JP2921762B2 - 水を用いた除電クリーニング法及びその装置 - Google Patents

水を用いた除電クリーニング法及びその装置

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JP2921762B2 JP1019726A JP1972689A JP2921762B2 JP 2921762 B2 JP2921762 B2 JP 2921762B2 JP 1019726 A JP1019726 A JP 1019726A JP 1972689 A JP1972689 A JP 1972689A JP 2921762 B2 JP2921762 B2 JP 2921762B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) この発明は帯電している合成樹脂等の物や人体、動
物、空気等の除電及び除塵を主な目的とした除電クリー
ニング法及びその装置に関するものである。
(従来の技術) プラスチック成形品、フィルム、紙、布等のものの印
刷加工する際に除電をして静電気を取り、ホコリを取り
除かなければならない。そこで従来は5KV〜10KVの高電
圧放電によりコロナ放電を行いイオン風を被処理物に吹
き付けて除電している。
(発明が解決しようとする課題) しかしながらこの方法の場合、被処理物に付着してい
るホコリは電気的には中和されていて、表面には電荷が
現れない。それは被処理物表面に帯電している微粒子が
付着すると、被処理物表面に静電誘導現象により逆の極
の等量の電荷が誘起してしまい、見かけ上電荷は零とな
り、バランスがとれ、安定し、強固に固定される。これ
にイオン風を吹き付けてもこの付着している、見かけ上
帯電圧零の微粒子に対しては電気的には全く影響を与え
ない。従って付着しているホコリ等の微粒子に対しては
純電気的な放電による静電気乃至はホコリの除去は難し
い。
この様にコロナ放電による除電の場合空気中に浮遊し
ている粒子に対しては除電効果があるが、被処理物表面
に固定されている粒子に対しては除電効果は著しく阻害
される。また電子機器等は内部のIC等の半導体が静電放
電等による電磁波によって破壊され易いため、このコロ
ナ放電による除電は向かない。
従って被処理物の帯電を完全に除電するのはかなり難
しいものである。
(課題を解決するための手段) そこでこの発明は上記コロナ放電に代えて、水を用い
てこれを多数の微粒子にしてミストを一部単極又は分極
帯電、又はイオン化し、これらのミストを温風又は熱線
雰囲気に通して粒径を小さくしつつ被処理体に当てる除
電除塵方法及びその装置を提供するものである。
そしてこの発明の具体的構成は以下のものである。請
求項1項の発明は、空気中に水を噴霧して当該水を帯電
させて行う、水を用いた除電クリーニング方法におい
て、1ml/分以上の分量の純水を噴霧圧1.0kg/cm2以上の
割合で噴霧し、この噴霧の過程において、当該噴霧の圧
力による空気摩擦により位置負の粒子を帯電させて当該
純水の粒子を単極又は分極帯電した粒径約50μ以下のミ
ストにし、これを被処理体に噴霧する除電クリーニング
方法である。また請求項2のものは、上記方法において
噴霧中のミストを温風又は熱線雰囲気中に通して成る除
電クリーニング方法である。さらに請求項3項のもの
は、上記請求項1項の方法において、純水に対し約6%
以下の分量で界面活性剤及び電荷移動錯体等の帯電電荷
を移動できる物質を混合して溶液をつくり、この溶液を
ミストとするとともにこのミストを被処理体に噴霧後上
記界面活性剤が気化するよう噴霧中のミストを温風又は
熱線雰囲気中に通すものである。
また請求項第4項乃至第6項の発明は水を粒径約50μ
以下のミストにし、このミストのイオン化を適宜の手段
で促進させて被処理体にこれを噴霧するとともにこれら
の噴霧中のミストを温風又は熱線雰囲気中に通して成る
除電クリーニング方法であり、第5項の発明は上記ミス
