JP2920844B2 - Nb−Ti系超電導磁気シールド材 - Google Patents
Nb−Ti系超電導磁気シールド材Info
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Description
い変動磁場中でも超電導状態の安定性に優れ、かつ磁気
シールド特性の高いNb−Ti系超電導磁気シールド材
に関するものである。
として第1種超電導体及び第2種超電導体が用いられて
いた。両者は磁場の強さによって使い分けられ、第1種
超電導体はマイスナー効果によりかなり低い磁場までで
はあるが完全に磁気シールドすることができる。第2種
超電導体は下部臨界磁場Bc1と上部臨界磁場Bc2を有
し、Bc1まではかなり低い磁場ではあるがマイスナー効
果により完全磁気シールドすることができる。Bc1から
Bc2の間では超電導状態と常電導状態の混合状態となり
磁気シールドを行うことができるが、Bc2がかなり高い
材料を用いれば高磁場の磁気シールドも可能である。
用化されているNb−Ti系超電導材を用いた磁気シー
ルド材は、単独では超電導特性が不安定なためCuやA
lの高導電金属を被覆したり、交互に積層した構造を有
し、一般的にテープ状やシート状の形状をしていた。
属系超電導材には、超電導特性を安定化させるためCu
やAl等の高導電金属を接合させることが望ましい。こ
れは、超電導層内部への磁束の急激な侵入によって発熱
が生じるが、高導電金属層が超電導層の両側に接合して
いることによってこの熱をすやみかに外部の液体He中
に放散させることができることによる。また、部分的に
超電導状態が破壊されて高抵抗部になったとしても、高
導電金属が超電導電流の非常に導電性の良いバイパスの
役目を果たし、超電導状態に再び復することを可能にす
る。また、第2種超電導体に特有の励減磁の際のヒステ
リシスロスをできるだけ小さくし、超電導状態の安定性
を増すために超電導層1層当りの厚さをできるだけ小さ
くする必要がある。したがって、これらの事情から必然
的に板状の超電導磁気シールド材は高導電金属層と超電
導金属層との交互多層構造を有することになる。
とえば特開平2−94498号公報におけるCu/Nb
/Nb−Ti多層複合板等が挙げられる。
は、変動磁場中にあっては高導電金属中の渦電流や磁束
線の方向にもよるがNb−Ti層間に結合電流が生じ、
超電導不安定性の一因となる。
Ti系合金層と常電導金属層が厚さ方向に各々少なくと
も1層交互に積層され、かつNb−Ti系合金層と常電
導金属層の間にはすべてNbもしくはTaまたは両者の
合金のバリヤー層が存在するNb−Ti系超電導磁気シ
ールド材において、常電導金属層がCu−Ni合金、C
u−Mn合金、Cu−Co合金のうちいずれかである高
抵抗金属層からなるか、または常電導金属層が前記高抵
抗金属層とCu、Al、Agのうちいずれかである高導
電金属層が厚さ方向に各々少なくとも1層交互に積層さ
れてなることを特徴とするNb−Ti系超電導磁気シー
ルド材である。
と常電導金属層が厚さ方向に各々少なくとも1層交互に
積層され、かつNb−Ti系合金層1と常電導金属層の
間にはすべてNbもしくはTaまたは両者の合金のバリ
ヤー層4が存在するNb−Ti系超電導磁気シールド材
において、常電導金属層がすべてCu−Ni合金、Cu
−Mn合金、Cu−Co合金のうちいずれかである高抵
抗金属層2からなるか、または図2に示すように、高抵
抗金属層2とCu、Al、Agのうちいずれかである高
導電金属層3が厚さ方向に各々少なくとも1層交互に積
層されて常電導金属層を形成する。
る側が両方とも高導電金属層3で、それらに高抵抗金属
層2がはさまれたサンドイッチ構造が望ましい。また、
それとは逆に高導電金属層が高抵抗金属層にはさまれた
サンドイッチ構造でもよい。さらに、常電導金属層が上
記3層のサンドイッチ構造ではなく、単に両者の2層構
造であってもよい。
おける高導電金属層を、前記高抵抗金属層と構成成分が
同一の筋状の高抵抗金属帯2aによって複数の筋状の高
導電金属帯3aに分割してもよい。
接する他の筋状高導電金属帯とつながらないように筋状
高抵抗金属帯が配置されていればよい。したがって、筋
状高抵抗金属帯同士はお互いに交わる点がなく各一列ず
つであってもよいし、交叉点が各所にある、すなわち高
抵抗金属帯の壁によって高導電金属が細胞状(セル状)
に取り囲まれた構造であってもよい。ただし、この筋状
の高抵抗金属帯がその厚さ方向において一方の高抵抗金
