JP2921114B2 - 高強度および高靭性を有する過共晶Al―Si系合金部材の製造法 - Google Patents

高強度および高靭性を有する過共晶Al―Si系合金部材の製造法

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は、高強度および高靭性を有する過共晶Al−
Si系合金部材の製造法に関するものである。
〔従来の技術〕
従来、例えば自動車のエンジンやコンプレッサーなど
の各種駆動装置の構造部材のうちで、特に耐摩耗性およ
び低熱膨張係数が要求される摺動部材として、軽量化の
要求と相まって、Si:15〜25重量%を含有する過共晶Al
−Si系合金(この合金は素地中に初晶Siが晶出分散した
組織をもつ)のダイカスト部材が用いられている。
〔発明が解決しようとする課題〕
一方、近年の各種駆動装置の高速化、高性能化、およ
び軽量化はめざましく、これに伴ない、これらの構造部
材には一段と高い強度と靭性が要求される傾向にある
が、上記の従来過共晶Al−Si系合金のダイカスト部材
は、その製造がダイカスト鋳造によるため、初晶Siの最
大粒径が約100μm程度にまでなって相対的に大きく、
これが原因で強度および靭性の点で十分満足する特性を
示さないのが現状である。
〔課題を解決するための手段〕 そこで、本発明者等は、上述のような観点から、すぐ
れた耐摩耗性と低熱膨張係数を具備した上で、さらに一
段と高い強度および靭性を有する構造部材を開発すべく
研究を行なった結果、 まず、原料粉末として、Si:20〜40%を含有する過共
晶Al−Si系合金、望ましくは、 Si:20〜40%、 を含有し、さらに、 Fe、Cu、Mn、Mg、およびNiのうちの1種または2種以
上:0.1〜10%、 を含有し、残りがAlと不可避不純物からなる組成(以上
重量%、以下組成に関する%は重量%を示す)を有する
過共晶Al−Si系合金からなり、かつ粒度も通常10〜150
μmの平均粒径を有するアトマイズ粉末を用意し、この
アトマイズ粉末は初晶Siの最大粒径が10μm以下と著し
く微細になっており、 この過共晶Al−Si系合金のアトマイズ粉末を用いて、
以下いずれも通常の条件で、所定形状の圧粉体にプレス
成形し、焼結して、気孔率が30〜50の多孔質焼結体を形
成し、 ついで、この多孔質焼結体を、これに対応する形状の
キャビティをもったダイカスト金型などの鋳型内に設置
し、 引続いて、この鋳型内に、Si:9〜12%を含有するAl−
Si系合金、望ましくは、 Si:9〜12%、Fe:1.3%以下、 Cu:1.5〜3.5%、 を含有し、残りがAlと不可避不純物からなる組成をもっ
た共晶Al−Si系合金の溶湯を加圧注入して、上記多孔質
焼結体の空孔を前記溶湯で充填することにより製造され
た過共晶Al−Si系合金部材においては、 上記多孔質焼結体の初晶Siの最大粒径が10μm以下
で、アトマイズ粉末のそれとほとんど変らず、これは溶
湯の加圧注入後も20μm程度にしか成長せず、このよう
に部材の初晶Siは相対的に細かく、空孔に充填された共
晶Al−Si系合金には実質的に初晶Siが存在しないことと
相まって、部材全体に占めるSiの含有量が平均で15〜30
%と高いにもかかわらず、一段と高い強度と靭性をもつ
ようになり、その上上記の通りSi含有量が平均で15〜30
%と高いので、耐摩耗性にすぐれると共に、低熱膨張係
数も確保されるという研究結果を得たのである。
この発明は、上記研究結果にもとづいてなされたもの
であって、 Si:20〜40%を含有する過共晶Al−Si系合金で構成さ
れ、かつ30〜50%の気孔率を有する所定形状の多孔質焼
結体を、これに対する形状のキャビティをもった鋳型内
に設置し、 ついで、上記鋳型内に、Si:9〜12%を含有する共晶Al
−Si系合金の溶湯を加圧注入して、上記多孔質焼結体の
空孔を前記溶湯で充填してなる、高強度および高靭性を
有する過共晶Al−Si系合金部材の製造法に特徴を有する
ものである。
なお、この発明の方法において、多孔質焼結体を構成
する過共晶Al−Si系合金のSi含有量を20〜40%に、多孔
質焼結体の空孔を充填する共晶Al−Si系合金のSi含有量
を9〜12%にそれぞれ限定したのは、前者のSi含有量が
20%未満になっても、後者のSi含有量が9%未満になっ
ても、製造される部材全体に占める割合でSi含有量が15
%未満になってしまい、所望のすぐれた耐摩耗性および
低熱膨張係数を確保することができず、一方前者にあっ
ては、Si含有量が40%を越えると、初晶Siの割合が多く
なりすぎるばかりでなく、粗大化して強度および靭性が
低下するようになり、また、後者にあってもSi含有量が
12%を越えると、素地に初晶Siが晶出するようになっ
て、部材の強度および靭性を低下するようになるという
理由によるものである。