トのイオン化促進手段として噴霧中のミストに電界又は
電場を与えるものであり、第6項の発明は上記ミストの
イオン化促進手段として水の純度を高めて抵抗値を上
げ、イオン化を促進させるものである。また上記ミスト
のイオン化促進方法としては他にイオン風をミスト中に
送り込むとか、磁場を与えてこの中をミストを通過させ
るとか、ミスト中に遠赤外線又は紫外線を照射させると
か、超音波の発振域中をミストを通過させるとか、超音
波を与え乍らミストを噴霧させるとか、ミストにする際
エアーの代わりに炭酸ガス等の酸性ガス又はアンモニア
等のアルカリ性ガスを吹き付けてミストとする等の手段
がある。さらに請求項第7項の発明は下面が開口した。
断面略椀状の中空部を有する装置本体の中空基部に、純
水を粒径約50μ以下のミストにして中空部の開口部に向
けて噴霧するミスト噴霧口を設け、このミスト噴霧口の
周囲の中空部内壁に、温風又は熱線噴出口を多数設けた
除電クリーニング装置である。
この水のうち通常の水は抵抗値が約2〜5×103Ω程
度、全カチオン300PPMであるのに対し、イオン交換樹脂
で処理した純水は抵抗値約106Ω、全カチオン0.5PPM程
度のものである。
(作用) 上記請求項第1項の除電方法ではミストが噴霧された
際一部の粒子は空気中で帯電し、これらの各粒子はプラ
スやマイナスの電荷を有する。ミストを成す水は純度が
高い程誘電率が高まり、分極帯電が多くなり電気的中和
作用が促進する。一方導電率も低く、これが微粒化に際
して空気摩擦によって強力に帯電し、導電率の低下に伴
いプラスマイナスの帯電性が増大し、また安定化する。
これらの一部帯電されたミストは勢いよく噴霧され、被
処理体の表面にぶつかり、付着し、被処理体の温度等に
よって蒸発する。そして特に被処理体が常温より高い場
合は効果的に働き、蒸発、気化が促進される。このとき
第1図(A)に示す如く、被処理体(イ)の表面に付着
した、電荷を有するホコリ等の微粒子(ロ)にミストの
上記電荷と逆の極の電荷を有する微粒子(ハ)が当り、
これが被処理体(イ)の表面に誘導された逆極の等量の
電荷(ニ)に対してより誘電率の高い水の粒子のため微
粒子(ロ)の電荷は微粒子(ハ)の電荷に誘導され、こ
の微粒子(ハ)が蒸発する時、電荷とともに消滅し、第
1図(C)に示す如く、電荷を有しないホコリ等の微粒
子(ロ)のみが残る。またこれはミストの電荷を有しな
い微粒子(ホ)が第1図(B)に示す如く電荷を有する
ホコリ等の微粒子(ロ)に当った場合でも、微粒子
(ホ)に静電誘導により逆極の電荷が誘起され、被処理
体(イ)の表面に誘導された逆極の等量の電荷(ニ)に
対してより誘電率の高い水の粒子のために微粒子(ロ)
の電荷は微粒子(ホ)の電荷に誘導されて、この微粒子
(ホ)が蒸発する時、電荷とともに消滅し、第1図
(C)の如くなる。これは液体の微粒子の気化による電
荷の熱エネルギーへの転換作用によって電荷はエネルギ
ーの形を変えて空中へ気化、消滅する。勿論被処理体表
面に存する静電気(ヘ)は第1図(D)に示す如く上記
ミストの微粒子(ト)の被処理体(イ)表面への付着に
よって中和され、当該静電気は第1図(E)に示す如く
消滅する。これにより被処理体の表面の静電気は空中放
電することなく除去され、静電放電による電磁障害等の
虞れも無い。そして被処理体の表面に付着したホコリ等
の微粒子は静電気力による影響が無くなり、かつ水の表
面張力によってホコリは遊離した状態であるので、これ
らにエアー等を吹き付けたり、吸引すれば容易に除去で
きる。また上記ミストは水から成るため、被処理体表面
に吹き付け、これらが蒸発すると表面には何も残らず、
被処理体表面はクリーンな状態となる。この際水の純度
が高ければ高い程不純物が被処理体表面に残らず、被処
理体表面はよりクリーンな上体となる。
また請求項第2項の発明は上記請求項第1項のものと
ほぼ同様に作用するが、噴霧中のミストが温風又は熱線
雰囲気を通るため、ミストの粒子は次第に気化してその