属層から他方のNb−Ti系合金層界面にあるバリヤー
層または高抵抗金属層に至るまで途切れることなくつな
がっていることが必要である。
りながら高導電金属層が筋状の高抵抗金属帯によって複
数の筋状の高導電金属帯に分割されている構造が望まし
いが、上記2層構造において同様に筋状に分割されてい
ても構わない。
合金、Cu−Co合金のうちいずれかとするが、各Cu
合金とも十分な高抵抗であるためには、各第二元素が3
wt%以上であることが望ましい。
放熱媒体または超電導電流のバイパスとしての効果は低
下するものの、変動磁場によって生じる渦電流や超電導
層間の結合電流を相当に抑制することができ、変動磁場
用の磁気シールド材として効果を発揮することができ
る。
属層とが厚さ方向に各々少なくとも1層交互に積層され
てなる場合、そのうち特にNb−Ti系合金層界面のバ
リヤー層に接合される側が両方とも高導電金属層で、そ
れらに高抵抗金属層がはさまれたサンドイッチ構造であ
る場合、常電導金属層の断面積比が同じであれば大きな
渦電流の流れる領域が減り、かつNb−Ti層間の結合
電流を高抵抗金属層によって大幅に低減することが可能
になる。また放熱媒体または超電導電流のバイパスとし
ての効果もある程度保持される。高抵抗金属と高導電金
属が入れ替わったサンドイッチ構造でも同様の理由で効
果が発揮される。
であっても相当の効果はある。もちろん4層、5層と増
やすことも可能であり、高導電金属層がより細分化され
ることから、磁束の方向にもよるが特に渦電流の抑制に
効果がある。
金属層が筋状の高抵抗金属帯によって複数の筋状の高導
電金属帯に分割されている場合、板の厚さ方向だけでな
く平面方向にも分割がなされることにより、特に渦電流
の抑制に対してより大きな効果がある。厚さ方向にも高
抵抗金属層があるので、もちろん結合電流に対する抑制
効果もある。
抵抗金属層2を11層と、厚さ30μmのNb−Ti系
合金層1を10層交互に積層し、両者のすべての層間に
バリヤーとして厚さ0.1μmのNb層を設けた厚さ
0.632mmの板をクラッド圧延法により製作した。
また、これと比較のためCu−Ni合金層をすべてCu
層におきかえただけで、同一サイズ、構造の板も同一工
程によって製作した。
動磁場中に置いて磁気シールド特性を評価したところ、
本発明品は比較品がフラックスジャンプによって超電導
状態が消失するよりも5倍以上大きい励磁速度まで超電
導状態を保持し、磁気シールド効果を発生することが可
能であった。
n合金またはCu−Co合金を用いてもほぼ同様の結果
を得ることができた。
抵抗金属層2をはさんだ2層の厚さ10μmのCuの高
導電金属層3からなるサンドイッチ構造の常電導金属層
を9層と、厚さ30μmのNb−Ti系合金層1を10
層交互に積層し、両者のすべての層間にバリヤーとして
厚さ0.1μmのNb層を設け、最表面は両側とも厚さ
20μmのCu−Ni合金の高抵抗金属層2と厚さ10
μmのCuの高導電金属層3を積層した厚さ0.632
mmの板をクラッド圧延法により製作した。また、これ
と比較のためCu−Ni合金層をすべてCuにおきかえ
ただけで、同一サイズ、構造の板も同一工程によって製
作した。
動磁場中に置いて磁気シールド特性を評価したところ、
本発明品は比較品がフラックスジャンプによって超電導
状態が消失するよりも2倍以上大きい励磁速度まで超電
導状態を保持し、磁気シールド効果を発生することが可
能であった。
n合金またはCu−Co合金を用いてもほぼ同様の結果
を得ることができた。
ほぼ同様の結果を得ることができた。
抵抗金属層2をはさみ、厚さ10μmで筋状のCu−N
i合金の高抵抗金属帯2aによって分割細分化された筋
状のCu高導電金属帯3aからなるサンドイッチ構造の
常電導金属層9層と、厚さ30μmのNb−Ti系合金
層1の10層を交互に積層し、両者のすべての層間にバ
リヤーとして厚さ0.1μmのNb層を設け、最表面は
両側とも厚さ20μmのCu−Ni合金層と、厚さ10
μmのCu−Ni合金帯およびCu帯の混合層を積層し
た厚さ0.632mmの板をクラッド圧延法により製作
した。また、これと比較のためCu−Ni合金をすべて
Cuにおきかえただけで、同一サイズ、構造の板も同一
工程によって製作した。
動磁場中に置いて磁気シールド特性を評価したところ、
本発明品は比較品がフラックスジャンプによって超電導
状態が消失するよりも3倍大きい励磁速度まで超電導状
態を保持し、磁気シールド効果を発生することが可能で
あった。
