JP2921919B2 - ガスセンサ及び触媒劣化検知方法 - Google Patents

ガスセンサ及び触媒劣化検知方法

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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、例えば排ガスの酸素や還元ガスの量を検出
するガスセンサ、触媒劣化を検出するガスセンサ及びそ
のガスセンサを用いた触媒劣化検知方法に関する。
[従来の技術] 従来より、例えばエンジン等の排ガスを浄化する目的
で、白金やパラジューム等の三元触媒が使用されてい
る。この三元触媒は、燃料混合気を理論空燃比の近傍に
制御することにより、排ガス中のCO,HC及びNOXの間の反
応を促進して、各成分の排出量を低く抑えることができ
るものである。そのために、三元触媒の上流側に空燃比
を検出する酸素センサを配置し、このセンサの出力に基
づいて混合気を理論空燃比にフィードバックする制御が
行われている。
上記三元触媒は、長期間使用しているうちに性能が低
下することがあるので、近年ではその性能の低下を検出
するために、三元触媒の下流側に全領域センサを取り付
けた装置が提案されている。
この装置は、三元触媒が劣化すると、上記各成分間の
反応が低下するので、三元触媒の下流側の酸素分圧(以
下排ガスの空燃比と称す)が理論空燃比に対応する値
(以下排ガスの理論空燃比と称す)からずれることを利
用したものであり、三元触媒の下流側のセンサの出力が
所定値以上になった時、即ち排ガスの空燃比が理論空燃
比から大きくずれた場合に、三元触媒が劣化したと判定
している(実開昭63−83415号公報参照)。
また、上記全領域センサ以外にも、λセンサを用い、
その出力波形や周波数の劣化から触媒の劣化を検出する
技術が提案されている。
更に、空燃比を検出するのでなく、温度センサを触媒
の上流と下流に取り付け、その温度差から触媒の劣化を
検出する技術も提案されている。
[発明が解決しようとする課題] しかしながら、上記全領域センサは、排ガスの空燃比
をリッチ及びリーンの全領域にわたって精密に検出する
ものなので、ガス導入孔やガス拡散室に加え、酸素濃淡
電池素子や酸素ポンプ素子等の複雑な構成を必要とし、
部品点数も多く、製造工程も複雑なものとなっていた。
従って、それによるコストの上昇を招いていた。
また、λセンサを用いた場合には、単にλ点(理論空
燃比点)のみで判定してセンサ出力が変化するため、触
媒劣化の検出や劣化程度の把握が正確にできないという
問題があり、更に、排ガスの流速によってセンサの出力
の周波数が変化するという問題があった。また、λセン
サの構造が大気導入型のため水分の侵入等があるので、
触媒の下流側では適切な取り付け位置が設定しにくいと
いう問題もあった。
更に、温度センサを用いた場合には、測定精度が低い
という問題があった。
本発明は、簡単な構成で測定精度が高いガスセンサ、
及びそのガスセンサを用いた触媒劣化検知方法を提供す
ることを目的とする。
[課題を解決するための手段] かかる課題を解決するための請求項1の発明は、 固体電解質基板の表面に設けられた一対の電極と、該
両電極を各々区分して覆うことによって各電極に接する
空隙を各々形成する基板と、該各空隙と外界とを連通す
る各ガス律速部とを備え、雰囲気中の酸素及び還元ガス
の量を検知するガスセンサであって、 上記両電極間に定電流を流して、該両電極間に生じる
電圧を、上記雰囲気中の酸素及び還元ガスの量を検知す
る信号として検出することを特徴とするガスセンサを要
旨とする。
また、請求項2の発明は、 固体電解質基板の表面に設けられた一対の電極と、該
両電極を各々区分して覆うことによって各電極に接する
空隙を各々形成する基板と、該各空隙と外界とを連通す