粒径を小さくしながら被処理体にぶつかって付着し、直
ちに蒸発する。従って電子機器等の水に濡れては困るも
のでも、この方法に拠れば回路部品の絶縁破壊を起こす
こと無く除電、除塵ができる。
また請求項第3項の発明は上記請求項第2項のものと
ほぼ同様に作用するが、上記ミストを構成する水に極く
僅かの界面活性剤や電荷移動錯体等の物質を混ぜている
ため、これらのミストの各微粒子が被処理体表面に付着
した際より帯電電荷が移動し易く、除電効果が高い。し
かしながら混ぜた界面活性剤は極く僅かで、かつミスト
噴霧中に加温しているため、被処理体へ付着後気化し、
除電処理後被処理体表面から除去し、従って表面には何
も残らない。また請求項第4項乃至第6項の発明は上記
請求項第2項のものとほぼ同様に作用するが、噴霧する
ミストのイオン化を促進させるもので、より多くのミス
トの微粒子をイオン化させ被処理体表面の除電効果を高
めるものである。さらに請求項第7項の除電クリーニン
グ装置は装置本体の開口部に近接して被処理体を当て、
ミスト噴霧口からミストを噴霧する。すると一部の粒子
は装置本体の中空部内でイオン化し、帯電する。これら
の一部の帯電されたミストは勢いよく噴霧され、装置中
空部内壁に設けた多数の温風又は熱線噴出口から噴出し
た温風又は熱線雰囲気の中を通り、これらの熱で各粒子
は外周が気化し、粒径を小さくしつつ被処理体表面にぶ
つかり、直ちに蒸発する。これにより上記請求項第1項
のものと同様に被処理体の表面の静電気は除去される。
そして被処理体の表面に付着したホコリ等の微粒子には
もはや帯電しておらず、従ってこれらにエアー等を吹き
付けたり、吸引したりすれば容易にホコリ等の微粒子を
除去できる。
また上記ミストは水から成るため、被処理体の表面に
吹き付け、これらが蒸発すると表面には何も残らず吸湿
性の強いナイロンフィルム等の被処理体の場合でも変形
することなく、クリーンな状態となる。
(実施例) 以下この発明の実施例を第2図以降につき説明する。
第2図はこの発明の第1実施例の装置を示し、1は装
置本体、2はこの装置本体1の下面に開口部2aを有する
断面略椀状の中空部、3はこの中空部2の上部中央に噴
出口3aを突出せしめて装置本体1に支持固定したノズ
ル、5は装置本体1外からこのノズル3に一端を接続し
た純水供給管、6は同じく装置本体1外からこのノズル
3に一端を接続したエアー供給管、7は上記中空部2の
内周に沿って装置本体1内に設けた温風路、8は上記中
空部2の内周に多数設けた温風噴出口、9は装置本体1
外から温風路7に一端を接続した温風供給管、10は装置
本体1の両側に設けたエアー吹出管である。
次にこの装置を用いてこの発明の方法を説明する。適
宜の水をろ過し、イオン交換樹脂で処理して電気抵抗値
106Ω以上及び全カチオン0.5PPM以下の純水とする。こ
の純水を純水供給管5に図外のポンプ等で送る。一方装
置本体1の下方、上記中空部2の開口部2aに近接して被
処理物たるプラスチックスフィルム11を移送させる。そ
して第2図の右方のエアー吸引管10よりプラスチックス
フィルム11上のある程度のホコリを取り除く。そして第
2図矢印Aに示す如くプラスチックスフィルム11を移送
させ、上記中空部2の開口部2a下に位置させ。そこで上
記エアー供給管6のバルブ6aを開き、ノズル3の噴出口
3aカラ純水のミスト12を噴霧させる。このミスト12は1m
l/分以上の分量を噴霧圧1.0kg/cm2以上、エアー量20l/
分以上の割合で噴霧させる。この噴霧されたミストの粒
径は50μ以下であり、これらのミストは噴霧に際して空
気摩擦によって強力に帯電する。さらに温風供給管9か
ら温風路7を介して各温風噴出口8から温風を中空部2
内に送り込む。これにより中空部2内は全体が40℃前後
の加熱雰囲気となる。従って噴霧された上記ミスト12の
各微粒子はこの加熱雰囲気中を通過し、この中で各微粒
子は外周が気化して粒径を小さくしつつ加速されて落下
し、プラスチックスフィルム11上にぶつかる。
