溶解性を保持しており、塗料、印
刷インキ、接着剤用樹脂等として、その産業上の利用価
値は大きい。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C08F 220:12) (56)参考文献 特開 昭62−64814(JP,A) 特開 平1−318027(JP,A) 特開 昭63−154769(JP,A) 特開 昭63−154768(JP,A) 特開 昭60−133007(JP,A) 特開 昭50−13483(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C08F 290/00 - 290/14 C08F 214/00 - 214/28 C08F 14/00 - 14/28

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)塩化ビニル50〜95重量%および
    (B)芳香族系マクロモノマー2〜40重量%と(C)脂
    肪酸ビニルエステル0〜30重量%および/または(D)
    (メタ)アクリル酸アルキルエステル0〜30重量%(但
    し、(C)、(D)両成分共ゼロの場合を除く)をラジ
    カル重合することを特徴とする塩化ビニル系共重合体の
    製造方法。
  2. 【請求項2】使用する(A)、(C)両成分の各々全量
    と使用する(B)、(D)両成分各々の一部の量とを含
    有する系で重合を開始し、(B)、(D)両成分各々の
    残量を重合開始後に該重合系へ添加して重合する請求項
    1記載の塩化ビニル系共重合体の製造方法。
  3. 【請求項3】(B)、(D)両成分各々の残量を重合開
    始後に連続してまたは複数回に分割して該重合系に添加
    して重合する請求項2記載の塩化ビニル系共重合体の製
    造方法。
  4. 【請求項4】塩化ビニル単位50〜95重量%および芳香族
    マクロモノマー単位2〜40重量%と脂肪酸ビニルエステ
    ル単位0〜30重量%および/または(メタ)アクリル酸
    アルキルエステル単位0〜30重量%(但し、脂肪酸ビニ
    ルエステル単位、(メタ)アクリル酸アルキルエステル
    単位共ゼロの場合を除く)からなる耐候性および耐ブロ
    ッキング性に優れることを特徴とする塩化ビニル系共重
    合体。
JP8474589A 1989-04-05 1989-04-05 塩化ビニル系共重合体およびその製造方法 Expired - Fee Related JP2923300B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8474589A JP2923300B2 (ja) 1989-04-05 1989-04-05 塩化ビニル系共重合体およびその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8474589A JP2923300B2 (ja) 1989-04-05 1989-04-05 塩化ビニル系共重合体およびその製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH02263810A JPH02263810A (ja) 1990-10-26
JP2923300B2 true JP2923300B2 (ja) 1999-07-26

Family

ID=13839229

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP8474589A Expired - Fee Related JP2923300B2 (ja) 1989-04-05 1989-04-05 塩化ビニル系共重合体およびその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2923300B2 (ja)

Families Citing this family (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
TW200526737A (en) 2003-12-22 2005-08-16 Kaneka Corp Method for producing vinyl chloride copolymer resin
TW200530316A (en) * 2003-12-26 2005-09-16 Kaneka Corp Flexible vinyl chloride-based copolymer resin, resin composition and method for producing them
JP2006131841A (ja) * 2004-11-09 2006-05-25 Kaneka Corp 塩化ビニル系共重合樹脂組成物
WO2006103806A1 (ja) * 2005-03-25 2006-10-05 Kaneka Corporation 塩化ビニル系共重合樹脂組成物および該組成物から得られる塩化ビニル系射出成形体
WO2006103808A1 (ja) * 2005-03-25 2006-10-05 Kaneka Corporation 塩化ビニル系防汚性フィルム
WO2006103809A1 (ja) * 2005-03-25 2006-10-05 Kaneka Corporation 塩化ビニル系耐γ線性軟質成形体
WO2006103807A1 (ja) * 2005-03-25 2006-10-05 Kaneka Corporation 塩化ビニル系シート
JP2008156375A (ja) * 2005-03-31 2008-07-10 Kaneka Corp 塩化ビニル系樹脂ドープ組成物

Also Published As

Publication number Publication date
JPH02263810A (ja) 1990-10-26

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US2436144A (en) Vinyl fluoroacetates and polymers derived therefrom
US5484850A (en) Copolymers crosslinkable by a free radical method
JP5243266B2 (ja) ビニルモノマーをフリーラジカル重合する方法
US4215028A (en) Thermosetting resin, and its production and use
CN110198960B (zh) 碱溶性树脂、其制备方法以及包含碱溶性树脂的乳液聚合物
US4954589A (en) Soluble and curable fluorine-containing copolymer suitable as paint vehicle
US3657174A (en) Film-forming emulsions of copolymers
US3449305A (en) Interpolymers of vinylidene fluoride
JP2923300B2 (ja) 塩化ビニル系共重合体およびその製造方法
US4788266A (en) Soluble and curable fluorine-containing copolymer
JP2722408B2 (ja) 塩化ポリオレフィンに不飽和モノマーをグラフトして得られる熱可塑性樹脂と、その製造方法
US4347341A (en) Process for the production of ethylene graft copolymers containing anhydride or carboxyl groups
EP3119821B1 (en) Secondary suspending agent for suspension polymerisation reaction
CA1339436C (en) Non-aqueous dispersion for alkyd formulations and method of manufacture
US3451978A (en) Vinylidene fluoride interpolymers
US3531441A (en) Interpolymers of vinyl fluoride
EP0255363B1 (en) Terpolymer emulsions
KR100609870B1 (ko) 수성수지 분산체의 제조방법
JP3160869B2 (ja) 含フッ素共重合体および該共重合体を主成分とする塗料用組成物
NO133999B (ja)
US3645959A (en) Preparation of high molecular weight vinyl polymers
WO2005040241A1 (en) Fast drying coating composition comprising an unsaturated hydroxydiester
JPH03220272A (ja) 有機溶剤系含フッ素塗料用組成物
GB2173808A (en) Free radical initiated polymerization of polymerizable ethylenically unsaturated monomer component in the presence of hydrogen peroxide
GB2035339A (en) Chemical reactors

Legal Events

Date Code Title Description
LAPS Cancellation because of no payment of annual fees