る各ガス律速部とを備え、触媒の劣化を検知するガスセ
ンサであって、 上記両電極間に定電流を流して、該両電極間に生じる
電圧を、上記触媒の劣化を検知する信号として検出する
ことを特徴とするガスセンサを要旨する。
更に、請求項3の発明は、 前記請求項2のガスセンサを用い、触媒の劣化を検知
する方法であって、 前記ガスセンサを触媒の下流側に配置し、該ガスセン
サの出力電圧を検出するとともに出力電圧の平均値を求
め、該出力電圧の平均値が所定値を下回る場合には、前
記触媒が劣化したと判定することを特徴とする触媒劣化
検知方法を要旨とする。
ここで、上記ガス律速部として、例えば多孔質のガス
律速層,幅の狭い間隙,或は1又は複数の細孔等を採用
することができる。尚、上記ガス律速層は、細孔拡散と
分子拡散との合成(混合)によってガス律速を行うもの
が好適である。
固体電解質基板の材料としては、イットリア−ジルコ
ニア固溶体、カルシア−ジルコニア固溶体が知られてお
り、更に二酸化セリウム,二酸化トリウム,二酸化ハフ
ニウムの各固溶体,ペロブスカイト型固溶体,3価金属酸
化物固溶体等が使用できる。
電極の材料としては、白金,ロジウム等を用いること
ができる。
[作用] 本発明の請求項1のガスセンサは、 例えば第1図に示すように、固体電解質基板Kの両側
に設けられた電極D1,D2に定電流を流し、その時の両電
極D1,D2間に生ずる電圧の変化によって、雰囲気中の酸
素及び還元ガスの量を検出するものである。
すなわち、一方の電極D1から他方の電極D2に電流を流
すと、空隙(ギャップ)G1,G2内の酸素は固体電解質基
板Kを介してギャップG2からギャップG1に移動する。そ
れによって、以下の様な出力電圧V0の変化が生じる。
ここで、センサの出力電圧V0等と空燃比との関係を考
慮すると次の様になる。
(i)外界の雰囲気がリーンで、外からギャップG2へ拡
散して流入する酸素Odが、電流Iによって移動する酸素
Oiより多い場合には、センサの出力電圧V0は、下記
(1)式で表される。
V0≒Rin×I (Od>Oi) …(1) V0 :センサ出力電圧 Rin:センサの内部抵抗 I :電極間に流す電流 (ii)雰囲気がλ点(理論空燃比点)に近づくにつれ
て、ギャップG2に拡散して流入する酸素Odが、電流Iに
よって移動する酸素Oiより少なくなる場合には、センサ
の出力電圧V0は下記(2)式で表される。
R :気体定数 T :絶対温度 F :ファラディ定数 P1:ギャップG1の酸素分圧 P2:ギャップG2の酸素分圧 (iii)雰囲気がλ点を越えてリッチになり、ギャップG
1に拡散して流入する水素や一酸化炭素などの還元ガスR
dが、電流Iによって移動する酸素Oiより少なくなる場
合には、センサの出力電圧V0は下記(3)式で表され
る。
(iv)雰囲気がリッチで、ギャップG1に拡散して流入す
る還元ガスRdが、電流Iによって移動する酸素Oiより多
い場合には、センサの出力電圧V0は、下記(4)式で表
される。
V0≒Rin×I (Rd>Oi) …(4) すなわち、上記(ii),(iii)において、下記
(5)式が成立する場合には、信号として出力電圧V0
十分に判別できる。
この様に、λ点近傍の所定の空燃比(A/F)の範囲内
で、第2図に示すように、センサの出力電圧V0が大きく
変化する信号として取り出すことができるので、雰囲気
中の酸素及び還元ガスの量を検出することが容易にな
る。
ここで、第2図におけるΔ(A/F)は、ガス律速の程
度と、流す電流Iの大きさとによって、自由に設定でき
る。つまり、電流Iの大きさを設定することにより信号
の幅(信号が出力される空燃比)が設定できるので、雰
囲気中の酸素及び還元ガスの量を的確に検出できるとい
う利点がある。また、各々のガス律速部のコンダクタン
スの比を調整することによって、リッチ側のΔ(A/F)
とリーン側のΔ(A/F)とを、別々に調節すること