このぶつかった各微粒子は粒径が小さくかつ加温され
ているため直ちに蒸発する。これによりプラスチックス
フィルム11の表面の静電気は除去される。そしてさらに
プラスチックスフィルム11を矢印Aの方向に移送させ、
エアー吸引管10によりプラスチックスフィルム11上に付
着した、もはや移動し易くなった電荷のないホコリ等の
微粒子を吸引し、当該プラスチックスフィルム11の表面
をクリーンにする。
なおこの実施例に代えて水に対し6%以下の分量の界
面活性剤、電荷移動錯体等の電荷を移動できる物質を加
えたものをミストにし、これを噴霧せしめる場合もあ
り、これによればミストの各微粒子が被処理体の表面に
付着した際、より帯電電荷が移動し易く、除電効果が高
い。しかし混ぜた界面活性剤は極く僅かであるため、か
つミストを加温雰囲気中に通すため、気化し、除電処理
後被処理体表面に界面活性剤が何も残らない。
第3図はこの発明の第2実施例を示すもので、噴霧す
るミストのイオン化を促進させて被処理体にこれを噴霧
し、除電を行う方法の一例を示したものである。この方
法に使用する装置は上記第1実施例のものとほぼ同一で
あり、さらにノズル3の噴出口3aの下方に近接して二つ
の電極13、13を突出せしめ、これらの電極13、13に直流
又は交流の高電圧をかけ、噴霧されたミスト12のイオン
化をより促進せしめるものである。このイオン化促進方
法としては上記第1実施例において温風供給管9から供
給する温風内にイオン風を送り込むもの。また上記ノズ
ル3の噴出口3aの下方に永久磁石又は電磁石を設けて磁
場をつくり、この磁場に噴霧したミストを通過させるも
の。また上記実施例における中空部2の内周面をセラミ
ックス等で被い、このセラミックスにより遠赤外線を発
射させ、噴霧されたミストに遠赤外線を照射させる。ま
た中空部2内で、噴霧されたミストに紫外線を照射させ
るとか、超音波を与えながらミストを噴霧させるとか、
純水等をミストにする際エアーの代わりに、炭酸ガス等
の酸性ガス又はアンモニア等のアルカリ性ガス、さらに
は酸化しやすい材料の場合アルゴン、ヘリウム等の不活
性ガスや窒素ガスを吹き付けてミストとする等の手段が
ある。
第4図はこの発明の第3実施例を示し、箱体型の装置
本体20の下部に純水を入れたタンク21を設け、このタン
ク21の上方の棚部22に設けたノズル23にタンク21の純水
を導入し、一方圧縮エアーをバルブ24を介してエアー供
給管25を通し、ノズル23に供給する。これによりノズル
23の噴出口23aから純水のミスト26が装置本体20の上部
に設けたミスト発生室27内に噴霧される。このミスト26
は3ml/分以上の分量を噴霧圧5kg/cm2、エアー量60l/分
の割合で噴霧させる。このミスト26の粒径は50μ以下で
あり、噴霧に際して空気摩擦によって強力に帯電する。
そして装置本体20の外部に設けたエアーブロアー28で吸
引したエアーをヒーター29を通して約60℃の温風とし、
この温風を装置本体20の上部に送り、ミスト発生室27の
側壁周囲に多数設けた温風噴出口30からミスト発生室27
に噴出させ、ミスト発生室27に一端を接続して装置本体
20外部へ導出したダクト31内に、ミスト26を加温しなが
ら移送する。そして被処理体にこれらのをミスト26を噴
霧する噴霧装置32は第5図に示す如く上記ダクト31の一
端が噴霧装置32内に導入され、このダクト31の一端はラ
ッパ状のガイド体33の基部に固定、開化している。この
噴霧装置32の中空内部に温風供給管34から約40℃の温風
を導入し、かつガイド体33の側壁周囲及びガイド体33の
下端外周の噴霧装置32の下面に多数設けた温風噴出口35
からガイド体33内及び下方周囲に温風を噴出させる。こ
れによりミスト26はこれらの温風によって噴霧を付勢さ
れ、ガイド体33の開口部に接した被処理体に吹き付けら
れる。しかもガイド体33内は温風によって加温雰囲気と
なり、この中をミスト26を通過させ、そこでミスト26の
各粒子の外周は温風に覆われるためミスト26の各粒径は