さらに、多孔質焼結体の気孔率を30〜40%と定めたの
は、30%未満の気孔率では独立空孔が存在するようにな
って、溶湯の充填が満足に行なわれず、一方40%を越え
た気孔率になると、焼結体の強度が低くなりすぎ、製造
工程中に割れや欠けが発生し易くなるという理由にもと
づくものである。
〔実施例〕
つぎに、この発明の方法を実施例により具体的に説明
する。
原料粉末として、それぞれ第1表に示される組成をも
った過共晶Al−Si系合金からなり、10〜150μmの範囲
内の所定の平均粒径の空気アトマイズ粉末を用意し、こ
れら原料粉末から、0.5〜3ton/cm2の範囲内の所定の圧
力で圧粉体をプレス成形し、これら圧粉体を、10-6torr
の真空中、400〜510℃の範囲内の所定温度に6時間保持
の条件で焼結して、第1表に示される原料粉末の組成と
実質的に同一の組成並びに気孔率を有し、かつ直径:90m
mφ×厚さ:40mmのフランジ部の片側中央部に直径:25mm
φ×厚さ:30mmのボス部が付いた形状の多孔質焼結体を
形成し、この多孔質焼結体を、これの形状に対応した形
状のキャビティを有するダイカスト金型内に装着し、つ
いで同じく第1表に示される組成をもった共晶Al−Si系
合金の溶湯を、溶湯温度:700℃で加圧注入して、前記多
孔質焼結体の空孔を前記溶湯で充填し、さらにこの溶湯
充填焼結体に、大気雰囲気中、450〜500℃の範囲内の所
定温度に6時間保持後、水冷の条件での溶体化処理と、
大気雰囲気中、160〜190℃の範囲内の所定温度に10時間
保持の条件での時効処理を施すことにより本発明法1〜
5を実施し、それぞれ過共晶Al−Si系合金部材を製造し
た。
また、比較の目的で、多孔質焼結体を用いず、共晶Al
−Si系合金溶湯に代って、同じく第1表に示される組成
の過共晶Al−Si系合金溶湯のみを加圧注入する以外は同
一の条件で従来ダイカスト法1〜5を行ない、それぞれ
過共晶Al−Si系合金部材を製造した。
つぎに、この結果得られた各種の過共晶Al−Si系合金
部材について、初晶Siの最大粒径を測定し、さらに強度
と靭性を評価する目的で、引張強さとシャルピー衝撃値
を測定した。これらの測定結果を第1表に示した。
〔発明の効果〕 第1表に示される結果から、本発明法1〜5により製
造された過共晶Al−Si系合金部材は、いずれもSi含有量
がこれと対応する従来ダイカスト法1〜5により製造さ
れた過共晶Al−Si系合金部材に比して、初晶Siが著しく
微細であり、かつ一段と高い強度および靭性をもつこと
が明らかである。
上述のように、この発明の方法によれば、従来ダイカ
スト法により製造された過共晶Al−Si系合金部材に比し
て、ほぼ同等のSi含有量で、初晶Siが細かく、かつ強度
と靭性のすぐれた過共晶Al−Si系合金部材を製造するこ
とができ、しかもこの結果得られた過共晶Al−Si系合金
部材は、上記の通り15〜30%のSiを含有するので、耐摩
耗性にすぐれ、かつ低熱膨張係数を示すことから、駆動
装置の高速化、高性能化、および軽量化に伴なう、苛酷
な条件下での実用に対しても十分満足にこれに対応する
ことができ、長期に亘ってすぐれた性能を発揮するなど
工業上有用な効果がもたらされるものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平1−283330(JP,A) 特開 平1−263231(JP,A) 特開 昭63−256258(JP,A) 特開 平1−271052(JP,A) 特公 昭63−64508(JP,B2) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B22D 19/00 - 19/16 C22C 21/00 - 21/04 C22C 1/00 B22F 7/00 - 7/08

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】Si:20〜40重量%を含有する過共晶Al−Si
    系合金で構成され、かつ30〜50%の気孔率を有する所定
    形状の多孔質焼結体を、これに対応する形状のキャビテ
    ィをもった鋳型内に設置し、 ついで、上記鋳型内に、Si:9〜12重量%を含有するAl−
    Si系合金の溶湯を加圧注入して、上記多孔質焼結体の空
    孔を前記溶湯で充填することを特徴とする高強度および
    高靭性を有する過共晶Al−Si系合金部材の製造法。
JP33648290A 1990-11-30 1990-11-30 高強度および高靭性を有する過共晶Al―Si系合金部材の製造法 Expired - Fee Related JP2921114B2 (ja)

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