もできる。
尚、上記式において、 であるので、出力電圧V0により判別が容易であるために
は、Rin×I≦0.1〜0.2Vが望ましい。
本発明の請求項2のガスセンサは、 上述した作用によって、例えば触媒から排出された排
ガスにガスセンサを曝し、そのガスセンサの出力電圧V0
の変化に基づいて触媒の劣化を検出するものである。
つまり、触媒が劣化すると、触媒から流出する排ガス
の空燃比が変動するので、この変動に応じてガスセンサ
から明瞭な信号が出力され、それによって、触媒の劣化
を確実に検知することができる。
また、本発明の請求項3の触媒劣化検知方法は、 前記請求項2のガスセンサを用い、触媒の劣化を検知
する方法であって、まず、ガスセンサを触媒の下流側に
配置しその出力電圧V0を検出する。そして、出力電圧V0
の平均値を求め、平均値が予め実験等によって定めた所
定値を下回るか否かを判定し、下回る場合には触媒が劣
化したと判定するものである。
つまり、第3図に示すように、触媒が劣化して浄化率
が低下すると、出力電圧V0の変動が大きくなるという性
質があり、更に第4図に示すように、出力電圧V0の平均
値(平均出力電圧)と触媒の劣化の状態を示す触媒の浄
化率との間には、平均出力電圧が高くなると浄化率も高
くなるという、一定の相関関係がある。従って、平均出
力電圧をモニタすることによって触媒の劣化を検出する
ことが可能になる。
尚、上記第4図は、ガスセンサをエンジンに取り付
け、回転数1900rpm、吸気圧(負圧)−400mmHgとし、ガ
スセンサのヒータ電圧13V、直流電流110μAとした場合
のグラフである。
[実施例] 以下本発明の一実施例を図面に従って説明する。
第5図は例えば触媒劣化検知センサとして使用される
ガスセンサ1を一部破断して示し、第6図はそれを分解
して示している。
両図に示す様に、本実施例の大気非導入型のガスセン
サ1は、アルミナからなる中央基板2と上部外側基板3
と下部外側基板4等とが積層されて、縦1.0mm,横3.6mm
の外形に形成されたセンサである。
上記中央基板2と上部外側基板3との間には、両基板
間2,3の距離を保つとともに2箇所に空隙(ギャップ)
5,6が設けられたギャップコート7が形成され、更に中
央基板2に密着して主としてイットリア−ジルコニア固
溶体からなる固体電解質基板8が形成されている。この
固体電解質基板8の表面でかつ上記ギャップ5,6に対応
する部分には、各々イットリア−ジルコニア固溶体及び
白金からなる多孔質電極9,10が設けられている。この両
電極9,10及び両ギャップ5,6間には、酸素の移動を防止
するためにギャップコート7の一部である仕切り部11が
伸びている。また、両ギャップ5,6と外界との間には、
多孔質のガス律速層12,13が形成されている。
一方、上記中央基板2と下部外側基板4との間には、
中央基板2に密着した白金のヒータ14及びアルミナから
なる張り合わせコート15が設けられている。
次に、上記ガスセンサ1の製造手順を第6図に基づい
て説明する。
まず、中央基板2となるアルミナのグリーンシート
(厚さ0.6mm)20の表面に、固体電解質基板8となるZrO
2−Y2O3部分安定化ジルコニアをバインダと有機溶剤と
で混練したペースト21を印刷する。
次に、多孔質電極9,10を形成するために、Pt粉末と共
素地(ZrO2−Y2O3)をバインダで混練したペースト22,2
3を印刷する。更に、多孔質電極9,10の表面に適切な厚
さを有するギャップ5,6を形成するために、カーボン粉
末とバインダを混練したペースト24,25を印刷する。
そして、2箇所にギャップ5,6を備えたギャップコー
ト7となるアルミナのグリーンシート26を、上記各部材
に積層して印刷する。そして、このギャップ5,6の開口
部分27,28に、ガス律速層12,13を形成するため、アルミ