小さくなりつつ被処理体に吹き付けられる。
第6図乃至第10図はこの第3実施例における噴霧装置
32の具体例を示すもので、第6図の噴霧装置32′は上記
ガイド体33を横長にしたもので、シート、フィルム、板
物、紙等の除電処理に適するものである。
また第7図のものはコンベアーベルト36に設けたゲー
ト型の噴霧装置37としたもので、これはコンベアーベル
ト36上に成型品、梱包品等をのせ、これらを噴霧装置37
にくぐらせ、該箇所でミストを噴霧し、除電するもので
ある。この場合この噴霧装置の脇に適宜の吸引装置(図
示省略)を設け、除電されたホコリ等の微粒子を吸引除
去することもできる。
また第8図のものは中空箱型の噴霧装置38であり、こ
の中に被処理体たる人又は作業衣等を入れ、中空内壁に
多数設けた開口部よりミストを噴霧し、除電するもの
で、底部からホコリ等を吸引し、排気管39で外部に排気
するものである。さらに第9図のものはマット状の噴霧
装置40であり、例えばホテルの部屋、クリーンルーム等
の入口にこれを置き、ミストを両側の堤部41内側から中
央凹部42へ噴霧し、この中央凹部42上を人が通過する
際、ミストが人の足元に噴霧され、除電されるものであ
り、中央凹部42上面からホコリ等を吸引して排気管43で
外部に排気する。また第10図のものはシャワーノズル状
の噴霧装置44であり、これを作業者が手で持って、適宜
の被処理物に吹き付けるものである。このシャワーノズ
ル状の噴霧装置44の噴霧口面45に温風、ヒーター等によ
り赤外線を発する赤外線放射体53を設けてもよい。
また第11図はこの発明の第4実施例のシャワーノズル
状の噴霧装置46を示すものであるが、この実施例のもの
はラッパ状本体47の内周面中央基部に、ミストを噴霧す
る噴霧ノズル48を設け、この噴霧ノズル48には水供給管
49及びエアー供給管50を導入し、このラッパ状本体47内
には温風を導入し、上記噴霧ノズル48の周囲のラッパ状
本体47内周面に多数設けた噴出口52から温風を噴出せし
めるものである。
次に上記第2図に示した第1実施例の装置を用いてこ
の発明の除電方法で除電した結果を示す。上記第1実施
例の装置本体1の開口部に当てる被処理体は厚さ30μ、
巾600mmのポリプロピレンフィルムであり、処理スピー
ド35m/分で移送した。また水道水をイオン交換樹脂で処
理して抵抗値106Ωの純水とし、この純水を20ml/分の分
量で噴霧圧2.5kg/cm2でノズル3から粒径10μのミスト
を噴霧し、温風を温風供給管9から150ml/分の割合で供
給し、温風噴出口8から40℃の温風を吹き付けた。上記
ノズル3の噴出口3aから上記被処理体までの距離は約1m
とした。この結果上記ポリプロピレンフィルムは、除電
処理前は帯電圧30,000〜50,000Vであったが、これが処
理後100Vに低下した。また3mmの距離からの灰付着テス
トでは灰の付着が0であった。これは除電処理後の帯電
圧が1KV以下の実用的範囲に十分入っているものであ
る。
また上記第11図のシャワーノズル状の噴霧装置46を用
いて人体の除電を行った。これには抵抗値106Ωの純水
を用い、この純水を90ml/分の分量で、エアー量200ml/
分、噴霧圧3.5kg/cm2で粒径10μのミストを噴霧し、同
時に40℃の温風を200ml/分の分量で吹き付け、これをミ
ストの噴霧距離50cmで約2秒間行ったところ、帯電圧60
0V、静電容量150PFの人体が帯電圧300V、静電容量0.01P
Fに低下した。
また次に第11図のシャワーノズル状の噴霧装置46を用
いて、抵抗値106Ωの純水を100〜500ml/分の割合で、エ
アー量100〜500l/分、噴霧圧5kg/cm2で粒径10μのミス
トを噴霧し、50℃〜60℃の温風を200〜800l/分の分量で
吹き付け、3〜8m先の天井、壁面を1m2当り約1秒の割
合でミストを噴霧したところ帯電圧は3,000Vから100〜6
0Vに低下した。