n合金またはCu−Co合金を用いてもほぼ同様の結果
を得ることができた。
ほぼ同様の結果を得ることができた。
従来の高導電金属層とのみ接合させていたNb−Ti系
合金複合板では対応できなかった励磁や減磁の速度が大
きい変動磁場中でも、超電導状態の安定性に優れかつ磁
気シールド特性の高い磁気シールド材を得ることがで
き、その工業的な利用価値は非常に高いものである。
に交互に積層され、かつNb−Ti系合金層と常電導金
属層の間にはすべてバリヤー層が存在するNb−Ti系
超電導磁気シールド材を示す図である。
に積層されて常電導金属層が形成される場合、Nb−T
i系合金層界面のバリヤーに接合される側が両方とも高
導電金属層で、それらに高抵抗金属層がはさまれたサン
ドイッチ構造であるNb−Ti系超電導磁気シールド材
を示す図である。
が、筋状の高抵抗金属帯によって複数の筋状高導電金属
帯に分割されている構造を有するNb−Ti系超電導磁
気シールド材を示す図である。 1 Nb−Ti系合金層 2 高抵抗金属層 2a 高抵抗金属帯 3 高導電金属層 3a 高導電金属帯 4 バリヤー層
Claims (2)
- 【請求項1】 Nb−Ti系合金層と常電導金属層が厚
さ方向に各々少なくとも1層交互に積層され、かつNb
−Ti系合金層と常電導金属層の間にはすべてNbもし
くはTaまたは両者の合金のバリヤー層が存在するNb
−Ti系超電導磁気シールド材において、常電導金属層
がCu−Ni合金、Cu−Mn合金、Cu−Co合金の
うちいずれかである高抵抗金属層からなるか、または常
電導金属層が前記高抵抗金属層とCu、Al、Agのう
ちいずれかである高導電金属層が厚さ方向に各々少なく
とも1層交互に積層されてなることを特徴とするNb−
Ti系超電導磁気シールド材。 - 【請求項2】 高導電金属層が、前記高抵抗金属層と構
成成分が同一の筋状の高抵抗金属帯によって複数の筋状
に分割されていることを特徴とする請求項1記載のNb
−Ti系超電導磁気シールド材。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3050194A JP2920844B2 (ja) | 1991-02-25 | 1991-02-25 | Nb−Ti系超電導磁気シールド材 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3050194A JP2920844B2 (ja) | 1991-02-25 | 1991-02-25 | Nb−Ti系超電導磁気シールド材 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH04363078A JPH04363078A (ja) | 1992-12-15 |
JP2920844B2 true JP2920844B2 (ja) | 1999-07-19 |
Family
ID=12852343
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP3050194A Expired - Lifetime JP2920844B2 (ja) | 1991-02-25 | 1991-02-25 | Nb−Ti系超電導磁気シールド材 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2920844B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2861975B2 (ja) * | 1996-11-01 | 1999-02-24 | 株式会社移動体通信先端技術研究所 | 平面型フィルタ素子 |
CN115652139B (zh) * | 2022-10-31 | 2023-11-24 | 宁夏中色金航钛业有限公司 | 铌钛合金精密带材及其制造方法 |
-
1991
- 1991-02-25 JP JP3050194A patent/JP2920844B2/ja not_active Expired - Lifetime
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Publication number | Publication date |
---|---|
JPH04363078A (ja) | 1992-12-15 |
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