ナ粉末(平均粒径3〜4μm)とバインダを混練したペ
ースト29,30を印刷する。
更に、上記中央基板2のグリーンシート20の裏面に、
ヒータ14となる白金のヒータパターン31を印刷する。次
に、このヒータパターン31を覆って、張り合わせコート
15となるアルミナのペースト32を印刷する。
次に、上部外側基板3及び下部外側基板4を形成する
ために、アルミからなるグリーンシート(厚さ0,3〜0.4
mm)33,34を、上記積層形成した部材の上下の表面に各
々積層する。
その後、所定の大きさ(幅4.5mm,生寸法)に切断し、
樹脂抜き後、1490℃にて約1時間焼成して完成する。
尚、上記カーボン粉末は焼成の際に燃焼されて除去さ
れるので、所定の大きさのギャップ5,6が精密に形成さ
れる。更に、多孔質電極9,10とヒータ14の端部には、各
々リード線38が接続されている。
そして、この様にして完成されたガスセンサ1を、後
述する触媒の下流側に配置し、上記多孔質電極9,10に接
続されたリード線38を介して定電流を流し、その際に発
生する両電極間9,10の電圧を測定することによって触媒
の劣化を検出する。
次に、このガスセンサ1を用いて触媒劣化を検出する
実験例1,2及び比較例について、第7図ないし第9図に
基づいて説明する。
(実験例1) 第7図に示すように、本実施例のガスセンサ1は、内
燃機関40からの排ガスが導入される三元触媒コンバータ
41の下流側に配置され、一方、その上流側にはλセンサ
42が配置されている。そして、このλセンサ42からの出
力を電子制御装置(ECU)44に入力することによって、
内燃機関40から排出された直後の排ガスの空燃比を検出
し、その検出した空燃比に基づいて空燃比フィードバッ
ク制御が実行される。それとともに、触媒劣化検知セン
サとして使用されるガスセンサ1の出力もECU44に入力
され、この出力に基づいて触媒劣化の判定がなされる。
上記フィードバック制御によって、三元触媒コンバー
タ41に送られる排ガスの空燃比は、第8図(A)に示す
ように、理論空燃比を中心にして脈動する。ところが、
三元触媒コンバータ41に送られた排ガスは、その内部で
排ガス中のCO,HC,NOX,O2が相互に反応するので、三元触
媒43が正常な場合には、その反応によって三元触媒コン
バータ41の下流側の空燃比は、ほぼ理論空燃比と等しく
なり、大きな脈動は生じない。従って、定電流(例えば
100μA)を流したガスセンサ1の出力電圧は、第8図
(B)に示すように(のグラフ)、変動の平坦なもの
になる。
一方、三元触媒43が劣化している場合には、三元触媒
43による排ガスの浄化が進まず、三元触媒コンバータ41
の下流側の空燃比は、理論空燃比を中心に大きく変動す
る。従って、ガスセンサ1の出力は、同じく第8図
(B)に示すように(のグラフ)、0Vから1Vの間で出
力変動が生ずる。よって、この出力変動に基づいて三元
触媒43の劣化を容易に且つ的確に促えることができる。
更に、この出力の状態(例えば、信号の幅や信号の回
数)によって、三元触媒43の劣化の程度を判定すること
も可能である。
(実験例2) 次に、他の実験例について、上記第7図及び第9図の
フローチャートに基づいて説明する。尚、本実験例のハ
ード構成は前記実験例1とほぼ同様であり、ガスセンサ
1の出力電圧の処理方法が大きく異なる。
三元触媒43の劣化を検出する場合には、まず、ガスセ
ンサ1からの信号をECU44に入力し(ステップ100)、そ
の信号の極大値及び極小値から平均値を求める(ステッ
プ110)。次に、その平均値を予め浄化率に対応して定
められた値(所定値)と比較し(ステップ120)、平均
値が所定値を下回る場合には、三元触媒43が劣化したと
判定し、その旨をインジケータ45等で報知する処理を行
う(ステップ130)。
つまり、前記第3図及び第4図に示した様に、三元触