(発明の効果) この発明は以下の構成であり、請求項第1項の発明
は、水を用いてこの水を微粒化に際しての帯電を利用
し、単極又は分極帯電したミストを被処理体に噴霧し、
これらの水の微粒子を被処理体に当て、これらの水の微
粒子が蒸発気化することにより、これと一緒に帯電電化
を空中に気化、消滅させ、被処理体を除電するものであ
る。従って従来のコロナ放電によるイオン風よりも、単
極又は分極帯電した微粒子の方が多極化され、除電能力
は高い。それ故被処理体に付着したゴミやホコリ等の帯
電微粒子に対しても除電できる。しかもこの発明では被
処理体に付着した水の微粒子の空気中への気化に伴い帯
電電荷が消滅するため、被処理体周囲は局部的に湿度が
高まり、いわゆる静電放電による電磁障害が発生しな
い。従って電子機器等は内部のIC等の半導体が静電放電
による電磁波によって破壊され易く、それ故コロナ放電
が向かなかったが、この発明の除電方法を用いれば安心
して除電できる。またこの発明では水の微粒子をミスト
にして被処理体に付着させ、これを気化せしめているた
め、除電した被処理体の表面には薬剤や化学剤が残ら
ず、被処理体自体の特性が変わることがない。その点上
記水の純度を高めれば高める程不純物が被処理体表面に
残らない。この様に水の微粒子を気化させるものである
が、被処理体の材料によっては水の分子的な膜が表面に
形成され、これが表面を活性化し、印刷、塗装、接着等
の場合、これらが極めて付着、固定し易くなる。また被
処理体が紙等の繊維質のものはこれらの分子的な水の膜
によって強度が増す。
また一般に空気中に浮遊している雑菌類(大腸菌、ブ
ドウ状球菌等のバクテリアとかカビ類)は帯電している
ホコリ等の微粒子に付着し、その電気的反発力を利用し
て会合せずに互いに安定した距離を維持している。この
雰囲気に従来のイオン風を送り込んでもイオン風が単一
電荷のため除電効果が少なく、かつ上記菌類の付着して
いる、数ミクロン以下のホコリ等の微粒子はイオン風の
影響を受けない。しかしながらこの発明の除電方法によ
れば、水の微粒子が上記菌類の付着したホコリ等の微粒
子に付着し易く、かつこれらの微粒子相互も凝集し易
く、従って菌類相互が接触し、抗体がないためどちらか
一方の強い方が残り、このためこれを繰り返すことによ
って菌類が極めて少なくなり、残存していないに等しい
状態となる。従ってこの除電処理により衛生的な空気が
得られ、特に衛生的な状態を要する部屋の除電除塵に適
している。
また請求項第2項の発明は上記のものに加え上記噴霧
中のミストを温風又は熱線雰囲気中に通すため、ミスト
の各微粒子は加温されて一部は気化してその粒径を小さ
くしながら被処理体にぶつかり、直ちに蒸発する。従っ
て被処理体がぬれることがない。
また請求項第3項の発明は上記水に界面活性剤や電荷
移動錯体等の電荷を移動できる物質を極く僅か混ぜた溶
液をミストとしているため、ミストの各粒子が被処理体
表面に付着した際、より帯電電荷が移動し易く、除電効
果が高い。しかしながら除電処理後には被処理体表面に
これらの物質が残らない。
また請求項第4項乃至第6項の発明は水から成るミス
トのイオン化を促進させて被処理体に噴霧する除電方法
であるが、その一例としては水の純度を高め、電気抵抗
値を上げることにより、ミスト化する際の帯電を強め、
これにより多くのミストの微粒子を強力に帯電化させ、
これらの微粒子を帯電している被処理体表面に当てるこ
とにより除電効果を高めるものである。
また請求項第7項の除電クリーニング装置は椀状の中
空部基部にミスト噴霧口を設け、この中空部内を温風又
は熱線雰囲気とし、この中にミストを通して微粒子を加
温度し、気化させつつ噴霧するもので、上記除電方法を
実施する上で、極めて効率の良くコンパクト化が図れる
最適の装置である。
【図面の簡単な説明】
第1図(A)、(B)、(C)、(D)、(E)は夫々
この発明の原理説明図、第2図はこの発明の第1実施例
の断面図、第3図はこの発明の第2実施例の断面図、第
4図はこの発明の第3実施例の装置本体の断面図、第5