媒43の浄化率が変化すると、ガスセンサ1の出力電圧の
変動量が大きくなるとともに出力電圧の平均値が低下す
るという性質があるので、このガスセンサ1の出力電圧
の平均値と所定値と比較することにより、極めて容易に
三元触媒43の劣化を検知することができる。
更に、予め実験等によって触媒劣化の程度に応じて詳
しく出力電圧の平均値(所定値)を求め、この所定値と
実際の測定に基づいて計算された出力電圧の平均値とを
比較することにより、三元触媒43の劣化の程度を詳しく
検知することができる。
(比較例) 次に、比較例について説明する。
本比較例は、上記触媒コンバータ41の下流側に、実験
例1のガスセンサ1に代えて従来のλセンサを設けたも
のである。尚、このλセンサは大気導入型なので水分が
侵入しない位置に取り付ける必要がある。
上記λセンサの出力電圧の変化を第8図(C)に示
す。この図から明らかなように、正常な三元触媒43の場
合には、変動の小さな出力が得られる(のグラフ)。
一方、劣化した三元触媒43の場合には、λセンサの出力
は大きく上下に変動するものとなる(のグラフ)。こ
のλセンサは空燃比をλ点のみで判定して出力するもの
なので、排ガスの空燃比の状況によっては、的確に三元
触媒43の状態に応じた出力を得られないことがある。従
って、好適に三元触媒43の劣化を検出できない。
尚、実験例1と比較例とを比べると、第8図(C)の
領域(ロ)では、実験例1のガスセンサ1の出力は、約
0.8〜0.9Vに固定されるが、領域(イ),(ハ)では、
実験例1のガスセンサ1の出力は、約0.1〜0.2Vに低下
する。
この様に、本実施例のガスセンサ1は、理論空燃比点
の近傍の所定の範囲で、明瞭な出力信号が得られるの
で、この信号に基づいて三元触媒43の劣化を容易に且つ
確実に検知することができるという特長がある。また、
この出力信号は流す電流を調節することによって、任意
に設定することができ、それによって、単に三元触媒43
の劣化を検出することができるだけでなく、三元触媒43
の劣化の程度も検出することができる。
更に、このガスセンサ1を使用し、前記実験例1,2に
記載した触媒劣化検知方法を採用することによって、触
媒の劣化の検知が極めて容易になるいう顕著な効果を奏
する。
次に他の実施例について、第10図に基づいて説明す
る。本実施例のガスセンサ50と上記実施例との大きな相
違点は、多孔質電極52,53が、ガスセンサ50の固体電解
質基板51の片側ではなく両側に形成されていることであ
る。即ち、本実施例のガスセンサ50は、ジルコニアから
なる固体電解質基板51の両側に、一対の多孔質電極52,5
3を形成し、その各々の多孔質電極52,53を覆って、ジル
コニアからなる上部外側基板56と下部内側基板57とが、
所定の幅のギャップ54,55を形成するように配置されて
いる。更に、上部外側基板56と固体電解質基板51と下部
内側基板57との間には、各々ギャップ54,55と外界とを
連通する多孔質のガス率速層58が形成されている。
また、下部内側基板57の外側には、アルミナからなる
遮蔽層59,白金のヒータ60及びジルコニアからなる下部
外側基板61が積層されている。
この様な構成によって、上記実施例と同様な効果を奏
するとともに、電極面積を広く設定できるという利点及
び横方向の寸法を短くできるという利点がある。
[発明の効果] 以上説明したように、本発明のガスセンサは、固体電
解質基板の表面に設けられた一対の電極間に定電流を流
して、該両電極間に生じる電圧を、雰囲気中の酸素及び
還元ガスの量を検知する信号として検出するものなの
で、理論空燃比点近傍において明確な出力電圧を得るこ
とができる。それによって、雰囲気中の酸素及び還元ガ
スの量或は触媒の劣化を容易にかつ確実に検出すること
ができる。また、この様な簡単な構成で機関における雰
囲気中の酸素及び還元ガスの量或は触媒の劣化を容易に
知ることができるので、センサの故障が少なく耐久性に
富むものとなる。更にセンサの製造工程も減らすことが
できるので、経済性にも優れている。
また、本発明のガスセンサを用い、そのセンサの出力
電圧の平均値が所定値を下回るか否かを判定することに
より、容易に触媒の劣化を検知することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明のガスセンサの基本的構成を例示する説
明図、第2図は本実施例のガスセンサの出力電圧を説明
するグラフ、第3図はガスセンサの浄化率に応じて変動
する出力電圧を示すグラフ、第4図はガスセンサの平均
出力電圧と浄化率との関係を示すグラフ、第5図はガス
センサを破断して示す一部破断斜視図、第6図はその分
解斜視図、第7図はその使用位置を示す説明図、第8図
(A)は触媒の上流に配置されるλセンサの出力電圧を
示すグラフ、第8図(B)は実験例のガスセンサの出力
電圧を示すグラフ、第8図(C)は比較例のλセンサの
出力電圧を示すグラフ、第9図は触媒劣化を検知する制
御を示すフローチャート、第10図は他の実施例のガスセ
ンサを示す断面図である。 1,50……ガスセンサ K,2,51……固体電解質基板 3,56……上部外側基板 G1,G2,5,6,54,55……空隙(ギャップ) D2,D2,9,10,52,53……多孔質電極(電極) GR,12,13,58……ガス律速層 44……ECU 57……下部内側基板
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山田 哲正 愛知県名古屋市瑞穂区高辻町14番18号 日本特殊陶業株式会社内 (56)参考文献 特開 昭58−172542(JP,A) 特開 昭59−31443(JP,A) 特開 昭63−147941(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G01N 27/409,27/41,27/419

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】固体電解質基板の表面に設けられた一対の
    電極と、該両電極を各々区分して覆うことによって各電
    極に接する空隙を各々形成する基板と、該各空隙と外界
    とを連通する各ガス律速部とを備え、雰囲気中の酸素及
    び還元ガスの量を検知するガスセンサであって、 上記両電極間に定電流を流して、該両電極間に生じる電
    圧を、上記雰囲気中の酸素及び還元ガスの量を検知する
    信号として検出することを特徴とするガスセンサ。
  2. 【請求項2】固体電解質基板の表面に設けられた一対の
    電極と、該両電極を各々区分して覆うことによって各電
    極に接する空隙を各々形成する基板と、該各空隙と外界
    とを連通する各ガス律速部とを備え、触媒の劣化を検知
    するガスセンサであって、 上記両電極間に定電流を流して、該両電極間に生じる電
    圧を、上記触媒の劣化を検知する信号として検出するこ
    とを特徴とするガスセンサ。
  3. 【請求項3】前記請求項2のガスセンサを用い、触媒の
    劣化を検知する方法であって、 前記ガスセンサを触媒の下流側に配置し、該ガスセンサ
    の出力電圧を検出するとともに出力電圧の平均値を求
    め、該出力電圧の平均値が所定値を下回る場合には、前
    記触媒が劣化したと判定することを特徴とする触媒劣化
    検知方法。
JP2123810A 1989-09-14 1990-05-14 ガスセンサ及び触媒劣化検知方法 Expired - Fee Related JP2921919B2 (ja)

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