図は同実施例の噴霧装置の断面図、第6図乃至第10図は
夫々同実施例の噴霧装置の具体例を示す斜視図、第11図
はこの発明の第4実施例の噴霧装置の断面図である。 なお図中1は装置本体、2は中空部、3はノズル、5は
純水供給管、6はエアー供給管、7は温風路、8は温風
噴出口、10はエアー吹出管、11はプラスチックスフィル
ム、12はミスト、21は純水タンク、23はノズル、25はエ
アー供給管、26はミスト、27はミスト発生室、28はエア
ーブロアー、29はヒーター、30は温風噴出口、31はダク
ト、32は噴霧装置、33はガイド体、34は温風供給管、35
は温風噴出口である。

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】空気中に水を噴霧して当該水を帯電させて
    行う、水を用いた除電クリーニング方法において、1ml/
    分以上の分量の純水を噴霧圧1.0kg/cm2以上の割合で噴
    霧し、この噴霧の過程において、当該噴霧の圧力による
    空気摩擦により一部の粒子を帯電させて当該純水の粒子
    を単極又は分極帯電した粒径約50μ以下のミストにし、
    これを被処理体に噴霧することを特徴とする、水を用い
    た除電クリーニング方法。
  2. 【請求項2】空気中に水を噴霧して当該水を帯電させて
    行う、水を用いた除電クリーニング方法において、1ml/
    分以上の分量の純水を噴霧圧1.0kg/cm2以上の割合で噴
    霧し、この噴霧の過程において、当該噴霧の圧力による
    空気摩擦により一部の粒子を帯電させて当該純水の粒子
    を単極又は分極帯電した粒径約50μ以下のミストにし、
    これを被処理体に噴霧するとともにこれらの噴霧中のミ
    ストを温風又は熱線雰囲気中に通すことを特徴とする、
    水を用いた除電クリーニング方法。
  3. 【請求項3】空気中に水を噴霧して当該水を帯電させて
    行う、水を用いた除電クリーニング方法において、純粋
    に対し、約6%以下の分量で界面活性剤等の帯電電荷を
    移動できる物質を混合し、この溶液を1ml/分以上の分量
    を噴霧圧1.0kg/cm2以上の割合で噴霧し、この噴霧の過
    程において、当該噴霧の圧力による空気摩擦により一部
    の粒子を帯電させて当該純水の粒子を単極又は分極帯電
    した粒径約50μ以下のミストにし、これを被処理体に噴
    霧するとともに、上記界面活性剤が被処理体に噴霧後気
    化するよう噴霧中のミストを温風又は熱線雰囲気中に通
    すことを特徴とする、水を用いた除電クリーニング方
    法。
  4. 【請求項4】水を粒径約50μ以下のミストにし、このミ
    ストのイオン化を適宜の手段で促進させて被処理体にこ
    れを噴霧するとともにこれらの噴霧中のミストを温風又
    は熱線雰囲気中に通すことを特徴とする、水を用いた除
    電クリーニング方法。
  5. 【請求項5】ミストのイオン化を促進させる手段が、ミ
    ストに電界又は電場を与えるものであることを特徴とす
    る、特許請求の範囲(4)項記載の水を用いた除電クリ
    ーニング方法。
  6. 【請求項6】ミストのイオン化を促進させる手段が、純
    水から成るミストとしたことを特徴とする、特許請求の
    範囲(4)項記載の水を用いた除電クリーニング方法。
  7. 【請求項7】下面が開口した、断面略椀状の中空部を有
    する装置本体の中空基部に、水を粒径約50μ以下のミス
    トにして中空部の開口部に向けて噴霧するミスト噴霧口
    を設け、このミスト噴霧口の周囲の中空部内壁に、温風
    又は熱線噴出口を多数設けたことを特徴とする、水を用
    いた除電クリーニング装置。
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